JP3961145B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機等の遊技機に関し、特に、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、可変表示装置における表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、表示状態が変化可能な可変表示部を有する可変表示装置が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に遊技者に有利となる大当り遊技状態に移行するように構成されたものがある。可変表示装置には複数の可変表示部があり、通常、複数の可変表示部の表示結果を時期を異ならせて表示するように構成されている。可変表示部には、例えば、特別図柄が可変表示される。
【0003】
可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることである。
【0004】
大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、所定回数に達していなくても大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、「大当り」の組合せ以外の「はずれ」の表示態様の組合せのうち、複数の可変表示部の表示結果のうちの一部が未だに導出表示されていない段階において、既に表示結果が導出表示されている可変表示部の表示態様が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている状態を「リーチ」という。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
遊技機には、所定の条件が成立すると、大当りを発生させる確率を向上させるものがある。所定の条件が成立するのは、例えば、特別図柄の停止図柄の組み合わせが所定の図柄(確変図柄)の組み合わせとなった場合である。大当りを発生させる確率が向上している状態を確率変動(確変)状態と呼ぶ。確変状態に移行する機能を有する遊技機では、遊技者は、確変状態に移行する条件となる特別図柄の組み合わせをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0007】
また、遊技機には普通図柄を可変表示するものがある。普通図柄は、特別図柄に比較すると簡易な図柄や数字である。そして、所定の条件が成立すると普通図柄の可変表示が開始され、停止図柄が当たり図柄に一致すると、いわゆる電動役物が開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。この場合、上述した確変状態では普通図柄の可変表示期間が短縮されたり電動役物の開放時間が長くされたりすることもある。その他にも、確変状態とそうでない状態とでは異なる遊技制御がなされる場合がある。
【0008】
なお、上述した各遊技制御は遊技制御手段によって実行され、遊技制御手段は一般にマイクロコンピュータを含む構成になっているのでは、各遊技制御はマイクロコンピュータが実行するプログラムによって実現される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
通常、遊技機に搭載可能なプログラム格納領域(ROM)の容量には制限があるので、各遊技制御を実現するためのプログラム量を少なくすることができれば、全体としてより複雑な演出の遊技を実現することができる。しかし、一般にプログラム容量を圧縮しようとすると、プログラム内容が複雑化する傾向がある。より短いステップ数で各機能を実現しようとするからである。プログラム内容が複雑化すると、ある機種のプログラムを他機種に流用することが難しくなってくる。
【0010】
遊技機開発の期間は短いことが好ましいが、プログラムの流用を容易にすることができれば、結果として遊技機開発期間を短縮できる。しかしながら、より遊技効果の高い演出を実現しようとすると、上述したような理由からプログラムを他機種に流用することが難しくなる。以上のことから、より複雑な遊技演出を実現できるプログラムを低容量で実現でき、かつ、そのプログラムを容易に変更可能なように構成することは、遊技機において大きな課題になっている。
【0011】
そこで、本発明は、プログラム容量が低減され、かつプログラム変更も容易になる遊技制御手段を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者の操作にもとづいて遊技を行うとともに遊技の結果が所定の態様になったときに遊技者に有利な特定遊技状態に移行可能な遊技機であって、遊技の進行を制御するCPUはROMに格納されている遊技制御プログラムにもとづいて遊技制御を行い、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を生じやすい特別遊技状態のときに遊技制御を行うプログラム部分で使用される複数のパラメータ値がROMの第1の格納領域に格納され、特別遊技状態以外の通常状態のときに遊技制御を行うプログラム部分で使用される複数のパラメータ値がROMの第2の格納領域に格納され、CPUは、状態の切り替えにより値が変化するパラメータ値を、通常状態から特別遊技状態に切り替えるタイミングで第1の格納領域から読み出し、特別遊技状態から通常状態に切り替えるタイミングで第2の格納領域から読み出して、RAMに設けられたパラメータ値格納領域に設定し、通常状態と特別遊技状態とのうちのいずれの状態であるかの判定を行わず同一アドレスのパラメータ値格納領域からパラメータ値を入手し、入手したパラメータ値にもとづいて遊技制御を行い、状態の切り替えにより値が変化しないパラメータ値の少なくとも一部については電源投入時にその値を前記パラメータ値格納領域に設定するように構成されている。
【0013】
ここで、パラメータ値格納領域は、連続エリアであってもよいし、飛び飛びの各領域からなるエリアであってもよい。また、パラメータ値格納領域は、全てRAM上に形成されてもよいが、電源投入時に値が設定される領域以外については固定的な設定値が格納されたROM領域とすることもできる。
【0015】
パラメータ値格納領域には、例えば、遊技媒体が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態とに可変可能な可変入賞球装置の動作条件を決めるための普通図柄の変動時間を特定可能な情報が含まれる。
【0016】
パラメータ値格納領域には、例えば、可変入賞球装置の動作時間が含まれる。
【0017】
パラメータ値格納領域には、例えば、特別遊技状態を示す発光体の点灯パターンを特定可能な情報が含まれる。
【0018】
リーチ状態を複数種類のうちから選択する選択手段を備え、パラメータ値格納領域には、選択手段がいずれのリーチ種類とするのか選択するためのリーチ選択用データが含まれるように構成されていてもよい。
【0019】
パラメータ値格納領域には、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態(例えば大当り状態)を発生させるか否か判定するための判定値は含まれないことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機等であってもよい。
【0021】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0022】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。
【0023】
通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0024】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
【0025】
可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0026】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。
【0027】
そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0028】
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字(普通図柄)が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄(特別図柄)の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。なお、始動入賞記憶については、後で詳しく説明する。
【0029】
可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。この継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0030】
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態(確変状態)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0031】
また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0032】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
可変表示装置8の背面では、図2に示すように、機構板36の上部に景品玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から景品玉が景品玉タンク38に供給される。景品玉タンク38内の景品玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に至る。
【0033】
機構板36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、可変表示制御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、および景品玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37が設置されている。さらに、機構板36には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカ27および遊技効果ランプ・LED28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設置されている。
【0034】
また、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。遊技盤6の裏面には、図3に示すように、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー40が設けられている。入賞玉集合カバー40に導かれる入賞玉のうち、開閉板20を経て入賞したものは、玉払出装置97が相対的に多い景品玉数(例えば15個)を払い出すように制御される。始動入賞口14を経て入賞したものは、玉払出装置(図3において図示せず)が相対的に少ない景品玉数(例えば6個)を払い出すように制御される。そして、その他の入賞口24および入賞球装置を経て入賞したものは、玉払出装置が相対的に中程度の景品玉数(例えば10個)を払い出すように制御される。なお、図3には、中継基板33が例示されている。
【0035】
賞球払出制御を行うために、入賞球検出スイッチ99、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、主基板31に送られる。主基板31に入賞球検出スイッチ99のオン信号が送られると、主基板31から賞球基板37に賞球個数信号が送られる。入賞があったことは入賞球検出スイッチ99で検出されるが、その場合に、主基板31から、賞球基板37に賞球個数信号が与えられる。
【0036】
例えば、始動口スイッチ17のオンに対応して入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数信号に「6」が出力され、カウントスイッチ23またはVカウントスイッチ22のオンに対応して入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数信号に「15」が出力される。そして、それらのスイッチがオンしない場合に入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数信号に「10」が出力される。
【0037】
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動記憶表示器18の点灯および滅灯を行うとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
【0038】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0039】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
【0040】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路65と、定期的(例えば、2ms毎)に基本回路53にリセットパルスを与えてゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行させるための定期リセット回路66と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
なお、玉払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4ではそれらは省略されている。
【0041】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0042】
次に遊技機の動作について説明する。
図5は、主基板31における基本回路53の動作を示すフローチャートである。上述したように、この処理は、定期リセット回路66が発するリセットパルスによって、例えば2ms毎に起動される。基本回路53が起動されると、基本回路53は、まず、クロックモニタ制御を動作可能状態にするために、CPU56に内蔵されているクロックモニタレジスタをクロックモニタイネーブル状態に設定する(ステップS1)。なお、クロックモニタ制御とは、入力されるクロック信号の低下または停止を検出すると、CPU56の内部で自動的にリセットを発生する制御である。
【0043】
次いで、CPU56は、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行う(ステップS2)。この例では、スタックポインタに00FFHが設定される。そして、システムチェック処理を行う(ステップS3)。システムチェック処理では、CPU56は、RAM55にエラーが含まれているか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化するなどの処理を行う。
【0044】
次に、電源投入時であるか否かの確認を行う(ステップS21)。電源投入時であるならば、状態変数テーブル設定処理Aを実行する(ステップS22)。なお、状態変数テーブル設定処理Aについては、後で詳しく説明する。
【0045】
そして、表示制御基板80に送出されるコマンドデータをRAM55の所定の領域に設定する処理を行った後に(表示制御データ設定処理:ステップS4)、コマンドデータを表示制御コマンドデータとして出力する処理を行う(表示制御データ出力処理:ステップS5)。
【0046】
次いで、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処理:ステップS6)。また、ランプタイマを1減ずる処理を行い、ランプタイマがタイムアウトしたら(=0になったら)、ランプデータポインタを更新するとともに新たな値をランプタイマに設定する(ランプタイマ処理:ステップS7)。
【0047】
また、ランプデータポインタが示すアドレスのデータ、ホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理を行う(ステップS8)。さらに、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS9)。
【0048】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS10)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用=特別図柄決定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用=特別図柄判定用)
(4)ランダム4:はずれ時にリーチするか否か決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム5:大当り予告を行うか否か決定する(大当り予告用)
(6)ランダム6:リーチ種類を決定する(リーチ用)
【0049】
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。
ステップS10では、CPU56は、(1)の大当たり判定用乱数および(3)の大当り図柄判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数である。
【0050】
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS11)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS12)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0051】
さらに、CPU56は、スイッチ回路58を介して、各スイッチの状態を入力し、スイッチ状態に応じて必要な処理を行う(スイッチ処理:ステップS13)。また、後述するプロセスデータ中の音声データを音声制御基板70に送出する処理を行う(音声処理:ステップS14)。
【0052】
基本回路53は、さらに、表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS15)。すなわち、ランダム2,4,5,6を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。
【0053】
また、基本回路53は、賞球制御基板37との間の信号処理を行う(ステップS16)。すなわち、所定の条件が成立すると賞球制御基板37に賞球個数を示す賞球制御コマンドを出力する。賞球制御基板37に搭載されている賞球制御用CPUは、受信した賞球個数に応じて玉払出装置97を駆動する。
その後、基本回路53は、次に定期リセット回路66からリセットパルスが与えられるまで、ステップS17の表示用乱数更新処理を繰り返す。
【0054】
図7は、通常時(確変状態でないとき)と確変時とで異なる値が用いられる各種パラメータが設定されているテーブルの構成例を示す説明図である。テーブルはROM54に設けられている。図7(A)に示す電源投入時データテーブルには、上述した状態変数テーブル設定処理Aで扱われるデータが設定されている。また、図7(B)に示す通常時テーブルには、通常時に用いられるパラメータ(状態変数)値が設定されている。そして、図7(C)には、確変時に使用されるパラメータ値が設定されている。
【0055】
図7(B),(C)に示すように、この例では、普通図柄変動時間、普通電動役物開放時間(可変入賞球装置の開放時間)、はずれ変動短縮条件、枠ランプ点灯パターン、およびリーチ振り分けテーブルポインタのアドレスが例示されている。しかし、図7に示された各設定値は一例であって、通常時と確変時とで異なる値が用いられるその他のパラメータも設定される。
【0056】
なお、はずれ変動短縮条件とは、確変状態において、はずれとなる図柄の変動時間を短縮する機能を有する場合において、そのような短縮変動を行うための条件である。また、各状態におけるリーチ振り分け率はそれぞれに対応したリーチ振り分けテーブルに設定され、リーチ振り分けテーブルポインタのアドレスとは、そのようなリーチ振り分けテーブルを指定するためのポインタが格納されているアドレスである。
【0057】
図7(A),(B),(C)において、左側の16進数は設定値および転送アドレスが格納されているアドレスを示す。ただし、アドレスは、絶対的な値ではなく、先頭アドレスからの相対値として示されている。また、各パラメータには1バイトで表現されているものもあり複数バイトで表現されているものもあるが、図7では、理解を容易にするために、パラメータのバイト数は一律であるとされている。
【0058】
図7(A),(B),(C)に示されたデータ構成で特徴的なことは、各パラメータの設定値と転送先アドレスとがペアで設定されていることである。また、図7(B)に示されたデータ構成と図7(C)に示されたデータ構成とを比較すると、設定されているパラメータ値が異なっているが、対応するデータの位置(先頭アドレスからの相対的アドレス)は同じである。そして、図7(B)に示された通常時データテーブルには通常状態において用いられる各パラメータ値が設定値として設定されている。また、図7(C)に示された確変時データテーブルには確変状態において用いられる各パラメータ値が設定値として設定されている。
【0059】
図8は、RAM55上に形成される状態変数テーブルの構成例を示す説明図である。状態変数テーブルの内容は、上述した状態変数テーブル設定処理A、および後述する状態変数テーブル設定処理Bまたは状態変数テーブル設定処理Cにおいて設定される。各処理A,B,Cでは、各データテーブル内の設定値を、その設定の直後に設定されている転送アドレスに転送する。ここで、転送アドレスは、状態変数テーブルの各アドレスである。
【0060】
CPU56は、通常状態から確変状態に移行するときに、状態変数テーブル設定処理Cによって図7(C)に示す確変時データテーブルに設定されている各設定値を状態変数テーブルに設定する。また、確変状態から通常状態に戻るときに、状態変数テーブル設定処理Bによって図7(B)に示す通常時データテーブルに設定されている各設定値を状態変数テーブルに設定する。そして、通常状態と確変状態とでパラメータ値が同じものについては、電源投入時にのみ実行される状態変数テーブル設定処理Aによって電源投入時データテーブルに設定されている各設定値を状態変数テーブルに設定する。
【0061】
なお、状態変数テーブルには、大当りとするか否か決定するための大当り判定用乱数(図6参照)と比較される大当り判定値、および普通図柄による当りとするか否か決定するための普通図柄判定用乱数(図6において図示せず)と比較される当り判定値は含まれていない。
【0062】
図9は、図5に示されたメイン処理における状態変数テーブル設定処理A(ステップS22)の処理を示すフローチャートである。状態変数テーブル設定処理Aにおいて、CPU56は、まず、ポインタを電源投入時データテーブルの先頭アドレスに設定する(ステップS31)。そして、ポインタが指すアドレスのデータを読み込む(ステップS32)。読み込んだデータが終了コードであれば(ステップS33)、処理を終了する。
【0063】
終了コードでなければ、読み込んだデータを、ポインタが指すアドレスの次のアドレスに格納されている転送アドレスに転送する(ステップS34)。そして、ポインタの値を+2する(ステップS35)。+2されることによって、ポインタは、電源投入時データテーブルにおける次の設定値を格納したアドレスを指すことになる。
【0064】
ただし、この実施の形態では、通常時データテーブルにおける全てのパラメータ値は、対応する確変時データテーブルにおける各パラメータ値と異なっているので、電源投入時データテーブルには設定値は設定されていない。すなわち、この実施の形態では、電源投入時データテーブルには終了コードのみが設定されている。
【0065】
また、図9には示されていないが、状態変数テーブル設定処理Aの最後の部分で、処理済みフラグをセットしてもよい。その場合には、図5に示されたステップS21の処理において、処理済みフラグがセットされていない場合には電源投入時であると判断できる。
【0066】
図10は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS11の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、その内部状態に応じて、図10に示すステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0067】
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打球入賞して始動口センサ17がオンするのを待つ。始動口センサ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り判定用乱数を抽出する。
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り判定用乱数の値に応じて大当たりとするかはずれとするか決定する。
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。
【0068】
リーチ動作設定処理(ステップS303):リーチ判定用乱数の値に応じてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチ用乱数の値に応じてリーチ時の図柄の変動パターンを決定する。
【0069】
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動期間を指令する情報とが送信される。また、可変表示部9に背景やキャラクタも表示される場合には、それに応じた表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出されるように制御する。
【0070】
全図柄停止待ち処理(ステップS305):変動期間が終了するのを待ち、変動期間が経過すると、例えば、可変表示部9において表示される全図柄を停止すべきことを示す全図柄停止コマンドが表示制御基板80に送出されるように制御する。
【0071】
大当たり表示処理(ステップS306):停止図柄が大当たり図柄の組み合わせである場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。なお、大当たり図柄の組み合わせは、左右中図柄が揃った組み合わせである。また、左右図柄が揃うとリーチとなる。
【0072】
大入賞口開放開始処理(ステップS307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。
【0073】
大入賞口開放中処理(ステップS308):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の終了条件が成立していなければ内部状態をステップS307に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0074】
大当たり終了処理(ステップS309):大当たり遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0075】
よって、始動入賞口14に打球が入賞すると、基本回路53は、特別図柄プロセス処理において、大当たりとするかはずれとするか、停止図柄および変動パターンを決定するが、その決定に応じた表示制御コマンドを表示制御基板80の表示制御用CPU101に与える。表示制御用CPU101は、主基板31からの表示制御コマンドに応じて可変表示部9の表示制御を行う。
【0076】
次に、始動入賞口14への入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される図柄の決定方法について図11〜図12のフローチャートを参照して説明する。図11は打球が始動入賞口14に入賞したことを判定する処理を示し、図12は可変表示部9の可変表示の停止図柄を決定する処理を示す。
【0077】
打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口センサ17がオンする。図11に示すように、CPU56は、スイッチ回路58を介して始動口センサ17がオンしたことを判定すると(ステップS41)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS42)。
【0078】
始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS43)、大当り判定用乱数の値を抽出する。そして、それを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する(ステップS44)。なお、始動入賞記憶数が4に達している場合には、始動入賞記憶数を増やす処理を行わない。すなわち、この実施の形態では、最大4個の始動入賞口14に入賞した打球数が記憶可能である。
【0079】
図12に示すように、CPU56は、ステップS8の特別図柄プロセス処理において、図柄の変動を開始できる状態になると、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS50)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS52)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。
【0080】
そして、CPU56は、ステップS51で読み出した値、すなわち抽出されている大当り判定用乱数の値にもとづいて当たり/はずれを決定する(ステップS53)。ここでは、大当り判定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。その値が大当り判定値と一致した場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。ここで、確変状態時の大当り判定値の数は、通常状態時の大当り判定の数よりも多い。
【0081】
この実施の形態では、大当たりと判定されたときには、CPU56は、確変フラグをオフする(ステップS54)。すなわち、この例では、確変状態は、次の大当り発生まで継続する。そして、ここで、状態変数テーブル設定処理Bを実行する(ステップS55)。従って、状態変数テーブルに設定される値は、通常時の設定値になる。さらに、CPU56は、大当り予告を行うか否か決定する。すなわち、大当り予告用乱数(ランダム5)の値を抽出し、例えばその値が0または1ならば大当り予告を行うことに決定する(ステップS65)。
【0082】
また、リーチ用乱数(ランダム6)を抽出し、さらに、状態変数テーブルのアドレスeeee(図8参照)に設定されているリーチ振り分けテーブルポインタのアドレスを取得しそのアドレスに格納されているポインタの値を読み出してポインタが指すリーチ振り分けテーブルを参照する。そして、抽出したランダム6の値とリーチ振り分けテーブルに設定されている振り分け率とからリーチ種類を決定する(ステップS57)。
【0083】
ステップS53においてはずれと判定された場合には、CPU56は、リーチとするか否か判定する(ステップS58)。例えば、リーチ判定用の乱数であるランダム4の値が「105」〜「1530」のいずれかである場合には、リーチとしないと決定する。そして、リーチ判定用乱数の値が「0」〜「104」のいずれかである場合にはリーチとすることを決定する。リーチとすることを決定したときには、CPU56は、リーチ図柄の決定を行う。
【0084】
この実施の形態では、ランダム2−1の値に従って左右図柄を決定する(ステップS59)。また、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS60)。すなわち、ランダム2−1およびランダム2−2の値の0〜11の値に対応したいずれかの図柄が停止図柄として決定される。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の確定図柄として、大当たり図柄と一致しないようにする。
【0085】
さらに、CPU56は、大当り予告用乱数(ランダム5)の値を抽出し、例えばその値が0ならば大当り予告を行うことに決定する(ステップS66)。また、上述した方法によってリーチ種類を決定する(ステップS57)。
【0086】
ステップS58において、リーチしないことに決定された場合には、ランダム2−1〜2−3の値に応じて左右中図柄を決定する(ステップS61)。また、今の状態が確変状態であれば、状態変数テーブルのアドレスcccc(図8参照)に設定されている条件を入力し、条件に合致すれば変動パターンを期間短縮されたパターンとする(ステップS62)。
【0087】
以上のようにして、始動入賞にもとづく図柄変動の表示態様が大当たりとするか、リーチとするか、はずれとするか決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。なお、この実施の形態で用いられた乱数および乱数値の範囲は一例であって、どのような乱数を用いてもよいし、範囲設定も任意である。
【0088】
また、高確率状態において、次に大当たりとなる確率が上昇するとともに、7セグメントLEDによる可変表示器10の可変表示の確定までの時間が短縮され、かつ、可変表示器10の可変表示結果にもとづく当たり時の可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が高められるようにパチンコ遊技機1が構成されていてもよいし、可変表示器10の可変表示結果にもとづく当たりの確率が高くなるように構成されていてもよい。また、それらのうちのいずれか一つまたは複数の状態のみが生ずるパチンコ遊技機1においても本発明は適用可能である。
【0089】
すなわち、特別遊技状態とは、特別図柄による大当り確率が高められることによって遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を生じ易くする場合の他に、普通図柄の変動時間が短縮されることや普通図柄による当り確率が高められることによって遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を生じ易くする場合も含まれる概念である。
【0090】
図13は、状態変数テーブル設定処理B(ステップS55)の処理を示すフローチャートである。状態変数テーブル設定処理Bにおいて、CPU56は、まず、ポインタを通常時データテーブルの先頭アドレスに設定する(ステップS551)。そして、ポインタが指すアドレスのデータを読み込む(ステップS552)。読み込んだデータが終了コードであれば(ステップS553)、処理を終了する。
【0091】
終了コードでなければ、読み込んだデータを、ポインタが指すアドレスの次のアドレスに格納されている転送アドレスに転送する(ステップS554)。そして、ポインタの値を+2する(ステップS555)。従って、ポインタは、通常時データテーブルにおける次の設定値を格納したアドレスを指すことになる。
以上の処理によって、図7(B)に示された通常時データテーブル中の各設定値が状態変数テーブルに設定される。
【0092】
図14は、特別図柄プロセス処理におけるステップS309の主要な処理を示すフローチャートである。CPU56は、ステップS309において、確変図柄で大当たり(確変大当り)となったのかどうか判定する(ステップS309a)。確変大当りであれば、確変フラグをオンし(ステップS309b)、状態変数テーブル設定処理Cを実行する(ステップS309c)。
【0093】
図15は、状態変数テーブル設定処理C(ステップS309c)の処理を示すフローチャートである。状態変数テーブル設定処理Cにおいて、CPU56は、まず、ポインタを確変時データテーブルの先頭アドレスに設定する(ステップS391)。そして、ポインタが指すアドレスのデータを読み込む(ステップS392)。読み込んだデータが終了コードであれば(ステップS393)、処理を終了する。
【0094】
終了コードでなければ、読み込んだデータを、ポインタが指すアドレスの次のアドレスに格納されている転送アドレスに転送する(ステップS394)。そして、ポインタの値を+2する(ステップS395)。従って、ポインタは、確変時データテーブルにおける次の設定値を格納したアドレスを指すことになる。
以上の処理によって、図7(C)に示された確変時データテーブル中の各設定値が状態変数テーブルに設定される。
【0095】
図16(A)は、遊技制御プログラム中で、図8に示されたような状態変数テーブルに設定されている各パラメータを扱う部分の処理を示すフローチャートである。上述した例では、例えば、図12に示されたステップS57やS62の処理において、状態変数テーブルに設定されているパラメータが扱われている。
【0096】
図16(A)に示されたように、CPU56は、状態変数テーブルに設定されているパラメータを扱うときに、まず、状態変数テーブルの先頭アドレスをレジスタに設定する(ステップS91)。そして、先頭アドレスからそのときに扱うパラメータ格納位置までのオフセットを先頭アドレスに加算する(ステップS92)。例えば、はずれ図柄短縮条件を扱う場合、アドレスaaaa,bbbbの領域がそれぞれ2バイトで構成されているときには、ステップS92の演算によって先頭アドレス+4がレジスタに加算結果として残る(1バイト/1アドレスの場合)。
【0097】
次いで、CPU56は、加算結果が設定されているレジスタの値をアドレスとして、そのアドレスに設定されているデータを読み出す(ステップS93)。読み出されたデータは、一般に、アドレスが設定されているレジスタとは異なるレジスタにロードされる。そして、レジスタにロードされたデータにもとづく処理が行われる(ステップS94)。
【0098】
状態変数テーブルには、状態変数テーブル設定処理A,B,Cによって、そのときの状態に応じたパラメータ値が設定されているので、各処理モジュールでは、処理実行前に確変状態であるのか否か確認する必要はない。そのような処理モジュールは遊技制御プログラム中に多数存在するので、判定処理が不要になることから、遊技制御プログラムのサイズは低減されることになる。
【0099】
図16(B)は、従来の処理モジュールの構成例を示す。図16(B)に示すように、従来に場合には、まず、確変状態であるのか否か確認し(ステップS95)、確変状態であれば確変時に使用するデータが格納されているアドレスを指定し(ステップS96)、確変状態でなければ通常時に使用するデータが格納されているアドレスを指定する(ステップS98)。ステップS95〜S97の処理を経て初めてステップS94の処理を開始することができる。
【0100】
以上のように、この実施の形態では、確変時と通常時とで値が異なる各パラメータを扱う場合に、対応するパラメータについてのオフセットを与えれば、通常時と確変時とを特に意識しなくても、通常時には通常時用のパラメータを扱うことができ、確変時には確変時用のパラメータを扱うことができる。各パラメータを扱う際に通常時であるのか確変時であるのかを判断しなくてよいので、すなわち、そのような判断を行うステップが不要になるので、遊技制御プログラムの容量を少なくすることができる。
【0101】
以下、一例として、図8に示されたアドレスaaaa,bbbbのパラメータを使用する普通図柄変動制御について説明する。図17は、図5に示されたメイン処理における普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う際に、その内部状態に応じて、図17に示すステップS400〜S404のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0102】
打球が通過ゲート11を通過してゲートスイッチ12がオンすると、通過記憶数が満タンでなければ、通過記憶数が+1されるとともに普通図柄判定用乱数が抽出される。普通図柄判定用乱数は図6には図示されなかったが、普通図柄判定用乱数を生成するためのカウンタは、やはりメイン処理(図5参照)の判定用乱数更新処理(ステップS10)で更新されている。なお、遊技機には通過記憶数を報知するための表示手段が設けられているが、図1では記載省略されている。
【0103】
普通図柄変動待ち処理(ステップS400):普通図柄の変動を開始できる状態になると、抽出されている普通図柄判定用乱数と当り判定値とを比較して当りとするか否かを決定する。当りとする場合に、当り図柄が複数ある場合には、いずれの図柄で当りとするのかも決定する。
【0104】
普通図柄変動開始処理(ステップS401):普通図柄の変動期間を決めるためのタイマをスタートさせて可変表示器10における普通図柄の変動を開始する。
【0105】
普通図柄変動中処理(ステップS402):1図柄変動の時間が経過すると、可変表示器10の表示図柄を次の図柄とする。そして、変動時間が終了すると普通図柄の変動を停止する。
【0106】
普通電動役物開放開始処理(ステップS403):停止図柄が当り図柄であれば、普通電動役物(この例では、可変入賞球装置15)の動作期間(可変入賞球装置15の開放期間)を決めるためのタイマをスタートさせ、可変入賞球装置15を開くためのソレノイド16をオンする。
【0107】
普通電動役物開放中処理(ステップS404):可変入賞球装置15の動作期間を決めるためのタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を開くためのソレノイド16をオフする。
【0108】
図18は、普通図柄変動待ち処理(ステップS400)を示すフローチャートである。普通図柄変動待ち処理において、CPU56は、通過記憶数が0でなければ(ステップS400a)、通過記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS400b)、通過記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS400c)。すなわち、通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を、通過記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。
【0109】
次に、読み出された乱数値と当り判定値とを比較する(ステップS400d)。当たり判定値と一致すれば、当り図柄を決定する(ステップS400e)。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動開始待ち処理(ステップS401)に対応した値にする(ステップS400f)。
【0110】
図19は、普通図柄変動開始待ち処理(ステップS401)を示すフローチャートである。普通図柄変動開始待ち処理において、CPU56は、まず、状態変数テーブルからアドレスaaaaのパラメータ値を読み出す(ステップS401a)。そして、読み出した値を普通図柄変動タイマに設定しタイマをスタートさせる。この例では、通常時には29.5秒のタイマがスタートされ確変時には5.1秒のタイマがスタートされる。なお、状態変数テーブルからのパラメータ値読み出しの方法は、図16(A)のフローチャートに示されたとおりである。
【0111】
次に、1図柄の変動に対応した時間を示す値を変動速度タイマに設定してタイマをスタートさせ(ステップS401b)、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動中処理(ステップS402)に対応した値にする(ステップS401c)。
【0112】
図20は、普通図柄変動中処理(ステップS402)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、普通図柄変動タイマがタイムアウトしたか否か判断する(ステップS402a)。タイムアウトしていれば、可変表示器10における普通図柄の変動を停止し(ステップ402e)、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物開放開始処理(ステップS403)に対応した値にする(ステップS402f)。
【0113】
普通図柄変動タイマがタイムアウトしていなければ、変動速度タイマがタイムアウトしたか否か判断する(ステップS402b)。タイムアウトしていれば、可変表示器10における表示図柄を次の図柄とする(ステップS402c)。また、変動速度タイマを再設定する(ステップS402d)。
【0114】
図21は、普通電動役物開放開始処理(ステップS403)を示すフローチャートである。普通電動役物開放開始処理において、CPU56は、可変入賞球装置15を開くためのソレノイド16をオンする(ステップS403a)。次いで、状態変数テーブルのアドレスbbbbのパラメータ値を読み出す(ステップS403b)。そして、読み出した値を開放タイマに設定しタイマをスタートさせる。
【0115】
この例では、通常時には0.2秒のタイマがスタートされ確変時には1秒のタイマがスタートされる。すなわち、通常時には可変入賞球装置15が0.2秒間開放し、確変時には1秒間開放する。なお、図7(C)に示すように、確変時には、4秒の休止期間をおいて2回の開放が行われるので、ステップS403およびS404の処理は2回繰り返して実行される。また、状態変数テーブルからのパラメータ値読み出しの方法は、図16(A)のフローチャートに示されたとおりである。
【0116】
開放タイマをスタートさせたら、CPU56は、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物開放中処理(ステップS404)に対応した値にする(ステップS403c)。なお、普通電動役物開放中処理では、開放タイマがタイムアウトしたらソレノイド16がオフされる。
【0117】
以上のように、普通図柄および普通電動役物に関する制御時に使用されるパラメータ値は、状態変数テーブルから読み出される。状態変数テーブルに設定されている各パラメータを扱う場合には、通常時であるのか確変時であるのかを判断する必要はない。すなわち、各パラメータを扱う場合に、対応するパラメータについてのオフセットを与えれば、通常時と確変時とを特に意識しなくても、通常時には通常時用のパラメータを扱うことができ、確変時には確変時用のパラメータを扱うことができる。
【0118】
上記の実施の形態のように、通常時および確変時のパラメータを状態変数テーブルに設定し、各処理モジュールでは状態変数テーブルの先頭アドレスに対してオフセットを与えてパラメータ値を読み出すようにすれば、各処理モジュールにおいて通常時であるのか確変時であるのかを判断しなくてよいのでプログラムステップ数が節減される。しかし、本発明によれば、そのような効果だけでなく、他機種にプログラムを流用する場合に最小限の変更で済むという効果もある。
【0119】
図22は、他の機種において用いられるデータテーブルの例を示す説明図である。この実施の形態では、普通図柄の変動および普通電動役物に関するパラメータ値は、通常時と確変時とで同じになっている。よって、そのようなパラメータは、図22(A)に示す電源投入時データテーブルに設定される。また、この実施の形態では、確変図柄で大当りすると、その後、50回の図柄の変動が完了するまで確変状態が継続する。
【0120】
上述したように、電源投入時に実行される状態変数テーブル設定処理A(図9参照)では、電源投入時データテーブルに設定されている設定値を状態変数テーブルにおける転送先アドレスの領域に転送する。この例では、状態変数テーブルにおけるアドレスaaaa,bbbbに各設定値が転送される。
【0121】
また、確変状態から通常状態に戻るタイミングで状態変数テーブル設定処理B(図13参照)が実行され、確変状態に入るタイミングで状態変数テーブル設定処理C(図15参照)が実行されるのであるが、状態変数テーブル設定処理B,Cにおいて、スキップコードを検出したときには、次の処理、すなわち通常時データテーブルまたは確変時データテーブルにおける次の設定値を転送する処理に移行する。
【0122】
なお、図22(B),(C)に示されたテーブルにおけるパラメータの配置および各パラメータ値のメモリでのサイズは、図7(B),(C)に示されたテーブルにおけるそれらと同じになっている。従って、図7(B),(C)に示されたテーブルを使用する遊技機のプログラムを図22(B),(C)に示されたテーブルを使用する遊技機に流用する場合に、数値設定を変えるだけでよい。
【0123】
図23は、この実施の形態における可変表示部9の可変表示の停止図柄を決定する処理の一例を示すフローチャートである。この例では、図12に示された処理に対して、ステップS53において大当りと決定されても確変フラグをオフせず状態変数テーブル設定処理Bを実行しないことのみが異なっている。
【0124】
そして、図24に示すように、特別図柄プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS305)において、変動回数ワークエリアの設定値が0でなければ(ステップS305a)、変動回数ワークエリアの内容が−1される(ステップS305b)。そして、−1された後の変動回数ワークエリアの設定値が0であれば(ステップS305c)、確変フラグがオフされ(ステップS305d)、状態変数テーブル設定処理Bが実行される(ステップS305e)。その後、特別図柄プロセスフラグの値が次のプロセスに対応した値に設定される(ステップS305f)。なお、全図柄停止待ち処理は特別図柄変動中に実行される処理であるから特別図柄変動制御に関する処理も行われているが、図24では省略されている。
【0125】
また、図25に示すように、特別図柄プロセス処理におけるステップS309の処理(大当り終了処理)では、CPU56は、確変大当りであれば、確変フラグをオンし(ステップS309b)、状態変数テーブル設定処理Cを実行する(ステップS309c)。また、変動回数ワークエリアに50を設定する(ステップS309d)。
【0126】
この実施の形態でも、通常時および確変時のパラメータを状態変数テーブルに設定し、各処理モジュールでは状態変数テーブルの先頭アドレスに対してオフセットを与えてパラメータ値を読み出すよう構成されるので、各処理モジュールにおいて通常時であるのか確変時であるのかを判断しなくてよいのでプログラムステップ数が節減される。
【0127】
また、通常時と確変時とで値が同じになっているパラメータについては、電源投入時にのみデータテーブルから状態変数テーブルに転送されるように構成されている。よって、通常時データテーブルおよび確変時データテーブルのサイズは、最初の実施の形態の場合に比べて小さくなっている。すなわち、ROM容量が低減される。
【0128】
以上の各実施の形態に示されたように、遊技制御プログラムを、通常時および確変時のパラメータを状態変数テーブルに設定し、各処理モジュールでは状態変数テーブルの先頭アドレスに対してオフセットを与えてパラメータ値を読み出すように構成すれば、プログラムステップ数が節減されるとともに、他機種にプログラムを流用する場合等におけるプログラム変更を最小限で済ませることができる。
【0129】
なお、上記の各実施の形態では、状態変数テーブルに設定されているパラメータ値の使用例として、リーチ種類および普通図柄に関する制御を挙げた。しかし、通常時と確変時とで異なる値が用いられる可能性のあるその他のパラメータも状態変数テーブルに設定しておくのがよい。例えば、図7や図22にはその他のパラメータの一例として、枠ランプ点灯パターンが示されている。確変時の枠ランプ点灯パターンは、通常時の枠ランプ点灯パターンとは異なるパターンであり、確変状態であることを遊技者に報知するための点灯パターンである。
【0130】
確変状態ではランプやLEDによって確変状態であることを遊技者に報知する必要がある。ランプやLEDの制御は、例えばメイン処理(図5参照)におけるランプタイマ処理(ステップS7)で行われるのであるが、その処理においても、通常状態であるのか確変状態であるのか判定する必要はない。上述したように、状態に応じた状態変数テーブルの先頭アドレスが設定されているので、ランプタイマ処理では、枠ランプ点灯パターンに対応したオフセットを指定するだけで、そのときの状態に応じたパラメータ値を入手できる。この場合、パラメータ値は、ランプやLEDの点灯パターンを示すデータである。従って、通常/確変の判断を行うことなく、状態に応じたランプやLEDの点灯制御を行うことができる。
【0131】
さらに、上記の各実施の形態では、大当り判定値および当り判定値は状態変数テーブルに含まれていない。上記の各実施の形態のように、状態変数テーブルをワークエリア(RAM)に再構築して使用する場合にはその内容がノイズ等によって変更されてしまう可能性があるが、大当り判定値および当り判定値が状態変数テーブルに含まれないので、その値が変わってしまうことはない。すなわち、遊技者に有利な遊技価値を発生させるための条件が変わってしまうことはなく、遊技者に大きな不利益が与えられることは防止される。
【0132】
なお、上記の各実施の形態では、電源投入時に転送されるパラメータを格納した電源投入時データテーブルを設けたが、そのような構成は一例であって、そのようなテーブルを設けなくてもよい。
【0133】
また、上記の各実施の形態では、図8に示すように、パラメータ値格納領域としての状態変数テーブルを連続領域としたが、パラメータ値格納領域は、RAM55において離散的に設けられていてもよい。
【0134】
さらに、上記の各実施の形態では、パラメータ値格納領域として、RAM55上に形成される状態変数テーブルを例示したが、通常時と確変時とで値が変わらないパラメータについてのみ電源投入時にRAM55の所定領域に設定するように構成してもよい。その場合、処理モジュールは、通常時と確変時とで値が変わらないパラメータについてはRAM55から設定値を読み出し、他のパラメータについてはROM内の通常時データテーブルまたは確変時データテーブルから直接設定値を読み出す。
【0135】
そして、状態変更時には、通常時データテーブルを使用するのか確変時データテーブルを使用するのかの切り替えが行われる。この場合、通常時データテーブルおよび確変時データテーブルにおいて転送アドレスの設定が不要になり、ROM容量がさらに節減される。なお、そのように構成した場合には、電源投入時に設定が設定されたRAM領域、通常時データテーブル、および確変時データテーブルがパラメータ値格納領域を構成する。
【0136】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遊技機を、CPUが、ROMに格納されている遊技制御プログラムにもとづいて遊技制御を行い、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を生じやすい特別遊技状態のときに遊技制御を行うプログラム部分で使用される複数のパラメータ値がROMの第1の格納領域に格納され、特別遊技状態以外の通常状態のときに遊技制御を行うプログラム部分で使用される複数のパラメータ値がROMの第2の格納領域に格納され、CPUが、状態の切り替えにより値が変化するパラメータ値を、通常状態から特別遊技状態に切り替えるタイミングで第1の格納領域から読み出し、特別遊技状態から通常状態に切り替えるタイミングで第2の格納領域から読み出して、RAMに設けられたパラメータ値格納領域に設定し、通常状態と特別遊技状態とのうちのいずれの状態であるかの判定を行わず同一アドレスのパラメータ値格納領域からパラメータ値を入手し、入手したパラメータ値にもとづいて遊技制御を行い、状態の切り替えにより値が変化しないパラメータ値の少なくとも一部については電源投入時にその値を前記パラメータ値格納領域に設定するように構成されているので、各処理モジュールにおいて特別遊技状態であるか否かの判定を行わずに済み、プログラム容量が低減され、かつプログラム変更も容易になる効果がある。また、状態が変わっても値が変わらないパラメータについては電源投入時にのみパラメータ値格納領域に設定されるように構成されているので、処理の共通化が図られて、このことからもROM使用容量を削減することができる。
【0138】
パラメータ値格納領域に、可変入賞球装置の動作条件を決めるための普通図柄の変動時間が含まれている場合には、普通図柄の変動時間が異なる他機種へのプログラム流用が容易になる効果がある。
【0139】
パラメータ値格納領域に、可変入賞球装置の動作時間が含まれている場合には、可変入賞球装置の動作時間が異なる他機種へのプログラム流用が容易になる効果がある。
【0140】
パラメータ値格納領域は、特別遊技状態を示す発光体の点灯パターンが含まれている場合には、遊技制御プログラムにおける発光体制御部分は、通常状態であるのか確変状態であるのか判定することなく発光体の点灯態様を状態に合わせたものとすることができる。
【0141】
パラメータ値格納領域に、リーチ状態で用いられるリーチ態様の振り分け率が含まれている場合には、リーチ振り分け率が異なる他機種へのプログラム流用が容易になる効果がある。
【0142】
パラメータ値格納領域には、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を発生させるか否か判定するための判定値が含まれないように構成されている場合には、パラメータ値格納領域をワークエリアに再構築して使用する場合であっても、判定値がノイズによって変化することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の遊技盤を背面からみた背面図である。
【図4】 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図5】 基本回路のメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】 各乱数を示す説明図である。
【図7】 ROMに設定されているデータテーブルの構成例を示す説明図である。
【図8】 状態変数テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】 電源投入時の状態変数テーブル設定処理を示すフローチャートである。
【図10】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図11】 打球が始動入賞口に入賞したことを判定する処理を示すフローチャートである。
【図12】 可変表示の停止図柄を決定する処理およびリーチ種類を決定する処理を示すフローチャートである。
【図13】 確変状態から通常状態に戻るときの状態変数テーブル設定処理を示すフローチャートである。
【図14】 大当り終了処理の主要部を示すフローチャートである。
【図15】 確変状態に移行するときの状態変数テーブル設定処理を示すフローチャートである。
【図16】 状態変数テーブル中のパラメータを使用するプログラム例を示すフローチャートである。
のパラメータを使用するプログラムの他の例を示すフローチャートである。
【図17】 普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図18】 普通図柄変動待ち処理を示すフローチャートである。
【図19】 普通図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図20】 普通図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図21】 普通電動役物開放開始処理を示すフローチャートである。
【図22】 状態変数テーブルの他の例を示す説明図である。
【図23】 可変表示の停止図柄を決定する処理およびリーチ種類を決定する他の処理を示すフローチャートである。
【図24】 全図柄停止待ち処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】 大当り終了処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 可変表示部
10 可変表示器
15 可変入賞球装置
16 ソレノイド
31 遊技制御基板(主基板)
53 基本回路
54 ROM
55 RAM
56 CPU
Claims (6)
- 遊技者の操作にもとづいて遊技を行うとともに遊技の結果が所定の態様になったときに遊技者に有利な特定遊技状態に移行可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御するCPUはROMに格納されている遊技制御プログラムにもとづいて遊技制御を行い、
遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を生じやすい特別遊技状態のときに遊技制御を行うプログラム部分で使用される複数のパラメータ値が前記ROMの第1の格納領域に格納され、前記特別遊技状態以外の通常状態のときに遊技制御を行うプログラム部分で使用される複数のパラメータ値が前記ROMの第2の格納領域に格納され、
前記CPUは、
状態の切り替えにより値が変化するパラメータ値を、前記通常状態から前記特別遊技状態に切り替えるタイミングで前記第1の格納領域から読み出し、前記特別遊技状態から前記通常状態に切り替えるタイミングで前記第2の格納領域から読み出して、RAMに設けられたパラメータ値格納領域に設定し、
前記通常状態と前記特別遊技状態とのうちのいずれの状態であるかの判定を行わず同一アドレスの前記パラメータ値格納領域から前記パラメータ値を入手し、入手したパラメータ値にもとづいて遊技制御を行い、
状態の切り替えにより値が変化しないパラメータ値の少なくとも一部については電源投入時にその値を前記パラメータ値格納領域に設定する
ことを特徴とする遊技機。 - パラメータ値格納領域には、遊技媒体が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態とに可変可能な可変入賞球装置の動作条件を決めるための普通図柄の変動時間を特定可能な情報が含まれる
請求項1記載の遊技機。 - パラメータ値格納領域には、可変入賞球装置の動作時間が含まれる
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - パラメータ値格納領域には、特別遊技状態を示す発光体の点灯パターンを特定可能な情報が含まれる
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 表示結果が導出表示されていない段階で既に表示結果が導出表示されている表示態様が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしているリーチ状態を複数種類のうちから選択する選択手段を備え、
パラメータ値格納領域には、前記選択手段がいずれのリーチ種類とするのか選択するためのリーチ選択用データが含まれる
請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。 - パラメータ値格納領域には、遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる状態を発生させるか否か判定するための判定値は含まれない
請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。
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