JP3957538B2 - 骨評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨評価装置、特に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの診断に利用される骨評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
踵骨中に超音波やX線などの測定波を透過させ、骨中における測定波の伝播速度(SOS:Speed Of Sound)や減衰係数(BUA:Broad-band Ultrasound Attenuation)により骨の特性(骨塩密度など)を定量測定するという技術が、骨粗鬆症などの診断に多く用いられている。このような技術を利用した装置としては、水槽に踵を入れて測定する水浸法と、ドライ方式とがあり、簡便性の観点からはドライ方式が好まれる。これらいずれの方式であっても、被検者の足(被検体)を載置する足置き台を有し、その足置き台上に、評価対象となる被検者の踵骨に対して測定波を投射し、また踵骨を透過後の測定波を検出する、一対の振動子を備えた装置が一般に使用されている。この一対の振動子は対向配置されており、被検体に密着させるよう少なくとも一方が可動なスタンドオフをそれぞれ備えている。踵骨が一対の振動子間にある状態で測定波を踵骨に投射すると、測定波は踵骨を透過する際、その骨塩量に応じた速度で伝播する。そして踵骨透過後の測定波を検出器より検出し、測定波の伝播速度(SOS)や減衰係数(BUA)を算出してそれらの値から踵の骨塩量が得られる。
【0003】
踵の骨塩量を測定する際、測定波を正確な位置に投射させることが不可欠であるが、踵骨の位置は被検者によって変わるため、測定波の投射位置を適宜調整する必要がある。この調整をせずに測定波を投射すると、測定波は踵骨から外れて反射・散乱などを起こし、評価の信頼性が低下してしまうという問題がある。そこで踵骨の位置に合わせて測定波を走査して位置調整するという方法があるが、この方法では測定波を走査させるための副次的機構が必要となって装置が複雑化し、また、位置の決定に人為的判断を伴うという問題がある。
【0004】
上記以外に、足置き台上に設置するための足置き板を複数用意し、足のサイズに合わせて足置き板を適宜選択し、対向配置した振動子の位置決めを行う技術や、足のサイズを測定する測定機構を装置に備え、測定により得られた足のサイズに合わせて踵骨に測定波を投射する振動子の位置決めを行う技術などが知られている。しかしながら、上記足置き板を足のサイズに応じて交換する技術では交換するという作業上の煩雑さを伴い、複数の足置き板の管理も容易でない。一方、足のサイズを測定して振動子の位置決めを行う技術については、測定機構を備えるため、装置の構造や制御が複雑になるという問題がある。
【0005】
このような問題に鑑みて、特開2001−276073号公報には、足を載置する足置き台を可動式として、足置き台を操作するレバーなどの機構を装置に備えるという技術が開示されている。この技術によると、足置き台を可動式としたことで足置き板の交換などの必要もなくなり、測定機構を備えないため装置が簡略化される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記公報の技術では、被検者は、先ず足置き台に足を載置し、足のサイズが確認された後、一旦足を足置き台から外す。その後被検者又はその他の操作者が足のサイズに応じてレバーなどで足置き台を操作して移動させ、被検者の足サイズに適した配置となった足置き台に、被検者は再び足を置き、踵骨に対して測定波が投射される。このように、上記公報の技術によると、被検者が足置き台に足を載置する作業を2回行う必要があり、またレバーなどで足置き台を操作するという作業が必要となるため、作業が煩雑になるだけでなく迅速な測定を行うことができない。これは、多数の被検体の測定がまとめて行われる集団測定の場合において特に問題となる。
【0007】
また、測定波として超音波を用いる骨評価装置には、超音波送受器間に空気が介在しないように被検体に密着させられる、超音波を透過するスタンドオフと称される一対の部材が設けられている。通常、一対のスタンドオフのいずれか一方は、被検者又は被検者以外の操作者が測定開始前に骨評価装置に設けられたダイヤルを回すと、足を両側から挟持するような位置に移動する。しかしながら、ダイヤルを回す作業は被検者にとっては勿論、被検者以外の者にも煩雑な作業である。特に、床付近に設置された骨評価装置に片方の足を載置している被検者にとっては、かなり無理な姿勢をとってダイヤルを回さねばならないため、苦痛を伴う作業となる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、被検体のサイズに拘わらずに煩雑な作業を要することなく迅速な骨評価を行うことが可能な骨評価装置を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、煩雑な作業を要することなく測定開始前に一対のスタンドオフに被検体を挟持させることができる骨評価装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の骨評価装置は、評価対象となる骨を含む被検体を支持する基板と、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨に対して測定波を投射し、前記骨を透過した測定波を検出するための一対の測定波送受器と、前記測定波が前記骨の適切な位置に投射されるように、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨の前記測定波送受器に対する位置を、前記被検体のサイズに応じて自動的に調整する位置調整手段とを備えており、前記位置調整手段が、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動可能であって、前記被検体の一端を当接させるための第1の当接部と、前記基板に対して前記第1の当接部と同じ側にあり、前記被検体の他端を当接させるための第2の当接部と、前記第1の当接部を前記第2の当接部側に付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて、前記基板に沿って前記第1の当接部と反対方向に前記第2の当接部を移動させるための連動駆動機構とを備えている。
【0011】
上記構成によると、被検体が基板に支持されると、骨の適切な位置へと測定波が投射されるように測定波送受器に対する骨の位置が被検体のサイズに応じて自動的に調整されるため、測定開始前に予め被検体のサイズを計測したり、レバーなどを操作する必要がない。従って、被検体がどのようなサイズであったとしても、煩雑な作業を要することなく迅速な骨評価が可能となる。
【0012】
なお、本明細書において「測定波送受器」とは測定波の送信だけを行うもの、受信だけを行うもの、送受信の両方を行うもののいずれをも含んでいるとする。
【0013】
【0014】
さらに、第1の当接部と第2の当接部とが測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向に互いに逆方向に移動するので、第1の当接部の移動量に対する第2の当接部の移動量を適宜設定しておくことで、被検体のサイズが変わっても、これらの間に挟まれた被検体に含まれる評価対象となる骨の、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向についての測定波送受器に対する位置を不変なものとすることができる。従って、第1の当接部及び第2の当接部の初期位置を適切に設定しておけば、被検体がどのようなサイズであったとしても、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向については、測定波が常に骨の適切な位置に照射されるように第1の当接部及び第2の当接部を移動させることができる。
【0015】
また、付勢部材によって第1の当接部が第2の当接部側に付勢されるので、第1の当接部及び第2の当接部の間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。そして、第1の当接部及び第2の当接部の間から被検体が取り除かれると、第1の当接部及び第2の当接部は付勢部材の付勢力によって自動的に元の位置に戻る。そのため、これらの位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0016】
請求項2の骨評価装置は、評価対象となる骨を含む被検体を支持する基板と、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨に対して測定波を投射し、前記骨を透過した測定波を検出するための一対の測定波送受器と、前記測定波が前記骨の適切な位置に投射されるように、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨の前記測定波送受器に対する位置を、前記被検体のサイズに応じて自動的に調整する位置調整手段とを備えており、前記位置調整手段が、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動可能であって、前記被検体の一端を当接させるための第1の当接部と、前記基板に対して前記第1の当接部と同じ側にあり、前記被検体の他端を当接させるための第2の当接部と、前記第1の当接部を前記第2の当接部側に付勢する第1の付勢部材と、前記基板に対して前記第1の当接部の反対側にあって、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に離れた複数の位置同士の前記基板からの距離が異なるものとなるように前記基板に対して傾いた表面を有しており、前記第1の付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動する傾斜部材と、前記基板を前記傾斜部材とは反対側に向けて付勢する第2の付勢部材と、前記基板が前記第2の付勢部材の付勢力に抗して変位したときに前記傾斜部材の前記表面と当接する固定部材とを備えていることを特徴としている。
【0017】
上記構成によると、被検体が基板に支持されると、骨の適切な位置へと測定波が投射されるように測定波送受器に対する骨の位置が被検体のサイズに応じて自動的に調整されるため、測定開始前に予め被検体のサイズを計測したり、レバーなどを操作する必要がない。従って、被検体がどのようなサイズであったとしても、煩雑な作業を要することなく迅速な骨評価が可能となる。さらに、第1の当接部が測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向に移動すると、基板に対して第1の当接部の反対側にある傾斜部材も第1の当接部と同じ方向または逆方向に移動する。そして、傾斜部材が移動するに連れてその表面から固定部材までの距離が変化(増加又は減少)する。第1の当接部及び傾斜部材の移動量は被検体のサイズによって決まるので、傾斜部材の表面から固定部材までの距離も被検体のサイズによって決まることになる。従って、第1の当接部が測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向に移動させられてから基板が固定部材側に移動させられると、被検体のサイズに応じた距離だけ基板が移動してから傾斜部材の表面が固定部材に当接し、基板の固定部材側への移動は止まる。そのため、第1の当接部の移動量に対する傾斜部材の移動量及びその表面の傾斜形状を適宜設定しておくことで、被検体のサイズが変わっても、基板に支持された被検体に含まれる評価対象となる骨の、基板と直交する方向についての測定波送受器に対する位置を不変なものとすることができる。従って、第1の当接部及び傾斜部材の初期位置を適切に設定しておけば、被検体がどのようなサイズであったとしても、基板と直交する方向については、測定波が常に骨の適切な位置に照射されるように第1の当接部を移動させることができる。
【0018】
また、第1の付勢部材によって第1の当接部が第2の当接部側に付勢されるので、第1の当接部及び第2の当接部の間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。そして、第2の付勢部材によって基板が傾斜部材とは反対側に向けて付勢されるので、基板を傾斜部材側に移動させる力が取り除かれると、基板は第2の付勢部材の付勢力によって自動的に元の位置に戻る。同様に、第1の当接部及び第2の当接部の間から被検体が取り除かれると、第1の当接部、第2の当接部及び傾斜部材は第1の付勢部材の付勢力によって自動的に元の位置に戻る。そのため、これらの位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0019】
請求項3の骨評価装置は、評価対象となる骨を含む被検体を支持する基板と、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨に対して測定波を投射し、前記骨を透過した測定波を検出するための一対の測定波送受器と、前記測定波が前記骨の適切な位置に投射されるように、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨の前記測定波送受器に対する位置を、前記被検体のサイズに応じて自動的に調整する位置調整手段とを備えており、前記位置調整手段が、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動可能であって、前記被検体の一端を当接させるための第1の当接部と、前記基板に対して前記第1の当接部と同じ側にあり、前記被検体の他端を当接させるための第2の当接部と、前記第1の当接部を前記第2の当接部側に付勢する第1の付勢部材と、前記第1の付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて、前記基板に沿って前記第1の当接部と反対方向に前記第2の当接部を移動させるための連動駆動機構と、前記基板に対して前記第1の当接部の反対側にあって、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に離れた複数の位置同士の前記基板からの距離が異なるものとなるように前記基板に対して傾いた表面を有しており、前記第1の付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動する傾斜部材と、前記基板を前記傾斜部材とは反対側に向けて付勢する第2の付勢部材と、前記基板が前記第2の付勢部材の付勢力に抗して変位したときに前記傾斜部材の前記表面と当接する固定部材とを備えていることを特徴としている。
【0020】
上記構成によると、被検体が基板に支持されると、骨の適切な位置へと測定波が投射されるように測定波送受器に対する骨の位置が被検体のサイズに応じて自動的に調整されるため、測定開始前に予め被検体のサイズを計測したり、レバーなどを操作する必要がない。従って、被検体がどのようなサイズであったとしても、煩雑な作業を要することなく迅速な骨評価が可能となる。さらに、第1の当接部と第2の当接部とが測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向に互いに逆方向に移動するので、第1の当接部の移動量に対する第2の当接部の移動量を適宜設定しておくことで、被検体のサイズが変わっても、これらの間に挟まれた被検体に含まれる評価対象となる骨の、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向についての測定波送受器に対する位置を不変なものとすることができる。従って、第1の当接部及び第2の当接部の初期位置を適切に設定しておけば、被検体がどのようなサイズであったとしても、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向については、測定波が常に骨の適切な位置に照射されるように第1の当接部及び第2の当接部を移動させることができる。
【0021】
また、第1の当接部が測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向に移動すると、基板に対して第1の当接部の反対側にある傾斜部材も第1の当接部と同じ方向または逆方向に移動する。そして、傾斜部材が移動するに連れてその表面から固定部材までの距離が変化(増加又は減少)する。第1の当接部及び傾斜部材の移動量は被検体のサイズによって決まるので、傾斜部材の表面から固定部材までの距離も被検体のサイズによって決まることになる。従って、第1の当接部が測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向に移動させられてから基板が固定部材側に移動させられると、被検体のサイズに応じた距離だけ基板が移動してから傾斜部材の表面が固定部材に当接し、基板の固定部材側への移動は止まる。そのため、第1の当接部の移動量に対する傾斜部材の移動量及びその表面の傾斜形状を適宜設定しておくことで、被検体のサイズが変わっても、基板に支持された被検体に含まれる評価対象となる骨の、基板と直交する方向についての測定波送受器に対する位置を不変なものとすることができる。従って、第1の当接部及び傾斜部材の初期位置を適切に設定しておけば、被検体がどのようなサイズであったとしても、基板と直交する方向については、測定波が常に骨の適切な位置に照射されるように第1の当接部を移動させることができる。
【0022】
つまり、請求項3によると、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向と基板に直交する方向との両方向について被検体の位置調節が可能であるので、被検体に含まれる骨の位置をより正確に調整することができる。
【0023】
さらに、第1の付勢部材によって第1の当接部が第2の当接部側に付勢されるので、第1の当接部及び第2の当接部の間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。そして、第2の付勢部材によって基板が傾斜部材とは反対側に向けて付勢されるので、基板を傾斜部材側に移動させる力が取り除かれると、基板は第2の付勢部材の付勢力によって自動的に元の位置に戻る。同様に、第1の当接部及び第2の当接部の間から被検体が取り除かれると、第1の当接部、第2の当接部及び傾斜部材は第1の付勢部材の付勢力によって自動的に元の位置に戻る。そのため、これらの位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0024】
請求項4の骨評価装置は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記一対の測定波送受器のそれぞれに設けられ、相互の間隔が可変であり、前記測定波が透過可能且つ前記被検体に対して押し付け可能な一対のスタンドオフをさらに備えており、前記被検体が前記測定波の投射方向の両側から前記一対のスタンドオフによって挟持されるよう、前記一対のスタンドオフのうち少なくとも一方をマニュアル操作によって移動させることができることを特徴としている。
【0025】
上記構成によると、測定開始前に予めスタンドオフをマニュアル操作で移動させて被検体を両側から挟持させる装置において、請求項1〜3の発明がもたらす効果を得ることができる。
【0026】
請求項5の骨評価装置は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記一対の測定波送受器のそれぞれに設けられ、相互の間隔が可変であり、前記測定波が透過可能且つ前記被検体に対して押し付け可能な一対のスタンドオフと、前記基板が前記被検体を支持しているかどうかを検知する検知手段と、前記基板が前記被検体を支持していることを前記検知手段が検知すると、前記被検体が前記測定波の投射方向の両側から前記一対のスタンドオフによって挟持されるよう、前記一対のスタンドオフのうち少なくとも一方を自動的に移動させる駆動手段とをさらに備えていることを特徴としている。
【0027】
上記構成によると、基板が被検体を支持していることが検知されると、被検体を両側から挟持するようにスタンドオフが自動的に移動するため、被験者又はその他の者にダイヤルを回させるなどの煩雑な作業を行わせる必要がないばかりか、スタンドオフを移動させるために被験者又はその他の者がマニュアル操作を行う必要がなくなるため、被験者などの操作負担が大幅に軽減される。
【0028】
請求項6の骨評価装置は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記一対の測定波送受器のそれぞれに設けられ、相互の間隔が可変であり、前記測定波が透過可能且つ前記被検体に対して押し付け可能な一対のスタンドオフと、マニュアル操作によってオンオフの切換が可能なスイッチと、前記スイッチがオンに切り換えられると、前記被検体が前記測定波の投射方向の両側から前記一対のスタンドオフによって挟持されるよう、前記一対のスタンドオフのうち少なくとも一方を自動的に移動させる駆動手段とをさらに備えていることを特徴としている。
【0029】
上記構成によると、マニュアル操作によってスイッチがオンに切り換えられると、被検体を両側から挟持するようにスタンドオフが自動的に移動するため、被験者又はその他の者にダイヤルを回させるなどの煩雑な作業を行わせる必要がなくなる。また、被検体が確実に基板に支持されていることを被験者又はその他の者が目視確認してからマニュアル操作によってスタンドオフの移動を開始させることができるので、測定結果の信頼性を高めることができる。
【0030】
請求項7の骨評価装置は、請求項6において、前記被検体が一方の足であり、前記スイッチが他方の足で踏むことが可能なように設けられたペダル型スイッチであることを特徴としている。
【0031】
上記構成によると、一方の足が基板に支持された被検者が他方の足でペダル型スイッチを踏むことでこれをオンに切り換えることができる。従って、スタンドオフの移動を開始させるに当たって、被験者に無理な姿勢を強いることがなくなり、しかも被験者が容易にスイッチのオンオフを切換可能となるので、被検者以外の操作者が事実上不要となる。
【0032】
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0035】
本実施形態に係る骨評価装置は、特に骨粗鬆症などの診断に利用され、被検者の踵骨を評価対象として超音波を踵骨中に透過させ、踵骨中における超音波の伝播速度や減衰係数により骨の特性(骨塩密度など)を定量測定するものである。先ず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る骨評価装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る骨評価装置を上面から見た模式的な構造図である。図2は、図1に示す骨評価装置の全体斜視図である。
【0036】
図1に示す骨評価装置50には、被検体である足を支持するための基板1が備えられている。図1に示す基板1において、足30(図4参照)のつま先は紙面下側、踵は紙面上側に配置される。基板1のつま先が配置される部分には、つま先を当接させるためのつま先ブロック2、一方、踵を当接させる部分には基板1の平面部分から略垂直に立ち上がった直立板1aが設けられている。また図示されていないが、骨評価装置50の筐体内には、被検体である足30が基板1に載置されたかどうかを検知するセンサが内蔵されている。
【0037】
基板1の長さ方向の両側には、図2に示すように、側壁が設けられている。この両側壁における基板1に足を載置したとき踵骨が配置される位置からは、側壁から踵骨部分にかけて縮径された円形断面を有する一対のスタンドオフ61a,61bが突出している。この一対のスタンドオフ61a,61bは、基板1面より高い位置にそれぞれ軸心を同一にして対称配置されている。また、一対のスタンドオフ61a,61bの踵骨部分を押し付ける面は超音波投射方向に直交する平面である。
【0038】
一対のスタンドオフ61a,61bのそれぞれには、図1に示すように、タンク62a,62bが隣接配置され、タンク62a,62bのそれぞれには超音波送受器60a,60bが内蔵されている。本実施形態では、図1において紙面左側に位置する超音波送受器60aが評価対象となる踵骨に対して超音波を投射し、紙面右側に位置する超音波送受器60bが踵骨を透過した超音波を検出する構成である。超音波を投射する側のタンク62aには、水などの超音波透過性流体が注入され密閉状態にされている。
【0039】
超音波送受器60aから投射された超音波は、一対のスタンドオフ61a,61bを透過する。超音波を透過可能に構成されたスタンドオフ61a,61bの材料としては、超音波透過性に優れ、且つタンク62aに注入されている超音波透過性流体(水など)とは異なる音響インピーダンスを有するアクリル、エポキシ、ウレタン及びシリコンなどの各種樹脂を使用するのが好ましい。一対のスタンドオフ61a,61bによる足の踵骨部分への押し付けに際して、その押し付け面の変形を少なくするという観点からは、スタンドオフ61a,61bを硬質材料のアクリル樹脂で成形するのが特に好ましい。
【0040】
基板1と隣接する装置50の上面には、動作確認部81(図1では破線で示されている)が設けられている。この動作確認部81内には、測定結果やエラーメッセージをプリントアウトできるプリンタ80が設けられている。またさらに、電源ランプや測定開始ランプなどを備えてよい。
【0041】
本実施形態の骨評価装置50を用いて測定を行うに当たって、先ず被検体である足を基板1に載置し、後に詳述するつま先ブロック2、直立板1aなどを含む位置調整部により、評価対象である踵骨に対して超音波が適切に投射されるよう足のサイズに応じた位置調整が行われる。位置調整終了後、適切に配置された被検者の足を基板1上に固定してから測定を開始するのが一般的である。
【0042】
被検者の足を基板1上に固定する場合、上述の一対のスタンドオフ61a,61bにより、足の踵骨部分を超音波投射方向の両側から挟持する。このとき一対のスタンドオフ61a,61bのうち少なくとも一方が移動すればよく、本実施形態においては紙面右側のスタンドオフ61bを固定したまま、紙面左側のスタンドオフ61aのみを移動させるものとする。
【0043】
固定側のスタンドオフ61b及びそれに隣接するタンク62bや超音波送受器60bは、図2に示す装置50の基台51上に取り付けられた図1に示す固定台65に固設されている。一方、可動側のスタンドオフ61a及びそれに隣接するタンク62aや超音波送受器60aは、装置50の基台51に対して超音波投射方向に移動可能になっている。これら可動側のスタンドオフ61a及びそれに隣接するタンク62aや超音波送受器60aを移動可能とするため、タンク62aに隣接した位置にモータ70が配置されている。また、図1に示すように、タンク62aのモータ70と反対側は、両端を固定台66a、66bによって基台51(図2参照)に固設され、タンク62aの長さ方向に沿って配置されたガイドシャフト71によって、軸方向移動可能に保持されている。
【0044】
モータ70は、基板1に内蔵されたセンサにより足が基板1に載置されたと検知されると、一定時間後に駆動する。このモータ70の駆動により、1対のスタンドオフ61a,61bの相互の間隔は可変となる。つまり、モータ70が駆動すると、タンク62aは軸方向に対向するスタンドオフ61b側に移動開始し、タンク62aの先端に一体に備えられたスタンドオフ61aと、対向するスタンドオフ61bとの間隔が狭くなる。その後スタンドオフ61aは足の踵骨部分に接触し、対向するもう一方のスタンドオフ61bと共に、被検体である足を超音波の投射方向の両側から挟持し、固定する。
【0045】
なお、スタンドオフ61aが一定トルクで停止するように、モータ70による駆動機構にトルクリミッタを設けるのが好ましい。また、測定終了後に足が自由に解放されるよう、測定が終了したと判断されると自動的にスタンドオフ61aがもう一方のスタンドオフ61bとは反対側に移動するようモータ70を駆動させるのが好ましい。
【0046】
次いで、図3〜図8を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る骨評価装置の評価対象となる踵骨を含む被検者の足(被検体)の位置調整を行う機構について説明する。図3は、図1に示す骨評価装置の被検体の位置調整を行う機構を示す分解斜視図である。図4は、図3の基板に被検体が支持された場合の側面図である。図3及び図4に示す基板1は、評価対象となる踵骨31を含む足30を支持するためのものであり、足裏に接する平面部分と、その平面部分の一端から略垂直に立ち上がった足の踵を当接させるための直立板1aとから構成されている。また、基板1の平面部分には、図3に示すように、足のつま先側の一定範囲において、足の長さ方向にスリット1bが形成されている。このスリット1bは円柱部材4aが挿入されるよう円柱部材4aの大きさに応じた幅に形成されており、円柱部材4aはスリット1b内でスリット1bの細長方向に移動可能となっている。また図4によく示されているように、円柱部材4aは、被検者のつま先を当接させるため基板1の上面に設置されるつま先ブロック2と接続されている。
【0047】
つま先ブロック2は、被検者のつま先が当接する部分と、その当接する部分の下端から基板1に沿って延長された部分とから構成され、側面がL字型断面になっている。このつま先ブロック2の下面に円柱部材4aが接続され、つま先ブロック2は、基板1の上面に沿ってスリット1bの細長方向に移動可能となっている。
【0048】
基板1の下方には、基板1に支持された被検体に対して超音波が適切な位置に投射されるよう、被検体である足30の位置をそのサイズに応じて自動的に調整する位置調整機構20が形成されている。前述した円柱部材4aを含むリンク部3は、位置調整機構20に含まれるものである。リンク部3の動作については図7(a),(b)を参照して後述するものとし、先ずはリンク部3の構成について説明する。図7(a),(b)は、それぞれ、異なるサイズの足30a,30bが基板1に支持された場合におけるリンク部の平面図である。
【0049】
図3及び図7(a),(b)から分かるように、リンク部3は6つの細長い薄板状の部材(リンク)を有する。6つの部材のうち2つずつが同じ長さで、長いものから順に部材3c,3d、部材3a,3b、部材3f,3eという構成になっている。部材3a及び部材3bはそれぞれの一端を上下に重ねて接続され、部材3a及び部材3bのそれぞれの他端(点X)は部材3c及び部材3dの一端と上下に重なってピンなどで接続されている。そして部材3c及び部材3dは図3及び図7(a),(b)に示す点Oを交点として上下に重なり合いながら交差し、各他端(点Y)において、部材3e及び部材3fの一端とそれぞれ上下に重なってピンなどで接続されている。部材3e及び部材3fそれぞれの他端もまた、上下に重なってピンなどで接続されている。また、部材3a及び部材3bの接続部分からは上方に円柱部材4a、下方に円柱部材4cがそれぞれ延在しており、部材3e及び部材3fの接続部分からは上方に円柱部材4bが延在している。本実施形態におけるリンク部3の部材3a,3bと円柱部材4a,4cとの接続部は、円柱部材4a,4cを1つの棒材とし、その棒材を部材3a,3bの重なった部分に貫通させているが、これに限定されるものではない。例えば、部材3a,3bをピンなどで接続し、2つの円柱部材4a,4bをそれぞれ部材3a,3bの接続部上下に接続させてもよい。
【0050】
上述のようにして互いに接続された6つの部材3a〜3fによって、図3及び図7(a),(b)に示すように、上方から見ると、リンク部3は点Oにおいて2つの大小の菱形が接続されたような形状に形成されている。また、各接続部(円柱部材4a,4cとの接続部、点X,O,Y、円柱部材4bとの接続部)において、各部材は円柱部材4a,4cの延在方向を軸として両方向に回転可能となっている。従って、図7(a),(b)に示すように点Xを2頂点とする大きい方の菱形、及び点Yを2頂点とする小さい方の菱形はそれぞれ形状が可変で、それらの形状によって、基板1の長さ方向における点Xと点Oとの距離XO、点Yと点Oとの距離YOが変化する。
【0051】
リンク部3の小さい方の菱形の一頂点から上方に延在する円柱部材4bは、図3に示すように、基板1の平面部分の直立板1a側下面に接続されている。また、基板1の平面部分の下面四隅には、それぞれスライド部5aが固定されている。各スライド部5aは、スリット1bの細長方向、即ち上述のつま先ブロック2の移動方向に、ガイド5bに対してスライド可能となっている。なお、各図に示されていないが、ガイド5bの両端にはスライド部5aの移動を制限するためのストッパを設けるのが好ましい。
【0052】
スライド部5aにこれがスライド可能となるように挿入されたガイド5bは、つま先ブロック2の移動方向に延在するよう、可動板6の上面の四隅に固定されている。可動板6には、図3に示すように、基板1のスリット1bに対応した窓部6aが形成されている。つまり、スリット1bの細長方向の長さと窓部6のその方向の長さとがほぼ同じになっている。本実施形態における窓部6aの幅は、スリット1bの幅より大きいが、円柱部材4cが移動できればスリット1bと同等の幅でもよい。円柱部材4cは、図4によく示されているように、上述の円柱部材4aと同軸上にあり、リンク部3の一端と可動板6の下側に位置する筒型スライド8とを連結している。つまりリンク部3は、基板1と可動板6との間に配置されながら、各円柱部材4a,4cによってつま先ブロック2及び筒型スライド8と連結され、円柱部材4bによって基板1と連結されている。なお、円柱部材4a,4cは1つの部材から構成されてもよい。
【0053】
円柱部材4cに接続され、可動板6の下側にある筒型スライド8は、可動板6の下面両側に設けられた2本のガイドレール(各図にはその一方6bのみが描かれている)に挿入されることで、これに対してつま先ブロック2の基板1に沿った移動方向にスライド可能になっている。各ガイドレールは、細幅で可動板6の長さよりも短い長さを有し、その長さ方向の両端においてのみ、可動板6の下面に接続されている。つまり、各ガイドレールの両端以外の部分は可動板6の下面に接続されず、図4に示すように、可動板6との間に間隔を設けている。このように間隔を設けているのは筒型スライド8を挿入するためであり、筒型スライド8の移動は、各ガイドレールの可動板6の下面に接続された両端までに制限される。
【0054】
筒型スライド8にはガイドレール6bの延在方向に沿って空洞が形成されているが、その空洞を塞ぐように、筒型スライド8の直立板1a側端面には板が設けられており(図示せず)、さらにその板に、引張バネ11の一端が接続されている。また、引張バネ11の他端は、図4において示すように、可動板6から下方に延長されたバネ取付板15に接続されている。引張バネ11は、筒型スライド8及びこれに取り付けられたつま先ブロック2を直立板1a側に付勢するものである。従って、外力が作用していない状態では、つま先ブロック2は基板1に設けられたスリット1bの形状によって許容される最も直立板1aよりに位置している。
【0055】
筒型スライド8の下面には、図4に示すように、位置決めブロック9が取り付けられている。筒型スライド8の下面に接続された位置決めブロック9の上面は、基板1及び筒型スライド8の下面に対して平行である。一方、位置決めブロック9の下面9aは、足30の長さ方向に離れた複数の位置同士の基板1からの距離が異なるものとなるように基板1に対して傾いた表面9aとなっている。本実施の形態では、図4に示すように、位置決めブロック9の下面9aは、つま先側から踵側にかけて上昇する直線的な斜面となっている。この位置決めブロック9は、上記のように筒型スライド8に取り付けられており、さらに筒型スライド8は円柱部材4a,4bによってつま先ブロック2に連結されているので、つま先ブロック2の移動と共にこれと同じ方向に基板1に沿って移動するようになっている。また、位置決めブロック9の下面9aは、これが下方に移動したときに装置の基台51に固定されたストッパ10と当接するようになっている。
【0056】
ストッパ10は、本実施形態に係る骨評価装置の基台51に対して移動しないよう、基台51上に固設されている。ストッパ10は、基板1や可動板6の幅方向に沿って延在し、上側へ突出した凸状部10aを有する。後述するように、凸状部10aは、足30のサイズに応じて位置決めブロック9の下面9aの異なる場所と当接する。これら位置決めブロック9及びストッパ10が互いに当接して滑らないよう、少なくとも位置決めブロック9の下面9a及び/又はストッパ10の凸状部10a表面は、ゴムなどの摩擦係数が大きな材料から形成されるのが好ましい。あるいは、位置決めブロック9の下面9aにラッチを施すなど、その他様々な方法により、位置決めブロック9及びストッパ10が互いに当接したとき滑らないようにすればよい。
【0057】
また、装置の基台51には、図3に示すように、4つの高さ調整バネ12a,12b,12c、12dの一端が固設されている。これら高さ調整バネ12a,12b,12c、12dの他端は、可動板6の下面の四隅に固定されている。4つの高さ調整バネ12a〜12dは、可動板6及び基板1を上側に付勢する。従って、外力が作用していない状態では、基板1は装置の基台51等の形状によって許容される最も上側に位置している。なお、このとき位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとは離隔している。
【0058】
図4に示すように被検者の足30が基板1に載置されると、足30の重量により図3に示す4つの高さ調整バネ12a〜12d(ここでは2つ12a,12bのみが描かれている)が圧縮され、基板1は高さ調整バネ12a〜12dの付勢力に抗して下方に変位する。そして位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとが当接して、基板1の高さ方向の移動がストップするようになっている。
【0059】
次いで、図5(a)〜(c)を参照しつつ、図3及び図4に示す基板1に載置された足30の超音波送受器60a,60bに対する位置が自動的に調整される過程について、段階的に説明する。図5(a)は、足30が基板1上に接触していない状態である。基板1や可動板6を基台51と平行にしてもよいが、ここでは例えば被検者が椅子に座った状態で測定しやすくするため、基板1や可動板6が装置の基台51に対して少し傾くよう構成されている。この場合、可動板6及び基板1には高さ方向に沿ったガイド(図示せず)が設けられており、装置の基台51に対する傾きを一定に維持しながら高さ方向に移動可能となっている。また、図5(a)に示す足30が基板1上に接触していない段階において、位置決めブロック9はストッパ10の踵側斜め上方に離隔した位置にあり、つま先ブロック2は図3に示すスリット1bの最も踵側に位置している。
【0060】
図5(b)は、被検者が足30の重量をかけずに、つま先でつま先ブロック2を押しつけるように矢印方向に移動させながら基板1上につま先から踵まで足30の裏面を接触させ、つま先ブロック2と直立板1aとによって足30を挟持させた状態である。なお、このとき足30の重量が基板1にかかっていないことから、高さ調整バネ12a〜12dはほとんど縮むことなく図5(a)と同じ長さのままである。
【0061】
図5(a)に示す段階から図5(b)に示す段階へと移行する過程について、説明する。先ず足30のつま先でつま先ブロック2を移動させると、つま先ブロック2の移動に伴って、図3及び図7(a),(b)に示すリンク部3の大小の菱形は、足30のサイズに応じてそれぞれ形状が変化し、図5(a)と比較して図5(b)における各点X,O,Yの間隔はいずれも長くなる。また、つま先ブロック2、筒型スライド8、及び引張バネ11は連結されているので、つま先ブロック2が移動すると引張バネ11が矢印方向に引張力を受けて伸びる。一方筒型スライド8下面に取り付けられている位置決めブロック9は、図5(a)ではストッパ10の踵側斜め上方にあるが、図5(b)ではストッパ10の凸状部10aの上方に離隔した位置にある。
【0062】
次に図5(c)は、図5(b)で示した足30の重量が基板1にかかっていない段階から、さらに基板1に足30の重量をかけた状態を示す。このとき、つま先ブロック2、リンク部3、筒型スライド8、及び位置決めブロック9の基板1に沿った移動はないものとする。可動板6の下面に設けられた4つの高さ調整バネ12a〜12dはそれぞれ、足30の重量及びバネ係数に応じて縮む。高さ調整バネ12a〜12dが縮むと、それに伴って基板1及び位置決めブロック9が下方に移動し、位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとが当接する。この当接によって、位置決めブロック9の下方への移動がストップする。またこのとき、高さ調整バネ12a〜12dには、可動板6や基板1を上側に付勢する力が生じている。
【0063】
以上のようにして、本実施形態に係る骨評価装置50の被検体である足30は、評価対象となる踵骨31が超音波の投射位置に適切に配置されるように位置調整される。ここでは、足30のサイズに応じて足30における踵骨31の位置も変化する、という足のサイズと足30における踵骨31の位置との相関関係を利用し、足30のサイズ(つま先ブロック2と基板1の直立板1aとの間隔)に応じて、踵骨31の超音波送受器60a,60bに対する位置が自動的に調整されるようになっている。
【0064】
なお、測定終了後に足30を基板1から外すと、高さ調整バネ12a〜12dが可動板6や基板1を上側に、また引張バネ11がつま先ブロック2を基板1の直立板1a側にそれぞれ付勢して、図5(a)に示す状態に戻る。また、以上説明した図5(b)においては足30の重量が基板1にかかっていないが、実際の測定では足30の重量が基板1にかかる場合が多く、この場合は図5(b),(c)の両方の動きが同時に生じる。
【0065】
次いで、図6〜図8を参照しつつ、足のサイズが異なる場合における位置調整について説明する。図6(a),(b)は、図3の基板1に異なるサイズの被検体が支持された場合を比較した側面図である。踵骨31a,31bにおける適切な測定点から直立板1aまでの距離A1,A2、及び基板1までの距離B1,B2は、足30a,30bのサイズと相関関係があることがわかっている。図6(a)に描かれた足30aは図6(b)に描かれた足30bよりも大きいので、距離A1,B1は距離A2,B2よりも大きい。そこで、リンク部3の大小それぞれの菱形形状を変化させることで超音波送受器60a,60bに対する踵骨31a,31bの基板1の長さ方向における位置を調整すると共に、位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとの当接によって踵骨31a,31bの高さ方向における位置を調整する。
【0066】
先ず、図7(a),(b)を参照しつつ、踵骨31a,31bの基板1の長さ方向における位置調整について説明する。リンク部3は、上述のように6つの部材3a〜3fにより2つの大小の菱形形状に形成され、大きい方の菱形の一頂点から上側に延在している円柱部材4aは、つま先ブロック2と連結している。従って、被検者の足30a,30bのつま先で引張バネ11の付勢力に抗してつま先ブロック2を押して移動させるにつれて、円柱部材4aも引張バネ11の付勢力と反対方向に移動し、さらにリンク部3の大きい方の菱形の円柱部材4bが配置された一頂点も移動する。一方、小さい方の菱形の一頂点に延在している円柱部材4bは、基板1の下面に接続されている。これにより、被検者がつま先でつま先ブロック2を押すと、リンク部3の一端はつま先ブロック2と同方向に移動し、リンク部3の他端は基板1の直立板1aと共につま先ブロック2と反対方向に移動する。
【0067】
こうしてリンク部3における基板1の長さ方向の両端が相反する方向に移動することで、リンク部3の大小の菱形形状が変形し、大きい方の菱形に含まれる点Xと点Oとの間隔、及び小さい方の菱形に含まれる点Yと点Oとの間隔は、足のサイズ(つま先ブロック2と直立板1aとの間隔)に応じて変化する。つまり図6(a),(b)及び図7(a),(b)に示す距離XOaと距離XOb、距離YOaと距離YObはそれぞれ異なり、足30のサイズの大きい図6(a)についての距離XOa,YObが小さい方の図6(b)のものよりも大きい。このようにして、踵骨31a,31bの超音波超音波送受器60a,60bに対する基板1の長さ方向の位置が調整される。
【0068】
一方、踵骨31a,31bの超音波送受器60a,60bに対するに高さ方向の位置調整は、位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとの当接状態による。位置決めブロック9の下面9aは、図6(a)では踵側、図6(b)ではつま先側において、それぞれストッパ10の凸状部10aと当接している。図8(a),(b)は、図6(a),(b)の部分拡大図であって、図6(a),(b)における位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとの当接状態を示す。なお、図8(a),(b)において筒型スライド8は装置の基台51に対して平行でないが、これは図5の場合と同様で、例えば被検者が椅子に座った状態で測定しやすくするためであり、筒型スライド8は装置の基台51に対して平行であってもなくてもよい。
【0069】
図8(a),(b)に示すように、位置決めブロック9の下面9aと装置の基台51に固設されたストッパ10の凸状部10aとの当接位置によって、筒型スライド8上面から超音波高さまでの距離Ha,Hbが異なる。つまり、位置決めブロック9の下面9aが基板1の長さ方向においてつま先側から踵側へと上昇するように傾いているため、位置決めブロック9の下面9aにおけるストッパ10の凸状部10aとの当接部分は踵側になるほど筒型スライド8上面から超音波高さまでの距離が長い(Ha>Hb)。図8(a)は図8(b)に比べて装置の基台51から筒型スライド8上面までの距離が短く、基板1の位置が全体として下がっている。しかし、足30のサイズが大きいほど足裏から踵骨31までの長さが長い(B1>B2)ので、結果として図8(a),(b)における装置の基台51から踵骨31a,31bの適切な測定位置までの長さは等しくなっている。
【0070】
ここで、位置決めブロック9は筒型スライド8及びリンク部3を介してつま先ブロック2と連結されているので、足30のつま先でつま先ブロック2を移動させると、位置決めブロック9も共に同方向に移動する。そして、足30a,30bのサイズに応じて基板1の長さ方向における位置決めブロック9の位置が決定する。その後足30a,30bの重量を基板1にかけると、位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとが当接し、その当接状態によって基板1の高さが調整される。
【0071】
このように、踵骨31a,31bの位置調整は、上述のリンク部3による基板1の長さ方向についての調整と、位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとの当接による高さ方向についての調整との相互調整によるものである。なお、位置決めブロック9の下面9aの傾斜角度は、被検者の足30a,30bのサイズに応じて踵骨31a,31bが超音波の投射位置に配置されるように決定される。
【0072】
以上に述べたように、本実施形態に係る骨評価装置50は、被検体である足30が基板1に支持されると、位置調整部20の作用によって、足30の位置がそのサイズに応じて自動的に測定に適切な位置へと調整されるため、測定開始前に予め被検体のサイズを計測する必要がない。つまり、測定開始前に被検体を適切な位置へと調整する際、操作者が必要なく且つ煩雑な作業がなくなって、どのようなサイズの足30であっても、迅速な骨評価が可能となる。
【0073】
詳細には、つま先ブロック2の移動に対して基板1の直立板1aを移動させるためのリンク部3を備えた比較的簡易な構造により、被検体である足30を基板1に支持させる際、引張バネ11の付勢力に抗しながらつま先ブロック2と基板1の直立板1aとを互いに相反する方向に移動させると共に、超音波の投射方向と直交し且つ基板1に沿った方向において、足30を適切な位置に調整することができる。また、足30を基板1に載置する際、引張バネ11の付勢力に抗しながらつま先ブロック2と基板1の直立板1aとを互いに相反する方向に移動させると共に、基板1に対して傾いた表面を下面9aに有する位置決めブロック9がつま先ブロック2に伴って移動する。そして、さらに基板1が、可動板6の下面に取り付けられた4つの高さ調整バネ12a〜12dの付勢力に抗して変位したとき、位置決めブロック9の下面9aとストッパ10の凸状部10aとが当接することで、基板1に対して直交する方向において、足30を適切な位置に調整することができる。つまり、超音波の投射方向と直交し且つ基板1に沿った方向と、基板1に対して直交する方向との両方向の調整が可能であるので、足30を適切な位置へときわめて正確に調整することができる。
【0074】
なお、本実施の形態においては、リンク部3、可動板6、筒型スライド8などが、直立板1aをつま先ブロック2と反対方向に移動させるための連動駆動機構を構成している。
【0075】
さらに、引張バネ11によってつま先ブロック2が直立板1a側に付勢されるので、つま先ブロック2及び直立板1aの間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。そして、高さ調整バネ12a〜12dによって基板1がストッパ10とは反対側に向けて付勢されるので、基板1をストッパ10側に移動させる力が取り除かれると、基板1は高さ調整バネ12a〜12dの付勢力によって自動的に元の位置に戻る。同様に、つま先ブロック2及び直立板1aの間から被検体が取り除かれると、つま先ブロック2、直立板1a及び位置決めブロック9は引張バネ11の付勢力によって自動的に元の位置に戻る。そのため、これらの位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0076】
また、本実施形態の骨評価装置50には、基板1に足30が載置されたかどうかを検知するセンサが基板1に内蔵されている。このセンサによって基板1に足30が載置されたと検知されると、スタンドオフ61bが自動的に移動して、足30が超音波の投射方向の両側から一対のスタンドオフ61a,61bによって挟持される。従って、測定開始前に足30をスタンドオフ61a,61bで固定させる場合に必要なのは、被検者が足30を基板1に載置するという動作のみである。つまり、被検者以外の操作者が必要なく、且つ被検者は被検体である一方の足30を基板1に載置させるよう動作するだけであって、スタンドオフ61a,61bを移動させるために被験者又はその他の者がマニュアル操作を行う必要がなくなるため、被験者などの操作負担が大幅に軽減される。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能である。例えば、本発明の骨評価装置の変形例として図9に示すものがある。この装置55と図1で示した装置50との異なる点は、図1では基板1上に足30が載置されたことをセンサが検知するとスタンドオフ61a,61bが自動的に移動するが、図9ではセンサの代わりに、被検者の足30を載置する基板1の横に、スイッチを内蔵させたペダル型スイッチ90を備えた点である。測定を行う際、被検者は基板1に被検体である一方の足30を載置するが、もう一方の足は自由である。このもう一方の自由な足でペダル型スイッチ90を踏むことで、スイッチをオンに切り換えてモータ70を駆動させ、スタンドオフ61bを自動的に移動させることができる。従って、測定開始前に足30をスタンドオフ61a,61bで固定させる場合に、被検者以外の操作者も必要なく、作業が煩雑にならない。しかも、足30が確実に基板1に支持されていることを被験者又はその他の者が目視確認してからマニュアル操作によってスタンドオフ61a,61bの移動を開始させることができるので、測定結果の信頼性を高めることができる。
【0078】
なお、このように足で踏んでスイッチをオンに切り換え可能なペダル型スイッチを、装置55に外付けにしてもよい。また、図9では右足を基板1に載置して左足でペダル型スイッチ90を踏むという構成であるが、逆に左足を基板1に載置して右足でスイッチをオンにできるペダルを設けてもよい。以上のように、モータ70を駆動させるスイッチは、被検者が測定に際して適切な姿勢を崩すことなくマニュアル操作可能であれば、あらゆる所に設けることができる。
【0079】
また、上述した実施形態では、引張バネ11の付勢力に抗してつま先ブロック2が移動するのにつれて基板1に沿ってつま先ブロックと反対方向に基板1の直立板1aを移動させるものとしてリンク部3を用いているが、例えば図3に示すつま先ブロック2などに連結させるための部材は円柱部材4a〜4cに限定されず、様々な形状の部材を用いてよい。上述のような構成のリンク部3に限定されず、他の機構を有するものを用いてもよい。また位置調整の精度をよくするという観点からは、リンク部3など、足30を超音波の投射方向と直交し且つ基板1に沿った方向において適切な位置に調整するための機構を有するものを用いるのが好ましいが、リンク部3などを用いずに、高さ調整のみを行ってもよい。
【0080】
また、位置決めブロック9及びストッパ10の形状は上述した実施形態によるものに限定されず、様々な設計が可能である。また、位置調整の精度をよくするという観点からは、位置決めブロック9及びストッパ10を用いて高さ方向の調節を行うのが好ましいが、これらを用いず、リンク部3などで超音波の投射方向と直交し且つ基板1に沿った方向における調整のみを行ってもよい。また、位置決めブロック9の移動方向は、つま先ブロック2と逆でもよいし、位置決めブロック9の下面9aの傾斜形状は、図4に示したものと逆、つまり、踵側からつま先側にかけて上昇する直線的な斜面であってもよい。
【0081】
また、上述した実施形態においては引張バネ11や高さ調整バネ12a〜12dを用い、それらの付勢力を利用して位置調整を行うが、付勢力を伴うものであれば、バネに限定されず様々な材料や構成のものを用いてよい。つま先ブロック2の形状やスタンドオフ61a,61bなどの形状も様々に設計可能である。また、本実施形態では被検体である足30の踵を当接させるための直立板1aが基板1と一体になっているが、これに限定されず、例えば基板1とは別体として踵押えを設けて踵を当接させてもよい。
【0082】
また、本実施の形態においては、リンク部3、可動板6、筒型スライド8などによる連動駆動機構、及び、位置決めブロック9、ストッパ10、高さ調整バネ12a〜12dなどによって踵骨31が適切な位置へと自動的に調整される構成であるが、基板1に足30が載置されると自動的に足30が超音波の投射方向の両側から一対のスタンドオフ61a,61bによって挟持されるという構成であれば、上記のような位置調整の機構を持たなくてもよい。このように踵骨31の位置が自動的に調整されない場合でも、測定開始前に被検体である足30をスタンドオフ61a,61bにより挟持させる際、被験者又はその他の者にダイヤルを回させるなどの煩雑な作業を行わせる必要がないばかりか、スタンドオフ61a,61bを移動させるために被験者又はその他の者がマニュアル操作を行う必要がなく、被験者などの操作負担が大幅に軽減される。
【0083】
また、一対のスタンドオフ61a,61bによって超音波の投射方向の両側から足30を挟持する際、本実施の形態のようにスタンドオフ61bが自動的に移動するような構成ではなく、スタンドオフ61a,61bの少なくとも一方をマニュアル操作によって移動させるような構成であってもよい。
【0084】
また、超音波送受器60a,60bは、上述した実施形態のようにどちらかが超音波を投射して残りの一方が超音波を検出するものであってよいが、両方の超音波送受器60a,60bが超音波を送受信可能であって、踵骨の両側から超音波を投射し且つ検出するような構成であってもよい。また、上述した実施形態では一対のスタンドオフ61a,61bのうち一方のスタンドオフ61bのみが移動可能であるが、もう一方のスタンドオフ61aのみが移動可能であっても、両方のスタンドオフ61a,61bが移動可能であってもよい。また、スタンドオフ61a,61bを構成する材料は、超音波が透過可能であればよく、上述した材料に限定されるものではない。
【0085】
また、本発明に係る装置では、測定波として超音波以外にX線などを用いることもできる。ただし、上述した実施形態による装置は、測定波としてX線ではなく超音波を用いるため、X線の暴露問題がなく、安全性が高いものであるという点で利点が大きい。また上述した実施形態では、被検体として被検者の足30を用い、足30の踵骨31を評価対象としているが、これに限定されず、例えば手など被検体とし、手の骨を評価対象としてもよく、体の様々な部位を被検体としてその部位の骨を評価することができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1〜3によると、被検体が基板に支持されると、骨の適切な位置へと測定波が投射されるように測定波送受器に対する骨の位置が被検体のサイズに応じて自動的に調整されるため、測定開始前に予め被検体のサイズを計測したり、レバーなどを操作する必要がない。従って、被検体がどのようなサイズであったとしても、煩雑な作業を要することなく迅速な骨評価が可能となる。
【0087】
請求項1によると、被検体がどのようなサイズであったとしても、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向については、測定波が常に骨の適切な位置に照射されるように第1の当接部及び第2の当接部を移動させることができる。また、第1の当接部及び第2の当接部の間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。さらに、第1の当接部及び第2の当接部の位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0088】
請求項2によると、被検体のサイズが変わっても、基板に支持された被検体に含まれる評価対象となる骨の、基板と直交する方向についての測定波送受器に対する位置を不変なものとすることができるので、被検体がどのようなサイズであったとしても、基板と直交する方向については、測定波が常に骨の適切な位置に照射されるように第1の当接部を移動させることができる。また、第1の当接部及び第2の当接部の間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。さらに、第1の当接部、第2の当接部及び傾斜部材の位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0089】
請求項3によると、測定波の投射方向と直交し且つ基板に沿った方向と基板に直交する方向との両方向について被検体の位置調節が可能であるので、被検体に含まれる骨の位置をより正確に調整することができる。また、第1の当接部及び第2の当接部の間に被検体をしっかりと挟持することができ、測定誤差が生じにくくなる。さらに、第1の当接部、第2の当接部及び傾斜部材の位置をマニュアル操作でリセットする必要がなく、短時間で多数回の連続的な骨評価を行うことが可能となる。
【0090】
請求項4によると、測定開始前に予めスタンドオフをマニュアル操作で移動させて被検体を両側から挟持させる装置において、請求項1〜3の発明がもたらす効果を得ることができる。
【0091】
請求項5によると、被験者又はその他の者にダイヤルを回させるなどの煩雑な作業を行わせる必要がないばかりか、スタンドオフを移動させるために被験者又はその他の者がマニュアル操作を行う必要がなくなるため、被験者などの操作負担が大幅に軽減される。
【0092】
請求項6によると、被験者又はその他の者にダイヤルを回させるなどの煩雑な作業を行わせる必要がなくなる。また、被検体が確実に基板に支持されていることを被験者又はその他の者が目視確認してからマニュアル操作によってスタンドオフの移動を開始させることができるので、測定結果の信頼性を高めることができる。
【0093】
請求項7によると、スタンドオフの移動を開始させるに当たって、被験者に無理な姿勢を強いることがなくなり、しかも被験者が容易にスイッチのオンオフを切換可能となるので、被検者以外の操作者が事実上不要となる。
【0094】
請求項7によると、測定波としてX線ではなく超音波を用いるため、X線の暴露問題がなく、安全性が高い。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る骨評価装置を上面から見た模式的な構造図である。
【図2】 図1に示す骨評価装置の全体斜視図である。
【図3】 図1に示す骨評価装置の被検体の位置調整を行う機構を示す分解斜視図である。
【図4】 図3の基板に被検体が支持された場合の側面図である。
【図5】 図3の基板に被検体が支持される過程を段階的に示す説明図である。
【図6】 図3の基板に異なるサイズの被検体が支持された場合を比較した側面図である。
【図7】 図6に示すリンク部を上面から見た状態を示す模式図である。
【図8】 図7の部分的拡大図である。
【図9】 本発明の一実施形態に係る骨評価装置の変形例を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
1a 直立板(第2の当接部)
2 つま先ブロック(第1の当接部)
3 リンク部(連動駆動機構)
6 可動板(連動駆動機構)
8 筒型スライド(連動駆動機構)
9 位置決めブロック(傾斜部材)
9a 位置決めブロックの下面
10 ストッパ
10a 凸状部
11 引張バネ(第1の付勢手段)
12a,12b,12c,12d 高さ調整バネ(第2の付勢手段)
20 位置調整部(位置調整手段)
30 足(被検体)
31 踵骨
50 骨評価装置
51 基台
60a,60b 超音波送受器(測定波送受器)
61a,61b スタンドオフ
70 モータ(駆動手段)
90 ペダル型スイッチ
Claims (7)
- 評価対象となる骨を含む被検体を支持する基板と、
前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨に対して測定波を投射し、前記骨を透過した測定波を検出するための一対の測定波送受器と、
前記測定波が前記骨の適切な位置に投射されるように、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨の前記測定波送受器に対する位置を、前記被検体のサイズに応じて自動的に調整する位置調整手段とを備えており、
前記位置調整手段が、
前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動可能であって、前記被検体の一端を当接させるための第1の当接部と、
前記基板に対して前記第1の当接部と同じ側にあり、前記被検体の他端を当接させるための第2の当接部と、
前記第1の当接部を前記第2の当接部側に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて、前記基板に沿って前記第1の当接部と反対方向に前記第2の当接部を移動させるための連動駆動機構とを備えていることを特徴とする骨評価装置。 - 評価対象となる骨を含む被検体を支持する基板と、
前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨に対して測定波を投射し、前記骨を透過した測定波を検出するための一対の測定波送受器と、
前記測定波が前記骨の適切な位置に投射されるように、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨の前記測定波送受器に対する位置を、前記被検体のサイズに応じて自動的に調整する位置調整手段とを備えており、
前記位置調整手段が、
前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動可能であって、前記被検体の一端を当接させるための第1の当接部と、
前記基板に対して前記第1の当接部と同じ側にあり、前記被検体の他端を当接させるための第2の当接部と、
前記第1の当接部を前記第2の当接部側に付勢する第1の付勢部材と、
前記基板に対して前記第1の当接部の反対側にあって、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に離れた複数の位置同士の前記基板からの距離が異なるものとなるように前記基板に対して傾いた表面を有しており、前記第1の付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動する傾斜部材と、
前記基板を前記傾斜部材とは反対側に向けて付勢する第2の付勢部材と、
前記基板が前記第2の付勢部材の付勢力に抗して変位したときに前記傾斜部材の前記表面と当接する固定部材とを備えていることを特徴とする骨評価装置。 - 評価対象となる骨を含む被検体を支持する基板と、
前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨に対して測定波を投射し、前記骨を透過した測定波を検出するための一対の測定波送受器と、
前記測定波が前記骨の適切な位置に投射されるように、前記基板に支持された前記被検体に含まれる前記骨の前記測定波送受器に対する位置を、前記被検体のサイズに応じて自動的に調整する位置調整手段とを備えており、
前記位置調整手段が、
前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動可能であって、前記被検体の一端を当接させるための第1の当接部と、
前記基板に対して前記第1の当接部と同じ側にあり、前記被検体の他端を当接させるための第2の当接部と、
前記第1の当接部を前記第2の当接部側に付勢する第1の付勢部材と、
前記第1の付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて、前記基板に沿って前記第1の当接部と反対方向に前記第2の当接部を移動させるための連動駆動機構と、
前記基板に対して前記第1の当接部の反対側にあって、前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に離れた複数の位置同士の前記基板からの距離が異なるものとなるように前記基板に対して傾いた表面を有しており、前記第1の付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接部が移動するのにつれて前記測定波の投射方向と直交し且つ前記基板に沿った方向に移動する傾斜部材と、
前記基板を前記傾斜部材とは反対側に向けて付勢する第2の付勢部材と、
前記基板が前記第2の付勢部材の付勢力に抗して変位したときに前記傾斜部材の前記表面と当接する固定部材とを備えていることを特徴とする骨評価装置。 - 前記一対の測定波送受器のそれぞれに設けられ、相互の間隔が可変であり、前記測定波が透過可能且つ前記被検体に対して押し付け可能な一対のスタンドオフをさらに備えており、
前記被検体が前記測定波の投射方向の両側から前記一対のスタンドオフによって挟持されるよう、前記一対のスタンドオフのうち少なくとも一方をマニュアル操作によって移動させることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の骨評価装置。 - 前記一対の測定波送受器のそれぞれに設けられ、相互の間隔が可変であり、前記測定波が透過可能且つ前記被検体に対して押し付け可能な一対のスタンドオフと、
前記基板が前記被検体を支持しているかどうかを検知する検知手段と、
前記基板が前記被検体を支持していることを前記検知手段が検知すると、前記被検体が前記測定波の投射方向の両側から前記一対のスタンドオフによって挟持されるよう、前記一対のスタンドオフのうち少なくとも一方を自動的に移動させる駆動手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の骨評価装置。 - 前記一対の測定波送受器のそれぞれに設けられ、相互の間隔が可変であり、前記測定波が透過可能且つ前記被検体に対して押し付け可能な一対のスタンドオフと、
マニュアル操作によってオンオフの切換が可能なスイッチと、
前記スイッチがオンに切り換えられると、前記被検体が前記測定波の投射方向の両側から前記一対のスタンドオフによって挟持されるよう、前記一対のスタンドオフのうち少なくとも一方を自動的に移動させる駆動手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の骨評価装置。 - 前記被検体が一方の足であり、前記スイッチが他方の足で踏むことが可能なように設けられたペダル型スイッチであることを特徴とする請求項6に記載の骨評価装置。
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