JP3954859B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置ににおける、ストロボフラッシュを使用した自動焦点調節に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ等の撮像装置(以下、単にカメラと称す。)でストロボを使用して撮像する場合は暗い場合が多く、自動焦点調節、いわゆるオートフォーカス(以下AFと略称する)が合焦するまでの時間が長くなったり、精度が落ちることが、通常時より多くなる。
【0003】
すなわち、CCD等の撮像素子を用いるデジタルカメラでは、AFに用いるデータをCCDから得ることが多い。その一つの方法として、レンズ移動をしながら被写体像のコントラストを高周波成分の大小で調べ、コントラストが最大になったときのレンズ位置を合焦位置と判定する方法が用いられている。CCDは入射した光の量にほぼ比例して発生する電荷を蓄積して、被写体データとして出力する。ストロボを使いたいような暗さの被写体の場合、CCDに入射する光量も小さく、蓄積に時間がかかり、AF完了までの時間が長くなる。また、弱い光で長い時間蓄積すると、電気的ノイズが多く入り込み、出力データをハイパスフィルタに通して高周波成分を取り出してもノイズに紛れて精度の良い結果が得られにくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
AF動作の間、カメラ側から連続的に投光してやれば、このような問題は解決するが、連続投光には大変なエネルギーが必要になり、実用的ではない。そこで、本発明は、1回だけのストロボの予備的な発光で合焦に必要な情報を得る方法を提供し、回路の増大等を伴う事なく、ストロボ撮像におけるAFの高速化と精度向上を達成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1では、撮像レンズと、撮像素子を有し被写体像を撮像する手段と、前記撮像素子の出力を輝度信号と色信号に処理する信号処理手段と、フォーカス調整手段と、前記撮像レンズの光軸とは離れた位置に照射光軸を持つストロボとを備えた撮像装置において、前記信号処理手段は、ローパスフィルタを通してから輝度信号分布を得る構成を有し、予めストロボ撮像時の被写体距離と被写体像の所定の部位の基準輝度信号分布のピーク位置との関係を、被写体距離を異ならせた複数組記録したテーブルを持ち、本撮像前にストロボを用いた予備発光による撮像を行ない、前記信号処理手段から得られた前記所定の部位の輝度信号分布のピーク位置に対応する被写体距離を前記テーブルから読み出し、フォーカス調整を行なうことを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2では、撮像レンズと、撮像レンズと、撮像素子を有し被写体像を撮像する手段と、前記撮像素子の出力を輝度信号と色信号に処理する信号処理手段と、フォーカス調整手段と、前記撮像レンズの光軸とは離れた位置に照射光軸を持つストロボとを備えた撮像装置において、前記信号処理手段は、ローパスフィルタを通してから輝度信号分布を得る構成を有し、予めストロボ撮影時の被写体距離と被写体像の所定の部位の基準輝度信号分布との関係を、被写体距離を異ならせた複数組記録したテーブルを持ち、本撮像前にストロボを用いた予備発光による撮像を行ない、前記信号処理手段から得られた前記所定の部位の輝度信号分布と前記複数の基準輝度信号分布との相関を取り、相関の最も高い基準輝度信号分布に対応する被写体距離を前記テーブルから読み出し、フォーカス調整を行なうことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3では、請求項1または2に記載の撮像装置において、さらに被写体の周波数成分に応じたオートフォーカス評価値を生成する手段を備えており、画面を複数分割したエリアに分け、該画面エリア別の所定部位に対応する複数の前記テーブルを持ち、前記エリア別に前記オートフォーカス評価値を得て、該オートフォーカス評価値から被写体像の高周波数成分が最も少ないエリアを選択し、そのエリアにかかわる前記輝度信号分布と前記テーブルとを使用することを特徴とする。
本発明の請求項4では、請求項3に記載の撮像装置において、フォーカス調整に関し、撮影レンズの光軸とストロボの照射光軸の水平距離が離れていることを利用する方式であれば、画面を上下分割し、輝度信号分布やAF評価値算出用データは水平画素列を用い、撮影レンズの光軸とストロボの照射光軸の垂直距離(上下方向の距離)が離れていることを利用する方式であれば、画面を左右に分割し、輝度信号分布やAF評価値算出用データは垂直画素列を用いることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項5では、請求項1〜4のいずれか1つに記載の撮像装置において、1連の複数回のストロボ発光を再度充電することなく間欠的に行うことを特徴とする。
本発明の請求項6では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の撮像装置において、被写体距離が近い撮影状態を選択するマクロモードを有し、前記フォーカス調整は、マクロモードのみに限定することを特徴とする。
【0009】
【実施例】
図1は本発明の原理を模式的に表した図である。同図aは近距離撮像の場合を表し、同図bは遠距離撮像の場合を共に上面から見た状態で表す。説明の都合のため、撮像されるべき被写体側の撮像範囲が互いに同じ大きさになるように表示してある。
【0010】
図において、カメラ1は撮像レンズ(以下単にレンズと称す)2、ストロボ3を有する。レンズ2は一般にカメラのほぼ中央におかれることが多いが、必ずしも決まっているわけではない。本発明では、レンズ2がどこにあっても、ストロボ3はできるだけレンズから遠く離れているのが望ましい。図では、レンズ2をカメラ中心に、ストロボ3を図の左端に配置しており、両者の水平距離をLとする。画像の一部に被写体の陰が出るのを嫌って、レンズの回りをリング状に取り巻いたストロボが使用されることがあるが、本発明ではこのような、リング形状のストロボは対象にしない。
【0011】
符号4はレンズの光軸、符号5はレンズの画角を示し、符号6はストロボの照射光軸、符号7はストロボの照射角を示す。符号8a、8bは被写体で、便宜上平面として表してある。レンズから被写体までの距離、すなわち、被写体距離はそれぞれDa、Dbとする。符号9a、9bはレンズの画角に収まる被写体上の範囲を示す。範囲9a、9bの実際の大きさは異なっていても、撮像素子の像面上では同じ大きさ9になる。いま、被写体8a、8bが仮に白壁のように全面白色であったとすれば、撮像素子の撮像範囲9上に得られる照射光量は、被写体上の光量にほぼ比例する。光量は照射距離の二乗に反比例するため、遠距離撮像の場合、光量がかなり小さくなるが、デジタルカメラはAGCや、CCDの積分時間の調整などで、出力レベルがほぼ一定になるようにしている。いま、画像面の特定の水平画素列に着目し、その画素列に対応する信号処理手段から得られる輝度信号分布を見ると、10a、10bのように分布の形は違っても、積分値的にはほぼ同じレベルになる。着目する水平画素列は、画面中心を通る列でよいが、それに限定するものではない。このように、画面上の特定の部位に着目して得られ、後に説明するテーブル作成に用いる輝度信号分布を、以後、基準輝度信号分布と称する。
【0012】
符号Oは画像中心を表し、符号11a、11bはストロボの照射光軸相当位置、すなわち、輝度信号ピーク位置を表す。La、Lbはそれぞれ画像中心Oから輝度信号ピーク位置11a、11bまでの距離を表す。図からも明らかなように、被写体距離が大きくなるほど、画像中心Oから輝度信号ピーク位置までの距離は小さくなる。すなわち、被写体距離が大きくなるほど、輝度信号ピーク位置は画像中心に近づく。
本発明は、上記のように、被写体距離の違いによって輝度信号ピーク位置の画像中心に対する位置が変わることを利用して、輝度信号ピーク位置を検出することで被写体距離を推定し、フォーカス調整を行うようにしたものである。このため、本発明を適用するカメラでは、ストロボは、設計上許せる最大距離、レンズから離した方がよい。
【0013】
基本的には、カメラの設計値として、被写体距離と輝度信号ピーク位置との関係は決まっているので、この関係を幾つかの被写体距離に関してテーブルとして所定のメモリーに格納しておけばよい。もし、カメラ個別の機械差が無視できない場合は、カメラ完成品ごとに被写体距離と輝度信号ピーク位置との関係を調べてテーブルを作成すればよい。テーブルに記録しておくべき、ピーク位置と被写体距離の最低の組数は、ストロボのガイドナンバーや市販されているフィルムの感度、またカメラの持つFナンバー等を考慮した許容被写界深度で、ストロボ撮像可能な最大被写体距離を割れば求められる。
なお、図1を便宜上、上面から見た図として説明したが、側面から見た図とみなしても事情は全く同じである。すなわち、カメラのレンズとストロボが鉛直方向に離れている場合でも、被写体距離の違いによって輝度信号ピーク位置の画像中心に対する位置が変わることになり、同様に、フォーカス調整に利用できる。この場合は、水平画素列と直交する垂直画素列を用いて輝度信号分布を得ることになる。
【0014】
図2は、本発明の第1実施形態を説明するための図であって、本発明を適用したカメラの信号処理関係を示すブロック図である。
図2には、レンズ2の結像領域におかれた撮像素子としてのCCD21と、CCD出力信号をアナログのサンプルアンドホールドを行ってAD変換まで行うフロントエンド処理部22と、輝度信号、色信号を生成する等の機能を有する信号処理手段23と、制御、演算を行うCPU24と、輝度信号の分布からピーク位置を検出するピーク位置検出手段25と、ピーク位置と被写体距離との関係を複数組保持したテーブル26と、フォーカス調整手段27とが示されている。ここで、ピーク位置と呼ぶのは、具体的な例で言えば、CCD出力データのある特定の画素列におけるピークデータの、所定の基準位置、たとえば画像中心位置、から数えた画素数とする。
【0015】
本番の撮像に先立って、一旦、ストロボ3を発光させて予備撮像を行う。このときのレンズを置くべき位置は、被写体距離がまだ不明の段階なので、ストロボ撮像の平均的な距離を自動で設定すればよい。このストロボ発光を、以後、予備発光と称する。予備発光によって撮像素子に露光を与えることを予備露光と称する。これに対して、本番撮像用のストロボの発光を本発光と称し、本発光によって撮像素子に露光を与えることを本露光と称することにする。予備発光の光量は、本発光の光量より多くする必要はない。露光によって得られた撮像素子からの信号処理を行う一連の処理を撮像と呼ぶ。
CCDから得られた信号はフロントエンド22、信号処理手段23によって色信号や輝度信号が取り出されるが、ここまでの信号処理は通常のCCDカメラではよく行われる方法なので詳しい説明は省略する。
ここで得られた輝度信号は、ピーク位置検出手段25に入力される。ピーク位置検出手段25では、入力された輝度信号の大小を比較しながら信号のピーク値を見つけ出し、その信号が所定の基準位置からどれだけ離れているかを調べる。この場合、距離の単位として画素数を利用するのがよい。また、所定の基準位置としては、後処理の簡略化のために、画面中心を用いるのがよい。
【0016】
テーブル26には、前もって調べておいた、基準輝度信号分布のピーク位置の所定の基準位置からの距離(この場合画素数で代用)と被写体距離との関係を記録しておく。
ピーク位置検出手段25で得た画素数を用いて、テーブル26を参照することにより、対応するテーブル上の被写体距離から、実被写体距離が判定できる。したがって、この被写体距離を以てフォーカス調整手段27を駆動すれば、被写体に正しくピント合わせができることになる。
【0017】
図3に本発明を説明するタイミングチャートの1例を示す。
本露光までは、撮像装置はモニタリング駆動を行っている。モニタリング駆動中は、ドラフトモードと呼ぶ垂直画素の間引き走査を行って、通常より短い、たとえば1/30秒のフレームレートで信号を取り込む。垂直画素数はたとえば半分になるが、輝度分布の特徴が変わるおそれはない。
レリーズボタン等により、撮像動作開始の指示が出ると、CCD駆動のタイミングを見計らってストロボの予備発光が行われ、予備露光モードにはいる。露光されたCCDの蓄積電荷は、次に読み出されるフィールド、図の出力1の期間で生データとして出力される。それに続く2つのフィールドで示す信号処理1の期間で、所定の信号処理とテーブル参照が行われる。ここで判定された被写体距離に向けてフォーカス調整を行う。フォーカス調整にはおよそ2フィールドあれば足りるので、撮像指示が行われてから本露光開始までに6フィールドあればフォーカス調節が終了する。
本露光が行われると、メカシャッタは閉じて、以後外部から光が入らないようにして、図の出力2の期間で画像データの取り込みを行う。このときは、垂直方向も間引きを行わず、全画素からのデータの取り込みを行う。画像データの取り込みが終わると、撮像装置はメカシャッタを開いて、再びモニタリング動作に入る。撮像素子の種類によっては、メカシャッタを用いない構成にすることもできる。
【0018】
実際の被写体は均一輝度ではなく、何らかの輝度分布を持っている。したがって、輝度信号分布にもそれが反映され、単純にピーク値を1つ決めることはむずかしくなる。しかし、部分的な高輝度は輝度信号分布に高周波成分を含むので、それを除去すれば、全体としては白壁から得た輝度分布に近い分布が得られる。
図2に仮想線で示したローパスフィルタ28はこの問題の解決手段を示す。
信号処理手段23から得られた輝度信号をローパスフィルタ28に通すことによって、部分的な輝度分布の凹凸がならされ、被写体に照射されたストロボの照度分布に近い輝度信号分布が得られる。すなわち、輝度信号を微視的に見るのではなく、巨視的に見ることによって分布の大まかな傾向を知ることができる。したがって、その輝度信号分布のピーク位置を検出することによって、或る程度の誤差を含む可能性を以て、被写体距離を判定することができる。
【0019】
図4は本発明の第2実施形態を示す図である。図2と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。図におけるテーブル36には、被写体距離とピーク位置との関係ではなく、被写体距離と基準輝度信号分布との関係を複数組記録しておく。予備撮像によって得られた輝度信号分布とテーブル上の複数の基準輝度信号分布とを、相関判定手段35で順次相関を調べて、一致度の最も高い基準輝度信号分布に対応するテーブル上の被写体距離を、実被写体距離の推定値と判定してフォーカス調整手段を駆動する。この方式の場合も、ローパスフィルタ28を通すことで、部分的な輝度分布の凹凸に惑わされることがなくなり、精度向上が見込める。
【0020】
文書の複写のように、被写体が白色平面を基調にしたものの場合は、実施形態1〜2の構成で十分正しいフォーカス調整ができるが、被写体が人物や物体などの場合、輝度分布のピーク位置がストロボの光軸相当位置に一致するとは限らない。そうなると、正しいフォーカス調整ができなくなる。
本発明の第3実施形態はこの問題を解決しようとするものである。
【0021】
図5は本発明の第3実施形態を説明するための図である。図6は第3実施形態のフローチャートの1例を示す。
図のaは、A1、A2、A3と撮像画面を上、中、下の3つのエリアに分けた状態を表している。同図bはA1、A2、A3と撮像画面を左、中、右の3つのエリアに分けた状態を表している。ただし、3分割というのは説明をわかりやすくする為であって、この分割は3個に限られるわけではなく、2分割でも4分割でも実施しうる。第3実施形態に用いるカメラは、オートフォーカス(以下AFと略称する)機能を備えているものとする。この場合のAF機能とは、撮像素子から得られた輝度分布のデータから高周波成分を取り出してAF評価値とし、レンズを移動しながら、AF評価値の大小を比べ、その値が最大になったときのレンズ位置を最適なフォーカス位置とする機能であるとする。このカメラでは、被写体距離と基準輝度信号分布もしくは該分布のピーク位置との関係を、このエリア別に各複数組記録しておく。基準輝度信号分布を得るときの画面上の所定の部位は、各エリアの中央を通る画素列とするのがわかりやすいが、これに限定するものではない。
レンズとストロボの水平距離が離れていることを利用する方式であれば、図5aのように画面を上下分割し、輝度信号分布やAF評価値算出用データは水平画素列を用いる。レンズとストロボの垂直距離(上下方向の距離)が離れていることを利用する方式であれば、図5bのように画面を左右に分割し、輝度信号分布やAF評価値算出用データは垂直画素列を用いるようにする。
【0022】
以下、図6を参照して簡単に動作の説明をする。予備撮像を行ったとき、前記A1、A2、A3の各エリアごとにAF評価値を算出する。得られた3つのAF評価値を比較し、そのうち最も値の低いAF評価値を算出したエリアを参照エリアと決め、このエリアからの輝度信号分布データと、このエリア用として用意してあるテーブルを、以後の被写体距離判定に用いる。得られた被写体距離に対応するよう、フォーカス調整手段を駆動してレンズ位置を調整し、本撮像を行う。
AF評価値を算出する元になるデータは、エリア全体から得てもよいが、テーブルに格納してある基準輝度信号分布を得たときの所定の部位に対応するデータとすれば、より誤差が少なくなる。
AF評価値が高いと言うことは、その領域に細かい被写体が多くあることを意味し、白壁のような全面が白色の被写体である可能性が低いことを意味する。AF評価値が低いことがそのまま、白色被写体であることにはつながらないが、AF評価値が高い領域よりはその期待度が高いと見なせる。すなわち、AF評価値が最も低い領域は、被写体距離判定には最も精度が高くなると期待できる領域である。
【0023】
上記の場合、ピーク位置と被写体距離のテーブルを用いるのであれば、本来ならエリアが異なっても同じテーブルを用いることができる。しかし、ストロボの発光分布は光軸中心に完全に対称であるとは限らない。設計上で非対称にする場合もあれば、機械差で非対称になっている場合もある。このような場合は、同じテーブルを使うわけにはいかないので、エリア別にテーブルを用意する。
前述のように、テーブルに輝度分布を記録しておき、得られた輝度信号分布と相関をとる方式の場合には、エリアの違いにより、輝度分布は異なるので、当然、テーブルもエリア別に用意する必要がある。
【0024】
予備発光と、本発光の間の時間は非常に短く、この時間内に仮に充電を行っても、その充電量はわずかである。逆に、効果的な充電を行おうとすれば、充電時間がかかってしまい、予備露光と本露光の間の時間が空きすぎてしまい、その間に被写体の状況が変化してしまうおそれがある。したがって、本発明では、短時間処理を達成するために、1連の予備発光と本発光とは、あいだで充電を行わない間欠発光とする。
ストロボは、赤目防止のために本番の撮像に先立って1回もしくは複数回間欠発光させることがよく行われるので、その1連の発光の全部または一部を本発明の予備撮像のために用いてもよい。
【0025】
本発明の原理から言えば、被写体距離が近いほど画像面内でのレンズ光軸とストロボ照射光軸それぞれの対応点の相対距離が大きくなる。したがって、原理的には被写体距離が近いほどフォーカス調整の精度は高くなる。そこで、本発明をマクロ撮像に適用すると、非常に効果が大きく現れる。本発明は、すべてのモードにおいて適用可能ではあるが、特にマクロモードに限定して適用することによって、フォーカス調整に高い精度を保証することができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1、2に記載の発明によれば、撮像装置において、オートフォーカスが動作しにくいような暗い被写体でも、ストロボの予備発光によって、被写体距離に関連した情報をローパスフィルタを通して取り込むことができるので、被写体情報を巨視的に見ることによって、より精度の高い被写体距離を判定することができ、迅速な撮像動作が可能となる。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の撮像装置において、画面内で最も精度が高くなりそうな領域を選択することによって、さらに、より精度の高い被写体距離を判定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明において、フォーカス調整に関し、撮影レンズの光軸とストロボの照射光軸の水平距離を利用するか、垂直距離を利用するかによって、分割の方向を異ならせるので、より高い精度で被写体距離判定を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載の撮像装置において、1連の間欠発光の間は充電を行わないので、予備発光と本発光とが短時間で処理できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の撮像装置において、被写体距離が近い撮影状態を選択するマクロモードを有し、前記フォーカス調整をマクロモードのみに限定することで、本発明の長所を生かした、精度の高い撮像装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を模式的に表した図である。
【図2】本発明の本発明の第1および第2実施形態を説明するための図である。
【図3】本発明を説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【図5】本発明の第4実施形態を説明するための図である。
【図6】第4実施形態のフローチャートの1例を示す図である
【符号の説明】
1 カメラ
2 レンズ
3 ストロボ
4 レンズ光軸
5 撮像範囲
6 ストロボ光軸
7 照射範囲
8a、8b 被写体
9 画面上の撮像範囲
9a、9b 被写体上の撮像範囲
10a、10b 輝度信号分布
11a、11b ストロボ光軸対応位置
21 CCD
25 ピーク検出手段
26、36 テーブル
27 フォーカス調整手段
28 ローパスフィルタ
35 相関判定手段
Claims (6)
- 撮像レンズと、撮像素子を有し被写体像を撮像する手段と、前記撮像素子の出力を輝度信号と色信号に処理する信号処理手段と、フォーカス調整手段と、前記撮像レンズの光軸とは離れた位置に照射光軸を持つストロボとを備えた撮像装置において、前記信号処理手段は、ローパスフィルタを通してから輝度信号分布を得る構成を有し、予めストロボ撮像時の被写体距離と被写体像の所定の部位の基準輝度信号分布のピーク位置との関係を、被写体距離を異ならせた複数組記録したテーブルを持ち、本撮像前にストロボを用いた予備発光による撮像を行ない、前記信号処理手段から得られた前記所定の部位の輝度信号分布のピーク位置に対応する被写体距離を前記テーブルから読み出し、フォーカス調整を行なうことを特徴とする撮像装置。
- 撮像レンズと、撮像素子を有し被写体像を撮像する手段と、前記撮像素子の出力を輝度信号と色信号に処理する信号処理手段と、フォーカス調整手段と、前記撮像レンズの光軸とは離れた位置に照射光軸を持つストロボとを備えた撮像装置において、前記信号処理手段は、ローパスフィルタを通してから輝度信号分布を得る構成を有し、予めストロボ撮影時の被写体距離と被写体像の所定の部位の基準輝度信号分布との関係を、被写体距離を異ならせた複数組記録したテーブルを持ち、本撮像前にストロボを用いた予備発光による撮像を行ない、前記信号処理手段から得られた前記所定の部位の輝度信号分布と前記複数の基準輝度信号分布との相関を取り、相関の最も高い基準輝度信号分布に対応する被写体距離を前記テーブルから読み出し、フォーカス調整を行なうことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1または2に記載の撮像装置において、さらに被写体の周波数成分に応じたオートフォーカス評価値を生成する手段を備えており、画面を複数分割したエリアに分け、該画面エリア別の所定部位に対応する複数の前記テーブルを持ち、前記エリア別に前記オートフォーカス評価値を得て、該オートフォーカス評価値から被写体像の高周波数成分が最も少ないエリアを選択し、そのエリアにかかわる前記輝度信号分布と前記テーブルとを使用することを特徴とする撮像装置。
- 請求項3に記載の撮像装置において、フォーカス調整に関し、撮影レンズの光軸とストロボの照射光軸の水平距離が離れていることを利用する方式であれば、画面を上下分割し、輝度信号分布やAF評価値算出用データは水平画素列を用い、撮影レンズの光軸とストロボの照射光軸の垂直距離(上下方向の距離)が離れていることを利用する方式であれば、画面を左右に分割し、輝度信号分布やAF評価値算出用データは垂直画素列を用いることを特徴とする撮像装置。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の撮像装置において、1連の複数回のストロボ発光を再度充電することなく間欠的に行うことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の撮像装置において、被写体距離が近い撮影状態を選択するマクロモードを有し、前記フォーカス調整は、マクロモードのみに限定することを特徴とする撮像装置。
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