JP3962274B2 - 埋立焼却灰の処理方法および焼却灰の埋立構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却灰の処分技術に関し、特に閉鎖型処分に適用して有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般家庭ゴミをも含めて廃棄物処理の問題が大きく取り上げられている。かかる廃棄物処理では、一般的には焼却処理がなされる。焼却処理により、焼却灰が発生する。焼却灰としては、ダイオキシンなどを含むフライアッシュ(飛灰とも言い、バグフィルタなどで補足される。)、焼却炉の下方に溜まるボトムアッシュとに大きく分けられる。
【0003】
このうちボトムアッシュは、トラックなどで埋立場まで搬送され、埋立場に掘削された埋立地に投棄される。投棄された焼却灰は、ブルドーザなどの機械で表面を均すなどして、次の投棄に備える。一日量の投棄された焼却灰の表面には、埋立地の掘削時に発生した山土などで覆土して、焼却灰の飛散が起きないようにする。
【0004】
かかる焼却灰の埋立方式には、オープン方式と、閉鎖方式とがある。オープン方式では、埋立た焼却灰は、上記の如く覆土などにより飛散防止が図られるが、その状態で野曝しの状態に置かれる。そのため、オープン方式では、降雨時には雨が焼却灰に浸透して、浸透した雨水は埋立場からの浸出水となる。
【0005】
浸出水には、焼却灰に含まれていた塩類などの水溶性成分が溶け出し、周辺環境の汚染が懸念される。浸出水中の水溶性成分の溶出量は、浸出水の電気伝導度を測定することにより定量される。
【0006】
焼却灰の埋立地の底面側には、管壁に集水孔が多数設けられた集水管が敷設され、その集水管を埋立場に設けた処理装置に配管接続している。そのため、埋立焼却灰を浸透してきた雨水は、集水管で集水され処理装置に送られる。処理装置では、かかる浸出水中の塩類の除去を行い、塩類濃度を基準値以下に低下させている。
【0007】
オープン方式では、かかる雨水の浸透に基づく浸出水の問題が発生するため、焼却灰への雨水の浸透を防止すべく、埋立場の埋立地に建屋を設ける閉鎖方式が提案されている。かかる閉鎖方式では、建屋があるため雨水が埋め立てた焼却灰に浸透する心配はない。オープン方式とは異なり、浸出水による周囲環境に及ぼす汚染の心配がない。そのため、かかる閉鎖方式は、オープン方式に比べて好ましい最終処分方式として注目を集めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように雨水に基づく浸出水の発生という観点から、焼却灰の埋立方式を検討すると閉鎖方式の方がオープン方式より有利である。しかし、埋立場の跡地利用という観点からは、別の問題点がある。
【0009】
焼却灰の埋立場は、埋立地が焼却灰により飽和した後は、一般的には、跡地利用が図られる。広大な埋立敷地を埋立後そのまま放置するのでは土地の有効利用が図れず、どうしても跡地利用が積極的に検討されることとなる。
【0010】
そこで、埋立場飽和後の跡地の利用し易さという観点から、上記両方式を比べると、オープン方式では、当初から野曝し状態で埋立が行われるため、浸出水の問題はあるものの、ある程度の期間が経過すると、浸出水中に溶出する塩類濃度は減少している。そのため、跡地利用を考える段階では、浸出水中の塩類濃度は、当初から比べて遥かに低く基準値以下となっており、そのまま跡地利用が推進できる状態となっている。
【0011】
しかし、閉鎖方式では、埋立場飽和後の跡地利用を図る段階で、それまで設けられていた建屋が撤去されると、それまで建屋により雨水が浸透しないように保護されていた焼却灰は、いきなり野曝し状態とされ、降雨時にはそのまま雨水が焼却灰に浸透することとなる。建屋撤去に伴い雨水が浸透し始めると、高濃度の塩類を含む浸出水が新たに発生することとなる。
【0012】
このように、閉鎖方式では、オープン方式とは異なり、跡地利用の段階で高濃度塩類を含む浸出水の処理問題が発生することとなる。すなわち、埋立場の跡地利用を考える場合には、閉鎖方式は、オープン方式に比べて、埋立場飽和後の跡地利用までの移行期間が浸出水処理のため長くなるという問題点がある。
【0013】
そこで、かかる問題点を解消する手段として、閉鎖方式の埋立場が飽和した段階で、焼却灰上に人工的に水(洗浄水とも言う)を供給して、人工的に浸出水を排出させ、浸出水の処理期間を自然降雨に基づく場合よりも短縮することを検討した。
【0014】
浸出水の塩類濃度を基準値以下にまで下げる浸出水処理時間の短縮を図るためには、理論上は、短期間に大量の水を供給して透水させることが考えられるが、しかし、かかる方式では処理装置の負荷を従来以上に大きく設定しなければならず、現実的対応策とは言えない。
【0015】
従来よりも給水量を少なくして、且つ、浸出水の塩類濃度を基準値以下にまで下げ、浸出水の処理期間を短縮できる技術開発が本発明者は必要と考えた。
【0016】
さらに、浸出水の発生を自然降雨に依存する場合には、降雨量の多寡があるため、浸出水の処理装置の負荷は、降雨量の最大規模でも対応できるように設定して置かなければならない。しかし、最大降雨量に達する場合は、一年を通して僅かな日数でもあり、ある意味では、極希にしか発生する見込みのない最大降雨量に備えて、処理装置の負荷を高く設定しておくのは無駄とも言える。
【0017】
また、人工的に水を供給するに際しては、埋立場の広い範囲に均一に散水できるようにスプリンクラーによる散水を行っている。しかし、かかる散水方式にも問題点がある。例えば、埋立場が広い場合には、スプリンクラーを固定式に構成すると、スプリンクラー用の配水管敷設を埋立場上方に広い範囲にわたって行わなければならず、施工コストがかかり極めて面倒な施工となる。
【0018】
一方、スプリンクラーを移動式に構成して、区域毎に移動させて散水する方式も考えられるが、かかる構成では、スプリンクラーの移動管理が必要となる。そのための人員配置と、管理システムの構築が必要となり、やはり施工コスト、維持コストの増大を招く。
【0019】
埋立場は、飽和になり次第、埋立場としての機能は停止するため、スプリンクラーなどの散水システムもいずれは不要となる。そのため、かかる散水システムは、できるだけ簡易で、且つ施工コストのかからない構成が好ましい。
【0020】
本発明の目的は、閉鎖方式における焼却灰への洗浄水の給水に基づく浸出水処理期間を短縮することにある。
【0021】
本発明の目的は、閉鎖方式における焼却灰への洗浄水の給水量を低減することにある。
【0022】
本発明の目的は、閉鎖方式における焼却灰への洗浄水の給水方式を簡単にすることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、前記水は、前記焼却灰の上面に溜められた状態で浸透させることを特徴とする。かかる構成では、前記焼却灰の上面に溜められた前記水の水位低下が、2〜5mm/日となるように、前記焼却灰の締固め、前記水の供給の少なくともいずれかを管理してもよい。
【0024】
本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前記焼却灰の最大乾燥密度まで締固めることを特徴とする。
【0025】
本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前記焼却灰の飽和透水係数が、1×10-5≧飽和透水係数>1×10-7となるように締固めることを特徴とする。
【0026】
本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、撒き出し厚20〜40cmで、前記撒き出し厚における嵩比重が1.7〜1.9g/cm3となるように締固めることを特徴とする。
【0027】
かかるいずれかの構成において、前記焼却灰に水を浸透させるには、前記焼却灰上に水を溜めた状態にして浸透させるようにしてもよい。
【0028】
また、以上のいずれかの構成において、前記焼却灰は複数の区域に区画され、複数の各区画毎に、前記埋立焼却灰の処理方法が行われることを特徴とするようにしてもよい。
【0029】
本発明の焼却灰の埋立構造は、埋立られた焼却灰の上面には、水を溜める水溜部が設けられていることを特徴とする。かかる構成においては、前記水溜部を、埋立られた焼却灰の上面に、前記焼却灰からなる堤を設けて形成するようにしてもよい。さらには、かかる焼却灰の埋立構造を、前記構成の埋立焼却灰の処理方法に使用するようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、閉鎖方式の焼却灰埋立場の状況を示す断面説明図である。図2(A)〜(C)は、本発明の浸出水の処理方法の手順を示す経過説明図である。図3は、本発明の埋立焼却灰の処理を区画毎に移動して行う様子を示す説明図である。
【0031】
焼却灰埋立場10は、図1に示すように、埋立場に適した山地などに、焼却灰の埋立用の埋立地11を掘削して形成する。かかる埋立地11の上方には、建屋12が設けられ、雨水の埋め立てた焼却灰への浸透が防止できるようになっている。
【0032】
掘削した埋立地11では、図1に示すように、その内側には遮水シート13が張られている。埋立地11の底面側には、砂、砂利などで形成された排水層14が設けられている。排水層14には、管壁に多数の小孔が形成された集水孔が設けられた集水管15が敷設されている。集水管15は、埋立地11の外側に出され、浸出水の処理装置(図示しない)に配管接続されている。
【0033】
かかる構成の焼却灰の埋立場には、一般家庭ゴミなどの焼却により発生した焼却灰Aが、焼却場からダンプトラックなどによって搬送されてくる。搬送されてきた焼却灰Aは、図1に示す埋立地11内に投棄される。投棄された焼却灰Aは、例えば、図2(A)に示すように、表面が平らになるように均され、その後の投棄が行えるように準備される。
【0034】
かかる焼却灰の均しに際しては、単に上面を平らに均すのではなく、均された焼却灰Aの透水係数が、約1×10-5≧飽和透水係数>1×10-7となるように締固める。かかる飽和透水係数が上記数値範囲に入っているか否かは、必要に応じて、現場の締固め終了後の焼却灰層をサンプリングして、透水試験により確認すればよい。
【0035】
締固め作業の目安としては、上記飽和透水係数による管理以外にも、例えば、密度管理を行っても構わない。かかる密度管理では、焼却灰Aの最大乾燥密度まで締固めるようにすればよい。
【0036】
あるいは、締固め作業に際しては、1回の撒き出し厚を20〜40cmとして、かかる撒き出し厚における嵩比重を1.7g/cm3以上、1.9g/cm3以下となるように締固め作業の管理を行うようにしてもよい。上記範囲に設定した理由は、1.7g/cm3未満の締固め程度では、本発明の締固めによる効果が十分に得られず、また1.9g/cm3を越えた締固めでは、水の浸透が行われにくいためである。より好ましくは、1.8g/cm3に設定すればよい。
【0037】
また、締固めの管理には、上記飽和透水係数、嵩比重の他に、溜めた水の水位変化を目安とすることもできる。水位変化が2mm/日以上、5mm/日以下であればよい。水位変化が5mm/日を越える締固め程度では、本発明の締固めによる効果が十分に得られず、また2mm/日未満の締固めでは、水の浸透が行われにくく本発明の効果が得られないためである。
【0038】
このようにして所定量の投棄が終了した段階で、図2(B)に示すように、埋め立てた焼却灰Aの上面を平らに均し、併せて、焼却灰上面の外縁側に沿って、焼却灰Aを盛り上げて堤16を形成する。このようにして、本発明に係る焼却灰の埋立構造では、焼却灰Aの上面に水を溜めておける水溜部17が形成されることとなる。
【0039】
なお、堤16部分も当然に水の染み出しが発生しないように締固めが必要であるが、かかる堤16部の締固めは、例えば、法面形成用のバケットなどで締固められた焼却灰Aと同等以上の透水係数を維持するようにして行えばよい。
【0040】
このようにして埋め立てた焼却灰Aの上面に設けた水溜部17に、洗浄水としての水Wを張って、図2(C)に示すように、焼却灰上面を水封する。給水により水溜部17には、水が溜められる。このようにして溜められた水は、時間が経つにつれて、自然に焼却灰Aの中に浸透して行く。
【0041】
水溜部17に入れる水の量は、例えば、浸出水の電気伝導度が0.3(S/m)以下に下がるまでと規定すればよい。実際には、水溜部17には当初ある程度の水を入れて水封し、その状態で得られた浸出水の電気伝導度を経時チェックする。浸出水の電気伝導度が0.3(S/m)以下に下がった以降は、水溜部17に給水しないようにすればよい。
【0042】
かかる要領で、水溜部17に溜める水は、焼却灰Aの上面の水が枯れないように、適宜水を継足しながら水を滞留させるようにすればよい。また、過去の実績などから総水量が予想できる場合には、当初から、焼却灰Aを通過させる水の総量を水溜部17に入れておいても構わない。
【0043】
なお、水溜部17への給水管理は、水位変化が2mm/日以上、5mm/日以下の範囲内に入るようにすればよい。より好ましくは4mm/日に設定すればよい。
【0044】
かかる水封処理は、埋立場の埋立地全体に焼却灰の埋立が終了した段階で、すなわち埋立場が飽和した段階で行っても構わないし、あるいは、図3に示すように、埋立場を複数の処理区画に構成した場合には、処理区画の焼却灰の埋立目標が完了した段階で水封を行い、並行して他の処理区画で焼却灰の埋め立てを行うようにしても構わない。
【0045】
かかる方式では、例えば、複数の処理区画を一巡するサイクルに合わせて、各処理区画の滞留水の量を決めておけば、焼却灰の埋め立て作業、水封作業を複数の処理区画で順番に行って行き、最後の処理区画の水封が終了して最初の処理区画に戻るときには水封してある水はすでに全量が浸透していることとなる。そのため、再度最初の処理区画から、順に焼却灰の埋め立て、水封を行うことができる。
【0046】
広大な埋立場では、複数の処理区画を設けて、各処理区画の焼却灰の埋立状況が平均的になるように行われるので、かかる場合に上記処理方法は有効に適用できる。さらに、埋立場が飽和してから水封処理をする場合に比べて、埋立段階の都度、かかる水封処理を施しておくことにより、飽和後における浸出水処理期間を短くすることができる。
【0047】
図3に示す場合には、丸で囲んだ処理区画が最初の処理区画で、かかる最初の処理区画で水封が成されている状況を示す。併せて隣接する次の処理区画、さらにその次の処理区画を、破線表示で示してある。
【0048】
焼却灰Aの上面の水封処理を有する本発明の埋立焼却灰の処理方法の有効性を、以下、実験により検証した。
【0049】
実験に際しては、図4に示すように、内径10cmのカラム21に埋立場における構成と同様に、カラム21の下方から順に、排水層22、その上に焼却灰層23を形成した。排水層22の形成は、例えば、砂利を用いて行い、焼却灰層23には、一般家庭ゴミの焼却に際して発生するボトムアッシュの焼却灰を用いた。
【0050】
かかる焼却灰層23は、1.8g/cm3の充填密度になるまで、焼却灰層23の上面から押圧した。かかる充填密度に設定した状態では、焼却灰層23のカラム21内の高さ、すなわち充填高さは30cmであった。
【0051】
かかる同一構成の試験サンプルとして4検体準備し、2検体を水封処理用に、他の2検体を非水封処理用に分けた。
【0052】
水封処理用の2検体では、上記焼却灰層23上に、カラム21の給水部24を介して接続した給水装置から、焼却灰層23上に常に水が溜まる状態で、水を供給して水封処理を行った。初回350mlの水を焼却灰層23上に給水して水封処理を行い、その後は、水封を維持できるように水を供給した。試験期間中、焼却灰層23上面には水が溜められた状態になっていた。
【0053】
一方、非水封処理用の2検体では、1日1回の割合で、35mlの水を焼却灰層23上に供給した。焼却灰層23上の水は、日毎に枯れる状態となった。
【0054】
カラム21を用いて、上記の要領で実際の埋立焼却灰の状況を再現した状態で、カラム21の排水口25から、カラム21内の焼却灰層23を浸透して浸出してきた水(浸出水)を採取して、浸出水量、浸出水中の電気伝導度をそれぞれ測定した。
【0055】
図5には、浸出水量の経時変化を示した。なお、図5では、水封処理用の2検体の結果を、水封−1、水封−2として示し、非水封処理用の2検体の結果を対照−1、対照−2としてそれぞれ示した。かかる表示は、図6に示す場合も同様である。
【0056】
図5からは、水封処理した場合には、当初浸出水量が大きくなるが、水封後10日で非水封処理の場合と同程度の浸出水量となり、その後、水封処理の場合の方が浸出水量が少なくなることが確認された。
【0057】
また、図6からは、焼却灰を締固めた場合には、水封処理で水を浸透させた場合の方が、水を散水する場合に比べて、速やかに電気伝導度(EC)が低下することが確認される。水封−1、水封−2とも、20日経過後は、対照−1、対照−2よりも電気伝導度が小さくなっていることが確認される。
【0058】
さらに、浸出水中の塩類濃度が、安定化したと見做せる電気伝導度を、例えば、2S/m(20mS/cm)と設定すれば、水封−1、2の場合の方が24日でその値にまで下がるが、対照−1、2の場合は32〜34日もかかることが分かる。すなわち、本発明を適用した場合の方が、実験では、8〜10日も安定化に至るまでの期間短縮ができることが確認される。
【0059】
すなわち、焼却灰の締固めと、水封処理とを併用する場合には、浸出水中の塩類濃度の低減期間、すなわち安定化期間を短縮することができることが分かる。その結果、かかる浸出水の処理期間を、かかる構成を採用しない従来構成に比べて本発明では、短縮することができる。その結果、閉鎖方式の焼却灰埋立場の跡地利用を円滑に行うことができる。
【0060】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で必要に応じて変更してもよい。
【0061】
例えば、上記説明では、焼却灰の埋立構造として、堤を焼却灰で形成する場合について説明したが、例えば、プラスチック板などの遮水壁をその下端側を焼却灰中に差し込むなどして堤を形成するようにしても構わない。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、閉鎖方式における焼却灰への洗浄水の給水に基づく浸出水処理期間を短縮することができる。そのため、その分、閉鎖方式における埋立場の跡地利用を円滑に進めることができる。
【0063】
本発明によれば、閉鎖方式における焼却灰への洗浄水の給水方式を、スプリンクラー方式などの従来方式とは異なり、水を埋立焼却灰上に溜めて水封する構成で簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】閉鎖方式の焼却灰埋立場を示す断面説明図である。
【図2】(A)〜(C)は、本発明の埋立焼却灰の処理方法の手順を示す経過説明図である。
【図3】本発明の埋立焼却灰の処理方法を、複数の処理区画に順次適用する場合を示す説明図である。
【図4】本発明の有効性を検証するために用いたカラムへの焼却灰の充填状況を示す説明図である。
【図5】本発明の適用時における浸出水量の経時変化を示すグラフである。
【図6】本発明の適用時における浸出水中の電気伝導度の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 焼却灰埋立場
11 埋立地
12 建屋
13 遮水シート
14 排水層
15 集水管
16 堤
17 水溜部
21 カラム
22 排水層
23 焼却灰層
24 給水部
25 排水口
A 焼却灰
W 水

Claims (8)

  1. 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、
    前記水は、前記焼却灰からなる堤を設けて、前記焼却灰の上面に溜められた状態で浸透させることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  2. 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、
    前記焼却灰の上面に溜められた前記水の水位低下が、2〜5mm/日となるように、前記焼却灰の締固め、前記水の供給の少なくともいずれかを管理することを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  3. 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、
    前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前記焼却灰の最大乾燥密度まで締固めることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  4. 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、
    前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前記焼却灰の飽和透水係数が、1×10−5≧飽和透水係数>1×10−7となるように締固めることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  5. 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であって、
    前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、撒き出し厚20〜40cmで、前記撒き出し厚における嵩比重が1.7〜1.9g/cmとなるように締固めることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1項に記載の埋立焼却灰の処理方法において、
    前記焼却灰に水を浸透させるには、前記焼却灰上に水を溜めた状態にして浸透させることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の埋立焼却灰の処理方法において、
    前記焼却灰は複数の区域に区画され、複数の各区画毎に、前記埋立焼却灰の処理方法が行われることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  8. 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の埋立構造であって、
    埋立られた前記焼却灰の上面には、水を溜める水溜部が設けられ、
    前記水溜部は、埋立られた焼却灰の上面に、前記焼却灰からなる堤を設けて形成され、
    前記焼却灰の埋立構造は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の埋立焼却灰の処理方法に使用されることを特徴とする焼却灰の埋立構造。
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