JP3952633B2 - 同軸リレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同軸リレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波と線路をスイッチングするために用いる同軸リレーとしては特開昭58−202601号公報等に示されるものがある。
【0003】
図9は、ラッチングリレー型の同軸リレーの従来例を示しており、この従来例は、図示するようにダイキャスト或いは切削加工により形成され、下面より上面に貫通させた3つの取り付け孔103…の下部内に形成した雌ねじ部に3個のSMA型の同軸コネクタ101a〜101cを螺着し、各同軸コネクタ101a〜101bの各中心導体102の先端を同軸の固定接点として上面に露出させた金属製ベース100と、該ベース100に積層されるダイキャスト或いは切削加工により形成された金属製サブベース107と、ベース100の上面の凹平面108内に配置され、中央の同軸コネタク101bの中心導体102の上端面と、一端(左端)側の同軸コネクタ101aの中心導体102の上端面とに両端を接触・開離するコンタクト104の中央部に下端を熱着したテフロン樹脂製の駆動体105をサブベース107に上下移動自在に貫挿するとともに、該駆動体105の上端頭部とサブベース107の上面との間にコイルばね106を介在させて上方へ駆動体105を押し上げるようにした第1のコンタクトブロック109aと、ベース100の上面の凹平面108内に配置され、中央の同軸コネタク101bの中心導体102の上端面と、他端(右端)側の同軸コネクタ101cの中心導体102の上端面とに両端を接触・開離するコンタクト104に下端を熱着したテフロン樹脂製の駆動体105をサブベース107に上下移動自在に貫挿するとともに、該駆動体105の上端頭部とサブベース107の上面との間にコイルばね106を介在させて上方へ駆動体105を押し上げるようにした第2のコンタクトブロック109bとで高周波ブロックを構成している。
【0004】
また平板状の継鉄110の両側部において夫々励磁コイル部111の鉄心112の上端を貫挿固定し、これら励磁コイル部111の間の継鉄110の中央部下面に一端の磁極面を接合し、励磁コイル部111に並行するように垂下された直方体状の永久磁石113等で電磁ブロック114を構成している。
【0005】
この電磁ブロック114は継鉄110の両端部と、サブベース107の両端部との間に夫々スペーサ115を介在させて、継鉄110の両端部の挿通孔116と、スペーサ115の透孔と、サブベース107の両端部の挿通孔117に挿通させた固定ねじ118,119をベース100の両端上面に開口したねじ孔120に螺入して固定保持される構造となっている。
【0006】
この電磁ブロック114の磁気作用により回動される磁性体からなる接極子121はサブベース107の中央に突出させた突部122に回動軸121aにより中央部が回動自在に枢支され、中央部上面を永久磁石113の他端の磁極面に対向させるとともに、両端部の上面を励磁コイル部111の鉄心112の下端の磁極面に対向させている。
【0007】
そして一方の固定ねじ118は継鉄110の上方に配置されるプリント基板123の一端に貫挿してプリント基板123の上下面をナット125,125で挟むようにして保持し、また更にこのプリント基板123の上方に配置されるプリント基板124の一端に更に貫挿してプリント基板124の上下面をナット126,126で挟むようにして保持している。
【0008】
プリント基板123の上面には中央がプリント基板123に固定され両端が自由端となったインディケートばね127とインディケートばね127の自由端に対向した固定接点131とが配設され、プリント基板124には電磁ブロック114の励磁回路が配線され、リード線130により、ベース100上に被着される金属製カバー128の天井面に設けた端子129に接続して外部回路に接続されるようになっている。
【0009】
各励磁コイル部111の鉄心112の中心には非磁性体で絶縁体からなるピン132が上下動自在に貫挿されており、このピン132は上端をプリント基板123に貫通させて上記インディケートばね127の中央の固定点より自由端側の下面に夫々対向させ、下端を接極子121の端部上面に夫々対向させている。
【0010】
而して図9に示す状態では左側の励磁コイル部111では永久磁石113,継鉄110、鉄心112、接極子121,永久磁石113の閉磁路で永久磁石1113の磁束が流れて接極子121の左端部を鉄心112の磁極面に吸着保持し、接極子121の左端部でピン132を押し上げ、対応するインディケートばね127の自由端を固定接点131より開離させている。そしてコンタクトブロック109aでは駆動体105がコイルばね106により上方に押し上げられ、同軸コネクタ101a,101bの中心導体102の上端面より対応するコンタクト104が開離し、両同軸コネクタ101a,101b間をオフしている。
【0011】
一方図において、接極子121の右側においては、コンタクトブロック109bの駆動体105がコイルばね106のばね付勢に抗して接極子121の右端部の下面で押し下げられ、同軸コネクタ101b,101cの中心導体102の上端面に対応するコンタクト104が接触して、両同軸コネクタ101a,101b間をオンしている。接極子121の右端部に対応するピン132は下方に移動し、該ピン132に対応するインディケートばね127の自由端は固定接点131にばね力で接触している。
【0012】
このような状態において、右側の励磁コイル部111の鉄心112に接極子121の右端部が吸引される方向に右側の励磁コイル部111に励磁電流を流すrと、接極子121が図において反時計方向に回動して、コンタクトブロック109a,109bの状態を反転させるとともにインディケートばね127の状態を反転させる。そして接極子121の右端部が右側の励磁コイル部111の鉄心112の磁極面に吸着された後、励磁電流を遮断しても、永久磁石113,継鉄110、鉄心112、接極子121、永久磁石113の閉磁路により接極子121はその吸着状態が保持されることになる。
【0013】
このようにして励磁コイル部111、111の励磁コイルに流す励磁電流の方向により接極子121を反転させることにより、同軸コネクタ101aと101bとの間、同軸コネクタ101bと101cの間をコンタクトブロック109a、109bのコンタクト104,104でオン・オフさせることができるのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来例において、同軸コネクタ101a〜101cをベース100の取り付け孔103の雌ねじ部に螺着する場合、外殻導体133の雄ねじ部に接着剤を塗布して雌ねじ部に螺着し、同軸コネクタ101a〜101cのベース100に対する保持力を確保していたが、接着剤の塗布量が多すぎると、接着剤がはみ出てしまい、逆に塗布量が少ないと保持力が不足するという問題があった。
【0015】
また従来の同軸コネクタ101a〜101cのサブブッシング134は4フッ化エチレン(PTFE、ETFE)を使用していたため強度が不足して中心導体102が回転したり、抜けてしまうという問題があった。
【0016】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、請求項1の発明の目的とするところは、接着剤がはみ出すことなく、接着力による保持力を得ることができる上に、螺着による保持力も十分に確保でき、しかも同軸コネクタの中心導体の抜けや回転が起きない同軸リレーを提供することにある。
【0018】
更に請求項2の発明は、上記目的に加えて高周波特性を確保しながら保持力のバランスをとり、同軸コネクタのベースに対する保持力を最大限に得ることができる同軸リレーを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、金属製のベースの上下面に貫通し、下部内周に雌ねじ部を形成した取り付け孔に、ベース下面側の開口より螺入して雌ねじ部に同軸コネクタを螺着するとともに該同軸コネクタの中心導体の先端をベース上面側の開口に臨ませ、該先端をベースの上面側に配設されるコンタクトが接触・開離する固定接点とした同軸リレーにおいて、上記雌ねじ部のベース下面からの深さを該ベースの厚さの約半分の寸法とし、上記同軸コネクタの筒状の外殻導体の雄ねじ部の複数箇所に上記外殻導体の上端から下方に延びた接着剤収容スペース用の切り込み面を形成し、上記筒状の外殻導体の上端開口側より外部へ突出する上記中心導体の突出基部に形成されたくびれ部を中心孔に圧入するとともに上記外殻導体の上端開口に圧入した円板状のサブブッシングを3フッ化エチレンにより形成して成ることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、取り付け孔の雌ねじ部の内径を雌ねじ部に連通する孔の内径よりも大きく形成して雌ねじ部と孔との境界部の下向き面に螺着した同軸コネクタの外殻導体の上端及びサブブッシングの周縁を当接し、中心導体のくびれ部の上下対向面に接するサブブッシングの部位のサブブッシングの直径方向の長さと、上記境界部の下向き面に当接する上記サブブッシングの周縁のサブブッシングの直径方向の長さとを同じ寸法としたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明を一実施形態により説明する。
【0023】
本実施形態はラッチングリレーを構成するもので、図2,図3に示すように電磁ブロック22や接極子ブロック23をフレーム27に組み込んだ駆動機構ブロック1と、この接極子ブロック23の接極子2により駆動されるコンタクトブロック3a、3bを設けた金属製サブベース4及びコンタクトブロック3a、3bの各コンタクト5により開閉される固定接点を中心導体7の上端面で夫々構成するSMA型の同軸コネクタ6a〜6bを螺着した金属製ベース8からなる高周波ブロックと、駆動機構ブロック1の励磁回路やインディケート回路を設け、駆動機構ブロック1の上方に配設される基板ブロック26と、下面開口の箱状のLCPなどの合成樹脂成型品のカバー9とから構成される。
【0024】
金属製ベース8は切削加工により形成されたもので、図1,図4に示すように底面より上面へ貫通せる3つの取り付け孔10を長手方向に一定間隔で穿設しており、これら取り付け孔10は雌ねじ部10aを下部に形成し、上端を金属製ベース8の上面に形成した凹平面8aに開口させているもので、各取り付け孔10の雌ねじ部10aに金属製ベース8の底面側からSMA型の同軸コネクタ6a〜6cを夫々螺着し、同軸コネクタ6a〜6cの各中心導体7を孔10の上端開口より凹平面8a内に突出させてある。これら中心導体7の上端面は同一高さにあって固定接点を構成する。
【0025】
同軸コネクタ6a〜6cは外周に雄ねじ部を形成した金属製の筒状の外殻導体11と、外殻導体11内部に挿着されたフッ素系樹脂製絶縁体12と、該絶縁体12の中心透孔内に挿着され、先部を外部へ突出させた中心導体7と、中心導体7の突出部位の基部付近に形成したくびれ部7aを中心孔に圧入し、外殻導体11の上端開口部に圧入される環状のPCTFE(3フッ化エチレン)からなるサブブッシング13とで構成され、このサブブッシング13はその材質の硬度で中心導体7の抜け及び回動を規制する保持力を確保する。
【0026】
外部導体11は図5に示すように雄ねじ部の両側2カ所に外部導体11の上端側開口した接着剤の収容スペースを確保するための切り込み面11aを形成してある。接着剤は外部導体11の雄ねじ部を取り付け孔10の雌ねじ部10aに螺着する際に雌ねじ部10aとの螺着強度を確保するために用いるものであり、切り込み面11aは接着剤を塗布して螺着する際に、接着剤の塗布量を多くして十分な接着力による強度を確保しようとした場合に余分な接着剤を収容するスペースとなる。
【0027】
取り付け孔10は図1に示すように雌ねじ部10aの深さをベース8の高さ寸法の略1/2(半分)に形成しており、螺合代を大きくすることで、上記の切り込み面11aによって接着剤の収容スペースを確保しながら、矢印Y方向の強度を保つことができるようにしてある。
【0028】
また雌ねじ部10aより上方の孔部10bの内径を雌ねじ部10aの内径よりやや小さい寸法とすることにより、雌ねじ部10aの上端部と孔部10bとの境界部を段部とし、該段部の下向き面に同軸コネタク6a〜6cの外殻導体11の上端とサブブッシング13の周縁の上面を当接し、この当接したサブブッシング13の周縁部位の幅寸法、つまりサブブッシング13の直径方向の寸法と、上記中心導体7のくびれ部7aを嵌合する孔の周辺でくびれ部7a内の上下面に当接するサブブッシング13の上下面の、サブブッシング13の直径方向の寸法とを略同じ寸法とすることにより、高周波特性を確保しながら保持力のバランスとり、夫々の部位の内a、bの部位で矢印X方向の強度の確保を、またcの部位で矢印X’方向の強度の確保を図り、同時に中心導体7の回動の防止を図っている。
【0029】
かように上記のようX,X’,Y方向の強度を確保することで、同軸コネクタ6a〜6cの保持力を確保し、また同軸ケーブルの接続時等の外力で部品がずれ高周波特性が変動・劣化するのを防止することができるのである。
【0030】
サブベース4は金属板を打ち抜き加工することにより形成されたもので、その長手方向及び短手方向の寸法をベース8の対応する方向の寸法よりやや小さくしており、サブベース4をベース8の上面の定位置に取り付けたときに、その周囲にカバー9の下端面を載置するためのベース8の上面が確保できるようになっている。またサブベース4の下面はベース8の上面に接触するためにその平面度を確保する必要があるが、板状であるため研磨にラッピング加工を用いることができる。
【0031】
そしてこのサブベース4はベース8上の定位置に取り付けた際に同軸コネクタ6aの中心導体7と、同軸コネクタ6bの中心導体7との間の中間及び同軸コネクタ6aの中心導体7と同軸コネクタ6bの中心導体7との間の中間に対応する位置に上下に貫通する貫通孔14,14を穿孔してある。これらの貫通孔14,14には、上端がサブベース4の上面側に配置されたコンタクトばね15,15に熱着結合して常時上方へ付勢されるLPC(全芳香族液晶ポリマー)樹脂製駆動体16、16を上下方向移動時自在に貫挿してある。
【0032】
これらの駆動体16、16はサブベース4の下面側に突出せる下端にインサート(同時)成形により平板状の導電体からなるコンタクト5、5の中央部を結合固定して、コンタクトばね15,15と併せてコンタクトブロック3a、3bを夫々構成している。これらのコンタクトブロック3a,3bの各コンタクト5は駆動体16が上下移動することによりベース8の凹平面8a内で上下移動するようになっており、コンタクトブロック3aのコンタクト5は両端下面は凹平面8a内に突出した同軸コネクタ6a,6bの中心導体7,7の上端面に対向し、コンタクトブロック3bのコンタクト5の両端下面は凹平面8a内に突出した同軸コネクタ6b,6cの上端面に対向し、コンタクトブロック3aのコンタクト5は下方向への移動時に同軸コネクタ6a,6bの中心導体7,7の上端面に接触して同軸コネクタ6a,6b間をオンし、コンタクトブロック3bのコンタクト5は下方向への移動時に同軸コネクタ6b,6cの中心導体7,7の上端面に接触して同軸コネクタ6b,6b間をオンするもので、両コンタクトブロック3a,3bのコンタクト5による上記接触は、駆動機構ブロック1の接触子2により交互に切り替えられる。従って同軸コネクタ6bの中心導体7が共通端子となり、この共通端子側と接続される同軸コネクタを6aと6bとに交互に切り替えることになる。
【0033】
ここでコンタクトブロック3a、3bの駆動体16の材質として耐熱性が特に優れているLPC樹脂を用いるので、コンタクト5の発熱に耐えることができ、その結果接点部に流せる電力を大きくすることができる。またインサート成形によりコンタクト5を駆動体16に結合固定しているためコンタクト5の駆動体16への密着は安定し、またインサート成形の金型によりコンタクト5の位置決めを行うため、コンタクト5の傾き等も無くなり、また固定部位の寸法(体積)、位置、形状などが金型精度により安定し、機械的な開閉を含めて高周波特性が安定する。また駆動体16は成形加工のため安価に製作できる。ここで駆動体16との結合固定されるコンタクト5の孔の断面形状を図4に示すように角形として回動防止を図っている。また高周波マッチングを貫通孔14を変形することで調整変更するようにすれば、高周波マッチングの変更が容易となる。
【0034】
コンタクトブロック3a、3bの駆動体16を付勢するコンタクトばね15は,金型による打ち抜き且つ曲げ加工により日字型に形成されたもので、中央片15aの中央部をその両端よりも高い位置に位置させるように中央片15aを折り曲げるとともに、中央片15aに並行する両端片15b、15bをその中央部が両端よりも低い位置となるように折り曲げて形成しており、中央片15aの中央部に設けた挿通孔18に下方から駆動体16の上端部16aを貫挿して熱着固定し、両端片15bの中央部に設けた挿通孔(図示せず)に固定ねじ17を上方から挿通させるようになっている。
【0035】
ここでコンタクトばね15の押さえとなる上端部16aより下部の駆動体16の径は、コンタクトばね15の挿通孔18の内径より大きければ良く、そのため、小さな径の熱着形状が可能となる。また上端部16aの先端は接極子ばね19に接触する部分の摩擦を小さくする形状、図示するように接触面積を小さくしたり、R面を形成することができる。また熱着部位の体積は駆動体16の上端部16aの高さで調整できもので、駆動体16の成形金型の精度が良いため、がたも無くすことができる。
【0036】
一方コンタクトばね15は、両端片15bの中央部を貫通させた固定ねじ17をサブベース4に形成せる挿通孔を介してベース8側のねじ孔21に螺入締結することにより、サブベース4とともにベース8に固定されるようになっており、固定ねじ17をサブベース4の固定用ねじと兼用して作業性を良くしている。
【0037】
さてコンタクトばね15は、日型に形成された左右対称形状であって両端片15b、15bの中央部を固定する構成であるため、中央片15aの上方の変位は可能であるが、両側方へのぶれはほとんどなく、また打ち抜き・曲げ加工の金型寸法で押し上げ力も決まるため安定し、結果押し上げ方向が安定し、安定動作が実現できるものである。しかも1部品で単純な形状であるため部品生産性も良いものである。
【0038】
かようにコンタクトばね15の上方への安定した押し上げが確保できるため、サブベース4の貫通孔14によるコンタクトブロック3a,3bの駆動体16,16の方向規制が不要となり、そのため駆動体16と貫通孔14の内面との隙間を大きくすることで、この部分での摩擦を無くすことができ、結果動作がより安定することになる。またコンタクトばね15をサブベース4にねじ固定する方法を採用することで、特性調整のための交換を容易としている。
【0039】
ここで図1に示すようにコンタクトブロック3a、3bのコンタクト5の下面より下方に突出する駆動体16の下端の寸法αは、成形金型の精度で決まって一定である。一方この駆動体16の下方移動時の逃げとして設けられるベース4の凹平面8a内に設けた円形状の凹部28の深さ寸法βとでコンタクトブロック3a,3bの中心部のインピーダンスのずれを最適化することが可能となる。また図4に示すようにコンタクトブロック3a,3bの中心部と、凹部28の断面形状とを同心円形状にすることでインピーダンスマッチングを最も取りやすくしてある。尚図4中γは凹部28の直径を、γ’はコンタクブロック3a,3bの中心部の直径を示す。
【0040】
駆動機構ブロック1は、電磁ブロック22と、接極子2及び接極子ばね19からなる接極子ブロック23と、これら電磁ブロック22、接極子ブロック23、を保持するフレーム27とで構成される。
【0041】
駆動機構ブロック1の主要な構成部材である電磁ブロック22は、継鉄29、2組の励磁コイル部30、永久磁石32等で構成される。継鉄29は磁性軟鉄などの磁性体を打ち抜きと曲げ加工により形成されたもので、平板部29aと、この平板部29aの長手方向の中央部より下方に折り曲げて垂下させた垂下片部29bとからなり、平板部29aの長手方向の中心より対称となる両端部位置に設けた孔に夫々励磁コイル部30の鉄心31の上端を挿入してかしめ固定して、励磁コイル部30を垂下配設し、垂下片部29b,29bの下端間には永久磁石32を橋絡配設してある。
【0042】
この配設は、垂下片部29bの板幅とともに、垂下片部29bの下端に形成して段部34に板状の永久磁石32の両側上端縁を係合させることにより、永久磁石32を位置決めすることで行われる。
【0043】
ここで垂下片部29bはその中心と平板部29aの中心とが一致し、中心から見て両側縁までの夫々距離が等しく形成され、ラッチングリレーを構成する本実施形態では永久磁石32として図5に示すように垂下片部29bの両側縁に亘る幅を有し且つ上下面に磁極を有するものを用いている。
【0044】
以上のような永久磁石32の取り付け構造を採用することにより、板状の継鉄に永久磁石の上端を接着固定して永久磁石を垂下させる場合に比べて永久磁石32の体積が小さくなりコストが安価となる。また永久磁石を直接継鉄の中心部に接着する場合には中心の位置決めが難しくしかも永久磁石が傾いた場合永久磁石先端の磁極での変位が大きく動作特性に影響があるが、本実施形態のように継鉄29の垂下片部29b、29b間に永久磁石32を取り付ける場合、永久磁石32の傾きは継鉄29の加工精度で決まる。つまり継鉄29の傾きは打ち抜き、曲げ加工の金型で決まるため、その傾きは小さく且つ寸法精度が安定しているため後述する接極子2のストロークが安定し、消費電力の低減が図れる。また磁気回路として磁気抵抗の小さい継鉄2を中心として構成するため、磁気抵抗の大きな永久磁石32が小さくても同等以上の磁力を確保できる磁気回路を構成できる。
【0045】
励磁コイル部30は鉄心31を貫挿したコイルボビン33に励磁コイル35を巻回して構成され、夫々の励磁コイル部30のコイルボビン33の上側の鍔部33aより励磁コイル35の両端に接続した一対のコイル端子36,36を突出してある。これらコイル端子36,36は突出基端より先部を上方へ延長して上端を継鉄29の平板部29aより上方に突出している。また下側の鍔部33bの外側端部には一対のインディケート端子37,37の下部を固定する固定台33cを設け、これらインディケート端子37,37を支持している。これらインディケート端子37,37は並行する形で、電磁ブロック22の空きスペースを利用して上方に延設されており、上部が上側鍔部36aの上記コイル端子36,36の突出部間にて保持される形で、上端を継鉄39の平板部39aより上方へ突出してある。一対のインディケート端子37,37は下端部を両側方向に折り曲げ突出して固定接触片38,38を形成し、この一対の固定接触片38,38と接触子2の両端端上面に夫々取り付けたインディケートばね39の両側の可動接触片40,40が接極子2の回動により接触開離することにり、オン、オフして対応する側のコンタクトブロック3a或いは3bのコンタクト5による同軸コネクタ6a,6b間或いは6c、6b間のオン、オフ状態を示す信号を取り出すことができるようなっている。
【0046】
従って本実施形態の構造では、従来のようにインディケート接点を電磁ブロックの上方に配置し、励磁コイルの鉄心の中心透孔に、接極子の回動により上下動するピンを入れて該ピンの上端でインディケート接点を開閉する構造のように、リレー高さを高くすることがなく、またインディケート部位の実装のためのプリント基板やピンが不要で、しかもピンと鉄心の中心透孔との間等で発生する摩擦が無くなり、動作も安定する。
【0047】
ここでインディケート端子37と上記インディケートばね39を同一厚さの同一材料(非磁性体の導電材)から同時に打ち抜き加工で取り出すようにすることで、金型の共通化とともに生産性の向上を図っている。
【0048】
各インディケートばね39は励磁コイル部30の鉄心31の下端の磁極面に対向して吸着される接極子2の端部上面に板面を溶接接合して固定され、レシュジュアルプレートを兼ねている。また可動接触片40の部位は金メッキ又はインレイをテープ状に行っている。
【0049】
接触子ブロック23は、磁性体からなる接極子2と、接極子2の両端上面に溶接接合に固定したレシュジュアルプレート兼用のインディケートばね39,39と、下面に取り付けられる接触子ばね19とで構成され、接触ばね19は接極子2の長手方向に直交する方向に形成された中央片19bと、この中央片19bの中央両側より、接極子2の長手方向に並行するように一体形成した一対のばね片19aと、両ばね片19aの端部両側より側方へ一体突出したばね調整用突片41とからなるもので、中央片19bは上方に突出するように断面が略コ状に形成され、接極子2の下面側に突出形成しただぼ(図示せず)を中央部に形成した孔(図示せず)に上方より挿入してかしめることにより、接極子2下面中央に固定され、その両端を接極子2の両側へ突出させている。この状態で中央片19bの両側のばね片19aと接極子2の下面との間にはばね片19aが撓むことができる間隙が形成され、また各突片41は接極子2の両側より外側方向へ突出してばね調整ができるようになっている。上記中央片19bの接極子2の両側より突出せる両端部には後述するフレーム27から突出させたリブ43が遊嵌される角孔42を設けてある。
【0050】
フレーム27は、非磁性体の金属板を打ち抜き・曲げ加工して形成されたもので、天井片27aと、天井片27aの短手方向の両側端より下方に向けて折り曲げ形成した側片27b、27bとを備え、天井片27aと両側片27b、27bの空間内に上記のようにように構成された電磁ブロック22を収納し、さらにこの電磁ブロック22の下方に上記のように構成され接極子ブロック23を配置する。
【0051】
電磁ブロック22のフレーム27に対する取り付けは継鉄39の上面の4隅に下面から押圧して上方に突出させただぼ44を、天井片27a側に対応させた形成した挿通孔45に下方より挿入して、継鉄39の上面を天井片27aの下面に当接し、この状態で挿通孔45より突出しただぼ44をかしめ固定することで行われる。このとき電磁ブロック22の両端より上方へ突出したコイル端子36及びインディケート端子37は夫々天井片27aの両端に形成した切欠46より天井片27aより上方に突出することになる。また各励磁コイル部30の鉄心31の上端部は天井片27aに対向するように設けられた逃げ用孔47内に嵌まることになる。
【0052】
電磁ブロック22の永久磁石32の下面よりやや下方に位置する両側片27b、27bの中央下端には内向き方向に折り曲げて突片48、48を形成し、この突片48,48間に接極子2を嵌めるとともに突片48,48の先端より更に下向けに折り曲げ形成したリブ43を接極子2の中央両側より突出している接触子ばね19の中央片19bの両端部の角孔42に上方から遊嵌して、接極子2の両側より突出している接触子ばね19の中央片19bの両端部の上面を突片48,48の下面に突出させただぼ49に揺動自在当接する。このとき永久磁石32の磁力により上向きに接極子ブロック23は引っ張られるためリブ43が角孔42から脱落することなく、接極子ブロック23はフレーム27に保持されることになり、品質も安定する。
【0053】
かような接極子ブロック23の保持構造を採用することにより溶接やかしめ治具が不要で手組みが可能となり生産性を向上させることができる。またリブ43が接極子2の中央部側に設置されるため接極子2の回動による摺動がほとんどなく、つまりまさつが無く動作が安定する。さらに接触ばね19の角孔42にリブ43を遊嵌する構成であるため、接触ばね19のばね力がその部位に働くことが無く、まただぼ49と接触ばね19の中央片19bの下面との接触であるため両者の間でのまさつが殆ど無く、溶接固定などに比べて余分なばね力が働かず動作が安定する。
【0054】
以上のように電磁ブロック22,接極子ブロック27をフレーム27に組み込むことで駆動機構ブロック1が完成する。
【0055】
この駆動機構ブロック1を高周波ブロック上へ配設固定は次のように行う。つまりフレーム27の両側片27bの両端下部より下方に一体突出してある脚片53の段部53aをサブベース4の4隅に形成してある凹欠部54に嵌めて、段部53aの下向き面をサブベース4の上面に乗せて高さの位置決めを行い、この状態で脚片53の下端側面53aをサブベース4の側面に溶接固定するのである。
【0056】
この配設固定により各コンタクトブロック3a,3bの駆動体16の上端は対向する接極子ばね19のばね片19a、19aの下面に対向し、例えば図に示すように永久磁石32,継鉄29、励磁コイル部30の鉄心31とで閉磁路を形成して鉄心31側に吸着されている接触子2の一端部側の接触子ばね19のばね片19aに対向するコンタクトブロック3aの駆動体16の上端はばね片19aより離れ、一方吸着されていない側の接触子2の他端部側の接触子ばね19のばね片19aに対向するコンタクトブロック3bの駆動体16の上端はコンタクトばね15の上向き付勢に抗し、ばね片19aを介して接極子2により下方に押し動かされた状態となる。つまりコンタクトブロック3aはコンタクトばね15により上方に付勢されて駆動体16が上方向に移動して、コンタクト5の両端を同軸コネクタ6a,6bの中心導体7の上端面より開離した状態にあり、他方のコンタクトブロック3bは駆動体16が下方向に移動して、コンタクト5の両端を同軸コネクタ6b,6cの中心導体7,7の上端面に接触した状態にあり、同軸コネクタ6a,6b間がオフ、同軸コネクタ6b,6c間がオンとなっている。
【0057】
ここで本実施形態の電磁ブロック22及び接極子ブロック23はフレーム27の一部品で全て位置決めされるため、寸法精度が安定し、生産性が向上する。
【0058】
またフレーム27への固定は全てねじ無しで、かしめや溶接により行うため高さ方向の寸法精度が安定し、精度のばらつきによる組み替えが不要となる上にねじ部の接着剤塗布も不要になり組立作業性が向上する。
【0059】
更にフレーム27は金型精度で寸法や曲げが安定しており、電磁ブロック22の寸法安定とともにフレーム27を高周波ブロックのサブベース4に溶接するため、高さ寸法がフレーム27の一部品で決めることができる。また高周波ブロックに駆動機構ブロック1を積み上げる構造であるため、組立工程が単純となる。
【0060】
更に高周波の開閉を行うための同軸コネクタ6a〜6cを取り付け、コンタクトブロック3a,3bを取り付けたベース8及びサブベース4からなる高周波ブロックと駆動機構ブロック1とは分離された形でブロック化されて組み込まれる構造であるため、高周波特性を高周波ブロックのみで調整でき、駆動機構ブロック1側の動作特性も高周波ブロック側とは別に調整でき、そのため調整作業が容易で生産性を向上させることができる。また接極子2のストロークはフレーム27と鉄心31の位置で決まるため、鉄心かしめの治具で寸法を合わせることで調整できる。更にまたコンタクトブロック3a,3bの押し込み量、つまりコンタクト5が同軸コネクタ6a,6b又は6b,6cの中心導体7の上面に当接してからのオーバートラベル量は組立後、接極子ばね19の曲げをばね調整用突片41を用いて調整することで行う。この場合接極子ばね19のばね片19aの先端が接極子2の下面に当てることもできるため、調整できる幅が広い。
【0061】
また更に所定の励磁電圧を励磁コイル部30に印加したときの動作特性の調整は最終的にインディケートばね39の可動接触片40に接触するインディケート端子27の固定接触片38の曲げにより調整する。ばね調整用突片41及び固定接触片38はフレーム27などの他の部品が調整時に邪魔にならないように形成してある。
【0062】
尚本実施形態の場合基本的には各部品とその位置決めの寸法精度が向上しているため略無調整化が実現できた。
【0063】
さて上記のように高周波ブロック上に駆動機構ブロック1を配設固定した後に、基板ブロック26をフレーム27上方に配設する。
【0064】
この場合フレーム27の天井片27aの上方に突出したコイル端子36の先端及びインディケート端子37の先端を、基板ブロック26のプリント基板24に夫々対応するように設けた取り付け孔50、51に下方から挿入してプリント基板24に半田付けし、プリント基板24を天井片27aの上方に配設固定するとともに、プリント基板24に実装されている回路に電気的に接続する。
【0065】
基板ブロック26はプリント基板24と、プリント基板24の中央部に実装したコネクタ25とで構成され、コネクタ25は各励磁コイル部30の駆動信号(励磁電流を含む)を外部回路から入力する端子と、外部へインディケート端子37からの動作状態信号を外部へ出力する端子とを備えている。勿論TTL駆動の場合にはプリント基板24にTTL回路等を実装する。尚天井片27aの中央開口部52はコネクタ25の下面側の端子の逃げ用の開口部である。
【0066】
上記のフレーム27の配設固定が終了した後、ベース8上にカバー9を被着することで本実施形態の同軸リレーが完成することになる。
【0067】
カバー9を被着するに当たっては、カバー9の天井面に設けてある端子導出孔55にコネクタ25の端子を内部から挿入してカバー9内に駆動機構ブロック1を収納しながらカバー9をベース8方向に移動させて、カバー9の下端を、そのカバー材料の弾性を利用して、励磁コイル部30,30のコイルボビン33の固定台33cの外側面に突出係止している係止突起56の上端のテーパ面56aでガイドさせながらの係止突起56を乗り越えさせ、カバー9の両側壁の下部に形成してある係止孔57に係止突起56を内側から係止してカバー9を固定するのである。この際カバー9の下端部はサブベース4の周囲のベース8上面に当接することになる。
【0068】
このように本実施形態によれば、駆動機構ブロック1の高周波ブロック上への配設とともに、基板ブロック26の積み上げ配設と、カバー9の上方からの被着により全体の組立工程が単純化されて組立性が向上する。
【0069】
次に上記のように組立完成した本実施形態の動作を簡単に説明する。
【0070】
図2において、接極子2の端部が鉄心31の対向する磁極面から離れている側つまり右側の励磁コイル部30の励磁コイル35に接極子2の右端部の上面を吸引する方向の磁束を発生させる向きの励磁電流を流すと、接極子2の右端部が鉄心31の対向する磁極面に吸引され、コンタクトブロック3b側のコンタクトばね15による駆動体16の押し上げ力とで、図2において接極子2が反時計方向に回動する。
【0071】
この回動により、コンタクトブロック3b側の接極子2の右端部がインディケートばね39を介して右側の励磁コイル部30の鉄心31の対向磁極面に吸着して、鉄心31,継鉄29,永久磁石32,接極子2,鉄心31の閉磁路が構成され、該接触子2の右端部が右側の励磁コイル部30の鉄心31の磁極面に吸着される。この状態は励磁電流が無くなっても永久磁石32の磁束が閉磁路を流れるため保持されることになる。以上の動作によりコンタクトブロック3b側のコンタクト5は同軸コネクタ6b、6cの中心導体7,7の上端面より開離し、両同軸コネクタ6b、6c間をオフする。一方コンタクトブロック3a側では接極子2の反時計方向の回転により、接極子2の左端部が接極子ばね19のばね片19aを介してコンタクトばね15の押し上げ力に抗して駆動体16を下方に押し込み、当該駆動体16の下端のコンタクト5は同軸コネクタ6a,6bの中心導体7,7の上端面に接触して、同軸コネクタ6a、6b間をオンする。またインディケート端子37の固定接触片38に接触していたコンタクトブロック3b側のインディートばね39の可動接触片40が開離するとともに、インディケート端子37の固定接触片38から開離していたコンタクトブロック3a側のインディートばね39の可動接触片40が固定接触片38に接触し、コネクタ25を通じて外部に動作状態信号が出力されることになる。この動作状態信号により動作状態がモニタできるのである。
【0072】
この反転状態からコンタクトブロック3a側、つまり図において左側の励磁コイル部30の励磁コイル35に接極子2の左端部を吸引する方向の励磁電流を流せば、上記と同様に反転動作して図2の状態に戻ることになる。
【0073】
上述した構成は双安定型のラッチングリレーであったが、永久磁石32の幅寸法を変えるだけでフェールセーフの単安定型のリレーを構成することができる。
【0074】
つまり図7に示すように継鉄29の長手方向に対応する永久磁石32の幅を垂下片部29bの幅より小さくして、片側に寄せるように配設すればよい。この場合左右二つの励磁コイル部30の励磁コイル35を直列接続して一つの励磁コイルを構成する。
【0075】
図8はこの単安定型のリレー構造の実施形態の側面断面図を示す。この単安定型のリレーは次のように駆動される。図7の安定状態態において、右側の励磁コイル部30の鉄心31の磁極面に接極子2の右端部が吸引されるように両励磁コイル部30,30の励磁コイル35、35に励磁電流を流すと、左側の鉄心31と接極子2の左端部との間で発生する反発力によってコンタクトブロック3a側の接極子2の左端部には下向きの力が、コンタクトブロック3b側の接極子2の右端部端には吸引力とコンタクトばね15による駆動体16の押し上げ力が働いて接極子2が反時計方向に回動する。
【0076】
そして接極子2の右端部が右側の励磁コイル部30の鉄心31の磁極面にインディケートばね39を介して接触すると、該右側の励磁コイル部の鉄心31,継鉄29,永久磁石32,接極子2,鉄心31の閉磁路が構成され、接極子2の他端は右側の励磁コイル部30の鉄心31の下端に吸着された状態となる。
【0077】
この状態では下方移動した接極子2の左端部でコンタクトブロック3aの駆動体16をコンタクトばね15の押し上げ力に抗して押し込んでコンタクト5を同軸コネクタ6a、6bの中心導体7,7上端面に接触させ、同軸コネクタ6a,6b間をオンする。またコンタクトブロック3bの駆動体16は接極子2の右端部の上方移動により、コンタクトばね15のばね力で押し上げられ、コンタクト5を同軸コネクタ6b,6cの中心導体7,7の上端面より開離し、同軸コネクタ6b,6c間をオフする。またインディケート端子37の固定接触片38に接触していたコンタクトブロック3b側のインディートばね39の可動接触片40が開離するとともに、インディケート端子37の固定接触片38から開離していたコンタクトブロック3a側のインディートばね39の可動接触片40が固定接触片38に接触し、コネクタ25を通じて外部に動作状態信号が出力されることになる。
【0078】
この動作状態は励磁コイル部30の励磁コイル35に励磁電流を流している状態で維持されることになるが、励磁電流をオフすると、図8の状態に復帰する。つまり永久磁石32がコンタクトブロック3a側の偏倚しているたため、コンタクトブロック3b側では永久磁石32,接極子2,右側の励磁コイル部30の鉄心31,継鉄29,永久磁石32の磁路に流れる永久磁石32の磁束による吸引力とコンタクトブロック3aのコンタクトばね15による駆動体16の押し上げ力との合成力の方が接極子2の右端部に対する吸引力よりも大きく、その結果接極子2は時計方向に回動して、左端部が上方へ移動して接極子2の左端部が左側の励磁コイル部30の鉄心31にインディケートばね39を介して吸着され、永久磁石32,接触子2,左側の励磁コイル部30の鉄心31,継鉄29,永久磁石32で閉磁路が構成されることになって、図8の状態に復帰保持される。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の発明は、金属製のベースの上下面に貫通し、下部内周に雌ねじ部を形成した取り付け孔に、ベース下面側の開口より螺入して雌ねじ部に同軸コネクタを螺着するとともに該同軸コネクタの中心導体の先端をベース上面側の開口に臨ませ、該先端をベースの上面側に配設されるコンタクトが接触・開離する固定接点とした同軸リレーにおいて、上記雌ねじ部のベース下面からの深さをベースの厚さの約半分の寸法としたので、十分な螺合量を得て、同軸コネクタの倒れ方向に対する保持力を確保でき、しかも同軸リレーの外殻導体の雄ねじ部の複数箇所に外殻導体の上端から下方に延びた接着剤収容スペース用の切り込み面を形成したので、余分な接着剤を切り込み面に収納でき、そのため十分な量の接着剤を塗布してもはみ出ることが無く、その結果接着によって十分な強度が確保でき、結果同軸コネクタに同軸ケーブルを接続するときの外力で同軸コネクタがずれて、高周波特性が変動、劣化するということがないという効果がある。
【0080】
また、同軸コネクタの筒状の外殻導体の上端開口側より外部へ突出する中心導体の突出基部に形成されたくびれ部を中心孔に圧入するとともに外殻導体の上端開口に圧入した円板状のサブブッシングを3フッ化エチレンにより形成したので、同軸コネクタの中心導体の回転や抜けを防止する保持力をサブブッシングの硬度で確保できる。
【0081】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、取り付け孔の雌ねじ部の内径を雌ねじ部に連通する孔の内径よりも大きく形成して雌ねじ部と孔との境界部の下向き面に螺着した同軸コネクタの外殻導体の上端及びサブブッシングの周縁を当接し、中心導体のくびれ部の上下対向面に接するサブブッシングの部位のサブブッシングの直径方向の長さと、上記境界部の下向き面に当接する上記サブブッシングの周縁のサブブッシングの直径方向の長さとを同じ寸法としたので、高周波特性を確保しながら、保持力のバランスを取って最大の保持力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラッチングリレーを構成する実施形態の高周波ブロックの拡大断面図である。
【図2】同上の全体の縮小分解斜視図である。
【図3】(a)は同上の一部破断せる正面図である。
(b)は同上の一部破断せる側面図である。
【図4】同上のベースの一部破断省略した拡大上面図である。
【図5】(a)は同上の同軸コネクタの外殻導体の上面図である。
(b)は同上の同軸コネクタの側面図である。
(c)は同上の同軸コネクタの外殻導体の下面図である。
(d)は同上の同軸コネクタの正面断面図である。
【図6】同上に用いる継鉄の正面図である。
【図7】本発明の単安定型リレーを構成する実施形態に用いる継鉄の正面図である。
【図8】同上の単安定型リレーの一部破断せる正面図である。
【図9】従来例の一部破断せる正面図である。
【符号の説明】
4 サブベース
6a〜6c 同軸コネクタ
7 中心導体
7a くびれ部
8 ベース
10 取り付け孔
10a 雌ねじ部
11 外殻導体
11a 切り込み面
12 絶縁体
13 サブブッシング
Claims (2)
- 金属製のベースの上下面に貫通し、下部内周に雌ねじ部を形成した取り付け孔に、ベース下面側の開口より螺入して雌ねじ部に同軸コネクタを螺着するとともに該同軸コネクタの中心導体の先端をベース上面側の開口に臨ませ、該先端をベースの上面側に配設されるコンタクトが接触・開離する固定接点とした同軸リレーにおいて、上記雌ねじ部のベース下面からの深さを該ベースの厚さの約半分の寸法とし、上記同軸コネクタの筒状の外殻導体の雄ねじ部の複数箇所に上記外殻導体の上端から下方に延びた接着剤収容スペース用の切り込み面を形成し、上記筒状の外殻導体の上端開口側より外部へ突出する上記中心導体の突出基部に形成されたくびれ部を中心孔に圧入するとともに上記外殻導体の上端開口に圧入した円板状のサブブッシングを3フッ化エチレンにより形成して成ることを特徴とする同軸リレー。
- 取り付け孔の雌ねじ部の内径を雌ねじ部に連通する孔の内径よりも大きく形成して雌ねじ部と孔との境界部の下向き面に螺着した同軸コネクタの外殻導体の上端及びサブブッシングの周縁を当接し、中心導体のくびれ部の上下対向面に接するサブブッシングの部位のサブブッシングの直径方向の長さと、上記境界部の下向き面に当接する上記サブブッシングの周縁のサブブッシングの直径方向の長さとを同じ寸法としたことを特徴とする請求項1記載の同軸リレー。
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