JP3952663B2 - 誘導灯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導灯においては、平常時にあまり目立たないで済むことから、光源として熱陰極の直管形蛍光灯が器具本体内に収納され器具本体の前面に設けた表示パネルを光らせるようにした従来型誘導灯に替えて、光源として冷陰極の直管形蛍光灯を用いた高輝度誘導灯が多数用いられるようになってきている。ここにおいて、高輝度誘導灯は、従来型誘導灯に比べて輝度が高く、従来型誘導灯に比べて相対的に小型で表示パネルの表示面の面積が従来型誘導灯に比べて小さいという特徴を有している。 ところで、高輝度誘導灯にあっては、光源からの光を避難口へ誘導するためのシンボルが表記された表示パネルからどのように出射するかによって、いわゆる「内照式」と称されるものと、「導光板式」あるいは「パネル式」と称されるものの二つの方式のものが用いられている。
【0003】
前者の「内照式」と称されるものは、表示パネルの後面側に光源を配置し、光を直接的に表示パネルの前方へ出射するものである。一方、後者の「導光板式」あるいは「パネル式」と称されるものは、表示パネルと、表示パネルの後面側に配設された導光板とを有し、導光板の一端縁に対向配置した光源からの光を導光板内での全反射により導光板の他端縁側に導きながら導光板の後面に設けた光拡散部に入射させ、光拡散部で拡散した光のうち、表示パネルへ向かう光を表示パネルの前方に出射するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
後者の「導光板式」あるいは「パネル式」の高輝度誘導灯は、導光板を用いているので、導光板の構成により表示パネルの表示面の輝度の分布を容易に設計でき、表示パネルの表示面の輝度の均整度を高くすることが容易であるという利点がある。しかしながら、当該後者の高輝度誘導灯は、表示パネルと導光パネルとを有する表示ユニットの上に光源や点灯装置を収納した箱状の器具本体が配設されているので、外観がすっきりしないという不具合があった。
【0005】
これに対して、前者の「内照式」の高輝度誘導灯は、表示パネルの後面側の器具本体内に点灯装置などを収納できるので外観がすっきりするという利点と、導光板を使用していないので表示面の面積が同じの場合には後者のものに比べて誘導灯器具全体の重量を軽くできるという利点がある。しかしながら、当該前者のものは、表示パネルに光源の光を直接的に照射するので、表示パネルの表示面の輝度の均整度を高くするのが困難であるなどの不具合があった。
【0006】
また、「内照式」の誘導灯では、表示パネルの構造上、通常は表示パネルの上下左右の全周を囲む枠体を設けて器具本体に取り付けているが、従来の「パネル式」の高輝度誘導灯では表示パネルの全周を囲む枠体の幅を全周に亘って同じ幅に形成し枠体の上方に位置する器具本体に取り付けられているので、誘導灯器具全体としての一体感を損なう恐れがあった。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、すっきりした外観であり且つ表示パネルの均整度を高めることが可能な誘導灯を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前面開口した直方体状の器具本体内に光源を点灯させる点灯装置が設けられ、商用電源の停電状態には非常用電源から点灯装置に給電し光源を点灯させ表示パネルを光らせる誘導灯であって、矩形状の表示パネルを有する表示ユニットと表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部とで器具本体の前面開口を覆い、且つ、表示ユニットと枠部とを合わせた外周形状が器具本体において前面開口を囲む部位の外周形状に沿っていることを特徴とするものであり、前面開口した直方体状の器具本体内に光源を点灯させる点灯装置が設けられ、矩形状の表示パネルを有する表示ユニットと表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部とで器具本体の前面開口を覆い、且つ、表示ユニットと枠部とを合わせた外周形状が器具本体において前面開口を囲む部位の外周形状に沿っているので、すっきりした外観にすることができ、しかも、器具本体とは別部材であって表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部を備えているので、枠部に光源を設けることが可能となり、表示パネルの後面側に導光パネルを設ける構成を採用することが可能となる。また、請求項1の発明では、枠部は、表示ユニットが器具本体に取り付けられた状態において器具本体に対して着脱自在に取り付けられてなるので、表示ユニットが器具本体に取り付けられた状態で枠部が着脱可能であり、表示ユニットの取付作業を枠部が取り外された状態でしかできないようにできて安全性が向上し、また、枠部に光源を設けた場合には光源の交換時に枠部を着脱するだけで良いから、光源の交換作業が容易になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記枠部は、前記器具本体の前端縁に当接する後端縁に前記器具本体から取り外すための操作用凹部が設けられてなるので、前記器具本体から前記枠部を取り外すための操作が容易になる。
【0009】
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記表示パネルの後面側に配設され前記光源の光を前記表示パネルへ導光する導光板を備え、前記光源は、前記導光板の一端縁に対向するように前記枠部内に配設されてなるので、外観がすっきりするとともに、表示パネルの表示面の輝度の均整度を高くすることができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記表示ユニットが、前記表示パネルの前記一端縁を除いた3辺に沿って位置し前記枠部よりも巾細の枠片を備え、前記枠部と前記枠片とで表示パネルの全周を囲む矩形枠状の枠体を形成してなるので、前記表示パネルと誘導灯を設置する周囲との境界を明確に区切ることにより表示面が浮き出て見えて表示の誘目性および表示の識別性が向上する。
【0011】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記表示パネルの前面と前記枠体の前面とを略面一に形成してなるので、見栄えが良くなる。
【0014】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、前記器具本体は、上面の外周部の全周に亘って上方へ突出するリブが突設されてなるので、前記器具本体の上部の強度が向上し、また、天井などの施工面に直付けする場合には前記リブの上端縁のみが施工面に当接するから、前記リブの内側に施工面に直付けするための取付金具を収納して取り付けることができ見栄えが良くなるとともに、光源の温度上昇を抑制することができる。
【0015】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記リブのうち前記器具本体の前後方向に沿う部位は、前記器具本体の上面の周縁よりも内側において上方へ突設されてなるので、天井などの施工面に直付けする場合でも施工面の凹凸を目立たせることなく取り付けることができ、しかも、前記枠部の上面と施工面との間に隙間が形成されるから、前記器具本体に対する前記枠部の着脱が容易になり、前記枠部に光源を設けている際の光源の交換作業を容易にすることができる。
【0016】
請求項の発明は、請求項6または請求項7の発明において、前記器具本体の上壁には、前記リブよりも内側の部位に、取付ねじの頭部の直径よりも大きい丸孔状の大径部の前縁の一部に前記取付ねじの頭部の直径よりも幅狭の溝部が連続した鍵穴状の取付孔が形成されてなるので、取付ねじを天井面に緩く螺入した状態で、取付孔の大径部に取付ねじの頭部を通し、取付ねじの頭部が溝部に対応する部位に入るように器具本体を後方へスライドさせた後に取付ねじを締め付けるようにすることによって、天井面へ前記器具本体を取り付けることができるから、設置状態における前記器具本体の後面と前記器具本体の後方にある壁との間に形成される隙間を容易に小さくすることができ、インテリアなどを重視する空間の美しさを保つことができる。
【0017】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、前記器具本体の下壁に、強制的に前記点灯装置への商用電源の給電を遮断し非常用電源で点灯するかどうかの確認を行うための点検スイッチの操作部を露出させる露出孔と、前記光源の状態および前記非常用電源の状態をそれぞれ表示する表示素子を視認するための確認窓とが近接して設けられ、確認窓の方が露出孔よりも前方に設けられてなるので、壁面などの施工面に直付けした場合でも表示素子の表示を視認しやすく、しかも点検スイッチの操作時でも表示素子の表示を視認することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本実施形態の誘導灯を図1ないし図12を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態の誘導灯は、前面開口した直方体状の器具本体10と、矩形状(本実施形態では、正方形状)の表示パネル21を有し器具本体10の前面開口の大部分を覆う表示ユニット20と、光源たる直管形の冷陰極蛍光灯3を有し器具本体10の前面開口のうち表示ユニット20により覆われていない残りの部分を覆うように表示ユニット20の上縁に沿って配設されたランプユニット30とを備えている。
【0020】
以下では、まず器具本体10について説明する。
【0021】
器具本体10内には、冷陰極蛍光灯3を点灯させる点灯装置4が配設されている。また、器具本体10内には、商用電源の停電時に点灯装置4へ給電するための非常用電源たる蓄電池を有する非常用電源ブロック6が配設されている。ここに、点灯装置4は、図7に示すように、商用電源に接続される端子台7に3本の電線91を介して接続されるとともに、非常用電源ブロック6に2本の電線92を介して接続されており、通常は商用電源により給電されて冷陰極蛍光灯3を点灯させ、商用電源の停電時には蓄電池により給電されて冷陰極蛍光灯3を点灯させるように構成されている。
【0022】
器具本体10は、合成樹脂製であって、端子台7に接続される商用電源からの電線(図示せず)を器具本体10内に挿入する電源穴を形成する切除可能なノックアウト部11,11が、上壁と後壁とにそれぞれ形成されている。また、器具本体10の後壁には、壁面に直付けする際に用いる取付ねじを挿通させるための取付孔を形成する切除可能な2つのノックアウト部13’,13’(図7参照)が左右方向に離間して形成されている。さらに、器具本体10の上壁には、天井面に直付けする際に用いる取付ねじを挿通するための鍵穴状の取付孔を形成する切除可能な2つのノックアウト部13,13(図2および図4参照)が左右方向に離間して形成されている。したがって、器具本体10を天井面に取り付ける場合、壁面に取り付ける場合など、必要に応じて電源穴および取付孔を形成することにより、電源線が挿入されない電源穴や取付ねじが挿通されない取付孔が生じるのを防ぐことができ、美観を高めることが可能になる。なお、器具本体10内には、図7に示すように、上壁の下面および後壁の前面それぞれに金属製の補強金具8,8’が配設されており、点灯装置4は、補強金具8’に設けたねじ式のアース端子9に、電線90を介して接続されている。
【0023】
器具本体10内の下部の右端部(図7における右端部)には、図7に示すように、強制的に点灯装置4への商用電源の給電を遮断し非常用電源ブロック6で点灯するかどうかの確認を行うための押釦スイッチよりなる点検スイッチ51と、蓄電池や冷陰極蛍光灯3の状態を表示するランプモニタ用の表示素子たる赤色発光ダイオード52と、蓄電池の充電状態を表示する充電モニタ用の表示素子たる緑色発光ダイオード53と、点検スイッチ51および両発光ダイオード52,53が実装されたプリント配線板よりなる回路基板54とで構成された点検ブロック50が配設されている。ここにおいて、赤色発光ダイオード52が点灯している時は、冷陰極蛍光灯3のランプ異常(ランプはずれ、割れなど)を示し、点滅している時は、蓄電池若しくは冷陰極蛍光灯3が交換時期にあることを示し、消灯している時は、正常であることを示している。また、緑色発光ダイオード53は、消灯時には蓄電池が充電されていないことを示し、点灯時には正常であることを示している。なお、点灯装置4はランプ異常を検出する機能および蓄電池の状態を検出する機能と、これらの機能による検出結果に基づいて各発光ダイオード52,53を制御する機能とを備えている。また、点検ブロック50はカバー55により覆われている。
【0024】
器具本体10の下壁には、点検スイッチ51の操作部51aを露出させる露出孔15(図5および図7参照)が形成されているので、器具本体10の下面側から操作部51aを操作できるようになっている。また、器具本体10の下壁には、各発光ダイオード52,53それぞれに対応する部位に、確認窓16,17(図5参照)が形成されている。したがって、器具本体1の下面側から確認窓16,17を通して各発光ダイオード52,53の表示を視認できるようになっている。ここに、器具本体10の下壁において、確認窓16,17の方が露出孔15よりも前方に設けられているので、壁面に直付けした場合でも表示素子の表示を視認しやすく、しかも点検スイッチ51の操作部51aを操作している時でも各発光ダイオード52,53の表示を視認することができる。
【0025】
また、器具本体10両側壁の前部の各内面には、図2および図7に示すように、器具本体10の下壁に略平行であって表示ユニット20のパネルケース23の後面から突設されたL字状の係合片24の下端縁が上面に当接し表示ユニット20の下方向への移動を規制する規制片18aと、器具本体10の前端縁に略平行であって規制片18aの前端縁から連続一体に形成され上記係合片24の先端部が後面側に重なる保持片18bとからなるL字状の係止片18が2つずつ突設されている。
【0026】
一方、表示ユニット20は、避難口へ誘導するためのシンボルが表記され透光性を有するアクリル樹脂製の表示パネル21と、表示パネル21の後面側に配設され冷陰極蛍光灯3の光を表示パネル21へ導光する透明アクリル樹脂製の導光板22と、導光板22の後面に配設される反射シート(図示せず)と、表示パネル21および導光板22および上記反射シートを保持する合成樹脂製のパネルケース23とで構成されている。ここにおいて、パネルケース23は、器具本体10と同じ材料により形成されている。また、パネルケース23の後面において左右両端部にはそれぞれ上述のL字状の係合片24が2つずつ上下方向に沿って突設されている。なお、表示パネル21は、図3においてハッチングを施した部位の色を緑色としてある。また、導光板22は、上下方向において下側ほど厚さが薄くなるように形成されている。
【0027】
パネルケース23は、器具本体10の左右幅に略等しい左右幅を有し器具本体10の上下幅よりも小さな上下幅を有する正方形状の取付ベース23aと、取付ベース23の前面の周部において上辺を除いた3辺に沿って前方へ連続一体に突設された保持枠23bとを備えている。
【0028】
保持枠23bのうち左右両端部に設けられた部位の内面には、図2に示すように、表示パネル21をスライド自在に保持するためのガイド溝23cが形成されている。一方、表示パネル21は、左右両端縁それぞれから後方に向かって側片21aが突設されており、各側片21aの外面には、ガイド溝23cにスライド自在に導入されるガイドリブ21bが突設されている。したがって、表示パネル21は、パネルケース23の保持枠23bの上方からガイドリブ21bをガイド溝23に導入して下方にスライドさせることにより、パネルケース23に保持される。ここに、表示パネル21は、パネルケース23によって、下方向、前後方向、および左右方向へ移動が規制される。したがって、表示ユニット20は、あらかじめ表記されたシンボルが異なる複数種類の表示パネルを用意しておくことにより、表示パネル21を適宜交換することができるようになっている。
【0029】
器具本体10に表示ユニット20を取り付けるには、器具本体10の両側壁の各前端縁にパネルケース23の後面が当接するように器具本体10と表示ユニット20との左右方向の位置を合わせ、且つ、器具本体10の両側壁の内面に突設された各係止片18に対応する各係合片24が上方向にずれるように表示ユニット20の下面を器具本体10の下面よりも上方向にずらしている状態から、器具本体10の両側壁の各前端縁にパネルケース23の後面を当接させながら表示ユニット20を下方に摺動させると、各係合片24の各下端縁が各係止片18それぞれの規制片18aの上面に当接し且つ各係合片24の前面が各係止片18それぞれの保持片18bの後面に当接して、表示ユニット20が器具本体10に仮保持され、器具本体10に対する表示ユニット20の左右方向、下方向、および前後方向への移動が規制されるようになる。このように器具本体10に表示ユニット20が仮保持された状態では、器具本体10の上面を含む平面と表示パネル21の上端縁との間にランプユニット30の上下幅よりもやや小さな隙間が形成される。ランプユニット30は、表示ユニット20が器具本体10に取り付けられた状態において、この隙間をなくし表示ユニット20と合わせて器具本体10の前面開口を覆う形で器具本体10の前面に着脱自在に取り付けられる。表示ユニット20を器具本体10から取り外すには、ランプユニット30が器具本体10から取り外された状態で、表示ユニット20を係止片18と保持片18bとが重ならない位置までスライドさせて前方へ取り外せばよい。なお、保持枠23bの幅は、ランプユニット30の幅(上下幅)よりも小さくなっている。
【0030】
ランプユニット30は、図12に示すように、断面L字状であって左右両端面に側壁が連続一体に形成され且つ各側壁の内側にそれぞれ支持台35,35が設けられたランプホルダ31と、ランプホルダ31の一対の支持台35,35により支持された直管形の冷陰極蛍光灯3と、冷陰極蛍光灯3の両端部の各電極(図示せず)にそれぞれ接続され支持台35,35の後面よりも後方に突出した端子片36,36と、下面側が開放した断面U字状であって冷陰極蛍光灯3を囲む形で支持台35,25により支持された反射板32とで構成されている。ここにおいて、ランプユニット30は、器具本体10に取り付けた状態で冷陰極蛍光灯3が導光板24の上端縁に対向する位置に配置される位置に冷陰極蛍光灯3を保持している。ランプホルダ31は、合成樹脂製であって、器具本体10およびパネルケース23と同じ材料で形成され且つ同じ色としてある。
【0031】
ランプホルダ31の後面上部における左右には、断面L字状であって器具本体10の上部における左右の角部の内面に沿うように配列されたガイド片33,33が後方に向かって突設されている。また、各ガイド片33,33の下方には、各端子片36,36それぞれの外側で左右方向において各端子片36,36に重なり且つランプホルダ31の後面からの突出寸法がガイド片33,33の半分程度の結合片34,34が突設されている。
【0032】
一方、器具本体10において両側壁の上部の内側には、図7に示すように、点灯装置4にそれぞれ電線93,93を介して接続され上記端子片36,36が前方から嵌入され端子片36,36が電気的に接続されるとともに機械的に接続されるソケット60,60が配設されている。ここにおいて、各ソケット60,60と器具本体10の各側壁との間にはそれぞれ結合片34,34が前方から挿入される隙間61,61が形成されている。
【0033】
ランプホルダ31は、器具本体10の前端縁に当接する後端縁に、器具本体10から取り外すための操作用凹部31aが設けられいる。操作用凹部31aは器具本体10の前端縁に平行な面における内周面が円弧状に形成されており、コインの一部を操作用凹部31aに挿入してランプユニット30が器具本体10から離れる向きに力を作用させることにより、器具本体10からランプユニット30を取り外すことができるようになっている。ここにおいて、結合片34,34の一部を端子片36,36に重複させてあるので、ランプユニット30の取り外し時にコインなどが端子片36,36に当たるのを防ぐことができるから、端子片36,36に傷が付くのを防ぐことができる。しかも、操作用凹部31aの内周面を上述の円弧状に形成していることにより、コインを利用して取り外せることを施工業者に示唆できるとともに、側面から見たときの違和感をなくすことができる。また、本実施形態においては、ランプユニット30は、器具本体10の前方から器具本体10に取り付けられ、器具本体10から手前に取り外すことができるので、ランプユニット30の着脱時に器具本体10の前面側においてランプユニット30を前後方向に移動させるだけでよいから、器具本体10の近くに天井や壁があっても器具本体10の取付作業に支障をきたすこともない。なお、本実施形態では、器具本体10に対するランプユニット30の着脱を器具本体10の前面側において前後方向としてあるが、ランプユニット30を器具本体10の前面側において左右方向にスライドさせて着脱するような構成を採用してもよし、器具本体10の前面側において斜め下方から着脱するような構成を採用してもよい。
【0034】
ところで、本実施形態では、ランプホルダ31とパネルケース23の保持枠23bとで表示パネル21の全周を囲む矩形枠状の枠体を形成している。したがって、表示パネル21と誘導灯を設置する周囲との境界を明確に区切ることができ、表示パネル21の表示面が浮き出て見えて表示の誘目性および表示の識別性が向上する。なお、本実施形態では、ランプホルダ31が枠部を構成し、保持枠23bが枠片を構成している。
【0035】
ここに、表示ユニット20は、表示パネル21の前面と前記枠体の前面とが略同一平面上に形成されるように構成されているので、見栄えが良い。要するに、表示パネル21の前面と枠体の前面とを略面一にしてある。ただし、ランプホルダ31の下端部の一部は前後方向において表示パネル21の上部に重なるように位置しているので、ランプホルダ31の前面の下部には、下方ほど表示パネル21からの突出量が小さくなるような傾斜面31bが形成されている。なお、ランプホルダ31の下端部の一部で表示パネル21の上部が押えられることになり、表示パネル21や表示ユニット20がパネルケース23や器具本体10から外れるのを防ぐことができる。
【0036】
本実施形態においては、器具本体10の左右幅に略等しい左右幅を有し器具本体10の上下幅よりも小さな上下幅を有する正方形状の表示ユニット20と表示ユニット20の表示パネルの上縁に沿って配設されたランプユニット30とで器具本体10の前面開口を覆い、且つ、表示ユニット20とランプユニット30とを合わせた外周形状が器具本体10において前面開口を囲む部位の外周形状に沿っている。しかして、本実施形態では、すっきりした外観にすることができるとともに、表示パネル21の表示面の輝度の均整度を高くすることができる。
【0037】
また、器具本体10は、上面の外周部の全周に亘って上方へ突出するリブ12が突設されているので、天井などの施工面に直付けする場合にはリブ12の上端縁のみが施工面に当接するから、リブ12の内側に施工面に直付けするための取付金具を収納して取り付けることができて見栄えが良くなるとともに、冷陰極蛍光灯3の温度上昇を抑制することができる。しかも、ランプユニット30の上面と施工面との間に隙間が形成されるから、器具本体10に対するランプユニット30の着脱が容易になり、ランプユニット30に保持された冷陰極蛍光灯3の交換作業が容易になる。ここに、リブ12のうち器具本体10の前後方向に沿う部位は、器具本体10の上面の周縁よりも内側において上方へ突設されている。したがって、また、施工面の凹凸を目立たせることなく取り付けることができる。
【0038】
また、器具本体10の上面には、リブ12よりも内側の部位に、上記ノックアウト部11,13,13が離間して形成されている。このため、ノックアウト部11,13,13を切除することにより、天井面へ上記取付ねじを用いて直付けすることができる。ここに、ノックアウト部13を切除することにより形成される取付孔は、上記取付ねじの頭部の直径よりも大きい丸孔状の大径部の前縁の一部に上記取付ねじの頭部の直径よりも幅狭の溝部が連続した鍵穴状に形成される。
【0039】
したがって、上記取付ねじを天井面(施工面)に緩く螺入した状態で、上記取付ねじの頭部に上記取付孔の大径部を通し、上記取付ねじの頭部を溝部に対応する部位までスライドさせた後に上記取付ねじを締め付けるようにすることによって、天井面への器具本体10の取付作業を容易にすることができる。しかも、壁際の天井面に直付けする場合、設置状態における器具本体10の後面と器具本体10の後方にある壁との間に形成される隙間を容易に小さくすることができ、インテリアなどを重視する空間の美しさを保つことができる。
【0040】
また、冷陰極蛍光灯3の交換時にはランプユニット30のみを器具本体10から取り外せはばよいから、冷陰極蛍光灯3の交換作業が容易になる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明は、前面開口した直方体状の器具本体内に光源を点灯させる点灯装置が設けられ、商用電源の停電状態には非常用電源から点灯装置に給電し光源を点灯させ表示パネルを光らせる誘導灯であって、矩形状の表示パネルを有する表示ユニットと表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部とで器具本体の前面開口を覆い、且つ、表示ユニットと枠部とを合わせた外周形状が器具本体において前面開口を囲む部位の外周形状に沿っているものであり、前面開口した直方体状の器具本体内に光源を点灯させる点灯装置が設けられ、矩形状の表示パネルを有する表示ユニットと表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部とで器具本体の前面開口を覆い、且つ、表示ユニットと枠部とを合わせた外周形状が器具本体において前面開口を囲む部位の外周形状に沿っているので、すっきりした外観にすることができ、しかも、器具本体とは別部材であって表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部を備えているので、枠部に光源を設けることが可能となり、表示パネルの後面側に導光パネルを設ける構成を採用することが可能となるという効果がある。また、請求項1の発明では、枠部は、表示ユニットが器具本体に取り付けられた状態において器具本体に対して着脱自在に取り付けられてなるので、表示ユニットが器具本体に取り付けられた状態で枠部が着脱可能であり、表示ユニットの取付作業を枠部が取り外された状態でしかできないようにできて安全性が向上し、また、枠部に光源を設けた場合には光源の交換時に枠部を着脱するだけで良いから、光源の交換作業が容易になるという効果がある。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記枠部は、前記器具本体の前端縁に当接する後端縁に前記器具本体から取り外すための操作用凹部が設けられてなるので、前記器具本体から前記枠部を取り外すための操作が容易になるという効果がある。
【0042】
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記表示パネルの後面側に配設され前記光源の光を前記表示パネルへ導光する導光板を備え、前記光源は、前記導光板の一端縁に対向するように前記枠部内に配設されてなるので、外観がすっきりするとともに、表示パネルの表示面の輝度の均整度を高くすることができるという効果がある。
【0043】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記表示ユニットが、前記表示パネルの前記一端縁を除いた3辺に沿って位置し前記枠部よりも巾細の枠片を備え、前記枠部と前記枠片とで表示パネルの全周を囲む矩形枠状の枠体を形成してなるので、前記表示パネルと誘導灯を設置する周囲との境界を明確に区切ることにより表示面が浮き出て見えて表示の誘目性および表示の識別性が向上するという効果がある。
【0044】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記表示パネルの前面と前記枠体の前面とを略面一に形成してなるので、見栄えが良くなるという効果がある。
【0047】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、前記器具本体は、上面の外周部の全周に亘って上方へ突出するリブが突設されてなるので、前記器具本体の上部の強度が向上し、また、天井などの施工面に直付けする場合には前記リブの上端縁のみが施工面に当接するから、前記リブの内側に施工面に直付けするための取付金具を収納して取り付けることができ見栄えが良くなるとともに、光源の温度上昇を抑制することができるという効果がある。
【0048】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記リブのうち前記器具本体の前後方向に沿う部位は、前記器具本体の上面の周縁よりも内側において上方へ突設されてなるので、天井などの施工面に直付けする場合でも施工面の凹凸を目立たせることなく取り付けることができ、しかも、前記枠部の上面と施工面との間に隙間が形成されるから、前記器具本体に対する前記枠部の着脱が容易になり、前記枠部に光源を設けている際の光源の交換作業を容易にすることができるという効果がある。
【0049】
請求項の発明は、請求項6または請求項7の発明において、前記器具本体の上壁には、前記リブよりも内側の部位に、取付ねじの頭部の直径よりも大きい丸孔状の大径部の前縁の一部に前記取付ねじの頭部の直径よりも幅狭の溝部が連続した鍵穴状の取付孔が形成されてなるので、取付ねじを天井面に緩く螺入した状態で、取付孔の大径部に取付ねじの頭部を通し、取付ねじの頭部が溝部に対応する部位に入るように器具本体を後方へスライドさせた後に取付ねじを締め付けるようにすることによって、天井面へ前記器具本体を取り付けることができるから、設置状態における前記器具本体の後面と前記器具本体の後方にある壁との間に形成される隙間を容易に小さくすることができ、インテリアなどを重視する空間の美しさを保つことができるという効果がある。
【0050】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項の発明において、前記器具本体の下壁に、強制的に前記点灯装置への商用電源の給電を遮断し非常用電源で点灯するかどうかの確認を行うための点検スイッチの操作部を露出させる露出孔と、前記光源の状態および前記非常用電源の状態をそれぞれ表示する表示素子を視認するための確認窓とが近接して設けられ、確認窓の方が露出孔よりも前方に設けられてなるので、壁面などの施工面に直付けした場合でも表示素子の表示を視認しやすく、しかも点検スイッチの操作時でも表示素子の表示を視認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における部品配置説明図である。
【図2】同上の概略分解斜視図である。
【図3】同上の正面図である。
【図4】同上の上面図である。
【図5】同上の下面図である。
【図6】同上の側面図である。
【図7】同上の表示ユニットを取り外した状態の正面図である。
【図8】同上の表示ユニットの正面図である。
【図9】同上の表示ユニットの下面図である。
【図10】同上の表示ユニットの側面図である。
【図11】同上の表示ユニットの背面図である。
【図12】同上のランプユニットを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は背面図、(d)は側面図である。
【符号の説明】
3 冷陰極蛍光灯
10 器具本体
20 表示ユニット
21 表示パネル
22 導光板
23 ランプケース
30 ランプユニット
31 ランプホルダ

Claims (9)

  1. 前面開口した直方体状の器具本体内に光源を点灯させる点灯装置が設けられ、商用電源の停電状態には非常用電源から点灯装置に給電し光源を点灯させ表示パネルを光らせる誘導灯であって、矩形状の表示パネルを有する表示ユニットと表示パネルの一端縁に沿って配設された枠部とで器具本体の前面開口を覆い、且つ、表示ユニットと枠部とを合わせた外周形状が器具本体において前面開口を囲む部位の外周形状に沿っており、枠部は、表示ユニットが器具本体に取り付けられた状態において器具本体に対して着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする誘導灯。
  2. 前記枠部は、前記器具本体の前端縁に当接する後端縁に前記器具本体から取り外すための操作用凹部が設けられてなることを特徴とする請求項1記載の誘導灯。
  3. 前記表示パネルの後面側に配設され前記光源の光を前記表示パネルへ導光する導光板を備え、前記光源は、前記導光板の一端縁に対向するように前記枠部内に配設されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の誘導灯。
  4. 前記表示ユニットが、前記表示パネルの前記一端縁を除いた3辺に沿って位置し前記枠部よりも巾細の枠片を備え、前記枠部と前記枠片とで表示パネルの全周を囲む矩形枠状の枠体を形成してなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の誘導灯。
  5. 前記表示パネルの前面と前記枠体の前面とを略面一に形成してなることを特徴とする請求項4記載の誘導灯。
  6. 前記器具本体は、上面の外周部の全周に亘って上方へ突出するリブが突設されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の誘導灯。
  7. 前記リブのうち前記器具本体の前後方向に沿う部位は、前記器具本体の上面の周縁よりも内側において上方へ突設されてなることを特徴とする請求項6記載の誘導灯。
  8. 前記器具本体の上壁には、前記リブよりも内側の部位に、取付ねじの頭部の直径よりも大きい丸孔状の大径部の前縁の一部に前記取付ねじの頭部の直径よりも幅狭の溝部が連続した鍵穴状の取付孔が形成されてなることを特徴とする請求項6または請求項7記載の誘導灯。
  9. 前記器具本体の下壁に、強制的に前記点灯装置への商用電源の給電を遮断し前記非常用電源で点灯するかどうかの確認を行うための点検スイッチの操作部を露出させる露出孔と、前記光源の状態および前記非常用電源の状態をそれぞれ表示する表示素子を視認するための確認窓とが近接して設けられ、確認窓の方が露出孔よりも前方に設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項8いずれか1項に記載の誘導灯。
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