JP3959609B2 - 外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受および転がり軸受用外輪の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外周面が軌道面となされる内輪と、内周面が軌道面となされるとともに外周面が他部材に接触してロールとして使用される外輪と、内外両輪間に配された複数の転動体とを備えており、外輪の外周面に傷が付いた場合にはこの傷を除去するために再研磨するようになされているとともに、外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受および転がり軸受用外輪の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、圧延機器用軸受の中でも特に使用環境が苛酷な多段式圧延機のバックアップロール軸受においては、内外両輪の軌道面および転動体の転動面に、異物環境下に強い転がり疲労寿命特性が要求される。しかも、バックアップロールとなる外輪には、軌道面の転がり疲労寿命特性の他に耐割損性や、熱や荷重による塑性変形に対する耐変形性や、外輪の外周面に傷が付いた場合にこの傷を除去するために行われる研磨に対する再研磨性が要求される。
【0003】
従来、多段圧延機のバックアップロールに使用される転がり軸受用外輪として、軸受鋼を用いて所定の形状に形成された外輪素材に、浸炭焼入処理を施すことによって、外輪の外周面に硬さの比較的大きい表面硬化層を形成するとともに、それよりも内部に靭性を付与したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浸炭焼入処理を施した場合、外周面の有効硬化層深さが小さくなるので、外輪の外周面に傷が付いた場合にこの傷を除去するために行われる研磨に対する再研磨性が得られないという問題がある。すなわち、有効硬化層深さが小さいと、研磨によっても傷を完全に除去することができなかったり、傷を除去することができたとしても研磨後の有効硬化層深さが小さくなって傷が付きやすくなる。有効硬化層深さを大きくするには、浸炭焼入処理の処理コストが大幅に高くなるという問題があり、実際には実現不可能である。さらに、浸炭焼入処理を施した場合、外周面の有効硬化層における残留オーステナイト量が多くなり、熱や荷重による時効変形の度合いが大きくなるという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、上記問題を解決し、内外両輪の軌道面および転動体の転動面の転がり疲労寿命特性を向上させうるとともに外輪の外周面の有効硬化層深さが大きく、しかも外輪の時効変形を抑制しうる外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受、ならびに処理コストを低減しうる転がり軸受用外輪の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
請求項1の発明による外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受は、
外周面が軌道面となされる内輪と、内周面が軌道面となされるとともに外周面が他部材に接触してロールとして使用される外輪と、内外両輪間に配された複数の転動体とを備えており、外輪の外周面に傷が付いた場合にはこの傷を除去するために再研磨するようになされているとともに、外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受において、
内輪の軌道面および転動体の転動面が、表面硬さがロックウェルC硬さ(HRC)で61〜65となされるとともに、硬さが61〜65HRCである有効硬化層深さが0.35mm以上となされ、有効硬化層の残留オーステナイト量が15〜35vol%となされるとともに圧縮残留応力が100MPa以上となされており、外輪が、C0.8〜1.3 wt %、Si0.35〜0.8 wt %、Mn0.3〜1.2 wt %、Cr0.9〜1.5 wt %を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる軸受鋼よりなり、焼き入れ処理および焼戻し処理が施されて、外輪の軌道面の表面硬さが、転動体の転動面の表面硬さよりも0.8〜1.3HRC小さい硬さとなされ、外輪の外周面から深さ3mmまでの部分の硬さが58〜62HRCとなされるとともに、この深さ部分の残留オーステナイト量が5〜18vol%となされ、外輪の内外両周面間の厚さ方向の中心部の硬さが30〜45HRCとなされていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の発明における各数値の限定理由は次の通りである。なお、外輪に用いる鋼の合金成分については、後述する請求項2の発明の場合と同じである。
【0008】
内輪の軌道面および転動体の転動面の表面硬さ
この表面硬さが61HRC未満であると潤滑油に含まれる異物により圧痕が発生しやすく、65HRCを越えると割れが発生しやすくなるからである。
【0009】
内輪の軌道面および転動体の転動面の有効硬化層深さ
0.35mmが、潤滑油中に含まれる異物による圧痕の発生を有効に防止するための最低限の深さである。
【0010】
内輪の軌道面および転動体の転動面の有効硬化層の残留オーステナイト量
この残留オーステナイトは、有効硬化層のマトリックスの靭性を向上させて亀裂の進展を抑制し、これにより異物に対する寿命を向上させる性質を有するが、この残留オーステナイト量が15vol%未満であるとこのような効果が得られず、35vol%を越えると変形が生じやすいからである。
【0011】
内輪の軌道面および転動体の転動面の有効硬化層の圧縮残留応力
この圧縮残留応力が100MPa未満であると内輪の軌道面および転動体の転動面に表面割れが発生しやすくなるからである。
【0012】
外輪の軌道面の表面硬さ
この表面硬さを、転動体の転動面の表面硬さよりも小さい硬さとしたのは、転がり軸受として優れた耐割損性を有するためには、割損しやすい外輪の靭性向上を目的として低硬度にする必要があるからである。なお、転がり軸受としての強度および耐摩耗性をバランスさせて耐久性を向上させるためには、外輪の軌道面と転動体の転動面との硬さの差はHRCで0.8〜1.3の範囲内にすることが好ましく、1とすることが望ましい。
【0013】
外輪の外周面から深さ3mmまでの部分の硬さ
この硬さが58HRC未満であると塑性変形を起こしやすく、62HRCを越えると割れが発生しやすくなるからである。
【0014】
外輪外周面から深さ3mmまでの部分の残留オーステナイト量
この残留オーステナイト量が5vol%未満であると靭性が不足して耐割損性が低下し、18vol%を越えると時効変形しやすくなって寸法に狂いが生じ、局所的に高面圧の箇所が発生して割損の原因となるからである。
【0015】
ここで、外輪の外周面から深さ3mmまでの部分の硬さおよび残留オーステナイト量を上記のようにしたのは、外輪の外周面に傷が付いた場合にこの傷を除去するための研磨に対する再研磨性が得られるとともに、熱や荷重による時効変形の度合いを小さくできるからである。
【0016】
外輪の内外両周面間の厚さ方向の中心部の硬さ
この硬さが30HRC未満であると塑性変形を起こしやすくなって強度が不足し、たとえば多段圧延機のバックアップとして機能しなくなり、45HRCを越えると靭性が不足して耐割損性が低下するからである。
【0017】
請求項1の発明の転がり軸受によれば、たとえば外輪を多段圧延機のバックアップロールに用いたさいの内外両輪の軌道面および転動体の転動面の転がり疲労寿命特性を向上させることができる。また、外輪の外周面に傷が付いた場合にこの傷を除去するための研磨に対する再研磨性を得ることができる。また、外輪の外周面の熱や荷重による時効変形の度合いを小さくできる。さらに、外輪の内外両周面間の厚さ方向の中心部の硬さが上述したとおりであるから、外輪の塑性変形を防止することができる。
【0018】
請求項2の発明による転がり軸受用外輪の製造方法は、請求項1の転がり軸受の外輪を製造する方法であって、C0.8〜1.3wt%、Si0.35〜0.8wt%、Mn0.3〜1.2wt%、Cr0.9〜1.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を用いて所定の形状に形成された外輪素材を、800〜880℃で1〜3時間加熱した後、焼入油中に焼入し、焼入油中において外輪素材の内周面に圧力0.2〜0.8kg/cm2で焼入油を噴射するとともに同じく外周面に圧力1.4〜2.1kg/cm2で焼入油を噴射することを特徴とするものである。
【0019】
請求項2の発明における各数値の限定理由は次の通りである。
【0020】
鋼種
C含有量
Cは軸受としての強度を維持するための必須の元素であり、含有量が0.8wt%未満であると焼入、焼戻し後の外輪外周面の硬さを58〜62HRCとすることが困難となって転がり寿命が低下し、1.3wt%を越えると鋼材の溶製段階で巨大な炭化物を生成しやすくなって加工性が劣化するとともに耐破断性および転がり疲労寿命が低下するからである。
【0021】
Si含有量
Siは転がり寿命を改善する性質を有するが、含有量が0.35wt%未満では転がり寿命改善効果が得られにくく、0.8wt%を越えると軟化熱処理後の硬さが高くなり、被削性や鍛造性を大幅に劣化させるからである。
【0022】
Mn含有量
Mnは脱酸剤として用いられるものであり、同時に焼入性および耐破断性を改善させる性質を有するが、含有量が0.3wt%未満であると溶製コストが高くなり、1.2wt%を越えると被削性が急激に低下するからである。
【0023】
Cr含有量
Crは焼入性、耐破断性および転がり寿命を改善する性質を有するが、含有量が0.9wt%未満であると耐破断性および転がり寿命を改善する効果が得られず、1.5wt%を越えると大型の炭化物が生成して耐破断性および転がり寿命がかえって劣化するからである。
【0024】
加熱温度
加熱温度が800℃未満では外輪の軌道面および外周面の硬さを所望の硬さにすることができず、880℃を越えると結晶粒の粗大化がすすむとともに、第2相である炭化物のマトリックス中への固溶が多くなりすぎて、必要とする転がり寿命および耐割損性を得ることができないからである。
【0025】
加熱時間
加熱時間が1時間未満であると均熱不足に起因して熱処理不良になり、3時間を越えると熱処理コストが増大するからである。
【0026】
外輪素材の内周面および外周面への焼入油の噴射圧力
外輪素材の内周面および外周面への焼入油の噴射圧力が下限値未満であると外輪の軌道面および外周面の硬さを所望の硬さにすることができず、上限値を越えると内部の硬さが硬くなりすぎて45HRCよりも大きくなるからである。なお、上記噴射圧力は、噴射ノズルの噴射口における圧力である。また、外輪素材の外周面に焼入油を噴射するノズルの噴射口は、外輪素材の外周面より150〜300mm離れていることが好ましく、200〜250mm離れていることが望ましい。
【0027】
請求項2の発明によれば、軌道面の表面硬さが、転動体の転動面の表面硬さよりも小さい硬さとなされ、外周面から深さ1mmまでの部分の硬さが58〜62HRCとなされるとともに、この深さ部分の残留オーステナイト量が5〜18vol%となされ、内外両周面間の厚さ方向の中心部の硬さが30〜45HRCとなされている外輪を製造することができる。
【0028】
そして、外輪素材を、800〜880℃で1〜3時間加熱した後、焼入油中に焼入し、焼入油中において外輪素材の内周面に圧力0.2〜0.8kg/cm2で焼入油を噴射するとともに同じく外周面に圧力1.4〜2.1kg/cm2で焼入油を噴射するだけであるので、従来の浸炭焼入処理を施す方法に比べて、処理コストが安くなる。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
転がり軸受は、外周面が軌道面となされる内輪と、内周面が軌道面となされるとともに多段式圧延機のバックアップロールとして使用される外輪と、内外両輪間に配された複数の円筒ころとを備えている。
【0031】
内輪およびころは、ニッケルクロムモリブデン鋼やクロムモリブデン鋼などの肌焼き鋼からなる。内輪の軌道面およびころの転動面は、表面硬さがロックウェルC硬さ(HRC)で61〜65、硬さが61〜65HRCである有効硬化層深さが0.35mm以上、有効硬化層の残留オーステナイト量が15〜35vol%、有効硬化層の圧縮残留応力が100MPa以上である。
【0032】
図1に示すように、外輪(1)は軸受鋼により形成されており、その軌道面である内周面(2)の表面硬さは、ころの転動面の表面硬さよりも小さく、外輪(1)の内周面(2)ところの転動面との表面硬さの差は、HRCで0.8〜1.3の範囲内、たとえば1である。また、外輪(1)の外周面(3)から深さ3mmまでの部分(4)の硬さが58〜62HRC、この深さ部分(4)の残留オーステナイト量が5〜18vol%、外輪(1)の内外両周面(2)(3)間の厚さ方向の中心部の硬さが30〜45HRCとなっている。なお、外輪(1)の厚さ方向の硬さ分布は、内外両周面(2)(3)から厚さ方向の中心部にかけて滑らかに変化している。また、外輪(1)の外周面から深さ3mmまでの部分(4)の残留オーステナイト量が5〜18vol%となっている。
【0033】
上述したような外輪(1)は、次に述べる方法により製造される。
【0034】
まず、C0.8〜1.3wt%、Si0.35〜0.8wt%、Mn0.3〜1.2wt%、Cr0.9〜1.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を用いて所定の形状寸法の外輪素材(10)を形成する。ついで、外輪素材(10)を、800〜880℃で1〜3時間加熱した後、焼入油中に焼入する。この焼入のさいに、図2に示すように、焼入油中において外輪素材(10)の内周側における中心軸線上に軸線方向に伸びる第1の焼入油噴射ノズル(12)を1つ配置するとともに、外輪素材(10)の外周側における周方向に等間隔をおいた複数箇所にそれぞれ軸線方向に伸びる第2の焼入油噴射ノズル(13)を配置しておき、外輪素材(10)の内周面に第1焼入油噴射ノズル(12)により圧力0.2〜0.8kg/cm2で焼入油を噴射するとともに同じく外周面に第2焼入油噴射ノズル(13)により圧力1.4〜2.1kg/cm2で焼入油を噴射する。
【0035】
焼入終了後、外輪素材(10)を焼入油中から取り出して、焼戻し処理を施す。最後に、外輪素材(10)の内外両周面および両端面に所定の切削加工、研削加工等を施す。こうして、外輪(1)が製造される。
【0036】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0037】
C1.02wt%、Si0.55wt%、Mn1.01wt%、P0.015wt%、S0.003wt%、Cu0.09wt%、Ni0.07wt%、Cr1.10wt%およびMo0.02wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を用いて、外径300mm、内径218mm、長さ173mmの円筒状外輪素材(10)を形成した。
【0038】
ついで、外輪素材(10)を860℃で90分間加熱した後、マスタークエンチAからなる油温80℃の焼入油中に浸漬して焼入れするとともに、焼入油中において第1焼入油噴射ノズル(12)により外輪素材(10)の内周面に圧力0.65kg/cm2で焼入油を噴射するとともに同じく第2焼入油噴射ノズル(13)により外周面に圧力1.9kg/cm2で焼入油を噴射した。第2焼入油噴射ノズル(13)の数は8、油冷時間は6分、焼入油噴射時間は6分である。
【0039】
焼入終了後、外輪素材(10)を焼入油中から取り出し、200℃で5時間加熱する焼戻し処理を施した。その後、外輪素材(10)の内外両周面および両端面に所定の切削加工を施した。
【0040】
こうして、製造された外輪(1)の長さ方向の中心における外周面(3)から内周面(2)までの硬さ分布を計測した。その結果、図3に示すように、外周面(3)の硬さは59.1HRC、外周面から深さ3mmの部分の硬さは58.0HRC、内周面の硬さは62.0HRC、厚さ方向の中心の硬さは35HRCとなっていた。さらに、外周面(3)から深さ3mmまでの部分(4)の残留オーステナイト量は14vol%となっていた。
【0041】
さらに、軌道面の表面硬さが62.3HRCであるとともに、硬さが61〜62.3HRCである有効硬化層深さが1mmであり、有効硬化層の残留オーステナイト量が21vol%であるとともに圧縮残留応力が186MPaである内輪と、転動面の表面硬さが63.0HRCである円筒ころを用意した。そして、これらの内輪およびころと上述したようにして製造された外輪(1)を利用して転がり軸受を組立て、外輪(1)がバックアップロールとなるように多段式圧延機に組込んだ場合、従来の外輪を用いた場合に点検や交換を要していた6ヶ月の使用後も、外輪(1)に割れや時効変形は見られず、しかも内外両輪およびころにも異常は見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による転がり軸受に用いられる外輪の半分を示す縦断面図である。
【図2】焼入油中において外輪素材に焼入油を噴射するノズルの配置状態を示す図である。
【図3】具体的実施例において製造された外輪の硬さ分布を示すグラフである。
【符号の説明】
(1):外輪
(2):内周面
(3):外周面
(4):外周面から深さ3mmまでの部分
(10):外輪素材
Claims (2)
- 外周面が軌道面となされる内輪と、内周面が軌道面となされるとともに外周面が他部材に接触してロールとして使用される外輪と、内外両輪間に配された複数の転動体とを備えており、外輪の外周面に傷が付いた場合にはこの傷を除去するために再研磨するようになされているとともに、外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受において、
内輪の軌道面および転動体の転動面が、表面硬さがロックウェルC硬さ(HRC)で61〜65となされるとともに、硬さが61〜65HRCである有効硬化層深さが0.35mm以上となされ、有効硬化層の残留オーステナイト量が15〜35vol%となされるとともに圧縮残留応力が100MPa以上となされており、外輪が、C0.8〜1.3 wt %、Si0.35〜0.8 wt %、Mn0.3〜1.2 wt %、Cr0.9〜1.5 wt %を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる軸受鋼よりなり、焼き入れ処理および焼戻し処理が施されて、外輪の軌道面の表面硬さが、転動体の転動面の表面硬さよりも0.8〜1.3HRC小さい硬さとなされ、外輪の外周面から深さ3mmまでの部分の硬さが58〜62HRCとなされるとともに、この深さ部分の残留オーステナイト量が5〜18vol%となされ、外輪の内外両周面間の厚さ方向の中心部の硬さが30〜45HRCとなされていることを特徴とする外輪が圧延機のバックアップロールとして用いられる転がり軸受。 - 請求項1の転がり軸受の外輪を製造する方法であって、C0.8〜1.3wt%、Si0.35〜0.8wt%、Mn0.3〜1.2wt%、Cr0.9〜1.5wt%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を用いて所定の形状に形成された外輪素材を、800〜880℃で1〜3時間加熱した後、焼入油中に焼入し、焼入油中において外輪素材の内周面に圧力0.2〜0.8kg/cm2で焼入油を噴射するとともに同じく外周面に圧力1.4〜2.1kg/cm2で焼入油を噴射することを特徴とする転がり軸受用外輪の製造方法。
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