JP3958112B2 - 数値制御装置における速度制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
数値制御装置を用いて行う加工における速度制御方法に関する。特に、金型などの自由曲面を加工するとき、CAD/CAM装置や倣い装置などを使って加工形状を線分で近似して指令データを作成し、この指令データで加工する場合に利用する速度制御方法である。
【0002】
【従来の技術】
数値制御工作機械を用いて金型などの自由曲面を加工する場合、CAD/CAM装置や倣い装置などを使って加工形状を線分で近似して指令データを作成し、この指令データに基づいて数値制御装置を稼働し数値制御工作機械を駆動制御して加工を行っている。この指令データの指令位置、移動量は、四捨五入等で指令の最小単位に丸められている。そのため、指令線分のつなぎ目の指令点部においては目標とする曲率にはならない場合がある。この場合、指令点毎の各移動成分の加速度は所期の曲線の加速度より大きくなるときがある。また、指令点毎の各移動成分の加速度が大きく変動する場合が生じる。
【0003】
例えば、図1に示すように、所期の加工形状の曲線1の近似データが、指令点p1,p2・・p5により構成される微小直線の線分p1−p2,p2−p3,p3−p4,p4−p5であったとする。なお、図1〜図5において破線で示す升目が指令データの最小単位を示す。この場合でY軸(縦方向)の加速度を例にとって説明する。指令点p1から次の指令点p2への移動時間をt1、線分p1−p2,線分p2−p3におけるY軸方向の移動速度成分をそれぞれV1y,V2yとすると(なお、V1x,V2xはX軸方向の移動速度成分を示す)、Y軸方向の加速度A2yは、
A2y=(V2y−V1y)/t1…・・(1)
として表せる。
【0004】
所期の加工形状の曲線1においては、Y軸方向の移動速度は徐々に小さくなり、符号が反転した後に徐々に増大するもので加速度が急激に増大することはない。しかし、線分で近似することから、線分p1−p2ではプラス方向の移動速度V1yが、線分p2−p3ではマイナス方向の移動速度V2yとなり、上記1式から明らかのように、指令点P2において加速度A2yが大きくなり、許容加速度以上となり、機械系にショックや振動を発生させる原因となる場合がある。
【0005】
そのため、従来、このショックや振動の発生を抑えるために、加速度が許容加速度を越えないように減速する加速度制御が行われている。上述したように、曲線1を線分データで近似したとき、この線分データによる運転の加速度は、曲線1の加速度を正確に表したものではなく、線分近似により加速度が大きくなるものである。そのため、加速度制御を適用すると、不必要な減速となり加工時間が長くなったり、加工速度が変動することでなめらかな加工面を得ることができない場合が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、金型などの自由曲面を加工する際に、加工形状を線分で近似して指令データとして数値制御工作機械を稼働させたとき、線分近似に伴う加速度の増大により、加速度制御を適用して加工すると、加工時間を長くし、加工効率を低下させるまた、加工速度が変動することにより滑らかな加工面を得ることができない場合が生じる。
本発明は、このように従来技術の問題点を改善すること、さらに、加速度制御に加えて、加速度の変化(加加速度)も許容加加速度を越えないように速度制御する加加速度制御を適用することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、曲線形状を線分で近似した指令点の指令データをスムージングして曲線を求め、該スムージングされた曲線と設定された許容修正量を示すトレランス指令データの最小単位より細かい単位で指令点を修正することによって工作機械の駆動時の加速度、加速度変化を小さくし、修正された指令点を使って、各移動成分の加速度が規定値以内に収まるような速度を演算し速度制御を行う。又は、各移動成分の加速度変化が規定値以内に収まるような速度を演算し速度制御を行う。
前記スムージングは、指令データを用いて最小2乗法により2次曲線で近似する。この場合、指令データの連続する指令点を、最初から複数読み出し、この複数の指令点から2次曲線を求め、順次読み出す指令点を更新し、更新した複数の指令点から順次2次曲線を求めるようにする。こうして求めた2次曲線上に、前記指令データの指令点に対応する修正目標位置を求め、指令点とこの修正目標位置及び設定されているトレランス量に基づいて、指令点を修正し、修正された指令点とする。前記指令点と該指令点に対応する修正目標位置との差が設定トレランス量以下であれば、修正目標位置を修正された指令点とし、設定トレランス量を越える場合には、設定トレランス量だけ指令点を対応する修正目標位置に近づけた位置を修正された指令点とする。
特に、1つずつ指令点を更新し、更新した複数の指令点から順次2次曲線を求め、複数の指令点の中央の指令点に対応する修正目標位置を前記2次曲線上に求め、該中央の指令点と対応する前記修正目標位置と設定トレランス量より指令点を修正し修正された指令点とする。
さらに、従来は加速度が設定許容加速度を越えないように減速する加速度制御が行われているが、それに加えて、加速度の変化(加加速度)が許容加加速度を超えないように減速する加加速度制御も行う。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概要を説明する。CAD/CAM装置や倣い装置などを用いて作成された加工形状を微小直線の線分で近似した指令データの連続する複数の指令点に基づいて、該指令データをスムージングする。例えば、この実施形態では、スムージングの手段として、連続する5つの指令点により最小2乗法によって2次曲線を求める。
【0009】
例えば、指令データによる連続する指令点が図2に示すように、点p1,p2,p3,p4,p5であったとする。また、点p1−p2間の距離をL1,点p−p3間の距離をL2,・・と点pn−pn+1間の距離をLnとする。尚、距離Lnは、指令点pn,pn+1の位置より求められる。そして、この5つの指令点よりスムージングして求める2次式を上記指令点間の距離Lnをパラメータtとして、次の2式で表す。
f(t)=At+Bt+C …・・(2)
これを各成分について表すと、
【0010】
【数1】
Figure 0003958112
と表現できる。
【0011】
そこで、各指令点p1〜p5の値を用いて、未定の係数a,a,・・b,b,・・c,c,・・を最小2乗法を用いて決定し、上記3式の2次式を決定し、5つの指令点p1〜p5をスムージングした曲線の式を得る。図2における曲線2がこのスムージングによって求めた曲線を表す。
【0012】
次にこのスムージングによって求めた曲線2上に指令点に対応する修正目標位置を算出する。これは、例えば指令点p2に対応する修正目標位置r2は、パラメータt=L1、指令点p3に対応する修正目標位置r3はパラメータt=L1+L2を上記3式の2次式に代入して求めることができる。こうして求めた修正目標位置r、指令点p及び指定されているトレランス量wとによって、指令点pを修正し、修正した指令点(以下、修正点ともいう)qを求める。
【0013】
例えば、指令点p3に対する修正点q3を求める方法について説明する(図3参照)。上述したように、指令点p3に対応する修正目標位置r3は、上記3式のパラメータtに「L1+L2」を代入して求める。指令点p3、修正目標位置r3の位置ベクトルをvp3,vr3とする(図3参照)。そして、指令点p3から修正目標位置r3までのベクトル(vr3−vp3)を求め、この絶対値が設定トレランス量w以下か判断する。
【0014】
|vr3−vp3|≦w の場合には、
設定トレランスw内に修正目標位置r3が存在するので、修正点q3=r3とする。
【0015】
|vr3−vp3|>w の場合には、
設定トレランスw内に修正目標位置r3が存在しないので、指令点p3を修正目標位置r3に設定トレランス量wだけ近づけた位置を修正点とする。すなわち、位置ベクトル[vp3+w×(vr3−vp3)/|vr3−vp3|]で表される位置を修正点q3とする。
【0016】
このようにして、連続する指令点を1つ1つ進めながら5つの指令点を更新し、各指令点を設定トレランス量wによって修正した修正点を求める。尚、指令データの開始点と終了点については修正点qは求めず、指令点pをそのまま使用する。図4は、このようにして求めた修正点q1,q2,q3,q4,q5を示す。
【0017】
この図4からもわかるように、修正点qは2次曲線上に位置するか、指令点pよりも設定トレランスwだけ2次曲線に近づいた位置であり、修正点qを結ぶ折れ線は、指令点pを結ぶ折れ線より滑らかに接続されることになる。指令データで指令された指令点pの位置は、指令の最小単位に丸められ、升目上にあるが、修正点qの位置は、この指令の最小単位以下の単位の値の位置として求められるから(升目上とは限らず、その中間部にもある)、指令点の設定単位による丸め誤差は解消され滑らかに接続されるものである。
【0018】
この修正点qを数値制御装置により処理する指令データとして数値制御工作機械を駆動制御すれば、加速度、及び加速度変化は指令点pにより駆動制御する場合と比較して格段に小さくなり、機械にショックや振動の発生を抑えることができる。
【0019】
また、この修正された指令点(修正点)qを数値制御装置に与える指令データとして数値制御工作機械を稼働させるとき、加速度制御、加加速度制御の速度制御を実行すると、加速度、加速度変化が抑えられることから、減速する必要性が少なくなる。
【0020】
加速度制御は従来と同様であるが、簡単に説明する。
各移動成分(各移動軸)の許容加速度MaxAccを規定し設定しておく。指令データ中に指令されている指令速度をFとする。修正点qn-1からqnまでの距離Ln-1は、この修正点qn-1、qnの位置より求まり、修正点qn-1からqnへの移動時間taは、Ln-1/Fとして求まる。また、修正点qn-1からqnへの各軸速度成分は、指令速度Fを修正点qn-1からqnへの移動ベクトルの成分比より求めることができる。例えば、移動軸がX,Y,Z軸の3軸とし、修正点qn-1からqnへの各軸速度成分をVax,Vay,Vaz、修正点qnからqn+1への各軸速度成分をVbx,Vby,Vbzとすると、修正された指令点(修正点)qnにおける加速度をAccnは、
Acc=[(Vbx−Vax)/ta,(Vby−Vay)/ta,(Vbz−Vaz)/ta]…(4)
として求められる。
次に、この加速度を用いて、修正点qnにおける速度(decF)を、次の5式を用いて求め、速度制御を行う。
【0021】
【数2】
Figure 0003958112
【0022】
ここで、Max(Acc/MaxAcc)は、
(Acc(x)/MaxAcc(x)),
(Acc(y)/MaxAcc(y)),
(Acc(z)/MaxAcc(z))
の各軸成分の内、最大のものとする。
【0023】
次に、加加速度制御について説明する。
各移動成分(各移動軸)の加速度の許容変化率JerkKを規定し設定しておく。連続する修正された指令(修正点)qn,qn+1間の移動時間をtbとすると、修正点qn,qn+1の加速度変化量AccDiffは、加速度Accn+1,Accより
AccDiff=(Accn+1−Acc)・・・(6)
として求められる。
このとき、修正点qn+1における速度(decF)を、次の7式を用いて求め、速度制御を行う。
【0024】
【数3】
Figure 0003958112
【0025】
ここで、Max(AccDiff/(JerkK×tb))は、
(AccDiff(x)/(JerkK(x)×tb),
(AccDiff(y)/(JerkK(y)×tb),
(AccDiff(z)/(JerkK(z)×tb)
の各軸成分の内、最大のものとする。
【0026】
図5は、本発明の速度制御方法の一実施形態を実施する数値制御装置のブロック図である。CPU11は数値制御装置100を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステムプログラムをバス20を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及びCRT/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データが格納される。CMOSメモリ14は図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置100の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。CMOSメモリ14中には、CAD/CAM装置や倣い装置などを使って加工形状を線分で近似して作成された指令データが、インターフェイス15を介して読み込まれ記憶される。また、ROM12には、指令データの作成及び編集のために必要とされる編集モードの処理や自動運転のための処理を実施するための各種システムプログラムがあらかじめ書き込まれている。また、トレランス量w、許容加速度MaxAcc、加速度の許容変化率JerkKも予め設定されCMOSメモリ14に格納されている。
【0027】
インターフェイス15は、数値制御装置100とアダプタ等の外部機器72との接続を可能とするものである。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)16は、数値制御装置100に内蔵されたシーケンスプログラムで工作機械の補助装置(例えば、工具交換用のロボットハンドといったアクチュエータ)にI/Oユニット17を介して信号を出力し制御する。また、工作機械の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な信号処理をした後、CPU11に渡す。
【0028】
CRT/MDIユニット70はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置であり、インターフェイス18はCRT/MDIユニット70のキーボードからの指令,データを受けてCPU11に渡す。インターフェイス19は手動パルス発生器71に接続されパルスを受ける。手動パルス発生器71は操作盤に実装され、手動操作に基づいて形成された分配パルスによって、各軸制御で工具を精密に位置決めするために使用される。
【0029】
各軸の軸制御回路30〜32はCPU11からの各軸の移動指令量を受けて、各軸の指令をサーボアンプ40〜42に出力する。サーボアンプ40〜42はこの指令を受けて、X,Y,Z軸の各サーボモータ50〜52を駆動する。各軸のサーボモータ50〜52は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置。速度フィードバック信号を軸制御回路30〜32にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図5では、位置・速度のフィードバックについては省略している。
【0030】
スピンドル制御回路60は主軸回転指令を受け、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ61はスピンドル速度信号を受けて、主軸モータ62を指令された回転速度で回転させる。ポジションコーダ63は、主軸モータ62の回転に同期して帰還パルスをスピンドル制御回路60にフィードバックし、速度制御を行う。
【0031】
CMOSメモリ14には曲線を線分で近似した指令データが格納されており、本発明の速度制御モードに設定されていると、CPU11は図6に示す修正された指令点(修正点)の作成処理を開始する。
【0032】
まず、読み込み指令点を計数するカウンタnを「0」にセットし(ステップS101)、指令データの始めから順に指令点pを読み込みレジスタに記憶しカウンタnを1インクリメントする(ステップS102)。読み込んだデータが指令データの最終データか判断し(ステップS103)、最終データでなければ、カウンタnが「5」に達したか判断し(ステップS104)、該カウンタnが「5」に達するまで、指令データを読み込む。すなわち、例えば、指令データp1,p2…とすると、指令データの最初の位置である開始点p1から2番目、3番目、4番目、5番目の指令点p2,p3,p4,p5をレジスタに読み込む。例えば、レジスタRg1にp1、レジスタRg2にp2、レジスタRg3にp3、レジスタRg4にp4、レジスタRg5にp5を格納する。
【0033】
この5つの指令点により、3式の係数を最小2乗法によって確定し、近似2次式f(t)を求める(ステップS105)。次に、読み込んだ指令点に開始点を含むか判断し(ステップS106)、含む場合は(最初は含んでいる)、CMOSメモリ14(RAM13内でもよい)に確保されている修正点を記憶する領域に、この開始点p1を修正された指令点(修正点)として記憶する(ステップS107)。さらに、2番目の指令点、3番目の指令点に対応する修正目標位置r2,r3をステップS105で求めた2次曲線より求め、この修正目標位置r2,r3と指令点p2,p3及び設定されているトレランス量wによって、前述したように修正された指令点である修正点q2,q3を求め修正点を記憶する領域に記憶する(ステップS107、S108)。
【0034】
次にカウンタnを1ディクリメントとし(ステップS110)、ステップS102に移行し、次ぐの指令値pを読み込みカウンタnを1インクリメントする。この場合、レジスタRg1〜5に記憶する指令値をシフトし、レジスタRg5に新たに読み込んだ指令値pを格納する。すなわちRg1←Rg2、Rg2←Rg3、Rg3←Rg4、Rg4←Rg5と各レジスタに記憶する指令値をシフトし、レジスタRg5に新たに読み込んだ指令値pを格納する。
【0035】
この読み込んだデータが最終データでない場合、カウンタnは「5」となっているから、ステップS105に進み、このレジスタに記憶する5点(この場合、p2,p3,p4,p5,p6である)に基づいて、2次曲線f(t)を求める。また、指令データの開始点p1を含まないので、ステップS106からステップS109に進み、現在読み込んでいる3番目の点、すなわちレジスタRg3に記憶する指令点p4に対する修正点q4を前述した方法により求めて記憶し、カウンタnから1減じて(ステップS110)、ステップS102に戻る。
【0036】
以下、指令データの最終データが読み込まれるまで、ステップS102からステップS110の処理を繰り返し実行し、各指令点pを修正した修正点qを求め記憶する。
【0037】
そして、ステップS103で最終データが読み込まれたことが判断されると、ステップS111に移行し、現在読み込まれている3,4,5番目の指令点に対する修正点を求める。すなわち、レジスタRg3,Rg4,Rg5に記憶されている指令点に対応する修正点にまだ求められていないから、ステップS105ですでに求められている2次式f(t)と、設定トレランスw及びRg3,Rg4に記憶されている3番目と4番目の指令点に対応する修正点を前述同様に求め記憶する。またレジスタRg5に記憶する指令点は最終指令点であり、この点はそのまま修正点として記憶する。これにより、指令データの各指令点は修正されてそれぞれ修正点が求められる。この各修正点を結ぶ線は指令点を結ぶ線よりも、より滑らかに接続されることになる。
【0038】
こうして、求められた修正点データが修正された指令データとして使用され、数値制御工作機械は駆動制御される。このとき、従来と同様に加速度制御が行われ、さらには加加速度制御による速度制御がなされる。従来と相違する点は、従来は、CAD/CAM装置や倣い装置などで作成された指令データがそのまま使用されていた点が、この指令データに変わり上述した修正点データによる指令データが用いられる点、および、加速度制御に加えて加加速度制御による速度制御がなされる点である。この加速度制御による速度制御、加加速度制御による速度制御を図7、図8に示すフローチャートと共に簡単に説明する。
【0039】
図7は、数値制御装置のCPU11が実行するこの加速度制御による速度制御のフローチャートである。CPU11は、図6に示す指令点修正処理より少し遅れて、この図7に示す処理を所定周期毎実行する。
【0040】
まず、CMOSメモリ14に記憶する修正点データの最初から順に読み出し、第1,第2、第3の修正点をレジスタR1,R2,R3に格納する(ステップS201)。次にレジスタR1記憶する修正点からレジスタR2に記憶する修正点までの移動時間taを該修正点位置データと指令速度Fに基づいて求める(ステップS202)。さらに、レジスタR1記憶する修正点からレジスタR2に記憶する修正点への各軸速度成分をVax,Vay,Vaz、レジスタR2に記憶する修正点からレジスタR3に記憶する修正点への各軸速度成分をVbx,Vby,Vbzを求める(ステップS203,S204)。
【0041】
レジスタR2に記憶する修正点の前後における速度より該修正点における加速度Accを求める(ステップS205)。そして、設定されている許容加速度MaxAccと加速度Accより、各軸の許容加速度MaxAcc(x),MaxAcc(y),MaxAcc(z)、加速度Acc(x),Acc(y),Acc(z)を求め、(Acc(x)/MaxAcc(x)),(Accn(y)/MaxAcc(y)),(Accn(z)/MaxAcc(z))の最大値をMax(Acc/MaxAcc)とする(ステップS206)。そして、上述した5式の演算を行って、指令速度decFを求め(ステップS207)、この指令速度decFで、レジスタR2に記憶する修正点の位置までの移動指令の分配を各軸に対して行い(ステップS208)、軸制御回路30〜32、サーボアンプ40〜42を介して各軸サーボモータ50〜52を駆動して加工を行う。
【0042】
次に、次に読み出す修正点データがあるか判断し(ステップS209)、あれば、レジスタR2に記憶する修正点データをレジスタR1に格納し、レジスタR3に記憶する修正点データをレジスタR2に格納し、次に読み出した新たな修正点データをレジスタR3に格納し(ステップS210)、ステップS202へ移行する。以下、新たに読み出す修正点データがなくなるまでステップS202〜ステップS210の処理を所定周期毎実行し加工を行う。ステップS209で新たに読み出す修正点データがないことが判別されると、そのときの指令速度decFでレジスタR3に記憶する修正点位置(最終指令点)までの移動指令の分配を行い(ステップS211)、この加工を終了する。
【0043】
図8は、数値制御装置のCPU11が実行する加加速度制御による速度制御のフローチャートである。
ステップS301〜S305までは、図7に示したフローチャートのステップS201〜S205と同じであるのでその説明を省略する。この加加速度制御による速度制御では、求めた加速度Accと1つ前に求めた加速度Accoldより加速度変化量AccDiff(=Acc−Accold)を求め(ステップS306)、今回求めた加速度Accを1つ前の加速度Accoldとして記憶する(ステップS307)。各軸の加速度変化量AccDiff(x),AccDiff(y),AccDiff(z)と、設定されている加速度の許容変化率JerkKの各軸分JerkK(x),JerkK(y),JerkK(z)及びステップS302で求めた移動時間tbより、(AccDiff(x)/(JerkK(x)×tb),(AccDiff(y)/(JerkK(y)×tb),(AccDiff(z)/(JerkK(z)×tb)を求め、この内最大のものをMax(AccDiff/(JerkK×tb))として求める(ステップS308)。そして前述した7式の演算を行って指令速度decFを求める(ステップS309)。この指令速度decFを求めた後は図7のステップS208,S209,S210、S211と同一の処理であるステップS310,S311,S312,S313の処理を行う。
【0044】
以下、新たに読み出す修正点データがなくなるまで、ステップS302〜S312の処理を所定周期毎実行し、新たに読み出す修正点データがなくなると、ステップS313に移行して最後の修正点位置(最終指令点)へ移動指令を分配して、この加工処理を終了する。
【0045】
【発明の効果】
本発明では、自由曲面を加工する際、曲面を構成する曲線は微小直線の線分を接続したもので近似され、この線分の連続体を指令データとして与えられ、加工がなされる。このとき、指令データはデータ作成上の最小単位に丸められた値となっている。そのため線分の接続点(指令点)において希望する曲率とはならない場合が生じるが、本発明では、数値制御装置による数値制御のための指令入力値を前記データ作成上の最小単位よりも小さい下位の単位の位置まで指令して、より滑らかに微小直線を接続して曲線を近似し、加工を行うようにしたから、接続点における加速度が大きくならず、又は、加速度変化も大きくならず、加速度制御、加加速度制御によって、速度制御を行ったときに、不必要に減速することなく、機械に生じるショックや振動を抑制することができ、加工時間を短縮すると共に滑らかな加工面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の曲線を微小直線の線分で近似した指令データによって生じる加速度、加速度変化の説明図である。
【図2】本発明における曲線を微小直線の線分で近似した指令データをスムージングして得られる2次曲線の説明図である。
【図3】本発明における指令点を修正して修正された指令点(修正点)を求める説明図である。
【図4】本発明において求めた修正点の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態を実施する数値制御装置の要部ブロック図である。
【図6】同実施形態における指令点を修正して修正された指令点(修正点)を求める修正処理のフローチャートである。
【図7】同実施形態における加速度制御による速度制御処理のフローチャートである。
【図8】同実施形態における加加速度制御による速度制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 加工しようとする曲線
2 指令データよりスムージングによって得られた2次曲線
p1、p2… 指令点
r1、r2… 修正目標位置
q1、q2… 修正点

Claims (6)

  1. 曲線形状を線分で近似した指令点の指令データをスムージングして曲線を求め、該スムージングされた曲線と設定された許容修正量を示すトレランス指令データの最小単位より細かい単位で指令点を修正することによって工作機械の駆動時の加速度を小さくし、修正された指令点を使って、各移動成分の加速度が規定値以内に収まるような速度を演算し速度制御を行う数値制御装置における速度制御方法。
  2. 曲線形状を線分で近似した指令点の指令データをスムージングして曲線を求め、該スムージングされた曲線と設定された許容修正量を示すトレランス指令データの最小単位より細かい単位で指令点を修正することによって工作機械の駆動時の加速度変化を小さくし、修正された指令点を使って、各移動成分の加速度変化が規定値以内に収まるような速度を演算し速度制御を行う数値制御装置における速度制御方法。
  3. 前記スムージングは、指令データを用いて最小2乗法により2次曲線で近似するものである請求項1又は請求項2記載の数値制御装置における速度制御方法。
  4. 前記指令データの連続する指令点を、最初から複数読み出し、この複数の指令点から2次曲線を求め、順次読み出す指令点を更新し、更新した複数の指令点から順次2次曲線を求める請求項3記載の数値制御装置における速度制御方法。
  5. 前記2次曲線上に、前記指令データの指令点に対応する修正目標位置を求め、指令点とこの修正目標位置との差が前記設定トレランス量以下であれば、修正目標位置を修正された指令点とし、前記設定トレランス量を越える場合には、前記設定トレランス量だけ指令点を対応する修正目標位置に近づけた位置を修正された指令点とする請求項3又は請求項4記載の数値制御装置における速度制御方法。
  6. 1つずつ指令点を更新し、更新した複数の指令点から順次2次曲線を求め、複数の指令点の中央の指令点に対応する修正目標位置を前記2次曲線上に求め、該中央の指令点と対応する前記修正目標位置と前記設定トレランス量より指令点を修正し修正された指令点とする請求項5記載の数値制御装置における速度制御方法。
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