しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、送信できるのは既存のLANのメールボックスに蓄積されたメール文書のみであり、FAXに読み込ませた送信原稿情報を指定した宛先にメール送信することや、FAXに読み込ませた送信原稿情報を指定した宛先に公衆電話回線を介して送信し同時にメール送信することはできなかった。
そこで、本発明は、FAXに読み込ませた送信原稿情報に対する、メール送信と公衆電話回線を介した送信とを、一括して実行できるファクシミリ通信システムを提供することを第1の目的とする。
ところで、従来から多くのFAXは上述した同報送信という機能を備えている。
しかしながら、従来の同報送信は、実際には一時点では送信先は1台のFAXであるため、順次に1台ずつ送信先のFAXに対して送信していた。従って、送信先のFAXの台数が多い場合等には、全ての送信先FAXへ送信を完了するまでに長時間を必要とし、その間送信する側のFAXはこの同報送信のために専有されてしまうため、他の送受信ができないという問題があった。
そこで、本発明は、同報送信を短時間で効率的に実行できるファクシミリ通信システムを提供することを第2の目的とする。
請求項1の発明は、公衆電話回線に接続された第1のファクシミリ装置と、前記第1のファクシミリ装置に接続され且つ前記第1のファクシミリ装置以外の複数の第2のファクシミリ装置を含む複数の電子機器端末が接続されたネットワークに接続された情報処理装置と、を備えたファクシミリ通信システムであって、前記第1のファクシミリ装置は、送信原稿から送信原稿情報を読み取る読取手段と、オペレータが各種指示コマンドを入力するための入力手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンド及び前記読取手段により読み取られた送信原稿情報を、前記情報処理装置に送信する送信手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンドに基づいて、前記読取手段が読み取った送信原稿情報を、同報送信する同報送信手段と、前記同報送信手段による同報送信の各宛先の送信結果を、前記情報処理装置に送信する同報送信結果送信手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記送信手段により送信された各種指示コマンド及び送信原稿情報と、前記同報送信結果送信手段により送信された同報送信の各宛先の送信結果と、を受信する受信手段と、同報送信を実行できる状態にある前記第2のファクシミリ装置を探索する探索手段と、前記受信手段により受信された各種指示コマンドに基づいて、前記探索手段により探索された第2のファクシミリ装置に、前記受信手段により受信された送信原稿情報を、同報送信するように命令する同報送信命令手段と、前記同報送信命令手段が命令した同報送信の各宛先の送信結果と、前記受信手段により受信された同報送信の各宛先の送信結果と、が掲載されるレポートを出力するためのレポート情報を作成するレポート情報作成手段と、前記レポート情報作成手段により作成されたレポート情報を前記第1のファクシミリ装置に転送するレポート情報転送手段と、を有し、前記第1のファクシミリ装置は、前記レポート情報転送手段により転送されたレポート情報をレポートとして出力する出力手段を更に有することを特徴とする。
また、本願は、第1〜13の発明のように構成されたものでもよい。
第1の発明は、複数の電子機器端末が相互に接続されたネットワークに接続された特定の情報処理装置と、この特定の情報処理装置に直接または前記ネットワークを介して接続され且つ公衆電話回線に接続されたファクシミリ装置と、を備えたファクシミリ通信システムであって、前記ファクシミリ装置は、送信原稿から送信原稿情報を読み取る読取手段と、オペレータが各種指示コマンドを入力するための入力手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンド並びに前記読取手段により読み取られた送信原稿情報を、前記特定の情報処理装置に送信する送信手段と、を有し、前記特定の情報処理装置は、前記送信手段により送信された各種指示コマンド並びに送信原稿情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された各種指示コマンドに基づいて、前記受信手段により受信された送信原稿情報を、メール送信するメール送信手段と、を有することを特徴とする。
第2の発明は、複数の電子機器端末が相互に接続されたネットワークに接続された特定の情報処理装置と、この特定の情報処理装置に直接または前記ネットワークを介して接続され且つ公衆電話回線に接続されたファクシミリ装置と、を備えたファクシミリ通信システムであって、前記ファクシミリ装置は、送信原稿から送信原稿情報を読み取る読取手段と、オペレータが各種指示コマンドを入力するための入力手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンド並びに前記読取手段により読み取られた送信原稿情報を、前記特定の情報処理装置に送信する送信手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンドに基づいて、前記読取手段が読み取った送信原稿情報を、同報送信する同報送信手段と、を有し、前記特定の情報処理装置は、前記送信手段により送信された各種指示コマンド並びに送信原稿情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された各種指示コマンドに基づいて、前記受信手段により受信された送信原稿情報を、メール送信するメール送信手段と、を有することを特徴とする。
第3の発明は、複数の電子機器端末が相互に接続されたネットワークに接続された特定の情報処理装置と、この特定の情報処理装置に直接または前記ネットワークを介して接続され且つ公衆電話回線に接続されたファクシミリ装置と、を備えたファクシミリ通信システムであって、前記ファクシミリ装置は、送信原稿から送信原稿情報を読み取る読取手段と、オペレータが各種指示コマンドを入力するための入力手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンド並びに前記読取手段により読み取られた送信原稿情報を、前記特定の情報処理装置に送信する送信手段と、前記入力手段から入力された各種指示コマンドに基づいて、前記読取手段により読み取られた送信原稿情報を、同報送信する同報送信手段と、を有し、前記特定の情報処理装置は、前記送信手段により送信された各種指示コマンド並びに送信原稿情報を受信する受信手段と、前記電子機器端末との通信制御信号のやりとりを介して、同報送信を実行できる状態にある前記ファクシミリ装置とは異なる他のファクシミリ装置を探索する探索手段と、前記受信手段により受信された各種指示コマンドに基づいて、前記探索手段が探索した他のファクシミリ装置に、前記受信手段により受信された送信原稿情報を、同報送信するように命令する同報送信命令手段と、を有することを特徴とする。
第4の発明は、第1のファクシミリ通信システムにおいて、前記特定の情報処理装置は、前記メール送信手段が実行したメールの各宛先の送信結果のレポート情報を作成する第1のレポート情報作成手段と、前記第1のレポート情報作成手段により作成されたレポート情報を前記ファクシミリ装置に転送するレポート情報転送手段と、を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記レポート情報転送手段により転送されたレポート情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段が受信したレポート情報を印刷する印刷手段と、を更に有することを特徴とする。
第5の発明は、第2のファクシミリ通信システムにおいて、前記特定の情報処理装置は、前記メール送信手段が実行したメールの各宛先の送信結果と前記同報送信手段が実行した同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポート情報を作成する第2のレポート情報作成手段と、前記第2のレポート情報作成手段により作成されたレポート情報を前記ファクシミリ装置に転送するレポート情報転送手段と、を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記レポート情報転送手段により転送されたレポート情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段が受信したレポート情報を印刷する印刷手段と、を更に有することを特徴とする。
第6の発明は、第3のファクシミリ通信システムにおいて、前記特定の情報処理装置は、前記同報送信手段が実行した同報送信の各宛先の送信結果と前記同報送信命令手段が命令した同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポート情報を作成する第3のレポート情報作成手段と、前記第3のレポート情報作成手段により作成されたレポート情報を前記ファクシミリ装置に転送するレポート情報転送手段と、を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記レポート情報転送手段により転送されたレポート情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段が受信したレポート情報を印刷する印刷手段と、を更に有することを特徴とする。
第7の発明は、第4〜第6のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記入力手段は、前記ファクシミリ装置を含む前記レポート情報の出力先を指示するための出力先指示コマンドも更に入力することができ、前記レポート情報転送手段は、前記出力先指示コマンドで指示された出力先に、前記レポート情報を転送し、前記特定の情報処理装置は、前記出力先の電源断等の異常を、当該出力先との通信制御信号のやりとりを介して検知する異常検知手段を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記出力先指示コマンドに基づいて出力先が自機であるか否かを判断する判断手段と、前記レポート情報転送手段による前記レポート情報の転送を制御する第1の転送制御手段と、を更に有し、前記第1の転送制御手段は、前記異常検知手段により出力先の異常が検知され且つ前記判断手段により出力先が自機ではないと判断された場合に、前記レポート情報転送手段に対して当該出力先へのレポート情報の転送を取り止めるように指示することを特徴とする。
第8の発明は、第4〜第6のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記入力手段は、前記ファクシミリ装置を含む前記レポート情報の出力先を指示するための出力先指示コマンドも更に入力することができ、前記レポート情報転送手段は、前記出力先指示コマンドで指示された出力先に、前記レポート情報を転送し、前記特定の情報処理装置は、前記出力先の電源断等の異常を、当該出力先との通信制御信号のやりとりを介して検知する異常検知手段を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記出力先指示コマンドに基づいて出力先が自機であるか否かを判断する判断手段と、前記レポート情報転送手段による前記レポート情報の転送を制御する第2の転送制御手段と、を更に有し、前記第2の転送制御手段は、前記異常検知手段により出力先の異常が検知され且つ前記判断手段により出力先が自機ではないと判断された場合に、前記レポート情報転送手段に対して前記入力手段からの出力先の再指示に基づいて出力先を変更するように指示することを特徴とする。
第9の発明は、第4〜第6のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記ファクシミリ装置は、前記第2の受信手段により受信されたレポート情報を一時記憶するメモリと、このメモリの使用率を検出するメモリ使用率検出手段と、前記メモリ使用率検出手段が検出したメモリ使用率が予め定められた基準値以上であるか否かを判断するメモリ使用率判断手段と、前記第2の受信手段によるレポート情報の受信と受信したレポート情報の前記印刷手段による印刷とを、制御する第1の制御手段と、を更に有し、前記第1の制御手段は、前記メモリ使用率判断手段により前記メモリ使用率が基準値以上であると判断された場合には、前記第2の受信手段により受信されたレポート情報を前記印刷手段によりダイレクトに印刷するリアルタイム処理を行うように、制御することを特徴とする。
第10の発明は、第4〜第6のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記ファクシミリ装置は、前記第2の受信手段により受信されたレポート情報を一時記憶するメモリと、このメモリの使用率を検出するメモリ使用率検出手段と、前記メモリ使用率検出手段が検出したメモリ使用率が予め定められた基準値以上であるか否かを判断するメモリ使用率判断手段と、前記第2の受信手段によるレポート情報の受信と受信したレポート情報の前記印刷手段による印刷とを、制御する第2の制御手段と、を更に有し、前記第2の制御手段は、前記メモリ使用率判断手段により前記メモリ使用率が基準値以上であると判断された場合には、前記第2の受信手段による受信を中断するように、制御することを特徴とする。
第11の発明は、第4〜第6のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記入力手段は、前記ファクシミリ装置を含む前記レポート情報の出力先を指示するための出力先指示コマンドも更に入力することができ、前記レポート情報転送手段は、前記出力先指示コマンドで指示された出力先に、前記レポート情報を転送し、前記特定の情報処理装置は、前記レポート情報転送手段により前記レポート情報を転送する前に、当該レポート情報の情報量を前記ファクシミリ装置に通知する情報量通知手段を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記出力先指示コマンドに基づいて出力先が自機であるか否かを判断する判断手段と、前記第2の受信手段により受信されたレポート情報を一時記憶するメモリと、このメモリのメモリ使用率を検出するメモリ使用率検出手段と、前記判断手段により出力先が自機であると判断された場合に、前記メモリ使用率検出手段が検出したレポート情報受信前のメモリ使用率と前記情報量通知手段により通知された前記レポート情報の情報量とに基づき、前記第2の受信手段による前記レポート情報の受信後のメモリ使用率が予め定められた基準値以上となるか否かを推定するメモリ使用率推定手段と、前記レポート情報転送手段による前記レポート情報の転送を制御する第3の転送制御手段と、を更に有し、前記第3の転送制御手段は、前記メモリ使用率推定手段により前記レポート情報の受信後のメモリ使用率が基準値以上になると推定された場合には、前記レポート情報転送手段に対してレポート情報の転送を取り止めるように、制御することを特徴とする。
第12の発明は、第4〜第6のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記入力手段は、前記ファクシミリ装置を含む前記レポート情報の出力先を指示するための出力先指示コマンドも更に入力することができ、前記レポート情報転送手段は、前記出力先指示コマンドで指示された出力先に、前記レポート情報を転送し、前記特定の情報処理装置は、前記レポート情報転送手段により前記レポート情報を転送する前に、当該レポート情報の情報量を前記ファクシミリ装置に通知する情報量通知手段を更に有し、前記ファクシミリ装置は、前記出力先指示コマンドに基づいて出力先が自機であるか否かを判断する判断手段と、前記第2の受信手段により受信されたレポート情報を一時記憶するメモリと、このメモリのメモリ使用率を検出するメモリ使用率検出手段と、前記判断手段により出力先が自機であると判断された場合に、前記メモリ使用率検出手段が検出したレポート情報受信前のメモリ使用率と前記情報量通知手段により通知された前記レポート情報の情報量とに基づき、前記第2の受信手段による前記レポート情報の受信後のメモリ使用率が予め定められた基準値以上となるか否かを推定するメモリ使用率推定手段と、前記レポート情報転送手段による前記レポート情報の転送を制御する第4の転送制御手段と、を更に有し、前記第4の転送制御手段は、前記メモリ使用率推定手段により前記レポート情報の受信後のメモリ使用率が基準値以上になると推定された場合には、前記レポート情報転送手段に対して前記入力手段からの出力先の再指示に基づいて出力先を変更するように指示することを特徴とする。
第13の発明は、第1〜第3のいずれか1つのファクシミリ通信システムにおいて、前記入力手段は、前記ファクシミリ装置に公衆電話回線を介して接続された他のファクシミリ装置に備えられた入力手段であり、更に前記読取手段も、当該他のファクシミリ装置に備えられた読取手段であることを特徴とする。
したがって、第1〜第13のファクシミリ通信システムは次のような作用を有する。
第1のファクシミリ通信システムによれば、オペレータがファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力すると、読取手段は送信原稿から送信原稿情報を読み取り、送信手段はこの送信原稿情報並びに入力手段から入力された各種指示コマンドを特定の情報処理装置に送信する。
そして、特定の情報処理装置の受信手段が、送信手段により送信された各種指示コマンド並びに送信原稿情報を受信すると、メール送信手段は、各種指示コマンドに基づいて、送信原稿情報をメール送信する。
これにより、オペレータは、ファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿のメール送信を実行することができる。
第2のファクシミリ通信システムによれば、オペレータがファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力すると、読取手段は送信原稿から送信原稿情報を読み取り、同報送信手段は、各種指示コマンドに基づいて、読取手段が読み取った送信原稿情報を同報送信し、更に送信手段は、この送信原稿情報並びに入力手段から入力された各種指示コマンドを特定の情報処理装置に送信する。
そして、特定の情報処理装置の受信手段が、送信手段により送信された各種指示コマンド並びに送信原稿情報を受信すると、メール送信手段は、各種指示コマンドに基づいて、送信原稿情報をメール送信する。
これにより、オペレータは、ファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿のメール同報送信を実行する、即ちメール送信と同報送信を一括して実行することができる。
第3のファクシミリ通信システムによれば、オペレータがファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力すると、読取手段は送信原稿から送信原稿情報を読み取り、同報送信手段は、各種指示コマンドに基づいて、読取手段が読み取った送信原稿情報を同報送信し、更に送信手段は、この送信原稿情報並びに入力手段から入力された各種指示コマンドを特定の情報処理装置に送信する。
そして、特定の情報処理装置の受信手段が、送信手段により送信された各種指示コマンド並びに送信原稿情報を受信すると、探索手段が電子機器端末との通信制御信号のやりとりを介して、同報送信を実行できる状態にある他のファクシミリ装置を探索し、同報送信命令手段は、各種指示コマンドに基づいて、探索手段により探索された他のファクシミリ装置に、送信原稿情報を同報送信するように命令し、他のファクシミリ装置により送信原稿情報の同報送信が実行される。
これにより、オペレータは、ファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿の一斉同報送信を実行することができる。また、ネットワークに接続された遊休状態にある他のファクシミリ装置を利用して複数のファクシミリ装置により同報送信を実行するので、1台のみで同報送信するよりも所望の宛先への同報送信を完了するまでの時間が短くなり、ファクシミリ装置の専有時間が短縮され、より効率的な同報送信が実現できる。更に、ネットワークに接続された他のファクシミリ装置を有効に活用することができる。
第4のファクシミリ通信システムによれば、第1のレポート情報作成手段がメール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果のレポート情報を作成し、レポート情報転送手段がこのレポート情報をファクシミリ装置に転送する。
そして、ファクシミリ装置の第2の受信手段が、レポート情報転送手段により転送されたレポート情報を受信すると、印刷手段がこのレポート情報を印刷する。
これにより、オペレータは、メール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果のレポートを得ることができる。
第5のファクシミリ通信システムによれば、第2のレポート情報作成手段がメール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果と同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポート情報を作成し、レポート情報転送手段がこのレポート情報をファクシミリ装置に転送する。
そして、ファクシミリ装置の第2の受信手段が、レポート情報転送手段により転送されたレポート情報を受信すると、印刷手段がこのレポート情報を印刷する。
これにより、オペレータは、メール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果と同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポートを得ることができる。
第6のファクシミリ通信システムによれば、第3のレポート情報作成手段が同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果と同報送信命令手段により命令された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポート情報を作成し、レポート情報転送手段がこのレポート情報をファクシミリ装置に転送する。
そして、ファクシミリ装置の第2の受信手段が、レポート情報転送手段により転送されたレポート情報を受信すると、印刷手段がこのレポート情報を印刷する。
これにより、オペレータは、同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果と同報送信命令手段により命令された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポートを得ることができる。
第7のファクシミリ通信システムによれば、レポート情報の出力先を指示するための出力先指示コマンドを含むファクシミリ装置からの指示コマンドが特定の情報処理装置の受信手段により受信されると、異常検知手段は出力先指示コマンドで指示された出力先の電源断等の異常を当該出力先との通信制御信号のやりとりを介して検知する。
一方、ファクシミリ装置の判断手段は入力手段から入力された出力先指示コマンドに基づいて出力先が自機であるか否かを判断する。この判断手段により出力先が自機ではないと判断され且つ特定の情報処理装置の異常検知手段により当該出力先の異常が検知された場合に、第1の転送制御手段は特定の情報処理装置のレポート情報転送手段に対して当該出力先へのレポート情報の転送を取り止めるように指示する。
この指示を受けたレポート情報転送手段は、異常が検知された出力先へのレポート情報の転送を取り止める。
これにより、レポート情報の出力が不可能な出力先への無駄なレポート情報の転送を防止することができる。
第8のファクシミリ通信システムによれば、第7と同様にして判断手段により出力先が自機ではないと判断され且つ特定の情報処理装置の異常検知手段により当該出力先の異常が検知された場合に、第2の転送制御手段は入力手段からの出力先の再指示を待ち、この出力先の再指示に基づいて特定の情報処理装置のレポート情報転送手段に対して出力先を変更するように指示する。
この指示を受けたレポート情報転送手段は、再指示された出力先へレポート情報を転送し、その出力先でレポートを出力させる。
これにより、オペレータは最初に指示した出力先に異常がある場合には、その出力先に代わる別の出力先を再指示する事により、その別の出力先でレポートを出力させることができる。
第9のファクシミリ通信システムによれば、ファクシミリ装置の第2の受信手段によりレポート情報が受信され、メモリに順次一時記憶されると、メモリ使用率検出手段はこのメモリの使用率を検出し、メモリ使用率判断手段はこのメモリ使用率が予め定められた基準値以上であるか否かを判断する。
そして、メモリ使用率判断手段によりメモリ使用率が基準値以上であると判断された場合に、第1の制御手段は、第2の受信手段により受信されたレポート情報を印刷手段によりダイレクトに印刷するリアルタイム処理を行うように制御する。
これにより、メモリ使用率が基準値を上回ることはなく、メモリには一定値以上の残量が確保されるので、第2の受信手段によるレポート情報の受信とそのレポート情報の印刷手段による印刷とを実行している間も、公衆電話回線を介した他のファクシミリ装置との画像情報の送受信を実行することができる。
第10のファクシミリ通信システムによれば、第9と同様にしてメモリ使用率判断手段によりメモリ使用率が予め定められた基準値以上であると判断された場合に、第2の制御手段は、第2の受信手段による受信を中断するように制御する。
これにより、メモリ使用率が基準値を上回ることはなく、メモリには一定値以上の残量が確保されるので、第2の受信手段によるレポート情報の受信を中断している間も、公衆電話回線を介した他のファクシミリ装置との画像情報の送受信を実行することができる。
第11のファクシミリ通信システムによれば、特定の情報処理装置のレポート情報作成手段によりレポート情報が作成されると、レポート情報転送手段によりこのレポート情報が出力先指示コマンドで指示された出力先に転送される前に、情報量通知手段は当該レポート情報の情報量をファクシミリ装置に通知する。
一方、ファクシミリ装置の判断手段は出力先指示コマンドに基づいて出力先が自機であるか否かを判断する。この判断手段により出力先が自機であると判断された場合に、メモリ使用率推定手段は、メモリ使用率検出手段が検出したレポート情報受信前のメモリ使用率と情報量通知手段により通知されたレポート情報の情報量とに基づき、第2の受信手段によるレポート情報の受信後のメモリ使用率が予め定められた基準値以上となるか否かを推定する。
そして、第3の転送制御手段は、メモリ使用率推定手段によりレポート情報受信後のメモリ使用率が基準値以上になると推定された場合に、レポート情報転送手段に対してレポート情報の転送を取り止めるように制御する。
これにより、レポート情報転送手段によりレポート情報がファクシミリ装置に転送されて当該ファクシミリ装置のメモリ使用率が基準値以上になってしまうのを、未然に防ぐことができる。
第12のファクシミリ通信システムによれば、第11と同様にしてメモリ使用率推定手段によりレポート情報受信後のメモリ使用率が予め定められた基準値以上になると推定された場合に、第4の転送制御手段は入力手段からの出力先の再指示を待ち、その再指示に基づいてレポート情報転送手段に対して出力先を変更するように指示する。
これにより、レポート情報転送手段によりレポート情報がファクシミリ装置に転送されて当該ファクシミリ装置のメモリ使用率が基準値以上になってしまうのを、未然に防ぐことができる。
また、レポート情報転送手段は、再指示された出力先へレポート情報を転送し、その出力先でレポートを出力させるので、オペレータは最初に指示した出力先であるファクシミリ装置に代わる別の出力先を再指示する事により、その別の出力先でレポートを出力させることができる。
第13のファクシミリ通信システムによれば、入力手段が、ファクシミリ装置に公衆電話回線を介して接続された他のファクシミリ装置に備えられた入力手段であり、更に読取手段も、当該他のファクシミリ装置に備えられた読取手段であることから、操作員は、遠隔地のファクシミリ装置にて送信原稿を読み取らせ、各種指示コマンドを入力することができる。
したがって、第1〜第13のファクシミリ通信システムは次のような優れた効果を有する。
第1のファクシミリ通信システムによれば、特定の情報処理装置のメール送信手段は、ファクシミリ装置の入力手段から入力された各種指示コマンドに基づいて、送信原稿情報をメール送信するので、オペレータは、ファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿のメール送信を実行することができるという優れた効果を有する。
第2のファクシミリ通信システムによれば、特定の情報処理装置のメール送信手段は、ファクシミリ装置の入力手段から入力された各種指示コマンドに基づいて、送信原稿情報をメール送信し、ファクシミリ装置の同報送信手段も、各種指示コマンドに基づいて、送信原稿情報を同報送信するので、オペレータは、ファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿のメール同報送信を実行する、即ちメール送信と同報送信を一括して実行することができるという優れた効果を有する。
第3のファクシミリ通信システムによれば、特定の情報処理装置の同報送信命令手段は、各種指示コマンドに基づいて、探索手段により探索された他のファクシミリ装置に送信原稿情報を同報送信するように命令し、ファクシミリ装置の同報送信手段も、各種指示コマンドに基づいて、送信原稿情報を同報送信するので、オペレータは、ファクシミリ装置の所定位置に送信原稿をセットし、入力手段から各種指示コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿の一斉同報送信を実行することができる。また、ネットワークに接続された遊休状態にある他のファクシミリ装置を利用して複数のファクシミリ装置により同報送信を実行するので、1台のみで同報送信するよりも所望の宛先へ同報送信を完了するまでの時間が短くなり、ファクシミリ装置の専有時間が短縮され、より効率的な同報送信が実現できるという優れた効果を有する。更に、ネットワークに接続された他のファクシミリ装置を有効に活用することができるという優れた効果も有する。
第4のファクシミリ通信システムによれば、メール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果のレポート情報は、第1のレポート情報作成手段により作成された後、ファクシミリ装置に転送され、印刷手段により印刷されるので、オペレータは、メール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果のレポートを得ることができるという優れた効果を有する。
第5のファクシミリ通信システムによれば、メール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果と同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポート情報は、第2のレポート情報作成手段により作成された後、ファクシミリ装置に転送され、印刷手段により印刷されるので、オペレータは、メール送信手段により実行されたメールの各宛先の送信結果と同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポートを得ることができるという優れた効果を有する。
第6のファクシミリ通信システムによれば、同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果と同報送信命令手段により命令された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポート情報は、第3のレポート情報作成手段により作成された後、ファクシミリ装置に転送され、印刷手段により印刷されるので、オペレータは、同報送信手段により実行された同報送信の各宛先の送信結果と同報送信命令手段により命令された同報送信の各宛先の送信結果とを含んだレポートを得ることができるという優れた効果を有する。
第7のファクシミリ通信システムによれば、ファクシミリ装置の判断手段により出力先が自機ではないと判断され且つ特定の情報処理装置の異常検知手段により当該出力先の異常が検知された場合に、第1の転送制御手段は特定の情報処理装置のレポート情報転送手段に対して当該出力先へのレポート情報の転送を取り止めるように指示し、この指示を受けたレポート情報転送手段は、異常が検知された出力先へのレポート情報の転送を取り止めるので、レポート情報の出力が不可能な出力先への無駄なレポート情報の転送を防止することができるという優れた効果を有する。
第8のファクシミリ通信システムによれば、ファクシミリ装置の判断手段により出力先が自機ではないと判断され且つ特定の情報処理装置の異常検知手段により当該出力先の異常が検知された場合に、第2の転送制御手段は特定の情報処理装置のレポート情報転送手段に対して出力先を変更するように指示し、この指示を受けたレポート情報転送手段は、再指示された出力先へレポート情報を転送し、その出力先でレポートを出力させるので、オペレータは最初に指示した出力先に異常がある場合には、その出力先に代わる別の出力先を再指示する事により、その別の出力先でレポートを出力させることができるという優れた効果を有する。
第9のファクシミリ通信システムによれば、メモリ使用率判断手段によりメモリ使用率が予め定められた基準値以上であると判断された場合に、第1の制御手段は、第2の受信手段により受信されたレポート情報を印刷手段によりダイレクトに印刷するリアルタイム処理を行うように制御するので、メモリ使用率が基準値を上回ることはなく、メモリには一定値以上の残量が確保され、第2の受信手段によるレポート情報の受信とそのレポート情報の印刷手段による印刷とを実行している間も、公衆電話回線を介した他のファクシミリ装置との画像情報の送受信を実行することができるという優れた効果を有する。
第10のファクシミリ通信システムによれば、メモリ使用率判断手段によりメモリ使用率が予め定められた基準値以上であると判断された場合に、第2の制御手段は、第2の受信手段による受信を中断するように制御するので、メモリ使用率が基準値を上回ることはなく、メモリには一定値以上の残量が確保され、第2の受信手段によるレポート情報の受信を中断している間も、公衆電話回線を介した他のファクシミリ装置との画像情報の送受信を実行することができるという優れた効果を有する。
第11のファクシミリ通信システムによれば、メモリ使用率推定手段により、レポート情報受信前のメモリ使用率とレポート情報の情報量とに基づき、レポート情報受信後のメモリ使用率が予め定められた基準値以上となると推定された場合に、第3の転送制御手段はレポート情報転送手段に対してレポート情報の転送を取り止めるように制御するので、レポート情報転送手段によりレポート情報がファクシミリ装置に転送されて当該ファクシミリ装置のメモリ使用率が基準値以上になってしまうのを、未然に防ぐことができるという優れた効果を有する。
第12のファクシミリ通信システムによれば、メモリ使用率推定手段により、レポート情報受信前のメモリ使用率とレポート情報の情報量とに基づき、レポート情報受信後のメモリ使用率が予め定められた基準値以上となると推定された場合に、第4の転送制御手段は入力手段からの出力先の再指示を待ち、その再指示に基づいてレポート情報転送手段に対して出力先を変更するように指示するので、レポート情報転送手段によりレポート情報がファクシミリ装置に転送されて当該ファクシミリ装置のメモリ使用率が基準値以上になってしまうのを、未然に防ぐことができるという優れた効果を有する。
また、レポート情報転送手段は、再指示された出力先へレポート情報を転送し、その出力先でレポートを出力させるので、オペレータは最初に指示した出力先であるファクシミリ装置に代わる別の出力先を再指示する事により、その別の出力先でレポートを出力させることができるという優れた効果も有する。
第13のファクシミリ通信システムによれば、入力手段が、ファクシミリ装置に公衆電話回線を介して接続された他のファクシミリ装置に備えられた入力手段であり、更に読取手段も、当該他のファクシミリ装置に備えられた読取手段であることから、操作員は、遠隔地のファクシミリ装置にて送信原稿を読み取らせ、各種指示コマンドを入力することができるという優れた効果を有する。
以下、図面を参照して、本発明のファクシミリ通信システムの一実施例を説明する。
図1には、本実施例に係るファクシミリ通信システム80を含むLAN(ローカルエリアネットワーク)62の全体構成が示されている。
ファクシミリ通信システム80は、FAX10とこのFAX10に直接接続されたホストコンピュータ(以下、適宜「ホスト」という)30とから構成されており、このホスト30はネットワーク網64にも接続されている。なお、このホスト30はLAN62中のメインコンピュータである。
また、ネットワーク網64には、ホスト30以外に、FAX10とは別のFAX58、60と、プリントサーバ50と、ファイルサーバ54と、プリンタ56とが接続されている。
プリントサーバ50は、これに直接接続されたプリンタ52のプリントデータの一時的な蓄積やプリンタ52の稼働状況の管理等を行うために割り当てられたワークステーションである。また、ファイルサーバ54は、大量の記憶容量を有し、ホスト30の演算処理データ等を記憶し管理するために割り当てられたワークステーションである。更に、プリンタ56は、ネットワーク網64に直接接続し他のワークステーションからのデータを受信するための図示しないネットワークインタフェース制御部を備えている。
また、FAX10、FAX58、及びFAX60は、それぞれ公衆電話回線網につながった公衆電話回線70、72、74にも接続されている。
また、図2には、FAX10の概略構成が示されている。
このFAX10は、FAX10の全体を制御する制御部12と、オペレータが各種指示を入力したりオペレータに対する各種の指示内容が表示される入力手段としての操作パネル14と、送信する原稿を読み取る読取手段としての読取部16と、相手方FAXから受信した受信データやホスト30から転送された情報等を記録紙上にプリントする印刷手段としての印刷部18と、読取部16で読み取られた送信データに対し所定のフォーマットで符号化を行う符号化部20と、公衆電話回線70を介して接続された相手方FAXとの送受信を行う送受信部22と、受信した受信データ及び読取部16が原稿から読み取った送信データを記憶するメモリ24と、接続回線68を介してFAX10をホスト30と接続するホスト接続部26と、を含んで構成されている。
この内、制御部12は、実際には、CPU、ROM、RAM、I/O等を有するマイクロコンピュータにより構成され、前記各部にシステムバス28を介して接続されている。この制御部12は、前記各部のジョブの流れを管理する。
操作パネル14は、多数の操作キーが配置されたキーボードと液晶ディスプレイ等で構成される。
読取部16は、原稿を読み取るためのCCDセンサと原稿搬送系とから成るスキャナにより構成される。
印刷部18は、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ等の高速プリンタにより構成される。
送受信部22は、公衆電話回線70を介して接続された他のファクシミリ装置(図示省略)との回線の接続、切断、及び着呼検知等を行う機能部で、具体的には、モデム、NCU(網制御装置)から成るG3回線制御部と、G4回線制御部とを含む。
ホスト接続部26は、ホストとのチャネル接続用アダプター等から構成される。
また、図3には、ホスト30の概略構成が示されている。
このホスト30は、システム全体の制御や各種の高速な演算処理を行う中央処理部32と、オペレータが各種の指示を入力したりオペレータに対する各種の指示内容が表示される操作端末34と、接続回線66を介してホスト30をネットワーク網64と接続するLAN接続部38と、上述した中央処理部32にて演算するデータ等を記憶する記憶部40と、接続回線68を介してホスト30をFAX10と接続するFAX接続部42と、を含んで構成されている。
この内、中央処理部32は、実際には、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェイス等により構成され、前記各部にシステムバス44を介して接続されている。
操作端末34は、多数の操作キーが配置されたキーボードとディスプレイ等で構成される。
LAN接続部38は、中央処理部32とネットワーク網64とのインタフェース制御を行うハードモジュールで、例えばSCSIインタフェース等を含んで構成される。
記憶部40は、磁気ディスク装置等の大容量の記憶装置から構成される。
FAX接続部42は、FAXとのチャネル接続用アダプター等から構成される。
次に、上述のように構成された本実施例の作用を、まずFAX10の制御部12による制御ルーチンを示す図4のフローチャートに沿って説明する。なお、この制御ルーチンが開始するのは、オペレータがFAX10の所定位置に送信原稿をセットし、操作パネル14からコマンド、送信レポートの出力先情報、メール宛先情報、同報宛先情報等を入力し、図示しない送信開始ボタンを押した時である。
ステップ100においてオペレータが操作パネル14から指示したコマンド、送信レポートの出力先情報、メール宛先情報、同報宛先情報等を取り込み、ステップ102において送信原稿を読取部16により読み取る。次のステップ104においてステップ102で読み取った送信原稿情報とステップ100で取り込んだコマンド等の情報を、ホスト接続部26を介してホスト30へ送信する。
そして、次のステップ106と108において、オペレータにより指示されたコマンドを判別する。なお、本実施例ではコマンドとして、「一斉同報送信」、「メール同報送信」、及び「メール送信」の3通りのコマンドを想定している。
コマンドが「一斉同報送信」の場合は、ステップ114において自機に割当てた分の同報宛先への同報送信を実行し、次のステップ116においてその同報送信の終了が確認されるまでその実行を続け、終了後はステップ118へ進む。ステップ118ではステップ114で実行した同報送信の送信結果をホスト30へ送信し、図5のステップ120へ進む。
また、コマンドが「メール同報送信」の場合は、ステップ110において同報宛先への同報送信を実行し、次のステップ112において全ての同報宛先に対する同報送信の終了が確認されるまで同報送信の実行を続け、終了後はステップ118へ進む。ステップ118ではステップ110で実行した同報送信の送信結果をホスト30へ送信し、図5のステップ120へ進む。
更に、コマンドが「メール送信」の場合は、FAX10はメールの送信を実行しないので、図5のステップ120へジャンプする。
一方、図6のホスト30の中央処理部32による制御ルーチンが開始するのは、上記のステップ104での送信原稿情報とコマンド等の情報の送信のためにホスト接続部26とFAX接続部42との間でインタフェース制御が開始された時である。
ステップ200において上述したステップ104でFAX10が送信した送信原稿情報とコマンド等の情報を受信し、次のステップ202、203において、受信したコマンドを判別する。
コマンドが「一斉同報送信」の場合は、ステップ204においてその時点で空いているFAXを捜す。ここでは図1に示すLAN62の環境において、空いているFAX58、60が捜し当てられる。次のステップ205では、これらの空いているFAX58、60へ送信原稿情報と同報宛先情報を送信し、これらのFAX58、60に同報宛先への送信原稿情報の同報送信を実行させる。
そして次のステップ206において、同報送信を実行したFAX10、FAX58、及びFAX60の各々から送信結果を受信する。(FAX10からの受信に関しては、上述したFAX10側のステップ118の同報送信の送信結果の送信に対応する。)そして、次のステップ207においてFAX10、FAX58、及びFAX60の全てのFAXから送信結果を受信したと判断されるまで、ステップ206と207を繰り返す。ステップ207で全てのFAXから送信結果を受信したと判断されたら、ステップ214において受信した全ての送信結果に基づいて、送信レポートのレポート情報を作成する。
また、コマンドが「メール送信」の場合は、ステップ208において送信原稿情報を指示されたメール宛先へメール送信し、ステップ209においてそれらのメール宛先ごとのメール送信結果を集約する。そしてステップ214において集約したメール送信結果に基づいて、送信レポートのレポート情報を作成する。
更に、コマンドが「メール同報送信」の場合は、ステップ210において送信原稿情報を指示されたメール宛先へメール送信し、ステップ211においてそれらのメール宛先ごとのメール送信結果を集約する。次のステップ212においてFAX10が上述のステップ118で送信した同報送信の送信結果を受信し、ステップ214においてステップ211で集約したメール送信結果とステップ212で受信した同報送信の送信結果に基づいて、送信レポートのレポート情報を作成する。
ここで、図5に示すFAX10側の制御ルーチンの説明に移る。
ステップ120において上述したステップ100で取り込んだ出力先情報に基づいて、レポート情報を自機でプリントするか否かを判断し、自機でプリントする場合はステップ121へ、自機でプリントしない場合はステップ164へ、それぞれ進む。
まず、レポート情報を自機でプリントする場合に関して述べる。
ステップ121において、レポート情報の情報量に関する情報をホスト30から受信し、次のステップ122においてその時点のメモリ使用率を検出する。そして、次のステップ123においてこれらのメモリ使用率とレポート情報の情報量とから、レポート情報受信後のメモリ推定使用率(以下、P1と称す)を算出し、次のステップ124においてP1が予め定められた基準値(例えば、90%)以上になるか否かを判断する。
P1が基準値以上になると判断した場合は、ステップ126に進んでP1が基準値以上になった場合の処理を、予め定められた処理内容に基づいて判断する。この予め定められた処理内容としては、レポート情報のプリントを取り止める「取止め」と、レポート情報の出力先を変更するためにオペレータに出力先の再指示をさせる「再指示」の2通りの処理が存在する。
「取止め」と判断した場合には、ステップ128に進んでホスト30にレポート情報の転送を取り止めるように指示して、当制御ルーチンを終了する。
また、「再指示」と判断した場合には、ステップ130に進んで操作パネル14を通じて出力先を再指示するようにオペレータに要求する。これを認知したオペレータが出力先を操作パネル14から再指示すると、ステップ132においてその再指示された出力先情報を取り込む。そして、ステップ134においてホスト30にレポート情報の出力先を再指示された出力先へ変更するように指示し、その後は上述したステップ120の出力先の判断から再実行する。
一方、上述したステップ124でP1は基準値未満であると判断した場合は、レポート情報を受信してもメモリ24には未だ余裕があるとみなして、ステップ136においてレポート情報を送信するようにホスト30に指示し、次のステップ138において所定量のレポート情報をホスト30から受信する。そして、次のステップ139においてレポート情報受信後のメモリ使用率(以下、P2と称す)を検出し、次のステップ140においてP2が予め定められた基準値(例えば、90%)以上になったか否かを判断する。
ここで、P2が基準値未満の場合は、ステップ142においてメモリに余裕の有る旨をホスト30へ通知し、次のステップ144において全てのレポート情報を受信したか否かを判断する。
全てのレポート情報を受信していないと判断されると、上述したステップ138のレポート情報の受信から以降を再実行する。但し、途中のステップ140においてP2が基準値以上になったと判断された場合は後述のステップ148へ進む。
また、全てのレポート情報を受信したと判断されると、ステップ146に進み、受信したレポート情報を印刷部18にてプリントして、当制御ルーチンを終了する。
なお、図8にメール同報送信を実行した時の送信レポートの一例を示す。この例では、8つの宛先のうち、番号3、7、8の3つの宛先へはメール送信を実行しており、他の5つの宛先へは同報送信を実行している。このように送信レポートには、これら8つの宛先への送信結果が1つの表にまとめられている。
一方、上述したステップ140でP2が基準値以上になった場合は、ステップ148においてメモリに余裕の無い旨をホスト30へ通知し、次のステップ150においてP2が基準値以上になった場合の処理を、予め定められた処理内容に基づいて判断する。この予め定められた処理内容としては、送信レポートのプリントを中断する「中断」と、ホスト30から受信したレポート情報を印刷部18によりダイレクトに印刷する「リアルタイム処理」の2通りの処理が存在する。
ここで「中断」と判断した場合は、ステップ152においてレポート情報の送信を中断するようにホスト30に指示し、次のステップ153において早急にメモリに余裕を持たせるために、既に受信したレポート情報を印刷部18により印刷して、当制御ルーチンを終了する。
また「中断」ではない(「リアルタイム処理」である)と判断した場合は、ステップ154において既に受信したレポート情報を印刷部18によりプリントし、次のステップ156においてリアルタイム処理する旨をホスト30に通知する。そして次のステップ158においてリアルタイム処理を実行する。即ち、ホスト30から送信されたレポート情報を受信しつつ、そのレポート情報を印刷部18により順次プリントする。そして、次のステップ162において全てのレポート情報をプリントしたと判断されるまで、ステップ158、162を繰り返す。
ステップ162において全てのレポート情報をプリントしたと判断されると、当制御ルーチンを終了する。
ここで、図7のホスト30側の制御ルーチンの説明に移る。
ステップ216でのオペレータにより入力された出力先情報に基づくレポート情報の出力先の判断では、出力先がFAX10であるとして肯定判断となり、ステップ218においてレポート情報の情報量をFAX10に通知する。なお、この通知は、上述したFAX10側のステップ122におけるレポート情報の情報量の受信に対応する。
そして、次のステップ220では、FAX10がステップ128、134、136のいずれか1つでレポート情報出力に関して指示した指示内容を受信する。
そして、次のステップ222、224において、ステップ220で受信したFAX10からの指示が、レポート情報をFAX10へ送信する「送信」か、レポート情報の送信を取り止める「取止め」か、送信レポートの出力先を再指示する「再指示」かを、判別する。
FAX10からの指示が「再指示」と判別した場合は、上述したステップ216へ戻り、「再指示」の指示と共に受信した新たな出力先情報に基づいて、送信レポートの出力先を判断し、それ以降のステップを再実行する。
また、FAX10からの指示が「取止め」と判別した場合は、レポート情報の送信を取り止め、直ぐに当制御ルーチンを終了する。
更に、FAX10からの指示が「送信」と判別した場合は、ステップ226においてFAX10へ所定量のレポート情報を送信する。なお、この送信は、上述したFAX10側のステップ138またはステップ158におけるレポート情報の受信に対応する。
そして、次のステップ228では、FAX10がステップ142またはステップ148で通知したメモリ24に余裕が有るか無いかについての情報を受信する。そして次のステップ230においてこの通知がメモリ24に余裕が有るとの通知か否かを判別する。
メモリ24に余裕が有るとの通知であれば、ステップ232において全てのレポート情報を送信したと判別されるまで、上記のステップ226、228、230を繰り返す。もし、途中のステップ230においてメモリに余裕の無いとの通知であると判別された場合は後述のステップ234へ進む。全てのレポート情報を送信すると、ステップ232では肯定判定となり、当制御ルーチンを終了する。
また、メモリ24に余裕が無いとの通知であれば、ステップ234において、FAX10がステップ152またはステップ156で指示したメモリ24に余裕が無い時の処理に関する指示をFAX10から受信し、ステップ235においてその処理が、FAX10での送信レポートのプリントを中断する「中断」か、FAX10にてリアルタイム処理を行う「リアルタイム処理」かを判別する。
メモリ24に余裕が無い時の処理が「中断」であれば、直ぐに当制御ルーチンを終了し、「リアルタイム処理」であれば、ステップ236においてFAX10へ所定量のレポート情報を送信する。なお、ここで送信したレポート情報は、FAX10側のステップ158で受信される。そして、次のステップ237において全てのレポート情報を送信したと判断されるまで、これらのステップ236、237を繰り返す。全てのレポート情報を送信すると、ステップ237では肯定判定となり、当制御ルーチンを終了する。
次に、レポート情報の出力先がFAX10以外である場合に関して述べる。なお、ここではレポート情報の出力先としてプリンタ52がオペレータにより指示されたものとする。
図5に示すFAX10側の制御ルーチンにおいて、ステップ120では出力先は自機ではないと判断され、ステップ164へ進む。
そして、ステップ164において、後述するステップ242またはステップ246でホスト30が送信したプリンタ52のチェック結果を受信し、次のステップ166においてそのチェック結果に基づいて、出力先(プリンタ52)が正常か否かを判断する。
プリンタ52が正常である場合は、FAX10で実行する処理は無いので、当制御ルーチンを終了し、プリンタ52が異常である場合は、ステップ168において出力先異常時の処理を、予め定められた処理内容に基づいて判断する。この予め定められた処理内容としては、レポート情報のプリントを取り止める「取止め」と、レポート情報の出力先を変更するためにオペレータに出力先の再指示をさせる「再指示」の2通りの処理が存在する。
「取止め」と判断した場合には、ステップ170においてホスト30にプリンタ52へのレポート情報の転送を取り止めるように指示して、当制御ルーチンを終了する。
また、「再指示」と判断した場合には、上述したステップ130のオペレータへの再指示要求から以降の処理を実行する。
一方、図7に示すホスト30側の制御ルーチンにおいては、ステップ216では出力先はFAX10ではないと判断され、ステップ238へ進む。
そして、ステップ238において出力先として指示されたプリンタ52の状態をチェックし、次のステップ240においてそのチェック結果に基づいて、プリンタ52が正常か否かを判断する。
プリンタ52が正常である場合は、ステップ242において「正常」とのチェック結果をFAX10へ通知し、ステップ244においてプリンタ52へレポート情報を転送して、当制御ルーチンを終了する。
なお、この後ホスト30からプリンタ52へ向けて転送されたレポート情報は、一旦プリンタ52を管理するプリントサーバ50で受信され、プリントサーバ50の制御の下に適当な時にプリンタ52からプリントされる。
また、プリンタ52が異常である場合は、ステップ246において「異常」とのチェック結果をFAX10へ送信し、ステップ248において、FAX10がステップ170またはステップ134で指示した異常時の対応に関する指示を受信する。そして、次のステップ250においてその指示が、プリンタ52でのレポート情報の出力を取り止める「取止め」か、レポート情報の出力先を再指示する「再指示」かを、判別する。
FAX10からの指示が「再指示」と判別した場合は、上述したステップ216に戻り、再指示された新たな出力先情報に基づいて、レポート情報の出力先を判断し、それ以降のステップを実行する。
また、FAX10からの指示が「取止め」と判別した場合は、レポート情報の送信を取り止め、直ぐに当制御ルーチンを終了する。
これまでの説明から明らかなように、本実施例では、制御部12がステップ120を実行することにより判断手段が実現され、また制御部12がステップ122またはステップ139を実行することによりメモリ使用率検出手段が実現され、また制御部12がステップ123を実行することによりメモリ使用率推定手段が実現され、また制御部12がステップ124またはステップ140を実行することによりメモリ使用率判断手段が実現され、また制御部12がステップ170を実行することにより第1の転送制御手段が実現され、また制御部12がステップ134を実行することにより第2の転送制御手段または第4の転送制御手段が実現され、また制御部12がステップ128を実行することにより第3の転送制御手段が実現され、また制御部12がステップ158を実行することにより第1の制御手段が実現され、更に制御部12がステップ152を実行することにより第2の制御手段が実現される。
また、制御部12と送受信部22とがステップ110またはステップ114を実行することにより同報送信手段が実現される。
また、中央処理部32がステップ204を実行することにより探索手段が実現され、中央処理部32がステップ205を実行することにより同報送信命令手段が実現され、中央処理部32がステップ214を実行することにより第1のレポート情報作成手段、第2のレポート情報作成手段、第3のレポート情報作成手段のいずれか1つが実現され、中央処理部32がステップ218を実行することにより情報量通知手段が実現され、中央処理部32がステップ238またはステップ240を実行することにより異常検知手段が実現される。
また、中央処理部32とLAN接続部38とがステップ208またはステップ210を実行することによりメール送信手段が実現される。
更に、中央処理部32とLAN接続部38とがステップ244を実行することにより、もしくは中央処理部32とFAX接続部42とがステップ226またはステップ236を実行することにより、レポート情報転送手段が実現される。
以上説明したように、本実施例によれば、以下に挙げるさまざまな効果を得ることができる。
まず、オペレータは、FAX10の所定位置に送信原稿をセットし、操作パネル14からメール送信指示及びメール宛先指示等の各種コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿のメール送信を実行することができる。
また、同様の操作でメール同報送信指示とメール宛先指示と同報宛先指示等の各種コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿のメール同報送信を実行する、即ちメール送信と同報送信を一括して実行することができる。
また、同様の操作で一斉同報送信指示及び同報宛先指示等の各種コマンドを入力することにより、所望の宛先への送信原稿の一斉同報送信を実行することができる。
また、一斉同報送信を指示することにより、LAN62に接続された遊休状態にある他のFAXも利用して、複数のFAXにより同報送信を実行するので、1台のみで同報送信するよりも所望の宛先へ同報送信を完了するまでの時間が短くなり、FAXの専有時間が短縮され、より効率的な同報送信が実現できる。また、LAN62に接続されたFAXの有効活用を図ることができる。
また、コマンドがメール送信、メール同報送信、一斉同報送信のいずれの場合も、同報宛先とメール宛先の両方を含んだ各宛先への送信結果の送信レポートを得ることができる。
また、指示された出力先でのレポート情報のプリントの前にその出力先の状態をチェックし、異常が有れば、プリントの取止めまたは出力先の再指示に基づく出力先変更を行うので、レポート情報の出力が不可能な出力先への無駄なレポート情報の転送を防止することができる。特に出力先の再指示に基づく出力先変更を行う場合は、オペレータは別の出力先を再指示する事により、その別の出力先でレポート情報をプリントすることができる。
また、FAX10はホスト30からレポート情報を所定量ずつ受信するたびに、メモリ使用率P1を検出し、P1が予め定められた基準値以上となる場合は、プリントの中断またはレポート情報の受信とプリントのリアルタイム処理を行うので、メモリ使用率P1が基準値を上回ることはなく、メモリ24には一定量以上の残量が確保され、公衆電話回線70を介した他のファクシミリ装置との画像情報の送受信を実行することができる。
更に、FAX10はレポート情報をホスト30から受信する前に、レポート情報の情報量と受信前のメモリ使用率とから受信後のメモリ推定使用率P2を推定し、P2が予め定められた基準値以上となる場合は、プリントの取止めまたは出力先の再指示に基づく出力先変更を行うので、メモリ使用率が基準値以上になってしまうのを未然に防ぐことができる。特に出力先の再指示に基づく出力先変更を行う場合は、オペレータは別の出力先を再指示する事により、その別の出力先でレポート情報をプリントすることができる。
なお、上記の実施例では、FAX10とホスト30とが直接接続されている場合に関して説明したが、FAX10とホスト30とがネットワーク網64を経由して接続されている場合にも適用できる。その場合は、FAX10とホスト30との通信の手順やプロトコル等が変わるだけであり、上記の実施例にて説明した制御ルーチンは基本的には同一である。
また、上記の実施例では、コマンドや送信宛先の情報等の各種コマンドの入力をFAX10の操作パネル14にて、送信原稿の読取をFAX10の読取部16にて、それぞれ実行する場合について説明したが、例えば、公衆電話回線網を利用して遠隔地にある他のFAXに備えられた読取部にて読み取らせた送信原稿情報と当該他のFAXに備えられた操作パネルから入力した各種コマンドとをホスト30へ送信し、ホスト30に対して各種送信を指示することも可能である。即ち、入力手段として遠隔地にある他のFAXに備えられた操作パネルを、読取手段として当該他のFAXに備えられた読取部を、それぞれ用いることができる。
更に、上記の実施例において、コマンドやメール宛先情報、同報宛先情報等を指示するためのボタンを、FAX10の操作パネル14に予め登録しておくことにより、従来のメール送信指示のためのワークステーションからのコマンド入力操作よりも簡単なボタン操作で、所望の宛先へのメール送信、メール同報送信及び一斉同報送信を指示し、その送信結果レポートの出力を指示することができる。