JP2000327854A - 難燃性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物及びその成形品

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JP2000327854A
JP2000327854A JP2000024571A JP2000024571A JP2000327854A JP 2000327854 A JP2000327854 A JP 2000327854A JP 2000024571 A JP2000024571 A JP 2000024571A JP 2000024571 A JP2000024571 A JP 2000024571A JP 2000327854 A JP2000327854 A JP 2000327854A
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Hideo Hayashi
日出夫 林
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Idemitsu Fine Composites Co Ltd
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CALP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混練製造時及び成形時に焼けや発泡、目やに
の発生及びストランド水濡れがなく、外観が良好な成形
品を得ることができ、成形品が高度の難燃性を有するだ
けでなく、成形品の機械的性質が高い難燃性樹脂組成物
及びその成形品を提供すること。 【解決手段】 (A)ポリオレフィン系樹脂 35〜8
0重量%,(B)ポリリン酸アンモニウム 15〜35
重量%、(C)ポリアミド系樹脂 3〜20重量%及び
(D)窒素原子を少なくとも1つ含有するアミン化合物
と、リン酸、ピロリン酸、縮合リン酸及びシアヌール酸
の中から選ばれる少なくとも一種類の酸とが反応して生
成するアミン塩 2〜10重量%からなる難燃性樹脂組
成物、及び該組成物を成形してなる成形品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性樹脂組成物
及びその成形品に関し、詳しくは射出成形品、押出し成
形品、さらにはヒンジ部を有する射出成形品の成形にも
有用であり、例えば家電製品、OA製品、自動車分野等
の難燃性を必要とする外装材料(ハウジング等)、内部
部品(コネクター、基板ホルダー、偏向ヨーク等)、及
び電線の被覆材として有用な難燃性樹脂組成物及びその
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリア
ミド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリカーボネー
ト,フェノール樹脂,エポキシ樹脂等の合成樹脂は、そ
の優れた特性を生かし、成形材料として広範な分野で使
用されている。しかし、これらは可燃性であるため、工
業材料として使用するには火災に対する安全性、すなわ
ち難燃性を要求される場合が多い。熱可塑性樹脂の難燃
化の一般的な方法は、難燃剤を配合することである。難
燃剤としては、デカブロモジフェニルオキシドに代表さ
れるハロゲン系難燃剤が広く用いられている。しかし、
配合樹脂が燃焼時又は強熱にさらされた場合、有害なガ
スや煙が発生する問題や、成形加工機械の腐食現象の懸
念が指摘されている。さらに、ハロゲン系難燃剤が含ま
れると、耐光性が低下するという問題がある。
【0003】ハロゲン系難燃剤の上記欠点を改善するた
めに、ノンハロゲン系難燃剤を使用することが提案され
ている。例えば、特開昭53−92855号公報及び特
開昭54−29350号公報には、難燃剤として水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機水和物を配
合した難燃性樹脂組成物が開示されている。しかしなが
ら、高度の難燃性を付与するには多量の無機水和物を添
加しなければならず、多量の無機水和物が添加された組
成物は、加工性、機械的性質等が不充分で、成形品の外
観も悪くなるという問題点がある。また、特開昭60−
36542号公報には、ポリリン酸アンモニウムに多価
アルコールを併用した難燃性樹脂組成物が開示されてい
る。しかしながら、この組成物は難燃性は充分である
が、耐熱性が悪いため、成形機中で滞留焼けや発泡が起
こり、このため成形品の外観が悪くなるという問題点が
ある。また、多価アルコールが水溶性であることによ
り、成形品表面にブリードアウトが発生するという問題
点がある。
【0004】さらに、特公昭60−35947号公報に
は、ポリリン酸アンモニウム/ポリアミド/エチレン尿
素一ホルムアルデヒド反応体の組成物が、特公昭63−
65700号公報には、ポリリン酸アンモニウム/ポリ
アミド/メラミンの組成物が、特開平1−203468
号公報には、ポリリン酸アンモニウム/ポリアミド又は
ポリエステルの難燃性樹脂組成物が開示されている。し
かしながら、これらの組成物は、多価アルコール等が含
まれないために、ブリード現象がなく、耐水性が良好で
あるものの、ポリアミドが高温で酸化されやすいため
に、混練製造時及び成形時に焼けが起こり、成形品の外
観が悪くなるという問題点がある。特にメラミンが添加
された組成物は、発泡が著しい。また、ポリアミドはポ
リオレフィン系樹脂との相溶性が悪いために、組成物の
混練時に目やにの発生が著しく生産性が悪く、成形品の
機械的強度も低下する。さらに、これらの組成物の難燃
性は、UL94燃焼試験で厚み1/8インチ(3.2m
m)以上しかV−0の基準を達成できず、難燃性が充分
ではなかった。
【0005】一方、ポリリン酸アンモニウム、特に耐水
性を改善した被覆ポリリン酸アンモニウムは、分散性が
悪いため、組成物の成形品中に分散不良の被覆ポリリン
酸アンモニウムの白色凝集物が少しみられ、このため、
機械的強度及びヒンジ特性が低下するという問題点があ
った。また、ポリリン酸アンモニウムを含む樹脂組成物
を混練する場合、ポリリン酸アンモニウムが高温(約2
30℃以上)で熱分解されやすいため、ポリリン酸アン
モニウムの熱分解物が混練中にブリードし、ストランド
水濡れが非常に多く発生し、生産性の低下を引き起こ
す。従って、ポリリン酸アンモニウムを含む組成物は、
低温(約230℃以下)で混練しなければならないとい
う問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の問題点を解消するためなされたもので、混練製造
時及び成形時に焼けや発泡、目やにの発生がなく、スト
ランド水濡れによる生産性の低下がなく、ポリリン酸ア
ンモニウムの分散性が良好で外観が良好な成形品を得る
ことができ、成形品が高度の難燃性を有するだけでな
く、成形品の機械的性質が高い難燃性樹脂組成物及びそ
の成形品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意研究の結果、ポリオレフィン系樹脂、ポリリン酸アン
モニウム及びポリアミド系樹脂に、窒素原子を少なくと
も1つ含有するアミン化合物と、リン酸、ピロリン酸、
縮合リン酸及びシアヌール酸の中から選ばれる少なくと
も一種類の酸とが反応して生成するアミン塩を特定量配
合することにより、上記目的を達成し得ることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(A)ポ
リオレフィン系樹脂35〜80重量%,(B)ポリリン
酸アンモニウム15〜35重量%、(C)ポリアミド系
樹脂3〜20重量%及び(D)窒素原子を少なくとも1
つ含有するアミン化合物と、リン酸、ピロリン酸、縮合
リン酸及びシアヌール酸の中から選ばれる少なくとも一
種類の酸とが反応して生成するアミン塩2〜10重量%
からなる難燃性樹脂組成物並びにこの組成物を成形して
なる成形品を提供するものである。本発明の難燃性樹脂
組成物は、前記(A),(B),(C)及び(D)成分
の合計100重量部に対し、さらに、(E)カルボン酸
無水物変性ポリオレフィン系樹脂0.5〜5重量部を配合
したものがより好ましい。また、本発明の難燃性樹脂組
成物は、前記(A),(B),(C)及び(D)成分の
合計100重量部、又は前記(A),(B),(C),
(D)及び(E)成分の合計100重量部に対し、さら
に、(F)金属化合物 2重量部以下、(G)リン系酸
化防止剤0.05〜3重量部及び(H)フェノール系酸化
防止剤0.05〜3重量部を配合したものがさらにより好
ましい。(F)成分は配合しなくとも良い。さらに、本
発明の難燃性樹脂組成物の(B)成分のポリリン酸アン
モニウムが、100重量部に対し、0.5〜5重量部の
(I)末端エステル封鎖ポリエチレングリコールで表面
処理されたものが良く、0.5〜5重量部の末端エステル
封鎖ポリエチレングリコールと、5重量部以下の(J)
エポキシアルキルシランカップリング剤又は5重量部以
下の(K)メタクリロキシアルキルシランカップリング
剤で表面処理されたものがより良い。
【0008】
【発明の実施の形態】前記(A)成分のポリオレフィン
系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン
系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等が挙
げられ、例えば、ポリプロピレン系樹脂としては、プロ
ピレン単独重合体(ポリプロピレン)、プロピレンを主
成分とする共重合体が挙げられる。この共重合体として
は、例えば、プロピレン/α−オレフィン共重合体が挙
げられ、α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。
【0009】上記ポリエチレン系樹脂としては、エチレ
ン単独重合体(ポリエチレン)、エチレンを主成分とす
る共重合体が挙げられる。この共重合体としては、例え
ば、エチレン/α−オレフィン共重合体が挙げられ、α
−オレフィンとしては、例えば、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−
ペンテン等が挙げられる。上記以外のポリオレフィン系
樹脂としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/エチルアクリレート共重合体等が挙げら
れる。本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂として
は、上記ポリオレフィン系樹脂の混合物であってもよ
い。本発明においてはポリプロピレンが特に好ましい。
【0010】前記(B)成分のポリリン酸アンモニウム
としては、市販品の例として、AP−422(クラリア
ント社製)、AP−700(クラリアント社製)、フォ
スチェク(Phos-chek) −P/30(モンサント社製)、
フォスチェク(Phos-chek) −P/40(モンサント社
製)、スミセーフ−P(住友化学株式会社製)、テラー
ジュ(TERRAJU) −S10(チッソ株式会社製)、テラー
ジュ(TERRAJU) −S20(チッソ株式会社製)が挙げら
れる。
【0011】また、該ポリリン酸アンモニウムは加水分
解を受けやすいため、該ポリリン酸アンモニウムを熱硬
化性樹脂でマイクロカプセル化したものや、メラミンモ
ノマーや他の含窒素有機化合物で被覆等の処理を行った
もの、界面活性剤やシリコン化合物で処理を行ったも
の、ポリリン酸アンモニウムを製造する過程でメラミン
等を添加し難溶化したものなど、ポリリン酸アンモニウ
ムが主成分である化合物全てを使用できる。これらの中
でも、特に前記(I)成分の末端エステル封鎖ポリエチ
レングリコール、(J)成分や(K)成分の特定のシラ
ンカップリングで処理したものが好ましい。また、熱硬
化性樹脂でマイクロカプセル化したポリリン酸アンモニ
ウムは、被覆する樹脂としてエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂などの樹脂を単独または併用
し、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化法、
相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードラ
イング法、粉床法などの公知の方法によりカプセル化し
て得ることができる。このように加水分解性を低減した
ポリリン酸アンモニウムの市販品としては、AP−46
2(クラリアント社製)、スミセーフ−PM(住友化学
株式会社製)、テラージュ(TERRAJU) −C60(チッソ
株式会社製)、テラージュ(TERRAJU) −C70(チッソ
株式会社製)、テラージュ(TERRAJU) −C80(チッソ
株式会社製)などが挙げられる。
【0012】前記(C)成分のポリアミド系樹脂として
は、ナイロン6,66,610,612,11,12,
46、共重合ナイロン(ナイロン6,66,610,6
12,11,12,46の2種以上からなる共重合体)
、透明(非晶性) ナイロン(例:アジピン酸、アゼラ
イン酸及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トの共重合からなるDow Chemical社 Isonamid PA703
0)、ナイロンエラストマー(ポリテトラメチレンエー
テルグリコール,ポリプロピレングリコール,脂肪族ポ
リエステルジオールの中から選ばれるソフトセグメント
と、ナイロン6,66,610,612,11,12,
46,芳香族ポリアミドの中から選ばれるハードセグメ
ントとの重合体) 、ナイロンMXD6(メタキシリレン
ジアミンとアジピン酸の重合体) 、ナイロン系ポリマー
アロイ( ナイロン/ABS,ナイロン/ポリオレフィ
ン,ナイロン/ポリフェニレンオキシド,ナイロン/ポ
リエステル、結晶性ナイロン/非晶性ナイロン) 、ナイ
ロンと変性シリコーン樹脂のIPN(Interpenetrating
Polymer Network)などがあり、これらに充填剤、ノンハ
ロ難燃剤、その他の添加剤が添加されたものを使用して
も良い。これらの中でも、好ましくはナイロン6,61
0,612,11,12、これらの共重合ナイロン、ナ
イロンエラストマーであり、さらに好ましくはナイロン
6,11,12である。
【0013】前記(D)成分のアミン塩としては、1,
2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4
−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6
−ジアミノヘキサン、尿素、N,N’−ジメチル尿素、
チオ尿素、イソシアヌール酸、エチレン尿素、エチレン
チオ尿素、ヒダントイン、ヘキサヒドロピリミジン−2
−オン、パラバン酸、バルピツル酸、アンメリン、メロ
ン、メラム、グアナゾール、グアナジン、グアニジン、
エチレンイミン、ピロリジン、2−ピロリドン、3−ピ
ロリドン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、
α−ピペリドン、β−ピペリドン、γ−ピペリドン、ピ
ペラジン、4−メチルピペラジン、2−メチルピペラジ
ン、2,5−ジメチルピペラジン、2,3,5,6−テ
トラメチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2,5−
ジエチルピペラジン、メラミン、グアナミン、メチルグ
アナミン、エチルグアナミン、ベンゾグアナミン、ベン
ジルグアナミン、ジシアンジアミド、1,3−ジアミノ
ベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミ
ノトルエン、2,4−ジアミノ−6−モルホリノ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−チオモル
ホリノ−1,3,5−トリアジンなどのリン酸塩、ピロ
リン酸塩、縮合リン酸塩[ここで、縮合リン酸とは、リ
ン酸が3分子以上縮合したポリリン酸(三リン酸、四リ
ン酸、それ以上のリン酸の縮合体、これらの混合物であ
ってもよい。また、線状が主であるが、分岐状構造及び
環状構造を含んでもよい。)]、又はシアヌール酸塩な
どが挙げられる。これらは単独又は混合して使用するこ
とができる。
【0014】これらの中でも、好ましくはメラミン、メ
チルグアナミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ
−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、1,2−
ジアミノエタン、1,6−ジアミノヘキサン、エチレン
尿素、グアナジン、グアニジンなどのリン酸塩、ピロリ
ン酸塩、縮合リン酸塩又はシアヌール酸塩であり、特に
好ましくはメラミンのリン酸塩、ピロリン酸塩、縮合リ
ン酸塩又はシアヌール酸塩である。これらのアミン塩
は、特公平6−8308号公報、米国特許459937
5号等に記載の公知の方法で合成することができる。
【0015】前記(E)成分のカルボン酸無水物変性ポ
リオレフィン樹脂としては、ポリプロピレンのホモポリ
マー、ポリエチレン−プロピレンブロック共重合体、又
はポリエチレン−プロピレンランダム共重合体等の重合
時に無水マレイン酸を共重合もしくはグラフト共重合し
たもの、エチレンと無水マレイン酸との共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリレート共
重合体、エチレン−メタクリレート共重合体と無水マレ
イン酸との3元共重合体等が挙げられる。これらは単独
又は混合して使用することができる。
【0016】前記(F)成分の金属化合物としては、フ
ェロセン、ジメチルグリオキシム銅、アセチルアセトン
銅、ヒドロキシキノリン−ニッケル、ジメチルチオカル
バミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、サリチルアルデ
ヒド亜鉛などの有機金属錯体、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ムマグネシウム、水酸化ジルコニール、水酸化バリウム
などの金属水酸化物、酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化
マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化
亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物、ホウ酸マグネシウ
ム、ホウ酸カルシウムマグネシウム、ホウ酸マンガン、
ホウ酸亜鉛などのホウ酸金属塩、ハイドロタルサイト、
カオリナイト、セリサイト、パイロフィライト、ベント
ナイト、タルク、モリブデン酸カルシウム亜鉛(SHERWIN
WILLIAMS 社 KEMGARD911A) 、塩基性モリブデン酸亜鉛
(SHERWIN WILLIAMS 社 KEMGARD911B、KEMGARD911C)が挙
げられる。これらは単独又は混合して使用することがで
きる。
【0017】前記(G)成分のリン系酸化防止剤として
は、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスフ
ァイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−ト
リデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル) ブ
タン、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル) ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) ペンタエリスリト
ールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリト
ールジフォスファイト、ジフェニルペンタエリスリトー
ルジフォスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブ
チルフェニル) ペンタエリスリトールジフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル) フォスファイト、トリス(モ
ノ、ジ−ノニルフェニル) フォスファイト、トリスノニ
ルフェニルフォスファイト、トリス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル) フォスファイト、テトラ
キス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) −4,4’−
ビフェニレンジフォスファイト、フェニルービスフェノ
ールAペンタエリスリトールジフォスファイト、水素添
加ビスフェノールAとペンタエリスリトールとのポリマ
ー、テトラフェニルテトラ(トリデシル) ペンタエリス
リトールテトラフォスファイトが挙げられる。これらは
単独又は混合して使用することができる。これらの中で
も、好ましくは分子内にペンタエリスリトール構造を有
するもの、又はテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル) −4,4’−ビフェニレンジフォスファイトで
あり、さらに好ましくはビス(2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェニル) ペンタエリスリトールジフォス
ファイト又はテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル) −4,4’−ビフェニレンジフォスファイトであ
る。
【0018】前記(H)成分のフェノール系酸化防止剤
としては、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) ブロピオネ
ート] メタン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) ブロピオニル
オキシ]エチルイソシアネート、トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4 −ヒドロキジベンジル) イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキジベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル) ブタン、3,9−ビ
ス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル) プロピオニルオキシ}−1,1−ジ
メチルエチル]−2 ,4 ,8 ,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカン、トリエチレングリコール−N
−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル) プロピオネート、4,4’−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール) 、n
−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル) プロピオネート、ビタミン
E、ブチルヒドロキシトルエン、2,4,6−トリ−t
−ブチルフェノールが挙げられる。これらは単独又は混
合して使用することができる。これらの中でも、好まし
くは3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル) プロピオニルオキ
シ}−1,1−ジメチルエチル]−2 ,4 ,8 ,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トリエチレ
ングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル) プロピオネート、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル) ブタンであり、さらに好ましく
は3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル) プロピオニルオキシ}
−1,1−ジメチルエチル]−2 ,4 ,8 ,10−テト
ラオキサスピロ[5,5]ウンデカンである。前記
(G)成分のリン系酸化防止剤の中でビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペタエリスリトー
ルジフォスファイトと前記成分(H)フェノール系酸化
防止剤の中で3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニ
ルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンを併用
すると最も効果的である。
【0019】前記(I)成分の末端エステル封鎖ポリエ
チレングリコールは、下記式(i)に代表される化合物
であり、
【0020】
【化1】
【0021】(式中、R1 及びR2 は、1〜30個の炭
素原子を有する互いに等しいか異なる直鎖状又は分岐状
のアルキル基であり、nは1〜100である。)好まし
くは、式(ii)
【0022】
【化2】
【0023】又は、式(iii)
【0024】
【化3】
【0025】特に好ましくは、式(iii)のnが1〜80
である式(iv) である。
【0026】
【化4】
【0027】前記(J)成分のエポキシアルキルシラン
カップリング剤は、下記式(v)に代表される化合物で
あり、
【0028】
【化5】
【0029】(式中、R1 ,R2 及びR3 は、1〜5個
の炭素原子を有する互いに等しいか異なる直鎖状又は分
岐状のアルキル基であり、nは1〜5である。)好まし
くは、式(vi)
【0030】
【化6】
【0031】又は、式(vii)
【0032】
【化7】
【0033】特に好ましくは、式(vii)である。前記
(K)成分のメタクリロキシアルキルシランカップリン
グ剤は、下記式(viii) に代表される化合物であり、
【0034】
【化8】
【0035】(式中、R1 ,R2 及びR3 は、1〜5個
の炭素原子を有する互いに等しいか異なる直鎖状又は分
岐状のアルキル基であり、nは1〜5である。)好まし
くは、式(ix)
【0036】
【化9】
【0037】又は式(x)
【0038】
【化10】
【0039】特に好ましくは、式(x)である。
【0040】本発明の難燃性樹脂組成物における(A)
成分の配合量は35〜80重量%、(B)成分は15〜
35重量%、(C)成分は3〜20重量%、(D)成分
は2〜10重量%である。好ましくは(A)成分40〜
76重量%、(B)成分17〜33重量%、(C)成分
4〜18重量%、(D)成分3〜9重量%であり、さら
に好ましくは(A)成分47〜71重量%、(B)成分
20〜30重量%、(C)成分5〜15重量%、(D)
成分4〜8重量%である。各成分が下限値未満、すなわ
ち(B)成分15重量%、(C)成分3重量%、(D)
成分2重量%未満であると充分な難燃性(厚み1.6mm
でV−0)が得られない。また、各成分が上限値超、す
なわち(B)成分35重量%、(C)成分20重量%、
(D)成分10重量%超であると成形品の機械的強度及
びヒンジ特性が低下し、各成分の配合量が多いためにコ
スト高になってしまう。
【0041】(E)成分の配合量は、前記(A),
(B),(C)及び(D)成分の合計100重量部に対
し、0.5〜5重量部であり、好ましくは0.8〜4重量
部、さらに好ましくは1〜3重量部である。(E)成分
の配合量が0.5重量部未満だと、混練製造時に目やにが
大量に発生して生産性が低下するだけでなく、成形品の
機械的強度及びヒンジ特性が低下する。また、(E)成
分の配合量が5重量部を越えると、難燃性が低下し、厚
み1.6mmでの難燃性能V−0が得られない。
【0042】(F),(G),(H)成分の配合量は、
前記(A),(B),(C)及び(D)成分の合計10
0重量部、又は前記(A),(B),(C),(D)及
び(E)成分の合計100重量部に対し、(F)成分2
重量部以下、(G)成分0.05〜3重量部、(H)成分
0.05〜3重量部であり、好ましくは(F)成分1.8重
量部以下、(G)成分0.1〜2.7重量部、(H)成分0.
1〜2.7重量部であり、さらに好ましくは(F)成分1.
5重量部以下、(G)成分0.15〜2.5重量部、(H)
成分0.15〜2.5重量部である。(F)成分の金属化合
物は配合しなくとも良いが、配合した方が成形品の着色
がより低減する。各成分が下限値未満、すなわち、
(G)成分0.05重量部、(H)成分0.05重量部未満
であると、混練製造時及び成形時に焼けが発生し、成形
品の着色が大きくなる。また、各成分が上限値超、すな
わち(F)成分2重量部、(G)成分3重量部、(H)
成分3重量部超であると充分な難燃性(厚み1.6mmで
の難燃性能V−0)が得られない。
【0043】(I),(J),(K)成分の配合量は、
前記(B)成分100重量部に対し、(I)成分0.5〜
5重量部、(J)成分5重量部以下、(K)成分5重量
部以下であり、好ましくは(I)成分0.6〜4重量部、
(J)成分4重量部以下、(K)成分4重量部以下であ
り、さらに好ましくは(I)成分0.7〜3重量部、
(J)成分3重量部以下、(K)成分3重量部以下であ
る。(J)成分及び(K)成分は配合しなくとも良い
が、配合した方が(B)成分のポリリン酸アンモニウ
ム、特に被覆ポリリン酸アンモニウムの分散性がより良
好となり、機械的強度及びヒンジ特性が良好となる。
(I)成分が0.5重量部未満であると、ポリリン酸アン
モニウム、特に耐水性を改善した被覆ポリリン酸アンモ
ニウムの分散性が低下し、機械的強度及びヒンジ特性が
低下する。さらに、樹脂組成物の混練の際、ストランド
水濡れが非常に多く発生し、生産性の低下を引き起こ
す。各成分が上限値超、すなわち(I)成分5重量部、
(J)成分5重量部、又は(K)成分5重量部超である
と、充分な難燃性(厚み1.6mmでの難燃性能V−0)
が得られない。
【0044】本発明の難燃性樹脂組成物には、上記成分
の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ
て酸化防止剤、耐光剤、帯電防止剤、滑剤、核剤及び充
填剤などの添加剤を適宜配合することができる。酸化防
止剤としてイオウ系化合物など、耐光剤としてベンゾフ
ェノン系化合物、サリチレート系化合物、ベンゾトリア
ゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、帯電防止
剤としてアニオン系化合物、カチオン系化合物、ノニオ
ン系化合物、両性系化合物など、滑剤として脂肪酸、脂
肪酸アミド、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、炭化水素
系化合物など、核剤として金属塩系化合物、ソルビトー
ル系化合物など、充填剤としてタルク、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、ガラス繊維、マイカなど、その他の
添加剤として金属不活性化剤、着色剤、ブルーミング防
止剤、表面処理剤などが挙げられる。
【0045】本発明の樹脂組成物は、上記各成分を任意
の方法で溶融混練することによって製造することができ
る。その一例を挙げれば、ヘンシェルミキサーに代表さ
れる高速攪拌機、単軸又は二軸の連続混練機、ロールミ
キサーなどを単独で又は組み合わせて用いる方法があ
る。このようにして得られた樹脂組成物の成形法には、
特に制限はなく、射出成形、押出成形等の方法がある
が、射出成形が特に好適である。得られた成形品は、現
在使用されているポリオレフィンの分野における用途に
適用することができ、特に、家電製品、OA製品、自動
車分野等の難燃性を必要とする外装材料(ハウジング
等)、内部部品(コネクター、基盤ホルダー、偏向ヨー
ク等)、及び電線の被覆材などの用途に好適である。ま
た、ヒンジ部を有する成形品として、例えばヒューズボ
ックス等のように本体と蓋がヒンジで繋がっている箱状
成形品が挙げられる。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されるもの
ではない。なお、下記の実施例及び比較例に用いる物質
は、下記のとおりである。 成分(A) ポリプロピレン 出光石油化学社製 出光ポリプロJ−700GP 出光石油化学社製 出光ポリプロH−700 成分(B) ポリリン酸アンモニウム チッソ社製 テラージュC70 成分(C) ポリアミド系樹脂 カネボウ合繊社製 MC100L(ナイロン6) ダイセル・ヒュルス社製 L−1901(ナイロン1
2) 成分(D) アミン塩 日産化学社製 MC610(メラミンシアヌレート) 三和ケミカル社製 P7202(リン酸メラミン) 三和ケミカル社製 MPP−A(縮合リン酸メラミン) 三井東圧化学社製 N/P難燃剤(ピロリン酸メラミ
ン) 三井東圧化学社製 メラミン 成分(E) カルボン酸無水物変性ポリオレフィン系樹
脂 三洋化成社製 ユーメックス1010 成分(F) 金属化合物 協和化学社製 ミクロマグ3−150(酸化マグネシウ
ム) 協和化学社製 DHT−4A(ハイドロタルサイト) 協和化学社製 キスマ5A(水酸化マグネシウム) 三井金属鉱業社製 酸化亜鉛 2種 微粒品 KEMIRA PIGMENT社製 KEMIRA RF−5(酸化チ
タン) 成分(G)リン系酸化防止剤 旭電化社製 PEP−36 ビス(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル) ペンタエリスリトールジフ
ォスファイト 成分(H) フェノール系酸化防止剤 旭電化社製 AO−80 3,9−ビス[2−{3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル) プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]
−2 ,4 ,8 ,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウ
ンデカン 成分(I) 末端エステル封鎖ポリエチレングリコール
〔化学構造式(iv) 〕ライオン社製 リオノンDEH−
40 成分(J) エポキシアルキルシランカップリング剤
〔化学構造式(vii)〕東レ・ダウ・コーニング社製 S
H−6040 成分(K) メタクリロキシアルキルシランカップリン
グ剤〔化学構造式(x)〕東レ・ダウ・コーニング社製
SH−6030
【0047】実施例1〜16及び比較例1、参考例1〜
5 (1)表面処理 表面処理を行う場合は、表5に示す所定量の(B)ポリ
リン酸アンモニウムをヘンシェルミキサー又はスーパー
ミキサーに入れ、攪拌しながら所定量の(I)末端エス
テル封鎖ポリエチレングリコールと(J)エポキシアル
キルシランカップリング剤及び/又は(K)メタクリロ
キシアルキルシランカップリング剤を添加する。 (2)予備混合 表1に示す(A)ポリプロピレン、(B)ポリリン酸ア
ンモニウム、(C)ポリアミド系樹脂及び(D)アミン
塩ただし、比較例1においては、アミン塩に代えて、メ
ラミンの各成分の組成及び配合量で配合し、これらの合
計量100重量部に対して0.2重量部のステアリン酸カ
ルシウム(大日本インキ化学工業社製)を添加し、ヘン
シェルミキサー又はタンブラーで予備混合した。
【0048】(3)溶融混練 得られた予備混合物を、二軸混練機(池貝鉄鋼社製の商
品名PCM45II)を用い、シリンダー設定温度が22
0℃、スクリュー回転数が100〜300rpm、メッ
シュが60と40の組み合わせ、ベントが2カ所(真空
1カ所、常圧1カ所)、吐出量20〜60kg/hの条
件で混練して組成物を製造し、ストランドカットを用い
てペレット化した。溶融混練中、焼けによる着色が著し
いもの、発泡、目やにによるストランド切れ、ストラン
ド水濡れで、生産不良のものもあった。その結果を表1
〜5に示す。こうして得られたペレットを、日精樹脂工
業社製の射出成形機(商品名FE−120、PS−4
0)を用いてシリンダー温度190〜210℃、金型温
度50℃で射出成形して試験片を作製し、その特性を下
記の評価方法で評価し、その結果を表1〜5に示す。
【0049】難燃性(UL94) 試験機:Atlas社製、HVULプラスチックUL燃
焼テストチャンバー 試験法:厚み3.2mmと1.6mmの試験片について、U
L94に従って垂直燃焼試験を行った。 色相[YI、W(Lab)] 試験機:スガ試験機社製 SMカラーコンピューター
SM−3で、YI(黄色度)、W(Lab)(白色度)
を測定した。 機械的強度(曲げ強度) ASTM D790に準拠して測定した。 ヒンジ特性 試験機:東洋精機製作所社製 MIT 耐揉、疲労試験
器 D型 試験法:縦100mm×横12.7mm×厚み2mm、ラ
ンド長3mm、ヒンジ部厚み0.4mmの試験片6枚につ
いて、荷重1kg、折り曲げ角度135°、折り曲げ速
度175cpmの条件で折り曲げ回数を測定し、平均回
数を算出した。 成形品外観 目視により成形時の発泡及びシルバーの発生を観察評価
した。 分散性評価 ペレットを、ホットプレスして、縦200mm、横20
0mm、厚さ0.01mmのフィルムを作成し、目視で確
認可能な大きさの白色凝集物の個数により分散性を評価
した。 白色凝集物の個数:なし◎、少ない(数個以下)○、少
し多い(数個から10個)△、多い(10個以上)×
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】表1に示したように、本発明の成分組成及
び配合量を満たすように(A),(B),(C)及び
(D)成分を配合してなる実施例1〜4の難燃性樹脂組
成物は、溶融混練時及び成形時に発泡がなく、得られた
成形品はシルバーが発生することなく、難燃性評価では
厚み1.6mmでもV−0であった。これに対し、(D)
成分が本発明の組成と異なる比較例1の組成物では、溶
融混練時及び成形時に発泡して生産性が悪く、得られた
成形品はシルバーが発生して外観不良であり、難燃性評
価では厚み1.6mmでV−2であった。
【0056】表2に示したように、本発明の成分組成及
び配合量を満たすように(A),(B),(C)及び
(D)成分に(E)成分を配合してなる実施例5の難燃
性樹脂組成物は、(E)成分を配合していない参考例1
に比べ、溶融混練時に目やにが発生せず、難燃性を損な
うことなく機械的強度(50MPa以上)及びヒンジ特
性(折り曲げ回数1万回以上)が大幅に優れている。
【0057】表3に示したように、本発明の成分組成及
び配合量を満たすように(A),(B),(C)及び
(D)成分に(F),(G)及び(H)成分を配合して
なる実施例6〜10、及び(A),(B),(C)及び
(D)成分に、(G)及び(H)成分を配合してなる実
施例11の難燃性樹脂組成物は、(F)及び(H)成分
を配合していない参考例2に比べ、難燃性を損なうこと
なく、成形時の焼けが殆どないため、YIが25以下、
W(Lab)が70以上と成形品の着色が殆どない。
【0058】表4に示したように、本発明の成分組成及
び配合量を満たすように(A),(B),(C),
(D)及び(E)成分に、(F), (G)及び(H)成
分を配合してなる実施例12、及び(A),(B),
(C),(D)及び(E)成分に、(G)及び(H)成
分を配合してなる実施例13の難燃性樹脂組成物は、溶
融混練時に目やにが発生せず、得られた成形品は、
(H)成分を配合していない参考例3に比べ、成形時の
焼けが殆どないため成形品の着色が殆どなく、しかも機
械的強度及びヒンジ特性が大幅に優れている。
【0059】表5に示したように、本発明の成分組成物
及び配合量を満たすように(A),(B),(C),
(D),(E),(F),(G)及び(H)成分に、
(I)成分を配合してなる実施例14と、(A),
(B),(C),(D),(E),(F),(G)及び
(H)成分に、(I)成分及び、(J)又は(K)成分
を配合してなる実施例15及び16の難燃性樹脂組成物
は、(I)成分を配合していない参考例4及び5に比
べ、溶融混練時にストランド水濡れがなく、分散性が良
好である。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の難
燃性樹脂組成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂/
(B)ポリリン酸アンモニウム/(C)ポリアミド系樹
脂に対し、(D)窒素原子を少なくとも1つ含有するア
ミン化合物と、リン酸、ピロリン酸、縮合リン酸及びシ
アヌール酸の中から選ばれる少なくとも一種類の酸とが
反応して生成するアミン塩を特定の配合比率で配合した
ことにより、組成物製造時や成形時に発泡することがな
く、得られた成形品にシルバーが発生することなく生産
性及び成形品外観が良好であり、UL94 1.6mmの
厚みでV−0という高い難燃性能を有する。また、
(A)/(B)/(C)/(D)に、(E)カルボン酸
無水物変性ポリオレフィン系樹脂を特定の配合比率で配
合したことにより、組成物製造時に目やにが発生するこ
とがなく、高い機械的強度(曲げ強度50MPa以上)
及びヒンジ特性(折り曲げ回数1万回以上)を有する。
さらに、(A)/(B)/(C)/(D)又は(A)/
(B)/(C)/(D)/(E)に、(G)リン系酸化
防止剤及び(H)フェノール系酸化防止剤、必要に応じ
て(F)金属化合物、を特定の配合比率で配合したこと
により、組成物製造時や成形時に焼けが殆どないため、
成形品の着色が殆どない[YIが25以下、W(La
b)が70以上]。さらに、(A)/(B)/(C)/
(D)/(E)/(F)/(G)/(H)の上記特定配
合物に、(I)末端エステル封鎖ポリエチレングリコー
ル及び、必要に応じて(J)エポキシアルキルシランカ
ップリング剤又は(K)メタクリロシアルキルシランカ
ップリング剤を特定の配合比率で配合したことにより、
溶融混練時にストランド水濡れがなく生産性が良好で、
さらに分散性が良好なため機械的強度(曲げ強度70M
Pa以上)及びヒンジ特性(折り曲げ回数5万回以上)
が大幅に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/49 C08K 5/49 //(C08L 23/02 77:00 23:26)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂35〜80
    重量%,(B)ポリリン酸アンモニウム15〜35重量
    %、(C)ポリアミド系樹脂3〜20重量%及び(D)
    窒素原子を少なくとも1つ含有するアミン化合物と、リ
    ン酸、ピロリン酸、縮合リン酸及びシアヌール酸の中か
    ら選ばれる少なくとも一種類の酸とが反応して生成する
    アミン塩2〜10重量%からなることを特徴とする難燃
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の難燃性樹脂組成物100重量
    部に対し、さらに、(E)カルボン酸無水物変性ポリオ
    レフィン系樹脂0.5〜5重量部を配合してなることを特
    徴とする難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の難燃性樹脂組成
    物100重量部に対し、さらに、(G)リン系酸化防止
    剤0.05〜3重量部及び(H)フェノール系酸化防止剤
    0.05〜3重量部を配合してなることを特徴とする難燃
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2の難燃性樹脂組成
    物100重量部に対し、さらに、(F)金属化合物2重
    量部以下、(G)リン系酸化防止剤0.05〜3重量部及
    び(H)フェノール系酸化防止剤0.05〜3重量部を配
    合してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記成分(C)ポリアミド系樹脂が、ナ
    イロン6、ナイロン1 1 及びナイロン12の中から選ば
    れる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記成分(D)アミン塩が、リン酸メラ
    ミン、ピロリン酸メラミン、縮合リン酸メラミン及びメ
    ラミンシアヌレートの中から選ばれる少なくとも一種類
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記成分(F)金属化合物が、酸化マグ
    ネシウム、酸化チタン、酸化けい素、酸化亜鉛、水酸化
    マグネシウム及びハイドロタルサイトの中から選ばれる
    少なくとも一種類であることを特徴とする請求項4〜6
    のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記成分(G)リン系酸化防止剤が、ビ
    ス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル) ペ
    ンタエリスリトールジフォスファイトであることを特徴
    とする請求項3〜7のいずれかに記載の難燃性樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 前記成分(H)フェノール系酸化防止剤
    が、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−
    ヒドロキシ−5−メチルフェニル) プロピオニルオキ
    シ}−1,1−ジメチルエチル]−2 ,4 ,8 ,10−
    テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンであることを
    特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の難燃性樹脂
    組成物。
  10. 【請求項10】 前記成分(B)ポリリン酸アンモニウ
    ムが、同(B)成分100重量部に対し、0.5〜5重量
    部の(I)末端エステル封鎖ポリエチレングリコールで
    表面処理されていることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 前記成分(B)ポリリン酸アンモニウ
    ムが、同(B)成分100重量部に対し、0.5〜5重量
    部の(I)末端エステル封鎖ポリエチレングリコール
    と、5重量%以下の(J)エポキシアルキルシランカッ
    プリング剤及び/又は5重量%以下の(K)メタクリロ
    キシアルキルシランカップリング剤で表面処理されてい
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の難
    燃性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された難燃性樹脂組成物を成形してなることを特徴とす
    る成形品。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    された難燃性樹脂組成物を成形してなり、ヒンジ部を有
    することを特徴とする成形品。
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