JP3964642B2 - 工作機械 - Google Patents

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JP3964642B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、旋削工具・回転工具共用の主軸を有した工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばCNC旋盤等の工作機械においては、その工具用主軸に、各種の旋削工具或いは各種の回転工具が、ATC(自動工具交換)等により着脱自在になっており、しかもこの工具用主軸が、旋削工具・回転工具共用の主軸となっているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したような工作機械では、旋削工具・回転工具共用の工具用主軸は、刃物台本体側に軸回転自在に支持されているため、旋削工具による旋削加工時においては、該旋削工具を支持する前記工具用主軸において剛性を確保することが課題となっている。また、工具用主軸により旋削工具を高精度に支持することが望まれている。
【0004】
そこで出願人は、特開平10−328905において、工具用主軸と刃物台本体の間に、工具用主軸に設けられた主軸側カップリング部材及び、刃物台本体に設けられた刃物台本体側カップリング部材及び、これら主軸側カップリング部材と刃物台本体側カップリング部材に対して同時に噛合し得るクランプ部材からなる3枚カップリングクランプ機構を設けた、主軸構造を提案している。
【0005】
しかし、こうした3枚カップリングクランプ機構は、クランプ部材のカップリング時に、クランプ部材による主軸側カップリング部材に対する係合力がスラスト力となって、主軸を回転自在に支持するベアリングに伝達され、ベアリング寿命などに悪影響を与える不都合が生じる。
【0006】
また、従来の3枚カップリングでは、加工時に加工に伴う切削力がスラスト荷重となってベアリングに作用することから、ベアリングの弾性変形が生じ、カップリングがかみ合うおそれがあるので、切削能力を落とした形で加工する場合があった。しかし、これでは、切削効率が落ちてしまう不都合がある。
【0007】
上記事情に鑑み、工具主軸を支持するベアリングに、工具主軸クランプ時のスラスト荷重を作用させることのない工作機械を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、刃物台本体(31)を有し、該刃物台本体に工具用主軸(32)を、ベアリング支持手段(37)を介して軸回転自在に支持して設け、該工具用主軸の先端側には、旋削工具(60A)又は回転工具(60B)が選択的に着脱自在となっている工作機械(1)において、
前記工具用主軸(32)と前記刃物台本体(31)の間に、前記工具用主軸に設けられた主軸側カップリング部材(42)及び、前記刃物台本体に設けられた刃物台本体側カップリング部材(45)及び、これら主軸側カップリング部材と刃物台本体側カップリング部材に対して同時に噛合する主軸クランプ位置(SC1)と、これら主軸側カップリング部材と刃物台本体側カップリング部材のうち少なくとも一方と噛合解除する主軸アンクランプ位置(SC2)との間で移動自在になったクランプ部材(43)を設け、
前記主軸側カップリング部材(42)の、前記クランプ部材(43)が設けられた側の工具軸心(CT3)における反対側に、バランス押圧部材(50)を前記主軸側カップリング部材に対して当接係合自在に設けて構成される。
【0009】
請求項2の発明は、前記クランプ部材のアンクランプに際して、前記クランプ部材とバランス押圧部材を同期的に駆動する同期駆動手段(31b、51、52)を設けて構成される。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記同期駆動手段は、前記バランス押圧部材の外周部に、移動駆動自在に設けられたリターンリング(51)を有し、
前記リターンリング(51)と前記クランプ部材(43)との間に、該リターンリングの工具軸心方向の移動を前記クランプ部材に伝達し得る駆動力伝達手段(52)を設け、
前記リターンリングと前記バランス押圧部材との間に、前記リターンリングと前記バランス押圧部材を互いに逆方向に駆動し得る、駆動手段(31b)を設けて構成される。
【0011】
請求項4の発明は、前記主軸側カップリング部材と前記刃物台本体側カップリング部材の係合部(42b、45b)を、前記工具が装着される前記工具用主軸の端部(32a)に対して背向する形(即ち、図4矢印G方向に向いた形)で形成して構成される。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち第1の発明は、工具用主軸において回転工具を装着して回転加工を行う際には、クランプ部材を主軸アンクランプ位置に移動させて該工具用主軸を軸回転させるようにし、また工具用主軸において旋削工具を装着して旋削加工を行う際には、クランプ部材を主軸クランプ位置に移動させて該工具用主軸を刃物台本体に対してクランプ固定するようにする。また、バランス押圧部材により、クランプ部材により、主軸クランプ時に工具主軸に作用するスラスト荷重を打ち消すことが出来るので、ベアリングに何ら負担を掛けることなく工具主軸のクランプが可能となり、ベアリングの弾性変形に伴う主軸の移動が防止でき、精度の高い加工が可能となる。
【0013】
また本発明のうち第2の発明は、同期駆動手段により、クランプ部材とバランス押圧部材の同期的な係合解除が可能となるので、工具主軸のアンクランプ時に、どちらか一方が先に主軸側カップリング部材から離れることによる不用意なスラスト荷重のベアリングへの作用が未然に防止され、信頼性の高い工作機械の提供が可能となる。
【0014】
また本発明のうち第3の発明は、リターンリングを駆動するだけでクランプ部材とバランス押圧部材の駆動が可能となるので、簡単な構成で同期駆動手段を実現することが出来る。
【0015】
また本発明のうち第4の発明は、係合部(42b、45b)が、工具が装着される前記工具用主軸の端部(32a)に対して背向する形で形成されるので、切り粉などが侵入しても、係合部に達することを困難にし、工具主軸のクランプに際して係合部に切り粉が噛み込まれてしまい、クランプ不良となる事態の発生を未然に防止することが出来る。
【0016】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0018】
図1は、本発明による工作機械の一例を示した斜視図、
図2は、図1に示す工作機械のフロントドア内側を示した斜視図、
図3は、図2の刃物台における工具主軸周辺の詳細を示した側断面図、
図4は、図3のクランプ部の詳細を示す側断面図である。
【0019】
CNC旋盤等である工作機械1は、図1に示すように、水平なZ軸方向である図1の矢印H、I方向に伸延した直方体状のフレーム2を有しており、フレーム2の前面側(即ち、図1の紙面手前側)にはフロントドア3が前記矢印H、I方向に開閉駆動自在に設けられている。フレーム2の内部には、図1に示すように、主軸台6が設置されており、主軸台6にはワーク主軸7が、Z軸方向である矢印H、I方向にその軸心CT1を平行に配置した形で、かつ該軸心CT1を中心に図の矢印Q、R方向に軸回転駆動自在に軸支されている。ワーク主軸7の矢印I側には、チャック9が、加工しようとするワーク10を複数のチャック爪9bにより把持し得る形で設けられている。即ち、該ワーク主軸7に設けられたチャック9(及び該チャック9に把持されるワーク10)は矢印Q、R方向に軸回転駆動自在になっている。
【0020】
また、フレーム2の内部には、図2に示すように、前記ワーク主軸7の矢印I側の位置に、矢印H、I方向に伸延した形の第1直動案内装置20が敷設されており、第1直動案内装置20にはテールストック21が矢印H、I方向に、即ちZ軸方向に摺動移動駆動自在に設けられている。テールストック21には、加工すべきワーク10の大きさや形状或いは加工の態様に応じて、前記チャック9で把持したワーク10の矢印I側を支持し得る心押軸22が設けられている。
【0021】
更に、フレーム2内には、ワーク主軸7等よりも図1紙面奥側等に公知のツールマガジン5が設置されており、該ツールマガジン5には複数種類の旋削工具ユニット60Aや回転工具ユニット60B等の工具ユニットが保持貯蔵されている。また、このツールマガジン5の近傍には公知の自動工具交換装置17(ATC装置)が、ツールマガジン5に保持貯蔵されていた工具ユニットを取り出して後述する工具主軸32に装着させ得る形で、また該工具主軸32に装着されていた工具ユニットを取り外してツールマガジン5に保持させ得る形で設置されている。
【0022】
また、フレーム2の内部には、図2に示すように、前記ワーク主軸7の矢印I側の位置で、前記第1直動案内装置20の図2紙面斜め上方奥側で、かつツールマガジン5や自動工具交換装置17よりも図1紙面手前側の位置に、矢印H、I方向に伸延した形の第2直動案内装置11が敷設されており、第2直動案内装置11には刃物台ベース12が矢印H、I方向に、即ちZ軸方向に摺動移動駆動自在に設けられている。一方、刃物台ベース12には、前記Z軸方向に直角で、かつ鉛直方向からやや傾斜した方向となるX軸方向である図1及び図2の矢印D、E方向に伸延した形の第3直動案内装置15が敷設されており(従って第3直動案内装置15は図1及び図2で紙面奥側に向かって傾斜している)、第3直動案内装置15には刃物台13が矢印D、E方向に、即ちX軸方向に摺動移動駆動自在に設けられている。
【0023】
刃物台13の矢印D側の先端側には、図2に示すように、主軸取付部30が形成されており、主軸取付部30には、前記X軸方向(矢印D、E方向)及びZ軸方向(矢印H、I方向)に対して直角なY軸方向である図の矢印A、C方向に平行な軸心CT2を中心に図の矢印T、U方向(B軸方向)に回動自在に軸支されたヘッドストック31が刃物台13の本体の一部を構成する形で設けられている。なお、刃物台13内には図示しない適宜な回動駆動用モータが内蔵されており、該回動駆動用モータと前記ヘッドストック31の間には、歯車やシャフト等からなる適宜な動力伝達手段(図示せず)が、前記回動駆動用モータからの動力を伝達することにより、前記ヘッドストック31を前記軸心CT2を中心に図の矢印T、U方向(B軸方向)に所定の割り出し角度で回動駆動自在に設けられている。
【0024】
更に、主軸取付部30とヘッドストック31の間には、該主軸取付部30側に対してヘッドストック31側を固定・固定解除自在な、適宜な固定手段(図示せず)が設けられている。つまり、ヘッドストック31は、動力伝達手段及び固定手段等により、図の矢印T、U方向に所定の割り出し角度で回動駆動・位置決め自在になっている。
【0025】
ヘッドストック31は、図3に示すように、少なくとも矢印F方向に開口した略筒状の形状をなしており、ヘッドストック31内部には、ベアリングユニット37を介して支持された工具主軸32が設けられている(なお、ヘッドストック31は図3で示すとおり、複数の部品が組み合わさってできた1つのケーシング体である)。工具主軸32は、ヘッドストック31内で図の矢印F、G方向(工具主軸32の軸方向)に伸延した形状をしており、上述したベアリングユニット37を介して支持されることにより矢印F、G方向の軸心CT3を中心に図の矢印J、K方向に軸回転自在になっている。なおベアリングユニット37は、工具主軸32の先端側である矢印F側に配置されたスラストベアリング装置37aと工具主軸32の後端側である矢印G側に配置されたころ軸受装置37bを有している。
【0026】
上述したようにヘッドストック31は主軸取付部30に対して矢印T、U方向に所定の割り出し角度で回動駆動・位置決め自在となっているのであるから、該ヘッドストック31に設けられた工具主軸32も同様に矢印T、U方向に所定の割り出し角度で回動駆動自在となっている。従って工具主軸32は、この工具主軸32の先端が図の矢印H方向を向くような位置や、図の矢印D方向を向くような位置、或いはその他、前記B軸に沿った各種各様の方向を向くような位置で位置決め自在になっている。
【0027】
工具主軸32の先端側(即ち図の矢印F側)は、図3乃至図4に示すように、基本的に略円錐状に形成された工具装着部33となっており、該工具装着部33には、旋削工具ユニットが、或いは回転工具ユニットが着脱自在になっている(なお、図3及び図4では工具主軸32に旋削工具ユニット60Aや回転工具ユニット60Bがいずれも装着されていない状態を示している。)。
【0028】
また、主軸駆動用モータ70は工具主軸32に直結された、所謂ビルトインタイプとなっており、主軸駆動用モータ70を駆動することにより、工具主軸32を軸心CT3を中心に、図の矢印J、K方向に軸回転駆動自在になっている。つまり工具主軸32の先端に回転工具ユニット60Bを装着して該工具主軸32を矢印J、K方向に軸回駆動させることによりミル加工などの回転加工が行えるようになっている。
【0029】
また、ヘッドストック31と工具主軸32の間には、上述したスラストベアリング装置37aの近傍で、かつこれよりも矢印F側の位置において、カップリングクランプ機構40が設けられている。即ち、カップリングクランプ機構40は、図4に示すように、工具主軸32に固定して設けられた主軸カップリング42を有している。主軸カップリング42は工具主軸32の外周側に、フランジ状に、従って矢印F、G方向に略垂直な環状の板状に形成されたベース部42aを有しており、ベース部42aのうち矢印G方向、即ち主軸端部32aに対して背向した面には、該矢印G方向に突出した形で複数の突起部42bが設けられている。各突起部42bは前記軸心CT3を中心に放射状に伸延した筋状に形成されている。
【0030】
また、カップリングクランプ機構40は、ヘッドストック31に設けられた固定用カップリング45を有している。固定用カップリング45は、上述した主軸カップリング42の外周側に対応して配置され、前記ヘッドストック31に固定されたベース部45aを有しており、ベース部45aは矢印F、G方向に略垂直な、前記主軸カップリング42の外側を囲む環状の板状に形成されている。ベース部45aのうち矢印G方向に向いた面には、該矢印G方向に突出した形で複数の突起部45bが設けられている。各突起部45bは前記軸心CT3を中心に放射状に伸延した筋状に形成されている。
【0031】
更に、ヘッドストック31のうち上述した固定用カップリング45よりも矢印G側、即ち、主軸端面32aとは反対側の位置には、該ヘッドストック31内に設けられ形で中空のシリンダ41が形成されている。シリンダ41は、工具主軸32の放射方向外側に配置され、該工具主軸32と同心状の環形状をなしている。そして前記カップリングクランプ機構40は、このシリンダ41を介してヘッドストック31に支持された形でクランプカップリング43を有している。即ち、クランプカップリング43は、シリンダ41内で油圧オイル等により矢印F、G方向に移動駆動自在になった基本的にピストン体となっている。クランプカップリング43の矢印F側には、該矢印F方向に向いた平板状の対向部43aが形成されている。上述したようにシリンダ41は前記工具主軸32と同心状の環形状をなしていることから、対向部43aも前記工具主軸32と同心状の環形状をなしており、更に対向部43aは、その矢印F方向に主軸カップリング42及び固定用カップリング45に対向する大きさで形成されている。対向部43aのうち矢印F方向に向いた面には、該矢印F方向に突出した形で複数の突起部43bが設けられている。各突起部43bは前記軸心CT3を中心に放射状に伸延した筋状に形成されている。
【0032】
また、主軸カップリング42の図4左方、即ち、クランプカップリング43が設けられた側の軸心CT3方向における反対側には、環状に形成されたバランスリング50が、ヘッドストック31に形成されたシリンダ31aに矢印F、G方向に所定のストロークに渡り摺動自在に設けられており、バランスリング50の図中右方には押圧面50aが、主軸カップリング42の側面42cと当接係合自在に形成されている。
【0033】
バランスリング50の図4外周部には、リターンリング51が、ヘッドストック31に形成されたシリンダ31bに矢印F、G方向に所定のストロークに渡り摺動自在に設けられており、リターンリング51は、固定用カップリング45に矢印F、G方向に貫通穿設された穴45cに遊嵌されたピン52と当接係合自在に形成されている。
【0034】
つまり、工具主軸32のクランプに際して、油路55を介してシリンダ41に供給される圧油により、クランプカップリング43が矢印F方向に移動駆動され、図4下半分に示すように所定の主軸クランプ位置SC1に配置されると、対向部43aに設けられた複数の突起部43bが、主軸カップリング42の複数の突起体42b及び固定用カップリング45の複数の突起部45bに噛合し、公知の3枚カップリングの要領で、固定用カップリング45に対して主軸カップリング42がクランプされる。つまり、主軸カップリング42が設けられている工具主軸32は、その矢印J、K方向の回転を拘束する形でヘッドストック31側にクランプ固定される。
【0035】
この際、バランスリング50も、油路53を介してシリンダ31aに供給される圧油により、矢印G方向に押圧駆動され、押圧面50aと主軸カップリング42の側面42cが所定の押圧力で当接する。主軸カップリング42の突起部42b側は、既に述べたようにクランプカップリング43により図中F方向に所定のクランプ力が作用することから、主軸カップリング42は、クランプカップリング41からの矢印F方向のクランプ力とバランスリング50からの矢印G方向の押圧力が作用して、結果的にクランプカップリング43からの矢印F方向のクランプ力はバランスリング50の押圧力により打ち消される。
【0036】
通常、クランプカップリング43から主軸カップリング42を介して工具主軸32に作用する矢印F方向のクランプ力は、工具主軸32を支持するスラストベアリング37aに対してスラスト荷重として作用するが、このスラスト荷重が、バランスリング50により主軸カップリング42に作用する押圧力により打ち消され、工具主軸32には、クランプカップリング43の主軸カップリング42及び固定用カップリング45との係合に起因するスラスト荷重が作用することは無くなる。
【0037】
工具主軸32のアンクランプに際しては、油路53、55がドレーンされると共にリターンリング51の図中左方のシリンダ31bに圧油が供給される。すると、リターンリング51が矢印G方向に移動駆動されると共に、バランスリング50が、逆方向である矢印F方向に押圧駆動される。これにより、リターンリング51が固定用カップリング45の穴45cに遊嵌されたピン52と当接し、該ピン52を矢印G方向に押圧して矢印G方向に移動させ、更に、ピン52が矢印G方向に移動すると、ピン52によりクランプカップリング43は矢印G方向に押圧駆動される。すると、クランプカップリング43は、図4上半分に示すように所定の主軸アンクランプ位置SC2に配置される。
【0038】
すると、クランプカップリング43の突起部43bの、主軸カップリング42の突起体42b及び固定用カップリング45の突起部45bに対する噛合が解除され、固定用カップリング45に対して主軸カップリング42がアンクランプされる。即ち、工具主軸32は、その矢印J、K方向の回転に対する拘束が解除され、該矢印J、K方向に回転可能な状態になる。
【0039】
また、リターンリング51のシリンダ31bへの圧油の供給により、クランプカップリング41の開放動作と同期する形でバランスリング50が矢印F方向に押圧駆動され、それまで当接状態にあったバランスリング50と主軸カップリング42との当接関係は、クランプカップリング41の開放動作と同期する形で解除される。すると、それまでバランスリング50から主軸カップリング42作用していた押圧力の作用が無くなり、主軸カップリング42はクランプカップリング43及び主軸カップリング42の両方との係合が解除され、それまで主軸カップリング42に作用していた軸心CT3方向の押圧力及びクランプ力は共に作用しなくなり、工具主軸32は、スラストベアリング37aに主軸カップリング42及びバランスリング50からのスラスト荷重が何ら作用することが無く、円滑に回転可能な状態となる。
【0040】
このように、リターンリング51の駆動用シリンダ31bをバランスリング50の駆動用シリンダと共用させることにより、リターンリング51を駆動させるだけでクランプカップリング43とバランスリング50の同期的な開放動作を可能とすることが出来る。これにより、工具主軸32の固定状態からから回転可能状態への切り換えに際して、主軸カップリング42に軸心CT3方向にアンバランスなスラスト力が作用して主軸カップリング42を変形破損させたり、またベアリング37に過度のスラスト荷重が作用する事を未然に防止することが出来、信頼性の高い主軸構造となる。
【0041】
なお、リターンリング51とクランプカップリング43の同期解放機構は、上述の駆動用シリンダ31bのような共用シリンダを用いるほかに、互いのシリンダを連通させて開放用の油圧を同時に供給できるようしたり、適宜な機械的な連動機構を用いて駆動するなど、どのような構成を用いてもよい。
【0042】
工作機械1等は以上のように構成されているので、該工作機械1によりワーク10の加工を行うには、まずワーク10をチャック9で把持(或いは、該チャック9で把持したワーク10の矢印I側を心押軸22で支持)する形で設置する。次いで、旋削工具ユニット60A或いは回転工具ユニット60Bを装着した工具主軸32を、主軸取付部30に対するヘッドストック31の矢印T、U方向における回転・位置決めにより、所望の方向に配置して、刃物台ベース12の矢印H、I方向での移動駆動及び刃物台13の矢印D、E方向での移動駆動により、工具主軸32に装着した旋削工具ユニット60A或いは回転工具ユニット60Bの先端と前記ワーク10との相対位置をX軸方向或いはZ軸方向に変化させながら加工を進める。
【0043】
なお、工具主軸32に旋削工具ユニット60Aが装着されている際には、ワーク主軸7のC軸制御状態を解除して通常の回転数制御状態とし、ワーク主軸7を矢印Q、R方向に軸回転駆動させて、チャック9で把持したワーク10を矢印Q、R方向に回転駆動させておく。一方、刃物台13側では工具主軸32を回転させず、またカップリングクランプ機構40において、図4下半分に示すようにクランプカップリング43を矢印F方向に移動駆動させて主軸クランプ位置SC1に配置すると共に、バランスリング50を矢印G方向に移動させる。これにより、クランプカップリング43と主軸カップリング42及び固定用カップリング45を、バランスリング50により矢印F方向のクランプ力を打ち消した状態で噛合させ、固定用カップリング45に対して前記主軸カップリング42をクランプする。
【0044】
すると、工具主軸32は、その矢印J、K方向の回転を拘束された形でヘッドストック31側にクランプ固定される。こうして、工具主軸32に装着された旋削工具ユニット60Aの先端を主軸取付部30等に対して固定した状態にしてワーク10の旋削加工(外径加工や端面加工等)を行うようにする。
【0045】
旋削加工ユニット60Aによる旋削加工に際しては、既に述べたように、クランプカップリング43からの矢印F方向のクランプ力がバランスリング50による矢印G方向の押圧力で打ち消されるので、工具主軸32を回転自在に支持するスラストベアリング37aには余分なスラスト荷重が作用することなく、旋削加工に際してスラストベアリングが弾性変形することが防止され、精度の高い加工が可能となる。
【0046】
また、工具主軸32に回転工具ユニット60Bが装着されている際には、ワーク主軸7を回転角度制御状態、即ちC軸制御状態にしておく。また、刃物台13側では、カップリングクランプ機構40において、リターンリング51及びピン52により、クランプカップリング43を矢印G方向に移動駆動させて主軸アンクランプ位置SC2に配置し、該クランプカップリング43と主軸カップリング42及び固定用カップリング45の噛合を解除する。
【0047】
これにより、固定用カップリング45に対して前記主軸カップリング42をアンクランプし、工具主軸32を、その矢印J、K方向に回転可能な状態にした上で、該工具主軸32を矢印A、B方向に軸回転駆動させて、該工具主軸32に装着された回転工具ユニット60Bの先端を矢印J、K方向に回転駆動させるようにしてワーク10の回転加工(ミル加工等)を行うようにする。
【0048】
なお、加工の途中などで、工具主軸32に装着する工具ユニットを交換する際には、上述した自動工具交換装置17により、ツールマガジン5に保持貯蔵されていた所望の工具ユニットを取り出すと共に、工具主軸32に装着していた工具ユニットを取り外し、これらを取り替える形で、該工具主軸32に前記所望の工具ユニットを装着するようにする。
【0049】
このように本実施例によると、旋削加工時における工具主軸32のヘッドストック31に対するクランプ固定が、上述したように固定側、回転側及び接続用の3枚のカップリング及びスラスト荷重打ち消し用のバランスリング50を用いたカップリングクランプ機構40により実現されているので、例えばディスクブレーキのような機構で主軸をクランプ固定するよりも、高剛性で工具主軸32をクランプ固定できる。つまり、旋削工具ユニット60Aを支持する工具主軸32において剛性を良好に確保することができる。また、従来の3枚カップリングクランプ機構のように、工具主軸32の固定時に、クランプカップリング43からのスラスト力が工具主軸32を回転支持するベアリング37に作用することが、バランスリング50の作用により防止することが出来るので、クランプカップリング43のクランプ力を強固なものにしても、ベアリング37に悪影響を与えることが防止され、大きなスラスト荷重が作用する旋削加工などにも容易に対応することが出来る。
【0050】
また、カップリング機構40の、主軸カップリング42及び固定用カップリング45の係合部である、突起部42b及び45bが、工具が装着される工具主軸32の端部32aに対して背向する形で形成されているので、加工に際して生じる切り粉などが、端部32a側から侵入して突起部42b、45b部分に達することを極力防止することが出来る。これにより、主軸カップリング42及び固定用カップリング45の係合部と、クランプカップリング43の係合部である突起部43bとの間に切り粉が噛み込まれてしまい、クランプ不良となる事態の発生を未然に防止することが出来る。
【0051】
なお、クランプ部材であるクランプカップリング43と対向配置されるバランスリング50などのバランス押圧部材は、実施例のように円環状に限らず、クランプカップリング43のクランプ力を打ち消すことが出来る限りどのような形状でも良く、例えば、矢印F、G方向に移動駆動自在に設けられた複数の押圧部材などから構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による工作機械の一例を示した斜視図、
【図2】図2は、図1に示す工作機械のフロントドア内側を示した斜視図、
【図3】図3は、図2の刃物台における工具主軸周辺の詳細を示した側断面図、
【図4】図4は、図3のクランプ部の詳細を示す側断面図である。
【符号の説明】
1……工作機械
31……刃物台本体(ヘッドストック)
31b……同期駆動手段、駆動手段(シリンダ)
32……工具用主軸(工具主軸)
37……ベアリング支持手段(ベアリングユニット)
42……主軸側カップリング部材(主軸カップリング)
42b、45b……係合部(突起部)
43……クランプ部材(クランプカップリング)
45……刃物台本体側カップリング部材(固定用カップリング)
50……バランス押圧部材(バランスリング)
51……同期駆動手段(リターンリング)
52……同期駆動手段、動力伝達手段(ピン)
60A……旋削工具(旋削工具ユニット)
60B……回転工具(回転工具ユニット)
SC1……主軸クランプ位置
SC2……主軸アンクランプ位置
CT3……工具軸心(軸心)

Claims (4)

  1. 刃物台本体を有し、該刃物台本体に工具用主軸を、ベアリング支持手段を介して軸回転自在に支持して設け、該工具用主軸の先端側には、旋削工具又は回転工具が選択的に着脱自在となっている工作機械において、
    前記工具用主軸と前記刃物台本体の間に、前記工具用主軸に設けられた主軸側カップリング部材及び、前記刃物台本体に設けられた刃物台本体側カップリング部材及び、これら主軸側カップリング部材と刃物台本体側カップリング部材に対して同時に噛合する主軸クランプ位置と、これら主軸側カップリング部材と刃物台本体側カップリング部材のうち少なくとも一方と噛合解除する主軸アンクランプ位置との間で移動自在になったクランプ部材を設け、
    前記主軸側カップリング部材の、前記クランプ部材が設けられた側の工具軸心における反対側に、バランス押圧部材を前記主軸側カップリング部材に対して当接係合自在に設けて構成した、工作機械。
  2. 前記クランプ部材のアンクランプに際して、前記クランプ部材とバランス押圧部材を同期的に駆動する同期駆動手段を設けて構成した、請求項1記載の工作機械。
  3. 前記同期駆動手段は、
    前記バランス押圧部材の外周部に、移動駆動自在に設けられたリターンリングを有し、
    前記リターンリングと前記クランプ部材との間に、該リターンリングの工具軸心方向の移動を前記クランプ部材に伝達し得る駆動力伝達手段を設け、
    前記リターンリングと前記バランス押圧部材との間に、前記リターンリングと前記バランス押圧部材を互いに逆方向に駆動し得る、駆動手段を設けて構成した、請求項2記載の工作機械。
  4. 前記主軸側カップリング部材と前記刃物台本体側カップリング部材の係合部を、前記工具が装着される前記工具用主軸の端部に対して背向する形で形成して構成した、請求項1記載の工作機械。
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