JP3960446B2 - しがら工、およびしがら工施工法 - Google Patents
しがら工、およびしがら工施工法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3960446B2 JP3960446B2 JP34283098A JP34283098A JP3960446B2 JP 3960446 B2 JP3960446 B2 JP 3960446B2 JP 34283098 A JP34283098 A JP 34283098A JP 34283098 A JP34283098 A JP 34283098A JP 3960446 B2 JP3960446 B2 JP 3960446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slope
- earth retaining
- pile
- retaining material
- mounting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、法面における表層の土砂流下を防止するために行う背丈の低い簡易な土留め工であるしがら工、および、このしがら工を施工するしがら工施工法に関する関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のしがら工は、法面における表層の土砂流下を防止するものであるが、法面に植生の早期導入を図る場合等に施工され、法面の勾配方向に間隔をあけて複数列設けて、法面を階段状にする。
この種の従来の一般的なしがら工(なお、筋工とも称される)は、図4に示すように、間伐材等による丸太の杭1を法面の概ね水平方向に間隔をあけて打ち込み、この杭1の背面側(山側)に複数の丸太の土留め材2を積み重ねる方法が一般的に施工されている。図4において、4は法面、5は裏込め土である。
【0003】
また、鋼製のしがら工としては、例えば、特開平7−216899号(柵体)、実公昭53−37446号(切土盛土の法面崩壊防護柵)、実公昭54−21444号(法面表層土砂流出防止壁)等が提案されている。また、鋼製の簡易土留め工として、特開平10−37200号(土留め柵)、実開平5−7730号(通水性土留め板)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の丸太を積み重ねるしがら工では、多数の丸太を運搬してこなければならず、輸送コストが増大するという欠点がある。
また鋼製のしがら工は、主として、丸太積み重ねのしがら工の輸送コストが高くなる等の欠点を改善するものとして提案されたものであるが、しかし、上記従来の各鋼製しがら工(あるいは簡易土留め工)はいずれも、施工性や価格に難点があり、必ずしも丸太積み重ね方式のしがら工に取って代わる程の有利なものではなかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、輸送コストが安く済み、しかも容易にかつ安価に施工できるしがら工、およびしがら工施工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、法面に概ね水平方向に間隔をあけて杭を打ち込み、隣接する杭間に土留め材を配設してなるしがら工において、
前記土留め材は、細長い矩形のエキスパンドメタルを折り曲げ加工して、中央平坦部とこの中央平坦部の両側に連続する傾斜部とこの傾斜部の両側に連続する両端の取付用平坦部とからなる略ハット形の断面形状に成形してなる部材であり、この土留め材を各杭スパン毎に設け、各杭スパンの土留め材を、その略ハット形の凸側を法面の傾斜下方に向けてかつ両端の取付用平坦部を杭の背面に当てて配置し、隣接する土留め材の重なり合った取付用平坦部どうしを接合してなることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1のしがら工における土留め材の略ハット形の高さ寸法を杭の直径とほぼ同一にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3は、法面に概ね水平方向に間隔をあけて杭を打ち込み、隣接する杭間に土留め材を配設してしがら工を施工するしがら工施工法であって、
前記土留め材は、細長い矩形のエキスパンドメタルを折り曲げ加工して、中央平坦部とこの中央平坦部の両側に連続する傾斜部とこの傾斜部の両側に連続する両端の取付用平坦部とからなる略ハット形の断面形状に成形した部材であり、この土留め材を、各杭スパン毎に、その略ハット形の凸側を法面の傾斜下方に向けてかつ両端の取付用平坦部を杭の背面に当てて配置し、隣接する土留め材の重なり合った取付用平坦部どうしを接合することを特徴とする。
【0009】
請求項4は、請求項3のしがら工施工法において、法面における、杭を打ち土留め材を配設しようとするしがら工設置面を、法面の一部を切り取りまたは溝状に掘削して形成するとともに、その切り取り幅または溝幅を前記土留め材の幅である、中央平坦部と両端の取付用平坦部との間の法面傾斜方向の距離hより僅かに大きい幅とすることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1(イ)は本発明の一実施形態のしがら工の要部の正面図、(ロ)は同平面図、図2は同縦断面図、図3は上記のしがら工を施工した法面を模式的に示した斜視図である。
これらの図において、10は例えば間伐材等の丸太を用いた杭であり、この杭10を法面における概ね水平方向のしがら工設置ラインに沿って、間隔をあけて打ち込む。なお、杭10は丸太でなく、鋼製でもよい。11は土留め材であり、この土留め材11を各杭スパン毎に配設する。この土留め材11は、細長い矩形のエキスパンドメタルを略ハット形に折り曲げ加工したものである。すなわち、図1(ロ)に示すように、中央平坦部12とこの中央平坦部の両側に連続する傾斜部13とこの傾斜部の両側に連続する両端の取付用平坦部14とからなる略ハット形の断面形状をなしている。また、この実施形態では、土留め材11の幅(略ハット形の高さ寸法hを指す)は、杭10の直径とほぼ同一(図示例ではやや小)としている。
【0011】
そして、土留め材11を各杭スパン毎に配設する際、土留め材11を、その略ハット形の凸側(図1(ロ)で下側)を法面の傾斜下方(谷側:図1(ロ)で下側)に向けて、かつ、両端の取付用平坦部14を杭10の背面(山側:図1(ロ)で上側)に当てて配置する。
なお、法面のしがら工設置面には凹凸があるのが普通なので、通常、設置面の整地のためにしがら工設置ラインに沿って、法面の一部を切り取って平坦な設置面を形成するか、あるいは溝状に掘削して溝の底に平坦な設置面を形成する。この場合の切り取り幅または溝幅は、土留め材11の幅(土留め材11の略ハット形の高さ寸法h)より僅かに大きい幅に形成すればよい。このように、土留め材11の幅が杭10の直径と同程度であり、設置面を形成する際の切り取り幅または溝幅が狭く済むので、掘削手間が簡略化される。
また、土留め材11が略ハット形をなしているので、支えをしなくても安定して立てることができる。したがって、設置に際して単に傾斜地盤上に置くことも可能であり、場合によっては、設置面を掘削せずに乃至ほとんど掘削せずに、施工することも可能であるる。
【0012】
次いで、隣接する土留め材11の重なり合った取付用平坦部14どうしを接合金具15等で接合する。重なりあった取付用平坦部14どうしの接合手段は任意であるが、例えば、重ね合わされたエキスパンドメタルの網目から例えば平板クサビ状釘を丸太の杭10に打ち込む等して接合することができる。また、杭10に対して固定せずに、両取付用平坦部14のエキスパンドメタル網目部分をワイヤで結束して、単に両者14を接合するだけでもよい。このように、土留め材11が網目を持つエキスパンドメタル製であるから、隣接する杭スパンの土留め材11の接合は、簡単に行うことができる。
次いで、土留め材11の背面側(山側)に土砂を裏込めする。この裏込め土5は、設置面を掘削した際の掘削土等の現地発生土を使用できる。
【0013】
上記の作業を、法面勾配方向に間隔をあけた複数のしがら工設置ラインに沿って行うと、図3のように法面4が階段状になる。そして、必要に応じて、芝や苗木その他で植生を図る。
【0014】
上記のように施工されたしがら工では、法面の表層の土砂は土留め材11で防止される。一方、雨水は土留め材11のエキスパンドメタル網目を容易に透過するので、法面崩壊を引き起こす原因を生じさせない。
【0015】
上述の実施形態では、法面におけるしがら工設置ラインが水平方向に直線的であるとして述べたが、しがら工設置ラインがカーブしている場合にも容易に対応できる。すなわち、エキスパンドメタルは簡単に所望の角度に折り曲げ加工できるので、土留め材11の両端の取付用平坦部14の中央平坦部12に対する角度を所望の角度にすることで、法面のしがら工設置ラインの曲がりに対応できる。
【0016】
また、上述の実施形態は、しがら工のみを施工するものであるが、大型の鋼製土留め工と並立して本発明のしがら工を施行することも可能である。すなわち、山腹斜面において、大型の土留め工が必要な個所には大型の鋼製土留め工を施工し、簡易なもので済む個所には本発明のしがら工を施工する、という施工法も可能であり、その場合には、山腹斜面の保護工が簡単になる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、エキスパンドメタルを略ハット形に成形した土留め材を各杭スパン毎に設けるとともに、各杭スパンの土留め材は、その略ハット形の凸側を法面の傾斜下方に向けてかつ両端の取付用平坦部を杭の背面に当てて配置し、隣接する土留め材の重なり合った取付用平坦部どうしを接合した構成であるから、次のような構成を奏する。
▲1▼設置のための掘削幅は、例えば請求項2のようにすることで、杭の直径とほぼ同等とすることが可能であり、また、請求項4のように土留め材の幅より僅かに大きい程度とすることができるので、掘削幅が狭く済み、掘削手間が簡略化される。
▲2▼土留め材の素材であるエキスパンドメタルは簡単に所望の角度に折り曲げ加工できるので、両端の取付用平坦部の中央平坦部に対する角度を所望の角度にすることで、法面のしがら工設置ラインの曲がりに簡単に対応できる。
▲3▼エキスパンドメタル製の土留め材が略ハット形をなしているので、支えをしなくても安定して立てることができ、したがって、設置に際して、単に傾斜地盤上に置いても、倒れることがなく安定して立つので、施工が容易である。
▲4▼隣接する杭スパンの土留め材の接合は、土留め材がエキスパンドメタルであるから簡単に行うことができる。
▲5▼エキスパンドメタル製の土留め材はスペースを取らず、かつ軽量なので、大量運搬も容易であり、輸送コストが安くなる。
▲6▼大型の鋼製土留め工と並立して使用することも可能であり、その場合には、山腹斜面の保護工が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のしがら工を示すもので、(イ)はしがら工の要部の正面図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【図2】上記しがら工の断面図である。
【図3】上記のしがら工を施工した法面を模式的に示した斜視図である。
【図4】従来のしがら工の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
4 法面
10 杭
11 土留め材(エキスパンドメタル)
12 中央平坦部
13 傾斜部
14 取付用平坦部
Claims (4)
- 法面に概ね水平方向に間隔をあけて杭を打ち込み、隣接する杭間に土留め材を配設してなるしがら工において、
前記土留め材は、細長い矩形のエキスパンドメタルを折り曲げ加工して、中央平坦部とこの中央平坦部の両側に連続する傾斜部とこの傾斜部の両側に連続する両端の取付用平坦部とからなる略ハット形の断面形状に成形してなる部材であり、この土留め材を各杭スパン毎に設け、各杭スパンの土留め材を、その略ハット形の凸側を法面の傾斜下方に向けてかつ両端の取付用平坦部を杭の背面に当てて配置し、隣接する土留め材の重なり合った取付用平坦部どうしを接合してなるしがら工。 - 前記土留め材の略ハット形の高さ寸法が前記杭の直径とほぼ同一であることを特徴とする請求項1記載のしがら工。
- 法面に概ね水平方向に間隔をあけて杭を打ち込み、隣接する杭間に土留め材を配設してしがら工を施工するしがら工施工法であって、
前記土留め材は、細長い矩形のエキスパンドメタルを折り曲げ加工して、中央平坦部とこの中央平坦部の両側に連続する傾斜部とこの傾斜部の両側に連続する両端の取付用平坦部とからなる略ハット形の断面形状に成形した部材であり、この土留め材を、各杭スパン毎に、その略ハット形の凸側を法面の傾斜下方に向けてかつ両端の取付用平坦部を杭の背面に当てて配置し、隣接する土留め材の重な
り合った取付用平坦部どうしを接合することを特徴とするしがら工施工法。 - 法面における、杭を打ち土留め材を配設しようとするしがら工設置面を、法面の一部を切り取りまたは溝状に掘削して形成するとともに、その切り取り幅または溝幅を前記土留め材の幅である、中央平坦部と両端の取付用平坦部との間の法面傾斜方向の距離hより僅かに大きい幅とすることを特徴とする請求項3記載のしがら工施工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34283098A JP3960446B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | しがら工、およびしがら工施工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34283098A JP3960446B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | しがら工、およびしがら工施工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000160565A JP2000160565A (ja) | 2000-06-13 |
JP3960446B2 true JP3960446B2 (ja) | 2007-08-15 |
Family
ID=18356828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34283098A Expired - Fee Related JP3960446B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | しがら工、およびしがら工施工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3960446B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100371534C (zh) * | 2005-11-16 | 2008-02-27 | 南京工业大学 | 预位移支护施工工艺及其支护桩 |
JP5112349B2 (ja) * | 2009-01-19 | 2013-01-09 | 株式会社コシイプレザービング | 筋工 |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP34283098A patent/JP3960446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000160565A (ja) | 2000-06-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3979667B2 (ja) | セル密閉構造 | |
US4269545A (en) | Retaining wall structure and method of constructing same | |
US5499891A (en) | Earth-retaining module and system | |
JP3960446B2 (ja) | しがら工、およびしがら工施工法 | |
KR102542559B1 (ko) | 레이커 보강구조물과 이를 이용한 흙막이 벽체의 보강방법 | |
AU688156B2 (en) | Method and apparatus for supporting vegetative growth on a slope face | |
JP2000096586A (ja) | 開口部隠ぺい用中空ブロック体及びそのブロック体の組積方法 | |
KR102649099B1 (ko) | 프리스트레스 말뚝을 이용한 2열 흙막이 구조물 | |
JP7141157B1 (ja) | 法面形成用ブロック及び法面構造及び治水構造 | |
JPH08338027A (ja) | 盛土の法面部構造 | |
JP2500358B2 (ja) | 護岸ブロック及び護岸構造物 | |
JPS6312174Y2 (ja) | ||
KR100662011B1 (ko) | 보강스트립을 이용한 하천 호안보호공의 시공방법 | |
JPS59109619A (ja) | 土止め用柵 | |
JPH1088574A (ja) | 土留め擁壁構築ユニット | |
JP3369879B2 (ja) | 法面、壁面等の緑化構造 | |
JPS63531A (ja) | 網状部材を利用した補強土擁壁構造 | |
JP2658692B2 (ja) | 大深度掘削に伴う土留め工法 | |
KR20080000259A (ko) | 보강토옹벽 공법 | |
JPS6015773B2 (ja) | よう壁 | |
JPS58117137A (ja) | よう壁 | |
JP2923845B2 (ja) | 構築用ブロック及び構築用ブロックの施工方法 | |
JP3911148B2 (ja) | 補強土擁壁 | |
JP2787188B2 (ja) | 土留ユニットと前記ユニットを使用した構築工法 | |
KR200232628Y1 (ko) | 강재격자 전면틀을 이용한 보강토 옹벽의 수직평강재이음구조 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050330 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070404 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070510 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |