JP3952317B2 - チェーンステーの延長効果を選択的に適用するための自転車ホイールの走行経路及びそれを提供するための装置 - Google Patents

チェーンステーの延長効果を選択的に適用するための自転車ホイールの走行経路及びそれを提供するための装置 Download PDF

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Description

【0001】
本願は、米国の一部継続出願、すなわち出願日1995年1月25日、発明の名称「自転車のリア・サスペンション・システム」、Serial No.0877,931に対応するものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車に関し、より詳細にはエネルギー伝達効率が優れており、しかも自転車が荒路を走破する場合にも穏やかな挙動が得られるリア・サスペンション・システムに関する。
【0003】
【発明の背景】
自転車向けのショックアブソーバ機能を備えたリア・サスペンションはすでに知られているが、これらは完全に満足すべきものとなっているわけではない。
多くのリア・サスペンションでは、凹凸を乗り越える際に衝撃力を受けると、後輪の車軸がある一点を中心として旋回するようになっている。この設計では、リア・サスペンションのバネ/ダンパは、乗り手からのペダル踏力によって、圧縮されたり伸びたりすることになる。この点で、リア・サスペンションのバネ/ダンパがペダル踏力の作用を受けてしまうとともに、乗り手のエネルギーがいくらか無駄に消費されることとなる。
この効果については、乗り手がペダルを漕いだとき、リア・サスペンション・システムが浮き上がったりまたは沈み込んだりする傾向が一般にみられることからも明らかである。これらのシステムは、ほとんどが単一の旋回アームを一点を中心として回動させるようになっており、チェーンの張力が旋回アームに作用して突き上げや沈み込みが起きている。仮に、回動中心がチェーンの直線に対して上側にあったとすると、サスペンションは概して浮き上がり傾向になり、突き上げ力がチェーンの張力を上回ったときにのみ最適なコンプライアンスが得られることになる。逆に、サスペンション・システムの回動中心がチェーンの直線の下側にあるときは、チェーンの張力は、突き上げ力が働いたときの如くサスペンション・システムのバネ/ダンパを圧縮するように働くため、システムは概して沈み込む傾向になる。
〔発明の概要〕
本発明は、上述の問題点を解決したもので、動力伝達チェーンと圧縮式のリアサスペンションとを備えた自転車用の車輪の制御された移動軌跡であって、駆動スプロケット軸から後輪の車軸までの距離を変数CSLで表し、車軸が所定の起点から移動軌跡に沿って動いた距離を変数Dと表す。広くいえば、車輪の制御された移動軌跡は、(a) 車輪の移動軌跡上における点Dp に、最適ペダリングポジションが設定され、(b) 点Dp の下方に位置する下側曲線区間においては、サスペンション・システムが圧縮されるにつれてチェーン張設距離伸張の割合が増加する、すなわち、一階微分 d[CSL]/d(D)が、概略正の傾きの曲線となっており、換言すれば、二階微分d2[CSL]/d(D)2が、概略正となっており、(c) 点Dp の上方に位置する上側曲線区間においては、サスペンション・システムが圧縮されるにつれてチェーン張設距離伸張の割合が減少する、すなわち、一階微分d[CSL]/d(D)が、概略負の傾きの曲線となっており、換言すれば、二階微分d2[CSL]/d(D)2 が、概略負となっている。
【0004】
より好ましくは、車輪の制御された移動軌跡の下側曲線区間には、凹部を前方に向けた円弧であって、その平均半径が駆動スプロケット軸から後輪の車軸までの一定の半径の円弧に比べて大きくなっている第1の下側円弧区間が含まれている。そして、上側の曲線区間は、好ましくは、凹部を前方に向けた円弧であって、その平均半径が第1の下側円弧区間の半径よりも小さい上側円弧区間を含むとともに、上側円弧区間と下側円弧区間との結合点は、点Dp の近傍における変曲点となっており、Dが点Dp の前後にあるときにチェーン張設距離伸張の割合がピークに達するようになっている。
第1の下側円弧区間は、凹部を前方に向けた円弧であって、その平均半径が無限大に近づく円弧区間を含んでおり、下側曲線区間は前方に傾いた直線軌跡に近づいていくようにしてもよく。また、下側曲線区間には、さらに、第1の円弧区間の下方に第2の円弧区間が設けられ、この第2の円弧区間は後方に配置した平均半径を有し、第2の円弧区間が第1の曲線区間に対して逆向きにまがっており、下側曲線区間の下端に向かってDが移動したときに、チェーン張設距離伸張の割合が比較的急激に増加するようにしてもよい。
【0005】
本発明は、さらに自転車を提供するものであって、この自転車は、駆動チェーンにおける駆動スプロケット軸から後輪の車軸までの距離を変数CLSで表し、圧縮式のリアサスペンションと、このサスペンションが圧縮されたときに車軸を車輪の制御された移動軌跡に沿って移動させる手段とを有し、車輪の制御された移動軌跡には、(a) 車輪の制御された移動軌跡上の点Dp に定められた最適ペダリングポジションと、(b) 点Dpの下方に配置され、サスペンションシステムが圧縮されるにつれてチェーン張設距離伸張の割合が増加する、下側曲線区間であって、一階微分d〔CSL〕/d(D) が概略正の傾きの曲線となっており、換言すれば、2階微分d2〔CSL〕/(d(D))2が概略正である区間と、
(c) 点Dpの上方に配置され、サスペンションシステムが圧縮されるにつれてチェーン張設距離伸張の割合が減少する、上側曲線区間であって、一階微分d〔CSL〕/d(D) が概略負の傾きの曲線となっており、換言すれば、2階微分d2〔CSL〕/(d(D))2が概略負である区間とを備えている。
ここで、車輪の制御された移動軌跡に沿って車軸を移動させる手段は、(a) 車輪が取り付けられる後端部と前端部とを有するコントロールアームと、(b) コントロールアームの前端部に取り付けられるピボットアセンブリとを備え、ピボットアセンブリは、ピボットアセンブリと自転車の前部フレームとを結合させるとともに、サスペンションが圧縮されるのに応じて後輪を移動軌跡に沿わせるための、カム手段を備えている。ここで、カム手段は、前部フレームにおける駆動スプロケットより前方に回転自在に取り付けられた前側の偏心カム部材と、前部フレームにおける駆動スプロケット付近の後方に回転自在に取り付けられた後ろ側の偏心カム部材と、コントロールアームの前端部に取り付けられ、前側フレーム部に偏心カム部材を介して結合された、フレームとから構成するとよい。
【0006】
それぞれの偏心カム部材には、前部フレームに取付けられ、第1の回転軸となる主軸部分と、主軸部分に延設され、第1の回転軸と平行で偏心した第2の回転軸となるクランク部分とを備えるとよい。偏心カム部材のクランク部分は、ピボットアセンブリのフレームに回転自在に取付けるのが好ましい。さらに、カム手段には、偏心カム部材と摩擦する摩擦手段を備えてもよく、これにより、所定の最小値よりも小さな外部からの突き上げ力を受けたときに圧縮式サスペンションのコンプライアンスを抑制できる。そして、摩擦手段としては偏心クランク部材を前部フレームに対して回転自在に支持する摩擦ブッシュを用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
a.概要
本発明が提供するリア・サスペンション・システムは、不規則な凹凸路から受ける衝撃力を効果的に吸収することができるとともに、乗り手が快活ないし乱暴にペダリングしても、その作用によるサスペンションの圧縮・伸長を最小限に抑えることができるものである。このことを達成するために2つの偏心クランク機構を用い、サスペンションが圧縮されるにつれて後輪があらかじめ設定された軌跡上を移動するように構成し、これにより、圧縮過程のある段階においてフレームに働く下向きの力をチェーンの張力で打ち消すこととした。
図1は自転車の斜視図であって、自転車01のフレーム10には、本発明のリア・サスペンション・システム12が備えられている。フレームとサスペンション・システムには、従来から公知の構成部品であってそれ自体が本願発明を構成するわけではないが、前輪02,後輪03,ハンドル04,サドル05,クランク06,駆動チェーン08が備えられている。
図2は、自転車のフレーム10とリア・サスペンション・システム12を示す拡大図である。図2に示す実施形態のフレームは、古典的な「ダイヤモンド型」のものと似た全体形状をとっている。フレーム前方部13には、乗り手の体重を支持すべく略垂直に設けられたサドルチユーブ14と、これとほぼ平行にやや短めに設けられた、フロントフオーク18及びハンドルを支持するためのヘッドチユーブ16が備えられている。サドルチューブとヘッドチューブを結合しているのは略水平に配設されたトップチューブ20と斜めに配設されたダウンチユーブ22で、これらダウンチユーブ22とサドルチユーブ14の下端部分は、円筒状のボトムブラケットシェル23に結合されている。ボトムブラケットシェルは水平向きに配設され、チェーンに駆動張力を与えるための公知のクランクセット(すなわち、ペダル,クランクアーム,クランクシャフト,チェーン,及び付属部品)を装着する。なお、本明細書および特許請求の範囲において、「チェーン」なる語は、通常の自転車チェーンに限られず、ドライブベルトや歯付ベルト等の類似の動力伝達要素をも含むものとする。
【0008】
先にも述べたが、上述したフレームの部分は伝統的な形態のものであり、このことは多かれ少なかれ、サドルやハンドル軸などの部品について、標準化されたものを使用できる点で有利となる。しかし、本発明のサスペンション・システムは、ここで述べたような従来から一般的な形態のものとは異なった形態の自転車用フレームに対しても適用することができるものである。
本発明のリア・サスペンション・システム12は3つのサブアセンブリを互いに連結して構成される。すなわち、(1) 下部ピボットアセンブリ30,(2) 上部ピボットアセンブリ32,及び(3) リアスイングアームアセンブリ34であり、後者(3) の尖端部分に形成された切欠35a,35bに後輪が取り付けられることになる。
詳しくは後述するが、下部ピボットアセンブリ30には、フレームワーク36が備えられ、前後2つの偏心クランク部材38a,38bによってフレーム前方部に対して移動自在に結合されている。一方、上部ピボットアセンブリ32には、ロッカーフレーム40が備えられ、フレームのサドルチューブに軸42を介して回動自在に取付けられている。ロッカーフレーム40は、サドルチューブ14の前後にわたるように配設されており、その前端部はバネ/ショックアブソーバ44の上端部に軸支されるとともに、ショックアブソーバの下端部はサドルチューブのブラケット46に軸支されている。ロッカーフレームの後端部は、スイングアームアセンブリの上部コントロールアーム50の上端部に、軸48a,48bを介して連結されている。このコントロールアームは二股に分かれ、第1の脚52a及び第2の脚52bとなっており、これらは通常のサドル位置が得られるよう、後ろ向きに延びている。そしてこれらの後端部は、軸54a,54bによって下部アーム58の2本の脚56a,56bの後端部に連結されている。脚56a,56bの前端部は下部ピボットアセンブリ30のフレームワークに固着されている。
【0009】
本発明のシステムにより提供される車輪の移動軌跡は、実際にはかなり複雑であり、詳しくは後述するが、ここでは概要として、サスペンションの動きを要約しておくことにする。自転車が荒路を走行すると、後輪には衝撃力が加わって、スイングアームアセンブリ34の後端部は、矢印60で示す如く、曲線軌跡に沿って上下に動く。これと同時に、上部ピボットアセンブリ32の後端部とアーム50の連結点が、矢印62で示す如く、円弧を描くように上下して、上部ピボットアセンブリのロッカーフレームは、軸42を中心に傾動する。これにより、上部ピボットアセンブリの端部とフレームブラケット46との間に取付けられたショックアブソーバ44は圧縮されたり伸びたりする。
さらにこの動きと同時に、偏心クランク部材38a,38bに支持された下部ピボットアセンブリ30のフレームワークは、ボトムブラケットシェルの周りを矢印66,68で示す如く揺動する。詳しくは後述するように、この動きによって、サスペンションが圧縮されたときに後輪の車軸が沿って動くカーブが描かれることになる。この動きは3つの区間に区分することができる。すなわち、第1の区間においては、2つの偏心部材の動きを合成すると、アセンブリの実質的な回転中心は後ろ側の偏心部材の付近に存することになる。第2の区間では、偏心部材は共に動くようになり、アセンブリの動きには後方への動きが加え合わされるようになって、回転中心はボトムブラケットに重なる位置に移動する。第3の区間では、回転中心は前側の偏心部材に向けて移動する。
【0010】
以上のような複合された動きから「仮想回動中心」が得られ、これが移動することにより、サスペンションが圧縮されたときに後輪が沿って動くべき複雑なカーブが規定されることになる。詳しくは後述するが、このことにより「チェーン張設距離伸張効果("chainstay lengthening effect")」(すなわち、ボトムブラケットシェル23と後輪の車軸の位置35との距離が実質的に長くなる効果)として知られる作用が、サスペンションが圧縮される過程での特定の点において、システムに備えられることになる。チェーン張設距離伸張効果が増加するフェーズにおいては、ペダルに加えられる下向きの力に呼応して、サスペンションはチェーンの張力に基づいてフレームに上向きの力を作用させる。乗り手が腰掛けてサドルチューブに体重を加えたとき等に、このポジション(「最適ペダリングポジション」と称する)よりも下方にまでサスペンションが圧縮されたときには、チェーン張設距離伸張効果は小さくなり、その結果、最適ペダリングポジションより下側では、サスペンションに対するチェーンの張力の影響が小さくなり、サスペンションは乗り手からの動力以外の垂直入力(即ち、乗り手の体重)及び凸凹路からの衝撃力に対してコンプライアントであり続けることになる。これによる効果とは、つまり、システムへのペダルからの入力と凸凹路からの入力とを「分離」することができることである。すなわち、乗り手がペダルを漕いでも、サスペンションが圧縮されたり伸びたりすることはなく、荒路の凸凹に対してコンプライアントでいることができる。
【0011】
以上、本発明のシステムの概要を説明したが、以下では各構成部分(サブアセンブリ)について詳しく説明し、それに続いて、これら各構成部分が連携して得られる動作について説明する。
b.サブアセンブリ
i. 下部ピボットアセンブリ
図3は下部ピボットアセンブリを示す拡大図である。図示の通り、下部ピボットアセンブリ30には、重要かつ特徴的な部材である2枚の平坦なサイドプレート70a,70bが備えられており、機械加工,鋳造,鍛造などによって製作されている。各プレートの略中央部には、ポトムブラケットシェル23を受け入れるべく、これに相対すように開口部72が形成され、2つの偏心機構によってフレームに対して動き得る範囲をカバーしている。プレートには、他にもいくつか開口部74a−74dを形成しておくことが好ましいが、これらは軽量化のためである。これらの開口部の数や形状は任意であるが、図3においては、すぐれた強度が得られるように、また独特な審美感のある外観が得られるように、略三角形の開口部の内周にウェブを突設している。
【0012】
サイドプレート70a,70bの後端部には、サイドプレートの間隔に合致するように設けられたブロック76とともに、下部コントロールアームの前端部が固定されている。下部アームには、ここから後方に2本の脚部56a,56bがほぼ平行に伸びており、後輪を収容するための空間78が設けられる。
サイドプレート70の前端部及び後端部付近には、丸孔80a,80bが設けられ、偏心クランク部材の端部38a,38b及びそのための軸受82a,82bを受け入れるようになっており、図示の実施形態では、偏心クランク部材の端部と軸受は、締付ボルト84a,84bによって、フレームワークに保持されるようになっている。偏心クランク部材のそれぞれの主軸は、ダウンチューブ22とサドルチューブ14にそれぞれ固定された前後2つの突設部86,88(図8をも参照のこと)に、軸受89a,89bを介して回動自在に支持されている。偏心クランク部材の具体的な位置関係と方向については後で詳しく説明するが、図3だけを見ても、前側のクランク部材38aはボトムブラケットシェル23の中心軸に対して前方やや上方に位置しており、一方、後ろ側のクランク部材は後方やや下方に位置していることがわかるだろう。これら3つの軸(すなわち、ボトムブラケットシェルと2つの偏心クランク部材の軸)は、間隔をあけて、いずれも互いに平行に配設されている。
【0013】
ii. 上部ピボットアセンブリ
図4は上部ピボットアセンブリ32を示す拡大図である。図示の通り、前記下部ピボットアセンブリと類似して、自転車の長手方向に向けて互いに平行に配置された第1及び第2のサイドプレート90a,90bによって、フレームワーク32が構成されている。またボトムブラケットアセンブリと同様、軽量化のために、プレート90a,90bには開口部92が列設されている。
フレームワークの中央部分において、サイドプレートには孔94が穿設され、締付ボルト98によって軸42及びその軸受96をプレートに締付保持するようになっている。軸42はサドルチューブに設けられた突設部100の孔に挿着される。この点では偏心軸を用いた下部ピボットアセンブリと異なり、軸42は単一の回転軸を提供するための真っ直ぐな軸棒である。
フレームワーク40の後端部は、上部コントロールアーム50の上端部に軸着されている。図示の実施形態では、2本の脚部52a,52bの上端部をクロスバー102で連結し、ここから2枚のサイドプレート90a,90bの間に第1及び第2のプレート104を延設している。プレート104には2本のピン48a,48bと係合すべく孔(図示せず)が設けられ、各ピンの外向きの端部は、軸受106を介して孔108に、締付ボルト110で締付保持される。
【0014】
フレームワークの前端部をみると、2枚のサイドプレート90a,90bには孔112が形成され、ショックアブソーバの上端部116の孔(図示せず)に挿通されたピン114を受け入れるようになっている。ショックアブソーバの下端部118は、フレームブラケットの突端の孔122に挿通された第2のピン120を介してフレームに取付けられる。
軸42とピン48,114,120は、それらすべての中心軸が互いに平行になるよう配置されている。
ショックアブソーバ44は、スプリングとダンパーからなる自転車後輪用のユニットで、例えばFox(登録商標)やRisse(登録商標)など、一般的なタイプのものでよい。また上述したような形式のものと違った、他の形式のショックアブソーブ機構で、それに応じたバネとダンパを備えたものを採用するようにしてもよい。
iii.スイングアームアセンブリ
図5はスイングアームアセンブリ34の後端部を示す拡大図である。スイングアームアセンブリの尖端部には、左右に車軸アクセルブラケット130a,130bが設けられ、この全体的な形状は従来の伝統的な自転車の車軸保持部分に似て、車軸を受け入れるための切欠部35a,35bが設けられている。右側のアクセルブラケット130bにはチェーン張り器を取付けるための脚部132が備えられている。
【0015】
アクセルブラケットの前方に延設された首部134a,134bは、下部アーム58の脚部56a,56bに固着される。一方、上端の角部136a,136bは、上部アーム50の脚部52a,52bの下端に形成された二股部に受け入れられ、ピン140a(図示せず),140bで軸着される。ピン140a,140bの中心軸はシステムの他の回動軸と平行になるように配置されている。
c.オペレーション
i.チェーン張設距離伸張効果
車輪が垂直方向に動いたときに、これに応じてチェーン張設距離の長さが伸びるように構成したサスペンションシステムでは、チェーンが張られたとき、即ちペダルを漕いだときに、車輪に下向きの力が発生する。これを「チェーン張設距離伸張効果」と呼ぶ。車輪の単位垂直変位に対するチェーン張設距離の伸びが大きくなるほど、つまり、チェーン張設距離伸張の割合が大きくなるほど、チェーンが張られたときに車輪に働く下向きの力も大きくなる。チェーン張設距離伸張が、(従来の多くのサスペンションシステムがそうであったように)、サスペンションの伸縮のすべての領域で見境なく生じたとすると、凹凸路で車輪が動いたときに自転車に「逆ペダル力」が生じることになったり、張設距離の距離の変化に対応できる充分な弛みを確保するために、とても長いチェーンとチェーン張り器が必要になるなどの不都合がある。一方で、チェーンの伸張がまったくないと、乗り手がペダルを下向きに踏みつけたときに、これに対抗する上向きの力をフレームに作用させることはできなくなる。これに対して本発明では、以下のように後輪の移動軌跡を制御することで、「チェーン張設距離伸張効果」の割合を変化させることができ、乗り手の漕ぐ力とバランスをとる必要がある場合にのみ、かかる効果を発生させる。
【0016】
サスペンションに作用する基本的な力は以下の通りである。(1) 乗り手の体重、即ち「駆動でない」入力(サドル及び/又はボトムブラケットの中心軸に働く垂直下向きの力)、(2) 乗り手がペダルを漕ぐ力、即ち「駆動入力」(垂直下向きの力及び/又はボトムブラケットの回転軸まわりの回転モーメントでチェーンの張力となって後輪を前方へ進めようとする力)、(3) バネとダンパの複合力(フレームに対する上向きの力と、後輪の中心軸に対する下向きの力)、および(4) 凹凸路からの垂直な入力(若干の後ろ向きの力及び/又は後輪の中心軸に対する上向きの力)。本発明では、チェーン張設距離伸張効果を選択的に作用させて最初の3つの力をバランスさせ、これらと4番目の力との関係を断ち切る。このことを達成するため、車輪の移動軌跡のどの区間においてベダルからの入力によるサスペンションの圧縮力が最大になるのかを決定し、その部分だけでチェーン張設距離伸張効果が発生するように移動軌跡を設定する。
移動軌跡の最初の区間は、最適ペダリングポジションを含む区間である。乗り手の体重でサスペンションが撓み、車輪がペダリングに最適な位置に移動したとき、これを「最適ペダリングポジション」という。本発明における車輪の移動軌跡は、このポイント(即ち最適ペダリングポジションの付近)でチェーン張設距離伸張効果が増加するように設定されており、これにより、フレームに働く下向きの力は、チェーンの張力の結果である車輪を押し下げようとする力によって打ち消される。最適ペダリングポジションのすぐ上では、最も大きなチェーン張設距離の伸張が得られるようになっており、快活にペダルを漕いだときにサスペンションが圧縮されないようにしている。
【0017】
次に、車輪が最適ペダリングポジションの上側の次の区間に移動したときには、サスペンションのバネユニット(例えばショックアブソーバ)の反発力が増加して、チェーン張設距離伸張効果が乗り手のペダル入力を打ち消すのを補助するようになる。このことから、車輪が上方に向けて移動するにつれ必要とされるチェーン伸張は段々少なくなり、移動軌跡の最後の区間では、バネの反発力が最大になりチェーン張設距離伸張効果が最小になるように設計されている。
本発明の移動軌跡を従来技術のものと対比するとこうである。例えば、ローピボット型のサスペンションシステムでは、ピボット点はボトムブラケットの付近にあり、チェーン張設距離の伸張はきわめて僅かしかなく、このため、最適ペダリングポジションの付近に車輪があるときにサスペンションに不都合な動きが生じてペダリングの効率が低下する。一方、ハイピボット型では、チェーン張設距離の伸張を生じて、乗り手の垂直方向の入力を打ち消すことができるが、伸張量が、特にロングストローク型(例えば3インチ以上)のサスペンションを採用したときに過剰になる不都合がある。さらにハイピボット型では、ハードなペダリングに対して後輪がオーバーコントロールになりがちな傾向があって、車輪が最適ペダリングポジションよりも下にあるとき、後輪がサスペンションストロークの最下点に押し付けられてしまう。このようにみていくと、ピボット点をハイとローとの中央に設定すれば最適な特性が得られると思われるかも知れない。しかしながら、これは実際にはうまくいかない。ライディングポジションやペダリングテクニックには、(例えば、座ったり立ったり、又はぐるぐる漕いだりドスンドスンと漕いだり等)、様々なバリエーションがあるからである。本発明はより包括的な解決を図ろうとするもので、ピボットの中心点を「移動させる」ことにより、車輪が移動軌跡の上端又は下端にあるときにはローピボット型に似せた挙動を得る一方、車輪が最適ペダリングポジションの付近に位置して大きなチェーン張設距離伸張効果が必要とされるときにはハイピボット型に似た特性を示すようにしたのである。
【0018】
ii. デュアル偏心リンク
デュアル偏心リンクは、本発明による車輪の移動軌跡を定義するもので、ボトムピボットアセンブリ30の一部をなしている。図6は、このアセンブリと前後の偏心部材38a,38bの概略配置を示す図であり、図7及び図8はアセンブリをクランク部分を露出させて示す図である。符号150で示す拡大図のとおり(なおアセンブリの右側面図は本図と鏡像関係にあらわされる。)、偏心部材38a,38bは、フレームブラケット86,88と軸受89a,89bの中で回転自在に支持された主軸部分152a,152bと、フレームワークの孔80a,80bに挿入するための偏心したクランク部分154a,154bと(図6参照)、から構成されている。
従って、サスペンションが圧縮されると主軸部分がフレーム内で回動し、クランク部分154は、矢印156a,156bに示す如く、円弧を描いて旋回する。なお、図示の実施形態では、2つの軸の間隔は約7インチにしているが、この間隔は1インチ以下から23インチまで可能である。
図8では、サスペンションが初期の、圧縮されない状態における各クランク部材の方向関係をも示している。具体的には、この状態では、前側の偏心クランク部材38aは前方上向きを向いており、クランクが上死点から約90°の位置になる。一方、後ろ側の偏心クランク部材38bはクランクが上死点から165°の位置になっている。
【0019】
iii.車輪が移動したときの偏心クランク間の相互関係
図9乃至11は、前側の偏心クランクを前側のリンク160aによって、後ろ側の偏心部材を後ろのリンク160bによって、それぞれ示す簡略図である。図中の矢印は圧縮工程の各フェーズにおける各リンクの回転範囲を示している。
図9は、車輪の移動軌跡を3分した最初の(もっとも下の)部分における動きを示す図である。この無負荷の状態のとき、2つの偏心部材の角度配置の間には約90°の差があるため、車輪がこの3分の1の軌跡を動いたときには、前側のリンク160aの動き(矢印164にて示す)の方が、後ろ側のリンク160bの動き(矢印166)よりも大きくなる。よって、車輪の移動軌跡のこの区間においては、中心点は後ろ側のリンク160の近くに来ることになる(以下中心点Aと称する)。そして後ろ側のリンクはボトムブラケットの近くに設けられているから、結果的にチェーン張設距離の伸張はとても小さくなる。この区間はサスペンションが乗り手の体重で最適ペダリングポジションまで単に撓んでゆく過程なので、チェーン張設距離の伸張は必要ないのである。
図10は移動軌跡を3分した中央の区間におけるリンクの動きを示している。この区間は最適ペダリングポジションの付近から開始するもので、サスペンションには駆動入力の圧縮力に対抗すべく最も大きな反発力が必要とされる区間である。図10に示すように、この区間の始まりにおいては、2つのリンクの相互の角度はもはや直角ではなく、平行に近い配置に変化している。このため、矢印168,170に示すように、2つのリンクの回転量はこの区間では同じくらいになっており、両者の動きを合成すると、後輪の支持部材は略後方へ動くことになる。この結果、「仮想回転中心」は、ボトムブラケットのはるか上方に移動して(中心点B)、チェーン張設距離伸張効果が増強されることになり、ペダル入力でチェーンに発生する張力によって車輪を下向きに押し下げる力が生み出され、これがフレームに作用するボトムブラケットからの力とバランスするようになる。実際、この配置はきわめて有効で、乗り手が非常に不規則なペダル入力を行ったり、あるいはジャンプするようにペダルを漕いだとしても、サスペンションが最適ペダリングポジションから下に著しく圧縮されるようなことはない。
【0020】
図11は、移動軌跡の最後の区間を示す図である。この区間ではサスペンションは完全な圧縮状態に向かう。この区間の始まりは車輪が最適ペダリングポジションよりかなり上に移動したところにあり、リンク160a,160bの相互の角度は概略直角(90°)に戻っている。この結果、矢印174,172に示すように、後ろ側のリンクの動きが前側のリンクの動きよりも大きくなる。これにより、車輪の動きの中心点は前側のリンク160aの近くに移動して(中心点C)チェーン張設距離伸張効果は抑制される。この区間においてはチェーンの張力による車輪の押し下げ力は徐々に小さくなるが、これと同時的にバネの反発力が大きくなって乗り手の駆動入力を打ち消すようになる。
図12乃至11は、上述のリンクが車輪の移動軌跡を制御・定義するようすを更に詳しく示した図である。具体的には、図12は圧縮過程の最初と最後における偏心クランク部材の相互関係を示している。リンク160a,160bは簡略に図式化して円180a,180bとして示してあり、第1の軸(即ち、偏心部材の主軸部分の中心軸)は円の中心点に対応し、第2の軸(即ち、偏心部材のクランク部分の中心軸)は円周上の点としてあらわされる。円182はボトムブラケットシェル23に対応し、ボトムブラケットアセンブリの中心軸は円の中心になる。以上より、2つの偏心部材のクランク部の相互の距離は一定長の第1の線分184であらわされ、また、後ろ側のクランクから後輪の車軸までの距離は第2の線分186で示されることになる。
【0021】
図12から更にわかるのは、サスペンションが圧縮されるにつれて矢印188のように前後のリンクが回転し、この結果、後輪の車軸が矢印189のように後方かつ上方に変位することである。このようにして後輪の車軸(186−186’の後端に位置する)は前述した軌跡をたどる。
図13は前記図12と似ているが、2本の線分を圧縮過程の全域にわたって連続的に(約10°おきに)示した点が異なっている。図14は一定長の線分186−186’の後端にある車軸がたどっていく軌跡190を示している。矢印194は車軸の動きが概略上方に向かっていくことを示している。
d.車輪の移動軌跡の説明
i.基礎的な外形
図15は合成された曲線190の一例を示す拡大図であり、サスペンションの圧縮過程における上記3つの異なる区間で、3つの中心点ABCの相対位置が変化するのを示している。車輪の移動軌跡の最下位の部分20の中心点Aは、合成軌跡190の前側(即ち、チェーンが張られている側)に位置する。次に、移動軌跡の略中央に位置する部分202では、合成曲線190の中心点Bは、チェーンの張られている側から、車輪の移動軌跡の後ろ側へと移動する。最後に、車輪の移動軌跡の最上部204では、中心点Cは前方に移動して、再びチェーンが張られている側に位置する。前述したように、この合成曲線は乗り手のペダル入力にバランスするようなチェーン張設距離伸張効果の変化を生み出す。移動軌跡の各曲線部分は単純な円弧にはなっていないが、それぞれは平均半径を有していると考えることができる。半径が小さければ曲線は急にまがり、半径が大きければ緩やかにまがる。すると、移動軌跡の中央部分(中心点B)はより小さな平均半径を有しており、これは他の2つの部分(中心点AとC)と同等又はより小さな平均半径となっている。これにより、最適ペダリングポジションのすぐ上において、相当に急激なチェーン張設距離伸張の変化が引き起こされる。そして、この場所こそ、厳密な意味で、ペダル入力に対する反力がもっとも必要とされる場所なのである。
【0022】
ここで留意すべきは、サスペンションにとって一番大切な特性とは、最適ペダリングポジションにおけるチェーン張設距離伸張効果(中心点B)であり、また、この上側に続く区間においてチェーン張設距離伸張効果が漸次減少することであるということである。従って、車輪の移動軌跡の3区分の最下位の部分(中心点A)は、いわばオプション的なものということができる(これがため、実施形態によっては省略することが可能である。)。この区間によって生み出される効果は、他の2つの区間と比較すれば、付随的なものにすぎない。そして、S字型の移動軌跡の下の部分の半径は無限大にしてもよく、この場合、かかる部分の軌跡は直線になる。
最適ペダリングポジションの位置は、好ましくは(つまり、全ての実施形態に対して必須というわけではないが)、上側の2つの区間の間の変曲点の近傍又はそのわずか下方に配置するのがよい。こうすれば、車軸が最適ペダリングポジションから上方に動いたときに、チェーン張設距離伸張効果を増強する(即ち、チェーン張設距離伸張の割合を大きくする)ことができ、他方、車軸が曲線の上側の区間に動いたときには、チェーン張設距離伸張効果を減少させる(即ち、チェーン張設距離伸張の割合を小さくする)ことができる。簡単にいえは、最適ペダリングポジション別言すれば「撓み位置」(図示の実施形態では、車輪の移動軌跡の約1インチ目の部分)のすぐ上では、チェーン張設距離伸長が著しく増加する。そして後輪が当該自転車によって定められた適当な長さ(例えば1〜2インチ)だけ移動すると、チェーン張設距離伸長の割合は減少し、又は伸びが鈍る。
【0023】
チェーン張設距離伸長が伸び鈍り、又は減少することは、とくにストロークの長いサスペンションにとって重要である。上記したように、この理由は、車輪が移動軌跡の上端に向かって動くとき、バネの生み出す反発力が増加するので、この区間においてチェーン張設距離伸長の割合が過剰であると、ペダルに不都合なフィードバックが生じたり、駆動部分に引張力が生じることにある。後輪の移動ストロークが適度な値(例えば3インチ以下)をもった自転車においては、移動軌跡の上端部分でチェーン張設距離伸長効果をとりたてて減じる必要はないかも知れない。サスペンションのストロークが限られていれば、比較的単純な曲線を採用してもペダルに不要なキックバックが生じることはない。例えば、サスペンションのストロークが短いロードサイクル型の自転車では、車輪の移動軌跡を単純な凹円弧(ボトムブラケットの中心に対して)とするのが適している。
最適ペダリングポジションの下側においても、ある程度のチェーン張設距離伸長効果があったほうが望ましい。その理由を説明すると、乗り手がペダルに立ち上がったとき、体重はサドルの上、つまり後輪のほぼ直上から、ボトムブラケットつまり後輪の相当前方へと移動する。この結果、リアサスペンションに加わる荷重は減少し、サスペンションはわずかに伸びて、車軸は最適ペダリングポジションよりも下方に位置しがちになる。従って、車輪の移動軌跡としては、曲線の下側の部分は最適ペダリングポジションから下方かつ前方へ向けて比較的に直線状(又は緩やかな凹曲線状)に延びているのが望ましく、こうすれば、乗り手が立ち上がって車輪が下がっても、ペダル入力に応じた反力が得られるよう、車軸は曲線に沿った点にあることとなる。
【0024】
具体例としては、乗り手が座って1インチ撓んだ点を最適ペダリングポジションとし、乗り手が立ち上がって体重が自転車の前方へ移動したときに、後輪の車軸が移動軌跡に沿って約2/3インチ下がるとしたとき、曲線の下側部分を前側に傾斜した「直線」にすれば、乗り手が立ち上がったときの曲線の傾斜は、乗り手が座ったときのものと近似したものとなる。
ii. 曲線のバリエーション
上述の実施形態によるS字型の曲線は、とくに激しいオフロードでの走行を始め、多く応用例に対して高い効果を有している。しかし、本発明はあらゆる曲線に適用できるもので、例えばロードタイプや軽量物牽引用の自転車など、他の用途にも好適である。
図16乃至19に示すように、本発明ではチェーン張設距離伸張効果をさまざまな度合いに変化させて、広い範囲の車輪の移動軌跡を提供することができる。具体的には、各曲線で示した車輪の移動軌跡は、右から左に(即ち図19から図16に)向けて、最適ペダリングポジションにおけるチェーン張設距離伸張効果が大きくなっている。上述したS字型軌跡190は図17に示してある。また、各図に示した曲線208は、ボトムブラケットから一定半径の円弧を参考のために示したものである。
【0025】
一番右の図19に示した第1の曲線210は、サスペンションの動きが比較的限られているシステム、例えば(詳しくは後述するような)偏心部材に高摩擦のブッシュを設けて、サスペンションの動きがチェーンの張力を介してペダルに伝わるのを防止するようにしたシステムに採用するのに最も適している。この曲線は基本的に2つの円弧からできており、下側の部分216の半径は上側の部分218の半径に比べてとても大きくなっている。すなわち、ボトムブラケットから下側の部分までの半径は、ボトムブラケットから上側の部分までの半径よりも大きい。このため、大きな半径の下側の部分216は、本当は前方に屈曲しているけれども、おおざっぱには前方に傾いた直線とみることができ、その作用は前述の如くである。
図18の車輪の移動軌跡220は、図19と比較すると、軌跡の下側の部分222が、変曲点224の下側において、実質的に傾斜直線になっている点が異なる。この効果は曲線210と似ており、最適ペダリングポジションに向かってチェーン張設距離伸張の割合が増加しつづける。ただ、この効果は曲線220の方がわずかに強くなる。
【0026】
前記したように、図17は先に説明したS字型曲線190を示している。図示の通り、この軌跡の下側部分226の反転した曲線は、軌跡の後ろ側に位置する定点を中心とする凸曲線である。このため変曲点227に向かって上昇するとき、チェーン張設距離伸張の割合はかなり増加する。この結果、この部分ではペダル入力によって強い反発力が生み出され、最適ペダリングポジションに向けてサスペンションを引き戻そうとする傾向が生じる。ただし、曲線の反転部分が始まるのは最適ペダリングポジションの少し(例えば約1インチ)下からであることに留意されたい。最適ペダリングポジションの直下では、サスペンションは外からの突き上げ力に対してコンプライアントであることが望ましいからである。次に曲線190の上側部分228は、前方に曲がって参照曲線208に近づいていき、チェーン張設距離伸張の割合は減少していく。これは前述のように重要なことで、圧縮工程のある点(例えば最適ペダリングポジションから1インチ上の点)を越えたとき、ペダル入力によって生み出される反発力は漸減して、これをバネが生み出す下向きの力が引き継ぐことになる。
最後に図16は、さらに強調したS字型曲線230を示している。ここでも上側の部分234は図17と実質的に同じだが、下側の部分232はよりはっきりした反転曲線に形成されている。このため図16の曲線によれば、サスペンションが最適ペダリングポジションに戻ろうとする傾向は更に強く、より明瞭なものとなる。前述した理由から、図16及び17に示すような強いS字型の曲線は、乗り手のポジション移動による重心の変化が少ない自転車にもっとも適している。この極端な例としては、リコンベント型のような乗り手が常時座ったままの自転車がある。
【0027】
iii.グラフによる解析
図20乃至22,23乃至25,26乃至図28は、上述した3つの実施形態による車輪の移動軌跡について、サスペンションのストロークの各点においてチェーン張設距離伸張効果がどのように生じるのかを示したものである。
図20のプロット240は図16の強いS字型曲線に対応しており、ボトムブラケットからの距離と車軸の垂直方向の変位との関係を示している。図21はプロット240に曲線を当てはめて描いたもので、「CSL」(チェーン張設距離の長さ:"Chainstay length")と車輪の中心の垂直方向の変位("Y")との関係を示している。この曲線244からYに対するCSLの変化の割合(傾き若しくは微分)を計算して第2の曲線246として描いている。これは曲線244上の各点におけるチェーン張設距離の増加の割合を示すことになる。
図21に見られるように、傾きが最大となるのは、即ちチェーン張設距離伸張の増加の割合がピークになるのは、最適ペダリングポジションの、約1インチ沈んだ位置242である。換言すれば、曲線は負の傾きで始まるが、0より上で一旦増加した後、再び減少することになり、これにより、最適ペダリングポジションの近傍でチェーン張設距離伸張効果が最大になる。
【0028】
図22は図21に似ているが、同様の曲線を描くのに、横軸を変更して、フレームに対する垂直変位であるYから、曲線軌跡に沿っての車軸の移動距離Sにした点が異なっている。先程と同じく、微分CSL’すなわち曲線250の傾きは、車輪が移動するにつれてのチェーン張設距離伸張の割合を示している。Sに対するCSL’のプロットは、曲線250を細かくきざんで、CSL’=▲(CSL)/▲Dと計算した。ここで▲CSLと▲Dの隣接する点間の差は十分小さくした。(増分を小さくするほど、この比は関数CSLの微分ないし傾きに近付く)。
図25には微分CSL’のプロットを結んだ曲線252を示している。図示の通り、チェーン張設距離伸張の割合がピークに達するのは、曲線の約5単位目にあたる点254で、(垂直変位が)約1インチ撓んだ点となる。このようなCSL及びCSL’のDに対するプロットは最適ペダリングポジションの近くでチェーン張設距離伸張の割合が増加するようすを明瞭に示している。
図23乃至25は、図18の車輪の移動軌跡すなわち変曲点より下側の部分222を傾いた直線とした、曲線220に対応させたプロットである。図24及び25(図21及び22と同様に、それぞれCSLと車軸の垂直変位との関係,およびCSLと曲線に沿った変位Dとの関係を示している。)からわかるように、チェーン張設距離伸張の増加の割合がピークに達するのは、最適ペダリングポジションのすぐ上の、図24ではCSLのプロット264上の点262、図25ではCSL’のプロット268上の点264になっている。しかし、図25を図22と比べてみればわかるように、チェーン張設距離伸張の減少のしかたは、とくに最適ペダリングポジションの上において、車輪の移動軌跡が「直線」になっている方がS字型に比べて緩やかになっている。
【0029】
最後の図26乃至図28は、車輪の移動軌跡210に対応するプロットで、この軌跡は上側の部分が円弧で形成され、その半径は下側の部分を形成する円弧の半径よりも小さくなっており、一方、下側の部分は上側の半径よりも大きな第2の半径の円弧になっており、この第2の半径はボトムブラケットからの半径よりも大きくなっている。図27からわかるように、このときチェーン張設距離(CSL)のプロット270はかなり真っ直ぐになり、プロット272はピーク274の両側でとてもゆるやかな増加及び減少を示す。
図28は、図22及び25と同様に、CSL及びCSL’とDとの関係を示している。CSLのDに対する曲線は再び真っ直ぐになり、サスペンションのストロークの上限に向かって緩やかに傾きが小さくなる。この結果、CSL’のSに対する曲線278も浅くなり、チェーン張設距離伸張の割合はとても緩やかに増加して、最適ペダリングポジションの近くでピーク280に達し、その後ゆるやかに減少する。これがため、曲線210は本発明に従ったチェーン張設距離伸張効果が得られる車輪の移動軌跡としては限界に近くなる。
図29と図30は、図22,25及び図28に対比すべきもので、CSL及びCSL’とDとの関係を示しているが、描かれているのは先行技術による2つのサスペンションシステムによって得られる曲線である。具体的には、図29は、複数の製造者によって採用されている、単一の回転中心を前方に有するデザインにおける曲線をプロットしたものであり、図30は、先行技術による4節リンク型のシステムによる曲線をプロットしている。
【0030】
図29において、曲線282はチェーン張設距離(CSL)と車輪の移動軌跡に沿った変位(D)との関係を示しているが、ゆるやかに傾きが増加する比較的まっすぐな曲線になっている。曲線284は微分CSL’とDとの関係を示しているが、チェーン張設距離伸張の割合はサスペンションが圧縮されるにつれて、ただ単調に増加している。CSL及びCSL’とDとの曲線が「ピーク」に達することは、本発明にとってカギとなる点なのだが、曲線282,284には全く見られない。しかも、すでに説明したように、前方にピボット点を有するシステムでは、チェーン張設距離伸張の割合が圧縮の限度の点に向けて増加しつづけて、ペダルには不都合なフィードバックが生じる。
図30からわかるように、先行技術による4節リンク型のシステムでは、まったく逆の問題が生じている。この型のシステムでは、車輪の移動軌跡286は全域で傾きが負になっている。従って、CSL’とDとの関係を示すプロット288にはいかなる種類の「ピーク」も認められず、従来の4節リンク型システムによっては、本発明の特徴であるチェーン張設距離伸張は得られないことがわかる。
【0031】
iv. 曲線の数学的な記述
上述のように、本発明により提供される移動軌跡の曲線の形状は、2つのパラメータ、すなわちチェーン張設距離(CSL)と、車軸がサスペンションの最下位の起点から軌跡に沿って移動した距離(D)とによって記述される。すでに説明したように、チェーン張設距離CSLは、ペダルのスプロケット軸の中心から後輪の車軸の中心までの距離を表すものである。これに対して距離Dは、軌跡上に沿って一連の点列を定め、各部分の円弧の長さを積算することによって、車軸が初期位置から動いた距離とするものである。
CSLのDによる微分(CSLのDに対する曲線の傾きとも言える)は、曲線に沿った距離Dに対してのCSLの変化の割合を示している。車軸が最下位から略上方へ向けて軌跡上を移動するとき、この割合は、当初はDの増加とともに大きくなるが、最大値に達し、その後はDの増加にともなって減少するようになる。このため本発明の特徴を示すには、CSLの変化の割合の増加および減少について説明することが必要である。
数学的にいえば、変化の割合、すなわちCSLのDによる一階微分の定義は、
rate=d(CSL)/d(D)=CSL’
この割合の増加および減少については、CSLのDによる2階微分として示される。
即ち、d2 (CSL)/(d(D))2 =d(rate)/d(D)=CSL”
ここで、CSL”は車軸が軌跡上を上方に移動するとき、正の値をとり、つづいてゼロとなり、さらなる車軸の上昇にともなって負の値をとるようになる。
【0032】
従って、本発明により提供される車輪の移動軌跡は以下の如く記述されることになる。ここでDpは曲線の上下部分の結合点の近傍に配置されるのが通常であるが、必ずしも結合点自身に重なる必要はない。
(a) 車輪の移動軌跡上における点Dp に、最適ペダリングポジションが設定され、
(b) 点Dp の下方に位置する下側曲線区間においては、サスペンション・システムが圧縮されるにつれてチェーン張設距離伸張の割合が増加する、すなわち、一階微分d[CSL]/d(D) が、概略正の傾きの曲線となっており、換言すれば、二階微分d2[CSL]/d(D)2 が、概略正となっており、
(c) 点Dp の上方に位置する上側曲線区間においては、サスペンション・システムが圧縮されるにつれてチェーン張設距離伸張の割合が減少する、すなわち、一階微分d[CSL]/d(D)が、概略負の傾きの曲線となっており、換言すれば、二階微分d2[CSL]/d(D)2 が、概略負となっている。
e.簡略化されたデュアル偏心機構
図31に示すサスペンションアセンブリ300は、前記図2乃至10のものと似ており、実質的に同一の車輪の移動軌跡を得られるものであるが、このアセンブリは特に偏心クランク機構について簡略化され、かつ強化されている。
【0033】
図31において、2つの偏心クランク部材302,304は、下向きに設けられたフレームブラケット306によって、ボトムブラケットシェル23の下方に配設されている。一方、アセンブリの上端にはロッカーアーム(トップリンク)310が設けられている。ロッカーアームの前端部は、前記実施形態と同様に、バネ/ダンパユニット44の上端部に軸着されるが、本実施形態では、トップリンクの支点はサドルチューブの下方に移設され、バネ/ダンパの下端部が簡略化されたブラケット312に軸着されるようになっている。ブラケット312はサドルチューブ14とダウンチューブ22の下端部に橋わたして設けられる。このため、小型のフレームに対する適用も容易になる。
下部スイングアーム314と上部スイングアーム316は、前記実施形態における対応する要素と概略同じであるが、鍛造/鋳造について簡略化され、製造コストを下げ、強度を増している。
図32は、所望の車輪の移動軌跡を生むための、デュアル偏心部材302,304の複合的な回転のようすを示す。図32には、二股状に構成されたフレームブラケット306が下向きに配設され、前後の部分で2つのクランク部材を支持するようすも示されている。
【0034】
図33及び34に示すように、前後の偏心部材302,304にはリンク320,322が備えられ、その上端部は軸受324,326を介してフレームブラケット306に回転自在に取り付けられ、下端部は軸受328,330によって下部スイングアーム314の前端部に回転自在に取り付けられている。
図35及び図36に示すように、クランクリンク320,322の上端部332,334は二股状に形成され、その間にフレームブラケット306の下端部を受け入れるようになっている。ピン336,338は、リンク上端の穴339,340に螺入され、フレームブラケット306の両側面の座ぐり部に挿着された軸受324a,bおよび326a,bに貫通している。スラストワッシャ341a−dは、軸受324,326の外側面とリンク320,322の内側面との間に介装される。
クランクリンクの下端部342,344は二股になってはいないが、穴346,348が形成され、ピン350,352の長手方向の中央部分を支持する。これら2つのピンの両端部分は、軸受354a−dを介して下部スイングアームの前端部に支持される。これらのピンは焼入れボルトでできており、片端の頭部356,358と他端のナット360,362とで軸受354a−dを両側から挟んで所定の予圧荷重をかけている。軸受の内側の面はスラストワッシャ364a−dを介して2つのリンク320,322の外側面に当接している。軸受に泥や水が侵入しないように、スイングアームの穴には着脱自在なダストキャップ366a−dが取り付けられる。
【0035】
本実施形態では、前記実施形態に比べて偏心部材が互いに接近してフレームに取り付けられている。このため、偏心部材の相互のなす角度はかなり小さくなければならない。例えば図示の実施形態では、2つの偏心部材の間隔は約2.5インチであるが、相互の角度の初期値はせいぜい約30°で、例えばTDC前135°と160°となる。
図31乃至23に示す実施形態の利点は、おもに、低コストで、強度に優れ、製造が簡単で、メンテナンスも容易なことである。この簡略化した実施形態では、部品の数も溶接箇所も少ない。さらに、2つの偏心部材を接近させてボトムブラケットシェルの下側に配置したことから、もはや下部スイングアームを複数の部品から組み立てる必要はなく、偏心部材のほか、結合部品(トップリンクも含めて)を単一のユニットとして製造することができる。
図31乃至図36に示した実施形態では、さらに、横方向の安定性も向上している。まず、トップリンク310は一体型で剪断力に耐性があるため、後輪に加わるねじり力に耐えることができる。さらに、横方向への抵抗力は下部スイングアーム314のデザインによっても増強されている。すなわち、第一に、一体型に2つの梁を掛け渡したデザインは本来的に強固であり、第二に、2つの偏心部材が近接配置されているため、ピボット機構全体の安定性について、前側の偏心部材が受け持つ割合が相対的に大きくなる。
【0036】
簡略化されたアセンブリ300は軸受とブッシュの公差についても許容範囲が広くなる。本実施形態において、軸受に加わる主たる力は、ラジアル方向でなく、直線方向だからである。スラストワッシャブッシュを締まりばめにして、偏心部材とマウンティングブラケットと下部アームとの遊びを除去するようにしてもよい。また、図示の実施形態ではボルトによって必要な予圧を偏心軸に加えたが、スラストワッシャを加工するときに部品自体の寸法に所望の予圧を見込んでおき、ボルトを用いることなく、簡易かつ安価なスプリングクリップと軸の組み合わせにすることもできる。
図31乃至図36のサスペンションアセンブリ300の他の利点は、長期間にわたる耐久性が著しく向上したことである。特に、下部アーム(チェーンステー部材)に加わる力を(四節リンクやホルストリンク等におけるような「直列」とは異なり)、「並列」に分配したことで、長期使用での摩耗を大幅に抑えることができる。さらに、摩耗が大きくなったときには、標準的なベアリングと安価なブッシュを交換するだけでよい。
f.追加的な実施形態
i.摩擦ブッシュシステム
図37は下部ピボットアセンブリ400の前の部分を示している。これは図35で説明した下部ピボットアセンブリと似ているが、ボールベアリングの代わりに摩擦ブッシュを用いた点が異なる。したがって、アセンブリ400には、前記同様、下部スイングアーム314,ピボットリンク320,フレームブラケット306が備えられているが、上部ピボットピン410をフレームブラケット306の孔413へ支持するのは、ブッシュ412a,412bを介して行われている。そしてピボット軸の両端は、摩擦ブッシュ414a,414bを介して、クランクリンク220の上部に形成された孔416a,416bに支持される。摩擦ブッシュは内側に向いたスラストフランジ418a,418bを備えており、もう一方のブッシュに外側向きに設けられたスラストフランジ420a,420bと当接している。スナップリング422a,422bは、ピボット軸の端部の溝に嵌着され、ワッシャ424a,424bを保持し、クランクリンクの側方に外れないように組み立てている。同様に、下部ピボットシャフト430がスイングアーム314の前端部に組付けられる部分では、ピボット軸の端部はブッシュ432a,432b,434a,434bに挿入され、スナップリング436a,436bおよびワッシャ438a,438bによってピボット軸が保持される。
【0037】
図37には示していないが、後ろ側のクランクリンクについても、実質的に同一の摩擦ブッシュアセンブリを用いている。
摩擦ブッシュを用いた構造の利点は、前述のような「ロスの少ない」ボールベアリングシステムと比べると、ブッシュの面でわずかな摩擦力が生じて、通常の走行時の車輪の移動が抑制されることにある。しかも大きな突き上げ力を受けた時には、サスペンションは衝撃を吸収するのに十分なコンプライアンスを保っている。このため、「ロスの少ない」ボールベアリングの構造で生じることのある、コンプライアンスの過剰(揺さぶり"jiggling"の発生)を抑制・防止することができる。
さらに、ペダル力が大きくなったときにはチェーンの張力と本発明の車輪の移動軌跡から得られる反発力とによって、ブッシュに働く力も大きくなる。このため、摩擦ブッシュが発生する抵抗力は大きくなり、サスペンションのコンプライアンスは小さくなり、この結果、ペダルを強く漕ぐことで効率が向上することになる。
さらに、後ろ側の偏心部材に用いるブッシュの摩擦を比較的大きくすると、ブッシュで生ずる摩擦の強さは、車輪が軌跡の上端に近付くほど、つまりサスペンションが圧縮の限度に近付くほど、大きくなる。これは車軸が軌跡の上端に向かうほど、後ろ側の偏心部材の回転が大きくなることによる。従って、後ろ側のブッシュの摩擦係数を大きくすると、車輪の移動軌跡の上端における摩擦ダンピングの効果を大きくすることができる。これはショックアブソーバの可変ダンピングを「模擬する」ことになる。このため摩擦ブッシュシステムを用いたタイプでは、流体ダンパのない安いバネや簡単なウレタンバンパ,クロスフレームを用いても、バネが最大に圧縮されたときに不要なリバウンドを生ずることはない。
【0038】
この構成においては、所望の強さの摩擦を得るために、あらゆるブッシュを用いることができるが、鉛−テフロンを含浸させた多孔性の青銅ブッシュがとくに適している。このタイプのブッシュの発売は、Garlock, Inc., 1666 Division St. Palmyra, N.Y. 14522および、INA Bearing Co. Ltd, 2200 Vauxhall Place, Richmond, B.C., Canada V6V 1Z9のPermaglide bushings がある。
ii. 偏心クランク部材
図38及び図39は、上述したサスペンションシステムで採用した偏心クランク部材の2種類の構造を示す図である。
図38には最初の形態のクランク部材510を示している。主軸部分512はリアフレームの突部88の孔に挿通されている。クランク部分は側板514を主軸部分512の端部に圧入又はキーによって固定することで構成されており、側板に穿設された小さめの偏心孔518には偏心軸516a,516bが固定されている。
図39は、U字型のヨーク520(例えば鍛造や鋳造でできている。)による偏心クランクの形態を示している。これはフレームブラケット88を跨ぐように配置され、第1のピボットピン522で組み付けられる。ヨークの他端528には孔526が形成され、第2のピン524を挿通して、下部アームなどのピボットアセンブリフレームと結合する。
【0039】
iii.ボトムピボットアーム
図40及び図41の実施形態では、ボトムピボットアセンブリのフレームは、ボトムブラケットシェル23を取巻くように、ではなく、その上下いずれかを通るように、配置されている。
図40の実施形態では、リアコントロールアーム58の前端部は、直接、後ろ側の偏心クランク部材38bに結合され、ボトムブラケットシェル23の下側を通って延在している。コントロールアームの前端には、上方かつ前方にむけてエクステンションアーム530が延設されており、これが前側の偏心クランク部材38aに結合されている。コントロールアームとエクステンションアームの接合部の内側532には、動作中にボトムブラケットシェルと干渉しないように、十分なクリアランスが設けられている。
図41に示すボトムピボットアセンブリは、基本的には図42と似ているが、エクステンションアーム534がボトムブラケットシェル23に対して下側でなく、上側を通るようになっている。
iv. 偏心軸受機構
図42乃至44に示した本発明の実施形態では、後ろ側の偏心クランク機構を、偏心軸受機構540に置き換えた。偏心軸受アセンブリは、インナー軸受リング542と、アウター軸受リング544と、自転車のボトムブラケットシェルとクランクセットを取り囲む開口部546とからなる。
【0040】
図43及び図44の通り、インナー軸受リング542の回転軸は、アウター軸受リング544の回転軸に対して偏心している。インナー及びアウター軸受リングとしては、大径のボールペアリングを用いてもよく、これらを、スペーサーディスク(基板)548に組み付ける。このような軸受構造によると、下部ピボットアセンブリのフレーム550は、矢印552の如く、ボトムブラケットシェルを中心に偏心してまわることから、上述の実施形態の偏心クランク部材と同様な動きが得られることになる。
前側の偏心クランク部材についても、偏心軸受アセンブリ540を用いることができるが、図42では、前側の偏心クランク部材の代わりにカム機構560を採用した。図示の通りこの機構では、フレームの前端部に形成した溝562をカム面とし、カムフォロワとしては、ピン564を自転車の前側フレームに植設して、溝562に嵌入させた。これにより、ピボットアセンブリが揺動すると溝内をピンが動いて矢印566のようなカム動作が得られる。これは上述の前側の偏心クランク部材によって得られる動きと同じである。
v.カムスロットおよびフォロワによる機構
図45及び図46は、本発明の実施形態による下部ピボットアセンブリの2つの形態を示すものであり、カム面を備えた溝と、サスペンションが圧縮されるにつれてこの溝内を移動するローラー又はピンとによって、所望のS字型の車輪の移動軌跡を発生させるようにした。
【0041】
図45に示した形態では、ピボットアセンブリ570には、ボトムブラケットシェル23及びサドルチューブ14の後方に固着されたカム板572と、下部スイングアーム576の前端部に取り付けられたカムフォロワ514とが備えられている。カム板572には溝578が形成され、その縁部がカム面580となっている。S字型のカム面580の形状は、車輪の移動軌跡のS字型と一致しているが、逆向きに配置されている。
カムフォロワ574には、横向きに突設されたローラーピン282が用いられ、カム溝578の中にぴったり収まってカム面と係合しており、ピンが溝578の中を上方に移動すると、カム面で規定される軌跡にフォロワが追従するようになっている。下部スイングアーム576は、その前端付近で且つカムフォロワよりも後ろ側の箇所において、接続アーム584で支持されている。接続アームの下端部は、スイングアームにピボットピン586にて軸着され、上端部はサドルチューブに固定されたフレームブラケット587にピボットピン588で軸着されている。
したがって、矢印589に示す如く、下部スイングアームの後端部が上下に変位すると、ローラーピン574はカム板の溝578内を上下に昇降し、カム面の働きで後輪の車軸が所定の移動軌跡に沿って移動することとなる。
【0042】
図46に示したピボットアセンブリ590は、図45で説明したものと似ているが、カム板592及びカム溝594を下部スイングアーム596の前端部に形成し、カムフォロワのピン598は、ボトムブラケットシェルに取り付けられたフレームブラケット599に固定した点が異なっている。これにより本実施形態では、図45の実施形態とは逆に、サスペンションが圧縮されたとき、カム板と溝がピンに対して下向きに移動することになる。
図47及び図48は、2つのピボットアセンブリ570,590におけるカム板とカムフォロワの構造を示す上面図である。図47の通り、2枚のカム板572a,572bがスイングアーム576の前端部の両側面に配設され、スイングアームの側面に突設されたローラーピン574が2つのカム溝に陥入している。次に、図48では、スイングアームの前端部に設けられた2枚のカム板592が、フォロワ598が植設されたブラケット599を、両側から挟んでいる。2枚のカム板を用いることの利点は、カムの面積が増加する分、摩耗を減らして耐久性を向上させることにあるが、もし必要なら、図47及び図48の配置を「反転」させ、フォロワピンを2枚のブラケットで支持し、これらで両側から1枚のカム板を挟むようにしてもよい。
【0043】
上記説明から明らかなように、本発明が提供する車輪の移動軌跡は、サスペンションが最適ペダリングポジションに向けて圧縮されるときにチェーン張設距離伸張の割合が増加する下側の曲線区間と、最適ペダリングポジションの上側に位置し、チェーン張設距離伸張の割合が減少する第二の曲線区間とを有し、上述のような効果を生み出す。発明者は、本発明のいくつかの実施形態を示し、その中で車輪の制御された移動軌跡を作り出す様々な機構を開示した。当業者はこれらの機構をさまざまに変形・応用することが可能であり、それらは本発明の範囲に含まれるものであることを理解されたい。さらに、ここで図示した実施形態において、車輪の移動軌跡を生み出すのは、おもに下部ピボットアセンブリの機能であり、このことから、前記又は他の下部ピボット機構を用いて上記移動軌跡を生み出すとともに、これに組み合わせて、前記ロッカーアーム,トップリンクの他、適当な上部サスペンション機構を組み合わせることができる。
本発明の前記実施形態について、上述の他にも様々な改変をすることは、本発明の目的・範囲を逸脱することなく可能である。一例をあげれば、ピボットアセンブリのベアリングは、支持部材側にではなく、偏心部材の側に取り付けることもできる。このように、本発明は、請求の範囲の記載以外によって限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成によるリアサスペンションシステムを備えた自転車の斜視図である。
【図2】図1の自転車のフレームとリアサスペンションを拡大して示す斜視図である。
【図3】リアサスペンションシステムにおけるフレームのブラケットシェル付近の部分を拡大して示す斜視図である。
【図4】リアサスペンションシステムにおけるフレームのサドルチューブの上端部付近の部分を拡大して示す斜視図である。
【図5】自転車の後輪が取り付けられるサスペンションシステムの後端部分を拡大して示す斜視図である。
【図6】サスペンションシステムのボトムピボット部分を示す立面図である。
【図7】図7は、図2のフレームを示す立面図であって、ボトムピボット部分を一部分解し、自転車のフレームとの結合部である偏心クランクアームを露出させて示す図である。
【図8】図8は、図7のリアサスペンションのボトムピボット部分を示す拡大図である。
【図9】図9−11は、2つの偏心クランクアームが動いて、サスペンションが圧縮されたときに後輪を所定の移動軌跡に従って移動させる様子を、順次、図式化して示した図である。
【図10】図9−11は、2つの偏心クランクアームが動いて、サスペンションが圧縮されたときに後輪を所定の移動軌跡に従って移動させる様子を、順次、図式化して示した図である。
【図11】図9−11は、2つの偏心クランクアームが動いて、サスペンションが圧縮されたときに後輪を所定の移動軌跡に従って移動させる様子を、順次、図式化して示した図である。
【図12】サスペンションシステムのボトムピボットアセンブリを図式化して示す図であって、圧縮過程の始点および終点における各部分の位置関係を示している。
【図13】図13は、図12と似ているが、位置関係を連続して10°おきに示す図である。
【図14】図14は、図13と似ているが、アセンブリの後端部について示す図で、各部分の相対位置の変化によって所定の車輪の移動軌跡が生じる様子を示している。
【図15】サスペンションシステムが圧縮されたときに後輪の車軸がたどる軌跡について、区間分けして示すグラフである。
【図16】図16−19は、図15と似たグラフであるが、本発明によって提供される一連の車輪の移動軌跡において、軌跡の各区間に変化をつけることでチェーン張設距離伸張効果が小さく又は大きくできることを示している。
【図17】図16−19は、図15と似たグラフであるが、本発明によって提供される一連の車輪の移動軌跡において、軌跡の各区間に変化をつけることでチェーン張設距離伸張効果が小さく又は大きくできることを示している。
【図18】図16−19は、図15と似たグラフであるが、本発明によって提供される一連の車輪の移動軌跡において、軌跡の各区間に変化をつけることでチェーン張設距離伸張効果が小さく又は大きくできることを示している。
【図19】図16−19は、図15と似たグラフであるが、本発明によって提供される一連の車輪の移動軌跡において、軌跡の各区間に変化をつけることでチェーン張設距離伸張効果が小さく又は大きくできることを示している。
【図20】図20は、図16に示した車輪の移動軌跡について、チェーン張設距離と車輪の垂直変位との関係をプロットして示すグラフである。この移動軌跡においては、変曲点の下側は、はっきりした逆向きの曲線になっている。
【図21】図21は、図20にプロットした車輪の移動軌跡について、(i) チェーン張設距離伸張と、(ii)チェーン張設距離伸張の曲線の傾きと、の2つの曲線をプロットしたもので、後者は、後輪の車軸の垂直変位の各点におけるチェーン張設距離伸張の割合を示す。
【図22】図22は、後輪の車軸の垂直変位に代え、図20に示したS字型曲線の曲線に沿った距離に対しての、(i) チェーン張設距離伸張と、(ii)チェーン張設距離伸張の増加の割合と、の2つの曲線をプロットした図である。
【図23】図23−25は、図20−22と似ているが、図18に示した車輪の移動軌跡についてのグラフをプロットしたものである。この移動軌跡においては、曲線の下側の部分は実質的に直線になっている。
【図24】図23−25は、図20−22と似ているが、図18に示した車輪の移動軌跡についてのグラフをプロットしたものである。この移動軌跡においては、曲線の下側の部分は実質的に直線になっている。
【図25】図23−25は、図20−22と似ているが、図18に示した車輪の移動軌跡についてのグラフをプロットしたものである。この移動軌跡においては、曲線の下側の部分は実質的に直線になっている。
【図26】図26−図28は、図20−22及び図23−25に似ているが、図19に示した車輪の移動軌跡についてのグラフをプロットしたものである。この移動軌跡においては、曲線の下側の部分は、前方に向けて曲がった曲線になっており、その半径は軌跡の上側の部分の曲線の半径よりも大きくなっている。
【図27】図26−図28は、図20−22及び図23−25に似ているが、図19に示した車輪の移動軌跡についてのグラフをプロットしたものである。この移動軌跡においては、曲線の下側の部分は、前方に向けて曲がった曲線になっており、その半径は軌跡の上側の部分の曲線の半径よりも大きくなっている。
【図28】図26−図28は、図20−22及び図23−25に似ているが、図19に示した車輪の移動軌跡についてのグラフをプロットしたものである。この移動軌跡においては、曲線の下側の部分は、前方に向けて曲がった曲線になっており、その半径は軌跡の上側の部分の曲線の半径よりも大きくなっている。
【図29】図29は、図22,25及び図28に似ているが、従来技術のフォワードピボット型のサスペンションシステムにおける車輪の移動軌跡のグラフをプロットしたものである。従来のシステムでは、チェーン張設距離伸張効果を軌跡上の特定の位置で発生させることは出来ていない。
【図30】図30は、図29に似ているが、従来技術の四節リンク型のサスペンションシステムについてのものである。ここでもチェーン張設距離伸張効果は圧縮の所望の箇所に現れていない。
【図31】本発明の実施形態を示す立面図であって、図2−7に示したものと比べると、偏心クランク部材を接近させてボトムブラケットの下方に配置しており、強度の向上とコストの低下をはかっている。
【図32】図32は、図31と同様な立面図であるが、下部スイングアームを取り外して他の部材との関係を分かりやすく示した図である。
【図33】図33は、図31のアセンブリにおける偏心クランク機構を示す立面図である。
【図34】図34は図33の偏心クランク機構を一部分解して示す立面図である。
【図35】図31−34の偏心クランク機構を水平に破断して示す上面図である。
【図36】図35のアセンブリを示す分解図である。
【図37】ボールベアリングに代えて摩擦ブッシュを用いたことで、サスペンションが圧縮されたときに摩擦ダンピング効果が得られる実施形態について、図35と同様に、偏心クランク機構の前部を水平に破断して示した上面図である。
【図38】図38−39は、図1−5のサスペンションシステムの下部ピボット部分について偏心クランク部材の2種類の構造を示す分解図である。
【図39】図38−39は、図1−5のサスペンションシステムの下部ピボット部分について偏心クランク部材の2種類の構造を示す分解図である。
【図40】図40−41は、車輪のコントロールアームの前端部にエクステンションフレームを設けて偏心クランク部材と結合させるようにした、下部ピボットアセンブリの2種類の構造を示す立面図である。
【図41】図40−41は、車輪のコントロールアームの前端部にエクステンションフレームを設けて偏心クランク部材と結合させるようにした、下部ピボットアセンブリの2種類の構造を示す立面図である。
【図42】図42は、図2−8の偏心クランク部材を偏心軸受アセンブリと前部カム機構とで置き換えた、本発明の実施形態における下部ピボットアセンブリの立面図である。
【図43】図43−44は、図42の偏心軸受アセンブリを示す立面図および断面図である。
【図44】図43−44は、図42の偏心軸受アセンブリを示す立面図および断面図である。
【図45】図45−46は、サスペンションが圧縮されたときに溝内のカム面に従ってフォロワピンが移動することで車輪の移動軌跡が得られるようにした、本発明の2種類の実施形態による下部ピボットアセンブリの立面図である。図45の実施形態では、カム面が前部フレーム側に設けられており、図46の実施形態では、チェーンステー部材の前端部にカム面が設けられている。
【図46】図45−46は、サスペンションが圧縮されたときに溝内のカム面に従ってフォロワピンが移動することで車輪の移動軌跡が得られるようにした、本発明の2種類の実施形態による下部ピボットアセンブリの立面図である。図45の実施形態では、カム面が前部フレーム側に設けられており、図46の実施形態では、チェーンステー部材の前端部にカム面が設けられている。
【図47】図47−48は、それぞれ図45−46に対応し、下部ピボットアセンブリのカム溝とピンフォロワの機構を示す平面図である。
【図48】図47−48は、それぞれ図45−46に対応し、下部ピボットアセンブリのカム溝とピンフォロワの機構を示す平面図である。
【符号の説明】
10 フレーム
12 リアサスペンションシステム
14 サドルチューブ
16 ヘッドチューブ
18 フロントワオーク
30 下部ピボットアセンブリ
35 切り欠き
38 偏心クランク部材
40 ロッカーフレーム
42 軸
44 バネ/ショックアブソーバ
50 上部コントロールアーム
52 第1の脚
54 第2の脚
72 開口部
80 丸穴
86 突設部
89 軸受

Claims (21)

  1. クランクセット(6)が装着された前部フレーム(13)と、
    圧縮可能リアサスペンション部分(12)とを有し、該圧縮可能リアサスペンション部分は、
    前記クランクセットの後方に後輪の車軸を装着するための手段(35a)であり、前記クランクセットと前記車軸とが、前記クランクセットによって駆動張力が加えられる駆動チェーンによって相互連結されるものと、
    前記サスペンション部分によって受けられる外力に応答して前記リアサスペンション部分が圧縮するにつれて、前記後輪を略S状経路(190)に沿って略上方に移動させるための手段とを有し、該略S状経路(190)は、
    前記クランクセットに向かって前側が少なくとも部分的に凸である湾曲した下部(200)と、
    該前側が少なくとも部分的に凹である湾曲した上部(204)と、
    変曲領域(202)に近接する所定のペダリング位置とを有し、該変曲領域において、前記経路が前記湾曲した下部から前記湾曲した上部まで遷移して、前記車軸が前記経路に沿って所定のペダリング位置に向かって移動するにつれて、チェーン張設距離伸張の割合が増え、一方前記車軸が前記経路に沿って所定のペダリング位置より上に上方移動するとき、チェーン張設距離伸張の割合が減少し、
    さらに、前記後輪を前記所定経路に沿って移動させるための手段は、
    前記車輪が装着される後端と前端とを有するコントロールアーム部材(58)と、
    前記コントロールアーム部材の前記前端に装着されたピボットアセンブリ(30)とを有し、該ピボットアセンブリは、前記ピボットアセンブリに装着された第1部分(154a、154b)と、前記前部フレームセクションに装着された第2部分(152a、152b)とを有するカム手段(38a、38b)であって、該カム手段は、前記サスペンション部分の圧縮に応答して前記後輪を前記S状経路(190)に沿って差し向けるような形態としているものを有する、
    ことを特徴とする自転車。
  2. 前記カム手段は、
    前記クランクセットの前方で前記前部フレームセクションに回動自在に装着された前部偏心カム部材(38a)と、
    前記クランクセットの後方で前記前部フレームセクションに回動自在に装着された後部偏心カム部材(38b)と、
    前記コントロールアーム部材の前記前端に装着され、且つ前記偏心カム部材によって前記前部フレームセクションと相互連結されたフレームワーク(76)とを有し、
    前記前後偏心クランク部材は、前記サスペンションセクションの圧縮に応答して前記後輪を前記S状経路(190)に沿って移動させる、請求項1に記載の自転車。
  3. 前記偏心カム部材の各々は、
    前記前部フレームセクション内に設けられ、第1車軸を中心に回転するためのスピンドル部分(152a、152b)と、
    前記スピンドル部分から所定角度で延び、且つ前記第1車軸からオフセットし、且つ前記第1車軸に平行に延びる第2回転車軸を構成するローブ部分(154a、154b)と、
    を有する請求項2に記載の自転車。
  4. 前記偏心カム部材(38a、38b)の前記ローブ部分(154a、154b)は、前記ピボットアセンブリの前記フレームワーク内に回転のために受け入れられる、請求項3に記載の自転車。
  5. 前記偏心カム部材(38a、38b)は、前記サスペンションが圧縮されるにつれて、前記ピボットアセンブリの前記フレームワークに下方且つ前方に動作を与えるような形態とされる、請求項4に記載の自転車。
  6. 前記サスペンションセクションが非圧縮状態であるとき、前記前部偏心カム部材の前記ローブ部分(154a)が前記スピンドル部分(152a)から延びる前記角度が、より小さい上死点の前方の角度であり、一方前記第2偏心カム部材の前記ローブ部分(154b)が前記スピンドル部分(152b )から伸びる角度が、より大きい上死点の前方の角度であるように、前記ピボットアセンブリの前記フレームワークが構成され、
    前記フレームワークに与えられる前記動作が、前記車輪経路の前記上下部分に相当するシーケンシャル位相で生じ、
    前記位相は、
    前記ローブ部分が延びる角度は、互いにより平行であり、前記後輪が前記クランクセットより上の点を中心として回動し、チェーン張設距離伸張の割合がより大きい第1位相と、
    前記ローブ部分が延びる角度が、互いにより平行な状態から互いに略より大きい角度まで回転し、前記後輪が、前記前部偏心クランク部材に近接する点を中心に回動して、前記チェーン張設距離伸張の割合が所定減少する、第2位相とを有する請求項4に記載の自転車。
  7. 前記フレームセクションは、さらに、
    前記下部コントロールアーム(56a)の後端に回動可能に装着された下端(54a)を有する上部コントロールアーム(50)と、
    前記上部コントロールアーム(56a)の上端に回動可能に装着された後端と、前記前部フレームセクションに回動可能に装着されたロッカー部材(40)と、
    前記ロッカー部材(40)の前端及び前記自転車の前記前部フレームに回動可能に装着されたバネ部材(44)であって、前記サスペンションセクションが圧縮されるにつれて、前記ロッカー部材の前記前端と前記前部フレームセクションとの間で圧縮されて、前記上部コントロールアームの前記後端が上方に移動するものとを、
    有する請求項1に記載の自転車。
  8. 前記バネ部材(44)は、流体圧式ショックアブソーバーである、請求項7に記載の自転車。
  9. 前記車輪が追従する前記S状経路(190)は、連続的な合成曲線であり、
    第1平均半径と、前記合成曲線の後側に焦点を有する湾曲下部(200)と、
    第2平均半径と、前記合成曲線の前側に焦点を有する湾曲上部(204)と、
    を有する、請求項7に記載の自転車。
  10. 前記合成曲線の前記湾曲下部の前記平均半径は、前記湾曲下部が略鉛直に且つ後方に延びる直線で近似されるほど十分な大きさである、請求項9に記載の自転車。
  11. 前記前部フレームセクションと前記サスペンションセクションの前記ピボットアセンブリとを相互に連結する前記カム手段は、
    前記クランクセットの前方に位置決めされた前部カム部材(38a)と、
    偏心ベアリング組立体とを有し、該偏心ベアリング組立体は、
    前記クランクセットを保持するボトムブラケットシェルのまわりに同心状に装着された内部ベアリングリング(89a)であって、前記偏心ベアリング組立体を前記ボトムブラケットシェルを中心に回転させるものと、
    前記フレームワークに回転可能に装着された外部ベアリングリング(82a)とを有し、前記内部ベアリングリングが、前記外部ベアリングリング内で中心からオフセットして位置決めされて、前記偏心ベアリング組立体がオフセットした第1及び第2回転車軸を構成し、
    さらに、前記内外ベアリングリングを相互に連結するスペーサ手段(154a)を有する、
    請求項1に記載の自転車。
  12. 前記前部カム部材は、前記ピボットアセンブリの前記フレームワークに装着されたカム部分(260)と、前記前部フレームセクションに装着されたカムフォロワ(264)とを有する、請求項1に記載の自転車。
  13. 前記カム部分は、前記ピボットアセンブリの前記フレームワークの前部内に形成されたチャンネル部分(260)を有し、前記カムフォロワは、前記フレームセクションから延びて、前記チャンネル部分に係合するピン部材(264)を有する、請求項12に記載の自転車。
  14. クランクセット(6)が装着された前部フレームセクション(13)と、
    圧縮可能リアサスペンションセクション(12)とを有し、該リアサスペンションセクションは、
    後輪の車軸を前記クランクセットの後方に装着するための手段を有し、前記クランクセットと前記車軸は、前記クランクセットによって駆動張力が加えられる駆動チェーン(8)によって相互に連結され、
    さらに、前記リアサスペンションが前記サスペンションセクションによって受けられる外力に応答して圧縮するにつれて、前記後輪をS状経路(190)に沿って略上方に移動させるための手段をさらに有し、
    前記S状経路(190)は、前記クランクセットに向かって前側が少なくとも部分的に凸である下部湾曲部分(200)と、一方前記前側が少なくとも部分的に凹である上部湾曲部分(204)とを有する、ことを特徴とする自転車。
  15. 前記S状経路(190)は、さらに、
    前記経路が前記湾曲下部から前記上部湾曲部まで遷移する変曲領域(202)に近接する所定ペダリング位置であって、前記車軸が前記経路に沿って前記所定ペダリング位置に向かって移動するにつれて、チェーン張設距離伸張の割合が増大し、一方前記車軸が前記所定ペダリング位置より上に前記経路に沿って上方に移動するとき、チェーン張設距離伸張の割合が減少するものを有する、
    請求項14に記載の自転車。
  16. 前記後輪を前記所定経路に沿って移動させるための手段は、
    前記車輪が装着される後端と、前端とを有するコントロールアーム部材(58)と、
    前記コントロールアーム部材の前記前端に装着されたピボットアセンブリ(30)とを有し、該ピボットアセンブリは、
    前記ピボットアセンブリに装着された第1部分(154a、154b)と、前記前部フレームセクションに装着された第2部分(152a、152b)とを有するカム手段(38a、38b)であって、前記サスペンションセクションの圧縮に応答して、前記後輪の車軸を前記S状経路(190)に沿って差し向けるような形態としたものを有する、請求項15に記載の自転車。
  17. 前記カム手段は、
    前記クランクセットの前方で前記前部フレームセクションに回動自在に装着された前部偏心カム部材(38a)と、
    前記クランクセットの後方で前記前部フレームセクションに回動自在に装着された後部偏心カム部材(38b)と、
    前記コントロールアーム部材の前記前端に装着され、且つ前記偏心カム部材によって前記前部フレームセクションと相互連結されるフレームワーク(76)とを有し、
    前記前後偏心クランク部材は、前記サスペンションセクションの圧縮に応答して前記後輪を前記S状経路(190)に沿って移動させるような形態とする、
    請求項16に記載の自転車。
  18. 前記フレームセクションは、さらに、
    前記下部コントロールアームの後端(56a)に回動自在に装着された下端(54a)を有する上部コントロールアーム(50)と、
    前記上部コントロールアーム(56a)の上端に回動自在に装着された後端と、前記前部フレームセクションに回動自在に装着された中間部分(42)とを有するロッカー部材(40)と、
    前記ロッカー部材(40)の前端(114)、及び前記自転車の前記前部フレームセクションに回動自在に装着されたバネ部材(44)であって、前記サスペンションセクションが圧縮されて、前記上部コントロールアームの前記後端が上方に移動するとき、前記ロッカー部材の前記前端と前記前部フレームセクションとの間で圧縮されるものと、
    を有する請求項16に記載の自転車。
  19. 前記後輪の車軸によって追従される前記S状経路(190)は、連続的な合成曲線であり、
    第1平均半径と、前記合成曲線の後側に焦点を有する湾曲下部(200)と、
    第2平均半径と、前記合成曲線の前側に焦点を有する湾曲上部(204)と、
    を有する請求項16に記載の自転車。
  20. 前記合成曲線の前記湾曲下部の前記平均半径は、前記湾曲下部が略鉛直方向に延びる直線で近似できるほどに大きい、請求項19に記載の自転車。
  21. 駆動スプロケット(6)及びドロップアウト(35a、35b)を有する自転車フレームであって、
    前記駆動スプロケットの軸線から前記ドロップアウトまでの距離が可変であるチェーンドライブ(8)と、
    前記サスペンション手段が圧縮されるにつれて、車輪移動軌跡(190)に沿う前記ドロップアウトの移動を制御するように機能する後輪サスペンション手段とを有し、前記移動軌跡は、前記経路の下端(200)に向かってより大きく、且つ前記経路の上端(204)に向かってより小さい半径を備え、
    前記後輪サスペンション手段は、リンクを有し、該リンクは、前記ドロップアウトが位置する後端(56 a )と前端とを有する後部フレームセクションと、前記前端に装着された上部ピボット組立体(32)及び下部ピボット組立体(30)とを有し、前記下部ピボット組立体(30)は、前記車輪移動軌跡に沿う前記ドロップアウトの前記移動を制御するように機能する2つのリンク部材(38 a 、38b)を有することを特徴とする自転車フレーム。
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