JP3951769B2 - タクシー配車方法,タクシー配車システム,タクシー端末,配車センタ端末およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タクシー配車方法,タクシー配車システム,タクシー端末,配車センタ端末およびプログラムに関し、特にユーザが携帯端末を用いネットワークを介して配車依頼を行うタクシー配車方法,タクシー配車システム,タクシー端末,配車センタ端末およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タクシーに乗車する場合には、道路を走行中のタクシーを捕まえる、駅等のタクシー乗り場においてタクシーを待つ、予めタクシー会社に電話をして配車依頼を行う、等の方法があった。
【0003】
また、特開2001−307281号公報には、GPSを備えた利用者の携帯端末からネットワークを介して配車管理サーバにアクセスして利用者の位置情報と配車依頼情報を送信し、配車管理サーバは配車依頼内容に合ったタクシーに配車依頼情報を転送し、タクシーからの依頼受理の応答を受信して利用者の携帯端末に依頼成立メッセージを回答するタクシー配車方法およびシステムが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の方法には以下に示すような問題がある。
道路を走行中のタクシーを捕まえるためには大きな道路まで出なければならず、また大きな道路に面している場合でも確実に捕まえられるという保証はなかった。また、駅等のタクシー乗り場で待つ場合は、多くのタクシーを待機させる必要があり配車の効率の面から有効ではないし、タクシー乗り場や待機用の大きなスペースも必要となる。さらに、タクシーに対して電話で配車依頼する場合は、正確な住所を知らせる必要があり外出時あるいは見知らぬ場所へ行った場合等には困難であった。
【0005】
また、特開2001−307281号公報に記載の発明においては、GPSを備えた利用者の携帯端末から配車依頼するときに利用者の位置情報を送信するため、見知らぬ場所へ行った場合等には有効と思われる。しかし、タクシーから配車管理サーバには配車依頼を受理するかしないかの回答しか返って来ず、配車管理サーバはタクシーから受理の応答があると利用者に配車依頼を受け付ける旨回答しており、配車するタクシーは必ずしも最も早く迎車できるタクシーとは限らない。利用者としては少しでも待たないで配車を受けたいのが普通であり、このためには、配車管理サーバが数多いタクシーの中から最も早く利用者の場所まで迎車できるタクシーを選択して決定するというような配車方法が望まれるところである。さらに、配車後の乗車料金の課金についてもこの公報には何ら言及されていない。
【0006】
本発明は、以上の問題を解決するタクシー配車方法,タクシー配車システム,タクシー端末,配車センタ端末およびプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のタクシー配車方法は、ユーザ携帯端末からタクシー会社の配車センタ端末にアクセスし、ユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を送信する第1のステップと、
保有する全てのタクシーに対して前記配車センタ端末が前記配車依頼情報を送信する第2のステップと、
前記配車依頼情報を受信した各タクシー端末が、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する第3のステップと、
自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、各タクシー端末がユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し、迎車予定時刻に換算して前記配車センタ端末に回答する第4のステップと、
前記配車センタ端末が各タクシー端末からの迎車予定時刻の回答を記憶する第5のステップと、
前記配車センタ端末が、タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する第6のステップと、
前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記配車センタ端末から前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する第7のステップと、
前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に、前記配車センタ端末から前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する第8のステップとを有する。
【0008】
本発明の第2のタクシー配車方法は、ユーザ携帯端末からタクシー会社の配車センタ端末にアクセスし、ユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を送信する第1のステップと、
保有する全てのタクシーに対して前記配車センタ端末が前記配車依頼情報を送信する第2のステップと、
前記配車依頼情報を受信したタクシー端末が、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する第3のステップと、
自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、前記タクシー端末がユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し、迎車予定時刻に換算する第4のステップと、
前記タクシー端末が前記迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答承諾、回答中止、回答変更のいずれかを運転手に選択させる第5のステップと、
運転手により回答承諾が選択された場合に、前記迎車予定時刻を前記タクシー端末から前記配車センタ端末に送信する第6のステップと、
運転手により回答中止が選択された場合に、前記タクシー端末から前記配車センタ端末への回答は行わず処理を終了する第7のステップと、
運転手により回答変更が選択され変更時刻が入力された場合に、前記タクシー端末が前記迎車予定時刻を前記運転手から入力された変更時刻に変更して前記配車センタ端末に回答する第8のステップと、
前記配車センタ端末が各タクシー端末からの迎車予定時刻の回答を記憶する第9のステップと、
前記配車センタ端末が、各タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する第10のステップと、
前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記配車センタ端末から前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する第11のステップと、
前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に、前記配車センタ端末から前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する第12のステップと、を有する。
【0009】
本発明の第3のタクシー配車方法は、本発明の第1または第2のタクシー配車方法の前記第4のステップにおいて、自車両の状態が乗客輸送中であった場合は、自車両の現在位置から自車両に搭載されたナビゲーションシステムに表示されている乗客の目的地までの所要時間と、乗客の目的地から前記ユーザの迎車場所までの所要時間を加算し、前記迎車予定時刻を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明の第4のタクシー配車方法は、本発明の第1,第2または第3のタクシー配車方法において、前記配車決定通知を受けたタクシーがタクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向う途中で到着の一定時間前になったことを検出し、タクシー端末から前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行うステップを、さらに有する。
【0011】
本発明の第5のタクシー配車方法は、本発明の第1,第2,第3または第4のタクシー配車方法において、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末と前記タクシー端末との間で乗車料金の支払い処理を行うステップと、前記支払い処理の内容を前記タクシー端末から前記配車センタ端末および金融機関端末に送信するステップとを、さらに有する。
【0012】
本発明のタクシー配車システムは、ユーザ携帯端末と、配車センタ端末と、タクシー端末と、課金センタ端末と、これらを相互に接続するネットワークとを備えたタクシー配車システムであって、
前記ユーザ携帯端末は、位置情報を検出する手段と、前記ネットワークを介して前記配車センタ端末にアクセスし、ユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を入力,送信する手段とを有し、
前記配車センタ端末は、前記ユーザ携帯端末から前記配車依頼情報を受信し、保有する全てのタクシーに対して前記配車依頼情報を送信する手段と、各タクシー端末から受信した前記ユーザへの迎車予定時刻の回答を記憶する手段と、タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する手段と、前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する手段と、前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する手段とを有し、
前記タクシー端末は、前記配車センタ端末からユーザの位置情報を含む配車依頼情報を受信し、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する手段と、自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、ユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し迎車予定時刻に換算する手段と、算出された迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答してもよいかを運転手に選択させる手段と、運転手が時刻を入力することにより前記迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する手段と、運転手が回答承諾を選択した場合に前記迎車予定時刻を前記配車センタ端末に送信する手段と、前記配車センタ端末から配車決定通知を受け、タクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向かう途中で到着の一定時間前になったことを検出する手段と、前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行う手段と、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末との間で乗車料金の支払い処理を行う手段と、前記支払い処理の内容を前記配車センタ端末および金融機関端末に送信する手段とを有し、
前記課金センタ端末は、前記タクシー端末から受信した支払い処理情報により課金処理を行う手段を有する。
【0013】
本発明のタクシー端末は、配車センタ端末からユーザの位置情報を含む配車依頼情報を受信し、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する手段と、自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、ユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し迎車予定時刻に換算する手段と、算出された迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答してもよいかを運転手に選択させる手段と、運転手が時刻を入力することにより前記迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する手段と、運転手が回答承諾を選択した場合に前記迎車予定時刻を前記配車センタ端末に送信する手段と、前記配車センタ端末から配車決定通知を受け、タクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向かう途中で到着の一定時間前になったことを検出する手段と、前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行う手段と、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末との間で乗車料金の支払い処理を行う手段と、前記支払い処理の内容を前記配車センタ端末および金融機関端末に送信する手段とを有する。
【0014】
本発明の配車センタ端末は、ユーザ携帯端末からユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を受信し、保有する全てのタクシーに対して前記配車依頼情報を送信する手段と、各タクシー端末から受信した前記ユーザへの迎車予定時刻の回答を記憶する手段と、タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する手段と、前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する手段と、前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する手段とを有する。
【0015】
本発明のタクシー端末プログラムは、配車センタ端末からユーザの位置情報を含む配車依頼情報を受信し、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する手段、自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、ユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し迎車予定時刻に換算する手段、算出された迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答してもよいかを運転手に選択させる手段、運転手が時刻を入力することにより前記迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する手段、運転手が回答承諾を選択した場合に前記迎車予定時刻を前記配車センタ端末に送信する手段、前記配車センタ端末から配車決定通知を受け、タクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向かう途中で到着の一定時間前になったことを検出する手段、前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行う手段、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末との間で乗車料金の支払い処理を行う手段、前記支払い処理の内容を前記配車センタ端末および金融機関端末に送信する手段、としてコンピュータを機能させる。
【0016】
本発明の配車センタ端末プログラムは、ユーザ携帯端末からユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を受信し、保有する全てのタクシーに対して前記配車依頼情報を送信する手段、各タクシー端末から受信した前記ユーザへの迎車予定時刻の回答を記憶する手段、タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する手段、前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する手段、前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する手段、としてコンピュータを機能させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態の構成を示す図であり、図2は本発明の一実施の形態の動作を示すフローチャート、図3は配車依頼フォーマットの一例を示す図、図4は配車受理フォーマットの一例を示す図、図5は配車中に利用者に通知する現状通知フォーマットの一例を示す図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明のタクシーの配車システムは、GPS1と、GPSの信号を受信できるユーザ携帯端末2と、各タクシーに備えられたタクシー端末3と、各タクシーに備えられたNAVIシステム(ナビゲーションシステム)4と、携帯電話等の無線基地局5と、配車センタ端末6と、課金センタ端末7と、ユーザ携帯端末2,タクシー端末3を無線基地局5を介して配車センタ端末6や課金センタ端末7に接続するインターネット8とを備えている。
【0020】
GPS1は、Global Positioning Systemの略であり、衛星を用いて地球上における現在位置の緯度,経度の情報を把握できる位置検出システムである。
【0021】
ユーザ携帯端末2は、GPS信号を受信して現在位置を表示する機能を備えた携帯電話等のユーザが所持する携帯端末であり、インターネット8を介して配車センタ端末6にアクセスし配車依頼画面情報等を取得し表示する機能を備えている。例えば図3に示すような、氏名、配車台数、現在位置、目的地、電話番号、メールアドレス等のフォーマット画面を取得し表示する。また、GPS1から取得した現在位置情報を画面の現在位置に表示する機能も有する。さらに氏名等の予め決まった情報はユーザ携帯端末2に登録されている基本情報から取得できるものとする。
【0022】
各タクシーにはタクシー端末3とNAVIシステム4とが搭載されている。タクシー端末3は、タクシー運転手が利用する端末であり、制御部31と、通信部32と、入力部33と、表示部34とを備えている。制御部31は、例えばCPUやプログラムにより構成され、ユーザ携帯端末2,配車センタ端末6,課金センタ端末7等とのデータ送受信制御機能や、配車センタ端末6から送られるユーザ携帯端末2の位置情報を基に、タクシーの現在位置からユーザ携帯端末2の場所までの所用時間を算出する機能を備えている。通信部32は、インターネット8を介した配車センタ端末6や課金センタ端末7との通信や、ユーザ携帯端末2との通信を行う。入力部33は、例えば携帯電話のキー入力部に相当し、タクシー運転手による変更入力等に使用され、表示部34は、配車センタ端末6から送られる配車依頼情報や配車決定情報等を表示する。
【0023】
NAVIシステム4は、各タクシーに搭載されたナビゲーションシステムで
ある。配車センタ端末6は、タクシー会社等に設置されるサーバ等の情報処理装置であり、インターネット8を介してユーザ携帯端末2から配車依頼のアクセスがあった場合に配車依頼フォーマットの画面情報を送出し、配車依頼情報を受信して保有する各タクシーに対し転送する機能を備えている。また、各タクシーからの配車応答情報を総合的に判断することにより最適な配車管理をする機能を備えている。さらに、最終的に課金情報を受信することにより売り上げ管理を行う機能も備えている。課金センタ7は、タクシー端末3からの課金情報を元にユーザの口座からタクシー会社の口座に振込みを行ったり、タクシー端末3から送られた電子マネーをタクシー会社の口座に振込む課金処理を行う機能を備えている。
【0024】
なお、タクシー端末3および配車センタ端末6は、図示していない記憶手段に記憶されたプログラムにより制御され、各プログラムはタクシー端末3,配車センタ端末6の動作をそれぞれ制御する。
【0025】
次に、本発明の一実施の形態の動作について図1〜図5を参照して詳細に説明する。
【0026】
タクシーを利用したい場合、ユーザは自身の保有するユーザ携帯端末2を用いてインターネット8を介して配車センタ端末6にアクセスする(図2のステップA1)。配車センタ端末6は、そのタクシー会社で必要な図3に示すような配車依頼フォーマットを、要求のあったユーザ携帯端末2に送信する(ステップA2)。ユーザ携帯端末2上では、配車センタ端末6から送信された配車依頼フォーマットが画面表示される(ステップA3)。
【0027】
次に、ユーザは、ユーザ携帯端末2に内蔵されたGPS機能によってユーザの現在位置の情報を取得し(ステップA4)、図3の配車依頼フォーマットに従い必要事項を記入する(ステップA5)。配車依頼フォーマットには、例えば、氏名、配車台数、現在位置、目的地、電話番号、メールアドレス等が含まれている。氏名は、予めユーザ携帯端末2に登録されているユーザ情報を入力することにより新たな入力の手間を省くことも可能である。現在位置についてもステップA4で取得した位置情報を入力する。また、画面上に検索用補助ボタン等を設けておき、配車センタ端末6のデータベースから検索することも可能とする。目的地の入力も同様に配車センタの住所録から検索可能とする。例えば、目的地の電話番号や郵便番号、目的地名から住所を割り出すこととする。入力された配車依頼情報は、ユーザが図3の送信ボタンを押すことで配車センタ端末6に送信される(ステップA6)。
【0028】
ユーザ携帯端末2から配車依頼情報を受信した配車センタ端末6は、識別番号を生成,付与し、図示していないデータベースからタクシー会社が保有するすべてのタクシーのタクシー端末3を検索し、これらタクシー端末3に対して識別番号が付与された配車依頼情報を送信する。このとき、配車センタ端末6は、図示していない内部の記憶部に識別番号,配車依頼情報やタクシーへの送信時刻も格納する(ステップA7)。
【0029】
通信部32を介して配車依頼情報を受信したタクシー端末3の制御部31は、ヘッダ情報等により配車依頼であることを識別し、次に自車両の状態を判断する。自車両の状態とは、例えば回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の状態のことであり、例えば回送中,迎車中等をタクシー外部の人に表示するための表示札の操作状態の検出や料金メーターの稼働状態の検出、または、運転手により入力された状態の検出等、により判断する。勿論、状態が識別できれば他の手段であってもよい。迎車中は迎車に向かう途中のことであるが回送中に含めてもよい。そして、回送中または迎車中であれば処理を終了する。空きであった場合は、制御部31は、配車依頼情報に含まれるユーザの現在位置情報をNAVIシステム4に送り、自車両からユーザの位置までの距離をNAVIシステム4から取得し、迎車場所までの所要時間を算出する。また、乗客輸送中であった場合は、制御部31は、NAVIシステム4に表示されている現在の乗客の目的地までの距離と、乗客の目的地から配車依頼のあったユーザの場所までの距離の合計を、NAVIシステム4から取得して算出する。このため、空きの場合と乗客輸送中の場合の制御部31からNAVIシステム4への指示信号のパターンを予め定めておくものとする。なお、速度については予め定めた値を用いてもよいし、NAVIシステム4から取得するようにしてもよい。また、運転手が設定するようにしてもよい。(ステップA8)。
【0030】
その後、制御部31は算出された迎車予定時刻を配車依頼の識別番号とともに配車センタ端末6に送信する。このとき、制御部31は、送信前に表示部34に迎車予定時刻やユーザの配車依頼情報等を表示して、回答承諾、回答中止、回答変更のいずれかを運転手に選択させる送信確認表示を行う。この送信確認表示に伴い、例えばランプを点灯させたり、表示画面の一部分を点滅させたり、可聴信号や音を出したりして運転手に気づかせるようにする。そして、運転手が回答承諾を選択することにより配車センタ端末6に送信する。また、回答中止が選択されると、制御部31は配車センタ端末6への送信を中止し処理を終了する。こうすることにより、回送中でも迎車中でもないが運転手の事情で配車依頼に応えられない場合等に、送信しないようにすることができる。また、回答変更が選択された場合は、運転手から入力部33を介して入力される時刻を受け、制御部31は迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する。この運転手による変更入力により、例えば、運転手が迎車前や迎車途中に小用を足す等の事情が有る場合に、その分の時間を加算することで、より精度の高い迎車予定時刻の回答が可能となる(ステップA9)。
【0031】
配車センタ端末6は、各タクシー端末3からの回答を識別番号毎に図示していない記憶部に登録する。この記憶部には配車依頼情報やタクシーへの送信時刻も送信時に格納されており、各タクシーへの配車依頼から一定時間経過した時点で配車センタ端末6が各タクシーからの回答を分析し、最もユーザの要求に応えられるタクシーを選択し、仮決定を行う。例えば、最も迎車予定時刻の早いタクシーを選択する(ステップA10)。
【0032】
次に、配車センタ端末6は、迎車予定時刻を含む仮決定の情報をユーザ携帯端末2に送信し、OK/NGの回答を求める(ステップA11)。ユーザ側では配車センタ端末6からの情報を元にOK(承諾)/NG(拒否)の判断を行いユーザ携帯端末2から回答を送信する(ステップA12)。NGの場合は本シーケンスは終了となる。
【0033】
ユーザからOKの回答を受信した配車センタ端末6は、当該タクシーへ配車決定情報を通知する。配車決定情報には、配車依頼情報,迎車予定時刻等の情報が含まれる(ステップA13)。また、配車センタ端末6は、ユーザ携帯端末2に対しては配車受理情報を生成,通知する。配車受理情報は、例えば図4のようなフォーマットにて通知し、迎車に向かう運転手名、車両番号及び迎車予定時刻等を含むものとする(ステップA14)。
【0034】
タクシーでは配車センタ端末6から配車決定情報を受信した制御部31が、ユーザの位置情報をNAVIシステム4へインプットすることにより、目的地までのナビゲーションを行う(ステップA15)。なお、制御部31はNAVIシステム4を監視し、車両到着の一定時間前になったらもうすぐ到着することを知らせる通知を生成し、配車決定情報で通知されたユーザのメールアドレスに送信する。例えば図5に示すように到着5分前であることを知らせる(ステップA16)。
【0035】
この後、ユーザを乗せ目的地へ到着した際には乗車料金の支払いを行う。例えば電子マネーでの支払いの場合は、ユーザが暗証番号と乗車料金を入力してユーザ携帯端末2からタクシー端末3に電子マネーを送信する。また、ユーザの金融機関の口座からの振込の場合は、ユーザ携帯端末2から口座番号や暗証番号等をタクシー端末3に送信する(ステップA17)。タクシー端末3の制御部31は課金センタ7にアクセスし、タクシー会社口座への電子マネーやユーザ口座からの振込みを用,中止、課金センタ端末7により課金処理が行われ課金が成立する(ステップA18、A19)。また、同時に配車センタ端末6にも料金,日時,運転手名等の課金情報を送付し、配車センタ端末6における売り上げの自動計算が行われる(ステップA20)。
【0036】
なお、本実施の形態のステップA9において、回答承諾、回答中止、回答変更のいずれかを運転手に選択させる送信確認表示を行うことで説明したが、この送信確認を行わず、ステップA8での迎車予定時刻の算出が終了したら自動的に配車センタ端末6に送信する他の実施の形態の運用も可能である。
【0037】
また、以上の説明においては、GPSを用いてユーザの位置を把握していたが、GPSを使用せず、ユーザ携帯端末2が無線基地局5から位置情報を取得するようにしてもよい。最近の携帯電話システムでは1基地局あたりのCellが小さくなり、複数の基地局情報からユーザ位置の特定が可能となっている。無線基地局5から位置情報を取得する技術は、例えば特開平11−178042号公報や特開平8−265826号公報に開示されている。
【0038】
また、図1のタクシー端末3の通信部32,入力部33,表示部34の代わりに携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)または業務無線機を用いてもよい。
【0039】
また、図1のタクシー端末3の制御部31の機能をNAVIシステム4内部のCPUに行わせ、タクシー端末3としては携帯電話機やPHSまたは業務無線機を用いるように構成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、各タクシーがユーザの迎車場所までの所用時間を算出して迎車予定時刻を配車センタ端末に送信し、配車センタ端末が数多いタクシーの中から最も早く利用者の場所まで迎車できるタクシーを選択して決定するようにしたため、利用者の待ち時間を軽減できるという効果がある。
【0041】
また、選択されたタクシーの迎車予定時刻を利用者に通知するようにしたため、利用者にとっては迎車予定時刻が把握でき時間の有効活用につながるという効果がある。
【0042】
また、各タクシーがユーザの迎車場所までの所用時間を算出するときに、突発的な事故等の交通状況を元に各運転手が走行速度を設定して算出したり、算出値に運転手の事情等による補正を考慮したりしているため、各タクシーの実状に応じた正確度の高い迎車時刻が配車センタ端末に送られ、配車センタ端末は各タクシーの実状に応じた正確度の高い迎車時刻の比較により配車するタクシーが決定できることになり、結果的に利用者に正確度の高い迎車予定時刻を通知できるという効果が得られる。
【0043】
また、配車後の乗車料金の課金処理や課金情報の配車センタへの報告も併せて行っているため、売上高を常に把握できることによる管理業務の低減効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】配車依頼フォーマットの一例を示す図である。
【図4】配車受理フォーマットの一例を示す図である。
【図5】配車中に利用者に通知する現状通知フォーマットの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 GPS
2 ユーザ携帯端末
3 タクシー端末
31 制御部
32 通信部
33 入力部
34 表示部
4 NAVIシステム
5 無線基地局
6 配車センタ端末
7 課金センタ端末
8 インターネット
Claims (7)
- ユーザ携帯端末からタクシー会社の配車センタ端末にアクセスし、ユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を送信する第1のステップと、
保有する全てのタクシーに対して前記配車センタ端末が前記配車依頼情報を送信する第2のステップと、
前記配車依頼情報を受信したタクシー端末が、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する第3のステップと、
自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、前記タクシー端末がユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し、迎車予定時刻に換算する第4のステップと、
前記タクシー端末が前記迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答承諾、回答中止、回答変更のいずれかを運転手に選択させる第5のステップと、
運転手により回答承諾が選択された場合に、前記迎車予定時刻を前記タクシー端末から前記配車センタ端末に送信する第6のステップと、
運転手により回答中止が選択された場合に、前記タクシー端末から前記配車センタ端末への回答は行わず処理を終了する第7のステップと、
運転手により回答変更が選択され変更時刻が入力された場合に、前記タクシー端末が前記迎車予定時刻を前記運転手から入力された変更時刻に変更して前記配車センタ端末に回答する第8のステップと、
前記配車センタ端末が各タクシー端末からの迎車予定時刻の回答を記憶する第9のステップと、
前記配車センタ端末が、各タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する第10のステップと、
前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記配車センタ端末から前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する第11のステップと、
前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に、前記配車センタ端末から前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する第12のステップと、
を有することを特徴とするタクシー配車方法。 - 前記第4のステップにおいて、自車両の状態が乗客輸送中であった場合は、自車両の現在位置から自車両に搭載されたナビゲーションシステムに表示されている乗客の目的地までの所要時間と、乗客の目的地から前記ユーザの迎車場所までの所要時間を加算し、前記迎車予定時刻を算出することを特徴とする請求項1記載のタクシー配車方法。
- 前記配車決定通知を受けたタクシーがタクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向う途中で到着の一定時間前になったことを検出し、タクシー端末から前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行うステップを、さらに有することを特徴とする請求項1または2記載のタクシー配車方法。
- 前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末と前記タクシー端末との間で乗車料金の支払い処理を行うステップと、前記支払い処理の内容を前記タクシー端末から前記配車センタ端末および金融機関端末に送信するステップとを、さらに有することを特徴とする請求項1,2または3記載のタクシー配車方法。
- ユーザ携帯端末と、配車センタ端末と、タクシー端末と、課金センタ端末と、これらを相互に接続するネットワークとを備えたタクシー配車システムであって、
前記ユーザ携帯端末は、位置情報を検出する手段と、前記ネットワークを介して前記配車センタ端末にアクセスし、ユーザの位置情報を含んだ配車依頼情報を入力,送信する手段とを有し、
前記配車センタ端末は、前記ユーザ携帯端末から前記配車依頼情報を受信し、保有する全てのタクシーに対して前記配車依頼情報を送信する手段と、各タクシー端末から受信した前記ユーザへの迎車予定時刻の回答を記憶する手段と、タクシーへの前記配車依頼情報の送信から予め定めた時間経過後に各タクシー端末からの回答を分析し、迎車予定時刻の最も早いタクシーを選定する手段と、前記選定されたタクシーの迎車予定時刻を前記ユーザ携帯端末に送信し、承諾か否かの確認を依頼する手段と、前記ユーザ携帯端末から承諾の返信があった場合に前記選定されたタクシーに対して配車決定通知を送信する手段とを有し、
前記タクシー端末は、前記配車センタ端末からユーザの位置情報を含む配車依頼情報を受信し、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する手段と、自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、ユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し迎車予定時刻に換算する手段と、算出された迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答してもよいかを運転手に選択させる手段と、運転手が時刻を入力することにより前記迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する手段と、運転手が回答承諾を選択した場合に前記迎車予定時刻を前記配車センタ端末に送信する手段と、前記配車センタ端末から配車決定通知を受け、タクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向かう途中で到着の一定時間前になったことを検出する手段と、前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行う手段と、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末との間で乗車料金の支払い処理を行う手段と、前記支払い処理の内容を前記配車センタ端末および金融機関端末に送信する手段とを有し、
前記課金センタ端末は、前記タクシー端末から受信した支払い処理情報により課金処理を行う手段を有することを特徴とするタクシー配車システム。 - 配車センタ端末からユーザの位置情報を含む配車依頼情報を受信し、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する手段と、自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、ユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し迎車予定時刻に換算する手段と、算出された迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答してもよいかを運転手に選択させる手段と、運転手が時刻を入力することにより前記迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する手段と、運転手が回答承諾を選択した場合に前記迎車予定時刻を前記配車センタ端末に送信する手段と、前記配車センタ端末から配車決定通知を受け、タクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向かう途中で到着の一定時間前になったことを検出する手段と、前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行う手段と、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末との間で乗車料金の支払い処理を行う手段と、前記支払い処理の内容を前記配車センタ端末および金融機関端末に送信する手段とを有することを特徴とするタクシー端末。
- 配車センタ端末からユーザの位置情報を含む配車依頼情報を受信し、回送中,迎車中,乗客輸送中,空き等の自車両の状態を識別する手段、自車両の状態が回送中または迎車中でなかった場合に、ユーザおよび自車両の位置情報を基に迎車のための所要時間を算出し迎車予定時刻に換算する手段、算出された迎車予定時刻を前記配車依頼情報とともに表示し、回答してもよいかを運転手に選択させる手段、運転手が時刻を入力することにより前記迎車予定時刻を運転手から入力された時刻に変更する手段、運転手が回答承諾を選択した場合に前記迎車予定時刻を前記配車センタ端末に送信する手段、前記配車センタ端末から配車決定通知を受け、タクシーに搭載されているナビゲーションシステムにより誘導されてユーザの迎車に向かう途中で到着の一定時間前になったことを検出する手段、前記ユーザ携帯端末に対して一定時間後に到着予定である旨の通知を行う手段、前記ユーザが乗車して目的地に到着したときに、前記ユーザ携帯端末との間で乗車料金の支払い処理を行う手段、前記支払い処理の内容を前記配車センタ端末および金融機関端末に送信する手段、としてコンピュータを機能させるためのタクシー端末プログラム。
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