JP2003290737A - 埋立焼却灰の処理方法および焼却灰の埋立構造 - Google Patents

埋立焼却灰の処理方法および焼却灰の埋立構造

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JP2003290737A JP2002095420A JP2002095420A JP2003290737A JP 2003290737 A JP2003290737 A JP 2003290737A JP 2002095420 A JP2002095420 A JP 2002095420A JP 2002095420 A JP2002095420 A JP 2002095420A JP 2003290737 A JP2003290737 A JP 2003290737A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 閉鎖式の焼却灰埋立場の跡地利用が円滑に行
えるようにする。 【解決手段】 閉鎖方式の埋立焼却灰Aを、例えば、1
×10-5≧飽和透水係数>1×10-7となるように締固
める。締固めた焼却灰Aの上面に、焼却灰Aを用いた堤
16を形成する。このようにして、焼却灰Aの上面に、
水溜部17を形成し、この水溜部17に水を供給して、
水Wが常に焼却灰A面に溜まるようにして水封する。か
かる水封の状態で、水Wを焼却灰A内に浸透させること
により、焼却灰Aに基づく浸出水中の塩類濃度を短期間
に低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰の処分技術
に関し、特に閉鎖型処分に適用して有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家庭ゴミをも含めて廃棄物処
理の問題が大きく取り上げられている。かかる廃棄物処
理では、一般的には焼却処理がなされる。焼却処理によ
り、焼却灰が発生する。焼却灰としては、ダイオキシン
などを含むフライアッシュ(飛灰とも言い、バグフィル
タなどで補足される。)、焼却炉の下方に溜まるボトム
アッシュとに大きく分けられる。
【0003】このうちボトムアッシュは、トラックなど
で埋立場まで搬送され、埋立場に掘削された埋立地に投
棄される。投棄された焼却灰は、ブルドーザなどの機械
で表面を均すなどして、次の投棄に備える。一日量の投
棄された焼却灰の表面には、埋立地の掘削時に発生した
山土などで覆土して、焼却灰の飛散が起きないようにす
る。
【0004】かかる焼却灰の埋立方式には、オープン方
式と、閉鎖方式とがある。オープン方式では、埋立た焼
却灰は、上記の如く覆土などにより飛散防止が図られる
が、その状態で野曝しの状態に置かれる。そのため、オ
ープン方式では、降雨時には雨が焼却灰に浸透して、浸
透した雨水は埋立場からの浸出水となる。
【0005】浸出水には、焼却灰に含まれていた塩類な
どの水溶性成分が溶け出し、周辺環境の汚染が懸念され
る。浸出水中の水溶性成分の溶出量は、浸出水の電気伝
導度を測定することにより定量される。
【0006】焼却灰の埋立地の底面側には、管壁に集水
孔が多数設けられた集水管が敷設され、その集水管を埋
立場に設けた処理装置に配管接続している。そのため、
埋立焼却灰を浸透してきた雨水は、集水管で集水され処
理装置に送られる。処理装置では、かかる浸出水中の塩
類の除去を行い、塩類濃度を基準値以下に低下させてい
る。
【0007】オープン方式では、かかる雨水の浸透に基
づく浸出水の問題が発生するため、焼却灰への雨水の浸
透を防止すべく、埋立場の埋立地に建屋を設ける閉鎖方
式が提案されている。かかる閉鎖方式では、建屋がある
ため雨水が埋め立てた焼却灰に浸透する心配はない。オ
ープン方式とは異なり、浸出水による周囲環境に及ぼす
汚染の心配がない。そのため、かかる閉鎖方式は、オー
プン方式に比べて好ましい最終処分方式として注目を集
めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように雨水に基づ
く浸出水の発生という観点から、焼却灰の埋立方式を検
討すると閉鎖方式の方がオープン方式より有利である。
しかし、埋立場の跡地利用という観点からは、別の問題
点がある。
【0009】焼却灰の埋立場は、埋立地が焼却灰により
飽和した後は、一般的には、跡地利用が図られる。広大
な埋立敷地を埋立後そのまま放置するのでは土地の有効
利用が図れず、どうしても跡地利用が積極的に検討され
ることとなる。
【0010】そこで、埋立場飽和後の跡地の利用し易さ
という観点から、上記両方式を比べると、オープン方式
では、当初から野曝し状態で埋立が行われるため、浸出
水の問題はあるものの、ある程度の期間が経過すると、
浸出水中に溶出する塩類濃度は減少している。そのた
め、跡地利用を考える段階では、浸出水中の塩類濃度
は、当初から比べて遥かに低く基準値以下となってお
り、そのまま跡地利用が推進できる状態となっている。
【0011】しかし、閉鎖方式では、埋立場飽和後の跡
地利用を図る段階で、それまで設けられていた建屋が撤
去されると、それまで建屋により雨水が浸透しないよう
に保護されていた焼却灰は、いきなり野曝し状態とさ
れ、降雨時にはそのまま雨水が焼却灰に浸透することと
なる。建屋撤去に伴い雨水が浸透し始めると、高濃度の
塩類を含む浸出水が新たに発生することとなる。
【0012】このように、閉鎖方式では、オープン方式
とは異なり、跡地利用の段階で高濃度塩類を含む浸出水
の処理問題が発生することとなる。すなわち、埋立場の
跡地利用を考える場合には、閉鎖方式は、オープン方式
に比べて、埋立場飽和後の跡地利用までの移行期間が浸
出水処理のため長くなるという問題点がある。
【0013】そこで、かかる問題点を解消する手段とし
て、閉鎖方式の埋立場が飽和した段階で、焼却灰上に人
工的に水(洗浄水とも言う)を供給して、人工的に浸出
水を排出させ、浸出水の処理期間を自然降雨に基づく場
合よりも短縮することを検討した。
【0014】浸出水の塩類濃度を基準値以下にまで下げ
る浸出水処理時間の短縮を図るためには、理論上は、短
期間に大量の水を供給して透水させることが考えられる
が、しかし、かかる方式では処理装置の負荷を従来以上
に大きく設定しなければならず、現実的対応策とは言え
ない。
【0015】従来よりも給水量を少なくして、且つ、浸
出水の塩類濃度を基準値以下にまで下げ、浸出水の処理
期間を短縮できる技術開発が本発明者は必要と考えた。
【0016】さらに、浸出水の発生を自然降雨に依存す
る場合には、降雨量の多寡があるため、浸出水の処理装
置の負荷は、降雨量の最大規模でも対応できるように設
定して置かなければならない。しかし、最大降雨量に達
する場合は、一年を通して僅かな日数でもあり、ある意
味では、極希にしか発生する見込みのない最大降雨量に
備えて、処理装置の負荷を高く設定しておくのは無駄と
も言える。
【0017】また、人工的に水を供給するに際しては、
埋立場の広い範囲に均一に散水できるようにスプリンク
ラーによる散水を行っている。しかし、かかる散水方式
にも問題点がある。例えば、埋立場が広い場合には、ス
プリンクラーを固定式に構成すると、スプリンクラー用
の配水管敷設を埋立場上方に広い範囲にわたって行わな
ければならず、施工コストがかかり極めて面倒な施工と
なる。
【0018】一方、スプリンクラーを移動式に構成し
て、区域毎に移動させて散水する方式も考えられるが、
かかる構成では、スプリンクラーの移動管理が必要とな
る。そのための人員配置と、管理システムの構築が必要
となり、やはり施工コスト、維持コストの増大を招く。
【0019】埋立場は、飽和になり次第、埋立場として
の機能は停止するため、スプリンクラーなどの散水シス
テムもいずれは不要となる。そのため、かかる散水シス
テムは、できるだけ簡易で、且つ施工コストのかからな
い構成が好ましい。
【0020】本発明の目的は、閉鎖方式における焼却灰
への洗浄水の給水に基づく浸出水処理期間を短縮するこ
とにある。
【0021】本発明の目的は、閉鎖方式における焼却灰
への洗浄水の給水量を低減することにある。
【0022】本発明の目的は、閉鎖方式における焼却灰
への洗浄水の給水方式を簡単にすることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、雨水の浸透を
防止すべく埋立処理された焼却灰に水を浸透させる埋立
焼却灰の処理方法であって、前記水は、前記焼却灰の上
面に溜められた状態で浸透させることを特徴とする。か
かる構成では、前記焼却灰の上面に溜められた前記水の
水位低下が、2〜5mm/日となるように、前記焼却灰
の締固め、前記水の供給の少なくともいずれかを管理し
てもよい。
【0024】本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処
理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法
であって、前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前
記焼却灰の最大乾燥密度まで締固めることを特徴とす
る。
【0025】本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処
理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法
であって、前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前
記焼却灰の飽和透水係数が、1×10-5≧飽和透水係数
>1×10-7となるように締固めることを特徴とする。
【0026】本発明は、雨水の浸透を防止すべく埋立処
理された焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法
であって、前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、撒
き出し厚20〜40cmで、前記撒き出し厚における嵩
比重が1.7〜1.9g/cm3となるように締固める
ことを特徴とする。
【0027】かかるいずれかの構成において、前記焼却
灰に水を浸透させるには、前記焼却灰上に水を溜めた状
態にして浸透させるようにしてもよい。
【0028】また、以上のいずれかの構成において、前
記焼却灰は複数の区域に区画され、複数の各区画毎に、
前記埋立焼却灰の処理方法が行われることを特徴とする
ようにしてもよい。
【0029】本発明の焼却灰の埋立構造は、埋立られた
焼却灰の上面には、水を溜める水溜部が設けられている
ことを特徴とする。かかる構成においては、前記水溜部
を、埋立られた焼却灰の上面に、前記焼却灰からなる堤
を設けて形成するようにしてもよい。さらには、かかる
焼却灰の埋立構造を、前記構成の埋立焼却灰の処理方法
に使用するようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、閉鎖方式の焼却灰
埋立場の状況を示す断面説明図である。図2(A)〜
(C)は、本発明の浸出水の処理方法の手順を示す経過
説明図である。図3は、本発明の埋立焼却灰の処理を区
画毎に移動して行う様子を示す説明図である。
【0031】焼却灰埋立場10は、図1に示すように、
埋立場に適した山地などに、焼却灰の埋立用の埋立地1
1を掘削して形成する。かかる埋立地11の上方には、
建屋12が設けられ、雨水の埋め立てた焼却灰への浸透
が防止できるようになっている。
【0032】掘削した埋立地11では、図1に示すよう
に、その内側には遮水シート13が張られている。埋立
地11の底面側には、砂、砂利などで形成された排水層
14が設けられている。排水層14には、管壁に多数の
小孔が形成された集水孔が設けられた集水管15が敷設
されている。集水管15は、埋立地11の外側に出さ
れ、浸出水の処理装置(図示しない)に配管接続されて
いる。
【0033】かかる構成の焼却灰の埋立場には、一般家
庭ゴミなどの焼却により発生した焼却灰Aが、焼却場か
らダンプトラックなどによって搬送されてくる。搬送さ
れてきた焼却灰Aは、図1に示す埋立地11内に投棄さ
れる。投棄された焼却灰Aは、例えば、図2(A)に示
すように、表面が平らになるように均され、その後の投
棄が行えるように準備される。
【0034】かかる焼却灰の均しに際しては、単に上面
を平らに均すのではなく、均された焼却灰Aの透水係数
が、約1×10-5≧飽和透水係数>1×10-7となるよ
うに締固める。かかる飽和透水係数が上記数値範囲に入
っているか否かは、必要に応じて、現場の締固め終了後
の焼却灰層をサンプリングして、透水試験により確認す
ればよい。
【0035】締固め作業の目安としては、上記飽和透水
係数による管理以外にも、例えば、密度管理を行っても
構わない。かかる密度管理では、焼却灰Aの最大乾燥密
度まで締固めるようにすればよい。
【0036】あるいは、締固め作業に際しては、1回の
撒き出し厚を20〜40cmとして、かかる撒き出し厚
における嵩比重を1.7g/cm3以上、1.9g/c
3以下となるように締固め作業の管理を行うようにし
てもよい。上記範囲に設定した理由は、1.7g/cm
3未満の締固め程度では、本発明の締固めによる効果が
十分に得られず、また1.9g/cm3を越えた締固め
では、水の浸透が行われにくいためである。より好まし
くは、1.8g/cm3に設定すればよい。
【0037】また、締固めの管理には、上記飽和透水係
数、嵩比重の他に、溜めた水の水位変化を目安とするこ
ともできる。水位変化が2mm/日以上、5mm/日以
下であればよい。水位変化が5mm/日を越える締固め
程度では、本発明の締固めによる効果が十分に得られ
ず、また2mm/日未満の締固めでは、水の浸透が行わ
れにくく本発明の効果が得られないためである。
【0038】このようにして所定量の投棄が終了した段
階で、図2(B)に示すように、埋め立てた焼却灰Aの
上面を平らに均し、併せて、焼却灰上面の外縁側に沿っ
て、焼却灰Aを盛り上げて堤16を形成する。このよう
にして、本発明に係る焼却灰の埋立構造では、焼却灰A
の上面に水を溜めておける水溜部17が形成されること
となる。
【0039】なお、堤16部分も当然に水の染み出しが
発生しないように締固めが必要であるが、かかる堤16
部の締固めは、例えば、法面形成用のバケットなどで締
固められた焼却灰Aと同等以上の透水係数を維持するよ
うにして行えばよい。
【0040】このようにして埋め立てた焼却灰Aの上面
に設けた水溜部17に、洗浄水としての水Wを張って、
図2(C)に示すように、焼却灰上面を水封する。給水
により水溜部17には、水が溜められる。このようにし
て溜められた水は、時間が経つにつれて、自然に焼却灰
Aの中に浸透して行く。
【0041】水溜部17に入れる水の量は、例えば、浸
出水の電気伝導度が0.3(S/m)以下に下がるまで
と規定すればよい。実際には、水溜部17には当初ある
程度の水を入れて水封し、その状態で得られた浸出水の
電気伝導度を経時チェックする。浸出水の電気伝導度が
0.3(S/m)以下に下がった以降は、水溜部17に
給水しないようにすればよい。
【0042】かかる要領で、水溜部17に溜める水は、
焼却灰Aの上面の水が枯れないように、適宜水を継足し
ながら水を滞留させるようにすればよい。また、過去の
実績などから総水量が予想できる場合には、当初から、
焼却灰Aを通過させる水の総量を水溜部17に入れてお
いても構わない。
【0043】なお、水溜部17への給水管理は、水位変
化が2mm/日以上、5mm/日以下の範囲内に入るよ
うにすればよい。より好ましくは4mm/日に設定すれ
ばよい。
【0044】かかる水封処理は、埋立場の埋立地全体に
焼却灰の埋立が終了した段階で、すなわち埋立場が飽和
した段階で行っても構わないし、あるいは、図3に示す
ように、埋立場を複数の処理区画に構成した場合には、
処理区画の焼却灰の埋立目標が完了した段階で水封を行
い、並行して他の処理区画で焼却灰の埋め立てを行うよ
うにしても構わない。
【0045】かかる方式では、例えば、複数の処理区画
を一巡するサイクルに合わせて、各処理区画の滞留水の
量を決めておけば、焼却灰の埋め立て作業、水封作業を
複数の処理区画で順番に行って行き、最後の処理区画の
水封が終了して最初の処理区画に戻るときには水封して
ある水はすでに全量が浸透していることとなる。そのた
め、再度最初の処理区画から、順に焼却灰の埋め立て、
水封を行うことができる。
【0046】広大な埋立場では、複数の処理区画を設け
て、各処理区画の焼却灰の埋立状況が平均的になるよう
に行われるので、かかる場合に上記処理方法は有効に適
用できる。さらに、埋立場が飽和してから水封処理をす
る場合に比べて、埋立段階の都度、かかる水封処理を施
しておくことにより、飽和後における浸出水処理期間を
短くすることができる。
【0047】図3に示す場合には、丸で囲んだ処理区画
が最初の処理区画で、かかる最初の処理区画で水封が成
されている状況を示す。併せて隣接する次の処理区画、
さらにその次の処理区画を、破線表示で示してある。
【0048】焼却灰Aの上面の水封処理を有する本発明
の埋立焼却灰の処理方法の有効性を、以下、実験により
検証した。
【0049】実験に際しては、図4に示すように、内径
10cmのカラム21に埋立場における構成と同様に、
カラム21の下方から順に、排水層22、その上に焼却
灰層23を形成した。排水層22の形成は、例えば、砂
利を用いて行い、焼却灰層23には、一般家庭ゴミの焼
却に際して発生するボトムアッシュの焼却灰を用いた。
【0050】かかる焼却灰層23は、1.8g/cm3
の充填密度になるまで、焼却灰層23の上面から押圧し
た。かかる充填密度に設定した状態では、焼却灰層23
のカラム21内の高さ、すなわち充填高さは30cmで
あった。
【0051】かかる同一構成の試験サンプルとして4検
体準備し、2検体を水封処理用に、他の2検体を非水封
処理用に分けた。
【0052】水封処理用の2検体では、上記焼却灰層2
3上に、カラム21の給水部24を介して接続した給水
装置から、焼却灰層23上に常に水が溜まる状態で、水
を供給して水封処理を行った。初回350mlの水を焼
却灰層23上に給水して水封処理を行い、その後は、水
封を維持できるように水を供給した。試験期間中、焼却
灰層23上面には水が溜められた状態になっていた。
【0053】一方、非水封処理用の2検体では、1日1
回の割合で、35mlの水を焼却灰層23上に供給し
た。焼却灰層23上の水は、日毎に枯れる状態となっ
た。
【0054】カラム21を用いて、上記の要領で実際の
埋立焼却灰の状況を再現した状態で、カラム21の排水
口25から、カラム21内の焼却灰層23を浸透して浸
出してきた水(浸出水)を採取して、浸出水量、浸出水
中の電気伝導度をそれぞれ測定した。
【0055】図5には、浸出水量の経時変化を示した。
なお、図5では、水封処理用の2検体の結果を、水封−
1、水封−2として示し、非水封処理用の2検体の結果
を対照−1、対照−2としてそれぞれ示した。かかる表
示は、図6に示す場合も同様である。
【0056】図5からは、水封処理した場合には、当初
浸出水量が大きくなるが、水封後10日で非水封処理の
場合と同程度の浸出水量となり、その後、水封処理の場
合の方が浸出水量が少なくなることが確認された。
【0057】また、図6からは、焼却灰を締固めた場合
には、水封処理で水を浸透させた場合の方が、水を散水
する場合に比べて、速やかに電気伝導度(EC)が低下
することが確認される。水封−1、水封−2とも、20
日経過後は、対照−1、対照−2よりも電気伝導度が小
さくなっていることが確認される。
【0058】さらに、浸出水中の塩類濃度が、安定化し
たと見做せる電気伝導度を、例えば、2S/m(20m
S/cm)と設定すれば、水封−1、2の場合の方が2
4日でその値にまで下がるが、対照−1、2の場合は3
2〜34日もかかることが分かる。すなわち、本発明を
適用した場合の方が、実験では、8〜10日も安定化に
至るまでの期間短縮ができることが確認される。
【0059】すなわち、焼却灰の締固めと、水封処理と
を併用する場合には、浸出水中の塩類濃度の低減期間、
すなわち安定化期間を短縮することができることが分か
る。その結果、かかる浸出水の処理期間を、かかる構成
を採用しない従来構成に比べて本発明では、短縮するこ
とができる。その結果、閉鎖方式の焼却灰埋立場の跡地
利用を円滑に行うことができる。
【0060】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲で必要に応じて
変更してもよい。
【0061】例えば、上記説明では、焼却灰の埋立構造
として、堤を焼却灰で形成する場合について説明した
が、例えば、プラスチック板などの遮水壁をその下端側
を焼却灰中に差し込むなどして堤を形成するようにして
も構わない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、閉鎖方式における焼却
灰への洗浄水の給水に基づく浸出水処理期間を短縮する
ことができる。そのため、その分、閉鎖方式における埋
立場の跡地利用を円滑に進めることができる。
【0063】本発明によれば、閉鎖方式における焼却灰
への洗浄水の給水方式を、スプリンクラー方式などの従
来方式とは異なり、水を埋立焼却灰上に溜めて水封する
構成で簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】閉鎖方式の焼却灰埋立場を示す断面説明図であ
る。
【図2】(A)〜(C)は、本発明の埋立焼却灰の処理
方法の手順を示す経過説明図である。
【図3】本発明の埋立焼却灰の処理方法を、複数の処理
区画に順次適用する場合を示す説明図である。
【図4】本発明の有効性を検証するために用いたカラム
への焼却灰の充填状況を示す説明図である。
【図5】本発明の適用時における浸出水量の経時変化を
示すグラフである。
【図6】本発明の適用時における浸出水中の電気伝導度
の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 焼却灰埋立場 11 埋立地 12 建屋 13 遮水シート 14 排水層 15 集水管 16 堤 17 水溜部 21 カラム 22 排水層 23 焼却灰層 24 給水部 25 排水口 A 焼却灰 W 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 太郎 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目25番2号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 佐竹 英樹 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目25番2号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 酒向 信一 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目25番2号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 久芳 良則 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社栃木事業所内 (72)発明者 森 一樹 福岡県大牟田市小浜町1−2−1 三井鉱 山株式会社西日本エンジニアリングセンタ ー内 (72)発明者 毛塚 博明 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社栃木事業所内 (72)発明者 菊地 理 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社栃木事業所内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AB10 BB03 CA34 CA40 CC03 DA02 DA03 DA12 DA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された
    焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であっ
    て、 前記水は、前記焼却灰の上面に溜められた状態で浸透さ
    せることを特徴とする埋立焼却灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の埋立焼却灰の処理方法に
    おいて、 前記焼却灰の上面に溜められた前記水の水位低下が、2
    〜5mm/日となるように、前記焼却灰の締固め、前記
    水の供給の少なくともいずれかを管理することを特徴と
    する埋立焼却灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された
    焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であっ
    て、 前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前記焼却灰の
    最大乾燥密度まで締固めることを特徴とする埋立焼却灰
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された
    焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であっ
    て、 前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、前記焼却灰の
    飽和透水係数が、1×10-5≧飽和透水係数>1×10
    -7となるように締固めることを特徴とする埋立焼却灰の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 雨水の浸透を防止すべく埋立処理された
    焼却灰に水を浸透させる埋立焼却灰の処理方法であっ
    て、 前記焼却灰は、前記水を浸透させる前に、撒き出し厚2
    0〜40cmで、前記撒き出し厚における嵩比重が1.
    7〜1.9g/cm3となるように締固めることを特徴
    とする埋立焼却灰の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれか1項に記載
    の埋立焼却灰の処理方法において、 前記焼却灰に水を浸透させるには、前記焼却灰上に水を
    溜めた状態にして浸透させることを特徴とする埋立焼却
    灰の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の埋立焼却灰の処理方法において、 前記焼却灰は複数の区域に区画され、複数の各区画毎
    に、前記埋立焼却灰の処理方法が行われることを特徴と
    する埋立焼却灰の処理方法。
  8. 【請求項8】 埋立られた焼却灰の上面には、水を溜め
    る水溜部が設けられていることを特徴とする焼却灰の埋
    立構造。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の焼却灰の埋立構造におい
    て、 前記水溜部は、埋立られた焼却灰の上面に、前記焼却灰
    からなる堤を設けて形成されていることを特徴とする焼
    却灰の埋立構造。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の焼却灰の埋立
    構造は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の埋立
    焼却灰の処理方法に使用されることを特徴とする焼却灰
    の埋立構造。
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CN116140322A (zh) * 2022-09-22 2023-05-23 江苏生久环境科技有限公司 一种垃圾场飞灰填埋方法

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