JP3958393B2 - 感熱転写媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱転写媒体に関し、より詳しくは、耐熱性に優れた転写パターンを形成することのできる感熱転写媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、感熱転写媒体はアイロン等を用いて、加熱して転写する耐熱性タグの印字にも用いられている。この感熱転写媒体は形成される転写パターンの耐熱性を考慮したものであり、インク層に、エチレン系共重合体樹脂とスチレン−ブタジエン系合成ゴムとを添加し、転写パターンの耐熱性を高めたもの(特開平5−278346)や、基材上に、剥離層、耐熱保護層およびインク層をこの順に形成し、耐熱保護層をシリコン系樹脂等の高融点樹脂で形成したもの等がある。
しかし、上記いずれの場合も十分な耐熱性を有する転写パターンを形成できず、熱転写によりタグを形成した場合、他の生地に裏移りを生じるといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、熱転写でタグを形成するような場合でも裏移りを生じることなく、耐熱性に優れた鮮明な転写パターンを形成することができる感熱転写媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は鋭意研究試験を重ねた結果、イソシアネートまたはイソシアネート系樹脂を含む層を、形成した転写パターンの保護層として使用した場合、耐熱性に優れた転写パターンが得られるという知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の感熱転写媒体は、基材上に、剥離層、耐熱保護層およびインク層をこの順に積層し、この耐熱保護層がイソシアネートまたはイソシアネート系樹脂を含むことを特徴とする。
【0005】
本発明に係る感熱転写媒体の基材としては、ポリエステルフィルム、コンデンサー紙等、従来の材料を特に制限なく使用することができる。基材とする材料の厚さは3〜20μmが好ましい。また、基材上の剥離層等が形成される面の反対側の面にはシリコン樹脂等を含む耐熱層として、いわゆる、スティッキング防止層を形成することが好ましい。
【0006】
剥離層に含まれる材料としては、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス;ポリエチレン系共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル系(共)重合体、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また必要に応じて、有機フィラー、アルミナ等の充填剤;熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を添加してもよい。塗布する量は、乾燥後の単位m2当たりのg数(以下、「塗布量」という。)で、0.1〜5.0g/m2とすることが好ましい。
【0007】
本発明の耐熱保護層には、前述したように、イソシアネートまたはイソシアネート系樹脂を含有する。イソシアネート系樹脂としては、イソシアネートと、スチレン樹脂、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、アクリル樹脂、エチレン−アクリル共重合体またはポリアミド樹脂とを結合させた樹脂等が使用できる。このうち、イソシアネートまたはイソシアネートとスチレン樹脂とを結合させた樹脂が好ましく、特に、イソシアネートが好ましい。耐熱保護層の塗布量は、0.01〜1.00g/m2が好ましい。0.01g/m2未満の場合、転写パターンに十分な耐熱性を付与できない。一方、1.00g/m2より大きい場合、耐熱保護層が厚くなり、良好な転写パターンを形成することができないからである。また、耐熱保護層と剥離層、耐熱保護層とインク層との接着性を確保するため、EVA、PVA(ポリビニルアルコール)またはポリアミド樹脂等の低融点樹脂を添加することが好ましい。さらに、必要に応じて、クレー、炭酸カルシウム等の充填剤を添加してもよい。
【0008】
インク層には、カーボンブラック、酸化チタン等、従来の染料または顔料を特に制限なく使用できる。また、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス等のワックスを含むことが好ましい。これは、平滑紙に対してもボイドがなく鮮明な転写パターンを形成するためである。ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル系(共)重合体、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。また、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂;紫外線硬化性樹脂等を含んでいてもよい。インク層の塗布量は、0.5〜10g/m2とすることが好ましい。なお、インク層は、熱溶融時の溶融粘度が高いものが好ましく、ホットメルトコーターを用いて塗布できるようなものは、耐熱性が十分でないので好ましくない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱転写媒体は、以下のようにして製造することができる。
厚さ3〜20μmのポリエステルフィルム等の基材上に、ポリエチレンワックス等のワックスまたはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を含む溶液を、グラビアコーター、リバースコーター等により、0.1〜5g/m2の塗布量で塗布した後、乾燥して剥離層を形成する。この剥離層上に、イソシアネートまたは前述のイソシアネート系樹脂を含む溶液を、グラビアコーター、ナイフコーター等を使用して、0.01〜1.00g/m2の塗布量で塗布した後、乾燥して耐熱保護層を形成する。つぎに、この耐熱保護層の上に、カーボンブラック、酸化チタン等の染料または顔料およびカルバナワックス等のワックスを含む溶液を、グラビアコーター、リバースコーター等により、0.5〜10g/m2の塗布量で塗布した後、乾燥してインク層を形成する。なお、感熱転写媒体の耐熱性を向上させるため、これらの層を積層した面と反対側の基材の面に、シリコン樹脂等を含む溶液を塗布、乾燥してスティッキング防止層を形成することが好ましい。
【0010】
【実施例】
[実施例1]
厚さ6μmのポリエステルフィルムの一方の面に下記組成(1)の溶液を塗布量が0.4g/m2となるように塗布し、乾燥させてスティッキング防止層を形成した。
組成(1)
ダイアロマーSP712(シリコン樹脂、大日精化工業製):20重量%
メチルエチルケトン :80重量%
ついで、上記ポリエステルフィルムの他方の面に下記組成(2)の溶液を0.8g/m2の塗布量で塗布し、乾燥させて剥離層を形成した。
組成(2)
カルナバワックス :5重量%
ポリエチレンワックス :5重量%
トルエン :90重量%
この剥離層上に、下記組成(3)の溶液を塗布量が0.2g/m2となるように塗布し、乾燥させて耐熱保護層を形成した。
組成(3)
この耐熱保護層上に下記組成(4)の溶液を塗布量が2.5g/m2となるように塗布し、乾燥させてインク層を形成し、本発明に係る感熱転写媒体を得た。
組成(4)
【0011】
[実施例2]
実施例1の組成(3)を下記組成(5)に代え、また、組成(4)を下記組成(6)に代えるほかは、実施例1と同様にして本発明に係る感熱転写媒体を得た。
組成(5)
組成(6)
【0012】
[比較例1]
実施例1の組成(3)を下記組成(7)に代えるほかは、実施例1と同様にして感熱転写媒体を得た。
組成(7)
ダイアナールB75(アクリル樹脂、三菱化学製) :20重量%
メチルエチルケトン :80重量%
【0013】
[評価試験]
実施例1〜2および比較例1で得た感熱転写媒体により、熱転写プリンターM−5600(オカベマーキングシステム製)を使用して、アイベスト(タグ紙、日本紙業製)上に転写パターンを形成した。ついで、その転写パターン上に綿布を置き、綿布上から200℃のアイロンを5秒間押し当てた。綿布の転写パターンと接触していた部分を目視により確認した。
その結果、実施例1〜2の感熱転写媒体で形成した転写パターンでは、綿布への裏移りはなかった。一方、比較例1の感熱転写媒体で形成した転写パターンは、その一部が綿布に裏移りを生じていた。
【0014】
【発明の効果】
本発明の感熱転写媒体によれば、熱転写でタグを形成するような場合でも裏移りを生じることなく、耐熱性に優れた鮮明な転写パターンを形成することができる。
Claims (3)
- 基材上に、剥離層、耐熱保護層および熱溶融性インク層をこの順に設け、転写時には前記耐熱保護層と前記熱溶融性インク層が共に転写する感熱転写媒体であって、前記耐熱保護層はイソシアネートまたはイソシアネート系樹脂からなり、転写後に硬化することを特徴とする感熱転写媒体。
- 耐熱保護層がイソシアネートを含む請求項1記載の感熱転写媒体。
- 耐熱保護層の塗布量が0.01〜1.00g/m2である請求項1または請求項2記載の感熱転写媒体。
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1996
- 1996-12-18 JP JP33784796A patent/JP3958393B2/ja not_active Expired - Lifetime
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