JP3955155B2 - 脱酸素剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱酸素剤に関するものである。さらに詳しく説明すると、本発明は、海苔・お茶等の水分を嫌う乾燥食品の保存に優れ、且つ脱酸素剤製品ロット毎の脱酸素能力が安定して高く、且つ脱酸素剤製品ロットの全てが金属検知機で検知されない脱酸素剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、加工食品、農水産品、金属製品、精密部品等の製品の品質保持の手段として脱酸素剤が利用されている。この脱酸素剤は通気性包材中に密封され、加工食品、農水産品、金属製品、精密部品等の製品と共に酸素バリヤー性包材中で使用される。酸素バリヤー性包材中の酸素は脱酸素剤に吸収されるため、同封された製品の酸素による酸化が防止され、製品の品質が保持されるものである。
【0003】
従来の技術として、低分子フェノール化合物からなる脱酸素剤として、特開昭55ー54034に「低分子フェノール化合物の一種または二種以上と活性炭とを配合してなることを特徴とする脱酸素剤」、特開昭57ー190649に「カテコール、活性炭、及びアルカリ性化合物と水分供与性化合物を配合してなる脱酸素剤」が記載されている。
【0004】
前記2件の特開昭には、低分子フェノール化合物の酸化触媒として活性炭が有効であると記載されている。
特開昭55ー54034には、「カテコール、ピロガロール等の比較的低分子のフェノール化合物が、活性炭の存在下で効果的に密閉系内より酸素を除去できることを明らかにしたものである」と記載されている。
特開昭57ー190649には、「植物系に比べて鉱物系活性炭の方が脱酸素効果が優れており、また鉱物系の中でも石炭系活性炭が優れていた」と記載されている。
【0005】
前記特開昭55−54034による脱酸素剤は、海苔・お茶等の水分を嫌う乾燥食品の保存には適している。しかし脱酸素剤製品のロット毎に脱酸素能力にバラツキが有り、時には著しく脱酸素能力が低い不良品ロットがでたり、且つ金属探知器で検知される不良品がでる等、特開昭55−54034による脱酸素剤は脱酸素剤の品質、及び性能面で問題があった。一方特開昭57−190649による脱酸素剤は、脱酸素能力は高いが、水分含有率が高い為、海苔・お茶等の水分を嫌う乾燥食品の保存には適していない欠点を有している。そこで、脱酸素剤製品ロット毎の脱酸素能力が安定して高く、且つ金属探知機で検知される不良品がでず、且つ海苔・お茶等の水分を嫌う乾燥食品の保存に適する脱酸素剤の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、金属検知機で検知される脱酸素剤製品ロットがでず、且つ、脱酸素剤製品ロット毎の脱酸素能力が安定して高く、且つ海苔・お茶等の水分を嫌う乾燥食品の保存に適した低水分含有率である脱酸素剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点に対して、鋭意研究を重ねた結果、活性炭の酸化触媒機能は、特開昭57ー190649に「植物系に比べて鉱物系活性炭の方が脱酸素効果が優れており、また鉱物系の中でも石炭系活性炭が優れていた。」と記載されているような活性炭の種類によるものではなく、活性炭のpH、低分子フェノール化合物に対する活性炭の吸着能力、活性炭中に含まれる水分含有率が関与していることを見出し、また脱酸素剤が金属検知機で検知されない為、鉄含有率が1500 p p m 以下の活性炭を原料として選択することが重要であることを見出し本発明を完成するに到った。
【0008】
本発明は、「低分子フェノール化合物と活性炭とからなる脱酸素剤において、該活性炭のpH値が8.5以上、水分含有率が0.5重量%〜7.0重量%、鉄含有率が1500ppm以下、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.4ml/g〜1.0ml/gであることを特徴とする脱酸素剤」である。更に、本発明の好ましい態様としては、低分子フェノール化合物100重量部に対して活性炭が100〜500重量部であり、該活性炭のpH値が9.0以上、水分含有率が1.0重量%〜5.0重量%、鉄含有率が500ppm以下、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.5ml/g〜1.0ml/gである。
【0009】
本発明に使用される低分子フェノール化合物としては、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、クレゾール、およびピロガロールから選択することが好ましく、低分子フェノール化合物は一種または二種以上の併用で用いることができる。
【0010】
本発明に用いられる活性炭は、pH値が8.5以上、更に好ましくは9.0以上、及び水分含有率0.5重量%〜7.0重量%、更に好ましくは1.0重量%〜5.0重量%の範囲、及び鉄含有率1500ppm以下、更に好ましくは500ppm以下、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.4ml/g〜1.0ml/g、更に好ましくは0.5ml/g〜1.0ml/gの活性炭である。活性炭は一種または二種以上併用しても用いることができる。また、本発明の目的を損なわない範囲で水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性物質、水、及びゼオライト、パーライト、含水イノケイ酸マグネシウム鉱物、珪藻土、活性白土、シリカ、カオリン、タルク、ベントナイト、活性アルミナ、石膏、シリカアルミナ、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の難水溶性固体を添加することも可能である。
【0011】
前記活性炭の平均粒径は10mm以下が好ましく、粒度分布としては3mm以下の粒子範囲にある活性炭粒子体積が20重量%以上が好ましいが、50重量%以上であることが特に好ましい。平均粒径が10mm以上の場合は、活性炭が低分子フェノール化合物を均一に吸収着しにくいためか、脱酸素能力が低くなり好ましくない。同様に、3mm以下の粒子範囲にある活性炭粒子体積が20重量%未満だと、活性炭が低分子フェノール化合物を均一に吸収着しにくいためか、脱酸素能力が低くなり好ましくない。
【0012】
脱酸素能力は従来の知見から単に活性炭の触媒効果によるものと考えていたが、予想に反して活性炭のpH値、及び水分含有率によって大きく影響され、活性炭のpH値、及び水分含有率が変動すると脱酸素能力がバラツクことを見出した。活性炭のpHが8.5未満の場合、脱酸素能力が低くなり、好ましくない。
【0013】
また、活性炭に含まれる水分は0.5重量%〜7.0重量%、更に好ましくは1.0重量%〜5.0重量%の範囲が好ましい。活性炭に含まれる水分が0.5重量%未満の場合、脱酸素能力が低くなり好ましくない。また、活性炭に含まれる水分は多い方が脱酸素能力が高く好ましいが7.0重量%を越えると、海苔・お茶等の乾燥食品が湿気を帯びて風味が損なわれる為、好ましくない。
【0014】
脱酸素能力は活性炭の累積細孔容積によって大きく影響され、累積細孔容積が変動すると脱酸素能力がバラツクことを見出した。脱酸素能力と活性炭の累積細孔容積は比例関係にあり、累積細孔容積が大きい程、脱酸素能力が高いことを見出した。細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.4ml/g未満であると脱酸素能力が著しく低くなり好ましくない。累積細孔容積が0.4ml/g以上であれば脱酸素能力は高く好ましい。累積細孔容積が大きい程、脱酸素能力は高くなるが、前記累積細孔容積が1.0ml/gを越える様な活性炭は活性炭製造時に活性炭の収率が著しく低下する等して、活性炭の単価が高くなるという問題もある。脱酸素能力、及び脱酸素剤製造コストを含めて累積細孔容積を考えると、特に限定する訳ではないが、累積細孔容積は0.4ml/g〜1.0ml/gが好ましい。なお、本発明の累積細孔容積は窒素法により測定する値である。
【0015】
低分子フェノール化合物と活性炭から成る脱酸素剤で鉄等の金属成分が入っていないと考えていたが、同脱酸素剤製品が金属検知機で多々検知され、問題であった。その後種々検討した結果、活性炭中に含まれる鉄が原因であることが判明した。鉄含有率が1500ppmを越えると金属検知機で検知されることが非常に多くなり、鉄含有率が500ppm以下であると高感度な金属検知機でも検知されることが無いことが判明した。
【0016】
活性炭の添加量は低分子フェノール化合物100重量部にたして50重量部以上が好ましく、100重量部から500重量部が特に好ましい。50重量部未満では脱酸素能力は低下し、500重量部を越えると、単位嵩当たりの酸素吸収量が小さくなるので、脱酸素剤を包装する透気性包材が大きくなり、食品包装体への装填面での不備が生じる。
【0017】
【実施例】
本発明の脱酸素剤について、実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0018】
<実施例1>
表、及び以下に示す性状の活性炭( pH9.5、及び水分含有率2.2重量%、及び鉄含有率110ppm、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.7ml/g)10gとカテコール5gを混合し脱酸素剤を得た。
この脱酸素剤4.4gを透気性包材に充填した。この脱酸素剤包装体を空気500mlとともに、酸素バリヤー性包材に入れ、密封後、5℃の雰囲気下に放置し、7日後、酸素バリヤー性包材中の酸素濃度を測定した。測定結果を表に示す。
【0019】
<実施例2〜4>
表に示す性状の活性炭を仕様した他は実施例1と同様に脱酸素剤を作成し、評価した。測定結果を表に示す。
【0020】
<比較例1〜5>
表に示す性状の活性炭10gとカテコール5gを混合し脱酸素剤を得、実施例1と同様に評価した。測定結果を表に示す。
【0021】
<比較例6>
表に示す性状の活性炭10gにアルカリ物質として炭酸ナトリウム0.3g及び水0.42gを混合し、実施例1の活性炭と同じpHと水分含有率にした。その後、カテコール5gを混合し、脱酸素剤を得、実施例1と同様に評価した。測定結果を表に示す。比較例6の場合、活性炭中でアルカリ物質分布が均一化できない為、脱酸素能力が高くならないと考えられる。
【0022】
【表1】
<金属検知機による評価> ○:検知されない ×:検知される
【0023】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明に係る脱酸素剤は、脱酸素反応に寄与する成分である活性炭の触媒作用が、活性炭のpH、及び水分含有率、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積に起因していることを明確にできた為、従来の低分子フェノール化合物と活性炭から成る脱酸素剤の脱酸素能力にバラツキがかなりの頻度であった欠点を解決でき、実用上極めて有用である。
Claims (2)
- 低分子フェノール化合物と活性炭とからなる脱酸素剤において、該活性炭のpH値が8.5以上、水分含有率が0.5重量%〜7.0重量%、鉄含有率が1500ppm以下、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.4ml/g〜1.0ml/gであることを特徴とする脱酸素剤。
- 低分子フェノール化合物と活性炭とからなる脱酸素剤において、低分子フェノール化合物100重量部に対して活性炭が100〜500重量部であり、該活性炭のpH値が9.0以上、水分含有率が1.0重量%〜5.0重量%、鉄含有率が500ppm以下、及び細孔直径300オングストローム以下の累積細孔容積が0.5ml/g〜1.0ml/gであることを特徴とする脱酸素剤。
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