JP3963656B2 - メーター情報自動読取装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量情報を表示する表示体を含む撮像対象範囲を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像画像情報に基づいて、前記撮像対象範囲内における前記表示体の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された前記表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段とが設けられているメーター情報自動読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記メーター情報自動読取装置(以下、自動検針装置という)は、各家庭や施設等に設置されている電気、ガス、水道等の使用量を表示するメーターをビデオカメラ等の撮像手段にて撮像し、その撮像画像を処理してメーターの計量情報(メーター値)を自動的に読み取るようにしたものである。
従来技術について、回転針式のメーターを例にして図5によって説明すると、1が自動検針装置であり、2が読取対象となる回転針式のメーターである。自動検針装置1には、撮像手段としての画像撮像部11と、画像処理手段としての画像処理部12とが備えられている。この回転針式のメーターでは、計量情報を表示する表示体として、針の回転角度によって計量値(指針値)表示する1個もしくは複数個の回転針式の表示体5が設けられ、上記画像撮像部11が、上記表示体5を含む所定範囲の撮像対象範囲を撮像することができるように(図4(イ)参照)、自動検針装置1はメーター2側の突起物21(例えば、ネジの頭)に機械的に位置合わせして取付けられている。
【0003】
そして、検針時に画像撮像部11の撮像画像が画像処理部12で処理されて、表示体5の指針値が読み取られ、その読み取られた指針値(計量情報)が通信線を介して図示しないホストコンピュータに送信されて集計される。尚、上記画像撮像部11の撮像画像情報は、通信線7aを介して自動検針装置1に接続された映像表示装置3に表示して、目視確認することができる。
画像処理部12では、撮像対象範囲内における前記表示体5の位置を特定するための検索処理として、メーター2の種類に応じて予め設定した上記表示体5の画像パターン(テンプレートという)を撮像手段11の撮像画面内で移動させながら、そのテンプレートと最もパターンマッチングする位置を探して表示体5の位置を特定するための検索処理を行う。次に、その検索処理によって位置が特定された表示体5の表示情報を読み取る読取処理として、上記回転針式の表示体5の中心から伸びている針の指針角度を上記と同様にパターンマッチングにより求め、最終的にその指針角度を計量値(数値)に変換してメーターの計量情報とする処理を行う。
【0004】
上記自動指針装置1は、前述のように機械的な位置合わせをしてメーター2に取付けているので、撮像画面内での表示体5の位置はある程度の範囲内にあると予測できるが、取付けの基準となるメーター側の突起物21の位置ずれや、製造バラツキによる自動指針装置1内での画像撮像部11の位置変動等の誤差が発生する結果、撮像画面内での表示体5の位置は上記予測範囲よりも広い範囲に位置する可能性がある。その対応として、前記検索処理においてテンプレートを移動させてパターンマッチングする検索対象領域範囲を広く設定すると、検索処理時間が長くなって画像処理の負荷が大きくなるため、従来では、前記映像表示装置3によって撮像画面内に表示体5が撮像されている状態を目視確認するとともに、その表示体5の位置情報を図5に示す設定器6から通信線7bを介して自動検針装置1側に知らせて、自動検針装置1ではその位置情報を用いて前記検索処理を行うときの検索対象領域を狭くするようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、メーター情報自動読取装置をメーターに取付けた後、撮像画像上での表示体の位置を映像表示させて実際に確認し、その確認した位置情報をメーター情報自動読取装置側にセットするようにしていたので、作業員の確認作業の負担が大きいという不具合があった。因みに、この目視による確認作業を行わない場合には、メーター情報自動読取装置側では、撮像画像の広い範囲を検索対象領域としなければならないので、画像処理の負担は多大になり、同時に、メーター情報自動読取装置の取付け位置が大きくずれて、撮像画像上に表示体が撮像されない取付け異常を排除できないおそれがあった。
【0006】
そして、上記取付け異常が発生したとき、及び、それ以外に、例えば、画像撮像部とメーターの表示体との間に埃が付着したり結露が生じたときや、メーターの使用者がメーターの指針値を目視で確認するためにメーター情報自動読取装置を一時的に取り外す等した後、元の取付け状態に正確に復旧させなかったようなときには、前記検索処理を実行しても、撮像対象範囲内で表示体の位置を正常に特定することができない場合があり、この状態ではメーターの計量情報を適正に読み取ることができないという不都合があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、映像によって表示体の撮像位置を確認する確認作業を不要として取付け作業の負担を軽減しながら、メーターの計量情報を適正に読み取ることが可能となるメーター情報自動読取装置を提供することであり、さらには、かかるメーター情報自動読取装置において、上述の取付け異常や埃の付着等によってメーター計量情報の読取が適正に実行できない場合に、適切な処置を行うことができるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係るメーター情報自動読取装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、前記画像処理手段が、前記撮像対象範囲内のうちで前記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行するように構成されている点にある。
【0009】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記表示体が、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体にて構成され、前記画像処理手段が、前記補正処理として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された前記回転針式の表示体の中心位置を、前記検索対象領域の中心とするように構成されている点にある。
【0010】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴構成に加えて、前記画像処理手段が、前記補正処理として、前記検索対象領域の大きさを縮小するように構成されている点にある。
【0011】
同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一から第三のいずれかの特徴構成に加えて、前記画像処理手段による前記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常を報知する異常報知手段が設けられている点にある。
【0012】
同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第四の特徴構成に加えて、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体の複数個の位置データのばらつきが設定値よりも大である場合に、前記異常報知手段が前記検索処理結果の異常を報知するように構成されている点にある。
【0013】
同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第四または第五の特徴構成に加えて、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合に、前記異常報知手段が前記検索処理結果の異常を報知するように構成されている点にある。
【0014】
同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一から第六のいずれかの特徴構成に加えて、前記表示体が複数個設けられ、前記画像処理手段が、前記複数個の表示体の夫々について、前記検索処理と前記読取処理を実行するように構成されている点にある。
【0015】
以下に作用並びに効果を説明する。
本発明の第一の特徴構成によれば、計量情報を表示する表示体を含む撮像対象範囲内における前記表示体の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された前記表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段が、上記表示体を含む撮像対象範囲内のうちで上記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した上記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行する。
すなわち、画像処理手段が、上記表示体を含む撮像対象範囲内のうちの所定範囲を検索対象領域として上記検索処理を実行して表示体の位置を特定し、その特定した表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行するとともに、次に上記検索処理を実行するときの検索対象領域を、以前に実行した検索処理によって特定された表示体の位置情報を用いて適正な範囲となるように補正する。
従って、最初は撮像対象範囲内で表示体の位置を確実に特定できるように、上記検索処理における検索対象領域を例えば撮像対象範囲内の広い範囲に設定し、検索処理を繰り返すに従って以前の検索処理の結果に基づいて検索対象領域を適正な領域に補正することができるので、映像によって表示体の撮像位置を確認する確認作業を不要として取付け作業の負担を軽減させながら、メーターの計量情報を適正に読み取ることが可能となるメーター情報自動読取装置が提供される。
【0016】
同第二の特徴構成によれば、前記画像処理手段が、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体を含む撮像対象範囲内のうちでその回転針式の表示体の位置を特定するための検索処理の対象とする検索対象領域の中心として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された上記回転針式の表示体の中心位置を用いて上記検索処理を実行する。
すなわち、上記検索処理によって回転針式の表示体の中心位置が特定されると、次の検索処理においては、その回転針式の表示体の中心位置を、検索対象領域の中心にして検索処理を行う。
従って、上記回転式の表示体は中心位置から伸びる針の角度によって計量情報を表示するが、上記のようにその中心位置を検索対象領域の中心にしているので、メータ値によって針の角度が変化した場合でも、回転式の表示体の位置を適切に特定して、その表示情報を適正に読み取るようにすることができる。
【0017】
同第三の特徴構成によれば、前記画像処理手段が、前記表示体を含む撮像対象範囲内のうちでその表示体の位置を特定するための検索処理の対象とする検索対象領域の大きさを、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて縮小する。
すなわち、以前に実行した上記検索処理によって位置が特定された表示体を、縮小後の検索対象領域に含むようにしながら検索対象領域の大きさを縮小するように補正処理を行う。
従って、上記検索対象領域の大きさを縮小する補正処理によって、表示体の位置を特定するための検索処理を適正に行いながら、検索処理時間を極力少なくして、画像処理の負荷を軽減することができる。
【0018】
同第四の特徴構成によれば、前記画像処理手段による前記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常が異常報知手段によって報知される。すなわち、上記検索処理の結果、撮像対象範囲内での表示体の位置を正常に特定することができない異常な状態であるときは、その検索処理結果の異常が異常報知手段によって報知される。
従って、メーター自動読取装置のメーターへの取付けが不適切であったり、画像手段とメーターの表示体との間に埃が付着したり、結露が生じた等の原因によって、検索処理を実行しても撮像対象範囲内で表示体の位置を正常に特定することができないときに、検索処理結果の異常が報知されるので、かかる検索処理の異常によってメーターの計量情報の適正な読取処理ができなくなっている事態を解消するための適切な処置を行うことができる。
【0019】
同第五の特徴構成によれば、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体の複数個の位置データのばらつきが設定値よりも大である場合に、前記検索処理結果の異常が報知される。
すなわち、上記複数回の検索処理によって特定される表示体の位置データが設定値よりも大きくばらつく場合には、撮像対象範囲内での表示体の位置を正常に特定することができない検索処理結果の異常状態であると判断されてその検索処理結果の異常が報知される。
従って、検索処理によって表示体の位置は特定されるものの、その表示体の位置データのばらつきが大きくて信頼性に欠ける場合に、そのような信頼性に乏しいデータに基づいて表示体の表示情報を誤って読み取る不適切な読取処理を行わずに、異常報知して適切な処置を実行することができる。
【0020】
同第六の特徴構成によれば、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合に、前記検索処理結果の異常が報知される。
すなわち、上記複数回の検索処理において前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合には、撮像対象範囲内での表示体の位置を正常に特定することができない検索処理結果の異常状態であると判断されてその検索処理結果の異常が報知される。
従って、検索処理によって表示体の位置が特定されることもあるが、特定できない検索不能の回数が多い場合には、その表示体の位置データは信頼性に乏しいと判断されるので、かかる信頼性に乏しい位置データに基づいて表示体の表示情報を誤って読み取る不適切な読取処理を行わずに、異常報知して適切な処置を実行することができる。
【0021】
同第七の特徴構成によれば、計量情報を表示する表示体として複数個設けられた表示体の夫々について、その複数個の表示体を含む撮像対象範囲内における各表示体の位置を特定するための検索処理と、その検索処理によって位置が特定された各表示体の表示情報を読み取る読取処理が実行される。
従って、例えば同一形状に形成された複数個の表示体の各表示情報によって、複数桁からなるメーターの計量値の各桁の数値を表わすような場合に、各表示体についての位置特定のための検索処理と読取処理を同一の処理によって行うことができるので、各表示体についての画像処理を共通化して画像処理手段を極力簡素に構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係るメーター情報自動読取装置(以下、自動検針装置という)の実施形態を、計量情報を表示する表示体として、従来技術の項で説明したように、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体5が設けられているメーター2を読取対象とする場合について図面に基づいて説明する。
【0023】
図1に示すように、自動検針装置1には、前記回転針式の表示体5を2個含む撮像対象範囲を撮像する撮像手段としてのビデオカメラ等の画像撮像部11と、その画像撮像部11の撮像画像情報に基づいて、上記撮像対象範囲内における回転針式の表示体5の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された回転針式の表示体5の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段としての画像処理部12が設けられている。この場合、画像処理部12は、上記2個の回転針式の表示体5の夫々について、上記位置特定処理と読取処理を実行するように構成されている。
そして、上記画像処理部12が、前記撮像対象範囲内のうちの前記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行するように構成されている。尚、補正処理の具体的な内容については後述する。
【0024】
さらに、自動検針装置1には、通信線8を介して外部のホストコンピュータと通信するための通信手段13と、警報用のブザー14とが設けられている。そして、自動検針装置1が、メーター2側のネジ頭等の突起物21に機械的に位置合わせしてメーター2側に取付けられている。尚、この取付け後、従来技術のような映像による表示体5の位置確認作業は行わない。
【0025】
又、上記画像処理部12による上記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常(以下、検索異常という)を報知する異常報知手段100が設けられている。具体的には、外部ホスト側に上記検索処理結果の異常情報を送信する前記通信手段13と、メーター2側で警報作動する前記ブザー14とにより、異常報知手段100が構成されている。
【0026】
次に、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて、前記自動検針装置1による自動検針処理について説明する。
自動検針処理(図2)では、先ず、前記画像撮像部11によって、図4(イ)に示すように、前記2個の回転針式の表示体5を含む撮像対象範囲を撮像する撮像処理を実行し、次に、その撮像対象範囲内における各表示体5の位置を特定するための位置特定処理を実行する。そして、位置特定処理によって、適正な状態で各表示体5の位置が特定されるか否かによって前記検索異常の有無を判断し、検索異常でない場合には、各表示体5の表示情報を読み取る読取処理を行い、その読取結果(計量データ)を外部ホスト側に送信する通信処理を行う。一方、検索異常と判断された場合には、各表示体5の表示情報を読み取る読取処理は行わずに、検索異常を知らせるための異常報知作動処理を実行する。
【0027】
位置特定処理(図3)では、前回の検索結果をクリアした後、上記画像撮像部11から撮像画像を取り込み、画像内の照明ムラ等のノイズを軽減する処理を行ってから、予め用意した針中心検索用テンプレートを用いて、所定の検索対象領域についてパターンパッチングにより回転針式の表示体5の位置を検索する検索処理を設定回数(複数回)実行する。
具体的には、針中心検索用テンプレートは、図4(ロ)に示すように、数字等が記載されている文字盤(図では、数字等は省略している)の外周部に対応するが外周円5aと、その外周円5aの中心で回転する針5bの根元部分に対応する円5b’が暗い濃度で表わされたパターンが用いられる。前述のように、自動検針装置1がメーター2側に位置合わせして取付けられるので、撮像画像中での各表示体5の中心位置がおおよそ決まり(これを、デフォルトの中心位置として、予めセットしている)、最初の検索対象領域はこの各表示体5のデフォルトの中心位置を基準として、これを囲む広めの範囲とする。そして、各検索対象領域内で針中心検索用テンプレートと最もマッチングした位置を各表示体5の中心位置として認識する。
【0028】
上記複数回の検索処理の結果、最もマッチングした位置でのマッチング度が低い等の理由により表示体5が発見できない割合が設定割合以上である場合、あるいは、表示体5が発見できない割合が設定回数以上ではないが、表示体5の位置データが検索異常判断用の設定範囲A内に入っていない場合には、前記検索異常と判断して、自動検針処理(図2)に戻り、前記異常報知作動処理を実行する。
すなわち、前記画像処理部12が、前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体5の複数個の位置データのばらつきが設定値(上記検索異常判断用の設定範囲A)よりも大である場合に、及び、前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数(上記設定割合に相当する回数)以上発生した場合に、前記異常報知手段100が前記検索異常を報知するように構成されている。
【0029】
上記検索異常と判断されなかった場合には、上記複数回の検索処理による各表示体5ごとの位置データが縮小判断用の設定範囲B内であるか否かを判断し、上記複数回の検索処理による各表示体5ごとの位置データが縮小判断用の設定範囲B内である場合には、その設定範囲B内の各表示体5の位置データ(例えば、その平均値)で特定される各表示体5の中心位置を次回の検索処理における検索対象領域の中心とする中心位置の変更を行う。上記複数回の検索処理による各表示体5ごとの位置データが縮小判断用の設定範囲B内でない場合には、上記検索対象領域の中心位置の変更は行わない。尚、上記縮小判断用の設定範囲Bは、前記検索異常判断用の設定範囲Aよりも狭い範囲に設定されている。
すなわち、前記画像処理部12が、前記補正処理として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された回転針式の表示体5の中心位置を、前記検索対象領域の中心とするように構成されている。
【0030】
さらに、上記検索対象領域の中心位置の変更を行った後、現在の検索対象領域が最低検索領域よりも広いか否かを判断し、現在の検索対象領域が最低検索領域よりも広い場合には、検索対象領域を縮小する領域縮小処理を実行し、現在の検索対象領域が最低検索領域よりも広くない場合には、上記領域縮小処理は実行しない。これにより、設置後の時間経過によって、自動検針装置1の最初の取付け状態からの微妙な変化が生じた場合でも、最低検索領域内に各表示体5が位置するようにして、検索不能になることを回避させている。
すなわち、前記画像処理部12が、前記補正処理として、前記検索対象領域の大きさを縮小して、検索処理時間を短くするように構成されている。
【0031】
前記読取処理では、上記位置が特定された各表示体5の画像について、先ず、文字盤上の不要な文字を消すための細線化処理を行って、針5bの画像のみを残し、次に、この針5bの画像を設定閾値で2値化処理する。そして、この2値化された針5bの画像に対して、図5(ハ)に示すような形状で回転角度が少しづつ異なる回転針用テンプレートを用いてパターンマッチングを行い、最もマッチングしたテンプレートの角度を、上記針5bの回転角度とする。最後に、この針5bの回転角度を数値に直して計量値を求める。例えば、1周(360度)を10等分して0〜9の数値で計量値を表わしている場合には、上記針5bの回転角度を60で割ったときの商を対応する数値として求める。
【0032】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
上記実施形態では、計量情報を表示する表示体として、回転針式の表示体5が設けられているメーター2を、メーター情報自動読取装置1の読取対象とする場合について説明したが、上記回転針式の表示体5以外に、例えば複数桁の数字を表示するメータードラムが設けられているメーターを、メーター情報自動読取装置1の読取対象とする場合にも適用できる。
【0033】
上記実施形態では、前記画像処理手段12が、表示体5を含む撮像対象範囲内のうちで検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した検索処理の結果に基づいて補正する補正処理として、検索対象領域の中心位置を変更する補正処理と、検索対象領域の大きさを縮小する補正処理の両方を行う場合を示したが、いずれか一方の補正処理だけを行うようにしてもよく、また、これ以外の適切な補正処理を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメーター情報自動読取装置の全体構成を示す側面図
【図2】自動検針処理を示すフローチャート
【図3】表示体の位置特定処理を示すフローチャート
【図4】画像処理の処理内容を示す図
【図5】従来のメーター情報自動読取装置の全体構成を示す側面図
【符号の説明】
5 表示体(回転針式の表示体)
5b 回転針
11 撮像手段
12 画像処理手段
100 異常検知手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量情報を表示する表示体を含む撮像対象範囲を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像画像情報に基づいて、前記撮像対象範囲内における前記表示体の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された前記表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段とが設けられているメーター情報自動読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記メーター情報自動読取装置(以下、自動検針装置という)は、各家庭や施設等に設置されている電気、ガス、水道等の使用量を表示するメーターをビデオカメラ等の撮像手段にて撮像し、その撮像画像を処理してメーターの計量情報(メーター値)を自動的に読み取るようにしたものである。
従来技術について、回転針式のメーターを例にして図5によって説明すると、1が自動検針装置であり、2が読取対象となる回転針式のメーターである。自動検針装置1には、撮像手段としての画像撮像部11と、画像処理手段としての画像処理部12とが備えられている。この回転針式のメーターでは、計量情報を表示する表示体として、針の回転角度によって計量値(指針値)表示する1個もしくは複数個の回転針式の表示体5が設けられ、上記画像撮像部11が、上記表示体5を含む所定範囲の撮像対象範囲を撮像することができるように(図4(イ)参照)、自動検針装置1はメーター2側の突起物21(例えば、ネジの頭)に機械的に位置合わせして取付けられている。
【0003】
そして、検針時に画像撮像部11の撮像画像が画像処理部12で処理されて、表示体5の指針値が読み取られ、その読み取られた指針値(計量情報)が通信線を介して図示しないホストコンピュータに送信されて集計される。尚、上記画像撮像部11の撮像画像情報は、通信線7aを介して自動検針装置1に接続された映像表示装置3に表示して、目視確認することができる。
画像処理部12では、撮像対象範囲内における前記表示体5の位置を特定するための検索処理として、メーター2の種類に応じて予め設定した上記表示体5の画像パターン(テンプレートという)を撮像手段11の撮像画面内で移動させながら、そのテンプレートと最もパターンマッチングする位置を探して表示体5の位置を特定するための検索処理を行う。次に、その検索処理によって位置が特定された表示体5の表示情報を読み取る読取処理として、上記回転針式の表示体5の中心から伸びている針の指針角度を上記と同様にパターンマッチングにより求め、最終的にその指針角度を計量値(数値)に変換してメーターの計量情報とする処理を行う。
【0004】
上記自動指針装置1は、前述のように機械的な位置合わせをしてメーター2に取付けているので、撮像画面内での表示体5の位置はある程度の範囲内にあると予測できるが、取付けの基準となるメーター側の突起物21の位置ずれや、製造バラツキによる自動指針装置1内での画像撮像部11の位置変動等の誤差が発生する結果、撮像画面内での表示体5の位置は上記予測範囲よりも広い範囲に位置する可能性がある。その対応として、前記検索処理においてテンプレートを移動させてパターンマッチングする検索対象領域範囲を広く設定すると、検索処理時間が長くなって画像処理の負荷が大きくなるため、従来では、前記映像表示装置3によって撮像画面内に表示体5が撮像されている状態を目視確認するとともに、その表示体5の位置情報を図5に示す設定器6から通信線7bを介して自動検針装置1側に知らせて、自動検針装置1ではその位置情報を用いて前記検索処理を行うときの検索対象領域を狭くするようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、メーター情報自動読取装置をメーターに取付けた後、撮像画像上での表示体の位置を映像表示させて実際に確認し、その確認した位置情報をメーター情報自動読取装置側にセットするようにしていたので、作業員の確認作業の負担が大きいという不具合があった。因みに、この目視による確認作業を行わない場合には、メーター情報自動読取装置側では、撮像画像の広い範囲を検索対象領域としなければならないので、画像処理の負担は多大になり、同時に、メーター情報自動読取装置の取付け位置が大きくずれて、撮像画像上に表示体が撮像されない取付け異常を排除できないおそれがあった。
【0006】
そして、上記取付け異常が発生したとき、及び、それ以外に、例えば、画像撮像部とメーターの表示体との間に埃が付着したり結露が生じたときや、メーターの使用者がメーターの指針値を目視で確認するためにメーター情報自動読取装置を一時的に取り外す等した後、元の取付け状態に正確に復旧させなかったようなときには、前記検索処理を実行しても、撮像対象範囲内で表示体の位置を正常に特定することができない場合があり、この状態ではメーターの計量情報を適正に読み取ることができないという不都合があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、映像によって表示体の撮像位置を確認する確認作業を不要として取付け作業の負担を軽減しながら、メーターの計量情報を適正に読み取ることが可能となるメーター情報自動読取装置を提供することであり、さらには、かかるメーター情報自動読取装置において、上述の取付け異常や埃の付着等によってメーター計量情報の読取が適正に実行できない場合に、適切な処置を行うことができるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係るメーター情報自動読取装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、前記画像処理手段が、前記撮像対象範囲内のうちで前記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行するように構成されている点にある。
【0009】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記表示体が、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体にて構成され、前記画像処理手段が、前記補正処理として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された前記回転針式の表示体の中心位置を、前記検索対象領域の中心とするように構成されている点にある。
【0010】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴構成に加えて、前記画像処理手段が、前記補正処理として、前記検索対象領域の大きさを縮小するように構成されている点にある。
【0011】
同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一から第三のいずれかの特徴構成に加えて、前記画像処理手段による前記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常を報知する異常報知手段が設けられている点にある。
【0012】
同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第四の特徴構成に加えて、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体の複数個の位置データのばらつきが設定値よりも大である場合に、前記異常報知手段が前記検索処理結果の異常を報知するように構成されている点にある。
【0013】
同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第四または第五の特徴構成に加えて、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合に、前記異常報知手段が前記検索処理結果の異常を報知するように構成されている点にある。
【0014】
同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一から第六のいずれかの特徴構成に加えて、前記表示体が複数個設けられ、前記画像処理手段が、前記複数個の表示体の夫々について、前記検索処理と前記読取処理を実行するように構成されている点にある。
【0015】
以下に作用並びに効果を説明する。
本発明の第一の特徴構成によれば、計量情報を表示する表示体を含む撮像対象範囲内における前記表示体の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された前記表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段が、上記表示体を含む撮像対象範囲内のうちで上記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した上記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行する。
すなわち、画像処理手段が、上記表示体を含む撮像対象範囲内のうちの所定範囲を検索対象領域として上記検索処理を実行して表示体の位置を特定し、その特定した表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行するとともに、次に上記検索処理を実行するときの検索対象領域を、以前に実行した検索処理によって特定された表示体の位置情報を用いて適正な範囲となるように補正する。
従って、最初は撮像対象範囲内で表示体の位置を確実に特定できるように、上記検索処理における検索対象領域を例えば撮像対象範囲内の広い範囲に設定し、検索処理を繰り返すに従って以前の検索処理の結果に基づいて検索対象領域を適正な領域に補正することができるので、映像によって表示体の撮像位置を確認する確認作業を不要として取付け作業の負担を軽減させながら、メーターの計量情報を適正に読み取ることが可能となるメーター情報自動読取装置が提供される。
【0016】
同第二の特徴構成によれば、前記画像処理手段が、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体を含む撮像対象範囲内のうちでその回転針式の表示体の位置を特定するための検索処理の対象とする検索対象領域の中心として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された上記回転針式の表示体の中心位置を用いて上記検索処理を実行する。
すなわち、上記検索処理によって回転針式の表示体の中心位置が特定されると、次の検索処理においては、その回転針式の表示体の中心位置を、検索対象領域の中心にして検索処理を行う。
従って、上記回転式の表示体は中心位置から伸びる針の角度によって計量情報を表示するが、上記のようにその中心位置を検索対象領域の中心にしているので、メータ値によって針の角度が変化した場合でも、回転式の表示体の位置を適切に特定して、その表示情報を適正に読み取るようにすることができる。
【0017】
同第三の特徴構成によれば、前記画像処理手段が、前記表示体を含む撮像対象範囲内のうちでその表示体の位置を特定するための検索処理の対象とする検索対象領域の大きさを、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて縮小する。
すなわち、以前に実行した上記検索処理によって位置が特定された表示体を、縮小後の検索対象領域に含むようにしながら検索対象領域の大きさを縮小するように補正処理を行う。
従って、上記検索対象領域の大きさを縮小する補正処理によって、表示体の位置を特定するための検索処理を適正に行いながら、検索処理時間を極力少なくして、画像処理の負荷を軽減することができる。
【0018】
同第四の特徴構成によれば、前記画像処理手段による前記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常が異常報知手段によって報知される。すなわち、上記検索処理の結果、撮像対象範囲内での表示体の位置を正常に特定することができない異常な状態であるときは、その検索処理結果の異常が異常報知手段によって報知される。
従って、メーター自動読取装置のメーターへの取付けが不適切であったり、画像手段とメーターの表示体との間に埃が付着したり、結露が生じた等の原因によって、検索処理を実行しても撮像対象範囲内で表示体の位置を正常に特定することができないときに、検索処理結果の異常が報知されるので、かかる検索処理の異常によってメーターの計量情報の適正な読取処理ができなくなっている事態を解消するための適切な処置を行うことができる。
【0019】
同第五の特徴構成によれば、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体の複数個の位置データのばらつきが設定値よりも大である場合に、前記検索処理結果の異常が報知される。
すなわち、上記複数回の検索処理によって特定される表示体の位置データが設定値よりも大きくばらつく場合には、撮像対象範囲内での表示体の位置を正常に特定することができない検索処理結果の異常状態であると判断されてその検索処理結果の異常が報知される。
従って、検索処理によって表示体の位置は特定されるものの、その表示体の位置データのばらつきが大きくて信頼性に欠ける場合に、そのような信頼性に乏しいデータに基づいて表示体の表示情報を誤って読み取る不適切な読取処理を行わずに、異常報知して適切な処置を実行することができる。
【0020】
同第六の特徴構成によれば、前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合に、前記検索処理結果の異常が報知される。
すなわち、上記複数回の検索処理において前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合には、撮像対象範囲内での表示体の位置を正常に特定することができない検索処理結果の異常状態であると判断されてその検索処理結果の異常が報知される。
従って、検索処理によって表示体の位置が特定されることもあるが、特定できない検索不能の回数が多い場合には、その表示体の位置データは信頼性に乏しいと判断されるので、かかる信頼性に乏しい位置データに基づいて表示体の表示情報を誤って読み取る不適切な読取処理を行わずに、異常報知して適切な処置を実行することができる。
【0021】
同第七の特徴構成によれば、計量情報を表示する表示体として複数個設けられた表示体の夫々について、その複数個の表示体を含む撮像対象範囲内における各表示体の位置を特定するための検索処理と、その検索処理によって位置が特定された各表示体の表示情報を読み取る読取処理が実行される。
従って、例えば同一形状に形成された複数個の表示体の各表示情報によって、複数桁からなるメーターの計量値の各桁の数値を表わすような場合に、各表示体についての位置特定のための検索処理と読取処理を同一の処理によって行うことができるので、各表示体についての画像処理を共通化して画像処理手段を極力簡素に構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係るメーター情報自動読取装置(以下、自動検針装置という)の実施形態を、計量情報を表示する表示体として、従来技術の項で説明したように、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体5が設けられているメーター2を読取対象とする場合について図面に基づいて説明する。
【0023】
図1に示すように、自動検針装置1には、前記回転針式の表示体5を2個含む撮像対象範囲を撮像する撮像手段としてのビデオカメラ等の画像撮像部11と、その画像撮像部11の撮像画像情報に基づいて、上記撮像対象範囲内における回転針式の表示体5の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された回転針式の表示体5の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段としての画像処理部12が設けられている。この場合、画像処理部12は、上記2個の回転針式の表示体5の夫々について、上記位置特定処理と読取処理を実行するように構成されている。
そして、上記画像処理部12が、前記撮像対象範囲内のうちの前記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行するように構成されている。尚、補正処理の具体的な内容については後述する。
【0024】
さらに、自動検針装置1には、通信線8を介して外部のホストコンピュータと通信するための通信手段13と、警報用のブザー14とが設けられている。そして、自動検針装置1が、メーター2側のネジ頭等の突起物21に機械的に位置合わせしてメーター2側に取付けられている。尚、この取付け後、従来技術のような映像による表示体5の位置確認作業は行わない。
【0025】
又、上記画像処理部12による上記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常(以下、検索異常という)を報知する異常報知手段100が設けられている。具体的には、外部ホスト側に上記検索処理結果の異常情報を送信する前記通信手段13と、メーター2側で警報作動する前記ブザー14とにより、異常報知手段100が構成されている。
【0026】
次に、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて、前記自動検針装置1による自動検針処理について説明する。
自動検針処理(図2)では、先ず、前記画像撮像部11によって、図4(イ)に示すように、前記2個の回転針式の表示体5を含む撮像対象範囲を撮像する撮像処理を実行し、次に、その撮像対象範囲内における各表示体5の位置を特定するための位置特定処理を実行する。そして、位置特定処理によって、適正な状態で各表示体5の位置が特定されるか否かによって前記検索異常の有無を判断し、検索異常でない場合には、各表示体5の表示情報を読み取る読取処理を行い、その読取結果(計量データ)を外部ホスト側に送信する通信処理を行う。一方、検索異常と判断された場合には、各表示体5の表示情報を読み取る読取処理は行わずに、検索異常を知らせるための異常報知作動処理を実行する。
【0027】
位置特定処理(図3)では、前回の検索結果をクリアした後、上記画像撮像部11から撮像画像を取り込み、画像内の照明ムラ等のノイズを軽減する処理を行ってから、予め用意した針中心検索用テンプレートを用いて、所定の検索対象領域についてパターンパッチングにより回転針式の表示体5の位置を検索する検索処理を設定回数(複数回)実行する。
具体的には、針中心検索用テンプレートは、図4(ロ)に示すように、数字等が記載されている文字盤(図では、数字等は省略している)の外周部に対応するが外周円5aと、その外周円5aの中心で回転する針5bの根元部分に対応する円5b’が暗い濃度で表わされたパターンが用いられる。前述のように、自動検針装置1がメーター2側に位置合わせして取付けられるので、撮像画像中での各表示体5の中心位置がおおよそ決まり(これを、デフォルトの中心位置として、予めセットしている)、最初の検索対象領域はこの各表示体5のデフォルトの中心位置を基準として、これを囲む広めの範囲とする。そして、各検索対象領域内で針中心検索用テンプレートと最もマッチングした位置を各表示体5の中心位置として認識する。
【0028】
上記複数回の検索処理の結果、最もマッチングした位置でのマッチング度が低い等の理由により表示体5が発見できない割合が設定割合以上である場合、あるいは、表示体5が発見できない割合が設定回数以上ではないが、表示体5の位置データが検索異常判断用の設定範囲A内に入っていない場合には、前記検索異常と判断して、自動検針処理(図2)に戻り、前記異常報知作動処理を実行する。
すなわち、前記画像処理部12が、前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体5の複数個の位置データのばらつきが設定値(上記検索異常判断用の設定範囲A)よりも大である場合に、及び、前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数(上記設定割合に相当する回数)以上発生した場合に、前記異常報知手段100が前記検索異常を報知するように構成されている。
【0029】
上記検索異常と判断されなかった場合には、上記複数回の検索処理による各表示体5ごとの位置データが縮小判断用の設定範囲B内であるか否かを判断し、上記複数回の検索処理による各表示体5ごとの位置データが縮小判断用の設定範囲B内である場合には、その設定範囲B内の各表示体5の位置データ(例えば、その平均値)で特定される各表示体5の中心位置を次回の検索処理における検索対象領域の中心とする中心位置の変更を行う。上記複数回の検索処理による各表示体5ごとの位置データが縮小判断用の設定範囲B内でない場合には、上記検索対象領域の中心位置の変更は行わない。尚、上記縮小判断用の設定範囲Bは、前記検索異常判断用の設定範囲Aよりも狭い範囲に設定されている。
すなわち、前記画像処理部12が、前記補正処理として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された回転針式の表示体5の中心位置を、前記検索対象領域の中心とするように構成されている。
【0030】
さらに、上記検索対象領域の中心位置の変更を行った後、現在の検索対象領域が最低検索領域よりも広いか否かを判断し、現在の検索対象領域が最低検索領域よりも広い場合には、検索対象領域を縮小する領域縮小処理を実行し、現在の検索対象領域が最低検索領域よりも広くない場合には、上記領域縮小処理は実行しない。これにより、設置後の時間経過によって、自動検針装置1の最初の取付け状態からの微妙な変化が生じた場合でも、最低検索領域内に各表示体5が位置するようにして、検索不能になることを回避させている。
すなわち、前記画像処理部12が、前記補正処理として、前記検索対象領域の大きさを縮小して、検索処理時間を短くするように構成されている。
【0031】
前記読取処理では、上記位置が特定された各表示体5の画像について、先ず、文字盤上の不要な文字を消すための細線化処理を行って、針5bの画像のみを残し、次に、この針5bの画像を設定閾値で2値化処理する。そして、この2値化された針5bの画像に対して、図5(ハ)に示すような形状で回転角度が少しづつ異なる回転針用テンプレートを用いてパターンマッチングを行い、最もマッチングしたテンプレートの角度を、上記針5bの回転角度とする。最後に、この針5bの回転角度を数値に直して計量値を求める。例えば、1周(360度)を10等分して0〜9の数値で計量値を表わしている場合には、上記針5bの回転角度を60で割ったときの商を対応する数値として求める。
【0032】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
上記実施形態では、計量情報を表示する表示体として、回転針式の表示体5が設けられているメーター2を、メーター情報自動読取装置1の読取対象とする場合について説明したが、上記回転針式の表示体5以外に、例えば複数桁の数字を表示するメータードラムが設けられているメーターを、メーター情報自動読取装置1の読取対象とする場合にも適用できる。
【0033】
上記実施形態では、前記画像処理手段12が、表示体5を含む撮像対象範囲内のうちで検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した検索処理の結果に基づいて補正する補正処理として、検索対象領域の中心位置を変更する補正処理と、検索対象領域の大きさを縮小する補正処理の両方を行う場合を示したが、いずれか一方の補正処理だけを行うようにしてもよく、また、これ以外の適切な補正処理を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメーター情報自動読取装置の全体構成を示す側面図
【図2】自動検針処理を示すフローチャート
【図3】表示体の位置特定処理を示すフローチャート
【図4】画像処理の処理内容を示す図
【図5】従来のメーター情報自動読取装置の全体構成を示す側面図
【符号の説明】
5 表示体(回転針式の表示体)
5b 回転針
11 撮像手段
12 画像処理手段
100 異常検知手段
Claims (7)
- 計量情報を表示する表示体を含む撮像対象範囲を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像画像情報に基づいて、前記撮像対象範囲内における前記表示体の位置を特定するための検索処理、及び、その検索処理によって位置が特定された前記表示体の表示情報を読み取る読取処理を実行する画像処理手段とが設けられているメーター情報自動読取装置であって、
前記画像処理手段が、前記撮像対象範囲内のうちで前記検索処理の対象とする検索対象領域を、以前に実行した前記検索処理の結果に基づいて補正する補正処理を実行するように構成されているメーター情報自動読取装置。 - 前記表示体が、中心位置の周りに回転する回転針を備えた回転針式の表示体にて構成され、
前記画像処理手段が、前記補正処理として、以前に実行した前記検索処理によって位置が特定された前記回転針式の表示体の中心位置を、前記検索対象領域の中心とするように構成されている請求項1記載のメーター情報自動読取装置。 - 前記画像処理手段が、前記補正処理として、前記検索対象領域の大きさを縮小するように構成されている請求項1又は2記載のメーター情報自動読取装置。
- 前記画像処理手段による前記検索処理の結果が異常であるときに、その検索処理結果の異常を報知する異常報知手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のメーター情報自動読取装置。
- 前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行して得られた前記表示体の複数個の位置データのばらつきが設定値よりも大である場合に、前記異常報知手段が前記検索処理結果の異常を報知するように構成されている請求項4記載のメーター情報自動読取装置。
- 前記画像処理手段が前記検索処理を複数回実行したときに前記表示体の位置が特定できない検索不能が設定回数以上発生した場合に、前記異常報知手段が前記検索処理結果の異常を報知するように構成されている請求項4又は5記載のメーター情報自動読取装置。
- 前記表示体が複数個設けられ、
前記画像処理手段が、前記複数個の表示体の夫々について、前記検索処理と前記読取処理を実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のメーター情報自動読取装置。
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