JP3963711B2 - 白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生資源材料を利用した海域港湾工事技術、特に護岸・築堤・岸壁・覆土、地盤改良に用いられる港湾工事用製鋼スラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鋼スラグの港湾工事用土木資材への適用技術として、ブロック等の固化体として沈設したり、ケーソン中詰め材、サンドコンパクションパイル材および底質改善浄化材などの方法がある。
【0003】
製鋼スラグは、天然砂や山砂に比べて単位体積質量、内部摩擦角が大きいという利点を活かして、港湾工事用土木資材として、特に、サンドコンパクション工法におけるパイル材(地盤改良材)やケーソン工法における中詰め材として用いられている。また、製鋼スラグをベースに固化体を製造し、消波ブロックや魚礁材・築磯材としての利用が進められている。前者は海水との直接接触が少ない工法であり、港湾工事用土木資材としては間接利用となり、後者は、製鋼スラグをクラッシングプラント等で破砕した状態で利用するものではなく、2次加工が必要となる。かつ、山を切り崩して採取する天然石や山砂は、近年の環境問題から、その確保が難しくなりつつある現状を踏まえると、現状では製鋼スラグを港湾工事用土木資材として大量に再資源化をするという観点から十分ではない。
【0004】
一方、最近、沿岸海域における水質・底質改善のために製鋼スラグを海底に設置した基礎的研究において、30mm以下の粒径の小さいスラグについてはスラグ設置直後に近傍海水およびスラグ間隙水中でのpH上昇が認められたが、そのpHは数時間で周辺海域と同程度まで低下し、この際、海水のpHが高くなる影響として、粒径の小さいスラグの設置層表面には、海水中のマグネシウムとスラグから溶出した水酸化物および炭酸化物の白色固形物の析出が観察されたことが報告されている(沼田哲始ら:日本海水学会誌、第53巻、第4号、平成11年8月、283頁)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、製鋼スラグの石灰(CaO)は、水と反応して消石灰(Ca(OH)2)となり、これが海水中にCa2+とOH-として溶解しpHを上昇させ、このOH-と海水中に含まれるMg2+が反応し、Mg(OH)2を生成させる。一方、海水中に含まれるCO3 2-がCa2+と反応しCaCO3を生成させる。港湾工事において製鋼スラグを沈設させた場合、沈設スラグ表面および沈降中の粒径の小さいスラグ表面でMg(OH)2およびCaCO3が多量に生成し、沈設工区が白濁する場合がある。Mg(OH)2およびCaCO3自体は無害であるが、工事期間中の白濁現象は、外観上の問題から港湾工事を進める上での障害となることがある。また、多量の白濁発生は、石灰の溶解によるpHの上昇を示唆しており、環境上、留意しなければならない。一方、最近の製鋼プロセスにおいては、脱珪、脱硫、脱燐および脱炭工程の効率的な分割化が進み、多種多様な製鋼スラグが発生しており、その形状、組織は多岐にわたり、製鋼スラグの石灰の溶解挙動も複雑となっている。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、クラッシングプラント等で破砕した状態で白濁を発生しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々の製鋼スラグについて研究を行った結果、製鋼スラグの組成を適切に規定した上で、それを海水に浸漬させた際の海水のpHを規定することで、港湾土木用資材として使用する際の白濁を防止することができることを見出した。さらに、本発明者らは、製鋼スラグを海水に浸漬させた際の濁りを定量的に測定し、その値を規定することで港湾土木用資材として使用する際の白濁を防止することができることを見出した。
【0008】
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、以下の(1)〜(5)を提供するものである。
【0009】
(1)遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であり、かつ、2倍の質量比の海水に浸漬させて3時間経過した際における海水のpHが10.21以下となる製鋼スラグを選択して、白濁を生じない港湾工事用製鋼スラグを得ることを特徴とする白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
【0010】
(2)粒径10mm未満の粒子が25質量%以下であることを特徴とする(1)に記載の白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
【0011】
(3)粒径5mm以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
【0012】
(4)開気孔率が15%以下であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
【0013】
(5)遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であり、かつ、製鋼スラグを2倍の質量比の海水に浸漬させ、3時間経過した際における当該海水のJIS K0101に規定される透過光濁度が50濁度カオリン未満になる製鋼スラグを選択して、白濁を生じない港湾工事用製鋼スラグを得ることを特徴とする白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明者らの見出した基本的な知見として、クラッシングプラント等で破砕後の製鋼スラグは、粒度ないし開気孔率の程度にかかわらず、遊離石灰分が10.0質量%を超え、かつ、硫黄分が1.0質量%を超える範囲にあると、海水中での石灰の溶解量が増加し、同時に海水中のOH-も増加するためpHが上昇し、海水中に含まれるMg2+およびCa2+と反応して生成するMg(OH)2およびCaCO3が多く、白濁は避けられず、また、硫黄分が高いため、単体硫黄の生成も促し、白濁を助長することが挙げられる。すなわち、港湾土木用資材として使用する製鋼スラグは遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であることが必要である。
【0015】
ところで、製鋼スラグの石灰の溶解にともないMg(OH)2およびCaCO3が生成することは既に述べたが、例えば、ビーカー等の容器に海水とスラグとを入れ、長時間にわたり十分に攪拌させながら反応させた場合、Mg(OH)2およびCaCO3は、海水中のMgおよびHCO3とスラグの石灰とのいずれかが消費されるまで生成する。そして、これらが生成後、石灰が残存する場合には、平衡論的には溶解する石灰によってpHが13程度に収斂するから、上述のようなビーカー試験ではどのようなスラグを用いてもpHが13程度に収斂してしまい、種々の製鋼スラグを実際に使用した際のMg(OH)2およびCaCO3の生成にともなう白濁有無を把握することは困難である。
【0016】
実際に多種多様の製鋼スラグをビーカー内で反応させた場合のMg(OH)2およびCaCO3生成量は海水とスラグの比率およびスラグ形状・構造に起因する石灰の溶解速度にほぼ従うから、本来的にはこのような石灰の溶解速度を解析して白濁の有無を把握すればよい。なお、海水中のMgおよびHCO3の濃度は、それぞれ、概ね1.29および0.142(g/kg)であり、主たる生成物はMg(OH)2と考えてよい。
【0017】
しかしながら、実際の港湾工事においては潮流があり、スラグを取り巻く海水は更新されることなどから、海水とスラグとの比率を決定することは極めて困難であり、石灰の溶解速度を解析することは現実的ではない。
【0018】
そこで本発明者らは、簡易的にビーカー内で多種多様の製鋼スラグを海水に浸漬させ、一定比率および一定時間反応させたときのpHと実際の白濁について調査した。当該調査に係る試験と類似した試験としては、土質工学基準 JSF T 211―1990「土のpH試験方法」において、試料の炉乾燥質量に対する水の質量比が2〜3になるように蒸留水を加え、撹拌棒で懸濁液状態にし、30分以上、3時間以内静置したものを試料液としてpH測定を行うとしている。
【0019】
発明者らは、有姿で種々の製鋼スラグに対し、その質量の2倍の質量比になるように海水を加え、撹拌棒で懸濁液状態にし、静置したものを試料液としてpH測定したところ、pHはほぼ3時間程度でスラグそれぞれの固有の値で一定となり、その後、数十時間かけて、徐々に上昇することを確認した。pHの一定域は、石灰の海水へ溶解反応とMg(OH)2およびCaCO3生成反応が拮抗し、スラグ組成・形状・粒経および構造に応じたpHを示す領域と推察され、その後の緩慢なpH上昇は、この拮抗反応が終了し、徐々に石灰が溶解していることを示していると考えてよい。すなわち、本発明者らは、製鋼スラグの組成・形状・粒径等の性状が及ぼす海水中でのpH挙動を把握するには、有姿の製鋼スラグを、その2倍の質量比の海水に浸漬させて3時間経過した際における海水のpHを測定することが妥当と考え、これら種々の製鋼スラグの実際の白濁状況と照らし合わせたところ、当該pHが10.21以下であれば実際に白濁が生じないことを見出した。
【0020】
そこで、本発明では、遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であり、その2倍の質量比の海水に浸漬させて3時間経過した際における海水のpHが10.21以下となる製鋼スラグを選択して、白濁を生じない港湾工事用製鋼スラグを得るものとする。
【0021】
また、本発明の港湾工事用製鋼スラグとして粒径10mm未満の粒子が25質量%以下であることが好ましい。このような粒度の製鋼スラグを用いると、海水との接触面積が小さくなるため海水中での石灰の溶解が少なくなり、同時に海水中のOH-の増加も少なくなり、Mg(OH)2およびCaCO3の生成は極めて少なくなる。
【0022】
さらに、本発明の港湾工事用製鋼スラグとして粒径粒径5mm未満の微粒を除いて粒径 を5mm以上とすることが好ましい。このように微粒を除くことにより、Mg(OH) 2 およびCaCO 3 の生成は極めて少なくなる。
【0023】
なお、上述の粒径は、スラグを乾燥した後に篩分けをし、粒度分析を行った結果に基づいている。したがって、本実施形態のようにスラグの粒度調整を行う必要がある場合には、転炉や取鍋から溶融スラグを排出・冷却固化後にクラッシングプラント等で破砕し、振動篩やグリズリー等の選別機の篩分け効率を勘案して製造する必要がある。
【0024】
さらにまた、本発明の港湾工事用製鋼スラグとして開気孔率が15%以下であることが好ましい。開気孔率を15%以下にすれば、当該製鋼スラグ粒子の表面が稠密であるため、石灰の溶解が進行し難く、Mg(OH)2およびCaCO3の生成は極めて少なくなる。
【0025】
一方、本発明者らは、白濁の度合を室内試験において定量化するために、JIS K0101「工業用水試験法」で規定される透過光濁度の測定法に準拠し、2倍の質量比の海水に浸漬させて3時間経過した際における海水の透過光濁度を種々の製鋼スラグについて測定した。その結果を種々の製鋼スラグの実際の白濁状況と照らし合わせたところ、当該透過光濁度が50濁度カオリン未満であれば実際に白濁が生じないことを見出した。
【0026】
このため、本発明の他の実施形態では、遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であり、かつ、製鋼スラグを2倍の質量比の海水に浸漬させ、3時間経過した際における当該海水のJIS K0101に規定される透過光濁度が50濁度カオリン未満になる製鋼スラグを選択して、白濁を生じない港湾工事用製鋼スラグを得る。
【0027】
【実施例】
多種多様の製鋼スラグを種々の粒度に調整し、水深2m程の浅い閉鎖海域内に1mほどの高さに沈設させ、沈設直後からおよそ24時間で、目視により白濁の発生を観察した。なお、沈設直後の製鋼スラグの微粉による濁りは、白濁とは明らかに異なり、数時間で沈降することから観察の上では無視した。
【0028】
その結果を表1に示す。表1に示すように、試料No.1〜4までの製鋼スラグは、遊離石灰分が10.0質量%を超え、かつ硫黄分が1.0質量%を超えており、白濁が認められた。なお、これら4種の製鋼スラグの粒径5mm未満のものの割合は0.0〜25.3質量%、粒径10mm未満のものの割合は0.0〜58.0質量%の範囲にあり、開気孔率は10.1〜14.8%の範囲であった。
【0029】
一方、No.1〜4を除くNo.5〜30までの26種類の製鋼スラグに注目すると、開気孔率が15.0%未満のNo.5,8,10〜14,16,26〜28は白濁が認められなかった。なお、No.5〜30までの26種類の製鋼スラグの粒径5mm未満のものの割合は0.0〜89.0質量%、粒径10mm未満のものの割合は0.0〜100質量%の範囲であった。
【0030】
また、上記No.5〜30までの26種類の製鋼スラグにおいて、粒径10mm未満のものの割合が25質量%以下のNo.18〜20の3種類は白濁が認められなかった。なお、これら3種類の製鋼スラグの粒径5mm未満のものの割合は5.2〜6.9質量%、開気孔率は16.6〜18.6%の範囲であった。
【0031】
さらに、上記No.5〜30までの26種類の製鋼スラグにおいて、粒径5mm未満のものの割合が0.0質量%、つまり全て粒径が5mm以上であるNo.21〜28の8種類は白濁が認められなかった。なお、これら8種類の製鋼スラグの粒径10mm未満のものの割合は0.0〜5.6質量%、開気孔率は5.0〜23.0%の範囲であった。
【0032】
上記No.1〜30の製鋼スラグ1.0kgを自然海水2.0kgに浸漬し、3.0時間経過後のpHを測定した。その結果を表1に併記する。この結果と上記閉鎖海域での白濁観察結果と照らし合わせると、3.0時間経過後のpHが概ね10.5以下の製鋼スラグは白濁が認められないことが確認された。
【0033】
【表1】
【0034】
表2に試料No.1〜30までの平均粒径と透過光濁度を示す。試料No.1〜30までの30種類の製鋼スラグの平均粒径は3.1〜41.0mmの範囲にあり、当該製鋼スラグにおいて透過光濁度が5〜48濁度カオリンの範囲にあるNo.5,8,10〜14,16,18〜30の製鋼スラグは表1に示すように白濁が認められず、透過光濁度が55〜78濁度カオリンの範囲にあるNo.1〜4,6,7,9,15,17の製鋼スラグは表1に示すように白濁が認められた。
【0035】
【表2】
【0036】
次に、表3に示す試料No.31〜34の製鋼スラグを水深2m程の浅い閉鎖海域内に1mほどの高さに沈設させ、沈設直後からおよそ24時間で、目視により白濁の発生を観察した。表3に示す試料No.31〜34の製鋼スラグは、遊離石灰分が2.98〜4.10質量%、硫黄分が0.26〜0.46質量%、開気孔率は12.0〜16.0%の範囲であり、当該製鋼スラグ1.0kgを自然海水2.0kgに浸漬し、3.0時間経過後のpHを測定した結果、pHは10.30〜10.42の範囲あった。試料No.31〜34の製鋼スラグは当該閉鎖海域での白濁観察結果、いずれも白濁が認められた。表4に試料No.31〜34の製鋼スラグの平均粒径と当該スラグ1.0kgを自然海水2.0kgに浸漬し、3.0時間経過後の液試料の透過光濁度を示す。当該製鋼スラグの平均粒径は、22.6〜25.7mmの範囲にあり、透過光濁度は54〜59濁度カオリンの範囲にあった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
図1は、横軸にpH値をとり、縦軸に透過光濁度をとって、表1および表3に示す製鋼スラグ1.0kgを自然海水2.0kgに浸漬し、3.0時間経過した後におけるpHと当該製鋼スラグの透過光濁度との関係を示す図である。この図からpHが高くなると透過光濁度も高くなり、ほぼ、pHが10.5を超えると白濁が発生することがわかる。しかしながら、pHが10.5付近には、白濁が発生する製鋼スラグと発生しない製鋼スラグが存在する。そして、表1のスラグNo.25のpH値である10.21以下において白濁が発生していない。
【0040】
図2は、表2および表4をグラフ化したものであり、横軸に製鋼スラグの平均粒径をとり、縦軸に透過光濁度をとって、これらの関係を示す図である。ただし、図2では、表2および表4のうち平均粒径5mm以上のもののみを示している。図2に示すように、平均粒径の変化にかかわらず透過光濁度が50濁度カオリンを超える製鋼スラグは白濁が確認されることがわかる。また上記図1から、pHにかかわらず50濁度カオリンを超える製鋼スラグは白濁が確認されることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、護岸・築提・岸壁、地盤改良等の港湾工事において、沈設工区でクラッシングプラント等で破砕した状態で使用する際に、白濁を発生しない港湾工事用製鋼スラグを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製鋼スラグ1.0kgを自然海水2.0kgに浸漬し、3.0時間経過後のpHと透過光濁度の関係を示す図。
【図2】 製鋼スラグ1.0kgを自然海水2.0kgに浸漬し、3.0時間経過後の透過光濁度と平均粒径の関係を示す図。
Claims (5)
- 遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であり、かつ、2倍の質量比の海水に浸漬させて3時間経過した際における海水のpHが10.21以下となる製鋼スラグを選択して、白濁を生じない港湾工事用製鋼スラグを得ることを特徴とする白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
- 粒径10mm未満の粒子が25質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
- 粒径5mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
- 開気孔率が15%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
- 遊離石灰分が0〜10.0質量%、硫黄分が0〜1.0質量%の範囲であり、かつ、製鋼スラグを2倍の質量比の海水に浸漬させ、3時間経過した際における当該海水のJIS K0101に規定される透過光濁度が50濁度カオリン未満になる製鋼スラグを選択して、白濁を生じない港湾工事用製鋼スラグを得ることを特徴とする白濁しない港湾工事用製鋼スラグの製造方法。
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