JP3957824B2 - タッチパネルの基板用低反射ガラス - Google Patents

タッチパネルの基板用低反射ガラス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種表示装置等に配置される抵抗膜式タッチパネル、すなわち後述するように、可撓性を有する透明表層板の裏面に導電膜を形成し、その下の透明基板の上面に導電膜パターンを形成し、表層板の適所を押圧することにより、前記両板の導電膜が接触して導通、入力する方式のタッチパネルにかかり、前記透明ガラス基板上に透明導電膜を施した該基板の光反射率を低減し、透視性を良好にした、タッチパネルの基板用低反射ガラスに関する。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】
表示装置等において、ガラス基板表面に低反射膜を形成したり、微細凹凸を施すノングレア加工をすることにより、グレアー感(ギラツキ感)を抑え、透視性を良好とすることは公知である。
【0003】
タッチパネルに関しては、特開平7−20993 号に、タッチパネルを構成する上下パネルに被着した抵抗シート(透明導電膜)表面に微細凹凸を設けるノングレア加工をすることにより、干渉縞(ニュートンリング)の発生を防止し、透視性を良好にすることが開示されている。
【0004】
特開平5−127882号には、タッチパネルにおける可動基板の表面に、1/4λ位相差板、偏光板、ノングレア処理フィルムを積層することにより、表面反射を小さくし、防眩性や、画像コントラスト等を高めることが開示されている。
【0005】
特開平6−124159号には、タッチパネル(タッチキー)における透明基板のITO 膜上に、ごく薄い ITO層と、ごく薄いSiOx層との交互層を形成することにより、光透過率を高めることが開示されている。
【0006】
本発明は、それら公知例とは構成を異にし、容易かつ効率的な手段で、特定屈折率、膜厚の透明酸化物からなる複層膜を形成し、光反射を低減し、グレアー感を解消し、透視性を増大したタッチパネルの基板用低反射ガラスを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明ガラス基板の片面に透明導電膜を形成したタッチパネルの基板用ガラスにおいて、厚みが0.2〜3mmの透明ガラス基板表裏面に、該基板側から第1層目として、該基板より屈折率の高い、屈折率n1が2.05〜2.25、膜厚d1が90〜120nmの透明酸化物膜、次いでその上の第2層目として、該基板より屈折率の低い、屈折率n2が1.43〜1.48、膜厚d2が30〜60nmの透明酸化物膜をゾルゲル法に積層し、更にその膜付基板の片面上に、ITO膜を、膜厚d3が10〜25nmの範囲で膜形成し、透過光の主波長が 480〜560nmで、透過色が青色ないし緑色を呈し、膜相互の光干渉作用により可視光線反射率を6%オーダーまたはそれ以下に低減したものである。
【0010】
本発明の別の態様としては、透明ガラス基板の片面に透明導電膜を形成したタッチパネルの基板用ガラスにおいて、厚みが0.2〜3mmの透明ガラス基板表裏面に、該基板側から第1層目として、該基板より屈折率の高い、屈折率n1が1.75〜1.85、膜厚d1が30〜80nmの透明酸化物膜、次いでその上の第2層目として、該基板より屈折率の低い、屈折率n2が1.43〜1.48、膜厚d2が60〜100nmの透明酸化物膜をゾルゲル法により積層し、更にその膜付基板の片面上に、ITO膜を、膜厚d3が10〜25nmの範囲で膜形成し、透過光の主波長が 570nm前後で、透過色が稍黄色系を呈し、膜相互の光干渉作用により可視光線反射率を6%オーダーまたはそれ以下に低減したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図4は表示装置における一般的な抵抗膜式タッチパネルの概略部分構造を示したものであり、液晶表示装置等の本体1の画像表示側には、ITO 等の透明導電膜パターン2を形成した基板用ガラス3と、スペーサー4を介し、ITO 等の透明導電膜5を形成した薄板ガラス、樹脂等の可撓性の透明表層板6からなり、上方から指やタッチペン等7で透明表層板6を押圧して撓ませることにより、該表層板6の透明導電膜5と、前記基板用ガラス3の透明導電膜パターン2が接して入力されるものである。
【0014】
ところで、通常タッチパネルの基板用ガラスに常用される透明クリアーなフロート板ガラス(主としてソーダ石灰系ガラス:屈折率 1.5〜 1.6程度)においては、ガラス厚み1mm 前後において、可視光線透過率91%オーダー、可視光線反射率 8%オーダーである。なお、該基板用ガラスとしては、上記ソーダ石灰系ガラスをはじめ、アルミノ珪酸系ガラス、硼珪酸系ガラス等も採用されるが、それらの屈折率は殆ど 1.5〜1.6 の範囲であり、厚みは 0.2mm弱〜3mm程度のものが採用される。
【0015】
基板用ガラスに施す透明導電膜としては、ネサ(SnO2)膜を採用するケースもあるが、パターニングの容易さ、導電性、透明、透視性等の観点からITO 膜(屈折率1.95前後)が多く使用され、その厚みは、タッチパネルとして好適な膜抵抗値、透視性等を勘案すると、ほぼ10〜25nmとなる。
【0016】
図2に示すように、前記厚み1.1mm のフロート板ガラスをタッチパネルの基板用ガラス3として、その片面に透明導電膜、1例としてITO 膜2(屈折率n3=1.95、膜厚d3=10〜25nm)を成膜した場合は、 ITO膜面側(図示矢印8側:以下の例においても同様である)において可視光線透過率が90%以下、また、可視光線反射率も8%を越える等、視認性が劣り、グレアー感が強く、基板用ガラスとしては適当とはいえない。
【0017】
また、図3に示すように、同様の厚み1.1mm のフロート板ガラスをタッチパネルの基板用ガラス3として、その両面に1層の低反射用膜9を形成したうえで、片面にITO 膜2(屈折率n3=1.95、膜厚d3=10〜25nm)を成膜した場合は、 ITO膜や低反射用膜の表裏面における多重反射において、各反射波の干渉による打消し合いを考慮して、低反射膜2の屈折率を1.45程度、膜厚を70nm程度としたケースにおいても、 ITO膜面側において可視光線透過率が90%を若干上回る程度であり、また、可視光線反射率も8%を越える等、やはり視認性が劣り、グレアー感が強く、基板用ガラスとしては適当とはいえない。
【0018】
これに対し、図1に示すように、同様の厚み1.1mm のフロート板ガラスを基板用ガラス3として、その両面に、第1層目として、該基板3より高い透明酸化物膜9、次いでその上の第2層目として、該基板より低い透明酸化物膜10を積層し、更にその膜付基板の片面上に ITO膜2を形成し、膜相互の光干渉作用を考慮して適宜厚みとしたことにより、可視光線反射率を6%オーダーまたはそれ以下に低減することができる。
【0019】
すなわち、一の態様として、第1層目の膜9として、屈折率n1が2.05〜2.25、膜厚d1が90〜 120nmの透明酸化物膜、第2層目の膜10として、屈折率n2が1.43〜1.48、膜厚d2が30〜60nmの透明酸化物膜を成膜し、更にその片面上に、 ITO膜2(屈折率n3=1.95)を、膜厚d3を約10〜25nmの範囲で膜形成すれば、可視光線透過率が92〜94%程度、可視光線反射率が5〜6.5%程度であり、透過光の主波長が 480〜 560nmで、透過色が薄青色ないし緑色を呈し、視感的にも疲労感が薄く、良好であり、低反射ガラスとして好適である。
【0020】
なお前記第1層目の膜9の材質としては、TiO2(屈折率2.15)を採用し、あるいはTiO2またはTa2O5 (屈折率2.3〜2.5)に、SiO2(屈折率1.45)、ZrO2(屈折率1.90)、SnO2(屈折率1.85)、Al2O3 (屈折率1.65)のうちの1種以上を混合したものを適宜採用するものである。
【0021】
また前記第2層目の膜10の材質としては、SiO2を採用し、あるいはSiO2に、TiO2、Ta2O5 、ZrO2、SnO2、Al2O3 のうちの1種以上を混合したものを適宜採用するものである。
【0022】
また、別の態様として、第1層目の膜9として、屈折率n1が1.75〜1.85、膜厚d1が30〜80nmの透明酸化物膜、第2層目の膜10として、屈折率n2が1.43〜1.48、膜厚d2が60〜 100nmの透明酸化物膜を成膜し、更にその片面上に、 ITO膜5(屈折率n3=1.95)を、膜厚d3を約10〜25nmの範囲で膜形成すれば、可視光線透過率が93〜95%程度、可視光線反射率が4〜6%程度であり、透過光の主波長が 570nm前後で、透過色が稍黄色系を呈し、グレアー感も抑えられて良好であり、低反射ガラスとして適用できる。
【0023】
前記両態様において、第1層、第2層の膜を形成するための手段としては、塗布液を調整したうえで、これを基板に塗布し、加熱、成膜するスプレー法、ディッピング法、フローコート法、ローラーコート法、スピンコート法等、あるいは、有機金属化合物蒸気を調整しこれを基板に吹付けるとともに分解、成膜する各種化学的気相成長(CVD )法、金属(酸化物)ターゲットを準備し、これを基板に蒸着させる各種物理的蒸着 (PVD )法等、各種手段が採用できるが、基板両面に、同一膜厚のものを同時に効率よく成膜できるディッピング法が好適であり、塗布液としては金属アルコキシド、金属βジケトナートなどの有機金属化合物や金属塩化物、金属硝酸塩を出発原料とし、これを金属酸化物ゾル溶液としたものを用い、加熱、成膜する、いわゆるゾルゲル法によるところの塗布液を採用するのがよい。
【0024】
ITO 膜を形成する手段としては、上記各種方法が採用できるが、CVD 法や、PVD 法が多く採用され、特にインジウム塩、錫塩の溶液を超音波振動によってエアロゾル化し、加熱基板表面に前記塩のエアロゾルを接触させ、熱分解により酸化物膜(ITO)を形成するパイロゾルと称する方法が賞用される。
【0025】
なお、上記各膜の屈折率、厚みは相互に親密な相関性があるもので、いずれかの膜の屈折率、厚みが上記範囲を外れると、上記可視光線透過率、可視光線反射率、主波長範囲を得ることはできない。
【0026】
【実施例1:一態様について】
〔実施例1−1〕
タッチパネルの基板用ガラスとして、サイズ 300mm×400mm、厚み 1.1mmのフロート法製板によるところのソーダ石灰系ガラス(屈折率 1.52)を準備し、その両面をセリアで研磨し、水濯ぎし、さらにイソプロピルアルコールを浸した布で払拭した。これを温度25℃、湿度50%に保ったクリーンルーム内において、ゾルゲル−ディッピング法により低反射用第1層、第2層の膜を形成し、CVD 法によりITO 膜を形成した。
【0027】
第1層用の膜形成原料として、イソプロピルチタナートをイソプロピルアルコールで希釈した溶液に、微量の酸触媒と水を加えて撹拌し、さらにこの溶液を、酸化物換算の溶質濃度が約0.45wt%になるようにイソプロピルアルコールを加えて調製し、チタニアのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約3.0mPa・s であった。
【0028】
この溶液を入れた槽内に前記ガラス基板を浸漬し、速度約 4.5mm/s で引上げて焼成後の厚みが所望厚みになるようにして、ガラス基板両面に塗布液を膜付けした。更にこれを 270℃で15分間加熱して、チタニアゲル膜を形成した。
【0029】
第2層用の膜形成原料として、テトラエトキシシランをイソプロピルアルコールで希釈した溶液に微量の酸触媒と水を加えて撹拌し、さらに溶質濃度約0.30wt%になるようにイソプロピルアルコールを加えて調製しシリカのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約 2.8mPa・s であった。
【0030】
この溶液を入れた槽内に、前記第1層膜形成ガラス基板を浸漬し、約 1.2mm/s の速度で引上げて焼成後の膜厚が所望厚みになるようにして、第1層膜付ガラス基板両面に塗布液を膜付けした後、約 270℃で15分間加熱してチタニアゲル膜上にシリカゲル膜を形成した。
【0031】
さらに該ガラス基板を 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のチタニア膜、第2層のシリカ膜からなる低反射膜を完成した。
この2層膜付けガラス基板の片面上に、インジウム塩、錫塩をエアロゾル化したものを導き、熱分解させ、いわゆるCVD −パイロゾル法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用低反射ガラスを完成した。
【0032】
なお該低反射ガラスは、第1層膜として屈折率n1が2.15、膜厚d1が 104nmのTiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が42nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が19nmのITO 膜からなる。
【0033】
該タッチパネルの基板用低反射ガラスは、垂直入射での可視光線透過率93.8%、可視光線反射率 5.6%であり、単にガラス板に直接19nmのITO 膜を成膜した場合に比べ可視光線反射率を約5%低減でき、また可視光線透過率も約5%向上でき、視認性がよくグレアー感が抑えられたものであった。
【0034】
また透過色調が薄青緑色(透過光の主波長が 546nm)で、視感上疲労感、違和感がなく、タッチパネルの基板用低反射ガラスとして好適であった。
【0035】
〔実施例1−2〕
実施例1−1同様のガラス基板を準備した。
第1層の膜形成原料としてタンタルエトキシドと、シリコンエトキシドを溶質濃度(酸化物換算のモル比)で85:15 に混合し、イソプロピルアルコールで希釈し、酸触媒、水等を加えた溶液に、更にイソプロピルアルコールを加えて溶質濃度を0.40wt%に調製し酸化タンタル、シリカのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約2.8mPa・s であった。
【0036】
この溶液の入った槽内に前記ガラス基板を浸漬し、約 4.6mm/s の速度で引上げた後、約 300℃で10分間加熱し、ガラス両面に第1層目の酸化タンタル−シリカ複合ゲル膜を形成した。
【0037】
次に実施例1−1の2層目に使用したのと同様のシリカゾル溶液中に前記1層を膜付けしたガラス基板を浸漬し、約 1.3mm/s の速度で引上げた後、約 300℃で10分間加熱して酸化タンタル−シリカ複合ゲル膜上にシリカゲル膜を形成した。
【0038】
更に該ガラス基板を 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層の酸化タンタル(85wt%)・シリカ(15wt%)複合膜、第2層のシリカ膜からなる低反射膜を完成した。
【0039】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例1−1同様に CVD法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用低反射ガラスを完成した。
なお該低反射ガラスは、第1層膜として屈折率n1が2.15、膜厚d1が 100nmのTa2O5 ・SiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が48nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が16nmのITO 膜からなる。
【0040】
該タッチパネルの基板用低反射ガラスは、垂直入射での可視光線透過率 94.3%、可視光線反射率 5.1%であり、単にガラス板に直接16nmのITO 膜を成膜した場合に比べ可視光線反射率を約5%低減でき、また可視光線透過率も約5%向上でき、視認性がよくグレアー感が抑えられたものであった。
また透過色調が緑色(透過光の主波長が 515nm)で、視感上疲労感、違和感がなく、タッチパネルの基板用低反射ガラスとして好適であった。
【0041】
〔実施例1−3〕
実施例1−1で調整した1層目チタニアゾル液に、実施例1−1同様のガラス基板を浸漬し、速度約 4.6mm/s で引上げてガラス基板両面に塗布液を膜付けした。更にこれを 270℃で15分間加熱して、チタニアゲル膜を形成した。
【0042】
アルミニウム sec-ブトキサイドをイソプロピルアルコールで希釈し、酸触媒、水を加えて調整し、一方、同様にシリコンエトキシドをイソプロピルアルコールで希釈して酸触媒、水を加えて調整した。このアルミニウムゾル溶液とシリカゾル溶液を溶質濃度比(酸化物換算のモル比)で15:85に混合し、更にイソプロピルアルコールを加えて溶質濃度を0.30wt%に調製してアルミナ・シリカのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約2.5mPa・s であり、これを第2層の膜形成原料とした。
【0043】
この溶液中に前記1層を膜付けしたガラス基板を浸漬し、約 1.5mm/s の速度で引上げた後、約 270℃で15分間加熱して、チタニアゲル膜上にアルミナ・シリカゲル膜を形成した。
【0044】
更に該ガラス基板を 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のチタニア膜、第2層のアルミナ・シリカ複合膜からなる低反射膜を完成した。
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例1−1同様に CVD法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用低反射ガラスを完成した。
【0045】
なお該低反射ガラスは、第1層膜として屈折率n1が2.15、膜厚d1が 105nmのTiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.47、膜厚d2が45nmの Al2O3・SiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が16nmのITO 膜からなる。
【0046】
該タッチパネルの基板用低反射ガラスは、垂直入射での可視光線透過率94.2%、可視光線反射率 5.2%であり、単にガラス板に直接16nmのITO 膜を成膜した場合に比べ可視光線反射率を 約5%低減でき、また可視光線透過率も 約5%向上でき、視認性がよくグレアー感が抑えられたものであった。
【0047】
また透過色調もわずかに黄色をおびているものの緑色であり(透過光の主波長が 557nm)、視感上疲労感、違和感がなく、タッチパネルの基板用低反射ガラスとして好適であった。
【0048】
〔比較例1−1〕
実施例1−1同様のガラス基板に、低反射用積層膜を形成することなく、直接基板片面に実施例1−1同様の CVD法により ITO膜を19nm厚で成膜し、タッチパネルの基板用ガラスを形成した。
【0049】
このガラスの垂直入射での可視光線反射率は 10.7%、可視光線透過率は 88.7%であった。これをタッチパネルとして表示装置に組込んだところ、周囲の背景が反射映像として写し出され、またグレアー感があってきわめて画面が見辛く、違和感、疲労感をもよおすものであり、タッチパネル用としては不適当であった。
【0050】
〔比較例1−2〕
実施例1−1同様のガラス基板を、実施例1−1同様の第1層用のチタニアゾル溶液に浸漬し、 6.0mm/s の速度で引上げ、更に 270℃で15分加熱して第1層のチタニアゲル膜を形成した。次いでそれを、実施例1−1同様の第2層用のシリカゾル溶液に浸漬し、 4.0mm/s の速度で引上げ、更に 270℃で15分間加熱して第2層用のチタニアゲル膜を形成し、その後 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のチタニア膜、第2層のシリカ膜からなる2層膜を完成した。
【0051】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例1−1同様にCVD 法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用ガラスを完成した。
なお該ガラスは、第1層膜として屈折率n1が2.15、膜厚d1が 130nmのTiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が 70nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が19nmのITO 膜からなる。
【0052】
該タッチパネルの基板用ガラスは、垂直入射での可視光線透過率91.7%、可視光線反射率 7.4%であり、実施例に比べ透過率が低い一方反射率が高く、また、透過色は黄色(主波長は 587nm)で違和感があり、タッチパネル用としては適当ではない。
【0053】
〔比較例1−3〕
実施例1−1同様のガラス基板を、実施例1−1同様の第1層用のチタニアゾル溶液に浸漬し、 3.0mm/s の速度で引上げ、更に 270℃で15分加熱して第1層のチタニアゲル膜を形成した。次いでそれを、実施例1−1同様の第2層用のシリカゾル溶液に浸漬し、 0.6mm/s の速度で引上げ、更に 270℃で15分間加熱して第2層用のシリカゲル膜を形成し、その後 470℃で30分加熱して、ガラスの両面に第1層のチタニア膜、第2層のシリカ膜からなる2層膜を完成した。
【0054】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例1−1同様にCVD 法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用ガラスを完成した。
なお該ガラスは、第1層膜として屈折率n1が2.15、膜厚d1が 80nmのTiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が25nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が19nmのITO 膜からなる。
【0055】
該タッチパネルの基板用ガラスは、透過色は青緑色(主波長は 481nm)で色調上の違和感がないが、垂直入射での可視光線透過率78.2%、可視光線反射率21%であり、実施例に比べ透過率が極端に低い一方反射率がきわめて高く、タッチパネル用としては適当ではない。
【0056】
〔比較例1−4〕
実施例1−1同様のガラス基板を準備した。
第1層用の膜形成原料として、イソプロピルチタナートとエチルシリケートを、酸化物換算のモル比で50:50で混合し、イソプロピルアルコール溶媒下溶質濃度が0.42wt%になるように調製し、チタニア−シリカ複合ゾル溶液を得た。
【0057】
この溶液の入った槽に前記ガラス基板を浸漬し、約 3.9mm/s の速度で引上げた後、約 270℃で15分間加熱し、ガラス両面に第1層目のチタニア−シリカ複合ゲル膜を形成した。
【0058】
第2層用の膜形成原料としての、実施例1−1同様のシリカゾル溶液(但し溶質濃度0.40wt%)を調製し、該溶液の入った槽内に、前記第1層膜形成ガラス基板を浸漬し、約 3.9mm/s の速度で引上げた後、約 270℃で15分間加熱してチタニア−シリカ複合ゲル膜上にシリカゲル膜を形成した。
【0059】
更に該ガラス基板を 470℃で30分加熱して、ガラスの両面に第1層のチタニア・シリカ複合膜、第2層のシリカ膜からなる2層膜を形成した。
該2層膜付けガラスは、第1層膜として屈折率n1が1.79、膜厚d1が77nmのSiO2・TiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が95nmのSiO2膜からなり、可視光線反射率は 0.8%ときわめて低反射性に富んだものであった。
【0060】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例1−1同様に、CVD 法によるITO 膜を形成し、タッチパネル用基板ガラスを完成した。
ところが該ガラスは、可視光線反射率が 8.1%と未成膜のガラス同様に高く、タッチパネル用としては不適当であった。
【0061】
〔比較例1−5〕
実施例1−1同様のガラス基板を準備した。
実施例1−1同様の2層目のシリカゾル溶液に、ガラス基板を浸漬し、4.0mm/sの速度で引上げて膜付けし、270℃で15分加熱してシリカゲル膜形成後、更に480℃で30分熱処理してシリカ膜を得た。
【0062】
このシリカ膜付きガラスの片面に、実施例1−1と同様に CVD法で ITO膜を形成した。その結果、ガラス板両面に屈折率1.45、膜厚70nmのシリカ膜を、更に片面に屈折率1.95、膜厚19nmのITO 膜を形成したタッチパネルの基板用ガラスを完成した。
【0063】
該成膜したタッチパネルの基板用ガラスは、可視光線透過率91.3%、可視光線反射率 8.2%であり、実施例1−1のタッチパネルの基板用ガラスに比べて反射率が約2.5%高く、また、透過光の主波長は570nmと黄色であり、タッチパネル用としては好ましくないものであった。
【0064】
【実施例2:別の態様について】
〔実施例2−1〕
タッチパネルの基板用ガラスとして、実施例1−1同様の、サイズ 300mm×400mm、厚み 1.1mmのフロート法製板によるところのソーダ石灰系ガラス(屈折率 1.52)を準備し、その両面をセリアで研磨し、水濯ぎし、さらにイソプロピルアルコールを浸した布で払拭した。これを温度25℃、湿度50%に保ったクリーンルーム内において、ゾルゲル−ディッピング法により低反射用第1層、第2層の膜を形成し、CVD 法によりITO 膜を形成した。
【0065】
第1層用の膜形成原料として、テトラエトキシシランをイソプロピルアルコールで希釈した溶液に、微量の酸触媒と水を加えて撹拌し、別にイソプロピルチタナートをイソプロピルアルコールで希釈した溶液に、微量の酸触媒と水を加えて撹拌し、さらにこれら両溶液を、シリカ:チタニアに換算したモル比が50:50になるように混合し、酸化物換算の溶質濃度が約0.42wt%になるように更にイソプロピルアルコールを加えて調製し、シリカ・チタニアのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約2.5mPa・s であった。
【0066】
この溶液を入れた槽内に前記ガラス基板を浸漬し、速度約 2.0mm/s で引上げて焼成後の厚みが所望厚みになるようにして、ガラス基板両面に塗布液を膜付けした。更にこれを 270℃で15分間加熱して、シリカ・チタニアゲル膜を形成した。
【0067】
第2層用の膜形成原料として、テトラエトキシシランをイソプロピルアルコールで希釈した溶液に微量の酸触媒と水を加えて撹拌し、さらに溶質濃度約0.40wt%になるようにイソプロピルアルコールを加えて調製しシリカのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約2.9mPa・s であった。
【0068】
この溶液を入れた槽内に、前記第1層膜形成ガラス基板を浸漬し、約 3.0mm/s の速度で引上げて焼成後の膜厚が所望厚みになるようにして、第1層膜付ガラス基板両面に塗布液を膜付けした後、約 270℃で15分間加熱してシリカ・チタニアゲル膜上にシリカゲル膜を形成した。
【0069】
さらに該ガラス基板を 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のシリカ・チタニア膜、第2層のシリカ膜からなる低反射膜を完成した。
この2層膜付けガラス基板の片面上に、インジウム塩、錫塩をエアロゾル化したものを導き、約 500℃で熱分解させ、いわゆるCVD −パイロゾル法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用低反射ガラスを完成した。
【0070】
なお該低反射ガラスは、第1層膜として屈折率n1が1.80、膜厚d1が50nmのSiO2・TiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が85nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が19nmのITO 膜からなる。
【0071】
該タッチパネルの基板用低反射ガラスは、垂直入射での可視光線透過率94.8%、可視光線反射率 4.5%であり、単にガラス板に直接19nmのITO 膜を成膜した場合に比べ可視光線反射率を約6%低減でき、また可視光線透過率も約6%向上でき、視認性がよくグレアー感が抑えられたものであった。
また透過色調が薄黄色(透過光の主波長が 568nm)で、視感を損なうことがなく、タッチパネルの基板用低反射ガラスとして充分適用できるものであった。
【0072】
〔実施例2−2〕
実施例2−1同様のフロート法製板のガラス板(但し厚み 1.8mm)を、実施例2−1同様に清浄にし、準備した。
【0073】
第1層の膜形成原料として、イソプロピルアルコールにジルコニウムテトラエトキシドを溶解して酸触媒、水等を加え調整したものに、同様に調整したシリコンエトキシドのイソプロピルアルコール溶液を加え、金属酸化物のモル比で80:20に混合し、更に溶質濃度を0.30wt%に調整し、ジルコニア・シリカのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約3.0mPa・s であった。
【0074】
この溶液の入った槽内に前記ガラス基板を浸漬し、約 4.0mm/s の速度で引上げた後、約 300℃で10分間加熱し、ガラス両面に第1層目のジルコニア・シリカ複合ゲル膜を形成した。
【0075】
次に実施例2−1の2層目に使用したのと同様のシリカゾル溶液中に前記1層を膜付けしたガラス基板を浸漬し、約 2.5mm/s の速度で引上げた後、約 300℃で10分間加熱してジルコニア・シリカ複合ゲル膜上にシリカゲル膜を形成した。
【0076】
更に該ガラス基板を 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のジルコニア(80mol%)・シリカ(20mol%)複合膜、第2層のシリカ膜からなる低反射膜を完成した。
【0077】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例2−1同様に CVD法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用低反射ガラスを完成した。
なお該低反射ガラスは、第1層膜として屈折率n1が1.79、膜厚d1が70nmのZrO2・SiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が75nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が16nmのITO 膜からなる。
【0078】
該タッチパネルの基板用低反射ガラスは、垂直入射での可視光線透過率95.7%、可視光線反射率 3.7%であり、単にガラス板に直接16nmのITO 膜を成膜した場合に比べ可視光線反射率を約 6.5%低減でき、また可視光線透過率も約 6.5%向上でき、視認性がよくグレアー感が抑えられたものであった。
また透過色調が薄黄色(透過光の主波長が 567nm)で、視感を損なうことがなく、タッチパネルの基板用低反射ガラスとして充分適応し得るものであった。
【0079】
〔実施例2−3〕
実施例2−1で調整した1層目チタニア・シリカゾル液に、実施例2−1同様のガラス基板を浸漬し、速度約 2.0mm/s で引上げてガラス基板両面に塗布液を膜付けした。更にこれを 270℃で15分間加熱して、チタニア・シリカゲル膜を形成した。
【0080】
また、アルミニウム sec-ブトキサイドをイソプロピルアルコールで希釈し、酸触媒、水を加えて調整し、一方、同様にシリコンエトキシドをイソプロピルアルコールで希釈して酸触媒、水を加えて調整した。このアルミニウムゾル溶液とシリカゾル溶液を溶質濃度比(酸化物換算のモル比)で15:85に混合し、更にイソプロピルアルコールを加えて溶質濃度を0.30wt%に調製してアルミナ・シリカのゾル溶液を得た。この溶液の粘度は約2.5mPa・s であり、これを第2層の膜形成原料とした。
【0081】
この溶液中に前記1層を膜付けしたガラス基板を浸漬し、約 4.8mm/s の速度で引上げた後、約 270℃で15分間加熱して、チタニアゲル膜上にアルミナ・シリカゲル膜を形成した。
【0082】
更に該ガラス基板を 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のチタニア膜、第2層のアルミナ・シリカ複合膜からなる低反射膜を完成した。
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例2−1同様に CVD法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用低反射ガラスを完成した。
【0083】
なお該低反射ガラスは、第1層膜として屈折率n1が1.80、膜厚d1が50nmのTiO2・SiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.47、膜厚d2が80nmの Al2O3・SiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が16nmのITO 膜からなる。
【0084】
該タッチパネルの基板用低反射ガラスは、垂直入射での可視光線透過率94.6%、可視光線反射率 4.8%であり、単にガラス板に直接16nmのITO 膜を成膜した場合に比べ可視光線反射率を約 5.5%低減でき、また可視光線透過率も約 5.5%向上でき、視認性がよくグレアー感が抑えられたものであった。
【0085】
また透過色調はわずかに黄色をおびているものの(透過光の主波長が 564nm)、視感上疲労感、違和感がなく、タッチパネルの基板用低反射ガラスとして好適であった。
【0086】
〔比較例2−1〕
実施例2−1同様のガラス基板を、実施例2−1同様の第1層用のチタニア・シリカゾル溶液に浸漬し、 5.0mm/s の速度で引上げ、更に 270℃で15分加熱して第1層のチタニア・シリカゲル膜を形成した。次いでそれを、実施例1同様の第2層用のシリカゾル溶液に浸漬し、 4.0mm/s の速度で引上げ、更に 270℃で15分間加熱して第2層用のチタニアゲル膜を形成し、その後 470℃で30分加熱焼成して、ガラスの両面に第1層のチタニア膜、第2層のシリカ膜からなる2層膜を完成した。
【0087】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例2−1同様にCVD 法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用ガラスを完成した。
なお該ガラスは、第1層膜として屈折率n1が1.80、膜厚d1が 100nmのTiO2・SiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が 100nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が19nmのITO 膜からなる。
【0088】
該タッチパネルの基板用ガラスは、垂直入射での可視光線透過率 87.4%、可視光線反射率12.0%であり、実施例に比べ透過率が低い一方反射率が高く、タッチパネル用としては適当ではない。
【0089】
〔比較例2−2〕
実施例2−2同様のガラス基板を、実施例2−2同様の第1層用のジルコニア・シリカゾル溶液に浸漬し、 1.6mm/s の速度で引上げ、更に 300℃で10分加熱して第1層のジルコニア・シリカゲル膜を形成した。次いでそれを、実施例1同様の第2層用のシリカゾル溶液に浸漬し、 1.5mm/s の速度で引上げ、更に 300℃で10分間加熱して第2層用のシリカゲル膜を形成し、その後 470℃で30分加熱して、ガラスの両面に第1層のジルコニア・シリカ膜、第2層のシリカ膜からなる2層膜を完成した。
【0090】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例2−1同様にCVD 法によるITO 膜を形成し、タッチパネルの基板用ガラスを完成した。
なお該ガラスは、第1層膜として屈折率n1が1.79、膜厚d1が30nmのZrO2・SiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が50nmのSiO2膜、更に片面の透明導電膜として屈折率n3が1.95、膜厚d3が19nmのITO 膜からなる。
【0091】
該タッチパネルの基板用ガラスは、垂直入射での可視光線透過率83.7%、可視光線反射率15.7%であり、ガラス板に直接 ITO膜を成膜したものと殆ど同じ程度で透過率が低い一方反射率が高く、タッチパネル用としては適当ではない。
【0092】
〔比較例2−3〕
実施例2−1同様のガラス基板を、実施例1同様のチタニア・シリカゾル溶液に浸漬し、 3.9mm/s の速度で引上げた後、約 270℃で15分間加熱し、ガラス両面に第1層目のチタニア・シリカゲル膜を形成した。
【0093】
次いで実施例2−1同様のシリカゾル溶液に前記第1層膜形成ガラス基板を浸漬し、約 3.9mm/s の速度で引上げた後、約 270℃で15分間加熱してチタニア・シリカゲル膜上にシリカゲル膜を形成した。
【0094】
更に該ガラス基板を 470℃で30分加熱して、ガラスの両面に第1層のチタニア・シリカ膜、第2層のシリカ膜からなる2層膜を完成した。
該2層膜付けガラス基板は、第1層膜として屈折率n1が1.79、膜厚d1が77nmのSiO2・TiO2膜、第2層膜として屈折率n2が1.45、膜厚d2が95nmのSiO2膜からなり、可視光線反射率は 0.8%ときわめて低反射性に富んだものであった。
【0095】
この2層膜付けガラス基板の片面上に、実施例2−1同様に、CVD 法によるITO 膜を形成し、タッチパネル用基板ガラスを完成した。
ところが該ガラスは、可視光線反射率が 8.1%と、低反射用膜、 ITO膜を成膜しない素板ガラス同程度に高く、タッチパネル用としては不適当であった。
【0096】
〔比較例2−4〕
実施例2−1同様のガラス基板を準備した。
実施例2−1同様の2層目のシリカゾル溶液に、ガラス基板を浸漬し、4.0mm/sの速度で引上げて膜付けし、270℃で15分加熱してシリカゲル膜形成後、更に480℃で30分熱処理してシリカ膜を得た。
【0097】
このシリカ膜付きガラスの片面に、実施例2−1と同様に CVD法で ITO膜を形成した。その結果、ガラス板両面に屈折率1.45、膜厚70nmのシリカ膜を、更に片面に屈折率1.95、膜厚19nmのITO 膜を形成したタッチパネルの基板用ガラスを完成した。
【0098】
該成膜したタッチパネルの基板用ガラスは、可視光線透過率91.3%、可視光線反射率 8.2%であり、実施例2−1のタッチパネルの基板用ガラスに比べて反射率が約4%高く、タッチパネル用としては好ましくないものであった。
【0099】
【発明の効果】
以上本発明のタッチパネルの基板用低反射ガラスによれば、容易かつ効率的な手段で、特定屈折率、膜厚の透明酸化物からなる複層膜を形成し、光反射を低減し、グレアー感を抑え、透視性を増大することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】タッチパネルの基板用ガラスにかかり、低反射用2層膜を膜付けしたガラス基板の概略部分側断面図である。
【図2】タッチパネルの基板用ガラスであって、低反射用膜を膜付けしないガラス基板の概略部分側断面図である。
【図3】タッチパネルの基板用ガラスにかかり、低反射用単層膜を膜付けしたガラス基板の概略部分側断面図である。
【図4】タッチパネル全体の概略部分側断面図である。
【符号の説明】
2 透明導電膜(ITO膜)
3 タッチパネルの基板用ガラス
9 第1層の透明酸化物膜
10 第2層の透明酸化物膜

Claims (2)

  1. 透明ガラス基板の片面に透明導電膜を形成したタッチパネルの基板用ガラスにおいて、厚みが0.2〜3mmの透明ガラス基板表裏面に、該基板側から第1層目として、該基板より屈折率の高い、屈折率n1が2.05〜2.25、膜厚d1が90〜120nmの透明酸化物膜、次いでその上の第2層目として、該基板より屈折率の低い、屈折率n2が1.43〜1.48、膜厚d2が30〜60nmの透明酸化物膜をゾルゲル法に積層し、更にその膜付基板の片面上に、ITO膜を、膜厚d3が10〜25nmの範囲で膜形成し、透過光の主波長が 480〜560nmで、透過色が青色ないし緑色を呈し、膜相互の光干渉作用により可視光線反射率を6%オーダーまたはそれ以下に低減したことを特徴とするタッチパネルの基板用低反射ガラス。
  2. 透明ガラス基板の片面に透明導電膜を形成したタッチパネルの基板用ガラスにおいて、厚みが0.2〜3mmの透明ガラス基板表裏面に、該基板側から第1層目として、該基板より屈折率の高い、屈折率n1が1.75〜1.85、膜厚d1が30〜80nmの透明酸化物膜、次いでその上の第2層目として、該基板より屈折率の低い、屈折率n2が1.43〜1.48、膜厚d2が60〜100nmの透明酸化物膜をゾルゲル法により積層し、更にその膜付基板の片面上に、ITO膜を、膜厚d3が10〜25nmの範囲で膜形成し、透過光の主波長が 570nm前後で、透過色が稍黄色系を呈し、膜相互の光干渉作用により可視光線反射率を6%オーダーまたはそれ以下に低減したことを特徴とするタッチパネルの基板用低反射ガラス。
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