JP3964314B2 - 難燃性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性及び物性バランスに優れた難燃性樹脂組成物を生産性良く製造する方法及び該製造方法により得られる組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂材料の溶融、混練、脱揮及び押し出しを連続的に行う形式の連続混練押出機としては、ケーシング内において、スクリュー部を形成した第1軸及び第2軸を並列に配置した二軸型混練機に、脱揮及び押出を行う単軸押出機とを組み合わせた二段式混練装置があった。この混練装置は、別個の作用をする二つの装置を組み合わせた構成であるため装置全体が大型化し、このため、効率が悪く消費エネルギーが大きいという問題があり、また、清掃に二軸型混練機と単軸押出機の2台分に相当する手間を要するなどの問題があった。
また、上記混練装置の単軸押出機をギヤポンプに置き換えた混練装置もあり、この混練装置では、脱揮運転ができないという問題があり、また、ギヤポンプの構造が複雑であるため、二軸型混練機を単軸押出機と組み合わせたもの以上に清掃時間を要するなどの問題があった。
さらに上記従来の混練装置では、二軸型混練部における樹脂材料の滞留時間はほぼ一定であるので、樹脂材料の量や状態によっては十分な混練がなされる前に、混練物が押し出されてしまうという問題もあった。
これらの問題を解決した混練装置として、熱可塑性樹脂組成物及びゴム組成物の製造方法において用いられた混練装置がある(例えば、特許文献1参照)。この混練装置を用いると、例えば微細な充填剤を高濃度に含有し、物性バランスにも優れる熱可塑性樹脂組成物又はゴム組成物を生産性(組成物の吐出量、品質安定性、作業性)良く製造することができるが、溶融混練物の押出し性能がさらに向上した混練装置が求められている。
一方、一般的な難燃剤は、溶融混練時に熱可塑性樹脂に対して分散性が悪いため、特許文献1に記載の混練装置を用いても、難燃剤の分散が多少不十分であり、十分な難燃性を得るには多量の配合が必要となる。その結果、物性が多少低下するという問題もあった。また、難燃剤の分散が十分でないことから、サージング及び開放ベントから難燃剤の噴出しなどの生産上の問題が発生することもあった。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−79515号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱可塑性樹脂等に難燃剤を効率良く高分散させ、しかも生産性良く製造する方法及び該製造方法により得られる、難燃性及び物性バランスの優れる難燃性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特開2002−79515号公報に記載の混練装置において、スクリュー径Dに対するLf /D(原料供給部の長さ/スクリュー径D)の比の値及び第1混練部におけるスクリュー径と長さの関係を特定範囲とすることにより、いかなる混練機サイズ(スクリュー径)であっても、いかなる配合組成であっても、生産安定性(サージング発生防止、開放ベントからの難燃剤噴出防止)、溶融混練の押出し性能(組成物の吐出量)及び難燃剤の分散性が向上することを見出した。さらに第2混練部におけるスクリュー径と長さの関係を特定範囲とすることにより、難燃剤の分散性が良好となり、得られる難燃性樹脂組成物の難燃性及び物性がなおいっそう良好になることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
ここで、第1混練部とは、開放ベント位置及びサイドフィード位置(メクラ板で塞ぐ場合もある。)よりホッパー側にある混練部(ミキシングロータ部)をいい、ロータ間にスクリューがある場合は、全ロータ長さを第1混練部の長さとする。また、第2混練部とは、開放ベント位置及びサイドフィード位置(メクラ板で塞ぐ場合もある。)よりダイス側にある混練部(ミキシングロータ部)をいい、ロータ間にスクリューがある場合は、全ロータ長さを第2混練部の長さとする。
【0006】
すなわち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂及びゴムから選ばれる一種以上及び(B)難燃剤を含む組成物を混練押出機を用いて製造する方法であって、混練押出機として二軸部のL/D(長さ/径)が12以上であるスクリューを備え、原料供給部に近い側の第1混練部と該第1混練部に続く第2混練部とからなり、かつ二軸部端部においてせき止め構造を有する二軸混練部と、単軸押出部とからなり、スクリュー径D(mm)と原料供給部の長さLf(mm)とが(Lf/D)/D=0.12〜0.33mm-1の関係にあり、第1混練部のL1/D(長さ/スクリュー径)が7〜13であり、かつ第2混練部のL 2 /D(長さ/スクリュー径)が2〜10である混練押出機を用いて、熱可塑性樹脂及び難燃剤を溶融混練させることを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる成分(A)のうちの熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド等が挙げられる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが挙げられ、ポリエチレンとしては、ホモポリエチレン、HDPE(高密度ポリエチレン)、LPDE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)が挙げられる。
成分(A)のうちのゴムとしては、天然ゴム、合成ゴムが挙げられ、合成ゴムとしては、エチレン−プロピレンゴム,エチレン−オクテン−1ゴム等のオレフィン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム,ニトリル−ブタジエンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム,クロロプレンゴム等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。上記熱可塑性樹脂及びゴムの中で、本発明に係る混練押出機には、(B)難燃剤の分散性の点で、(A1)ポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。
【0008】
本発明で用いる(B)難燃剤のうち、(B1)ハロゲン原子含有難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールA、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールS、トリス(ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、デカブロモジフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、エチレンビス(テトラブロモフタル)イミド、ポリブロモフェニルインダン、臭素化ポリスチレン、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、臭素化ポリフェニレンオキシド、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。この中でポリオレフィン系樹脂に対しては、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールA、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールS及びビス(ペンタブロモフェニル)エタンが好ましい。(A1)ポリオレフィン系樹脂/(B1)ハロゲン原子含有難燃剤系難燃性樹脂組成物における(B1)ハロゲン原子含有難燃剤の配合比率は、2〜30質量%が好ましく[残りが(A1)]、特に好ましくは4〜25質量%である。この配合比率が2質量%未満であると難燃性が不足するおそれがあり、30質量%を超えると多量の配合により組成物の物性が低下するおそれがある。
ハロゲン原子含有剤難燃剤は、単独の使用では難燃性が不足するが、三酸化アンチモンなどの(B2)金属酸化物と併用することによって、難燃性が発揮される。(B1)ハロゲン原子含有難燃剤と(B2)金属酸化物の配合比率は、質量比で(B1)/(B2)=4/1〜1/1であることが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。場合によって難燃性向上のために、上記(A1)/(B1)系難燃性樹脂組成物100質量部に、ドリップ防止剤として、タルク、硫酸バリウム及び水酸化マグネシウムなどのフィラーを1〜50質量部、ポリテトラフルオロエチレンを0.01〜1質量部の配合比率で配合することが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。
【0009】
本発明で用いる(B)難燃剤のうち、(B3)リン原子含有難燃剤は、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミン塩及び赤燐などに分類される。
リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、ビス(ノニルフェニル)フェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジクレジルホスフェート)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリリン酸アンモニウムの市販品の例としては、AP−422(クラリアント社製)、テラージュ(TERRJU)−S10(ブーデンハイム社製)、テラージュ(TERRJU)−S20(ブーデンハイム社製)などが挙げられる。また、ポリリン酸アンモニウムは、加水分解を受けやすいため、ポリリン酸アンモニウムを熱硬化性樹脂でマイクロカプセル化したものや、メラミンモノマーや他の含窒素有機化合物で被覆等の処理を行ったもの、界面活性剤やシリコーン化合物で処理を行ったもの、ポリリン酸アンモニウムを製造する過程で、メラミン等を添加し、難溶化したものなどのようにポリリン酸アンモニウムが主成分である化合物を使用することが好ましい。本発明においてはこれらの全てを使用することができる。このように加水分解性を低減したポリリン酸アンモニウムの市販品としては、AP−462(クラリアント社製)、テラージュ(TERRJU)−C30(ブーデンハイム社製)、テラージュ(TERRJU)−C60(ブーデンハイム社製)、テラージュ(TERRJU)−C70(ブーデンハイム社製)、テラージュ(TERRJU)−C80(ブーデンハイム社製)などが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0010】
リン酸アミン塩(ピロリン酸塩、縮合リン酸塩も含む)としては、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、尿素、N,N '−ジメチル尿素、チオ尿素、イソシアヌール酸、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ヒダントイン、ヘキサヒドロピリミジン−2−オン、パラバン酸、バルピツル酸、アンメリン、メロン、メラム、グアナゾール、グアナジン、グアニジン、エチレンイミン、ピロリジン、2−ピロリドン、3−ピロリドン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、α−ピペリドン、β−ピペリドン、γ−ピペリドン、ピペラジン、4−メチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,3,5,6−テトラメチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2,5−ジエチルピペラジン、メラミン、グアナミン、メチルグアナミン、エチルグアナミン、ベンゾグアナミン、ベンジルグアナミン、ジシアンジアミド、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−チオモルホリノ−1,3,5−トリアジンなどのリン酸塩、ピロリン酸塩、縮合リン酸塩などが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ここで、縮合リンとは、リン酸が3分子以上縮合したポリリン酸をいい、三リン酸、四リン酸、それ以上のリン酸の縮合体、これらの混合物であってもよい。また、縮合リンは線状構造が主であるが、分岐状構造及び環状構造を含んでもよい。
【0011】
赤燐としては、通常市販されている赤燐を使用できるが、赤燐は少し加水分解を受けやすいため、赤燐をメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂でマイクロカプセル化したものや、メラミンモノマーや他の含窒素有機化合物で被覆等の処理を行ったもの、界面活性剤やシリコーン化合物で処理を行ったもの、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素で表面処理を行なったものなどを使用することが好ましい。本発明においては、赤燐が主成分である化合物全てを使用することができる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
上記リン原子含有難燃剤の中で、(A1)ポリオレフィン系樹脂に対しては、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミン塩及び赤燐が好ましい。具体的には、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムであるテラージュC30、メラミン架橋被覆ポリリン酸アンモニウムであるテラージュC60、C70、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン及び赤燐などが好ましい。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。(A1)ポリオレフィン系樹脂/(B3)リン原子含有難燃剤系難燃性樹脂組成物における(B3)リン原子含有難燃剤の配合比率は、3〜70質量%が好ましく[残りが(A1)]、特に好ましくは4〜40質量%である。この配合比率が3質量%未満であると難燃性が不足するおそれがあり、70質量%を超えると多量の配合により物性が低下するおそれがある。場合によって難燃性向上のために、上記難燃性樹脂組成物100質量部に、難燃助剤として酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化マグネシウム、スズ酸亜鉛、硼酸亜鉛、硼酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの金属化合物を0.1〜5質量部、及びドリップ防止剤としてポリテトラフルオロエチレンを0.01〜1質量部の配合比率で配合することが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。
【0012】
本発明で用いる(B)難燃剤のうち、(B4)窒素原子含有難燃剤としては、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、メラミンシアヌレート、グアナミン、メチルグアナミン、エチルグアナミン、ベンゾグアナミン、ベンジルグアナミン、テトラリン、硫酸メラミン、ポリアミド、ポリ−2−ピペラジレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、ポリ−2−ピペラジレン−4−チオモルホリノ−1,3,5−トリアジン、エチレン−尿素−共重合体などが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で用いる(B)難燃剤のうち、(B5)水酸基含有難燃剤としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース、マンニトール、セルロース、ブドウ糖、キシリトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ビスフェノールA、アジピン酸とペンタエリスリトールとの反応生成物、アジピン酸とジペンタエリスリトールとの反応生成物、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリヒドロキシポリオレフィン、セルロース、セルロース誘導体、木粉などが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0013】
本発明で用いる(B)難燃剤のうち、(B6)窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤としては、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、イソシアヌール酸、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートとテレフタル酸の反応体、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートとトリレンジイソシアネートの反応体などが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの難燃剤(B4)、(B5)及び(B6)の中で、メラミン、メラミンシアヌレート、ポリアミド、ポリ−2−ピペラジレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、ジペンタエリスリトール、アジピン酸とジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートとテレフタル酸の反応体、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートとトリレンジイソシアネートの反応体との反応生成物、イソシアヌール酸などが、成分(A)として(A1)ポリオレフィン系樹脂を用いる場合に難燃性の点で好ましい。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの難燃剤(B4)、(B5)及び(B6)は、(B3)リン原子含有難燃剤と組合せることにより、(A1)ポリオレフィン系樹脂に対して良好な難燃性を与える。(A1)/(B3)/[(B4)、(B5)又は(B6)]系難燃性樹脂組成物[(B4)、(B5)及び(B6)は任意の組合せ]における(B3)+[(B4)、(B5)又は(B6)]の配合比率は、10〜70質量%が好ましく[残りが(A1)]、特に好ましくは15〜50質量%である。(B3)/[(B4)、(B5)又は(B6)]の配合比率は、任意である。(B3)+[(B4)、(B5)又は(B6)]の配合比率が10質量%未満であると難燃性が不足するおそれがあり、70質量%を超えると多量の配合により物性が低下するおそれがある。場合によって難燃性向上のために、上記難燃性樹脂組成物100質量部に、難燃助剤として酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化マグネシウム、スズ酸亜鉛、硼酸亜鉛、硼酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの金属化合物を0.1〜5質量部、及びドリップ防止剤としてポリテトラフルオロエチレンを0.01〜1質量部の配合比率で配合することが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。
【0014】
本発明で用いる(B)難燃剤のうち、(B7)金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カルシウムマグネシウム、水酸化ジルコニール、水酸化バリウム、及びこれらが処理剤で表面処理されたものなどが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。(A1)ポリオレフィン系樹脂/(B7)金属水酸化物系難燃性樹脂組成物における(B7)金属水酸化物の配合比率は、30〜80質量%が好ましく[残りが(A1)]、特に好ましくは、35〜70質量%である。この配合比率が30質量%未満であると難燃性が不足するおそれがあり、80質量%を超えると多量の配合により物性が低下するおそれがある。場合によって難燃性向上のために、上記難燃性樹脂組成物100質量部に、難燃助剤として酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、スズ酸亜鉛、硼酸亜鉛、硼酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの金属化合物を0.1〜20質量部、カーボンブラック0.1〜5質量部、エチレン酢酸ビニル共重合体などの極性基含有ポリオレフィンを0.5〜50質量部、及びドリップ防止剤としてポリテトラフルオロエチレンを0.01〜2質量部の配合比率で配合することが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。
【0015】
また、成分(A)として(A1)ポリオレフィン系樹脂を用いる場合、(B7)金属水酸化物に、(B3)リン原子含有難燃剤のうちの赤燐を併用すると、(B7)金属水酸化物の配合量を減量して難燃性を良好にすることができる。(A1)ポリオレフィン系樹脂/(B7)金属水酸化物/(B3)リン原子含有難燃剤系難燃性樹脂組成物においては、(B7)/(B3)=10〜60質量%/3〜20質量%の配合比率が好ましく[残りが(A1)]、特に好ましくは、(B7)/(B3)=30〜50質量%/4〜10質量%である。この範囲を外れると、難燃性が低下したり、物性が低下するおそれがある。場合によって難燃性向上のために、上記難燃性樹脂組成物100質量部に、難燃助剤として酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、スズ酸亜鉛、硼酸亜鉛、硼酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの金属化合物を0.1〜20質量部、カーボンブラックを0.1〜5質量部、エチレン酢酸ビニル共重合体などの極性基含有ポリオレフィンを0.5〜50質量部、及びドリップ防止剤としてポリテトラフルオロエチレンを0.01〜2質量部の配合比率で配合することが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。
【0016】
成分(A)として(A1)ポリオレフィン系樹脂を用いる場合、(B7)金属水酸化物及び(B3)リン原子含有難燃剤のうちの赤燐に、更に、(B4)窒素原子含有難燃剤、(B5)水酸基含有難燃剤及び(B6)窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤から選ばれる少なくとも1つを併用すると、(B7)金属水酸化物の配合量をさらに減量して難燃性を良好にすることができる。(A1)/(B7)/(B3)/[(B4)、(B5)又は(B6)]系難燃性樹脂組成物[(B4)、(B5)及び(B6)は任意の組合せ]における(B7)+(B3)+[(B4)、(B5)又は(B6)]の配合比率は、10〜70質量%が好ましく[残りが(A1)]、特に好ましくは20〜60質量%である。(B7)/(B3)/[(B4)、(B5)又は(B6)]の配合比率は、任意である。(B7)+(B3)+[(B4)、(B5)又は(B6)]の配合比率が10質量%未満であると難燃性が不足するおそれがあり、70質量%を超えると多量の配合により物性が低下するおそれがある。場合によって難燃性向上のために、上記難燃性樹脂組成物100質量部に、難燃助剤として酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、スズ酸亜鉛、硼酸亜鉛、硼酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどの金属化合物を0.1〜20質量部、カーボンブラックを0.1〜5質量部、エチレン酢酸ビニル共重合体などの極性基含有ポリオレフィンを0.5〜50質量部、及びドリップ防止剤としてポリテトラフルオロエチレンを0.01〜2質量部の配合比率で配合することが好ましい。この範囲外では、難燃性が不足するおそれがある。
【0017】
本発明の難燃性樹脂組成物には、上記成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐光剤、帯電防止剤、滑剤、核剤及び充填剤などの添加剤を適宜配合することができる。酸化防止剤として、リン系化合物、フェノール系化合物、イオウ系化合物などが挙げられ、耐光剤として、ベンゾフェノン系化合物、サリチレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物などが挙げられ、帯電防止剤として、アニオン系化合物、カチオン系化合物、ノニオン系化合物、両性系化合物などが挙げられ、滑剤として、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、炭化水素系化合物などが挙げられ、核剤として、金属塩系化合物、ソルビトール系化合物などが挙げられ、充填剤として、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、マイカ、ベントナイトなどが挙げられ、その他の添加剤として金属不活性化剤、着色剤、ブルーミング防止剤、表面処理剤などが挙げられる。
【0018】
本発明の製造方法においては、特定の混練押出機として、二軸部のL/D(長さ/径)が12以上であるスクリューを備え、かつ二軸部端部においてせき止め構造を有する二軸混練部と、単軸押出部とからなり、スクリュー径D(mm)と原料供給部の長さLf (mm)とが(Lf /D)/D=0.12〜0.33mm-1の関係にある混練押出機を用いる。二軸部のL/Dは20以上が好ましく、より好ましくは25以上である。L/Dが12未満では難燃剤の分散が不充分となり、難燃剤を高濃度かつ分散性良く組成物に充填することができない。
スクリュー径D(mm)と原料供給部の長さLf (mm)との関係は、(Lf /D)/D=0.12〜0.30mm-1であることが好ましく、(Lf /D)/D=0.12〜0.29mm-1がより好ましい。(Lf /D)/Dが0.12mm-1未満であると、サージングが発生したり、吐出量が減少したり、難燃剤の分散性が不十分となったりする。また、(Lf /D)/Dが0.33mm-1を超えても、サージング防止、安定した吐出量及び充填剤の分散性においてさらなる効果が得られるものでもなく、設備コストが嵩むだけである。
ここで、原料供給部の長さLf とは、後述する図1に示すように、シューターの中心直下から第1混練部(第1ミキシングロータ部)までの距離をいう。
【0019】
本発明で用いる混練押出機においては、原料供給部に近い側の第1混練部のL1 /D(長さ/スクリュー径)は7〜13であるが、9〜13が好ましい。L1 /Dが7未満であると、充填剤の分散性が良好ではなくなり、充填剤が開放ベントから噴出し易くなる。L1 /Dが13を超えると、熱可塑性樹脂やゴムを混練しすぎることとなるため、熱可塑性樹脂やゴムが劣化し、また、設備コストが嵩んでしまう。
一方、第1混練部に続く第2混練部のL2 /D(長さ/スクリュー径)は2〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。L2 /Dが2未満であると、難燃剤の分散が良好でなくなる場合がある。L2 /Dが10を超えても、さらなる混練効果が得られるものでもなく、設備コストが嵩むだけである。
混練される原料が、エアー、揮発成分又は蒸発成分等を含む場合、第1混練部と第2混練部の間に開放ベントを設けることが必要である。なぜなら、本発明で用いるの混練押出機では吐出量の増加効果が大きいからである。
【0020】
スクリューの回転数は、製造する組成物の特性に応じて10〜1500rpmとすることができる。例えば、射出用途の高流動組成物を製造する場合、高流動組成物は粘度が低く、剪断応力を得る必要があるため、回転数が高い方が好ましい。一方、押出し用途の組成物を製造する場合、分子切断が起こり易くなり、粘度の低下が起こるため、スクリューの回転数は低い方が好ましい。また、二軸部のスクリューには、同回転数よりも異なる回転数を与えることが、混練効果の点から好ましい。通常、回転数比は1:1.1とされる。
せき止め構造は、二軸部端部のスクリュー溝を浅く形成してケーシング(後述する図1参照)との間隙をわずかにし、かつ細かいピッチとしたものであり、このせき止め構造により、通過する配合成分の流量が最小限に規制されると共に、混練が充分に行われる。
【0021】
二軸混練部のスクリューは、難燃剤の分散と組成物の吐出量を考慮して、非噛合い異方向型であることが好ましい。スクリューの形状はロータ型であることが好ましい。また、このスクリューのネジ構造は、後述する図2に示すような2条ネジであることが好ましい。スクリュー及びロータは、それぞれセグメントになっており、必要に応じてロータの位置やL/D、あるいはチップクリアランス等で混練を調節することができる。
二軸混練部は、組成物の要求特性に応じて、混練部における配合成分の滞留時間が調整できるように、その終端に樹脂量を調節する機能を有することが好ましい。このような機能としては、オリフィス調整機能を例示することができる。また、二軸混練部と単軸押出部とは一体構造であることは必ずしも必要ではなく、上記の要件を満たす混練押出機であればタンデム型のものであってもかまわないが、一体構造であることが好ましい。
本発明の混練押出機としては、例えば図1〜図4に示す連続混練押出機を例示することができる。なお、この装置は清掃が容易であるという利点がある。この装置は、金属製のケーシング1に内装された第1軸3と、これよりも短い第2軸4とを備えたものであり、ホッパーから供給された配合成分は、原料供給部を通じてミキシングロータ部12(第1混練部)に導入され、ミキシングロータ部12及びミキシングロータ部13(第2混練部)において溶融、混練されて先端側に送られ、吐出される。
【0022】
図1は装置の平面の断面を示し、図2は図1における原料供給部を示し、図3は図1におけるA−A断面図であり、図4は図1におけるB−B断面図である。図1に示すように、ケーシング1は全体が筒状に形成されており、略中央で左右に2分割されている。なお、このケーシング1の分割部分には別部材とした接続部材1bが介挿されている。1aは蝶番である。
ケーシング1内には、円筒状シリンダ21、2つの円筒状シリンダを連結したまゆ型シリンダ20、及び接続部材1b内に形成された2つの軸受けシリンダ22及び23が形成されている。まゆ型シリンダ20内には、スクリュー部2(原料供給部)を各々形成した第1軸3及び第2軸4が並列に配置されている。これら第1軸3及び第2軸4は、スクリュー基部30及び31を介してケーシング1に嵌挿されている。これら第1軸3と第2軸4の基端部は、ケーシング1外部に設置した図示しないギアボックスに挿入され、ベアリングで回転自在に支持されている。
【0023】
また、第2軸4の先端の送出スクリュー部4aは、この部分とシリンダ22との間に溶融樹脂が介在することにより所定位置に保持されるので、第2軸4全体が回転自在に支持される。同様に、第1軸3の中間部の送出スクリュー部5aは、この部分とシリンダ23との間に溶融樹脂が介在することにより一定位置に保持されるので、第1軸3全体が回転自在に支持される。
そして、第1軸3及び第2軸4の中央部分は互いに接触しないように対峙し、これらの中途には一対ずつのミキシングロータ部12及び13が各々設けられている。このミキシングロータ部12及び13は、対向する第1ロータ部12a,12b及び第2ロータ部13a,13bからなっており、図示のように互いに離れた位置に形成されている。そして、第1ロータ部12aと第2ロータ部13aとの間には第2スクリュー2aが、また、第1ロータ部12bと第2ロータ部13bとの間には第2スクリュー2bが各々形成されている。第2スクリュー2aと2bとの中間(参照番号41で示す箇所)の上方には開放ベント(図示せず)が設けられている。
【0024】
第1軸3は延長軸部5を有しており、この延長軸部5は円筒状シリンダ21内に回転自在に内装され、この全長にわたってスクリュー5bが形成されている。この延長軸部5の基端側は接続部材1b内に保持され、この部分にはせき止め構造として、スクリュー溝を浅く形成してケーシング1との間隙をわずかにし、かつ細かいピッチとした流量規制スクリュー5aが形成されている。この流量規制スクリュー5a部では、通過する配合成分の流量が最小限に規制されると共に、配合成分の混練が充分に行われるようになっている。
上記のような構成により、ケーシング1内には第1軸3及び第2軸4が並列する二軸スクリュー部6と、延長軸部5部分からなる単軸スクリュー部7とが形成されている。ケーシング1における第1軸3及び第2軸4の基端部(参照番号8aで示す箇所)の付近には、二軸スクリュー部6に連通する、図2に示す材料供給口8が形成されている。この材料供給口8には、供給装置(ホッパー)42から送出された配合成分が、コイルフィーダー43、シューター44を経て送られる。シューター44は材料供給口に結合されている。シューター44は、図1に示すように蓋を開けた状態とし、スクリューフィーダー45を挿入し、配合成分を強制フィードすることが好ましい。
【0025】
一方、ケーシング1における延長軸部5の先端部9側には、組成物の吐出口10が設けられている。さらにケーシング1において延長軸部5の基端部側(参照番号32で示す箇所)の上方に脱揮口(図示せず)が形成されている。延長軸部5の基端部側におけるケーシング1には、バルブ部11が設けられている。このバルブ部11は次のように構成されている。
まず、送出スクリュー4aの先端側に空室14を形成し、この空室14の一部に小径な通路16を設けて、この空室14とシリンダ21とを連通させている。空室14内には外部から筒状の弁体15を挿通させ、この弁体15は矢印H方向において前進後退動可能となっている。そして弁体15が通路16に接近するほど空室14の容積が小さくなるので、配合成分の流路が狭くなるようになっている。
バルブ部11は、二軸スクリュー部6と単軸スクリュー部7とを連通するものであり、単軸スクリュー部7へ至る溶融樹脂をバイパスさせて流量を調整するものである。そして第2軸4の一端には送出スクリュー部4aが形成され、流量規制スクリュー部5aによりせき止められたほとんどの溶融樹脂を集めてバルブ部11を介して、ケーシング1内に樹脂を圧送するようになっている。
【0026】
なお前記流量調節機構としては他の構成としてもよく、例えば第1軸3を軸方向に移動可能として、第1軸3とこの周囲にあるケーシング内面に形成した凹凸部により弁体を形成し、流路の開閉度を調整する構造にすることも可能である。次に、上記の連続混練押出機の動作について説明する。材料供給口8より投入された配合成分は、第1軸3及び第2軸4のスクリュー部2(原料供給部)により矢示G方向に送られ、第1ロータ部12a,12b(第1混練部)により粗練りが行なわれ、樹脂が半溶融状態となって樹脂材料の密度が上昇する。このように樹脂の密度を上昇させることにより、第2スクリュー2a,2bでの樹脂の搬送能力が高められ押出量を多くすることができる。このときの第1軸3及び第2軸4の回転数は10〜1500rpmである。
第2スクリュー2a,2bで送られた樹脂材料は第2ロータ部13a,13b(第2混練部)で完全に溶融、混練が行われる。溶融、混練された樹脂は、送出スクリュー部4aによって空室14内へ送られ、弁体15によって流量を調節されながら通路16を通過してケーシング1内に送られる。このように流量を調節することにより、二軸混練部6での配合成分の混練滞留時間及び配合成分の充填度を調整できるので、バルブ部11を作動させることによって混練度合いを自由に設定できる。このため樹脂の状態に応じてバルブ部11の開閉度をコントロールして、配合成分に常に均一な混練を与えることができる。
【0027】
また、二組のロータ部である第1ロータ部12及び第2ロータ部13を設けたので、樹脂の溶融、混練作用が強化され押出量が大幅に増加する。さらに、接続部材1b内の流量規制スクリュー部5a及び送出スクリュー部4aは各々、独立に支持されており、これらとシリンダ22及び23との間に樹脂が充満することにより軸受作用が生じるため、高回転域で各スクリューがカジリを起こすことを防止できる。
そして、上記のようにして溶融、混練調整された組成物は、単軸スクリュー部7へ送られ、参照番号32で示す箇所に設けられた脱揮口(図示せず)から必要な脱揮がされた後、延長軸部5にて順次送られて吐出口10から押出される。
本発明においては、上記混練押出機による混練の前に配合成分を予備混合することが好ましい。予備混合は、ヘンシェルミキサー、タンブラーなどを用いて行うことができる。
【0028】
本発明の製造方法によれば、所定のスクリュー設計により、いかなる混練機サイズ(スクリュー径)であっても、いかなる配合組成であっても、高吐出量の条件にもかかわらず、なおいっそう難燃剤の分散性が良好になり、難燃性と物性が向上する。その結果、難燃剤の配合量を低減することもでき、コストの低減が可能となる。更に開放ベントからの難燃剤の噴出し及びサージングがなく、生産性も良好である。
本発明により得られた難燃性樹脂組成物は、難燃性と物性のバランスに優れているため、家電製品、OA製品、自動車分野等の難燃性を必要とする外装材料(ハウジング等)、内部部品(コネクター、基盤ホルダー、偏向ヨーク等)及び電線の被覆材などの用途に好適である。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた配合成分は、下記のとおりである。
【0030】
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン)
出光石油化学社製 J−950HP、J−966HP、J −6083HP、B−780
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂(高密度ポリエチレン)
出光石油化学社製 210JZ
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂(エチレン−プロピレン−ゴム)
JSR社製 EP−02P
成分(B1):ハロゲン原子含有難燃剤[ビス(ペンタブロモフェニル)エタ
ン]アルベマール社製 サイテックス8010
成分(B2):金属酸化物(三酸化アンチモン)
田中産業社製 アンチモンP8
成分(B3):リン原子含有難燃剤(ポリリン酸アンモニウム)
ブーデンハイム社製 テラージュC70、テラージュC30
クラリアント社製 AP−422
成分(B3):リン原子含有難燃剤(ポリリン酸メラミン)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 メラポア200/70成分(B3):リン原子含有難燃剤(ピロリン酸メラミン)
三井化学ファイン社製 プラネロンN/P
成分(B3):リン原子含有難燃剤(ピロリン酸ピペラジン)
公知の方法に従って合成した。
成分(B3):リン原子含有難燃剤(赤燐)
リン化学社製 ノーバエクセル140
成分(B4):窒素原子含有難燃剤(メラミンシアヌレート)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 メラポアMC25
成分(B4):窒素原子含有難燃剤(ポリアミド)
カネボウ合繊社製 MC100L(ナイロン6)
成分(B5):水酸基含有難燃剤(ジペンタエリスルトール)
広栄化学社製 ジペンタリット
成分(B5):水酸基含有難燃剤(ジペンタエリスルトールとアジピン酸との反応体)
味の素ファインテクノ社製 プレンライザーST−210
成分(B6):窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤(イソシアヌール酸)
四国化成工業社製 ICA
成分(B6):窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤[トリス(2−ヒドロキ シエチル)イソシアヌレートとトリレン−2,4−ジイソシア ネートの反応体]
特開平2002−60385号公報の実施例1に記載の方法
に従って合成した。
成分(B6):窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤[トリス(2−ヒドロキ シエチル)イソシアヌレートとテレフタル酸エステルの反応体]特開平6−172663号公報の段落[0023]に記載の方法に従って合成した。具体的には、THEICを3.3モル、テレフタル酸エステルを2.3モルの比率で反応させた。
成分(B7):金属水酸化物(水酸化マグネシウム)
TMG社製 ファインマグMO−T
【0031】
その他の成分
(1)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
三菱レイヨン社製 メタブレンA3800[ポリテトラフルオロエチレン:炭素数4以上のアルキル基を有するポリアルキル(メタ)アクリレート=50:50の組成物]。
(2)カルボン酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂
ユニロイヤルケミカル社製 ポリボンド3200
(3)酸化マグネシウム
協和化学社製 ミクロマグ3−150
(4)水酸化マグネシウム
TMG社製 ファインマグMO−T
(5)リン系酸化防止剤
旭電化社製 PEP−36[ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト]
旭電化社製 アデカスタブ2112[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト]
(6)フェノール系酸化防止剤
旭電化社製 AO−80[3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン]
旭電化社製 AO−60[テトラキス[メチレン−3−(3',5' −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン]
(7)滑剤
大日本インキ化学工業社製 ステアリン酸カルシウム
(8)表面処理剤
ライオン社製 リオノンDEH−40(末端エステル封鎖ポリエチレン グリコール)
東レ・ダウ・コーニング社製 SH−6040(エポキシアルキルシランカップリング剤)
(9)タルク
浅田製粉社製 B9
(10)酸化チタン
石原産業社製 CR−60
(11)カーボンブラック
大日精化社製 PPM77255(カーボンブラック50%PPマスターバッチ)
(12)エチレン酢酸ビニル共重合体
日本ユニカ社製 NUC3461
【0032】
実施例1〜21、比較例1〜34
(1)予備混合
各表に示す各成分の組成及び配合量で配合し、表1〜表6に記載の実施例及び比較例についてはタンブラーで、表7〜表13に記載の実施例及び比較例についてはヘンシェルミキサーで予備混合した。
なお、表中の難燃剤配合率とは、ポリオレフィン系樹脂[(A)成分]と難燃剤[(B)成分]の合計量中の難燃剤の配合率であり、難燃助剤、ドリップ防止剤、カーボンブラック及びエチレン酢酸ビニル共重合体などのその他の配合成分を除いた配合率である。
(2)溶融混練
得られた予備混合物を、下記混練押出機で混練を行った。
シーティーイー社製HTM型2軸連続混練押出機, D=38mm, L/D=28, HTM38と略す。
シーティーイー社製HTM型2軸連続混練押出機, D=65mm, L/D=28, HTM65と略す。
HTM混練押出機は、本発明の特定の混練押出機であり、2軸混練部と単軸混練部とが一体構造であり、スクリューは非噛合い異方向型のものであり、スクリューのネジ構造は2条ネジであり、2軸混練部の第1混練部と第2混練部にミキシングローターがあり、2軸混練部の端部には、前記のようなせき止め構造と、樹脂流量調節するオリフィス調節機能を有している。このせき止め構造とオリフィス調節機能により、難燃性樹脂組成物の吐出量を調節した。オリフィス開度は10%とした。
なお、混練機サイズ(スクリュー径D)、(Lf /D)/D、第1混練部のL1 /D、第2混練部のL2 /Dを各表に示す。また、吐出量、シリンダー設定温度、スクリュー回転数などの運転条件も各表に示す。
混練により得られたペレットを、日精樹脂工業社製の射出成形機(商品名FE−120、PS−40)を用いてシリンダー温度190〜210℃、金型温度50℃で射出成形して試験片を作製し、その特性を下記の評価方法で評価した。評価結果を表1 〜12に示す
【0033】
(3)評価
▲1▼難燃性(UL94)
試験機:Atlas社製、HVULプラスチックUL燃焼テストチャンバー
試験法:厚み2.0mm、1.8mm、1.6mm、1.4mm、1.2mm、1.0mm、0.8mmのUL燃焼試験片各5本について、UL94に従って垂直燃焼試験を行った。
▲2▼曲げ弾性率
ASTM D790に準拠して測定した。
▲3▼アイゾット衝撃強度(ノッチなし)
ASTM D256に準拠して測定した。
▲4▼分散性評価
ペレットを、ホットプレスして、縦200mm、横200mm、厚さ0.01mmのフィルムを作製し、目視で確認可能な大きさの白色凝集物の個数により分散性を評価した。すなわち、白色凝集物がない場合を◎、白色凝集物の個数が少ない(数個未満)場合を○、少し多い(数個から10個)場合を△、多い(10個以上)場合を×とした。
▲5▼生産安定性評価
<サージング>
吐出量の速度が安定し、サージングしていない場合を○、吐出量の速度が安定せず、サージングし、ストランドが太くなったり、細くなったりして、ペレットの大きさが不揃いになった場合を△、吐出量の速度がまったく安定せず、著しくサージングし、ストランドが引けずに、製造不可の場合を×とした。
<開放ベントからの難燃剤の噴出>
開放ベントから難燃剤がまったく噴出しない場合を○、開放ベントから難燃剤が噴霧状に出る場合を△、開放ベントから難燃剤が噴出し、製造不可の場合を×とした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
上記2表に記載の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)を用いたものである。実施例1〜6に示すように、本発明の製造法では、生産性が安定し、難燃剤の分散性が良好で、その結果、物性と難燃性が非常に良好な組成物が得られた。また、スクリュー径の大きなHTM混練押出機を使用し、吐出量が多くなったにもかかわらず、いっそう物性と難燃性が向上した。これに対して、比較例1〜3では、本発明を満足しない製造法であるので、生産性が安定せず、物性と難燃性が低下した。また、比較例4では、実施例1〜6と同等の難燃性を得るために、難燃剤の配合率を4質量%増量する必要があり、その結果、難燃剤が増えた分、物性が大幅に低下した。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
上記2表に記載の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)、(B4)及び(B6)を用いたもの(実施例7、比較例5及び6)、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)及び(B6)を用いたもの(実施例8及び9、比較例7〜10)である。
実施例7〜9に示すように、本発明の製造法では、生産性が安定し、難燃剤の分散性が良好で、その結果、物性と難燃性が非常に良好な組成物が得られた。これに対して、比較例5、7及び9では、本発明を満足しない製造法であるので、生産性が安定せず、物性と難燃性が低下した。また、比較例6、8及び10では、それぞれ実施例7、8及び9と同等の難燃性を得るために、難燃剤の配合率を5〜6質量%増量する必要があり、その結果、難燃剤が増えた分、難燃剤の分散性が低下し、物性が大幅に低下した。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
上記2表に記載の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)及び(B5)を用いたものである。
実施例10及び11に示すように、本発明の製造法では、生産性が安定し、難燃剤の分散性が良好で、その結果、物性と難燃性が非常に良好な組成物が得られた。これに対して、比較例11及び13では、本発明を満足しない製造法であるので、生産性が安定せず、物性と難燃性が低下した。また、比較例12及び14では、それぞれ実施例10及び11と同等の難燃性を得るために、難燃剤の配合率を2質量%増量する必要があり、その結果、難燃剤が増えた分、難燃剤の分散性が低下し、物性が大幅に低下した。
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
上記2表に記載の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)及び(B4)を用いたもの(実施例12及び13、比較例15〜18)、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B1)及び(B2)を用いたもの(実施例14、比較例19及び20)である。
実施例12〜14に示すように、本発明の製造法では、生産性が安定し、難燃剤の分散性が良好で、その結果、物性と難燃性が非常に良好な組成物が得られた。これに対して、比較例15、17及び19は、本発明を満足しない製造法であるので、生産性が安定せず、物性と難燃性が低下した。また、比較例16、18及び20では、それぞれ実施例12、13及び16と同等の難燃性を得るために、難燃剤の配合率を3〜6質量%増量する必要があり、その結果、難燃剤が増えた分、難燃剤の分散性が低下し、物性が大幅に低下した。
【0046】
【表9】
【0047】
【表10】
【0048】
上記2表に記載の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B7)を用いたもの(実施例15、比較例21及び22)、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)及び(B7)を用いたもの(実施例16及び17、比較例23〜26)である。
実施例15、16及び17に示すように、本発明の製造法では、生産性が安定し、難燃剤の分散性が良好で、その結果、物性と難燃性が非常に良好な組成物が得られた。これに対して、比較例21、23及び25では、本発明を満足しない製造法であるので、生産性が安定せず、物性と難燃性が低下した。また、比較例22、24及び26では、それぞれ実施例15、16及び17と同等の難燃性を得るために、難燃剤の配合率を5%増量する必要があり、その結果、難燃剤が増えた分、難燃剤の分散性が低下し、物性が大幅に低下した。
【0049】
【表11】
【0050】
【表12】
【0051】
【表13】
【0052】
上記3表に記載の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)、(B7)及び(B4)を用いたもの(実施例18及び19、比較例27〜30)、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)、(B7)、(B4)及び(B5)を用いたもの(実施例20、比較例31及び32)、熱可塑性樹脂として成分(A1)を用い、難燃剤として成分(B3)、(B7)、(B4)及び(B6)を用いたもの(実施例21、比較例33及び34)である。
実施例18〜21に示すように、本発明の製造法では、生産性が安定し、難燃剤の分散性が良好で、その結果、物性と難燃性が非常に良好な組成物が得られた。これに対して、比較例27、29、31及び33では、本発明を満足しない製造法であるので、生産性が安定せず、物性と難燃性が低下した。また、比較例28、30、32及び34では、それぞれ実施例18、19、20及び21と同等の難燃性を得るために、難燃剤の配合率を5%増量する必要があり、その結果、難燃剤が増えた分、難燃剤の分散性が低下し、物性が大幅に低下した。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、難燃性及び物性バランスに優れた難燃性樹脂組成物を生産性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる混練押出機の一例を示す上から見た断面図である。
【図2】図1に示す混練押出機における原料供給を示す横から見た断面図である。
【図3】図1におけるA−A断面図である。
【図4】図1におけるB−B断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 スクリュー部(原料供給部)
3 第1軸
4 第2軸
5 延長軸部
6 二軸スクリュー部
7 単軸スクリュー部
8 材料供給口
9 端部
10 吐出口
12 ミキシングロータ部(第1混練部)
13 ミキシングロータ部(第2混練部)
Claims (13)
- (A)熱可塑性樹脂及びゴムから選ばれる一種以上及び(B)難燃剤を含む組成物を混練押出機を用いて製造する方法であって、混練押出機として二軸部のL/D(長さ/径)が12以上であるスクリューを備え、原料供給部に近い側の第1混練部と該第1混練部に続く第2混練部とからなり、かつ二軸部端部においてせき止め構造を有する二軸混練部と、単軸押出部とからなり、スクリュー径D(mm)と原料供給部の長さLf(mm)とが(Lf/D)/D=0.12〜0.33mm-1の関係にあり、第1混練部のL1/D(長さ/スクリュー径)が7〜13であり、かつ第2混練部のL2/D(長さ/スクリュー径)が2〜10である混練押出機を用いて、熱可塑性樹脂及び難燃剤を溶融混練させることを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法。
- 第1混練部と第2混練部との間に開放ベントが設けられたものである請求項1に記載の製造方法。
- 二軸混練部のスクリューが、非噛合い異方向型である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 二軸混練部のスクリューが、そのネジ構造が2条ネジである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 二軸混練部が、その端部に配合成分の流量を調節する機能を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 混練押出機が、二軸混練部と単軸押出部とが一体構造のものである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 熱可塑性樹脂が、(A1)ポリオレフィン系樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 難燃剤が、(B1)ハロゲン原子含有難燃剤と(B2)金属酸化物とからなるものである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 難燃剤が、(B3)リン原子含有難燃剤である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 難燃剤が、(B3)リン原子含有難燃剤と、(B4)窒素原子含有難燃剤、(B5)水酸基含有難燃剤、(B6)窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤から選ばれる少なくとも1つとの組み合わせからなるものである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 難燃剤が、(B7)金属水酸化物である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 難燃剤が、(B7)金属水酸化物と(B3)リン原子含有難燃剤とからなるものである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 難燃剤が、(B7)金属水酸化物及び(B3)リン原子含有難燃剤と、(B4)窒素原子含有難燃剤、(B5)水酸基含有難燃剤、(B6)窒素原子及び水酸基を含有する難燃剤から選ばれる少なくとも1つとの組み合わせからなるものである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
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