JP3961450B2 - 画像形成装置、画像形成装置用プログラムおよび画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置用プログラムおよび画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スキャナで原稿を読み取り、カラー画像信号に変換する場合には、入力される光を1画素毎にR(赤)、G(緑)、B(青)の3色成分に分解し、これら3色成分の画素値の差にもとづいて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イェロー)の3色成分で表現すべきカラー画素であるか、あるいは黒色成分K(ブラック;黒)で表現すべき無彩色の画素であるかが判定される。それにより、各画素は、CMYの3色成分の画素値または黒色成分の画素値で表現されることとなる。このように、原稿がカラー画像であっても、あるいは無彩色画像であっても、一旦はRGBの3色成分による表現に変換され、その後にCMYの3色成分またはK成分による表現へと変換される。
【0003】
このため、スキャナに用いられるレンズやCCD等の受光素子の精度が十分でないために、1画素に対応する原稿の1点の画像をRGB3色成分へ変換するはずのものが、RGBのいずれかの成分が、その1点の周辺位置の画像を変換する場合がある。また、原稿がCMYの3色インクを用いて黒色をも表現している場合に、同一点に印刷されるべき3色のインクが、互いに微妙にずれて印刷される場合がある。このような色ずれの生じた原稿をスキャナで読み取る場合に、本来無彩色である一点が同一の点として判断されず、3色の点として読み取られ、CMY3色成分へと変換される場合がある。
【0004】
また、上記のように読み取り時、あるいは印刷時にずれを生じる複写機を用いて複写した原稿を再度複写すると、本来無彩色である画素の3色成分への分離が拡大することとなる。複写の回数を重ねる毎に、この分離は拡大してゆく。その結果、元原稿が無彩色の原稿であっても、複写を繰り返すことにより、3色に分離されたカラー画像が印刷されることとなる。
【0005】
画像読み取りの際の色成分ごとの感度の相違を補正する技術については、例えば特許文献1に開示されている。しかしながら、特許文献1は、上記のような読み取り位置のずれ、あるいは印刷位置のずれに起因する色分離を解消する技術を開示するものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−313841号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、読み取り位置のずれ、あるいは印刷位置のずれに起因して3色成分で表現された無彩色画像を黒色成分による表現に戻すことを可能にする画像形成装置、画像形成装置用プログラムおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像形成装置であって、入力画像の各画素が3色成分又は黒色成分の多階調で表現された画像信号を取り込む画像信号入力手段と、前記画像信号入力手段が取り込んだ前記画像信号に対し、隣接する複数画素毎に各画素の3色成分又は黒色成分の各画素値の和を算出する加算手段と、前記加算手段が算出した前記3色成分の各画素値の和から、各画素に表現された3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であると判定されたときに、前記3色成分の各画素値を黒色成分の画素値へ変換し、その複数画素の少なくとも一部に振り分ける変換手段と、を備えるものである。
【0009】
この発明によれば、隣接する複数画素毎に画素値の和が算出され、この和の3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であるときに、これら3色成分が黒色成分へ変換され、その複数画素の少なくとも一部、すなわち1画素、いくつかの画素、あるいは複数画素のすべてに振り分けられるので、本来無彩色である画像部分が、原稿の印刷インクのずれ、あるいは画像を読み取って画像信号を得る際の読み取り位置のずれに起因して、3色成分に分離して表現された場合であっても、これを本来の黒色成分による表現へ戻すことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記複数画素が、主走査方向および副走査方向に沿った格子によって仕切られる矩形要素内の画素からなるものである。
【0011】
この発明によれば、黒色化の単位となる複数画素が、例えば2×2画素、3×4画素、あるいは2×1画素など、主走査方向および副走査方向に沿った格子によって仕切られる矩形要素の画素からなるので、黒色化の単位が簡潔明瞭であり、加算手段および変換手段を簡素に構成することができる。なお、この発明において、「矩形要素」とは、2×2画素、3×4画素のように、二方向それぞれに複数の画素が並ぶ要素だけでなく、2×1画素、1×4画素のように、一方向には1画素しかない要素をも包含する意味で用いている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、前記変換手段は、前記3色成分の間で画素値の差がいずれも閾値未満であるときに、前記3色成分を黒色成分へ変換するものである。
【0013】
この発明によれば、3色成分の間で画素値の差がいずれも閾値未満であるときに黒色成分への変換が行われるので、黒色化すべきか否かの判定を容易に行うことができる。すなわち、変換手段を簡素に構成することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記変換手段は、前記黒色成分の振り分けを、前記複数画素のすべてに行い、かつ前記複数画素の間で黒色成分の画素値の差がいずれも1以内となるように行うものである。
【0015】
この発明によれば、黒色成分の複数画素への振り分けが、複数画素のすべてに行われ、しかも複数画素の間で黒色成分の画素値の差がいずれも1以内となるように行われるので、複数画素の間で黒色成分の画素値が平均化される。その結果、精細な画像が得られる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、画像形成装置用プログラムであって、画像形成装置を、入力画像の各画素が3色成分又は黒色成分の多階調で表現された画像信号を取り込む画像信号入力手段と、前記画像信号入力手段が取り込んだ前記画像信号に対し、隣接する複数画素毎に各画素の3色成分又は黒色成分の各画素値の和を算出する加算手段と、前記加算手段が算出した前記3色成分の各画素値の和から、各画素に表現された3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であると判定されたときに、前記3色成分の各画素値を黒色成分の画素値へ変換し、その複数画素の少なくとも一部に振り分ける変換手段として機能させるものである。
【0017】
この発明によれば、画像形成装置が前記各手段として機能するので、本来無彩色である画像部分が、原稿の印刷インクのずれ、あるいは画像を読み取って画像信号を得る際の読み取り位置のずれに起因して、3色成分に分離して表現された場合であっても、これを本来の黒色成分による表現へ戻すことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、画像形成方法であって、入力画像の各画素が3色成分又は黒色成分の多階調で表現された画像信号を取り込む画像信号入力工程と、前記画像信号入力工程で取り込んだ前記画像信号に対し、隣接する複数画素毎に各画素の3色成分又は黒色成分の各画素値の和を算出する加算工程と、前記加算工程で算出した前記3色成分の各画素値の和から、各画素に表現された3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であると判定されたときに、前記3色成分の各画素値を黒色成分の画素値へ変換し、その複数画素の少なくとも一部に振り分ける変換工程と、を備えるものである。
【0019】
この発明によれば、画像形成方法が前記各工程を備えるので、本来無彩色である画像部分が、原稿の印刷インクのずれ、あるいは画像を読み取って画像信号を得る際の読み取り位置のずれに起因して、3色成分に分離して表現された場合であっても、これを本来の黒色成分による表現へ戻すことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明による画像形成装置の一実施形態としてのディジタル複写機の機械的構成を主に示す側断面概略図の一例である。ディジタル複写機1は、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0021】
操作部400は、タッチパネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401は、拡縮率の設定用画面を含む種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、印刷部数等を入力するために用いられる。
【0022】
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0023】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、中間転写体ローラ204、感光体ドラム205、露光装置206、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置207Y,207M,207C,207K、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210を備える。
【0024】
感光体ドラム205は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム205に各色別に静電潜像を形成する。現像装置207Y,207M,207C,207Kは、各色の現像剤を感光体ドラム205に供給して各色別のトナー画像を形成する。中間転写体ローラ204は、感光体ドラム205から各色のトナー像を転写され、中間転写体ローラ204上にカラーのトナー像が形成される。
【0025】
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に中間転写体ローラ204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0026】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0027】
図2は、図1に示すディジタル複写機1の電気的構成を主に示すブロック図の一例である。ディジタル複写機1は、スキャナ部11、プリンタ部21、操作パネル部31、制御部41、パラレルI/F部51、シリアルI/F部52及びHDD(ハードディスクドライブ)53を備えている。また、ディジタル複写機1は、パラレルI/F部51およびシリアルI/F部52とともに、無線LAN等の図示しないネットワークインタフェース部をも備えている。
【0028】
スキャナ部11は、図1に示す第1スキャナ501を構成する照明用光源12及びイメージセンサ13を含む。イメージセンサ13は、例えばCCD(電荷結合素子)を備える。スキャナ部11は、照明用光源12により原稿を照射し、その反射光をイメージセンサ13で各色毎に受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する各色の画像データ(画像情報に相当する)を制御部41へ出力する。
【0029】
プリンタ部21は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部22、図1に示す中間転写体ローラ204、感光体ドラム205、露光装置206及び現像装置207Y,207M,207C,207K等から構成される画像形成部23、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部24、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部25を含む。具体的には、用紙搬送部22は記録紙を画像形成部23へ搬送し、画像形成部23は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部24はトナー像を記録紙に転写し、定着部25はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0030】
操作パネル部31は、図1に示すタッチパネル401等から構成されるタッチパネル部32、及び図1に示すスタートキー402及びテンキー403等から構成される操作キー部33を含む。操作パネル部31は、ユーザがコピー機能に関する操作を行なうために使用され、ユーザによる操作指令等を制御部41に与える。タッチパネル部32は、タッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面、例えば、拡縮率設定等に関する情報を表示するとともに、ユーザが当該部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン等を表示する。操作キー部33は、ユーザが印刷実行指令等を入力するために用いられる。
【0031】
制御部41は、マイクロコンピュータ及び専用のハードウェア回路等を内蔵し、装置全体の動作を制御するものである。制御部41は、複数ページの読み取り画像情報に対して、ページ毎に所定(例えば、圧縮、回転、濃度変更等)の加工処理を施すものであって、読み取り画像情報の読出し及び加工処理後の画像情報の書き込みを制御するものである。なお、加工処理の種類は、タッチパネル部32からの入力が受け付けられて選択される。
【0032】
HDD53は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式及び種々の画像処理(加工処理)後の画像データ等を記憶するものである。なお、画像データのHDD53への書き込み及びHDD53からの画像データの読出しは、制御部41からの指令に従って実行される。パラレルI/F部51およびシリアルI/F部52、さらに無線LAN等の図示しないネットワークインタフェース部は、データの入出力を行うためのインタフェースである。
【0033】
図1および図2に示した画像形成装置は、上記の通りディジタル複写機として構成されている。一般に画像形成装置は、複写機のみならず、プリンタ機、ファクシミリ装置等、画像または画像信号の入力および出力を行う装置を広く包含するものである。したがって、一般に画像形成装置には、画像信号を取り込む画像入力部、画像または画像信号を出力する画像出力部、およびそれらを制御する制御部が設けられている。画像入力部は、画像が記録された記録紙から画像を読み取るスキャナ部11および画像信号を受信する画像信号受信部のうちの少なくとも1を有しており、画像出力部は、画像を記録紙に記録する印画部(例えばプリンタ部21)および画像信号を送信する画像信号送信部のうち少なくとも1を有している。例えば、プリンタ機であれば画像信号受信部と印画部とが設けられており、ファクシミリ装置であれば、スキャナ部と画像信号送信部とが設けられている。
【0034】
(制御部の構成)
図3は、本発明による画像形成装置の制御部の一実施形態を示すブロック図である。制御部100は、例えばディジタル複写機1の制御部41である。制御部100には、CPU(中央処理装置)101、CPU101の動作を規定するプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)等のプログラムメモリ102、画像信号を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の画像メモリ103、およびそれらを接続するバスライン104が設けられている。
【0035】
図4は、色分離を解消する機能に着目した制御部100のブロック図である。図4が示すように、制御部100は、画像信号入力部111、加算部112および変換部113を備えている。画像信号入力部111は、スキャナ(例えばスキャナ部11)で読み取られ、CMY3色成分またはK成分で表現された画像信号を入力する装置部分であってもよく、プリンタ装置としての画像形成装置に外部から送信されCMY3色成分またはK成分で表現された画像信号を入力する画像信号受信部であってもよい。これら各部の機能については、後述する処理手順の説明の中で併せて説明する。
【0036】
(制御部の動作)
図5は、色分離を解消するための制御部100の処理の手順を示すフローチャートである。処理が始まると、まず画像信号入力部111は、画像信号を取り込む(ステップS1)。この画像信号は、図6が例示するように、CMY3色成分またはK成分で画像を表現している。図6は、主走査方向xおよび副走査方向yに沿って配列する画素120のうち、6×4画素分を描いており、各画素120についてCMY成分毎の画素値、またはK成分の画素値を例示している。
【0037】
図6の左上に凡例として示すように、各画素120に付される数値は、左上欄がK成分、右上欄がC成分、右下欄がY成分、左下欄がM成分を表している。図6の例では、各画素値は256階調で表現されており、画素値が高いほど各色成分の濃度が高いことを表している。また、各画素120を、主走査方向xに沿って付された番号および副走査方向yに沿って付された番号で識別することとする。例えば、(1,1)画素は図6中に配列する6×4画素のうち最左かつ最上に位置する画素を表し、(6,4)画素は最右かつ最下に位置する画素を表す。
【0038】
図6の例では、(1,1)画素は、K成分で表現されており、その画素値は10である。図6において、K成分で表現された画素にはハッチングを付している。ハッチングの付されない画素、すなわちCMY3成分で表現された画素のうち、例えば(2,1)画素では、C成分の画素値が10であり、Y成分およびM成分の画素値はともに0である。CMY3成分で表現された画素には、カラーの画像部分であって本来CMY3成分で表現すべきものに加えて、本来K成分で表現されるべき無彩色の画像部分であって原稿の印刷インクのずれ、あるいは画像を読み取って画像信号を得る際の読み取り位置のずれに起因して、3色成分に分離して表現されたものも含まれる。図5の処理は、後者の画素を判別して、本来のK成分による表現へと戻すことを目的とするものである。
【0039】
図5のステップS1の処理が終了すると、図7に例示するように、取り込まれた画像信号に対して、主走査方向xおよび副走査方向yに沿った格子によって、画素120がグループ分けされる(ステップS2)。この処理は加算部112によって行われる。図7の例では、格子の間隔は主走査方向xに2画素であり、副走査方向yに2画素である。これによって、隣り合う2×2画素が一つのグループに属する。図7において、同一のグループは矩形の枠で囲まれている。
【0040】
格子の間隔は、一般には、主走査方向xと副走査方向yとのいずれについても1画素以上であり、少なくとも一方については複数画素以上となるように設定される。したがって各グループは、3×4画素、あるいは2×1画素のように、一般には矩形要素内に配列する複数の画素からなる。言い換えると、各グループは主走査方向xおよび副走査方向yにマトリクス状に配列する画素からなる。
【0041】
加算部112は、ステップS2においてマトリクスを構成するように画素120のグループ分けを行った後、マトリクス内の各色成分の画素値を加算する(ステップS3)。図7には、加算した結果が描かれている。例えば、図7の最左かつ最上に位置するグループ、すなわち(1,1)画素、(2,1)画素、(1,2)画素および(2,2)画素からなるグループでは、K成分の加算値は(1,1)画素のK成分の値がそのまま反映された10であり、C成分の加算値は、専ら(2,1)画素からの寄与による10であり、Y成分の加算値は、専ら(2,2)画素からの寄与による10であり、M成分の加算値は、専ら(1,2)画素からの寄与による10である。
【0042】
図5に戻って、ステップS3の処理が終了すると、変換部113によってステップS4〜S8の処理が行われる。まずステップS4では、加算後のCMY3色成分の間で3通りの画素値の差(すなわちC成分とM成分との差、M成分とY成分との差、およびY成分とC成分との差)がいずれも、予め定められた閾値未満であるか否かが判定される。変換部113は、判定の結果において、いずれの差も閾値未満であるときには、そのグループに属する画素は本来無彩色の画素であると判定し、CMY3色成分の画素値をK成分の画素値へ変換する(ステップS5)。
【0043】
図8は、ステップS5の処理を例示している。閾値は、例えば256階調の場合には10以下になるように設定するのが望ましく、図8の例では6に設定されている。図8において、(1,1)(2,1)(1,2)および(2,2)画素からなるグループでは、3通りの差はいずれも0であって閾値未満であるので、CMY3色成分の画素値がK成分の値に変換されている。図8の例では、変換はCMY3色成分の平均値がK成分の画素値に上積みされる形式で行われる。したがって、このグループでは、K成分の画素値は20となっている。
【0044】
図5に戻って、黒データの生成処理(ステップS5)が終了すると、変換部113は黒データの分配処理(ステップS6)を行う。すなわち、変換されたK成分の画素値が、グループ内の各画素のK成分に振り分けられる。図9は、ステップS6の処理を例示している。図9において、黒データの生成が行われた(1,1)(2,1)(1,2)および(2,2)画素からなるグループでは、20というK成分の画素値が、4つの画素に均等に振り分けられている。
【0045】
同じく黒データの生成が行われた(5,1)(6,1)(5,2)および(6,2)画素からなるグループでは、21というK成分の画素値が、最も均等に近くなるように、すなわちグループ内の画素の間でK成分の画素値の差がいずれも1以内となるように振り分けられる。図9の例では、各画素に均等に振り分けが行われた後、端数があれば、最左かつ最上に位置する画素から順に時計回りに端数の振り分けが行われる。例えば上記の(5,1)(6,1)(5,2)および(6,2)画素からなるグループでは、(5,1)画素のK成分に6が付与され、残る3画素には5が付与されている。また、(1,3)(2,3)(1,4)および(2,4)画素からなるグループでは、(1,3)画素と(2,3)画素のK成分に4が付与され、残る2画素には3が付与されている。
【0046】
図5に戻って、変換部113は、ステップS4の判定において、いずれかの差が閾値以上であるときには、そのグループに属する画素は本来カラーの画素であると判定し、黒データの生成は行わない。ステップS4〜S6の処理が終了すると、判定部124は画像信号を出力する(ステップS7)。この画像信号は、ステップS5およびS6による変換が行われた画素については、変換後の画素値が出力され、変換が行われなかった画素については、ステップS1で入力された画素値がそのまま出力される。例えば図9の(3,1)画素については、CMY3色成分として、入力された値(図6)と同一の5,10,5が出力される。
【0047】
つづくステップS8では、すべてのマトリクス、すなわち格子で区分けされたグループのすべてについてステップS4〜S7の処理が終了しているか否かが判定される。終了していると判定されると、図5の処理はすべて終了し、未終了と判定されると処理はステップS4へ戻る。すなわち、ステップS4〜S8の処理が、グループ毎に行われ、すべてのグループについて処理が終了するまで反復される。このようにして、入力された画像信号のうち、本来無彩色画像であるにもかかわらず、原稿の印刷インクのずれ、あるいは画像を読み取って画像信号を得る際の読み取り位置のずれに起因して3色成分で表現された部分が、黒色成分への表現に戻される。
【0048】
ステップS4〜S8の処理をグループ毎に実行する代わりに、図5において点線で示すように、ステップS3〜S8の処理をグループ毎に行っても良い。さらには、ステップS4〜S6の処理をグループ毎に行い、ステップS7の出力処理は、すべての画素について一括して行っても良い。
【0049】
(変形例)
ステップS6の工程で、K成分の画素値が同一グループ内のすべての画素に最も均等になるように振り分ける例を示したが、グループ内の一つの画素にK成分の画素値をすべて付与しても良い。あるいは、いくつかの画素(例えば2つの画素)のみに振り分けを行っても良い。ただし、すべての画素に最も均等になるように振り分けを行う形態は、得られる画像の精細さという観点からは最も望ましい。
【0050】
ステップS4〜S6の処理は、差の算出、比較、黒データ生成、黒データ分配という演算を逐一行う代わりに、加算後のCMY3色成分およびK成分のすべての組合せパターンに対して、グループ内の画素への振り分け後の画素値をあらかじめルックアップテーブルとして準備しておいて、このルックアップテーブルを参照することにより、ステップS4〜S6の処理を一挙に行っても良い。ルックアップテーブルは、例えばプログラムメモリ102(図3)に格納しても良く、別途新たにメモリを準備し、これに格納しても良い。
【0051】
また、ステップS4では、グループ内の画素値の和について、3色成分の3通りの差を算出し、これらの差を閾値と比較する例を示したが、これは3色成分の無彩色からの偏りが、予め定められた基準未満であるか否かを判定する一例に該当する。この例は、判定のための演算が簡潔であり判定を容易に行い得るという利点があるが、他の形態を採用してもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、隣接する複数画素毎に画素値の和が算出され、この和の3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であるときに、これら3色成分が黒色成分へ変換され、その複数画素の少なくとも一部に振り分けられるので、本来無彩色である画像部分が、原稿の印刷インクのずれ、あるいは画像を読み取って画像信号を得る際の読み取り位置のずれに起因して、3色成分に分離して表現された場合であっても、これを本来の黒色成分による表現へ戻すことができる。したがって、この発明はカラー複写物の再複写への利用、3色インクのみで表現された印刷物の複写への利用、あるいは精度の低い安価なレンズやCCD等を有するスキャナを用いた複写への利用などに適する。また、例えば無彩色で印刷された元原稿を複数回複写した結果、3色に分離したカラー画像で印刷されてしまった原稿を、黒色インクのみで表現された本来の画像に戻すことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の一実施形態を示す側断面概略図である。
【図2】 図1の画像形成装置のブロック図である。
【図3】 本発明の情報処理装置の一実施形態における制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】 図3の制御部の機能ブロック図である。
【図5】 図3および図4の制御部による処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】 図5の処理の説明図である。
【図7】 図5の処理の説明図である。
【図8】 図5の処理の説明図である。
【図9】 図5の処理の説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
111 画像信号入力部
112 加算部
113 変換部
120 画素
x 主走査方向
y 副走査方向
Claims (6)
- 入力画像の各画素が3色成分又は黒色成分の多階調で表現された画像信号を取り込む画像信号入力手段と、
前記画像信号入力手段が取り込んだ前記画像信号に対し、隣接する複数画素毎に各画素の3色成分又は黒色成分の各画素値の和を算出する加算手段と、
前記加算手段が算出した前記3色成分の各画素値の和から、各画素に表現された3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であると判定されたときに、前記3色成分の各画素値を黒色成分の画素値へ変換し、その複数画素の少なくとも一部に振り分ける変換手段と、を備える画像形成装置。 - 前記複数画素が、主走査方向および副走査方向に沿った格子によって仕切られる矩形要素内の画素からなる請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記変換手段は、前記3色成分の間で画素値の差がいずれも閾値未満であるときに、前記3色成分を黒色成分へ変換する請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記変換手段は、前記黒色成分の振り分けを、前記複数画素のすべてに行い、かつ前記複数画素の間で黒色成分の画素値の差がいずれも1以内となるように行う請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置を、
入力画像の各画素が3色成分又は黒色成分の多階調で表現された画像信号を取り込む画像信号入力手段と、
前記画像信号入力手段が取り込んだ前記画像信号に対し、隣接する複数画素毎に各画素の3色成分又は黒色成分の各画素値の和を算出する加算手段と、
前記加算手段が算出した前記3色成分の各画素値の和から、各画素に表現された3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であると判定されたときに、前記3色成分の各画素値を黒色成分の画素値へ変換し、その複数画素の少なくとも一部に振り分ける変換手段として機能させる画像形成装置用プログラム。 - 入力画像の各画素が3色成分又は黒色成分の多階調で表現された画像信号を取り込む画像信号入力工程と、
前記画像信号入力工程で取り込んだ前記画像信号に対し、隣接する複数画素毎に各画素の3色成分又は黒色成分の各画素値の和を算出する加算工程と、
前記加算工程で算出した前記3色成分の各画素値の和から、各画素に表現された3色成分の無彩色からの偏りが基準未満であると判定されたときに、前記3色成分の各画素値を黒色成分の画素値へ変換し、その複数画素の少なくとも一部に振り分ける変換工程と、を備える画像形成方法。
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