JP3958916B2 - X−yステージ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X軸−Y軸平面内で移動可能な移動テーブルを備え、該移動テーブル上に設置される部材を前記X軸−Y軸平面内で位置決め可能なX−Yステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のX−Yステージ装置は、電子部品搭載装置(チップマウンタ)、工作機械、光学系(レンズ・ミラー等)の制御機構等の数多くの産業分野で広く利用されている。
【0003】
10に、従来のX−Yステージ装置300を示す。このX−Yステージ装置300は、X軸案内機構303におけるX軸テーブル(図示省略)上に、X−Yテーブル307を有するY軸案内機構306を搭載したものである。X軸案内機構303は、X軸方向に配置されるX軸ボールネジ302と、このX軸ボールネジ302を回転駆動するX軸サーボモータ301と、を備えており、このX軸サーボモータ301を適宜制御することによって、Y軸案内機構306全体がX軸方向に移動・位置決めされる。Y軸案内機構306は、Y軸方向に配置されるY軸ボールネジ305と、このY軸ボールネジ305を回転駆動するY軸サーボモータ304と、を備えており、このY軸サーボモータ304を適宜制御することによって、X−Yテーブル307が、Y軸案内機構306上でY軸方向に移動・位置決めされる。従って、X軸及びY軸サーボモータ301、304を制御すれば、X−Yテーブル307がX軸方向及びY軸方向に位置決めされるようになっている。
【0004】
X軸及びY軸サーボモータ301、304の制御方式には、例えば、エンコーダによって計測されるX軸及びY軸ボールネジ302、305の回転量からX−Yテーブル307の移動量を予測し、その予測値からX軸及びY軸サーボモータ301、304を制御するセミクローズドループ制御方式や、又、X−Yテーブル307の移動量をリニアゲージ等によって直接計測し、その値からX軸及びY軸サーボモータ301、304をフィードバック制御するフルクローズドループ制御方式等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、技術の高度化に伴ってX−Yテーブル307の「高速制御」、「精密制御」等の要求が高まってきている。高速制御を達成しようとする場合、各ボールネジ302、305等のシャフト機構による駆動方式では、正転・逆転の切替時や、急加減速時等に振動が増大するので、制御速度を高めるのに一定の限界があった。又、精密制御を達成しようとする場合、セミクローズドループ制御方式では、各ボールネジ302、305の撓み、バックラッシ等が考慮されないので、結局、X−Yテーブル307を精密に制御することが困難であった。
【0006】
又、フルクローズドループ制御方式によればより精密な制御が可能になるが、しかしながら制御速度が上昇すると各ボールネジ302、305の振動がX−Yテーブル307に伝達してX−Yテーブル7の位置計測信号が不安定となった。その結果、信号が不安定となる分、フィードバック制御の応答性を高めることが出来ないという問題が生じた。
【0007】
更に、X−Yステージ装置300が、X軸案内機構303の上にY軸案内機構306設置するという2段積み上げ構造となっているので、重心が高くなって自身の重さによって転倒モーメントが生じ易く、その結果、急激な加・減速制御の際にX軸−Y軸テーブル7に振れが発生して位置決め誤差が増大した。また、このような2段積み上げ構造の場合、最下段に位置するX軸案内機構303にとっては、Y軸案内機構306の総てが移動負荷(慣性負荷)となるが、Y軸案内機構306の移動負荷はX−Yテーブル307のみであるので、X軸方向の制御とY軸方向の制御との応答性に差が生じていた。例えば円を描く場合やX−Y軸に斜行する移動のように、X−Yテーブル307をX軸、Y軸同時に駆動する場合に精度が悪化するという問題が生じ、高速な制御を実現することが困難となっていた。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、コンパクトな構成で、高速且つ高精度制御が可能とされたX−Yステージ装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固定基台に対して移動テーブルを所定のX軸−Y軸平面内において微少変位可能に支持し、該移動テーブルに載置される部材をX軸−Y軸平面内で位置決め可能なX−Yステージ装置において、X軸方向に対してのみ柔で、Y軸方向及びZ軸方向に対して剛の特性を有し、前記X軸−Y軸平面内のY軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX軸方向における相対変位のみを許容する第1弾性ヒンジと、Y軸方向に対してのみ柔で、X軸方向及びZ軸方向に対して剛の特性を有し、前記X軸−Y軸平面内のX軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY軸方向における相対変位のみを許容する第2弾性ヒンジと、前記固定基台と移動テーブルとの間における前記X軸−Y軸平面内に介在された中間部材と、X軸方向における固定部及び可動部を備え、前記固定基台及び前記移動テーブルに該X軸方向における固定部及び可動部がそれぞれ配置され、前記移動テーブルを固定基台に対してX軸方向にのみ相対移動させることが可能なX軸方向駆動用のリニアモータと、Y軸方向における固定部及び可動部を備え、前記固定基台及び前記移動テーブルに該Y軸方向における固定部及び可動部がそれぞれ配置され、前記移動テーブルを固定基台に対してY軸方向にのみ相対移動させることが可能なY軸方向駆動用のリニアモータと、を備え、前記移動テーブルが固定基台に対して前記X軸−Y軸平面内において微少変位可能で且つZ軸方向については所定の位置に保持される態様となるように、前記固定基台、中間部材、及び移動テーブルを、前記第1,第2弾性ヒンジを組み合わせて用いることによって連結し、前記固定基台に対して移動テーブルを前記X軸−Y軸平面内で非接触で微少変位可能に構成し、前記中間部材が、第1、第2中間部材を含む複数の中間部材に分割され、前記固定基台と第1中間部材との間に前記第1弾性ヒンジが配置されて両部材間のX方向の相対変位が許容されると共に、該第1中間部材と移動テーブルとの間に第2弾性ヒンジが配置されて両部材間のY方向の相対変位が許容されることによって、移動テーブルの固定基台に対するX軸及びY軸方向の相対変位が許容され、一方、前記固定基台と第2中間部材との間に前記第2弾性ヒンジが配置されて両部材間のY方向の相対変位が許容されると共に、該第2中間部材と移動テーブルとの間に第1弾性ヒンジが配置されて両部材間のX軸方向の相対変位が許容されることによって、移動テーブルの固定基台に対するX軸及びY軸方向の変位が許容され、且つ、前記第1、第2中間部材と第1、第2弾性ヒンジの数と大きさが一致され、該第1、第2中間部材と第1、第2弾性ヒンジが全体として点対称構造となるように配置されていることにより上記目的を達成するものである。
【0010】
本発明者は、X−Yステージ装置において、移動テーブルをX軸−Y軸方向に移動可能な状態で保持する「弾性ヒンジ」と、移動テーブルを駆動する「リニアモータ」とを備えた構成を採用した。
【0011】
弾性ヒンジ自体の基本的な構造は公知であり、一般に特定の一方向においてのみ柔で他の方向において剛なる特性を有し、自身の両端に接続された部材間の前記柔の方向における相対変位のみを許容する機能を有する。従って、今、例えばX方向に対してのみ柔で、Y方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のY方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX方向における相対変位のみを許容する弾性ヒンジを考えた場合、該弾性ヒンジの弾性変形により、可動部材を固定部材に対しX方向に相対移動させることが出来る。その一方で、この第1弾性ヒンジはY方向及びZ方向の相対移動は殆ど許容しない。つまり、可動部材をX方向に「案内」することができるようになる。
【0013】
このような弾性ヒンジを利用して移動テーブルをX−Y平面内で移動可能に支持するようにした場合、従来のような複雑な案内機構が不要となるため、小型化、低コスト化が可能となると共に、移動テーブル周りの(移動テーブルと一緒に駆動される)部材の構造を簡素化できるため、移動テーブルを駆動するための駆動手段の慣性負荷を小さくすることができ、応答性の良い高精度な駆動制御が可能となる。
【0014】
ここで、本発明においては、このように弾性ヒンジを介して支持された移動テーブルをリニアモータを用いて駆動するようにしている。これは、これらを組み合わせることによって以下のような「相乗効果」を得るためである。
【0015】
即ち、本発明において駆動装置として採用されているリニアモータは、固定子と可動子が固定基台と移動テーブルとの間に直接設置され、磁力による「非接触状態の」推力によって相対部材を直接的に駆動し、高速且つ高精度制御が達成できるという特徴を有している。従って、非接触であることから、移動テーブルを一方向(例えばX軸方向)に駆動すると共に、それと直角方向(例えばY軸方向)の移動テーブルの移動を「許容」することができる。従って、ボールネジ等の駆動機構のように、X軸方向駆動装置の「上に」Y軸方向駆動装置を設置する必要がなるなるので、慣性負荷が激減すると共に低重心化を図ることが出来る。
【0016】
勿論、弾性ヒンジが弾性変形すると自身の長手方向寸法に変動が生じやすいので、移動テーブルの変位に「微小のずれ(スライド成分)」が発生する可能性がある。しかし、リニアモータによれば、そのずれも許容することもでき、しかも、その「ずれ」分の誤差は、直交する他方のリニアモータ及び弾性ヒンジによって補正することが出来る。
【0017】
従って、弾性ヒンジとリニアモータが合理的な思想で組み合わされているので、X軸−Y軸平面内で極めて高速且つ高精度な位置決めが可能となっている。
【0018】
又この弾性ヒンジは、移動テーブルが変位するに伴って生じる反力(復元力)が「線形性」(或いは線形性に近い特性)を有しているという特徴を有する。一般的に、ボールネジ等の機械的な駆動手段を利用する場合はその回転量等によって容易に移動テーブルの変位量を算出することが出来るが、磁力によって駆動するリニアモータは、移動テーブルの変位量等を直接計測することによるフルクローズドループ制御を採用しなければならない。従って、その案内機構の非線形的変動が大きいと、制御が複雑となり応答性等に大きな影響を受けてしまうが、上述のように線形に近い特性を有する構成にした結果、移動テーブルのX軸−Y軸方向計測値からのフィードバック制御が容易となり、高速且つ高精度な位置決め(位置補正)が可能となる。
【0019】
その結果、各リニアモータの駆動力と上記復元力を合理的に組み合わせれば、極めて応答性の良い位置決め制御が可能になり、特に、移動テーブル上に配設される部材を微小振動又は揺動回転させることも可能となる(なお、これらの運動は、高速の周期的な位置決め制御としてとらえることができる)。これは、リニアモータにおける推力の正・逆を高速に(電気的に)切り換えることが出来るという特徴と、復元力の「線形性」という特徴とが融合された結果である。
【0020】
又、以上に示したような微小・精密制御を、例えばボールネジやベアリング等を介在させて行おうとすると、このボールネジ等における局所部分(特定部分)に繰り返し応力が作用し、局所的に疲労が生じて寿命が低下するという問題があったが、この弾性ヒンジによれば、転動疲労が構造上生じないため、長時間に渡って安定した制御特性を発揮できるようになる。
【0021】
更に、例えば、各リニアモータの通電状態をOFFにすれば、弾性ヒンジの復元力によって移動テーブルが自動的に中立位置に復帰しようとするので、積極的に中立位置に戻す動作(制御)を省略することも出来るようになる。これは、ボールネジ等の機械式タイプと異なり、非接触タイプのリニアモータの電源をOFFにしてその推力を開放すれば、移動テーブルとの関係が完全にフリーになるからである。
【0022】
なお、上記の中間部材や弾性ヒンジの数・形状等に特に限定はない。これは、必要に応じて適宜配置されるものである。例えば、X軸方向に対してのみ柔で、Y軸方向及びZ軸方向に対して剛の特性を有し、前記X軸−Y軸平面内のY軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX軸方向における相対変位のみを許容する第1弾性ヒンジと、Y軸方向に対してのみ柔で、X軸方向及びZ軸方向に対して剛の特性を有し、前記X軸−Y軸平面内のX軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY軸方向における相対変位のみを許容する第2弾性ヒンジと、をそれぞれ複数備え、微少変位させようとする前記移動テーブル及び前記固定基台を前記X軸−Y軸平面を含む位置に配置すると共に、該固定基台と移動テーブルとの間における前記X軸−Y軸平面内に、中間部材を介在させ、前記移動テーブルが固定基台に対して前記X軸−Y軸平面内において微少変位可能で且つZ軸方向については所定の位置に保持される態様となるように、前記固定基台、中間部材、及び移動テーブルを、前記第1,第2弾性ヒンジを組み合わせて用いることによって連結するような構成を採用できる。
【0023】
X−Y平面の固定基台と移動テーブルとの間に中間部材を介在させた上で、3者を前記第1、第2弾性ヒンジを介して連結すると、該中間部材が第1、第2弾性ヒンジの剛とされた方向に対して固定状態を維持するようになるため、固定基台に対して移動テーブルがX方向、Y方向の双方向に直線的に「案内」されて移動することが出来るようになり、又、バックラッシュ、滑り、転がり等が本質的に存在しないため、極めて応答性が良く且つ安定した制御が可能になる。
【0024】
特に、前記中間部材が、X軸方向に延在する2本のX軸方向延在部、及びY軸方向に延在する2本のY軸方向延在部を有する方形のリング状に形成されると共に、前記第1弾性ヒンジが、前記中間部材における2本のX軸方向延在部と前記固定基台との間にY軸方向に複数配置されることによって、該固定基台と前記中間部材のX軸方向の相対変位が許容され、一方、前記第2弾性ヒンジが、前記中間部材における2本のY軸方向延在部と前記移動テーブルとの間にX軸方向に複数配置されることによって、該中間部材と移動テーブルとのY軸方向の相対変位が許容される構成とした場合には、構造が単純であるだけに設計がし易く、又、計4つの各延在部のそれぞれに(つまり、リングの各辺に)弾性ヒンジが配設されるので、X軸方向、Y軸方向それぞれに線対称的に各弾性ヒンジを配置することが容易に可能となり、その結果、中間部材自体がZ軸方向周りに回転する現象が発生するのを抑制できる。そのため、精度の高い位置決めが可能になる。
【0025】
更に、このように中間部材をリング状に構成することで中間部材自体の剛性も増大し、該中間部材自体の弾性変形が抑制されて位置決め精度が向上する。
【0026】
もっとも、中間部材の構成については、本発明では特に上記構成のみに限定されない。中間部材については、上述した方形のリング状に形成する構成のほか、例えば前記中間部材が、第1、第2中間部材を含む複数の中間部材に分割され、前記固定基台と第1中間部材との間に前記第1弾性ヒンジが配置されて両部材間のX方向の相対変位が許容されると共に、該第1中間部材と移動テーブルとの間に第2弾性ヒンジが配置されて両部材間のY方向の相対変位が許容されることによって、移動テーブルの固定基台に対するX軸及びY軸方向の相対変位が許容され、一方、前記固定基台と第2中間部材との間に前記第2弾性ヒンジが配置されて両部材間のY方向の相対変位が許容されると共に、該第2中間部材と移動テーブルとの間に第1弾性ヒンジが配置されて両部材間のX軸方向の相対変位が許容されることによって、移動テーブルの固定基台に対するX軸及びY軸方向の変位が許容されるようにした構成が採用できる。
【0027】
なお、この場合は、分割された第1、第2中間部材が、該第1、第2中間部材に連結された前記第1弾性ヒンジおよび第2弾性ヒンジを含めて、前記移動テーブルの中心に対して点対称となるように配置するとよい。
【0028】
例えば、中間部材の構造として、上記リング状の構造を採用した場合を考えると、一方向側の慣性負荷は、ほぼ「移動テーブル+リング状中間部材」、となるのに対し、他方向側の慣性負荷は、ほぼ「移動テーブル」のみとなるので、(従来の案内機構を用いた構造よりははるかに影響は小さいものの)X軸方向とY軸方向の慣性負荷が若干異なってしまうのが避けられない。
【0029】
しかし、例えば、中間部材を分割し、移動テーブルの中心に対して第1弾性ヒンジ及び第2弾性ヒンジが点対称となるように配置することにより、X軸方向とY軸方向の慣性負荷を均一にすることが可能になり、双方向にバランスの取れた位置決め制御が可能になる。
【0030】
即ち、この中間部材と分割した構成では、移動テーブルが固定基台に対してX軸方向に相対移動する場合には、第1、第2中間部材のそれぞれの第1弾性ヒンジのX軸方向の弾性変形が寄与し、移動テーブルが固定基台に対してY軸方向に相対移動する場合には第1、第2中間部材のそれぞれの第2弾性ヒンジのY軸方向の弾性変形が寄与する。従って、移動テーブルをX軸方向に駆動する際の慣性負荷は(テーブルに載置される部材を無視すれば)、ほぼ「移動テーブル+第1中間部材」となり、又、Y軸方向に駆動する際の慣性負荷は、ほぼ「移動テーブル+第2中間部材」となる。その結果、例えば第1中間部材と第2中間部材の数を一致させたり、相互の質量を均等にしたりすればX方向とY方向の慣性負荷を均一にすることが可能になり、双方向にバランスの取れた位置決め制御が可能になるものである。
【0031】
なお、この点対称支持は1個のみの中間部材を備える構造では実現不可能であり、中間部材を複数の中間部材に分割し、固定基台と複数の中間部材との間で第1、第2弾性ヒンジの双方が存在すると共に、複数の中間部材と移動テーブルとの間においても第1、第2弾性ヒンジの双方が存在するような構成として初めて実現できるものである。
【0038】
ところで、このX軸方向及びY軸方向の駆動用リニアモータの数に特に制限はない。例えば、2つのX軸方向駆動用リニアモータを、Y軸方向に所定の間隔を空けて配設すれば、その2つのリニアモータの変位量の差によってZ軸回転方向の位置補正も可能になる。勿論、Y軸方向駆動用リニアモータも同様にしてもよい。又各方向に3つ以上のリニアモータを配置しても構わない。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態の例について詳細に説明する。
【0040】
図1及び図2に、便宜上本発明を創案する際に基礎となったX−Yステージ装置15の全体構成を示す。このX−Yステージ装置15は、X−Y平面内で移動可能な移動テーブル2を備えており、この移動テーブル2上に設置される部材(図示省略)をX−Y平面内で位置決め可能となっている。
【0041】
X−Yステージ装置15は、更に、移動テーブル2(移動ベース2A)に対してZ軸方向の所定の隙間Sを空けて平行に配置される固定基台1と、この固定基台1及び移動テーブル2の間に配置される中間部材50とを備える。
【0042】
移動テーブル2は、方形リング状に構成される移動ベース2Bと、この移動ベース2B上にボルトによって固定・配設される搭載テーブル2Aと、を備えている。又、特に図示しないが、搭載テーブル2Aには更に所定のプレートが設置されるので、従って、このプレートと、移動ベース2B及び搭載テーブル2Aによって移動テーブル2が構成される。又、固定基台1は、外部部材52に直接固定される固定テーブル1Aと、この固定テーブル1Aにボルトによって固定・配設されるプレート状の固定ベース1Bと、を備える。
【0043】
図3を参照して、中間部材50の詳細構成と、この中間部材50、固定ベース1B、及び移動ベース2Bの配置関係等について説明する。
【0044】
中間部材50は、X軸方向に延在する2本のX軸方向延在部50A、50A、及びY軸方向に延在する2本のY軸方向延在部50B、50Bから構成されており、全体として、X−Y平面内において略方形のリング状に構成されている。なお、幾つかのX軸方向又はY軸方向延在部50A、50Bは部分的に屈曲されており、例えばセンサ等の他の機材との干渉が防止されている。
【0045】
固定ベース1B(固定基台1)と中間部材50との間には、X軸方向の変形を許容する第1弾性ヒンジ54が配置されている。具体的に、この第1弾性ヒンジ54は、固定ベース1Bと2本のX軸方向延在部50Aの「各々の」間に配置され、一方のX軸方向延在部50Aと固定ベース1Bとの間に間隔LX1を空けて2本ずつ、計4本の第1弾性ヒンジ54が並列配置される。他方のX軸方向延在部50Aと固定ベース1Bとの間も同様である。
【0046】
中間部材50と移動ベース2B(移動テーブル2)の間には、Y軸方向の変位を許容する第2弾性ヒンジ56が配置されている。具体的に、この第2弾性ヒンジ56は、固定ベース1Bと2本のY軸方向延在部50Aの「各々の」間に配置され、つまり、一方のY軸方向延在部50Bと固定ベース1Bとの間に間隔LY1を空けて2本ずつ、計4本の第2弾性ヒンジ56が並列配設される。他方のY軸方向延在部50Bと固定ベース1Bとの間も全く同様である。
【0047】
従って、これらの中間部材50、固定ベース1B及び移動ベース2Bは入れ子状に配置されており、全体的には線対称に近い構造となっている。
【0048】
X軸方向の変形を許容する第1弾性ヒンジ54は、X軸方向に対してのみ柔で、Y軸方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、X−Y平面内のY軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX軸方向における相対変位のみを許容する。又、Y軸方向の変形を許容する第2弾性ヒンジ56は、Y軸方向に対してのみ柔で、X軸方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、X−Y平面内のX軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY軸方向における相対変位のみを許容する。
【0049】
次に、X軸方向の移動を許容する第1弾性ヒンジ54の構造について説明する。なお、多少の大きさ等の相違はあるものの、長手方向がX軸方向とY軸方向で異なる以外には、第1弾性ヒンジと第2弾性ヒンジの構造は殆ど同じであるので、第2弾性ヒンジ56の構造等の説明は省略する。
【0050】
第1弾性ヒンジ54は、図6の斜視図に示すように、2つの部材間(固定ベース1Bと中間部材50)との間をつなぐブリッジ部材70によって構成される。このブリッジ部材70の外周面における、長さ方向に離間した2箇所にはノッチ80が形成されており、このノッチ80から弾性曲げ変形容易な減肉部90が構成される。この減肉部90の曲げ変形により、2つの部材間の相対変位を許容できる。
【0051】
この場合、ノッチ80は、方形断面のブリッジ部材70の曲げ変形させようとする方向(第1弾性ヒンジ54の場合はX軸方向、第2弾性ヒンジ56の場合はY軸方向)に面する2つの外側面に、対称形状の半円形に形成されている。これは、局部的な減肉化を図り(つまり減肉部90を作り出して)、最小断面積部を曲がり点として、容易に曲げ変形できるようするためである。
【0052】
図7は第1弾性ヒンジ54の最小断面積部の断面形状を示している。
【0053】
この最小断面積部の断面Sは、ブリッジ部材70の肉厚に相当する縦方向(Z方向)の寸法aに対して、横方向(X軸方向)の寸法bが短縮された矩形断面をなしており、それにより、減肉部90は、縦方向(Z方向)にはほとんど曲がらないものの、横方向(X軸方向)には曲がり易い特性を得ている。又、ブリッジ部材70の長手方向(Y軸方向)は、自身が緊張棒として作用するので、2つの部材間のY軸方向の移動は許容していない。
【0054】
次に第1弾性ヒンジ54、固定ベース1B及び中間ベース502の相互作用を説明する。
【0055】
一対の第1弾性ヒンジ54、54は、図4(A)に拡大して示されるように、自身の両端が固定ベース1Bと中間ベース50とによって固定支持されている。図4(B)に示されるように、固定ベース1Bに対して中間ベース50がX軸方向(図の下方向)に移動した場合には、第1弾性ヒンジ54の両端側の各減肉部90が他の部分に優先して弾性変形するので、その相対移動に追従することができる。その結果、第1弾性ヒンジ54によって中間ベース50がX軸方向に直線的に案内される。
【0056】
特に図示しないが、第2弾性ヒンジ56においてもほぼ同様な構造となっている。従って、第2弾性ヒンジ56は、中間部材50に対して移動ベース2AをY軸方向に案内するようになっている。
【0057】
なお、いずれの場合も、第1、第2弾性ヒンジ54,56は、Z方向(X−Y平面と垂直な方向)については「剛体」として機能する。従って、第1弾性ヒンジ54を介して中間部材50が固定ベース1Bに片持ち状態で支持され、且つ、第2弾性ヒンジ56を介して移動ベース2Bがこの中間部材50に片持ち状態で支持される。結局、移動テーブル2は、何らのZ方向の支持手段がなくても、X−Y平面内に保持されることになる。
【0058】
なお、第1弾性ヒンジ54の合計数は本実施例では8本であるが、本発明では何等限定されるものではない。しかし、各弾性ヒンジ54、56に捻れが生じないようにするには、各弾性ヒンジ54、56をそれぞれ少なくとも3本、好ましくは4本以上配置して、それらを仮想線によって結べば所定の「仮想面」が構成されるようにする。また、移動テーブル2をより安定させる為には、移動テーブル2の両外側に相当する位置に配設することが好ましい。これは、第2弾性ヒンジ56でも同様である。
【0059】
この結果、中間部材50が第1弾性ヒンジ54によって固定ベース1Bに対してX軸方向に変位可能に支持され、且つ、移動ベース2Bが第2弾性ヒンジ56によって中間部材50に対してY軸方向に変位可能に支持されていることにより、全体としては、移動ベース2Bが、固定ベース1Bに対してX軸方向、Y軸方向の双方の方向に独立して(互いに干渉し合うことなく)変位可能とされている。つまり、第1及び第2弾性ヒンジ54、56の組み合わせによって、X軸方向及びY軸方向のガイド機能が発揮されることになる。このガイド機能によって、バックラッシュ、滑り、転がり等が本質的に存在しない極めて安定した変位特性が得られる。
【0060】
図1及び2に戻って、固定基台1及び前記移動テーブル2には、移動テーブル2をY軸方向に相対移動させることが可能なY軸方向駆動用リニアモータ3と、移動テーブル2をX軸方向に相対移動させることが可能なX軸方向駆動用リニアモータ7と、が設置されている。
【0061】
各リニアモータ3、7は、各々、自身の駆動方向(推力発生方向)に直列的に2つの駆動ユニットが配置されて対となって機能する。例えば、X軸方向駆動用リニアモータ7は、移動テーブル2のX軸方向両端側に配置される2つの駆動ユニット7A、7Bを備えており、これらの駆動ユニット7A、7BがセットになってX軸方向の推力を発生するように機能する。
【0062】
詳細には図5に拡大して示されるように、X軸方向駆動用リニアモータ7(他のリニアモータも同様)の駆動ユニット7Aは、固定基台1側に固定されて固定子として機能する磁石ユニット28と、搭載テーブル2A側に固定(内蔵)されて可動子として機能するコイル8Aと、を備える。
【0063】
磁石ユニット28は、コイル8Aに対してZ軸方向に磁界Gが生じるように配置される永久磁石21A〜21Dと、この永久磁石21A〜21Dを支持する2つのヨーク20A、20Bと、このヨーク20A、20Bを所定の間隔を維持した状態で保持するホルダ22と、を備えており、一方のヨーク20Bが固定基台1に固定されることで、磁石ユニット28全体が固定されるようになっている。一方、コイル8Aは、上記Z軸方向の磁界G中をY軸方向に電流が流れるように配置されており(図1参照)、その結果、該コイル8AがX軸方向の推進力32を受けるようになっている。
【0064】
なお、このでは磁石ユニット28が固定子、コイル8Aが可動子として機能する場合に限って示したが、勿論これらを反対に設置して、磁石ユニット28を可動子、コイル8Aを固定子として機能させるようにしてもよい。又、一対の駆動ユニット7A、7Bを配置する場合に限定されず、単一の駆動ユニットであっても構わない。
【0065】
図3に示されるように、リング状の移動ベース2Bにおける内周側には、X軸計測基準面23及びY軸計測基準面24が形成されており、又、各基準面23、24に対向するようにして、固定基台1側に、X軸変位センサ14及びY軸変位センサ15が設置されている。これらの変位センサ14、15は、移動テーブル2の固定基台1に対するX軸方向変位量及びY軸方向変位量を計測する。
【0066】
以上に示したX−Yステージ装置15に採用される制御系の構成ついて図8を参照して説明する。
【0067】
X−Yステージ装置15における移動テーブル2には、既に説明したように、合計4つのコイル4A、4B、8A、8Bが内蔵されている。なお、コイル対4A、4BによってY軸方向の推進力が生じ、コイル対8A、8BによってX軸方向の推進力が生じるようになっており、各コイル対は一体(セット)として制御される。
【0068】
制御系は、Y軸変位センサ15の検出値が入力される減算器44と、X軸変位センサ14の検出値が入力される減算器45と、を備える。
【0069】
各検出値が入力された上記減算器44、45には、更に、位置指令出力手段58からの各種指令値が入力される。この位置指令出力手段58は、移動テーブル2のX軸方向位値を設定して減算器45に出力し、Y軸方向位置を設定せて減算器44に出力するものである。減算器44では、そのY軸方向指令位置とY軸変位センサ14の検出値との偏差を演算してその結果をY軸位置制御補償器47に対して出力する。減算器45には、X軸方向指令位置とX軸変位センサ15の検出値との偏差を演算し、その結果をX軸位置制御補償器48に対して出力する。
【0070】
各位置制御補償器47、48では、入力された各値から各リニアモータの操作量を算出する。つまり、Y軸位置制御補償器47においては、Y軸方向駆動用リニアモータ3に対してY軸方向操作量を出力する。同様に、X軸位置制御補償器48においては、X軸方向駆動用リニアモータ7に対してX軸方向操作量を出力する。
【0071】
各コイル対(4A、4B)(8A、8B)の直前にはそれぞれ電流アンプ54、56が接続されている。従って、X軸方向操作量及びY軸方向操作量に基づいて、各電流アンプ54、56が各コイル対(4A、4B)(8A、8B)に所定の電流を流す。この結果、各コイル対(4A、4B)(8A、8B)では所望の推力が発生するので、それによって移動テーブル2がX−Y方向に移動されるようになっている。
【0072】
このX−Yステージ装置15では、駆動装置としてリニアモータ3、7が採用されている。このリニアモータ3、7は、固定子と可動子が固定基台1と移動テーブル2との間に直接設置され、更に、磁力による「非接触状態の」推力によって移動テーブル2を直接且つ直線的にに駆動できる。従って、X軸方向及びY軸方向の慣性荷重が、殆ど移動テーブル2のみとなり、低重心状態で応答性の高い高速制御が達成できる。
【0073】
又、各リニアモータ3、7は非接触タイプであることから、移動テーブル2を一方向(例えばX軸方向)に駆動すると共に、それと直角方向(例えばY軸方向)に移動テーブル2が移動することを「許容」できる。更には、例えば、移動テーブル2がX軸方向に移動する際に、第1弾性ヒンジ54が斜めになることによって生じる移動テーブル2のY軸方向の「微小なずれ」も許容することもできる。しかも、その「微小なずれ」分の誤差は、直交するY軸方向駆動用リニアモータ3及び第2弾性ヒンジ56によって補正することが出来る。このように、弾性ヒンジ54、56とリニアモータ3、7が合理的な思想の下で組み合わされているので、その相乗効果によってX−Y平面内で極めて高精度な位置決めが可能となっている。
【0074】
又第1及び第2弾性ヒンジ54、56は、移動テーブル2が変位するに伴って生じる反力(復元力)が「線形性」(或いは線形性に近い特性)を有しているので、移動テーブル2のX−Y方向計測値からのフィードバック制御が容易となる。特に、リニアモータ3、7は元来自身の振動等が少ないものであり、又その振動が移動テーブル2に直接伝しないことから、X−Y変位センサ14、15から安定した検出値を得ることが出来るので、制御の応答性を大幅に高めることが出来る。
【0075】
又、各リニアモータ3、7の駆動力と各弾性ヒンジ54、56の復元力を合理的に組み合わせれば、移動テーブル2上に配設される部材を周期的に微小振動させたり、又は揺動回転させたりすることも可能となる(なお、これらの運動は、高速の周期的な位置決め制御としてとらえることができる)。これは、推力の正・逆を高速に(電気的に)切り換えることが出来るリニアモータ3、7の特性と、復元力が線形に近いという弾性ヒンジ構造の特性とが融合された結果である。
【0076】
中間部材50はリング状に構成されているので、上記に示したように、内周側に固定ベース1B(の弾性ヒンジ固定部分)を配置し、外周側に移動ベース2B(の弾性ヒンジ固定部分)を配置することが出来る。又、計4つの各延在部50A、50Bのそれぞれに(つまり、リングの各辺に)弾性ヒンジ54、56が配設されるので、これらの弾性ヒンジ54、56の相対的なバランスによって中間部材50及び移動テーブル2の回転が抑制されて精度の高い位置決めが可能になる。つまり、第1及び第2弾性ヒンジ54、56の「直線ガイド機能」を、移動テーブル2の移動に効果的に反映させることが出来る。更に、このようにリング状に構成すると剛性も増大するので、中間部材50の弾性変形が抑制されてより高精度に位置決めできる。上記とは反対に、内周側に移動ベース、外周側に固定ベースを配置してもよい。
【0078】
次に、図9を参照して本発明の実施形態に係るX−Yステージ装置115について説明する。
【0079】
このX−Yステージ装置115が先の例に係るX−Yステージ装置15と異なる点は、主に、中間部材及び第1、第2弾性ヒンジの構成である。従って、それ以外の重複説明を避けるために全体の構成・図示等は省略することにし、又、ほどんど同様な部分・部材等についての符号は、先の例における符号と下二桁を一致させ、その機能等の詳細な説明は省略する。
【0080】
X−Yステージ装置115では、中間部材が、第1、第2中間部材62、64を含む複数の中間部材に分割されている。
【0081】
固定ベース101Bと第1中間部材62との間には、第1弾性ヒンジ66が配置されており、両部材(固定ベース101Bと第1中間部材63)間のX軸方向の相対変位が許容されている。又、この第1中間部材62と移動ベース102Bとの間には第2弾性ヒンジ68が配置されており、両部材(第1中間部材63と移動ベース102B)間のY軸方向の相対変位が許容されている。その結果、移動テーブル102の固定基台101に対するX軸及びY軸方向の相対変位が許容される。
【0082】
一方、固定ベース101Bと第2中間部材64との間には、第2弾性ヒンジ68が配置されており、両部材(固定ベース101Bと第2中間部材64)間のY軸方向の相対変位が許容されている。又、この第2中間部材64と移動ベース102Bとの間には第1弾性ヒンジ66が配置されており、両部材(第2中間部材64と移動ベース102B)間のX軸方向の相対変位が許容されている。その結果、移動テーブル102の固定基台101に対するX軸及びY軸方向の変位が許容される。なお、これらの第1及び第2弾性ヒンジ66、68の構成・機能等については、既に図6、7等で示したものとほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0083】
これらの第1、第2中間部材62、64、第1、第2中間ヒンジ66、68は、全体として点対称構造となるように配置されている。具体的には、2つの第1中間部材62、62、及び2つの第2中間部材64、64がそれぞれ対角線上に配置される。
【0084】
次に、作用について説明する。
【0085】
移動ベース102BがX軸方向に移動する際には、第1弾性ヒンジ66が弾性変形するので、2つの第1中間部材62、62も移動ベース102Aと一緒になってX軸方向に移動する。その際、第2弾性ヒンジ68は剛方向となるので、2つの第2中間部材64、64は殆ど移動しない。これとは反対に、移動ベース102BがY軸方向に移動する際には、第2弾性ヒンジ68が弾性変形するので、2つの第2中間部材64、64も移動ベース102Aと一緒になってX軸方向に移動する。その際、第1弾性部材66は剛方向となるので、2つの第1中間部材62、62は殆ど移動しない。
【0086】
以上に示した関係をまとめると以下のようになる。
【0087】
(1)移動テーブル102(移動ベース102B)がX軸方向に移動する際には、2つの第1中間部材62、62が追従してX軸方向に移動する
(2)移動テーブル102(移動ベース102B)がY軸方向に移動する際には、2つの第2中間部材64、64が追従してY軸方向に移動する
【0088】
この結果、X軸方向に移動する際のX軸方向駆動用リニアモータ107に作用する慣性負荷は、(移動テーブル102に載置される部材を無視すれば)「移動テーブル102」+「第1中間部材62、62」となり、又、Y軸方向に移動する際のY軸方向駆動用リニアモータ103に作用する慣性負荷は「移動テーブル102」+「第2中間部材64、64」となる。この実施例では、第1及び第2中間部材62、64の数(2個)と大きさを一致させているので、X軸方向とY軸方向の慣性負荷が均一となっており、双方向にバランスの取れた位置決め制御が可能になる。勿論、図1等で示した先の例に係るX−Yステージ装置15と同様な効果も得られる。
【0100】
【発明の効果】
本発明に係るX−Yステージ装置によれば、簡潔な構成で、高速且つ高精度なX−Y制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を創案する際に基礎となったX−Yステージ装置を示す斜視図
【図2】図1におけるII−II矢視断面図
【図3】図2におけるIII−III矢視断面図
【図4】図3におけるIV部を拡大して示す部分断面図
【図5】図2におけるV部を拡大して示す部分断面図
【図6】同X−Yステージ装置における弾性ヒンジの構成を示す拡大斜視図
【図7】図6のVII−VII矢視断面図
【図8】同X−Yステージ装置に採用される制御系の構成を示す制御系統図
【図9】本発明の実施形態に係るX−Yステージ装置における弾性ヒンジの配置等を示す断面
図10】従来のX−Yステージ装置を示す斜視図

Claims (1)

  1. 固定基台に対して移動テーブルを所定のX軸−Y軸平面内において微少変位可能に支持し、該移動テーブルに載置される部材をX軸−Y軸平面内で位置決め可能なX−Yステージ装置において、
    X軸方向に対してのみ柔で、Y軸方向及びZ軸方向に対して剛の特性を有し、前記X軸−Y軸平面内のY軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX軸方向における相対変位のみを許容する第1弾性ヒンジと、
    Y軸方向に対してのみ柔で、X軸方向及びZ軸方向に対して剛の特性を有し、前記X軸−Y軸平面内のX軸方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY軸方向における相対変位のみを許容する第2弾性ヒンジと、
    前記固定基台と移動テーブルとの間における前記X軸−Y軸平面内に介在された中間部材と、
    X軸方向における固定部及び可動部を備え、前記固定基台及び前記移動テーブルに該X軸方向における固定部及び可動部がそれぞれ配置され、前記移動テーブルを固定基台に対してX軸方向にのみ相対移動させることが可能なX軸方向駆動用のリニアモータと、
    Y軸方向における固定部及び可動部を備え、前記固定基台及び前記移動テーブルに該Y軸方向における固定部及び可動部がそれぞれ配置され、前記移動テーブルを固定基台に対してY軸方向にのみ相対移動させることが可能なY軸方向駆動用のリニアモータと、を備え、
    前記移動テーブルが固定基台に対して前記X軸−Y軸平面内において微少変位可能で且つZ軸方向については所定の位置に保持される態様となるように、前記固定基台、中間部材、及び移動テーブルを、前記第1,第2弾性ヒンジを組み合わせて用いることによって連結し、前記固定基台に対して移動テーブルを前記X軸−Y軸平面内で非接触で微少変位可能に構成し、
    前記中間部材が、第1、第2中間部材を含む複数の中間部材に分割され、
    前記固定基台と第1中間部材との間に前記第1弾性ヒンジが配置されて両部材間のX方向の相対変位が許容されると共に、該第1中間部材と移動テーブルとの間に前記第2弾性ヒンジが配置されて両部材間のY方向の相対変位が許容されることによって、移動テーブルの固定基台に対するX軸及びY軸方向の相対変位が許容され、一方、
    前記固定基台と第2中間部材との間に前記第2弾性ヒンジが配置されて両部材間のY方向の相対変位が許容されると共に、該第2中間部材と移動テーブルとの間に第1弾性ヒンジが配置されて両部材間のX軸方向の相対変位が許容されることによって、移動テーブルの固定基台に対するX軸及びY軸方向の変位が許容され、且つ、
    前記第1、第2中間部材と第1、第2弾性ヒンジの数と大きさが一致され、該第1、第2中間部材と第1、第2弾性ヒンジが全体として点対称構造となるように配置されている
    ことを特徴とするX−Yステージ装置。
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