JP3954212B2 - アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法 - Google Patents

アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法 Download PDF

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    • C04B35/109Refractories by fusion casting containing zirconium oxide or zircon (ZrSiO4)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法に係わり、特にアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材特性を迅速かつ非破壊で測定可能なアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融鋳造耐火物は、化学組成の点から、アルミナ・ジルコニア・シリカ系、アルミナ系及び高ジルコニア系等の耐火物に分類できる。これらの耐火物は、例えばアーク電気炉中で溶融し、この溶湯を鋳型に流し込み、さらに常温にまで冷却固化して得られるため、緻密で、発達した結晶構造をしている。したがって、これらの耐火物は、ガラス溶融槽窯の炉材として好んで使用され、通常の結合耐火物に比較し、耐蝕性等に優れ、対ガラス汚染性が低い。
【0003】
これらの中で、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物は、アルミナ、ジルコニア及びシリカの主成分に加え、少量の酸化ナトリウム成分を添加することによってシリカ成分をナトリウムアルミノシリケート組成のマトリックスガラス相とし、これが、バッデライト、コランダム及びこれらの共晶からなる結晶相を取り囲む構造にするという、鉱物学的特徴を巧みに利用したものである。
【0004】
しかし、比較的多くのマトリックスガラスを含有するため、高温下で、それ自身あるいはその反応物が耐火物外に滲出するという現象が生じる。この現象は、溶融ガラスに対し、直接的あるいは間接的に、ノット、コード、ストーン及びブリスター等のガラス欠点をもたらし、ガラスの生産性を低下させる。
【0005】
これまでに、上記マトリックスガラスの滲出を低減するために様々な提案がなされている。その中で、耐火物の酸化度を上げる(厳密には、酸化還元度をより酸化側へ変化させる)ことは有効である。
【0006】
例えば、原料を微粒子にし、比表面積を大きくし酸化度を高くし、かつこれに酸化性のガスを吸着させる(特公平5−8143)。原料に酸化剤を添加する(特公平5−30793)。原料中のFe及びTi酸化物の不純物含量を抑える(特公平4−29628)。さらに、これらのみならず他の不純物(Cr、Cu等)の含量を制限するものである(特公平5−7350)。
【0007】
さらに最近では、酸化剤として、酸化スズ、酸化アンチモン。あるいは酸化セリウム等を添加する方法(特開平10−67570及び特開平10−72264)が提案されている。
【0008】
上記のように酸化度の改善がなされれば、この度合い(酸化還元度)を評価する方法が必要である。酸化還元度を評価する方法は、現在定量的なものはない。一般には、酸化還元度の違いにより、色調が変化する。経験的に、酸化度が進むほど、この順に灰色系、白色系、橙色系に変化するといわれ、後者ほど炉材特性に優れる場合が多い。酸化度を低下させる物質は、Fe 、TiO 及びZrO の不飽和酸化物、炭素、炭化物と考えられるが、詳細な研究は見当たらない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、耐火物をガラス溶解槽窯に用いた場合の酸化度等に起因する溶解ガラスの汚染性を評価するためには、マトリックスガラスの滲出量を測定するのが良い方法である。従来、マトリックスガラスの滲出量の測定は、一般にこの滲出量を耐火物の加熱前後の体積変化で評価するという方法が普及していたが、この測定法は必ずしも定量的でなかった。そこで、より定量的な方法が提案された(耐火物48(11)624 1996あるいは特開平10−132724)。
【0010】
これは、加熱による耐火物の重量変化でマトリックスガラスの滲出量を評価する方法で、定量的な測定方法であり、特に滲出機構等を調べるための評価方法としては優れている。
しかし、試料の加工及び加熱を要するため、ある程度の時間と労力を必要としていた。また、試料は、耐火物から一部抽出するため、実際にガラス溶融槽窯に用いる耐火物においては、測定することが困難であった。
【0011】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材特性を迅速かつ非破壊で測定可能なアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため本発明(請求項1)は、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材特性を物体色(JISZ8729に規格されるL*** 表示系により表示)に基づき評価する方法であって、前記アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色を知覚的にほぼ均等な歩度をもつ三次元色空間における座標の一つで表される明度指数(L* )及び/又は知覚的にほぼ均等な歩度をもつ三次元色空間における二つの座標で表されるクロマティクネス指数a* 、b* から演算される彩度指数(C* ab=(a*2+b*21/2 )で表し、前記明度指数(L* )及び/又は彩度指数(C* ab)をそれぞれ予め定めた設定範囲である明度指数(L * )87.0以上、彩度指数(C * ab )6.00以上と比較し、前記明度指数(L* )及び/又は彩度指数(C* ab)が該設定範囲内のとき前記アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物が炉材として適していると判断することを特徴とする。
【0013】
アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色である明度指数(L )と彩度指数(C ab)が、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材特性と密接な関係のあることを実験的に確認した。そこで、まずJISZ8729に規格されるL 表示系に基づきアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色を測定する。炉材特性の評価は明度指数(L )と彩度指数(C ab)に基づき行う。彩度指数(C ab)は、クロマティクネス指数a 、b から演算(C ab=(a*2+b*21/2 )により算出する。
【0014】
次に、明度指数(L* )及び/又は彩度指数(C* ab)をそれぞれ予め定めた設定範囲と比較する。そして、明度指数(L* )及び/又は彩度指数(C* ab)がこの設定範囲内のときアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物が炉材として適していると判断する。明度指数(L* )と彩度指数(C* ab)共にそれぞれ予め定めた設定範囲内とすれば物体色としての色調変化をほぼ光学的に網羅出来るため、炉材特性の評価として最も望ましいが、明度指数(L* )と彩度指数(C* ab)を各々個別に評価した場合でもほとんど炉材特性の評価に変わる所は無かったので、明度指数(L* )又は彩度指数(C* ab)のいずれかのみで評価してもよい。
品質管理において、明度指数(L * )の設定範囲は87.0以上、彩度指数(C * ab )の設定範囲は6.00以上とすることにより、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材としての品質の信頼性を高く維持出来る。そして、炉材をガラス溶解槽窯に用いた場合には、ガラス窯操業全期における対ガラス汚染性を低減でき、あるいは突発的対ガラス汚染の発生確率を下げることが出来る。
【0015】
以上により、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材特性を明度及び彩度によって迅速かつ非破壊で測定できる。このため、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の品質の信頼性を高く維持出来る。
【0016】
また、本発明(請求項2)は、前記炉材は、ガラス溶解槽窯に用いられることを特徴とする。
【0017】
ガラス溶解槽窯に用いられる炉材としては、通常酸化度の高い炉材が用いられている。従って、酸化度に起因する炉材特性を明度指数(L )と彩度指数(C ab)で評価する。
【0018】
更に、本発明(請求項3)は、前記炉材特性は、マトリックスガラスの滲出性及び/又は泡(ブリスター)特性であることを特徴とする。
【0019】
マトリックスガラスの滲出性と泡(ブリスター)特性は、明度指数(L )と彩度指数(C ab)に密接な関係があることを実験的に確認した。ここに、明度指数(L )と彩度指数(C ab)を測定すれば、マトリックスガラスの滲出性と泡(ブリスター)特性に代えることが可能となる。
【0020】
以上により、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の代表的な炉材特性であるマトリックスガラスの滲出性と泡特性が、明度及び彩度を測定することで容易に推定可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物は、化学組成面から、主成分としてAl 、ZrO 、及びSiO 、少量成分としてNa O、また不純物として微量のFe 及びTiO 等を含有するものである。
【0025】
しかし、Na2 Oの代わりにアルカリ金属の酸化物あるいはアルカリ土類金属の酸化物、あるいは特平5−30793、特開平10−67570及び特開平10−72264等に示されているように、溶融鋳塊中に残存するか否かに関わらず、原料中に酸化剤またはその特性を変化させる少量の添加成分を含有するものにも適用できる。
【0026】
このアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色は、色彩色差計(例えば、ミノルタ社製CR−300型)を用いて、JISZ8722に準拠し測定されるようになっている。ここに、JISZ8722には、2度視野に基づくX,Y,Z表色系等により物体色を測定する方法が規定されている。
【0027】
そして、JISZ8729に基づき、色のL 表示系における明度指数(L )及び彩度指数(C ab=(a*2+b*21/2 )が求められるようになっている。ここに、JISZ8729には、物体色をL 表示系(国際照明委員会が1976年に推奨した知覚的にほぼ均等な歩度をもつ色空間)により表示する方法が規定されている。
【0028】
次に、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色(JISZ8729に基づく色のL 表示系)とマトリックスガラスの滲出性、泡特性等の炉材特性との相関関係について説明する。
本発明者らは、JISZ8729に基づく色のL 表示系において、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の色に関しての測定を行った。さらに、それらについて、マトリックスガラスの滲出、泡特性等の炉材特性を測定し、相関関係を分析した。
【0029】
その結果、JISZ8729に基づく色のL 表示系における、明度指数(L )及び彩度指数(C ab=(a*2+b*21/2 )とマトリックスガラスの滲出性、泡特性等の炉材特性との間に高い相関を示すことを見出した。したがって、JISZ8729に基づいて明度指数(L )及び彩度指数(C ab=(a*2+b*21/2 )を測定、算出することで、マトリックスガラスの滲出性、泡特性等によって炉材特性を予め評価することが出来る。
【0030】
この方法によると非破壊で実施できるため、実際にガラス溶解槽窯に用いる耐火物にも適用できる。さらに、このような耐火物は、一般には同一鋳塊内においても色調の異なる部位が存在し、かつ、1測定範囲に比べ、鋳塊が大型であるので、このような場合、多くの箇所について測定すべきである。
【0031】
この方法で測定した明度指数及び彩度指数に基づいて、耐火物の使用特性を考慮し、使用部位を策定すれば、耐火物の合理的使用、ひいては対ガラス汚染性を低減できる。
【0032】
アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物は、ZrO 含量(例えば、31重量%−44重量%)等によって数種の品種のものが市販されているが、これらの滲出量は、1500℃にて48時間にて、通常、1.0重量%程度である。しかし、製造上の何らかの問題で、灰色を呈し、マトリックスガラスの滲出量及び泡特性が劣る、1500℃にて48時間の滲出量が3重量%に達する耐火物が得られる場合がある。
【0033】
このような正常でない耐火物をJISZ8729に基づいて明度指数(L )及び彩度指数(C ab=(a *2+b*21/2 )を測定すると、多くが明度指数(L )が87.0未満かつ彩度指数(C ab)が6.00未満である。したがって、明度指数(L )が87.0以上または彩度指数(C ab)が6.00以上、より望ましくは、明度指数(L )が87.0以上かつ彩度指数(C ab)が6.00以上であるアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物は、その炉材特性が少なくとも異常ではない。
【0034】
従って、品質管理において、明度指数(L )が87.0以上または彩度指数(C ab)が6.00以上、より望ましくは、明度指数(L )が87.0以上かつ彩度指数(C ab)が6.00以上である耐火物のみを使用すれば、品質の信頼性を高く維持でき、ガラス窯操業全期における対ガラス汚染性を低減でき、あるいは突発的対ガラス汚染の発生確率を下げることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものでない。
本発明の測定に用いた試料の作成方法の例を以下に示す。まず、ジルコン、脱珪酸ジルコン、バイヤー法アルミナ、珪砂、炭酸ナトリウム及び一部酸化スズを所定量秤取り混合した。
【0036】
この原料混合物を、黒鉛電極を備える最大500kVAまたは3400kVAの電気炉にて、約1900℃にて溶融し、溶融が終了する時点で、酸化度を変化させる目的で酸素を0L/kgないし5.0L/kgの割合で溶湯に吹き込み、鋳型に出湯した。鋳型は砂を材料として作成したもので、予めシリカ・アルミナ中空ボールに埋め込んであり、大きさは、表1に示すA、B及びCの3種類である。
【0037】
【表1】
Figure 0003954212
【0038】
得られた鋳塊の組成は、4つに大別でき、それらを表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0003954212
【0040】
ついで、鋳塊を切断又は研磨して、表皮部分を除去したり、あるいは評価に必要な面を得た。これらの面について、色彩色差計を用いて、明度指数(L )及び彩度指数(C ab=(a*2+b*21/2 )を求めた。なお、これらの結果は、後述するマトリックスガラスの滲出量及び泡特性の測定をするための処理を行っても、変化することはなかった。色に関する測定結果は、便宜上、下記評価試験を行う直前のそれを示すこととする。
【0041】
マトリックスガラスの滲出量(以下、単に滲出量と称する。)は、前出の測定法(耐火物48(11)624 1996)に基づき表3に示すように、30試料(実施例1〜30)について測定した。
【0042】
【表3】
Figure 0003954212
【0043】
試料は、直径30mmとなるように鋳塊からコアドリルで刳り貫き、高さ30mmに切断加工し、円柱状とした。明度指数及び彩度指数を測定した後、滲出量を測定した。加熱処理は、1500℃にて48時間であり、滲出量は、加熱による重量減少の百分率比で表す。この結果を表3に示す。
【0044】
明度指数と滲出量との関係及び彩度指数と滲出量との関係を、それぞれ図1及び図2に示す。図1及び図2から、明度指数及び彩度指数と滲出量との間には、高い相関があり、明度指数及び彩度指数は、マトリックスガラスの滲出性を評価する方法に適していることがわかる。
【0045】
前述したように、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物は、ZrO 含量に関わらず、1500℃にて48時間加熱処理した際の滲出量は、通常、1.0重量%程度である。表3に示した滲出量を表4のように正常レベルを基準にし、滲出指数を分類し、明度指数及び彩度指数とこれとの関係を調べた。
【0046】
【表4】
Figure 0003954212
【0047】
その結果を図3に示す。滲出指数(EX1〜4)は、その数字が少ないほど、良好であることを示す。
図3から、明度指数(L )が87.0以上及び/又は彩度指数(C ab)が6.00以上の設定範囲では、マトリックスガラスの滲出性の不良な試料は存在しないことがわかる。したがって、このような規定を満たす耐火物はマトリックスガラスの滲出性が良好な耐火物であり、上記設定範囲は、良い品質管理方法として適用できることがわかる。
【0048】
また、泡特性の評価試験は、直径35mmとなるように鋳塊からコアドリルで切り貫き、切断加工して、厚さ5mmとした円盤状の試料を用いて行った。この試料の明度指数及び彩度指数を測定した後、前記試料上に内径30mm、外径35mm、高さ8mmに加工した同素材のリングを載せ、さらに、この中にブラウン管ガラス10.0gを入れ、このまま1500℃にて48時間加熱した。そして、残存する泡数を光学顕微鏡で計測し、個/cm に換算した。試料数は18(実施例51〜68)であり、この結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
Figure 0003954212
【0050】
明度指数と残存泡数との関係及び彩度指数と残存泡数との関係を、それぞれ図4及び図5に示す。図4及び図5から、明度指数及び彩度指数と残存泡数すなわち泡特性との間には、高い相関があり、明度指数及び彩度指数は、泡特性を評価する方法に適していることがわかる。
【0051】
ブラウン管ガラスに対する当該試験法の1500℃にて48時間後の残存泡数は、150個/cm 程度である。そこで、表5に示した残存泡数を正常レベルを基準として、表6のように発泡指数として分類し、明度指数及び彩度指数とこれとの関係を調べた。
【0052】
【表6】
Figure 0003954212
【0053】
その結果を図6に示す。発泡指数(BLl〜4)は、その数字が少ないほど、泡特性が良好であることを示す。
図6から、明度指数(L )が87.0以上及び/又は彩度指数(C ab)が6.00以上では、発泡特性の不良な試料は存在しないことがわかる。したがって、上記設定範囲を満たす耐火物は良好な泡特性を有する耐火物であり、上記設定範囲の指定は、良い品質管理方法として適用できることがわかる。
【0054】
以上のように、明度指数(L )が87.0以上及び/又は彩度指数(C ab)が6.00以上と規定したが、これは、主に先に示したマトリックスガラスの滲出性及び泡特性を評価する条件に基づく範囲指定である。これらの範囲は、これら評価条件に限定されるものではない。したがって、耐火物の使用温度、雰囲気、部位等の条件によっては、上記範囲は別の設定をすることを妨げられない。
【0055】
また、大型品について、複数箇所の色に関する測定を行った場合、明度指数及び彩度指数に関する統計的処理(例えば、平均値を代表値にする、又は最低値を問題にする等)、あるいはこれに基づく規定範囲に関しては問わない。
【0056】
以上により、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の酸化度に由来するマトリックスガラスの滲出性、泡特性などの炉材特性を的確、かつ迅速に、さらに非破壊で測定出来る。このため、品質の信頼性を高く維持でき、溶解ガラスの汚染性を低減できる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色である明度指数(L )と彩度指数(C ab)を測定し、それぞれ予め定めた設定範囲と比較して炉材特性を評価することとしたので、炉材特性を迅速かつ非破壊で測定できる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】 明度指数とマトリックスガラスの滲出量との関係を示す図
【図2】 彩度指数とマトリックスガラスの滲出量との関係を示す図
【図3】 正常レベルを基準に分類した滲出指数を、明度指数及び彩度指数と共に評価した図
【図4】 明度指数と残存泡数との関係を示す図
【図5】 彩度指数と残存泡数との関係を示す図
【図6】 正常レベルを基準に分類した残存指数を、明度指数及び彩度指数と共に評価した図
【符号の説明】
明度指数
ab 彩度指数
、b クロマティクネス指数

Claims (3)

  1. アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の炉材特性を物体色(JISZ8729に規格されるL*** 表示系により表示)に基づき評価する方法であって、
    前記アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の物体色を知覚的にほぼ均等な歩度をもつ三次元色空間における座標の一つで表される明度指数(L* )及び/又は知覚的にほぼ均等な歩度をもつ三次元色空間における二つの座標で表されるクロマティクネス指数a* 、b* から演算される彩度指数(C* ab=(a*2+b*21/2 )で表し、
    前記明度指数(L* )及び/又は彩度指数(C* ab)をそれぞれ予め定めた設定範囲である明度指数(L * )87.0以上、彩度指数(C * ab )6.00以上と比較し、
    前記明度指数(L* )及び/又は彩度指数(C* ab)が該設定範囲内のとき前記アルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物が炉材として適していると判断することを特徴とするアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法。
  2. 前記炉材は、ガラス溶解槽窯に用いられることを特徴とする請求項1記載のアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法。
  3. 前記炉材特性は、マトリックスガラスの滲出性及び/又は泡(ブリスター)特性であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアルミナ・ジルコニア・シリカ溶融耐火物の評価方法。
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