JP3959223B2 - パターン検査システムの検査条件補正方法、パターン検査システムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パターン検査システムの検査条件を補正する方法に係わり、特に半導体製造用マスクのパターンを検査するシステムの検査条件を補正する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なパターン検査は、水銀ランプやレーザ発振光源などの適当な光源で被検査試料を照射し、透過光をセンサで受光して信号処理することで為される。被検査試料によっては、透過光学系ではなく、反射光学系で検査すること、あるいは透過、反射双方の光学系を用いて検査することが適当な場合もある。
【0003】
この際、例えば透過光学系を用いて検査するためには、正常なパターンでの白部分の光量、および黒部分の光量を予め計測し、装置パラメータとして検査装置に記憶させておく。そして、実際に検査したパターンに、既定値以上の明暗の誤差が存在した場合には、そこを欠陥として指摘することが行われている。
【0004】
また、マスクの板厚によっては、光学系フォーカスレンズの最適位置が変動するが、これも予めそれぞれの板厚毎に基準マスクを用いて計測し、装置パラメータとして検査装置に記憶させておく。そして、実際に検査する際には、マスクの板厚に応じて、検査パラメータに従って最適位置を制御している。
【0005】
しかしながら、最近の高繊細マスクの検査に際しては、マスク一枚毎の微妙な板厚の変化や光源の安定度などの、従来の検査精度では無視し得た程度の変動要素の影響を受けることがあり、安定した検査が困難な状況になってきた。
【0006】
一方、マスク一枚毎の微妙な板厚の変化や光源の安定度などの問題は、マスク毎に、白部分および黒部分の光量の測定、並びにフォーカス最適位置の測定を行えば回避できる。しかし、そのためには、オペレータが、パターン検査時に必要な各種補正値を測定するのに最適なパターンを設計データから探し出し、探し出した最適なパターンにそれぞれマーキングをしていく、という処理が事前に必要となる。このため、オペレータがパターンの設計データを閲覧するための設計データビューシステムが必要である。
【0007】
また、パターンによっては、補正量の測定に適したパターンが含まれていない場合があり、このような場合は、適切な補正を行うことができず、高精度な検査が不可能であった。
【0008】
さらに、マーキングが必要なために、予め装置に複数枚のマスクを装填して、これらマスクを連続して自動処理する連続検査を行うことも困難であった。
【0009】
また、マスク製造プロセスの描画やエッチングなど、いくつもの工程を経るに連れて、パターンサイズは微妙に変化する。この変化は、リサイズ寸法、コーナー丸まり寸法として取り扱われている。リサイズ寸法は、パターン線幅の太り細りのことである。また、コーナー丸まり寸法は90度、45度のパターンのコーナーが丸まることであり、パターンの透過部分が凸状か凹状かで白コーナーと黒コーナーとがある。これらの寸法は、描画条件とその後のプロセス条件に応じて予め算出できるものであるが、実際には変動が大きくパターンサイズが基準データと合わずに擬似欠陥多発で、安定した検査が困難な状況が見受けられる。
【0010】
予めマスク上に基準となるマークを設けて、実パターンの検査精度を向上する試みは、特公昭63−56702号に開示され、有効に機能している。しかしながら、この開示では、マスク毎に白部分の光量と黒部分の光量測定を行う方法や、リサイズ寸法、コーナー丸まり寸法としてのパターン寸法変動を取り扱うことについては解決できておらず、従来の検査装置での検査精度向上の限界となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記事情に鑑み為されたもので、その第1の目的は、検査精度を、さらに向上させることが可能なパターン検査システムの検査条件補正方法を提供することにある。
【0013】
また、第2の目的は、上記検査条件補正方法を実行するパターン検査システムを提供することにある。
【0014】
また、第3の目的は、上記検査条件補正方法を実行するプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、この発明に係る検査条件補正方法は、基板上に形成された実パターンと、前記基板上に形成された、光学系補正量、ステージ系補正量、および設計データ補正量を測定する前記実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成されたモニターパターンと、を具備する被検査試料から、前記光学系補正量を測定するモニターパターンを走査する工程と、前記走査により得られたセンサデータから、前記光学系補正量を求める工程と、前記求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する工程と、前記光学系を補正した後、前記被検査試料から、前記ステージ系補正量、及び前記設計データ補正量を測定するモニターパターンを走査する工程と、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記ステージ系補正量を求める工程と、前記求められたステージ系補正量に基き、ステージ系を補正する工程と、前記ステージ系補正量を求めた後、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記設計データ補正量を求める工程と、前記求められた設計データ補正量に基き、設計データを補正する工程と、を具備することを特徴としている。
【0017】
上記第2の目的を達成するために、この発明に係るパターン検査システムは、基板上に形成された実パターンと、前記基板上に形成された、光学系補正量、ステージ系補正量、および設計データ補正量を測定する前記実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成されたモニターパターンと、を具備する被検査試料から、前記光学系補正量を測定するモニターパターンを走査する手段と、前記走査により得られたセンサデータから、前記光学系補正量を求める手段と、前記求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する手段と、前記光学系を補正した後、前記被検査試料から、前記ステージ系補正量、及び前記設計データ補正量を測定するモニターパターンを走査する手段と、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記ステージ系補正量を求める手段と、前記求められたステージ系補正量に基き、ステージ系を補正する手段と、前記ステージ系補正量を求めた後、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記設計データ補正量を求める手段と、前記求められた設計データ補正量に基き、設計データを補正する手段と、を具備することを特徴としている。
【0018】
上記第3の目的を達成するために、この発明に係る記録媒体は、基板上に形成された実パターンと、前記基板上に形成された、光学系補正量、ステージ系補正量、および設計データ補正量を測定する前記実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成されたモニターパターンと、を具備する被検査試料から、前記光学系補正量を測定するモニターパターンを走査する手順と、前記走査により得られたセンサデータから、前記光学系補正量を求める手順と、前記求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する手順と、前記光学系を補正した後、前記被検査試料から、前記ステージ系補正量、及び前記設計データ補正量を測定するモニターパターンを走査する手順と、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記ステージ系補正量を求める手順と、前記求められたステージ系補正量に基き、ステージ系を補正する手順と、前記ステージ系補正量を求めた後、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記設計データ補正量を求める手順と、前記求められた設計データ補正量に基き、設計データを補正する手順と、を具備するプログラムが記録されていることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係るパターン検査装置を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、パターンが形成されたフォトマスク1は、ステージ2上に載置されている。光源3は、フォトマスク1に光を照射する。フォトマスク1を透過した光は、対物レンズ4を介してセンサ5にパターンの光学像として結像する。センサ回路6は、センサ5に結像したパターンの像を測定する。この測定により得られたデータは、A/D変換された後、補正値算出回路7、欠陥判定回路8にそれぞれ送られる。なお、検査対象マスクの特性によっては、透過光ではなく、反射光や、透過光および反射光を混合した状態で、センサ5に結像させるようにしても良い。
【0022】
一方、パターンの設計データは、計算機9よりパターン展開回路10に送られ、パターンデータに展開される。展開されたパターンデータは、補正値算出回路7、リサイズ回路11、およびコーナー丸め回路12に送られ、フォトマスク1上に形成されるパターンのエッチングプロセスによって生じるパターンの変化に対応したパターンデータの合わせを行った後、欠陥判定回路8に送られる。
【0023】
欠陥判定回路8は、センサ回路6から送られたフォトマスク1のパターン像と、コーナー丸め回路12から送られたパターンデータとを比較し、フォトマスク1上の欠陥を判定する。
【0024】
図2は、図1に示す補正値算出回路7の一構成例を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、補正値算出回路7は、パターンデータメモリ21、センサ画像メモリ22、アドレス制御回路23、データバッファ24、およびCPU25より構成される。パターンデータメモリ21は、パターン展開回路10から送られたパターンデータの、ある一定領域を保存可能なメモリである。また、センサ画像メモリ22は、センサ回路6から送られたA/D変換されたパターン像の、ある一定領域を保存可能なメモリである。これらメモリ21、22はそれぞれ、フォトマスク1を走査したときに、アドレス制御回路23、およびCPU25の指示により、同じ領域のパターンデータ、およびパターン画像を、互いに同期して記憶、保存する。
【0026】
次に、本発明に係る検査条件補正方法に使用されるフォトマスクについて説明する。
【0027】
図3(A)はフォトマスク1の一例を示す平面図である。
【0028】
図3(A)に示すように、フォトマスク1は、実パターンが描画されている実パターンエリア31を有する。実パターンエリア31近傍の周辺には、モニターパターン32が描画されている。モニターパターン32の一例を図3(B)に示す。図3(B)に示すモニターパターン32は、実パターンエリア31内に形成された実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成される。
【0029】
また、本例のモニターパターン32は、フォトマスク1の四隅にそれぞれ設けられている。このようにモニターパターン32を、フォトマスク1の四隅に配置すれば、従来のモニターパターン32を、アライメントマークとして使用することもできる。
【0030】
さらに、モニターパターン32を複数設けることで、一つのモニターパターン32に、パターン不良、ダストの付着等の異常があった場合でも、他のモニターパターン32で検査の続行が可能、という利点も得ることができる。
【0031】
この場合には、例えばモニターパターン32を走査した結果、モニターパターン32に異常が認められたとき、別のモニターパターン32に移動するような制御シーケンスを組み込んでおけば良い。
【0032】
以下、モニターパターン32を利用した検査条件の具体的な補正方法の例について、第2実施形態以降、順次説明する。
【0033】
(第2の実施形態)
本第2の実施形態は、リサイズ量の算出方法の一例である。
【0034】
まず、実パターンの検査に先立ち、モニターパターン32のうち、市松格子状パターン(例えばP1等)の部分を走査し、得られたセンサ画像データを、センサ画像メモリ22に記憶、保存する。これと同時にモニターパターン32のパターンデータのうち、上記走査した部分と同じ領域のパターンデータを、パターンデータメモリ21に記憶、保存する。
【0035】
次に、パターンデータメモリ21、およびセンサ画像メモリ22それぞれに記憶されたデータから、同じ位置のデータをデータバッファ24に読み出す。
【0036】
次に、図4に示すように、X方向、又はY方向の光強度分布が、予め設定したある数値以上になるパターンの位置(XD1、XA1)と、上記ある数値以下になるパターンの位置(XD2、XA2)とを算出する。次いで、算出したそれぞれの位置から、パターンデータ幅(XD1−XD2)、およびセンサ画像幅(XA1−XA2)をそれぞれ求める。
【0037】
リサイズ量は、パターンデータ幅(XD1−XD2)、およびセンサ画像幅(XA1−XA2)から、
リサイズ量 = {(XD1−XD2)−(XA1−XA2)}/2
として求めることができる。求められたリサイズ量は、CPU25を経由して計算機9に送られる。
【0038】
フォトマスク1に形成された実パターンを検査する際、求められたリサイズ量がリサイズ回路11に指示され、パターンデータは、このリサイズ量に基いて補正され、より実パターンに近いパターンに補正される。
【0039】
(第3の実施形態)
本第3の実施形態は、コーナー丸め量の算出方法の一例である。
【0040】
まず、実パターンの検査に先立ち、モニターパターン32のうち、コーナーを持つパターン、例えばコンタクトホール状の四角形パターン(例えばP10等)や、45度パターン(例えばP17等)の部分を走査し、得られたセンサ画像データを、センサ画像メモリ22に記憶、保存する。これと同時にモニターパターン32のパターンデータのうち、上記走査した部分と同じ領域のパターンデータを、パターンデータメモリ21に記憶、保存する。
【0041】
次に、パターンデータメモリ21、およびセンサ画像メモリ22それぞれに記憶されたデータから、同じ位置のデータをデータバッファ24に読み出す。図5(A)は四角形パターンの90度コーナーのパターンデータ、図5(B)は図5(A)に対応するセンサ画像データを示している。また、図5(C)は45度コーナーのパターンデータ、図5(D)は図5(C)に対応するセンサ画像データを示している。
【0042】
コーナー丸め量は、図5(B)、図5(D)に示す実際のセンサ画像データから、図5(A)、図5(C)に示すパターンデータを減算し、その値を基に、予め設定したテーブルからコーナー丸め量を決定する。なお、コーナー丸め量を決定するためのテーブルは、既存のテーブルを使用することができる。求められたコーナー丸め量は、CPU25を経由して計算機9に送られる。
【0043】
フォトマスク1に形成された実パターンを検査する際、求められたコーナー丸め量がコーナー丸め回路12に指示され、パターンデータは、このコーナー丸め量に基いて補正され、より実パターンに近いパターンに補正される。
【0044】
上記説明では、90度コーナーおよび45度コーナーについて説明したが、実際には、90度コーナーには、モニターパターンP20に示すような回転変形したものがあり、45度コーナーにも、モニターパターンP18に示すような90度回転した状態のものもある。また、135度コーナーも、実際には存在する。このように、それぞれのコーナーの角度ごとに、コーナー丸め量を最適に設定することが、パターンデータとセンサ画像データとの冗長度を高めること、つまり、擬似欠陥多発を抑制する上で重要である。
【0045】
(第4の実施形態)
本第4の実施形態は、位置ずれ量の算出方法の一例である。
【0046】
従来から、フォトマスク1の実パターンの検査に先立って、基準マーク(アライメントマーク)を計測して、マーク間距離の設計値と実測値との差から、2次元的な変形が起きていることを予測して、この変形を補正することが行われている。この補正量は、予め装置パラメータの位置ずれ補正量として記憶されており、各マスクの検査時に引用する、あるいは歪み補正量として各マスク検査時に測定して補正計算されている。
【0047】
しかし、検査規格が厳しくなるに連れ、フォトマスク1の全面に対して一律の補正量を適用し、この補正量を基準マーク間に比例配分していく補正では、満足のいく補正が達成できなくなってきた。
【0048】
本発明では、パターン密度が局部的に異なる部分や、特に精度を要求する部分に、図3(B)に示すモニターパターン32を形成しておき、フォトマスク1の全面に対して適用される補正量とは異なる補正量を、局所的に適用する、あるいはこの補正量に基いて、フォトマスク1の全面を検査する。
【0049】
まず、実パターンエリア31の近傍に形成されたモニターパターン32のうち、市松格子状パターン(例えばP1やP15等)の部分を走査し、得られたセンサ画像データを、センサ画像メモリ22に記憶、保存する。これと同時にモニターパターン32のパターンデータのうち、上記走査した部分と同じ領域のパターンデータを、パターンデータメモリ21に記憶、保存する。
【0050】
次に、パターンデータメモリ21、およびセンサ画像メモリ22それぞれに記憶されたデータから、同じ位置のデータをデータバッファ24に読み出す。
【0051】
次に、図6に示すように、X方向、又はY方向の光強度分布が、予め設定したある数値以上になるパターンの位置(XD1、XA1)と、上記ある数値以下になるパターンの位置(XD2、XA2)とを算出する。次いで、算出したそれぞれの位置から、パターンデータ幅の中央の位置(XD3:XD3=(XD1−XD2)/2)、およびセンサ画像幅の中央の位置(XA3:XA3=(XA1−XA2)/2)をそれぞれ求める。
【0052】
位置ずれ量は、パターンデータ幅の中央の位置(XD3)、およびセンサ画像幅の中央の位置(XA3)から、
位置ずれ量 = (XD3) − (XA3)
として求めることができる。求められた位置ずれ量は、CPU25を経由して計算機9に送られる。
【0053】
フォトマスク1に形成された実パターンを検査する際、求められた位置ずれ量がステージ制御回路13に指示され、ステージ系の位置ずれが補正される。
【0054】
また、本位置ずれ量の算出において、パターンデータの記憶、センサ画像データの記憶、およびパターンの位置計測のステップはそれぞれ、リサイズ量の算出と同じ手順で実施可能なため、リサイズ量の計算に、位置ずれ量の計算を付加するだけで、同時に両方の補正値を得ることができる。
【0055】
(第5の実施形態)
本第5の実施形態は、光学系の補正方法の一例である。
【0056】
光学系の補正は、フォーカス調整と、センサ感度補正の2項目行われる。
【0057】
まず、フォーカス調整は、合焦点位置のフォーカスオフセット値を算出することで行う。
【0058】
また、センサ感度補正は、ラインセンサ等、センサ素子の感度のばらつきを、補正することで行う。
【0059】
光学系の補正は、検査開始直前に以下の処理を行うことで為される。
【0060】
(1) フォトマスク1を、ステージ2上にロードする。
【0061】
(2) ステージ2を、X方向、Y方向、θ方向(回転)に移動させて、フォトマスク1のアライメントを行う。
【0062】
(3) ステージ2を移動させて、照射フィールドを、モニターパターン32のラインアンドスペース(以下L&S)パターン(例えばP4等)に合わせる。
【0063】
(4) フォーカスオフセット値を振りながら、L&Sパターンの像をセンサ5、例えばラインセンサに撮り込む。これにより、図7に示すようにL&Sパターンのコントラスト値をフォーカスオフセット値ごとに得る。コントラスト値は、図8に示すように、ラインセンサ信号値の振幅の大きさにより定義される。この振幅が最大の時が合焦点である。そして、このときのフォーカスオフセット値が、合焦点位置のフォーカスオフセット値として算出される。
【0064】
(5) ステージ2を移動させて、照射フィールドを、モニターパターン32の黒パターン(例えばP28等)に合わせる。
【0065】
(6) 黒パターンの像をセンサ5、例えばラインセンサに撮り込む。これにより、図9(A)に示すように、黒センサ信号が得られる。次に、各センサ素子のオフセット値をそれぞれ算出し、求められた各オフセット値をそれぞれ、各センサに設定する。
【0066】
(7) ステージ2を移動させて、照射フィールドを、モニターパターン32の白パターン(例えばP27等)に合わせる。
【0067】
(8) 白パターンの像をセンサ5、例えばラインセンサに撮り込む。これにより、図9(B)に示すように、白センサ信号が得られる。次に、各センサ素子のゲイン値をそれぞれ算出し、求められた各ゲイン値をそれぞれ、各センサに設定する。
【0068】
以上のようにして、光学系の補正が為される。特にセンサ感度補正については、センサ素子毎にそれぞれ為されるため、より高精度な補正が可能である。
【0069】
上記第2〜第5の実施形態により説明した補正方法を実行するためには、各補正処理を行う装置を、検査装置にハードとして組み込む他、検査制御プログラムとして組み込むことでも実行することが可能である。
【0070】
次に、このような検査制御プログラムの一例を、第6の実施形態として説明する。
【0071】
(第6の実施形態)
図10は、この発明の第6の実施形態に係る検査制御プログラムの一例を示す流れ図である。
【0072】
図10に示すように、検査制御プログラムは、光学系の補正、ステージ系の補正、パターンデータの補正、および検査から成り立つ。
【0073】
本例では、最初に光学系の補正を行う。
【0074】
まず、ST.1において、モニターパターンを走査する。具体的には、第5の実施形態で説明したように、モニターパターンのうち、L&Sパターン、黒パターン、および白パターンを走査する。
【0075】
次いで、ST.2において、光学系補正量を算出する。具体的には、第5の実施形態で説明したように、L&Sパターンを受光したときのラインセンサ信号値の振幅からフォーカスオフセット値を算出する、黒パターンを受光したときのラインセンサ信号値のレベルからオフセット値を算出する、および白パターンを受光したときのラインセンサ信号値のレベルからゲイン値を算出する、である。
【0076】
これらの処理は、L&Sパターン、黒パターン、および白パターンを全て走査した後、フォーカスオフセット値、オフセット値、およびゲイン値を順次算出するようにしても良いし、勿論一つずつ独立して行われても良い。
【0077】
次いで、ST.3において、求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する。
【0078】
次に、ステージ系の補正、およびパターンデータの補正を行う。
【0079】
まず、ST.4において、モニターパターンを走査する。具体的には第2〜第4の実施形態で説明したように、モニターパターンのうち、市松格子状パターン、90度コーナーパターン、および45度コーナーパターンを走査する。
【0080】
また、これと同時に、ST.5において、パターンデータから、各パターンに対応したパターンデータをロードする。
【0081】
次いで、ST.6において、位置ずれ量を算出する。具体的には、第4の実施形態で説明したように、市松格子状パターンのセンサ画像データの中心位置と、同パターンのパターンデータ(設計データ)の中心位置とのずれに基き、位置ずれ量を算出する。
【0082】
次いで、ST.7において、求められた位置ずれ量に基き、ステージ系を補正する。
【0083】
次いで、ST.8において、パターンデータ補正量を算出する。具体的には、第2、第3の実施形態で説明したように、市松格子状パターンのセンサ画像データの幅と、同パターンのパターンデータ(設計データ)との幅との差に基き、リサイズ量を算出する。また、90度コーナーパターンや45度コーナーパターンのセンサ画像データと、同パターンのパターンデータ(設計データ)との差に基き、コーナー丸め量を算出する。
【0084】
次いで、ST.9において、求められたパターンデータ補正量に基き、パターンデータ(設計データ)を補正する。
【0085】
これらの処理により、パターン検査装置、又はシステムの検査条件が、検査されるフォトマスクに応じて補正される。
【0086】
これら光学系の補正、ステージ系の補正、およびパターンデータの補正をそれぞれ行った後、フォトマスクの検査が実行される。
【0087】
この検査は、ST.3やST.7で補正された検査装置を用いて、フォトマスクに形成された実パターンをセンサで撮像し(ST.10)、得られたセンサ画像を、ST.9で補正されたパターンデータと比較しながら、パターン不良等の異常がないかが検査される(ST.11)。この検査の後、欠陥の有無が判断される(ST.12)。
【0088】
ST.12において、“欠陥有り(YES)”と判断されたとき、このフォトマスクは、不良品(NG)と判断され、実際に使用しないか、あるいは修正工程に送られる。
【0089】
反対に“欠陥無し(NO)”と判断されたとき、このフォトマスクは、良品(GOOD)と判断され、実際に半導体製造ラインで使用することが可能となる。このような検査制御プログラムを、FD、CD、DVD等の記録媒体に記録しておき、検査装置を制御するホストコンピュータに読み込ませる。このようにすれば、検査装置を、本発明の検査条件の補正方法に対応できるように、大きな改良を施さなくても、既存の検査装置で、本発明の検査条件の補正方法を実施することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、検査精度を、さらに向上させることが可能なパターン検査装置の検査条件補正方法、この検査条件補正方法を実行するパターン検査システム、および上記検査条件補正方法を実行するプログラムを記録した記録媒体をそれぞれ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1の実施形態に係るパターン検査装置を示すブロック図。
【図2】図2は図1に示す補正値算出回路のブロック図。
【図3】図3(A)はフォトマスクの平面図、図3(B)はモニターパターンを示す図。
【図4】図4は光強度分布を示す図。
【図5】図5(A)は90度コーナーのパターンデータを示す図、図5(B)は図5(A)に対応するセンサ画像データを示す図、図5(C)は45度コーナーのパターンデータを示す図、図5(D)は図5(C)に対応するセンサ画像データを示す図。
【図6】図6は光強度分布を示す図。
【図7】図7はL&Sパターンのコントラスト値とフォーカスオフセット値との関係を示す図。
【図8】図8はラインセンサ信号値を示す図(L&Sパターン)。
【図9】図9(A)はラインセンサ信号値を示す図(黒パターン)、図9(B)はラインセンサ信号値を示す図(白パターン)。
【図10】図10はこの発明の第6の実施形態に係る検査制御プログラムを示す流れ図。
【符号の説明】
1…フォトマスク、
2…ステージ、
3…光源、
4…対物レンズ、
5…センサ、
6…センサ回路、
7…補正値算出回路、
8…欠陥判定回路、
9…計算機、
10…パターン展開回路、
11…リサイズ回路、
12…コーナー丸め回路、
13…ステージ制御回路、
21…パターンデータメモリ、
22…センサ画像メモリ、
23…アドレス制御回路、
24…データバッファ、
25…CPU。
Claims (6)
- 基板上に形成された実パターンと、前記基板上に形成された、光学系補正量、ステージ系補正量、および設計データ補正量を測定する前記実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成されたモニターパターンと、を具備する被検査試料から、前記光学系補正量を測定するモニターパターンを走査する工程と、
前記走査により得られたセンサデータから、前記光学系補正量を求める工程と、
前記求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する工程と、
前記光学系を補正した後、前記被検査試料から、前記ステージ系補正量、及び前記設計データ補正量を測定するモニターパターンを走査する工程と、
前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記ステージ系補正量を求める工程と、
前記求められたステージ系補正量に基き、ステージ系を補正する工程と、
前記ステージ系補正量を求めた後、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記設計データ補正量を求める工程と、
前記求められた設計データ補正量に基き、設計データを補正する工程と、
を具備することを特徴とするパターン検査システムの検査条件補正方法。 - 前記モニターパターンは、
センサ感度を測定するパターン、
フォーカス最適値を測定するパターン、
位置ずれ量を測定するパターン、
リサイズ量を測定するパターン、および
コーナー丸め量を測定するパターンを含むこと特徴とする請求項1に記載のパターン検査システムの検査条件補正方法。 - 前記モニターパターンは、前記被検査試料上に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパターン検査システムの検査条件補正方法。
- 前記被検査試料は、半導体製造用マスクであることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載のパターン検査システムの検査条件補正方法。
- 基板上に形成された実パターンと、前記基板上に形成された、光学系補正量、ステージ系補正量、および設計データ補正量を測定する前記実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成されたモニターパターンと、を具備する被検査試料から、前記光学系補正量を測定するモニターパターンを走査する手段と、
前記走査により得られたセンサデータから、前記光学系補正量を求める手段と、
前記求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する手段と、
前記光学系を補正した後、前記被検査試料から、前記ステージ系補正量、及び前記設計データ補正量を測定するモニターパターンを走査する手段と、
前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記ステージ系補正量を求める手段と、
前記求められたステージ系補正量に基き、ステージ系を補正する手段と、
前記ステージ系補正量を求めた後、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記設計データ補正量を求める手段と、
前記求められた設計データ補正量に基き、設計データを補正する手段と、
を具備することを特徴とするパターン検査システム。 - 基板上に形成された実パターンと、前記基板上に形成された、光学系補正量、ステージ系補正量、および設計データ補正量を測定する前記実パターンと同等の描画条件およびプロセス条件にて形成されたモニターパターンと、を具備する被検査試料から、前記光学系補正量を測定するモニターパターンを走査する手順と、
前記走査により得られたセンサデータから、前記光学系補正量を求める手順と、
前記求められた光学系補正量に基き、光学系を補正する手順と、
前記光学系を補正した後、前記被検査試料から、前記ステージ系補正量、及び前記設計データ補正量を測定するモニターパターンを走査する手順と、
前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記ステージ系補正量を求める手順と、
前記求められたステージ系補正量に基き、ステージ系を補正する手順と、
前記ステージ系補正量を求めた後、前記走査により得られたセンサデータと設計データとを比較し、前記設計データ補正量を求める手順と、
前記求められた設計データ補正量に基き、設計データを補正する手順と、
を具備するプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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