JP3956045B2 - 紙加工剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙加工剤に関し、食品パッケージ等の紙製品の材料である紙に耐水性被膜を形成するのに用いられる紙加工剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙製の食品パッケージは低コストであり、またコンポスト可能であるため、これからの資源循環型社会では重要な資材のひとつに位置付けられる。
【0003】
しかし、食品パッケージには十分な耐水性が要求され、さらに電子レンジ等で加熱することが想定されるものには、発生する水蒸気により変形したり、透湿したりしないことも必要とされる。そのため、従来の食品パッケージ材料としては、ポリエチレンでコーティングされた紙が主として用いられていたが、ポリエチレンは生分解性がないために食品パッケージを食品と一緒にコンポストすることができなかった。
【0004】
ところが、平成13年春から食品リサイクル法により食品廃棄物の資源化が制度化され、コンビニ弁当に代表される弁当類の分別廃棄がコスト面でも大きな問題となっている。従って、食品と一緒にコンポストできる紙製の食品パッケージを得るために、ポリエチレンに代わるコーティング材が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、電子レンジ等による加熱に耐えうると共に、食品と一緒にコンポストできる食品パッケージ等の紙製容器が得られる紙加工剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の紙加工剤は、生分解性樹脂エマルジョンからなり、紙に耐水性被膜を形成する紙加工剤であって、上記の課題を解決するために、生分解性樹脂エマルジョンが、融点130℃以上のポリエステル系生分解性樹脂を、非イオン系界面活性剤を50〜100重量%含有する乳化剤で乳化してなり、前記樹脂中のカルボン酸がアルカリ性物質で中和された樹脂エマルジョンであるものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリエステル系生分解性樹脂エマルジョンは、ポリエステル系生分解性樹脂を乳化剤で乳化してなり、かつ樹脂中に含まれるカルボン酸がアルカリ物質で中和されたものである。
【0008】
ポリエステル系生分解性樹脂は、従来から用いられている生分解性ポリエステル系高分子化合物であって、残留(未反応)モノマー及び/又はオリゴマーを含んでいてもよく、これらのモノマー、オリゴマー、又はポリマーの末端にカルボキシル基を有するものである。但し、紙加工剤の処理により得られる紙製品が、電子レンジ等による加熱時に発生する水蒸気により変形したり透湿したりするのを防ぐため、融点130℃以上の樹脂を選択する。
【0009】
具体例としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、リンゴ酸、グリコール酸等のヒドロキシアルカン酸、又はε−カプロラクトンの単独重合物、あるいはこれらの共重合物が挙げられる。
【0010】
また、コハク酸とエチレングリコール及び/又はブチレングリコールの末端カルボン酸共重合物や、これらの残留モノマーや末端カルボン酸オリゴマー化物を含んだ、コハク酸とエチレングリコール及び/又はブチレングリコールの末端アルコール共重合物も使用可能である。
【0011】
上記のようなポリエステル系生分解性樹脂中のカルボン酸を中和するためのアルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の一般的なアルカリ性物質を使用することができるが、安全性が高いという点からアミノ糖類が好適に用いられ、その例としては、カルボキシメチルセルロースのアミン変性物、2−アミノ−β−D−グルコピラノシド等の変性糖・多糖類が挙げられるが、中でも、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、キトサンなどの生体由来のバイオマスアミンが好適に用いられる。樹脂中のカルボン酸をこれらのアルカリ性物質で中和することにより、紙加工剤の貯蔵安定性を向上させることができる。
【0012】
次に本発明で用いる乳化剤は、非イオン系界面活性剤を20〜100重量%含有することが好ましく、50〜100重量%含有することがより好ましい。このように非イオン系界面活性を特定量以上含有する乳化剤を用いることにより、水系状態でのpHを4〜7に安定して保持することができ、紙加工剤の貯蔵安定性がより優れたものとなる。
【0013】
また、非イオン系界面活性剤は低分子量であることが好ましく、分子量(Mw)は3000以下が好ましく、1500以下がより好ましい。従来、界面活性剤が経時的に塗膜表面にブリードアウトすることによる不具合の発生等の問題があったが、低分子量の乳化剤を用いることにより、エマルジョン乾燥時に大部分が表面に移行し、これを一度の水洗いで除去することができるので、ほとんど不純物を含まない、耐水性に優れた被膜を得ることが可能となる。
【0014】
非イオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテルやポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が好ましい。
【0015】
本発明で用いる乳化剤においては、上記非イオン系界面活性剤以外に、アニオン系、カチオン系、あるいは両性の各種イオン系界面活性剤を用いることもできる。
【0016】
アニオン系界面活性剤の例としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤の例としてはアルキルアンモニウム塩、両性界面活性剤の例としてはアルキル(アミド)ベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0017】
上記乳化剤の使用量は、通常は、ポリエステル系生分解性樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部(但し、固形分換算)である。
【0018】
ポリエステル系生分解性樹脂を乳化剤を用いて乳化する具体的な方法は特に限定されず、従来から用いられている一般的な乳化方法を採ることができる。
【0019】
例えば、ポリエステル系生分解性樹脂を、これを溶解できる溶媒に溶解して、乳化剤を添加した後、水を徐々に加える方法が用いられる。ここで溶媒としては、例えば、ブタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジクロロメタン等の塩素系溶媒等が使用可能である。
【0020】
あるいは、ポリエステル系生分解性樹脂を上記のような溶媒に溶解した後、乳化剤水溶液を加えて一気に転相点に到達させ、その後水希釈する方法や、ポリエステル系生分解性樹脂をその溶融温度まで昇温し、乳化剤を混合後、温水を加えて乳化する方法等も用いることができる。
【0021】
なお、本発明の紙加工剤には、必要に応じて撥水剤、表面平滑剤、離型剤、増粘剤、流動性調整剤、消泡剤、充填剤、着色剤、耐水化剤、保水剤、防腐剤、酸化防止剤、耐光剤、架橋剤等の添加物を含有させることもできる。また、本発明の目的に反しない範囲で、現在市販されている各種樹脂エマルジョンを配合することも可能である。
【0022】
上記した本発明の紙加工剤を紙に塗布することにより、不純物をほとんど含まない、高品質かつ生分解性に優れた耐水性被膜を形成することができる。
【0023】
塗布の方法は特に限定されず、各種コーターによる塗布、ハケ塗り、スプレー塗布、浸漬等の一般的な塗布方法が適宜用いられる。塗布後は、公知の方法で乾燥すればよい。但し、加熱する際の温度は、用いたポリエステル系生分解性樹脂の融点以下とする。
【0024】
紙に対する生分解性樹脂の塗布量は、樹脂の種類や処理の目的により異なるが、通常は、固形分換算で1〜50g/m程度である。
【0025】
本発明の紙加工剤により耐水性被膜を形成された紙は、各種包装用容器の材料として用いられるが、加熱時に食品から発生する水蒸気により変形したり透湿したりすることがなく、また食品と一緒にコンポスト可能であるので、コンビニ弁当の容器等の電子レンジ加熱食品用容器の材料として特に好適に用いられる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
〔実施例1〕
ポリ乳酸樹脂(島津製作所(株);LACTY9030、融点150℃)50部にラウリン酸スクロース(第一工業製薬(株);コスメライクL−160、分子量538)4.5部とスルホコハク酸ジオクチルナトリウム液(第一工業製薬(株);ネオコールSW−C、分子量508)0.7部を添加し、ホモディスパーによる攪拌下、水51部を段階的に添加して乳化体とした後、28%アンモニア水0.35部で中和し、白濁液状の乳化物(固形分50%、粒径0.7μm、pH7.2)110部を得た。
【0028】
未コートの中性上質紙の板紙(坪量255g/m、厚さ0.31〜0.32mm)にNo.10のバーコーターで実施例1のエマルジョンをコーティングし、150℃オーブンにて2分間処理して塗付量15g/mの下塗りをした後、再び同じ方法で塗布量を同量にして上塗り及び熱処理を行った。得られたコート紙について生分解性と耐水蒸気性を評価した。
【0029】
生分解性は、塗工紙をポリエステル製のネットに入れて畑地に埋設し、外観の変化を観察した。
【0030】
また、耐水蒸気性は、塗工面に直接蒸気(約1kgf/cm×10分、噴射口直径2.5cm、噴射口からの距離3cm)を噴射し、濡れ面積を目視で判断することにより、紙の濡れ性を評価した。
【0031】
〔比較例1〕
ポリエチレンフィルムを未コートの中性上質紙の板紙(坪量255g/m、厚さ0.31〜0.32mm)と離型紙の間に挟み、110℃の熱ロールで熱圧着コーティングした(コーティング量;32g/m)。得られたコート紙について上記した方法により生分解性と耐水蒸気性を評価した。
【0032】
〔ブランク〕
上記実施例及び比較例で用いたのと同じ板紙を用い、コーティングを行わずに原紙のまま、上記した方法により生分解性と耐水蒸気性を評価した。
【0033】
上記各試料についての生分解性と耐水蒸気性の評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003956045
【0035】
【発明の効果】
本発明の紙加工剤によれば、耐水蒸気性に優れ、電子レンジ等による加熱に耐えうると共に、食品と一緒にコンポストすることができる食品容器が得られる。また、本発明の紙加工剤はエマルジョンであるので、汎用性があり、環境に優しいという利点も有する。

Claims (2)

  1. 生分解性樹脂エマルジョンからなり、紙に耐水性被膜を形成する紙加工剤であって、
    生分解性樹脂エマルジョンが、融点130℃以上のポリエステル系生分解性樹脂を、非イオン系界面活性剤を50〜100重量%含有する乳化剤で乳化してなり、前記樹脂中のカルボン酸がアルカリ性物質で中和された樹脂エマルジョンである
    ことを特徴とする紙加工剤。
  2. 前記乳化剤に含有される非イオン系界面活性剤が重量平均分子量3000以下のものであることを特徴とする、請求項に記載の紙加工剤。
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