JP3959174B2 - 半導体製造装置及びこれを用いた半導体装置の製造方法、水冷トラップ装置 - Google Patents

半導体製造装置及びこれを用いた半導体装置の製造方法、水冷トラップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置、特に排気系に設けられた水冷トラップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にChemical Vapor Deposition(以下CVDという)装置は、基板上に成膜をするための部屋(以下反応室という)、反応室に反応ガスを導入するガスライン、反応室を排気するための排気装置、反応室と排気装置とを接続する排気管等から構成される。
【0003】
CVD装置を用いた基板上の成膜は、反応ガスをガスラインより基板上に送り、基板表面での反応あるいは気相中で反応した分子の基板表面への拡散を利用して行われる。しかし、反応室で反応しなかった反応ガス(以下未反応ガスという)が排気管等にてNH4Clを主成分とする反応副生成物(以下「副生成物」とする)として堆積される。
【0004】
図5は、従来の水冷トラップ装置を設けたCVD装置を示す図である。反応室1、ガスライン2、排気管3、水冷トラップ装置4、排気管5、排気装置6、メインバルブ8からなり、水冷トラップ装置4には常に水で冷却されている水冷配管9を設置し、排気管3にはヒータ7が設けてある。排気管3は、ヒータ7で常に加熱されているので、副生成物の付着を防止できる。一方、水冷トラップ装置4は、水冷配管9が常に水で冷却されているので、未反応ガスが反応を起こして、副生成物が水冷トラップ装置4内に堆積される。
【0005】
副生成物が多量に水冷トラップ装置4内に堆積した場合、副生成物を除去しなければならない。副生成物を除去する方法には、ブラシ等により洗浄する方法、又は副生成物エッチング除去する方法等がある。
【0006】
ブラシ等により洗浄する方法は、まず水冷トラップ装置4を排気管3、5から取外し、ブラシ等に副生成物を洗浄する。その後、水冷トラップ装置4を乾燥させて、排気管3、5に取り付ける。
【0007】
また、エッチング除去する方法は、まず反応室1よりウェハを取出し、排気装置6により真空引する。ガスライン2より反応室1へClF3を導入する。副生成物とClF3との反応を利用してエッチング除去する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブラシ等にて副生成物を除去する方法は、まず水冷トラップ装置を排気管から取り外した後、ブラシ等にて水冷トラップを洗浄することで副生成物を除去する。さらに、その後乾燥させ、水冷トラップ装置を排気管に取り付ける作業を必要とする。これらの作業は時間を多く要し、かつ作業性に関してもブラシ洗浄を十分に行わなければ除去不可能な点などの簡便性に欠けるという問題があった。
【0009】
また、ClF3をガスラインより水冷トラップ装置へ流し、副生成物をエッチングで除去する方法は、水冷トラップ装置の水冷配管部は常に冷却されており、そのため副生成物のエッチングレートが低く、効率性が悪いという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために、水冷トラップ装置に副生成物を加熱するための加熱装置を設けた。水冷トラップ装置内に付着した副生成物をエッチング除去する際には、水冷配管に流れる冷却水を止め、副生成物を加熱装置により加熱する。副生成物を加熱することにより、副生成物のエッチングレートを高くする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例を示す装置構成図である。反応室1には、ガスライン2、排気管3がそれぞれ接続されている。また、排気管3は、水冷トラップ装置10を介して、排気管5に接続されいる。反応室1の排気は、排気管3、5、水冷トラップ装置10を介して排気装置により行う。ヒータ7は排気管3、メインバルブ8は、排気管5にそれぞれ設けられている。水冷トラップ装置10は、水冷配管11が設けてある。
【0012】
次に水冷トラップ装置10の拡大図を図2に示す。水冷トラップ装置10の水冷配管11は、石英管12内部にヒータ14のまかれた冷却水チューブ13を備えた構造を持つ。また、水冷トラップ装置10内部と外気を遮断するためにシールを設けてある。
【0013】
図1及び図2を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。第1の実施例の装置おいて窒化膜を成膜する場合、反応ガスとしてSiH2Cl2とNH3とを反応室1内に導入し、ウェハ上に窒化膜を堆積する。その際に、ヒータ7を作動させ、水冷トラップ装置10の冷却水チューブ13に冷却水を流すことで副生成物は水冷トラップ装置10、特に石英管12表面に集中的に堆積される。成膜時には、ヒータ14は動作していない。
【0014】
水冷トラップ装置10内に付着した副生成物を除去する場合、ウェハを反応室1から取出し、冷却水チューブ13内部の水を抜く。次にヒータ14を作動させ、水冷トラップ装置10内部、特に石英管12を加熱する。その後、反応室1を真空引きし、ガスライン2よりClF3を流し、副生成物をエッチング除去する。
【0015】
水冷トラップ装置1内は、ヒータ14により加熱されているので、水冷トラップ装置1内に付着した副生成物のエッチングレートを向上することができる。さらに石英は、エッチングガスであるClF3対してほとんどエッチングされない物質なので、石英管12内部の水冷チューブ13、ヒータ14は常に保護される。
【0016】
加えて第1の実施例において、石英管12の表面形状を図3のようにフィン型構造にする。石英管12の表面をフィン型構造にすると、石英管12の表面積が増加するので副生成物の石英管12への付着効果が向上する。
【0017】
また、水冷トラップ装置10内に堆積した副生成物を水冷トラップ装置10を排気管3、5から取外し、ブラシ等で除去する方法は、ブラシ等による洗浄が可能なようにフィンの間隔を考慮する必要があった。しかし、本実施例は、副生成物をClF3でエッチング除去する方法なので、フィンの間隔を考慮する必要がなく、ブラシ等で洗浄する水冷トラップ装置に比べてフィン間隔を小さくすることできる。これにより石英管12の表面積はさらに大きくなり、副生成物の付着効果も大きくなる。
【0018】
また、本実施例では水冷トラップの装置構成として、水冷チューブにヒータを巻き付けて石英管で覆った例を示したが、水冷チューブ自身を石英で形成したり、ヒータを水冷チューブ内部に設けてもよい。また、本実施例では、ヒータは石英管のみに設けるとしたが、副生成物のエッチングレート向上させればよいので、石英管のみに限られるものではない。本実施例の水冷配管は、水冷トラップ装置内に設けられているが、水冷トラップ装置の外側を取り囲むように設けてもよい。
【0019】
図4に第2の実施例の装置構成図を示す。第1の実施例と同じ部分の説明は省略する。図4のようにガスライン15を水冷トラップに接続し、排気管3にバルブ16を設ける。
【0020】
次に水冷トラップ装置10内に付着した副生成物をエッチング除去する場合の動作原理について説明する。冷却水チューブ13に流れる水を抜く。ヒータ14を作動させ、水冷トラップ装置10、特に石英管12を加熱する。その後バルブ16を閉め、メインバルブ8を空けて水冷トラップ装置10内部を真空引する。ガスライン15よりClF3を水冷トラップ装置10内に導入し、副生成物をエッチング除去する。
【0021】
副生成物除去終了後、ClF3の供給を止め、ClF3を真空排気した後にメインバルブ8を閉じる。次にN2をガスライン15より導入し、バルブ16とメインバルブ8との間を常圧に戻す。常圧に達した後はN2を止め、バルブ8を開ける。
【0022】
排気管3にバルブ16を設け、水冷トラップ装置10にClF3とN2とのガスライン15を接続したので、副生成物を除去する際の反応室1の真空引が不要となる。このため例えばバッチ式のLPCVD装置の場合、装置のスタンバイ状態やウェハのボード移動処理中においても副生成物除去が実施可能となり、装置の稼働率向上やメンテ時間の短縮が期待される。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明よれば、水冷トラップ装置内部に付着した副生成物をエッチング除去する際に副生成物を加熱する加熱装置を水冷トラップ装置に設けたので、副生成物のエッチング効率が向上する。また、水冷トラップ装置の冷却水配管の表面をフィン型構造にすることにより、副生成物の付着面積を増加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の水冷トラップ装置の拡大図である。
【図3】石英管の表面がフィン型形状した水冷トラップ装置の図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図5】従来の水冷トラップ装置を備えたCVD装置を示す図である。
【符号の説明】
1 反応室
3 排気管
4 水冷トラップ装置
5 排気管
7 ヒータ
8 メインバルブ
10 水冷トラップ装置
12 石英管
13 水冷チューブ
14 ヒータ
15 ガスライン
16 バルブ

Claims (12)

  1. 反応室と、該反応室に排気管を介して接続された排気装置とからなり、副生成物を堆積するための水冷トラップ装置を該排気管に有する半導体製造装置において、
    前記副生成物を加熱するための加熱装置を前記水冷トラップ装置に設け、該水冷トラップ装置には、石英管と、該石英管内に設けられた水冷チューブとを有する水冷配管とが内在し、前記加熱装置は該石英管と該水冷チューブとの間に設け、該水冷トラップ装置は、前記副生成物を除去するための反応ガスを導入するガス導入口を有することを特徴とする半導体製造装置。
  2. 前記反応室と前記水冷トラップ装置とを接続する排気管に設けられたバルブと、前記副生成物を除去するための反応ガスを導入する、前記水冷トラップ装置に接続されたガスラインとを有することを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
  3. 前記加熱装置は、前記副生成物の除去時のみに作動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体製造装置。
  4. 前記石英管の表面には複数のフィンがあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体製造装置。
  5. 反応室と、該反応室に排気管を介して接続された排気装置とからなり、副生成物を堆積するための水冷トラップ装置を該排気管に有する半導体製造装置において、前記副生成物を加熱するための加熱装置を前記水冷トラップ装置に設け、該水冷トラップ装置には、石英管と、該石英管内に設けられた水冷チューブとを有する水冷配管が内在し、前記加熱装置は該石英管と該水冷チューブとの間に設けた半導体製造装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体製造装置の前記反応室に反応ガスを供給することによりウェハに所望の処理を施す工程と、
    前記加熱装置を作動し、前記水冷トラップ装置内にClF3を導入して前記処理にて該水冷トラップ装置に堆積された副生成物を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記副生成物を除去する工程において、前記水冷チューブ内の水は抜くものとすることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記反応室と前記水冷トラップ装置とを接続する排気管に設けられたバルブと、前記副生成物を除去するための反応ガスを導入する、前記水冷トラップ装置に接続されたガスラインとを有することを特徴とする請求項5または請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記加熱装置は、前記副生成物の除去時のみに作動することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記石英管の表面には複数のフィンがあることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  10. 副生成物を堆積するためのCVD装置用の水冷トラップ装置において、
    前記副生成物を除去するための反応ガスを導入するガス導入口を有し、該水冷トラップ装置には、石英管と、該石英管内に設けられた水冷チューブとを有する水冷配管が内在し、前記副生成物を加熱するための加熱装置を該石英管と該水冷チューブとの間に設けたことを特徴とする水冷トラップ装置。
  11. 前記加熱装置は、前記副生成物の除去時のみに作動することを特徴とする請求項10記載の水冷トラップ装置。
  12. 前記石英管の表面には複数のフィンがあることを特徴とする請求項10または請求項11記載の水冷トラップ装置。
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