JP3960456B2 - 翻訳サービス提供装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上で翻訳サービスを行うための翻訳サービス提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット上の翻訳サービスは、機械翻訳によるものと人手によるものとがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自然言語の翻訳は、言語の持つ曖昧性から、現状の機械翻訳技術を用いた場合、訳質が十分でないという問題があった。
一方、人手によるサービスでは、依頼から翻訳結果を得るまでに時間がかかり、かつ、一般にコストが高い。また、通常、専門の翻訳家は翻訳対象文書の分野に依存した翻訳を行うが、機械翻訳で、このような分野に依存した翻訳を行うためには、その翻訳作業をなんらかの形で機械翻訳システムに登録する必要がある。しかしながら、このような登録作業は手間のかかるものであり、特に、次々と作られる専門用語などは、通常の翻訳知識には含まれておらず、絶えず翻訳知識の更新を行う必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
分野別に設けられた翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段と、分野別に設けられた翻訳知識を用いて機械翻訳を行う機械翻訳手段と、利用者からの翻訳要求文書を分野別に受け付け、当該受け付けた分野における機械翻訳を機械翻訳手段に対して要求すると共に、当該機械翻訳手段からの機械翻訳結果を利用者に出力し、その結果、利用者から文書への翻訳者による翻訳要求があった場合は、翻訳者に当該文書、機械翻訳結果、及び該機械翻訳結果で用いた翻訳知識を送信して、当該文書の翻訳者への翻訳要求を行い、翻訳者からの翻訳結果を受信して利用者に送信する翻訳サーバと、翻訳者による翻訳結果から抽出した翻訳知識を翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段と、翻訳者側に設けられ、機械翻訳結果と該機械翻訳結果で用いた翻訳知識とを受け取ると共に、機械翻訳結果に対して当該翻訳者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する翻訳結果編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
【0005】
〈構成2〉
分野別に設けられた翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段と、分野別に設けられた翻訳知識を用いて機械翻訳を行う機械翻訳手段と、利用者からの翻訳要求文書を分野別に受け付け、当該受け付けた分野における機械翻訳を機械翻訳手段に対して要求すると共に、当該機械翻訳手段からの機械翻訳結果を利用者に出力し、その結果、利用者から文書への翻訳者による翻訳要求があった場合は、翻訳者に当該文書、機械翻訳結果、及び該機械翻訳結果で用いた翻訳知識を送信して、当該文書の翻訳者への翻訳要求を行い、翻訳者からの翻訳結果を受信して利用者に送信する翻訳サーバと、翻訳者による翻訳結果から抽出した翻訳知識を翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段と、利用者側に設けられ、機械翻訳結果または翻訳者による翻訳結果に対して当該利用者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する利用者用翻訳結果編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
【0006】
〈構成3〉
分野別に設けられた翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段と、分野別に設けられた翻訳知識を用いて機械翻訳を行う機械翻訳手段と、利用者からの翻訳要求文書を分野別に受け付け、当該受け付けた分野における機械翻訳を機械翻訳手段に対して要求すると共に、当該機械翻訳手段からの機械翻訳結果を利用者に出力し、その結果、利用者から文書への翻訳者による翻訳要求があった場合は、翻訳者に当該文書、機械翻訳結果、及び該機械翻訳結果で用いた翻訳知識を送信して、当該文書の翻訳者への翻訳要求を行い、翻訳者からの翻訳結果を受信して利用者に送信する翻訳サーバと、翻訳者による翻訳結果から抽出した翻訳知識を翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段と、翻訳者側に設けられ、機械翻訳結果と該機械翻訳結果で用いた翻訳知識とを受け取ると共に、機械翻訳結果に対して当該翻訳者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する翻訳結果編集手段と、利用者側に設けられ、機械翻訳結果または翻訳者による翻訳結果に対して当該利用者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する利用者用翻訳結果編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
【0007】
〈構成4〉
構成1〜3のいずれかに記載の翻訳サービス提供装置において、翻訳要求文書の原文と、翻訳者による当該原文の翻訳結果から翻訳知識を獲得する翻訳知識獲得手段と、翻訳知識獲得手段で獲得した翻訳知識を翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
《具体例1》
〈構成〉
図1は、本発明の翻訳サービス提供装置の具体例1を示す構成図である。
図の装置は、翻訳知識格納手段1−1〜1−n、機械翻訳手段2、翻訳サーバ3、通信手段4、翻訳知識編集手段5からなる。
【0010】
翻訳知識格納手段1−1〜1−nは、それぞれ分野別に設けられた翻訳知識の格納部であり、例えば、スポーツ、医学、通信、コンピュータといった分野別の翻訳知識(分野別辞書や文法等、その分野の翻訳処理に用いる知識)を格納している。
機械翻訳手段2は、翻訳サーバ3からの翻訳要求に基づき、いずれかの翻訳知識格納手段1−1〜1−nの翻訳知識を用いて機械翻訳を行う手段である。尚、機械翻訳の手法については既知の手法を使用可能である。
翻訳サーバ3は、Webサーバで構成され、利用者100からの翻訳要求文書を通信手段4を介して受付Webページ200によって受け付け、この受け付けた分野における機械翻訳を機械翻訳手段2に対して要求し、その結果、機械翻訳手段2から機械翻訳結果が得られた場合は、これを利用者100に対して送出する機能を有している。また、翻訳サーバ3は、利用者100に機械翻訳結果を送出した結果、利用者100からその翻訳対象に対して翻訳者101による翻訳要求があった場合は、翻訳要求文書の翻訳者への翻訳依頼を行い、翻訳者101から翻訳結果が得られたならば、これを利用者100に対して送出する機能を有している。
【0011】
通信手段4は、利用者100や翻訳者101および翻訳サービス提供装置をメンテナンスを行う翻訳知識管理者102を所定のプロトコルによりインターネット等のネットワークで接続するためのインタフェースである。翻訳知識編集手段5は、翻訳者101による翻訳結果から翻訳知識管理者102が抽出した翻訳知識を、いずれかの翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納するための機能部である。
受付Webページ200は、翻訳サーバ3上に設けられ、利用者100のディスプレイ上に実現される翻訳受付のためのWebページである。
また、利用者100は、本翻訳サービス提供装置を利用する者であり、複数の利用者100が存在する。翻訳者101は、利用者100が機械翻訳の訳質で満足できない場合に翻訳を請け負う専門家であり、この翻訳者101も複数存在する。これら利用者100および翻訳者101は、それぞれ通信手段4を介して翻訳サーバ3と接続されている。
【0012】
〈動作〉
図2は、本翻訳サービス提供装置の具体例1の動作を説明するためのフローチャートである。
[機械翻訳を利用した翻訳処理]
(ステップS101)
利用者100は、通信手段4を介して翻訳サーバ3の提供するインタフェースに従い、翻訳対象の情報(URL等)を指定する。ここで、翻訳サーバ3の提供するインタフェースとは、例えば、「スポーツ」「コンピュータ」といった分野別の受付Webページ200を用意しておき、利用者100が所望する分野の受付Webページ200から翻訳要求するURLを指定するといったインタフェースである。あるいは、利用者100が閲覧しているWebページから翻訳要求を行った場合は、本翻訳サービス提供装置による翻訳処理が行われるよう分野別のリンクを張っておき、このリンクが分野別の受付となっている構成であってもよい。
【0013】
(ステップS102)
翻訳サーバ3は、受け付けた分野に基づき、翻訳知識格納手段1−1〜1−nを選択して機械翻訳手段2に翻訳を要求する。これにより、機械翻訳手段2は、選択された翻訳知識格納手段1−1〜1−nの翻訳知識を用いて、翻訳対象の文書を機械翻訳し、その翻訳結果を翻訳サーバ3に渡す。
【0014】
(ステップS103)
翻訳サーバ3は、機械翻訳手段2からの機械翻訳結果を、通信手段4を介して、翻訳要求された利用者100に送る。
【0015】
[翻訳者101を利用した翻訳処理]
(ステップS104)
機械翻訳の結果を見た利用者100は、機械翻訳結果の内容によってそれが必要な文書であると判定できた場合、かつ、機械翻訳の訳質では十分ではない場合、翻訳者101による翻訳を要求する。一方、機翻訳の内容によってそれが必要な文書でないと判定した場合は、特に応答は返さない。あるいは翻訳サーバ3に対し翻訳結果がOKである旨の応答を返す。即ち、利用者100は、先ず、機械翻訳によって文書の内容を粗翻訳し、この翻訳結果を見てその内容をある程度把握し、自分が必要とする文書であるかを判断する。そして、自分が必要な文書であり、かつ、更に精確な翻訳結果が欲しい場合は、翻訳者101による翻訳を要求する。
【0016】
(ステップS105)
翻訳サーバ3は、翻訳対象文書と機械翻訳結果を通信手段4を用いて(例えば電子メールで)、翻訳者101に依頼する。ここで、複数の翻訳者101のなかから特定の翻訳者101を選択する判定基準は次の通りである。即ち、翻訳者101を本翻訳サービス提供装置に登録する場合、各翻訳者101の専門分野の情報を登録し、利用者100からの翻訳要求の分野に一致した翻訳者101に翻訳を依頼する。あるいは、各翻訳者101が扱える分量を登録しておき、その範囲内でいずれかの翻訳者101に配分するようにしてもよい。
【0017】
(ステップS106)
翻訳者101は、依頼に対して翻訳結果を翻訳サーバ3に送信し、翻訳サーバ3はこれを受け取る。
【0018】
(ステップS107)
翻訳サーバ3は、ステップS106で翻訳者101からの翻訳結果を受け取ると、通信手段4を介して、この翻訳結果を利用者100に送ると共に、翻訳結果と機械翻訳結果および翻訳対象の原文を翻訳知識管理者102に送る。
【0019】
[翻訳知識の編集]
(ステップS108)
翻訳知識管理者102は、翻訳対象の原文、機械翻訳結果および翻訳者101による翻訳結果を見て、翻訳者101による翻訳結果から翻訳知識に追加した方がよいと思われるものを抽出し、これを翻訳知識編集手段5を用いて、その分野の翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納する。尚、基本的には、このような翻訳知識を、翻訳を行った分野の翻訳知識として翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納するが、翻訳知識管理者102が判断すれば、(例えばその一部を)別の分野の翻訳知識として翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納するようにしてもよい。
【0020】
〈効果〉
以上のように、具体例1によれば、利用者100からの翻訳要求に対して先ず分野別の翻訳知識を用いて機械翻訳を行い、その結果、利用者100がその翻訳結果に対して満足できなかった場合は、翻訳者101による翻訳を行ってこれを利用者100に送出すると共に、この翻訳結果から翻訳知識を抽出して分野別の翻訳知識に反映するようにしたので、利用者100は、安価な機械翻訳を用いて必要な情報であるか否かを判定した後、本当に必要な情報だけを専門家によって高品質な翻訳結果を得ることができる。
また、翻訳者101に翻訳依頼を行う場合、予め機械翻訳による粗翻訳を送付するようにしたので、翻訳者101の負担を軽減することができる。更に、翻訳者101にとっても、本装置からの翻訳依頼を受けるようにすることで、広告等の営業活動を行わずに翻訳依頼が安定して行われるという効果がある。
また、複数の翻訳者101の翻訳結果から翻訳知識を抽出し、これを一元管理して翻訳知識格納手段1−1〜1−nに反映させるようにしたので、例えば、新語等の追加が必要な翻訳知識の更新も効率的に行え、その結果、機械翻訳の訳質を向上させることができるという効果がある。
【0021】
尚、上記具体例1では、分野別のWebページで受け付けるようにしたが、翻訳対象のURLの文書の情報から分野を決定するようにしてもよい。この方法としては、例えば、翻訳対象となる文書中、出現する単語の頻度を求め、この頻度の統計から分野を推定する。特に、特定の分野にしか現れない単語に注目するこことで、より確実に分野を推定することができる。このようにして分野を決定すれば、Webページで受け付けたのと同様に分野別の機械翻訳処理を行うことができる。
【0022】
《具体例2》
〈構成〉
図3は、翻訳サービス提供装置の具体例2の構成図である。
図の装置は、翻訳知識格納手段1−1〜1−n、機械翻訳手段2、翻訳サーバ3a、通信手段4、翻訳知識編集手段5、翻訳知識獲得手段6からなる。
具体例2では利用者100からの翻訳要求を電子メールで行うよう構成している。即ち、本具体例では、利用者100が翻訳要求を行う場合は、その翻訳対象とする文書を翻訳サーバ3a宛に電子メールで送信するようになっている。このため、翻訳サーバ3aは、利用者100や翻訳者101に対して通信手段4を介して要求の受付や翻訳結果の提示を行い、また、翻訳者101からの翻訳結果を通信手段4を介して翻訳知識獲得手段6や翻訳知識管理者102に送る機能を有していると共に、電子メールの処理を行う機能を有している。その他の翻訳知識格納手段1−1〜1−n〜翻訳知識編集手段5の構成は、具体例1の構成と同様であるためここでの説明は省略する。
【0023】
翻訳知識獲得手段6は、原言語文と目的言語文が与えられた場合、これらの文から翻訳知識(対応する単語や用例等)を獲得する手段であり、これには、例えば、特開平10−63669号公報に開示された技術が適用可能である。また、翻訳知識編集手段5は、具体例1と同様に、翻訳知識管理者102により翻訳知識を翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納するために用いると共に、翻訳知識獲得手段6で獲得した翻訳知識を翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納する機能を有している。
【0024】
〈動作〉
図4は、本翻訳サービス提供装置の具体例2の動作を説明するためのフローチャートである。
[機械翻訳を利用した翻訳処理]
(ステップS201)
利用者100は、通信手段4を介して翻訳サーバ3aに従い、翻訳対象の文書およびその分野の指定情報を電子メールで送付する。ここで、文書全体に亘って分野を指定してもよいし、文書の一部分を指定するといった方法でもよい。翻訳サーバ3aはこれを翻訳要求として受信する。
【0025】
(ステップS202)
翻訳サーバ3aは、利用者100から送付された分野の指定情報から利用する翻訳知識の選択を行い、翻訳知識を指定して機械翻訳手段2に翻訳を要求する。また、利用者100から分野の明示的な指定がなかった場合は、その利用者100の履歴情報により前回と同じ分野を選択する。あるいは、その利用者100の分野の初期値を最初に登録しておき、分野の明示的な指定がなかった場合は、その初期値の分野を選択するようにしてもよい。これにより、機械翻訳手段2は、選択された翻訳知識格納手段1−1〜1−nの翻訳知識を用いて、翻訳対象の文書を機械翻訳し、その翻訳結果を翻訳サーバ3aに渡す。
【0026】
(ステップS203)
翻訳サーバ3aは、機械翻訳手段2からの機械翻訳結果を、通信手段4を介して、翻訳要求された利用者100に送る。
【0027】
[翻訳者101を利用した翻訳処理]
(ステップS204)
機械翻訳の結果を見た利用者100は、機械翻訳結果の内容によってそれが必要な文書であると判定できた場合、かつ、機械翻訳の訳質では十分ではない場合、翻訳者101による翻訳を要求する。一方、機器翻訳の内容によってそれが必要な文書でないと判定した場合は、特に応答は返さない。あるいは翻訳サーバ3aに対し翻訳結果がOKである旨の応答を返す。
【0028】
(ステップS205)
翻訳サーバ3aは、翻訳対象文書と機械翻訳結果を通信手段4を用いて(例えば電子メールで)、翻訳者101に依頼する。
【0029】
(ステップS206)
翻訳者101は、依頼に対して翻訳結果を翻訳サーバ3aに送信し、翻訳サーバ3aはこれを受け取る。
【0030】
(ステップS207)
翻訳サーバ3aは、ステップS206で翻訳者101からの翻訳結果を受け取ると、通信手段4を介して、この翻訳結果を利用者100に送ると共に、翻訳結果と機械翻訳結果および翻訳対象の原文を、翻訳知識獲得手段6および翻訳知識管理者102に送る。
【0031】
[翻訳知識の編集]
(ステップS208)
翻訳知識獲得手段6は、原言語文と目的言語文をマッチングさせ、また統計処理等を行うことにより、その分野固有の翻訳知識を獲得する。
【0032】
(ステップS209)
翻訳知識管理者102は、翻訳知識獲得手段6により得られた翻訳知識を検証し、適切な翻訳知識を翻訳知識編集手段5を用いて編集し、これを該当する分野の翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納する。
【0033】
〈効果〉
以上のように、具体例2によれば、翻訳者101による翻訳結果と翻訳対象の原文から翻訳知識を獲得する翻訳知識獲得手段6を備えたので、具体例1の効果に加えて、翻訳知識管理者102の負担を軽減することができ、低コストで機械翻訳の訳質を向上させることができる。
【0034】
《具体例3》
〈構成〉
図5は、翻訳サービス提供装置の具体例3の構成図である。
図の装置は、翻訳知識格納手段1−1〜1−n、機械翻訳手段2、翻訳サーバ3a、通信手段4、翻訳知識編集手段5、翻訳知識獲得手段6bからなり、翻訳者101側に、翻訳結果編集手段7が設けられているのが具体例2との相違点である。
【0035】
翻訳結果編集手段7は、翻訳者101側に設けられ、機械翻訳で用いた分野固有の翻訳知識(例えば、用語集など)を受け取る機能と、翻訳サーバ3aから与えられた機械翻訳結果に対して、翻訳者101が修正した記録(機械翻訳のどの部分をどう修正したかの記録)を作成し、この修正記録をその分野固有の翻訳知識として翻訳サーバ3aに送出する機能を有している。具体的には、ソフトウェアとして翻訳者101側の装置に与えられ、この装置上で実現されている手段である。尚、用語集とは、分野毎に存在する専門の用語や言い回しを集めたものであり、翻訳を行う場合の用語や言い回しの統一を図るために用いるものである。また、翻訳知識獲得手段6bは、具体例2と同様の機能に加えて、翻訳結果編集手段7による翻訳結果編集記録からも翻訳知識を獲得するよう構成されている。その他の各構成は具体例2と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
〈動作〉
図6は、本翻訳サービス提供装置の具体例3の動作を説明するためのフローチャートである。
[機械翻訳を利用した翻訳処理]
(ステップS301)
利用者100は、通信手段4を介して翻訳サーバ3aに従い、翻訳対象の文書を電子メールで送付する。
【0037】
(ステップS302)
翻訳サーバ3aは、利用者100から送付された情報から、利用する翻訳知識の選択を行い、翻訳知識を指定して機械翻訳手段2に翻訳を要求する。これにより、機械翻訳手段2は、指定された翻訳知識格納手段1−1〜1−nの翻訳知識を用いて、翻訳対象の文書を機械翻訳し、その翻訳結果を翻訳サーバ3aに渡す。
【0038】
(ステップS303)
翻訳サーバ3aは、機械翻訳手段2からの機械翻訳結果を、通信手段4を介して、翻訳要求された利用者100に送る。
【0039】
[翻訳者101を利用した翻訳処理]
(ステップS304)
機械翻訳の結果を見た利用者100は、機械翻訳結果の内容によってそれが必要な文書であると判定できた場合、かつ、機械翻訳の訳質では十分ではない場合、翻訳者101による翻訳を要求する。一方、機器翻訳の内容によってそれが必要な文書でないと判定した場合は、特に応答は返さない。あるいは翻訳サーバ3aに対し翻訳結果がOKである旨の応答を返す。
【0040】
(ステップS305)
翻訳サーバ3aは、翻訳対象文書と機械翻訳結果および機械翻訳時に用いた用語集等、その分野固有の翻訳知識を通信手段4を用いて(例えば電子メールで)、翻訳者101に依頼する。
【0041】
(ステップS306)
翻訳者101は、依頼に対して翻訳結果編集手段7を用いて翻訳結果を翻訳サーバ3aに送信する。その際、翻訳結果編集手段7が記録した翻訳結果編集記録(機械翻訳手段2による機械翻訳結果に対する翻訳者101の修正記録)も翻訳サーバ3aに送信する。
【0042】
(ステップS307)
翻訳サーバ3aは、ステップS306で送信された翻訳結果および翻訳結果編集記録を受け取る。
【0043】
(ステップS308)
翻訳サーバ3aは、通信手段4を介して、翻訳者101からの翻訳結果を利用者100に送ると共に、翻訳結果と翻訳結果編集記録と機械翻訳結果と翻訳対象の原文を、翻訳知識獲得手段6bおよび翻訳知識管理者102に送る。
【0044】
[翻訳知識の編集]
(ステップS309)
翻訳知識獲得手段6bは、具体例2と同様に原言語文と目的言語文から翻訳知識を獲得すると共に、翻訳結果編集記録からも翻訳知識を獲得する。ここで、翻訳結果編集記録では、例えばどの単語をどう修正したかといったようにその修正部分が明確であるため、翻訳知識獲得手段6bで得られる翻訳知識を高精度のものにすることができる。
【0045】
(ステップS310)
翻訳知識管理者102は、翻訳知識獲得手段6bにより得られた翻訳知識を検証し、適切な翻訳知識を翻訳知識編集手段5を用いて編集し、これを該当する分野の翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納する。
【0046】
〈効果〉
以上のように、具体例3によれば、具体例2の構成に加えて、翻訳結果編集手段7を設けたので、翻訳者101が翻訳を行うにあたり、機械翻訳時に用いた翻訳知識の一部を利用できるため、翻訳者101の作業効率が向上するという効果がある。また、用語集のような翻訳知識を利用することにより、訳語の統一も行いやすくなり、訳質も向上することが期待できる。
更に、翻訳者101の翻訳結果から翻訳知識を抽出するにあたり、翻訳結果編集記録を用いることにより、より高精度の翻訳知識を獲得することができ、従って、翻訳知識管理者102の負担を軽減することができ、より低コストで機械翻訳の訳質を向上させることができるという効果がある。
【0047】
《具体例4》
〈構成〉
図7は、翻訳サービス提供装置の具体例4の構成図である。
図の装置は、翻訳知識格納手段1−1〜1−n、機械翻訳手段2、翻訳サーバ3a、通信手段4、翻訳知識編集手段5、翻訳知識獲得手段6c、利用者用翻訳結果編集手段8からなる。
ここで、翻訳知識格納手段1−1〜1−n〜翻訳知識編集手段5は、具体例1の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。尚、翻訳知識格納手段1−1〜1−nのうちいずれかは、利用者固有の翻訳知識を格納するよう構成されているものとする。
【0048】
利用者用翻訳結果編集手段8は、利用者100側に設けられ、機械翻訳で用いた分野固有の翻訳知識(例えば、用語集など)を受け取る機能と、利用者100側が翻訳サービス提供装置に対して翻訳知識を指定するための手段であり、翻訳サーバ3aから送られた機械翻訳結果あるいは翻訳者101による翻訳結果に対して、利用者100が修正した結果を送信する機能を有している。即ち、利用者用翻訳結果編集手段8は、利用者100が、例えば「この用語はこのように訳して欲しい」といった要求や、「例えば口語体風の翻訳文のような特殊な訳にしたい」といった要求を翻訳サービス提供装置に対して行うための機能を有している。
また、翻訳知識獲得手段6cは、利用者用翻訳結果編集手段8から送信された情報から翻訳知識を獲得する機能を有している。他の各構成は具体例2と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
〈動作〉
図8は、本翻訳サービス提供装置の具体例4の動作を説明するためのフローチャートである。
[機械翻訳を利用した翻訳処理]
(ステップS401)
利用者100は、通信手段4を介して翻訳サーバ3aに従い、翻訳対象の文書を電子メールで送付する。翻訳サーバ3aはこれを翻訳要求として受信する。
【0050】
(ステップS402)
翻訳サーバ3aは、利用者100から送付された情報から、利用する翻訳知識の選択を行い、翻訳知識を指定して機械翻訳手段2に翻訳を要求する。ここで、その翻訳要求のあった利用者100に固有の翻訳知識が存在する場合は、この翻訳知識も含めて選択する。これにより、機械翻訳手段2は、指定された翻訳知識格納手段1−1〜1−nの翻訳知識を用いて、翻訳対象の文書を機械翻訳し、その翻訳結果を翻訳サーバ3aに渡す。
【0051】
(ステップS403)
翻訳サーバ3aは、機械翻訳手段2からの機械翻訳結果を、通信手段4を介して、翻訳要求された利用者100に送る。
【0052】
[利用者100による翻訳結果の編集処理]
(ステップS404)
機械翻訳の結果を見た利用者100は、機械翻訳の訳質では十分でない場合、利用者用翻訳結果編集手段8を用いて、翻訳結果を編集し、この編集結果と翻訳結果編集記録を翻訳サーバ3aに送信する。
【0053】
(ステップS405)
利用者用翻訳結果編集手段8から編集結果を受け取ると、翻訳サーバ3aは、これを翻訳知識獲得手段6cおよび翻訳知識管理者102に送り、翻訳知識編集手段5を用いて、利用者100の翻訳知識を翻訳知識格納手段1−1〜1−nに反映させる。あるいは、その利用者100固有の翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段を新たに作成する。
【0054】
[翻訳者101を利用した翻訳処理]
(ステップS406)
利用者100から翻訳者101による翻訳要求があるかを判定する。
【0055】
(ステップS407)
ステップS406で、利用者100から翻訳者101による翻訳要求があった場合、翻訳サーバ3aは、翻訳対象文書と機械翻訳結果を通信手段4を用いて(例えば電子メールで)、翻訳者101に依頼する。
【0056】
(ステップS408)
翻訳者101は、依頼に対して翻訳結果を翻訳サーバ3aに送信し、翻訳サーバ3aはこれを受け取る。
【0057】
(ステップS409)
翻訳サーバ3aは、ステップS408で翻訳者101からの翻訳結果を受け取ると、通信手段4を介して、この翻訳結果を利用者100に送ると共に、翻訳結果と機械翻訳結果および翻訳対象の原文を、翻訳知識獲得手段6cおよび翻訳知識管理者102に送る。
【0058】
[翻訳知識の編集]
(ステップS410)
翻訳知識獲得手段6cは、原言語文と目的言語文をマッチングさせ、また統計処理等を行うことにより、その分野固有の翻訳知識を獲得する。また、ここで、利用者100からの編集記録があった場合は、これを含めて分野(利用者)固有の翻訳知識を獲得する。即ち、利用者100は、翻訳者101による翻訳結果を見て、この用語はこう訳して欲しいといった要求を行いたい場合がある。このような場合は、利用者用翻訳結果編集手段8によりその要求を行う。これにより、翻訳知識獲得手段6cは、利用者固有の分野別翻訳知識として抽出する。
【0059】
(ステップS411)
翻訳知識管理者102は、翻訳知識獲得手段6cにより得られた翻訳知識(利用者固有の分野別翻訳知識も含める)を検証し、適切な翻訳知識を翻訳知識編集手段5を用いて編集し、これを該当する分野の翻訳知識格納手段1−1〜1−nに格納する。あるいは、利用者固有の分野別翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段を新たに作成する。
【0060】
従って、次に利用者100から翻訳要求があった場合は、利用者100の翻訳知識が反映された翻訳知識格納手段1−1〜1−nを用いて機械翻訳が行われることになる。
【0061】
〈効果〉
以上のように、具体例4によれば、具体例2の構成に加えて、利用者100側から分野固有の翻訳知識を指示するための利用者用翻訳結果編集手段8を設けたので、利用者100が翻訳に不具合があると感じた場合は、利用者100が直接編集できることにより、利用者100が意図した翻訳結果にすることができる。また、利用者100固有の翻訳知識を設けた場合でも、機械翻訳処理はこの翻訳知識だけでなく、翻訳サーバ3a側の翻訳知識も利用するため、新語などの情報のメンテナンスは各個人が利用者100固有の翻訳知識に追加するといったことをあえてする必要がないという効果がある。
【0062】
《利用形態》
各具体例において、具体例1は、利用者100からの翻訳要求をWebページで受け付け、具体例2〜4は、電子メールで受け付けるようにしたが、具体例1において受付を電子メール、具体例2〜4において受付をWebページで行うよう構成してもよい。
【0063】
上記各具体例では、ある分野の翻訳知識はそれぞれ翻訳知識格納手段1−1〜1−nに一対一の関係で格納されるようにしたが、複数の分野で共通の翻訳知識を用いるようにしてもよい。例えば、基本辞書を格納する翻訳知識格納手段と専門用語辞書を格納する翻訳知識格納手段といったような構成とし、ある分野の機械翻訳処理で複数の翻訳知識格納手段1−1〜1−nを使用するようにしてもよい。この場合は、各分野と翻訳知識格納手段1−1〜1−nの対応テーブルを用意し、機械翻訳を行う場合は、この対応テーブルを参照して翻訳知識格納手段1−1〜1−nを選択するよう構成する。
【0064】
上記各具体例において、本翻訳サービス提供装置に、各利用者100の翻訳サービスに対する自分の嗜好を示す情報(よく使う分野や、機械翻訳システムに対する様々なパラメータ:例えば、文の区切りとして改行二つを用いる。漢字コードはシフトJISを用いる等)を、登録情報として予め設けてもよい。これにより、利用者の嗜好に合った機械翻訳結果を得ることができる。
【0065】
上記具体例3では翻訳者101側にのみ翻訳結果編集手段7を設け、具体例4では利用者100側にのみ利用者用翻訳結果編集手段8を設けたが、利用者100側と翻訳者101側の双方に翻訳結果編集手段を設けてもよい。このように構成した場合、その利用者に固有の翻訳知識があれば、翻訳者101への翻訳依頼時にこれも含めて送るようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例1の構成図である。
【図2】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例1の動作フローチャートである。
【図3】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例2の構成図である。
【図4】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例2の動作フローチャートである。
【図5】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例3の構成図である。
【図6】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例3の動作フローチャートである。
【図7】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例4の構成図である。
【図8】本発明の翻訳サービス提供装置の具体例4の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1−1〜1−n 翻訳知識格納手段
2 機械翻訳手段
3、3a 翻訳サーバ
5 翻訳知識編集手段
6、6a、6b、6c 翻訳知識獲得手段
7 翻訳結果編集手段
8 利用者用翻訳結果編集手段
100 利用者
101 翻訳者
102 翻訳知識管理者
200 受付Webページ

Claims (4)

  1. 分野別に設けられた翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段と、
    前記分野別に設けられた翻訳知識を用いて機械翻訳を行う機械翻訳手段と、
    利用者からの翻訳要求文書を分野別に受け付け、当該受け付けた分野における機械翻訳を前記機械翻訳手段に対して要求すると共に、当該機械翻訳手段からの機械翻訳結果を前記利用者に出力し、その結果、利用者から前記文書への翻訳者による翻訳要求があった場合は、翻訳者に当該文書、前記機械翻訳結果、及び該機械翻訳結果で用いた翻訳知識を送信して、当該文書の翻訳者への翻訳要求を行い、翻訳者からの翻訳結果を受信して前記利用者に送信する翻訳サーバと、
    前記翻訳者による翻訳結果から抽出した翻訳知識を前記翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段と
    翻訳者側に設けられ、前記機械翻訳結果と該機械翻訳結果で用いた翻訳知識とを受け取ると共に、機械翻訳結果に対して当該翻訳者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する翻訳結果編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
  2. 分野別に設けられた翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段と、
    前記分野別に設けられた翻訳知識を用いて機械翻訳を行う機械翻訳手段と、
    利用者からの翻訳要求文書を分野別に受け付け、当該受け付けた分野における機械翻訳を前記機械翻訳手段に対して要求すると共に、当該機械翻訳手段からの機械翻訳結果を前記利用者に出力し、その結果、利用者から前記文書への翻訳者による翻訳要求があった場合は、翻訳者に当該文書、前記機械翻訳結果、及び該機械翻訳結果で用いた翻訳知識を送信して、当該文書の翻訳者への翻訳要求を行い、翻訳者からの翻訳結果を受信して前記利用者に送信する翻訳サーバと、
    前記翻訳者による翻訳結果から抽出した翻訳知識を前記翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段と、
    利用者側に設けられ、機械翻訳結果または翻訳者による翻訳結果に対して当該利用者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する利用者用翻訳結果編集手段を備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
  3. 分野別に設けられた翻訳知識を格納する翻訳知識格納手段と、
    前記分野別に設けられた翻訳知識を用いて機械翻訳を行う機械翻訳手段と、
    利用者からの翻訳要求文書を分野別に受け付け、当該受け付けた分野における機械翻訳を前記機械翻訳手段に対して要求すると共に、当該機械翻訳手段からの機械翻訳結果を前記利用者に出力し、その結果、利用者から前記文書への翻訳者による翻訳要求があった場合は、翻訳者に当該文書、前記機械翻訳結果、及び該機械翻訳結果で用いた翻訳知識を送信して、当該文書の翻訳者への翻訳要求を行い、翻訳者からの翻訳結果を受信して前記利用者に送信する翻訳サーバと、
    前記翻訳者による翻訳結果から抽出した翻訳知識を前記翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段と、
    翻訳者側に設けられ、前記機械翻訳結果と該機械翻訳結果で用いた翻訳知識とを受け取ると共に、機械翻訳結果に対して当該翻訳者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する翻訳結果編集手段と、
    利用者側に設けられ、機械翻訳結果または翻訳者による翻訳結果に対して当該利用者が修正した記録を作成し、任意の分野固有の翻訳知識として翻訳サーバに送出する利用者用翻訳結果編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
  4. 請求項1〜3に記載の翻訳サービス提供装置において、
    翻訳要求文書の原文と、翻訳者による当該原文の翻訳結果から翻訳知識を獲得する翻訳知識獲得手段と、
    前記翻訳知識獲得手段で獲得した翻訳知識を翻訳知識格納手段に格納する翻訳知識編集手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービス提供装置。
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