JP6811081B2 - 重合性液晶化合物、位相差フィルム、並びに該位相差フィルムを含む偏光板及び光学ディスプレイ - Google Patents

重合性液晶化合物、位相差フィルム、並びに該位相差フィルムを含む偏光板及び光学ディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、重合性液晶化合物、該重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルム、並びに該位相差フィルムを含む偏光板及び光学ディスプレイに関する。
フラットパネル表示装置(FPD)に用いられる位相差フィルムなどの光学フィルムとして、例えば、重合性液晶化合物を溶剤に溶解させて得られる塗工液を、支持基材に塗布後、重合して得られる、塗布型の光学フィルムがある。従来、重合性液晶化合物としては、例えば、6員環が2〜4個連結された棒状構造のネマチック液晶化合物などが知られている。一方、位相差フィルムとしては、その特性の1つとして全波長領域において偏光変換可能であることが求められており、[Re(450nm)/Re(550nm)]<1の逆波長分散性を示す波長域では、理論上、一様の偏光変換が可能であることが知られている。このような位相差フィルムを構成し得る重合性化合物は、例えば特許文献1に開示されている。
かかる塗布型の光学フィルムは、重合性液晶化合物を溶剤に溶解させて得られる塗工液を支持基材に塗布して塗膜を形成した後、塗膜に含まれる重合性液晶化合物をネマチック相等の液晶相状態へ転移させ、塗膜を乾燥して溶剤を留去する方法によって得ることができる(例えば、特許文献2)。
特開2011−207765号公報 特許第4606195号明細書
上記方法において、重合性液晶化合物の液晶相状態への転移は加熱によって行うことができる。しかしながら、上記特許文献2に記載される液晶化合物のように液晶相転移温度が高いと、熱エネルギーの過剰な浪費や、液晶化合物が塗布される支持基材の変形等の問題が生じ、位相差フィルムの製造が困難となる場合がある。
そこで、本発明は、液晶相転移温度が低く、かつ好ましくは逆波長分散性を有する位相差フィルムを構成するための、重合性液晶化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、該重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルムを提供することも目的とする。
本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]下記式(a):
Figure 0006811081
[式(a)中、
m及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、
、B、D、D、E及びEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
、A、G及びGは、それぞれ独立に、炭素数3〜16の2価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、−R、−OR、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−NH−又は−NR−で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH(−)−(メチン基)は−N(−)−(窒素原子)で置換されていてもよく、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、−OR又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表し、ただしP及びPのうち少なくとも1つは重合性基を表し、
は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、
は、単環構造又は多環構造を有する炭素数3〜25の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−CS−又は−NR−で置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す]
で表される重合性液晶化合物。
[2]Jは、下記式(b):
Figure 0006811081
[式(b)中、
Kは、−XC(=)X−と共に単環構造又は多環構造を構成する、炭素数1〜11の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−CS−又は−NR−で置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
及びXは、それぞれ独立に、−CO−、−CS−、−S−、−O−又は−NR−を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、
*は、結合手を表す]
で表される、前記[1]に記載の重合性液晶化合物。
[3]式(a)中のJは、式(c−1)〜式(c−5):
Figure 0006811081
[式(c−1)〜式(c−5)中、
11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y31、Y32、Y41、Y42、Y51及びY52は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、
11、Z12、Z21、Z22、Z31、Z41、Z51、Z52、Z53及びZ54は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜11の芳香族炭化水素基を表し、
*は、結合手を表す]
のいずれかで表される、前記[1]又は[2]に記載の重合性液晶化合物。
[4]G及びGはトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の重合性液晶化合物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルム。
[6]前記[5]に記載の位相差フィルムを含む偏光板。
[7]前記[6]に記載の偏光板を含む光学ディスプレイ。
本発明によれば、液晶相転移温度が低く、かつ好ましくは逆波長分散性を有する位相差フィルムを構成するための、重合性液晶化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルムを提供することもできる。
<重合性液晶化合物>
本発明の一実施態様である重合性液晶化合物は、下記式(a):
Figure 0006811081
で表される化合物である。
式(a)中、m及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、
、B、D、D、E及びEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
、A、G及びGは、それぞれ独立に、炭素数3〜16の2価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、−R、−OR、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−NH−又は−NR−で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH(−)−(メチン基)は、−N(−)−(窒素原子)で置換されていてもよく、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、−OR又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表し、ただしP及びPのうち少なくとも1つは重合性基を表し、
は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、
は、単環構造又は多環構造を有する炭素数3〜25の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−CS−又は−NR−で置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(a)中、m及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数、好ましくは1〜2の整数、より好ましくは1を表す。また、上記重合性液晶化合物を製造し易く、製造コストを抑制することができるという観点から、m及びnは互いに同一の整数であることが好ましい。さらに、m及びnが2又は3である場合、複数存在するA、A、B及びBは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。重合性液晶化合物を工業的に製造し易いという観点からは、複数存在するA、A、B及びBは、それぞれ互いに同一であること(すなわち、複数存在するAが同一であり、複数存在するAが同一であり、複数存在するBが同一であり、複数存在するBが同一であること)が好ましい。
式(a)中、B、B、D、D、E及びEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表す。前記式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びBは、上記重合性液晶化合物の液晶相の発現しやすさの観点から、それぞれ独立に、−O−、−S−、−O−CO−、−CO−O−、−O−C(=S)−、−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−又は−CH−S−であることが好ましく、−O−、−O−CO−又は−CO−O−であることがより好ましい。上記重合性液晶化合物を容易に製造し易く、製造コストを抑制することができる観点から、B及びBは互いに同一であることが好ましい。なお、B及びBが互いに同一であるとは、式(a)における−C(=J)Jの基を有するフェニル基を中心としてみた場合のB及びBの構造が互いに同一であることを意味し、例えばBが−O−CO−である場合において、Bと互いに同一であるBとは−CO−O−である。以下、EとE、AとA、GとG、FとF及びPとPにおける関係についても同様である。
、D、E及びEは、上記重合性液晶化合物の液晶相の発現しやすさの観点から、それぞれ独立に、−O−、−S−、−O−CO−、−CO−O−、−O−C(=S)−、−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−又は−CH−S−であることが好ましく、−O−、−O−CO−又は−CO−O−であることがより好ましい。上記重合性液晶化合物を容易に製造し易く、製造コストを抑制することができる観点から、DとDとが同一であることが好ましく、及び/又はEとEとが同一であることが好ましい。
式(a)において、A、A、G及びGは、それぞれ独立に、炭素数3〜16の2価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を表す。前記2価の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは4〜15、より好ましくは5〜10、さらに好ましくは5〜8、特に好ましくは5又は6である。前記2価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜18、より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜10、特に好ましくは5又は6である。前記脂環式炭化水素基及び前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、−R、−OR、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
−ORにおける炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、炭素数1又は2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。
前記2価の脂環式炭化水素基としては、シクロアルカンジイル基等が挙げられる。該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−NH−又は−NR−に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH(−)−(メチン基)は−N(−)−(窒素原子)で置換されていてもよい。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
2価の脂環式炭化水素基としては、下記式(g−1)〜式(g−4)で表される基が挙げられる。脂環式炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)が、−O−、−S−、−NH−又は−NR−に置き換わった2価の脂環式炭化水素基としては、下記式(g−5)〜式(g−8)で表される基が挙げられる。脂環式炭化水素基に含まれる−CH(−)−(メチン基)が、−N(−)−(窒素原子)に置き換わった2価の脂環式炭化水素基としては、下記式(g−9)及び式(g−10)で表される基が挙げられる。これらは、5員環又は6員環の脂環式炭化水素基であることが好ましい。
Figure 0006811081
2価の脂環式炭化水素基としては、式(g−1)で表される基であることが好ましく、シクロヘキサン−1,4−ジイル基であることがさらに好ましく、トランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが特に好ましい。
前記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、式(a−1)〜式(a−8)で表される基が挙げられる。2価の芳香族炭化水素基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。
Figure 0006811081
本発明の一実施態様において、上記重合性液晶化合物の製造上の観点から、A及びAは、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、1,4−フェニレン基であることがより好ましい。また、本発明の一実施態様において、上記重合性液晶化合物の製造上の観点から、G及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基であることが好ましく、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基であることがより好ましく、G及びGのいずれもがトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基であることが特に好ましい。G及びGのいずれもがトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基である場合、上記重合性液晶化合物は特に良好な液晶性を示す。また、上記重合性液晶化合物を容易に製造し易く、製造コストを抑制することができる観点から、AとAとが同一であることが好ましく、及び/又はGとGとが同一であることが好ましい。
式(a)において、F及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12、好ましくは2〜12、より好ましくは3〜12、さらに好ましくは4〜10、例えば6のアルカンジイル基を表す。該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、−OR又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−又は−CO−で置換されていてもよい。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。上記重合性液晶化合物を容易に製造し易く、製造コストを抑制することができる観点から、FとFとは互いに同一であることが好ましい。
式(a)において、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。ただし、P及びPのうち少なくとも1つは重合性基であり、P及びPのいずれもが重合性基であることが好ましい。重合性基とは、重合反応に関与し得る基を含む基である。重合反応に関与し得る基としては、ビニル基、p−(2−フェニルエテニル)フェニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、カルボキシル基、メチルカルボニル基、ヒドロキシル基、カルバモイル基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アミノ基、ホルミル基、−N=C=O、−N=C=S、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。
光重合に適するという点で、重合性基はラジカル重合性基又はカチオン重合性基であることが好ましい。特に、取り扱いや製造が容易であるという点で、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイル基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、重合性が高いという点で、アクリロイル基又はアクリロイルオキシ基がより好ましい。
式(a)中、Jは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Jは、上記重合性液晶化合物の製造上の観点から、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基、より好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
式(a)中、Jは、単環構造又は多環構造を有する炭素数3〜25の炭化水素基を表す。該炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜16、さらに好ましくは4〜14である。Jにおける炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−CS−又は−NR−で置換されていてもよく、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜11の芳香族炭化水素基を表す。また、Jにおける炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基、炭素数3〜6(好ましくは炭素数4〜6)の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12(好ましくは炭素数6〜10、例えば炭素数6)の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
単環構造とは、Jで表される炭化水素基中に1つの環を有するものである。多環構造とは、Jで表される炭化水素基中に2つ以上の環を有するものである。多環構造においては、各環が他の環から独立して存在していてもよく、ある環の結合が他の環の結合と共有する縮合環が存在してもよい。上記縮合環は、脂肪族環であってもよく芳香族環であってもよく、複素環であってもよく、これらの環を組み合わせた環であってもよい。
単環構造又は多環構造を有する炭化水素基としては、例えば以下の(j−1)〜(j−16)が挙げられる。
Figure 0006811081
本発明の好ましい実施態様において、式(a)中のJは、下記式(b):
Figure 0006811081
で表される。
式(b)において、Kは、−XC(=)X−と共に単環構造又は多環構造を構成する、炭素数1〜11の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH−(メチレン基)は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−CS−又は−NR−で置換されていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
及びXは、それぞれ独立に、−CO−、−CS−、−S−、−O−又は−NR−を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、
*は、結合手を表す。
式(b)中のX及びXが、それぞれ独立に、−CO−、−CS−、−S−、−O−又は−NR−であることにより、液晶相転移温度、特にネマチック相転移温度を低くすることができる。この理由は明らかでないが、重合性液晶化合物間におけるπ−πスタッキングの形成が抑えられたことが考えられる。X及びXが式(a)中の−C(=J)Jの基を有するフェニル基における共役構造に影響を与える(例えば、π電子がベンゼン環上に平面的に存在するのではなく、ベンゼン環の側鎖等に立体的に存在する)結果、π−πスタッキングが抑制されたことが考えられる。本発明の一実施態様である重合性液晶化合物の液晶相転移温度を低くする観点から、式(b)中のX及びXのうち少なくとも1つが−CO−又は−CS−であることがより好ましく、式(b)中のX及びXのうち少なくとも1つが−CO−であることがさらに好ましい。
及びXが、それぞれ独立に、−CO−、−CS−、−S−、−O−又は−NR−である式(b)で表される基であるJは、炭素数3〜6の複素環骨格又は炭素数7〜9の2環からなる芳香族環骨格を有する基が好ましく、例えば、バルビツール環骨格、チオバルビツール環骨格、ヒダントイン環骨格、チオヒダントイン環骨格、チアゾリジンジオン環骨格、チアゾリジノン環骨格、インダンジオン環骨格、ロダニン環骨格を有する基等が挙げられ、バルビツール環骨格、チオバルビツール環骨格、ヒダントイン環骨格、チオヒダントイン環骨格、チアゾリジンジオン環骨格、チアゾリジノン環骨格、インダンジオン環骨格又はロダニン環骨格を有する基がより好ましく、バルビツール環骨格、チオバルビツール環骨格、ヒダントイン環骨格、チオヒダントイン環骨格、チアゾリジンジオン環骨格、インダンジオン環骨格又はロダニン環骨格を有する基がさらに好ましい。なお、これらの環に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
特に好ましい実施態様において、式(a)中のJは、式(c−1)〜式(c−5)のいずれかで表される。
Figure 0006811081
式(c−1)〜式(c−5)において、Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y31、Y32、Y41、Y42、Y51及びY52は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、
11、Z12、Z21、Z22、Z31、Z41、Z51、Z52、Z53及びZ54は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜11の芳香族炭化水素基を表し、
*は、結合手を表す。
11、Z12、Z21、Z22、Z31、Z41、Z51、Z52、Z53及びZ54におけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2、非常に好ましくは1である。Z11、Z12、Z21、Z22、Z31、Z41、Z51、Z52、Z53及びZ54における脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは4〜6、より好ましくは4〜5である。Z11、Z12、Z21、Z22、Z31、Z41、Z51、Z52、Z53及びZ54における芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜10、例えば6(すなわちフェニル基)である。
式(a)中のJとしては、例えば以下の表1〜5に記載の基が挙げられる。なお、表1〜5において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Prはプロピル基(特にノルマルプロピル基)を表し、iPrはイソプロピル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
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本発明の一実施態様である重合性液晶化合物の液晶相転移温度は低い。特に、上記重合性液晶化合物のネマチック相転移温度が、好ましくは110〜155℃、より好ましくは115〜150℃、さらに好ましくは120〜145℃である。上記重合性液晶化合物のネマチック相転移温度が上記範囲内であると、熱エネルギーの過剰な浪費を抑えることができ、同時に、該重合性液晶化合物を含む塗工液を塗布する支持基材の熱による変形が抑制されるため、支持基材の選択性を拡げることができる。
本発明の一実施態様である重合性液晶化合物は、上記の通り、液晶相転移温度(特にネマチック相転移温度)が低い。この理由は明らかでないが、重合性液晶化合物の化学構造に起因して、重合性液晶化合物間におけるπ−πスタッキングの形成が抑えられたことが考えられる。ベンゼン環を有する化合物は、一般に、π電子が多く存在するために該化合物同士が重なって安定な構造となる傾向にある。そのため、かかる化合物は液晶相転移に必要なエネルギーが高くなる結果、液晶相転移温度が上昇しやすい。本発明の一実施態様である重合性液晶化合物は、特に式(a)中のPh−CJ基におけるπ−πスタッキングの形成が抑えられたことが、低い液晶相転移温度をもたらしたと考えられる。
上記重合性液晶化合物中のコア部分(Ph−CJ基)は、その製造工程が短いため、コスト面でも有利である。上記の通り、本発明によれば、熱エネルギーの過剰な浪費を抑えつつ、コア部分の構造に起因して製造コストも抑制できるため、比較的安価に位相差フィルムを作製することができる。
本発明の一実施態様である重合性液晶化合物としては、例えば以下の式で示される化合物が挙げられる。以下式中のシクロヘキサン環は、トランス体又はシス体いずれであってもよいが、トランス体であることが好ましい。
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本発明の一実施態様である重合性液晶化合物の極大吸収波長(λmax)は、好ましくは300〜400nm、より好ましくは315〜385nm、さらに好ましくは320〜380nmである。上記重合性液晶化合物の極大吸収波長(λmax)が上記の下限値以上であると、液晶組成物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルムは逆波長分散性を示しやすい傾向にある。液晶組成物の極大吸収波長(λmax)が上記の上限値以下であると、可視光域での吸収が抑制されるためフィルムへの着色を抑えることができる。
<重合性液晶化合物の製造方法>
本発明の一実施態様に係る重合性液晶化合物の製造方法は、特に限定されず、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応等)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
例えば、下記式(a−1):
Figure 0006811081
で表される、重合性液晶化合物(a−1)は、
・式(b):
Figure 0006811081
で表されるアルコール化合物(b)と、式(c):
Figure 0006811081
で表されるカルボン酸化合物(c)とのエステル化反応を行うことにより製造することができる。なお、前記式(a−1)、(b)及び(c)A、A、B、B、E、E、F、F、G、G、P、P、m、n、J及びJは、上記で規定されたものと同一である。
カルボン酸化合物(c)は、例えば以下の式(R−1)〜式(R−104)で表される化合物が挙げられる。
式(R−1)〜式(R−104)におけるnは1〜12の整数、好ましくは2〜12の整数、より好ましくは3〜12の整数、さらに好ましくは4〜10、例えば6を表す。またシクロヘキサン環はトランス体であることが好ましい。
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アルコール化合物(b)とカルボン酸化合物(c)とのエステル化反応は、好ましくは縮合剤の存在下において行われる。縮合剤の存在下でエステル化反応を行うことにより、エステル化反応を効率良く迅速に行うことができる。
縮合剤としては、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−パラ−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド:WSCとして市販)、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド及び、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド等のカルボジイミド化合物、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、ジフェニルホスフォリルアジド、1(4−ニトロベンゼンスルフォニル)−1H−1、2、4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、N−(1,2,2,2−テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−カルボベンゾキシスクシンイミド、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、2−クロロ−1−メチルピリジニウム パラ−トルエンスルホネート、2−フルオロ−1−メチルピリジニウム パラ−トルエンスルホネート、並びにトリクロロ酢酸ペンタクロロフェニルエステル等が挙げられる。
縮合剤は、好ましくは、カルボジイミド化合物、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、ジフェニルホスフォリルアジド、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、N−(1,2,2,2−テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、及び2−クロロ−1−メチルピリジニウム パラ−トルエンスルホネート並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
縮合剤は、より好ましくは、カルボジイミド化合物、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、及び2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド並びにこれらの混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、経済性の観点から、カルボジイミド化合物である。
カルボジイミド化合物の中でも、好ましくは、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド:WSCとして市販)、及びビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド並びにこれらの混合物である。
縮合剤の使用量は、アルコール化合物(b)1モルに対して、通常2.0〜3.0モルである。
エステル化反応では、さらに、N−ヒドロキシスクシンイミド、ベンゾトリアゾール、パラニトロフェノール、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン等を添加剤として加えて混合してもよい。添加剤の使用量は、縮合剤1モルに対して、好ましくは0.03〜1.2モルである。
エステル化反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、及びジメチルアンモニウムペンタフルオロベンゼンスルホナート並びにこれらの混合物等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチルアミノピリジン、及びN,N−ジメチルアニリンが好ましく、N,N−ジメチルアミノピリジンがより好ましい。触媒の使用量は、アルコール化合物(b)1モルに対して、好ましくは0.01〜0.5モルである。
エステル化反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、反応収率や生産性の観点から、好ましくはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム、及びジクロロメタン等の非極性有機溶媒、並びにアセトン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミド等の極性有機溶媒であり、より好ましくは、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタンアセトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミドである。これら溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸化合物(c)の使用量は、アルコール化合物(b)1モルに対して、好ましくは1.5〜3.0モル、より好ましくは1.8〜2.8モルであり、さらに好ましくは1.8〜2.5モルである。
溶媒の使用量は、アルコール化合物(b)とカルボン酸化合物(c)との合計1質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部であり、より好ましくは1〜20質量部であり、さらに好ましくは2〜10質量部である。
エステル化反応の温度は、反応収率や生産性の観点から、好ましくは−20〜30℃であり、より好ましくは−10〜20℃であり、さらに好ましくは−10〜10℃である。また、エステル化反応の時間は、反応収率や生産性の観点から、好ましくは1分〜72時間であり、より好ましくは1〜48時間であり、さらに好ましくは1〜24時間である。得られた懸濁液から、ろ過やデカンテーション等の方法により重合性液晶化合物を得ることができる。
上記方法によれば、少ない工程数で上記重合性液晶化合物を製造することができるため、工業上の観点から非常に有利である。特に、上記重合性液晶化合物中のコア部分(Ph−CJ基)の製造工程が短いために、コスト面で非常に有利である。
<位相差フィルム>
本発明の一実施態様である重合性液晶化合物は、位相差フィルム、好ましくは逆波長分散性を有する位相差フィルムを構成するために使用される。本発明の一実施態様においては、上記重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルム(以下、「本発明の位相差フィルム」ともいう)が提供される。なお、配向状態とは、分子が配向している状態であり、得られるフィルムが波長分散性を有する状態である。本発明の位相差フィルムは下記式(α)の波長分散度Re(450nm)/Re(550nm)を満たすことが好ましい。
0.6≦Re(450nm)/Re(550nm)<1.0 (α)
[式(1)中、Re(λ)は波長λnmの光に対する正面位相差値を表す。]
本発明の位相差フィルムの波長分散度Re(450nm)/Re(550nm)は、より好ましくは0.63以上1.0未満、さらに好ましくは0.65以上1.0未満である。本発明の位相差フィルムの波長分散度Re(450nm)/Re(550nm)が上記下限値以上であると、450nm付近の短波長域において円偏光変換が可能となるため好ましい。本発明の位相差フィルムの波長分散度Re(450nm)/Re(550nm)が上記上限値未満であると、得られる位相差フィルムが逆波長分散性を有し、広範囲の波長域において一様の偏光変換が可能となる。
なお、本発明の好ましい実施態様において、式(a)中のJは(c−2)構造であり、かかる場合、特に高い逆波長分散性を有する位相差フィルムが得られ易い。この場合、Re(450nm)/Re(550nm)は、0.60以上0.70以下であることが好ましい。Re(450nm)/Re(550nm)が該範囲内であると、位相差フィルムの波長分散性を所望の値に調整する際、本発明の一実施態様である重合性液晶化合物の添加量が少量で済むため、コストの面で有利である。すなわち、下記の通り、本発明の位相差フィルムは、上記重合性液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物(A)」ともいう)に由来する構造単位に加えて、他の重合性液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物(B)」ともいう)に由来する構造単位から構成されていてもよいが、重合性液晶化合物(A)の添加量を少なくすることができる。
本発明の位相差フィルムは、透明性に優れ、様々な光学ディスプレイにおいて用いることができる。該位相差フィルムの厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、光弾性を小さくする点で0.5〜3μmであることがさらに好ましい。
本発明の位相差フィルムをλ/4板に用いる場合には、得られる位相差フィルムの、波長550nmにおける位相差値Re(550nm)が好ましくは113〜163nm、より好ましくは130〜150nm、特に好ましくは約135nm〜150nmである。
本発明の位相差フィルムをVA(Vertical Alignment)モード用光学フィルムとして使用するためには、Re(550nm)を好ましくは40〜100nm、より好ましくは60〜80nm程度となるように、位相差フィルムの膜厚を調整すればよい。
本発明の別の実施態様においては、上記位相差フィルムを含む偏光板(以下、「本発明の偏光板」ともいう)、特に楕円偏光板及び円偏光板も提供される。本発明の偏光板は、本発明の位相差フィルムを偏光フィルムと組み合わせることにより得ることができる。これら楕円偏光板及び円偏光板においては、偏光フィルムに本発明の位相差フィルムが貼合されている。また、本発明の別の実施態様においては、該楕円偏光板又は円偏光板にさらに本発明の位相差フィルムを広帯域λ/4板として貼合させた広帯域円偏光板も提供することができる。
本発明の一実施態様において、本発明の偏光板を含む光学ディスプレイ(以下、「本発明の光学ディスプレイ」ともいう)も提供することができる。本発明の光学ディスプレイは、例えば、反射型液晶ディスプレイ及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイとして用いることができる。上記FPDは、特に限定されるものではなく、例えば液晶表示装置(LCD)や有機EL表示装置を挙げることができる。
本発明の光学ディスプレイは、本発明の偏光板を備えるものであり、例えば本発明の偏光板と液晶パネルとが貼り合わされた貼合品を備える液晶表示装置や、本発明の偏光板と、発光層とが貼り合わされた有機ELパネルを備える有機EL表示装置を挙げることができる。
なお、本発明において位相差フィルムとは、直線偏光を円偏光や楕円偏光に変換したり、逆に円偏光又は楕円偏光を直線偏光に変換したりするために用いられるフィルムである。本発明の位相差フィルムは、上記重合性液晶化合物の重合体を含むものである。すなわち、本発明の位相差フィルムは、1種又は2種以上の上記重合性液晶化合物に由来する構造単位から構成される重合体を含むものである。
本発明の位相差フィルムは、上記重合性液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物(A)ともいう」)に由来する構造単位に加えて、他の重合性液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物(B)」ともいう)に由来する構造単位から構成されていてもよく、この場合、位相差フィルムは、これらの重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される。本発明の位相差フィルムが、重合性液晶化合物(A)に由来する構造単位に加えて重合性液晶化合物(B)に由来する構造単位を含むことにより、位相差フィルムの波長分散性、位相差値等の光学特性、及び熱物性を所望の値に調節することもでき、さらに、重合性液晶化合物(A)が高い逆波長分散性(例えば、0.60≦式(α)≦0.70)を有する場合、コスト面でも有利となる。さらに、重合性液晶化合物(B)としては、「液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)、3章 分子構造と液晶性、3.2 ノンキラル棒状液晶分子、3.3 キラル棒状液晶分子」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物が挙げられる。本発明の位相差フィルムは、1種又は2種以上の液晶化合物(B)に由来する構造単位を含んでもよい。
本発明の位相差フィルムは、例えば以下のような方法により製造することができる。
まず、上記重合性液晶化合物(A)に、必要に応じて、上記重合性液晶化合物(B)、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、有機溶剤及び/又はレベリング剤などの添加剤を加えて、混合溶液を調製する。特に成膜時に成膜が容易となることから有機溶剤を含むことが好ましく、得られる位相差フィルムを硬化する働きをもつことから重合開始剤を含むことが好ましい。
上記重合性液晶化合物を含有する混合溶液の粘度は、塗布しやすいように、例えば10Pa・s以下、好ましくは0.1〜7Pa・s程度に調整されることが好ましい。なお、混合溶液の粘度は、有機溶剤の含有量により調整することができる。
また、上記混合溶液における固形分の濃度は、例えば5〜50質量%であり、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%である。なお、ここでいう「固形分」とは、混合溶液(液晶組成物)から溶剤を除いた成分のことをいう。固形分の濃度が5質量%以上であると、位相差フィルムが薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償に必要な複屈折率が与えられる傾向がある。また50質量%以下であると、混合溶液の粘度が低いことから、位相差フィルムの膜厚にムラが生じにくくなる傾向があることから好ましい。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤及び熱重合開始剤等が挙げられ、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩等が挙げられ、より具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、並びにアデカオプトマーSP−152及びアデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)などを挙げることができる。
重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、例えば0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合させることができる。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル捕捉剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類及びβ−ナフトール類等を挙げることができる。
重合禁止剤を用いることにより、重合性液晶化合物の重合を制御することができ、得られる位相差フィルムの安定性を向上させることができる。重合禁止剤の使用量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、例えば0.05〜30質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合させることができる。
光増感剤としては、例えばキサントン又はチオキサントン等のキサントン類、アントラセン又はアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン及びルブレンを挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、重合性液晶化合物の重合を高感度化することができる。また光増感剤の使用量としては、重合性液晶化合物100質量部に対して、例えば0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合させることができる。
有機溶剤としては、重合性液晶化合物などを溶解し得る有機溶剤であり、重合反応に不活性な溶剤であればよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ又はプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート又は乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの非塩素系脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン又はフェノールなどの非塩素系芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタンなどのエーテル系溶剤;及びクロロホルム又はクロロベンゼンなどの塩素系溶剤;N−メチルピロリドン(NMP)又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶剤などが挙げられる。重合性液晶化合物を溶解させやすい観点から、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系芳香族炭化水素溶剤、エーテル系溶剤、及びアミド系溶剤が好ましく、ケトン系溶剤及びアミド系溶剤がより好ましく、アミド系溶剤がさらにより好ましい。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、好ましくは100〜10000質量部、より好ましくは200〜5000質量部、さらに好ましくは500〜2500質量部である。有機溶剤の含有量が上記下限値以上であると、位相差フィルムが薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償に必要な複屈折率が与えられる傾向がある。有機溶剤の含有量が上記上限値以下であると、混合溶液の粘度が低いことから、位相差フィルムの膜厚にムラが生じにくくなる傾向がある。
レベリング剤としては、例えば放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352、BYK−353、BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング株式会社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越化学工業株式会社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)及びフッ素系添加剤(大日本インキ化学工業株式会社製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
レベリング剤を用いることにより、得られる位相差フィルムを平滑化することができる。さらに位相差フィルムの製造過程で、混合溶液の流動性を制御したり、重合性液晶化合物を重合して得られる位相差フィルムの架橋密度を調整したりすることができる。またレベリング剤の使用量の具体的な数値は、重合性液晶化合物100質量部に対して、例えば0.05〜30質量部であり、好ましくは0.05〜10質量部である。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合させることができる。
こうして得られた混合溶液を支持基材等に塗布する。なお混合溶液の塗布量や濃度を適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように膜厚を調整することができる。重合性液晶化合物の量が一定である混合溶液の場合、得られる位相差フィルムの位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、下記式のように決定されることから、所望のRe(λ)を得るために、膜厚dを調整してもよい。
Re(λ)=d×Δn(λ)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
支持基材への塗布方法としては、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法又はダイコーティング法などが挙げられる。またディップコーター、バーコーター又はスピンコーターなどのコーターを用いて塗布する方法などが挙げられる。
上記支持基材としては、例えばガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム又は透光性フィルムを挙げることができる。なお前記透光性フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム又はポリフェニレンオキシドフィルムなどが挙げられる。
例えば本発明の位相差フィルムの貼合工程、運搬工程、保管工程など、位相差フィルムの強度が必要な工程でも、支持基材を用いることにより、破れなどなく容易に取り扱うことができる。
また、支持基材上に配向膜を形成して、配向膜上に上記重合性液晶化合物を含む混合溶液を塗工することが好ましい。配向膜は、上記重合性液晶化合物などを含有する混合溶液の塗工時に、混合溶液に溶解しない溶剤耐性を持つこと、溶剤の除去や液晶の配向の加熱処理時に耐熱性をもつこと、ラビング時に摩擦などによる剥がれなどが起きないことが好ましく、ポリマー又はポリマーを含有する組成物からなることが好ましい。
前記ポリマーとしては、例えば分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸エステル類等のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上混ぜたり、共重合体したりしてもよい。これらのポリマーは、脱水や脱アミンなどによる重縮合や、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合、配位重合や開環重合等で容易に得ることができる。
またこれらのポリマーは、溶剤に溶解して、塗布することができる。溶剤は、特に制限はないが、具体的には、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ又はプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート又は乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの非塩素系脂肪族炭化水素溶剤;トルエン又はキシレンなどの非塩素系芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタンなどのエーテル系溶剤;クロロホルム又はクロロベンゼンなどの塩素系溶剤;などが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また配向膜を形成するために、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業株式会社製)又はオプトマー(登録商標、JSR株式会社製)などが挙げられる。
このような配向膜を用いれば、延伸による屈折率制御を行う必要がないため、複屈折の面内ばらつきが小さくなる。それゆえ、支持基材上にフラットパネル表示装置(FPD)の大型化にも対応可能な大きな位相差フィルムを提供できるという効果を奏する。
上記支持基材上に配向膜を形成する方法としては、例えば上記支持基材上に、市販の配向膜材料や配向膜の材料となる化合物を溶液にして塗布し、その後、アニールすることにより、上記支持基材上に配向膜を形成することができる。
このようにして得られる配向膜の厚さは、例えば10nm〜10000nmであり、好ましくは10nm〜1000nmである。上記範囲とすれば、重合性液晶化合物等を該配向膜上で所望の角度に配向させることができる。
またこれら配向膜は、必要に応じてラビング又は偏光UV照射を行うことができる。配向膜を形成させることにより重合性液晶化合物等を所望の方向に配向させることができる。
配向膜をラビングする方法としては、例えばラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを、ステージに載せられ、搬送されている配向膜に接触させる方法を用いることができる。
上記の通り、未重合フィルムを調製する工程では、任意の支持基材の上に積層した配向膜上に未重合フィルム(液晶層)を積層してもよい。この場合、液晶セルを作製し、該液晶セルに混合溶液を注入する方法に比べて、生産コストを低減することができる。さらにロールフィルムでのフィルムの生産が可能である。
溶剤の乾燥は、重合を進行させるとともに行ってもよいが、重合前にほとんどの溶剤を乾燥させることが、成膜性の点から好ましい。
溶剤の乾燥方法としては、例えば自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などの方法が挙げられる。具体的な加熱温度としては、10〜120℃であることが好ましく、25〜80℃であることがさらに好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。加熱温度及び加熱時間が上記範囲内であれば、上記支持基材として、耐熱性が必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
次に、上記で得られた未重合フィルム(液晶層)を重合し、硬化させる。これにより重合性液晶化合物の配向性が固定化されたフィルム、すなわち本発明の一実施態様である重合性液晶化合物の重合体を含むフィルム(以下、「重合フィルム」ともいう)となる。これにより、フィルムの平面方向に屈折率変化が小さく、フィルムの法線方向に屈折率変化が大きい重合フィルムを製造することができる。
未重合フィルム(液晶層)を重合させる方法は、重合性液晶化合物の種類に応じて決定されるものである。重合性液晶化合物に含まれる重合性基が光重合性であれば光重合、該重合性基が熱重合性であれば熱重合により、上記未重合フィルム(液晶層)を重合させることができる。本発明では、特に光重合により未重合フィルム(液晶層)を重合させることが好ましい。光重合によれば低温で未重合フィルム(液晶層)を重合させることができるので、支持基材の耐熱性の選択幅が広がる。また工業的にも製造が容易となる。また成膜性の観点からも光重合が好ましい。光重合は、未重合フィルム(液晶層)に可視光、紫外光又はレーザー光を照射することにより行う。取り扱い性の観点から、紫外光が特に好ましい光照射は、重合性液晶化合物が液晶相をとる温度に加温しながら行ってもよい。この際、マスキングなどによって重合フィルムをパターニングして、パターニングされた光学フィルムを得ることもできる。
さらに本発明の位相差フィルムは、ポリマーを延伸することによって位相差を与える延伸フィルムと比較して、薄膜である。
本発明の位相差フィルムの製造方法において、さらに、支持基材を剥離する工程を含んでいてもよい。このような構成とすることにより、得られる積層体は、配向膜と位相差フィルムとからなるフィルムとなる。また上記支持基材を剥離する工程に加えて、配向膜を剥離する工程をさらに含んでいてもよい。このような構成とすることにより、位相差フィルムを得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部を意味する。
(合成例1)
化合物(C)を以下のスキームに従って合成した。
Figure 0006811081
ジムロート冷却管を設置した10mLシュレンクフラスコ内を窒素雰囲気とし、該フラスコに、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成工業(株)製)0.50g、1,3−ジメチル−2−チオヒダントイン(和光純薬工業(株)製)0.52g、酢酸アンモニウム(関東化学(株)製)0.28g、及びアセトニトリル(和光純薬工業(株)製)2gを添加し、混合しながら80℃で1時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濾過を行うことにより、析出した固体を分離した。得られた固体を10gのアセトニトリルで3回洗浄した後、40℃で減圧乾燥することによって、化合物(A)を0.60g得た。化合物(A)の収率は、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド基準で63%であった。
なお、得られた化合物(A)のH−NMR分析を行った結果は以下の通りである。
H−NMR(DMSO−d):δ(ppm)3.22(s、3H)、3.54(s、3H)、6.67〜6.74(m、2H)、6.92(s、1H)、7.81(d、1H)、8.83(br、1H)、9.48(br、1H)。
ジムロート冷却管及び温度計を設置した20mL四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、該フラスコに、化合物(A)0.50g、特許文献(特開2010−31223)を参考に合成した化合物(B)1.74g、ジメチルアミノピリジン(以下、DMAPと略す。和光純薬工業(株)製)0.0046g、ジブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTと略す。和光純薬工業(株)製)0.029g、及びクロロホルム(関東化学(株)製)8gを入れ、混合しながらジイソプロピルカルボジイミド(以下、IPCと略す。和光純薬工業(株)製)0.60gを滴下漏斗で加えて0℃で一晩反応させた。その後、濾過を行うことにより、不溶成分を除去した。得られたクロロホルム溶液を、該クロロホルム溶液が含有するクロロホルムの重量に対して3倍の重量の2−プロパノールに滴下した。続いて、濾過によって、析出した固体を取り出した。次に、得られた固体を、10gの2−プロパノール(和光純薬工業(株)製)を用いて3回洗浄した後、30℃で減圧乾燥することによって、化合物(C)を0.69g得た。化合物(C)の収率は、化合物(A)基準で34%であった。
なお、得られた化合物(C)のH−NMR分析を行った結果は以下の通りである。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.41〜1.82(m、24H)、2.27〜2.30(m、8H)、2.57〜2.60(m、4H)、3.35(s、3H)、3.57(s、3H)、3.94(t、4H)、4.17(t、4H)、5.82(dd、2H)、6.12(dd、2H)、6.36〜6.44(m、3H)、6.85〜6.89(m、4H)、6.95〜6.99(m、4H)、7.09〜7.17(m、2H)、8.07(d、1H)。
得られた化合物(C)について、分光光度計UV−3150((株)島津製作所製)を用いて、極大吸収波長(λmax)を測定した。その結果、λmaxは375nmであった。
(合成例2)
化合物(E)を以下のスキームに従って合成した。
Figure 0006811081
ジムロート冷却管を設置した10mLシュレンクフラスコ内を窒素雰囲気とし、該フラスコに、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成工業(株)製)2.50g、1,3−ジメチルバルビツール酸(東京化成工業(株)製)2.83g、酢酸アンモニウム(関東化学(株)製)1.40g、及び水10gを添加し、混合しながら25℃で1時間反応させた。その後、濾過を行うことにより、析出した固体を分離した。得られた固体を10gの水で3回洗浄した後、40℃で減圧乾燥することによって、化合物(D)を3.30g得た。化合物(D)の収率は、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド基準で66%であった。
なお、得られた化合物(D)のH−NMR分析を行った結果は以下の通りである。
H−NMR(DMSO−d):δ(ppm)3.18(s、3H)、3.20(s、3H)、6.74〜6.88(m、2H)、7.64(d、1H)、8.65(s、1H)、8.98(br、1H)、10.01(s、1H)。
ジムロート冷却管及び温度計を設置した20mL四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、該フラスコに、化合物(D)2.00g、上記化合物(B)6.67g、DMAP 0.018g、BHT 0.11g、及びクロロホルム(関東化学(株)製)30gを入れ、混合しながらIPC 2.28gを滴下漏斗で加えて0℃で一晩反応させた。その後、濾過を行うことにより、不溶成分を除去した。得られたクロロホルム溶液を、該クロロホルム溶液が含有するクロロホルムの重量に対して3倍の重量の2−プロパノールに滴下した。続いて、濾過によって、析出した固体を取り出した。次に、得られた固体を、20gの2−プロパノール(和光純薬工業(株)製)を用いて3回洗浄した後、30℃で減圧乾燥することによって、化合物(E)を0.84g得た。化合物(E)の収率は、化合物(D)基準で11%であった。
なお、得られた化合物(E)のH−NMR分析を行った結果は以下の通りである。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.20〜1.82(m、24H)、2.27〜2.29(m、8H)、2.58〜2.61(m、4H)、3.36(s、3H)、3.42(s、3H)、3.94(t、4H)、4.17(t、4H)、5.82(dd、2H)、6.12(dd、2H)、6.40(dd、2H)、6.85〜6.90(m、4H)、6.94〜6.99(m、4H)、7.21(d、1H)、7.27(dd、1H)、7.90(d、1H)、8.49(s、1H)
得られた化合物(E)について、分光光度計UV−3150((株)島津製作所製)を用いて、極大吸収波長(λmax)を測定した。その結果、λmaxは326nmであった。
(合成例3)
化合物(G)を以下のスキームに従って合成した。
Figure 0006811081
ジムロート冷却管を設置した10mLシュレンクフラスコ内を窒素雰囲気とし、該フラスコに、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成工業(株)製)2.00g、1,3−インダンジオン(東京化成工業(株)製)2.12g、酢酸アンモニウム(関東化学(株)製)1.12g、及び水10gを添加し、混合しながら25℃で1時間反応させた。その後、濾過を行うことにより、析出した固体を分離した。得られた固体を10gの水で3回洗浄した後、40℃で減圧乾燥することによって、化合物(F)を2.30g得た。化合物(F)の収率は、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド基準で60%であった。
なお、得られた化合物(F)のH−NMR分析を行った結果は以下の通りである。
H−NMR(DMSO−d):δ(ppm)6.83(d、1H)、6.94(dd、1H)、7.91〜7.97(m、4H)、8.28(s、1H)、8.39(d、1H)、9.12(s、1H)、10.22(s、1H)。
ジムロート冷却管及び温度計を設置した20mL四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、該フラスコに、化合物(F)0.80g、上記化合物(B)2.77g、DMAP 0.007g、BHT 0.033g、及びクロロホルム(関東化学(株)製)4gを入れ、混合しながらIPC 0.87gを滴下漏斗で加えて0℃で一晩反応させた。その後、濾過を行うことにより、不溶成分を除去した。得られたクロロホルム溶液を、該クロロホルム溶液が含有するクロロホルムの重量に対して3倍の重量の2−プロパノールに滴下した。続いて、濾過によって、析出した固体を取り出した。次に、得られた固体を、10gの2−プロパノール(和光純薬工業(株)製)を用いて3回洗浄した後、30℃で減圧乾燥することによって、化合物(G)を1.54g得た。化合物(G)の収率は、化合物(F)基準で48%であった。
なお、得られた化合物(G)のH−NMR分析を行った結果は以下の通りである。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.82(m、24H)、2.31〜2.37(m、8H)、2.57〜2.81(m、4H)、3.94(t、4H)、4.18(t、4H)、5.83(dd、2H)、6.13(dd、2H)、6.40(dd、2H)、6.86〜7.01(m、8H)、7.20(d、1H)、7.33(dd、1H)、7.83〜7.87(m、2H)、7.98〜8.05(m、3H)、8.20(d、1H)。
得られた化合物(G)について、分光光度計UV−3150((株)島津製作所製)を用いて、極大吸収波長(λmax)を測定した。その結果、λmaxは338nmであった。
(実施例1:ネマチック相転移温度の測定)
合成例1に記載の方法で得た化合物(C)を、バイアル管に100mg量り取り、さらに2gのクロロホルムを加え溶解させた。得られた溶液を、ラビング処理を施したPVA配向膜付きのガラス基板に塗布し、乾燥させた。この基盤を冷却加熱装置(ジャパンハイテック社製「LNP94−2」)に載せて室温から180℃まで昇温させた後、室温まで冷却した。温度変化時の様子を偏光顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)で観察し、ネマチック相となる温度を測定し、ネマチック相転移温度とした。得られた結果を表6に示す。
(実施例2及び3:ネマチック相転移温度の測定)
合成例2及び3に記載の方法で得た化合物(E)及び(G)のネマチック相転移温度を実施例1と同様の手法で測定した。得られた結果を表6に示す。
(比較例1及び2)
特許4606195号明細書に記載される以下の化合物(H)及び(I)のネマチック相転移温度を実施例1と同様の手法で測定した。得られた結果を表6に示す。
・化合物(H):
Figure 0006811081
・化合物(I):
Figure 0006811081
Figure 0006811081
(実施例4)
上記化合物(C)を用いて、以下の通りに位相差フィルムを作製した。まず、以下の通り、光配向膜形成用組成物(1)及び位相差膜形成用組成物(1)を調製した。
<光配向膜形成用組成物(1)の調製>
下記成分(光配向性材料および溶剤)を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、光配向膜形成用組成物(1)を得た。なお、以下の光配向性材料は、特開2013−33248号公報に記載された方向により合成した。
・光配向性材料(5部):
Figure 0006811081
・溶剤(95部):シクロペンタノン
<位相差膜形成用組成物(1)の調製>
下記の化合物を、下記表7に記載の比率で混合することによって、位相差膜形成用組成物(1)を得た。
Figure 0006811081
<位相差フィルム(1)の製造>
シクロオレフィンポリマーフィルム(COP)(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)を、コロナ処理装置(AGF−B10、春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、光配向膜形成用組成物(1)を、バーコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用いて、100mJ/cmの積算光量で偏光UV露光を実施することにより、配向膜を得た。得られた配向膜の膜厚をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)で測定したところ、100nmであった。続いて、配向膜上に位相差膜形成用組成物(1)を、バーコーターを用いて塗布し、140℃で2分間乾燥した後、高圧水銀ランプ(ユニキュアVB―15201BY−A、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長:365nm、波長365nmにおける積算光量:750mJ/cm)することにより、位相差フィルム(1)を作製した。
<光学特性の測定>
位相差フィルム(1)の正面位相差値を、測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。光学フィルム(1)の正面位相差値を、波長450nm、550nm、及び650nmにおいてそれぞれ測定し、[Re(450nm)/Re(550nm)](以下、αとする)を算出した。結果を表8に示す。
(実施例5及び6)
化合物(C)に代えて上記化合物(E)又は(G)を用いた以外は、実施例4と同様の手法で位相差フィルム(2)及び(3)をそれぞれ作製し、αを測定した。その結果を表8に示す。
Figure 0006811081
上記結果より、本発明に係る重合性液晶化合物は、ネマチック相転移温度が低く、同時にかかる重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルムは、逆波長分散性を有することが明らかである。特に、式(a)中のJが(c−2)構造である化合物(C)は、非常に高い逆波長分散性を有することが分かる。

Claims (5)

  1. 下記式(a):
    Figure 0006811081
    [式(a)中、
    m及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、
    、B、D、D、E及びEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
    、A、G及びGは、それぞれ独立に、炭素数3〜16の2価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、−R、−OR、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、それぞれ独立に、−O−、−S−、−NH−又は−NR−で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH(−)−は−N(−)−で置換されていてもよく、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよく、
    及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、−OR又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、それぞれ独立に、−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
    及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表し、ただしP及びPのうち少なくとも1つは重合性基を表し、ここで、重合性基はアクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイル基又はメタクリロイルオキシ基であり、
    は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    は、式(c−2)または式(c−4)
    Figure 0006811081

    Figure 0006811081
    (式(c−2)および式(c−4)中、
    21 、Y 22 、Y 41 及びY 42 は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、
    21 、Z 22 及びZ 41 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜11の芳香族炭化水素基を表し、
    *は、結合手を表す)
    で表される
    で表される重合性液晶化合物。
  2. 及びGはトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基である、請求項に記載の重合性液晶化合物。
  3. 請求項1〜のいずれかに記載の重合性液晶化合物の配向状態における重合体から構成される位相差フィルム。
  4. 請求項に記載の位相差フィルムを含む偏光板。
  5. 請求項に記載の偏光板を含む光学ディスプレイ。
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