JP3963339B2 - 焼却灰と集塵灰の溶融処理方法及びその装置 - Google Patents

焼却灰と集塵灰の溶融処理方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却残渣の溶融処理に係り、特に、都市ゴミ、下水汚泥、あるいはその他の産業廃棄物等を焼却炉で焼却することによって発生する焼却灰と集塵灰とを、溶融炉に供給して溶融処理する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミ、下水汚泥、あるいはその他の廃棄物等を焼却炉で焼却した時に、焼却灰と集塵灰とが発生し、これらの焼却灰と集塵灰は、多くの場合、埋立処分されているのが現状である。
しかし、埋立地の確保が年々困難になっているため、埋め立てられる灰の容積を小さくする処理、即ち灰の減容化処理が要望されている。また、これらの灰を処理することなくそのままの状態で埋立地に埋め立てた場合には、灰が乾燥した状態では、風等で飛散されて環境汚染の原因になることは勿論のこと、これらの灰自体には、種々の重金属等の有害物質が含まれているため、これらの灰から有害物質が雨水、地下水等に溶出して、二次公害を引き起こす原因になっている。
このようなことから、従来から集塵灰や焼却灰に対して、種々の灰処理方法が開発されている。例えば灰をセメントと混合して固化する方法、あるいは灰を粘土等と混合して固化する方法等が知られている。しかしながら、これらの灰処理方法は、処理コストが高価となり、これらの処理方法によって得られる固化物は、その処理状態に対して技術的信頼性に欠ける問題がある。
【0003】
また、別の灰処理方法として、集塵灰と焼却灰を溶融固化する方法が知られている。この灰処理方法は、溶融スラグ及び溶融金属を生成するので、減容率が大きい上に、溶融スラグに溶け込んだ有害物質が雨水等に溶出することがなく、これら溶融スラグをそのまま投棄しても、公害上の問題が発生しないことから、近年では非常に注目されている方法である。また、溶融固化スラグは、土木建築材料として再利用も期待でき、優れた溶融処理技術の確立が重要な課題となっている。
このような集塵灰と焼却灰を溶融固化する灰処理方法としては、例えば、サブマージドアーク炉内の溶融スラグ上に焼却灰を順次投下して焼却灰層を形成し、その層の焼却灰を溶融スラグの電気抵抗熱により順次溶融していく方法、あるいは、焼却灰を溶融炉に順次直接投入し、溶融炉に設けたプラズマトーチに、プラズマ形成ガスとして空気を用いて、プラズマアークを発生させ、そのプラズマアークの熱エネルギーによって焼却灰を溶融する方法等がある。
【0004】
これらの灰処理方法における従来の処理システムは、例えば、図4に示すとおりである。図4は、従来の集塵灰の溶融処理方法及びその装置を示す処理システム図ある。図4に示すように、都市ごみ、下水汚泥、あるいはその他の廃棄物等のごみGDは、焼却炉1に投下され、焼却炉1で焼却されて、焼却灰Aと排ガスEGが発生する。排ガスEGは集塵器2で清浄化されて排ガスEGはクリーンガスCGとして煙突等から大気中へ排出される。焼却灰Aと集塵器2で捕集された集塵灰GAは、灰ホッパ9に投入され、その合流灰MAが溶融炉5に投入される。溶融炉5では、焼却灰Aや集塵灰GAが溶融され、これらの灰の中に含まれていた重金属が、溶融スラグS中に溶融固定されると共に、灰のなかに残留していた未燃物が燃焼される。その燃焼の際に発生する排ガスEGは、集塵器6で清浄化されて、グリーンガスCGとして煙突から排出される。
【0005】
このような混合灰の溶融処理方法において、別々の場所で発生する焼却灰と集塵灰を、搬送するコンベア上で合流させるか、もしくは焼却灰と集塵灰を別々の投入口から溶融炉内に投入しているのみの場合は、次のような種々の問題があった。
即ち、(1)灰ホッパー内あるいは灰シュート内でブリッジを起こしやすく、連続運転ができなくなる。
(2)集塵灰のかさ比重が小さすぎて、集塵灰はスラグ上に浮いてしまうため、集塵灰が溶融されずに飛散し、煤塵量が増加してしまう。
(3)煤塵と共に有害重金属類や塩類が揮散し、これらの処分が困難になる。
(4)揮散した塩類がダクト内にたまり、ダクトの閉塞を招くことになる。
(5)集塵灰は融点が高く、溶融処理するためには多量の熱エネルギーが必要となり、処理コストが高くなる。また、炉内を高温に保持する必要があるため、耐火物の損傷が著しい。
【0006】
(6)集塵灰は粒径が小さく、且つ揮散性物質を多量に含むので、高温の溶融炉内に供給されると多量の粉塵とガスを発生するため、プラズマトーチと炉底電極間の導電性が悪化し、プラズマアークが遮断され、プラズマアーク切れによるトラブルが発生する。
集塵灰は、焼却灰に比べて、微粉状で多量の揮散成分(低沸点の重金属類や塩類)を含み、さらに、焼却灰の排ガス処理工程(HCl除去)で供給された消石灰のため、高塩基度であり、融点が極めて高くなっている。すなわち、集塵灰はその物理、化学的性状から焼却灰と異質であるため、焼却灰と集塵灰をコンベアで合流させるか、もしくは焼却灰と集塵灰を別々に投入口から溶融炉内に投入した場合は、上記したようなトラブルを発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、よりプラズマアーク切れの発生を防止し、電力消費量が少なく、耐火物の損傷がなく常に安定した処理ができる焼却残渣の溶融処理方法と装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理するに際し、前記焼却灰を篩分離し、篩下の焼却灰と前記集塵灰とを混合処理して固化したのち、該固化処理された溶融灰と篩上の焼却灰とをプラズマ溶融処理することを特徴とする焼却残渣の溶融処理方法としたものである。
また、本発明では、焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理するに際し、前記焼却灰を粉砕処理し、粉砕処理した焼却灰を篩分離し、該篩分離した焼却灰と前記集塵灰とを混合処理して固化し、該固化処理された混合灰をプラズマ溶融処理することを特徴とする焼却残渣の溶融処理方法としたものである。
さらに、本発明では、焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理する装置において、前記焼却灰を篩分離する篩と、篩下の焼却灰と前記集塵灰とを混合処理する混合装置と、混合処理した混合灰を固化処理する固化装置と、該固化処理された混合灰と篩上の焼却灰とをプラズマ溶融処理するプラズマ溶融炉とからなることを特徴とする焼却残渣の溶融処理装置、又は、焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理する装置において、前記焼却灰を粉砕処理する粉砕機と、粉砕処理した焼却灰を篩分離する篩と、該篩分離した焼却灰と前記集塵灰とを混合処理する混合装置と、混合処理した混合灰を固化処理する固化装置と、該固化処理された混合灰をプラズマ溶融処理するプラズマ溶融炉とからなることを特徴とする焼却残渣の溶融処理装置としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、焼却炉から排出された集塵灰が、溶融処理時に溶融スラグ上に浮くことを防止するため、前記集塵灰を焼却灰と混合装置で混合してかさ比重を大きくした混合灰を作り、次いで、前記 混合灰をプラズマアークによって溶融処理するに際し、固化処理して、前記集塵灰が溶融スラグ上に浮くことを防止すると共に、粉塵やガスの発生を回避し、プラズマアーク切れを防止して、前記混合灰を安定溶融処理する焼却残渣の溶融処理方法である。
表1に、焼却灰と集塵灰の物理・化学的性状の比較を示す。
【表1】
Figure 0003963339
【0010】
表1に示すように、焼却灰単独の塩基度は0.3〜0.5であり、集塵灰の塩基度は2.0〜3.0であり、一方焼却灰単独の融点は1150〜1200℃、集塵灰のそれは1400〜1600℃である。
そして、これらの灰を均一に混合した混合灰の塩基度は0.5〜1.0で、融点は1170〜1220℃であり、混合灰の融点は焼却灰の融点とほとんど変わらなくなり、本発明では、この現象を用いて、さらに集塵灰の飛散を防止し、溶融処理を安定して行うために、固化している。
また、本発明の溶融処理方法において、混合灰のかさ比重を0.6〜1.2に大きくすることが好ましく、かさ比重を0.6〜1.2にすることによって、前記混合灰が溶融スラグ上に浮くことを防止でき、前記混合灰に対して溶融することができる。
【0011】
本発明で使用できる混合装置としては、容器回転型(Vミキサー、コーンミキサー)、機械撹拌型(パドルミキサー)、気流撹拌装置等があり、該混合装置に添加装置を設けて、集塵灰又は焼却灰あるいは混合灰に水を添加するか、あるいはセメント又はポリマー等の固化剤と水を添加するようにしてもよい。
固化装置としては、圧縮造粒型(圧縮ロール、ブリケッティングロール)、押出し造粒型(スクリュー)、あるいは転動造粒型を用いることができる。
粉砕装置としては、高速回転ミル、ボールミル等を用い、篩としては振動篩、回転篩を用いることができる。
【0012】
なお、固化処理をする際の好ましい粒度は、2mm以下であり、これ以上大粒径のものは、圧密性に乏しいため固化物になりにくい。したがって、焼却灰を篩分離する際は2mm以下の焼却灰にするか、粉砕処理して2mm以下の焼却灰にしたのち、固化装置で固化するのがよい。
本発明では、焼却炉から排出された焼却灰と集塵灰を混合した混合灰を固化装置で固形化し、従来に比べてかさ比重を高く(具体的には、かさ比重を好ましくは従来の2〜4倍に当たる0.6〜1.2)した固化混合灰を作ったので、該固化灰即ち焼却灰と混合した集塵灰を溶融炉に投入しても、混合した集塵灰が溶融スラグ上に浮くことがない。従って、煤塵の飛散、有害重金属及び塩類の揮散が少なくなり、これらが溶融スラグ中に効率的に進入し、塩類によるダクトの閉塞等のトラブルを回避することができる。
【0013】
また、本発明では、集塵灰を焼却灰と混合固化した上で、高温の溶融炉内に供給するので、即ち粉末状のままで供給しないので、急激な粉塵やガスの発生を回避することができる。従って、この溶融処理装置では、プラズマトーチから照射されるプラズマアークのプラズマアーク切れによるトラブルが発生しなくなり、常に安定して集塵灰を溶融処理することができる。
さらに、混合固化したことにより、塩基度の均一化が図れ、灰の融点の変動が少なくなり、操業温度を低くできる。そのため、溶融処理に伴うエネルギーコストが低くなり、さらに、溶融炉の耐火物の損傷が制御できる。
【0014】
次に本発明を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の溶融処理装置の1例を示すフロー構成図である。図1において、都市ごみ、下水汚泥、あるいはその他の廃棄物等のごみGDは、焼却炉1に投下され、焼却炉1で焼却されて、焼却灰Aと排ガスEGが発生する。排ガスEGは、集塵器2で清浄化されてクリーンガスCGとして煙突等から大気中へ排出される。また、集塵器2で捕集された集塵灰GAは集塵灰ホッパ等を経由して混合装置3に集められる。また焼却灰Aも混合装置に集められる。次いで、混合装置3において、集塵灰GAと焼却灰Aを混合し、かさ比重を増大させる処理を行う。ここで、混合装置3としては、種々のものが考えられるが、パドル式ミキサーやVミキサーを用いるとよい。
【0015】
上記処理で混合された集塵灰GAと焼却灰Aの混合灰CAは、次いで固化装置4に導入されて固化処理される。固化処理された固化物FAは、かさ比重0.6〜1.2程度になる。
混合灰CAの固化物FAは、固化装置4からプラズマ式溶融炉5に投下される。プラズマ式溶融炉5では、固化物FAが溶融され、プラズマ式溶融炉5からスラグSと排ガスEGが排出される。即ち、固化物FAの中に含まれていた有害重金属がスラグS中に溶融固定されると共に、灰のなかに残留していた未燃物が燃焼される。その燃焼の際に、発生する排ガスEGは、集塵器6で清浄化されてクリーンガスCGとなって、煙突等から排出される。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。
実施例1
実施例1は、この発明による集塵灰の溶融処理方法であり、集塵灰と焼却灰を混合装置で混合し、固化した固化物で処理した結果である。都市ごみの焼却炉の排ガスをバグフィルタで捕集した集塵灰(かさ比重0.3、融点1500℃)と焼却灰(かさ比重1.0、融点1200℃)とを重量比で0.5:1の比率でVミキサーで30分間混合し、次いで、この混合物をブリケッティングロールにより50mm×40mm×15mmの豆夕ン状の固化物とした。この固化物のかさ比重は1.1であった。この混合物を、出力150kwのプラズマ式溶融炉で溶融処理した結果、下記各比較例に比べて電力原単位と溶融炉排ガス中の煤塵濃度が減少し、排ガスダクトの清掃回数が大幅に低減できた。
【0017】
実施例2
実施例1と同じ焼却灰と集塵灰を用いた。焼却灰を篩径2mmの振動篩で処理した。集塵灰と篩分離後の焼却灰とを、重量比で0.5:1の比率でVミキサーで30分間混合し、次いでこの混合物をブリケッティングロールにより50mm×40mm×15mmの豆夕ン状の固化物とした。この固化物のかさ比重は1.2であった。この混合物を出力150kwのプラズマ式溶融炉で溶融処理した結果、下記比較例に比べて電力消費量と溶融炉排ガス中の煤塵濃度が減少し、プラズマトーチから照射されるプラズマアーク切れはなく、安定操業が可能であった。
【0018】
実施例3
実施例1と同じ焼却灰と集塵灰を用いた。焼却灰を篩径5mmの振動篩で処理した。篩上と篩下焼却灰の比率は、重量比で0.3:0.7であった。集塵灰と篩下の焼却灰を重量比で0.5:0.7の比率でVミキサーで30分間混合し、次いで、この混合物をブリケッティングロールにより50mm×40mm×15mmの豆タン状の固化物とした。この固化物のかさ比重は1.0であった。一方、篩上の焼却灰は固化することなく、前記固化物と同時に出力150kwのプラズマ式溶融炉で溶融処理した。その結果、下記各比較例に比べて電力消費量と溶融炉排ガス中の煤塵濃度が減少し、プラズマトーチから照射されるプラズマアーク切れはなく、安定操業が可能であった。
【0019】
実施例4
実施例1と同じ焼却灰と集塵灰を用いた。焼却灰を高速回転ミルを用いて粉砕し、次いで振動スクリーンで篩分離することにより、粒径2mm以下の粉砕焼却灰を得た。集塵灰とこの粉砕焼却灰を重量比で0.5:1の比率で気流撹拌装置で混合し、次いでこの混合物を押し出し造粒装置でφ20mm×50mmの円柱状の固化物とした。この固化物のかさ比重は0.9であった。この混合物を出力150kwのプラズマ式溶融炉で溶融処理した結果、下記各比較例に比べて電力原単位と溶融炉排ガス中の煤塵濃度が減少し、プラズマトーチから照射されるプラスマアーク切れはなく、安定操業が可能であった。
【0020】
比較例1
比較例1は、従来の集塵灰の溶融処理方法であり、都市ごみ焼却炉の排ガスをバグフィルタで捕集した集塵灰(かさ比重0.3、融点1500℃)を固化することなく、該集塵灰と都市ごみ焼却炉から排出される焼却灰(かさ比重1.0、融点1200℃)とを重量比で0.5:1に混合し、プラズマ式溶融炉で溶融処理した。その結果、灰供給でブリッジ現象が頻発した。また、溶融炉内ではかさ比重の大きな焼却灰のみが溶融してスラグとなり、かさ比重の小さい集塵灰はスラグ上に浮いてしまうため、スラグ中に取り込まれず、従って処理速度が大幅に低下し、電力消費量も増加した。さらに、溶融炉排ガス中に煤塵量が大幅に増加するため、ダクトの閉塞防止のために頻繁な清掃を行わなければならず、事実上操業はできなかった。
【0021】
比較例2
実施例1と同じ集塵灰と焼却灰を重量比0.5:1の比率でパドルのついた混合装置を用いて混合し、かさ比重0.8程度の混合物とした。この混合物を出力150kwのプラズマ式溶融炉で溶融処理した結果、ブリッジ現象は起こらず、連続的な定量供給が可能であった。塩基度の均一化により融点も低下することができた。しかし、溶融炉内でのプラズマトーチから照射されるプラズマアーク切れが発生し、また、溶融炉排ガス中のばいじんのため、ダクトの清掃作業を必要とした。
【0022】
比較例3
この比較例は、集塵灰を固化した後、焼却灰と該固化した集塵灰を混合装置で混合した混合物で処理した結果である。都市ごみの焼却炉の排ガスをバグフィルタで捕集した集塵灰(かさ比重0.3、融点1500℃)に水を添加することなく、高圧プレス機を用いて加圧条件500kgf/cm2で圧密成型し、かさ比重0.7のフレーク上の固化物を得た。この固化物と焼却灰(かさ比重1.0、融点1200℃)を重量比0.5:1の比率でパドルのついた混合装置を用いて混合し、かさ比重0.8程度の混合物とした。この混合物を出力150kwのプラズマ式溶融炉で溶融処理した。その結果、溶融炉排ガス中の煤塵濃度が減少したため、ダクトの清掃回数が大幅に少なくなった。しかし、プラズマトーチから照射されるプラズマアーク切れに伴う失火は完全に抑制することはできなかった。
これらの実施例の概略構成図を図2に示し、比較例の概略構成図を図3に示す。図2において、(a)は実施例1、(b)は実施例3、(c)は実施例4の概略構成図であり、また、図3において、(a)は比較例1、(b)は比較例2、(c)は比較例3の概略構成図である。
また、これらの実施例及び比較例の結果をまとめて表2に示す。
【0023】
【表2】
Figure 0003963339
【0024】
【発明の効果】
この発明による飛灰の溶融処理方法及びその装置については、上記のように構成されているので、次のような効果を有する。この発明による集塵灰の溶融処理方法及びその装置については、単に飛灰と焼却灰を混合装置により混合し、固化させるだけで、溶融炉上のトラブル、即ち、焼却灰と飛灰の分離、飛灰の偏り、プラズマアーク切れ等がなく、安定した運転を行うことができる。また、この飛灰の溶融処理装置では、従来のものに比較して電力消費量即ち電力原単位を大幅に減少させることができる。更に、飛灰には通常、カルシウム成分が多く含まれているため、その融点は概略1500℃以上と高く、シリカ成分の多い焼却灰と混合すれば、融点を低下させる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融処理装置の一例を示すフロー構成図。
【図2】実施例の溶融処理装置の概略構成図で(a)実施例1、(b)実施例3、(C)実施例4。
【図3】比較例の溶融処理装置の概略構成図で(a)比較例1、(b)比較例2、(C)比較例3。
【図4】公知の溶融処理装置のフロ−構成図。
【符号の説明】
1:焼却炉、2:集塵器、3:混合装置、4:固化装置、5:溶融炉、6:集塵器、

Claims (4)

  1. 焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理するに際し、前記焼却灰を篩分離し、篩下の焼却灰と前記集塵灰とを混合処理して固化したのち、該固化処理された混合灰と篩上の焼却灰とをプラズマ溶融処理することを特徴とする焼却残渣の溶融処理方法。
  2. 焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理するに際し、前記焼却灰を粉砕処理し、粉砕処理した焼却灰を篩分離し、該篩分離した焼却灰と前記集塵灰とを混合処理して固化し、該固化処理された混合灰をプラズマ溶融処理することを特徴とする焼却残渣の溶融処理方法。
  3. 焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理する装置において、前記焼却灰を篩分離する篩と、篩下の焼却灰と前記集塵灰とを混合処理する混合装置と、混合処理した混合灰を固化処理する固化装置と、該固化処理された混合灰と篩上の焼却灰とをプラズマ溶融処理するプラズマ溶融炉とからなることを特徴とする焼却残渣の溶融処理装置。
  4. 焼却炉から排出された焼却灰と焼却炉の排ガス処理工程で供給された消石灰を含み塩基度が2.0〜3.0の集塵灰とを溶融処理する装置において、前記焼却灰を粉砕処理する粉砕機と、粉砕処理した焼却灰を篩分離する篩と、該篩分離した焼却灰と前記集塵灰とを混合処理する混合装置と、混合処理した混合灰を固化処理する固化装置と、該固化処理された混合灰をプラズマ溶融処理するプラズマ溶融炉とからなることを特徴とする焼却残渣の溶融処理装置。
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