JP3951684B2 - 浴室用換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、換気ユニットと輻射暖房ユニットとを備えた浴室用換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷期においては、脱衣後入浴するまでのほか浴室に入った後も、浴室の室温が低いために寒さに耐えなければならない場合が多い。このようなことを緩和するために、浴室内の予備暖房をすることが考えられている。
【0003】
従来、このような浴室の予備暖房装置としては、浴室用の換気扇にヒーターを設けたものが知られている。即ち、浴室の空気を建物の外側に送る換気扇に、浴室内の空気を循環させる循環系ユニットを設け、この循環系ユニットにヒータを設けた構造とされている。
【0004】
循環系ユニットは、換気扇の排気系ユニットとは別系統の風路を形成するものであり、浴室内の空気を取り入れる吸入開口部の下流側にフィルターを設け、このフィルターの下流にファンを設け、このファンの下流にヒータを設け、ヒータの下流に送風用開口部を設けたものである。
【0005】
この循環系ユニットのファン及び駆動用のモータは、小出力のものであり、浴室内の空気をヒータで暖めて乾燥や予備暖房を行うようになっている。
【0006】
しかしながら、このような浴室乾燥暖房装置では、入浴前の予備暖房に時間がかかりすぎると共に、洗い場で体を洗っている場合等に水の蒸発熱を奪われて寒い思いをするという不具合が充分に解消されていない。
【0007】
そこで、本願出願人は、その問題を解消するために特願2001−139146に示す浴室用換気装置を提案した。
【0008】
かかる浴室用換気装置1は、図18に示すように、天井に埋め込まれる換気ユニット2と、天井から下方に突出する暖房ユニット3とを備えている。換気ユニット2の底面には、浴室内の空気を吸気する吸気口4と浴室内へ温風を吹き出す吹出口5とが設けられている。この吹出口5の近傍には温風用のヒータ(図示せず)が設けられている。また、ユニット2の側方には浴室内から吸気した空気を外へ排出する排気口6が設けられている。換気ユニット2内には図示しないダンパが設けられており、このダンパの切り換えにより吸気口4から吸気した空気を排気口6や吹出口5へ案内するようになっている。
【0009】
暖房ユニット3は、熱線を輻射するヒータ7と反射板8等とを有している。この暖房ユニット3は、浴室内の温度が低い状態であっても熱線を輻射することにより、入浴者の体を暖めて寒さを感じさせないようにするものである。これは、換気ユニット2の吹出口5から温風を浴室内へ送風しても浴室内の温度が上昇するのに長時間要してしまい、その浴室内の温度が上昇する間、寒さを感じさせないようにするとともに、入浴者が洗い場で体を洗っている場合に、水の蒸発熱により体温が下がって寒さを感じてしまうのを防止するためのものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような浴室用換気装置1にあっては、暖房ユニット3のヒータ7近傍に壁などがあると、そのヒータ7により壁の温度が上昇してしまう。このため、浴室用換気装置1を壁際に取り付けることができず、天井の中央部がドーム状になっているユニットバスにはその中央部には取り付けることができないことにより、そのユニットバスには浴室用換気装置1を取り付けられないという問題があった。
【0011】
また、反射板8が固定されていることにより熱線の輻射方向が固定されてしまい、このため、浴室用換気装置1の設置位置によって入浴者に当たる輻射量が大きく異なってしまう等の問題があった。
【0012】
この発明の第1の目的は、浴室の壁際でも取り付けることのできる浴室用換気装置を提供することにある。
【0013】
この発明の第2の目的は、浴室用換気装置の取付位置に拘わらず、入浴者に当たる輻射量を一定にすることのできる浴室用換気装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、換気ユニットと、室内に臨む換気ユニットの吸気開口および吹出開口に隣接した位置に設けられた輻射暖房ユニットとを備え、この輻射暖房ユニットのケースの底面に輻射開口を設けた浴室用換気装置であって、
前記換気ユニット側へ斜め下方に向けて、前記輻射開口から熱線を輻射させる輻射手段と、
前記輻射開口に対して輻射手段と反対方向からその輻射開口に向けて空気を送り出す送風手段とを前記ケース内に設け、
前記輻射開口には格子状のガード金具が取り付けられ、
前記送風手段は、送風ファンと、該送風ファンの周囲を囲むとともに吹出口を形成した案内風路部材とを備え、前記送風ファンの回転により前記吹出口から前記ガード金具が取り付けられた前記輻射開口に向けて空気を吹き出すことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、前記輻射手段は、熱線を発生するヒータと、このヒータの後方に配置されるとともに前記熱線を反射する反射板とを有し、この反射板の向きを可変にしたことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、前記送風手段の吹出口の向きを可変にしたことを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、前記反射板の向きと前記送風手段の吹出口の向きとを連動させたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる浴室用換気装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1ないし図4に示す浴室用換気装置10は、換気ユニット11と暖房ユニット(輻射暖房ユニット)20とを備え、換気ユニット11と暖房ユニット20とが一体となっている。
【0021】
換気ユニット11は、天井に埋め込まれる筺体状の換気ケース12を有し、この換気ケース12の下面には、浴室内の空気を吸気する吸込口(給気開口)13と浴室内へ温風を吹き出す吹出口14とが設けられている。吹出口14内にはヒータHが設けられており、吹出口14から吹き出す空気をそのヒータHによって暖めるようになっている。
【0022】
また、換気ケース12の側方には排気口15が設けられており、この排気口15は室外に連通されている。また、換気ケース12内にはダンパDが設けられており、このダンパDは図4に示す実線位置と破線位置と鎖線位置とに切り換え可能となっている。ダンパDが実線位置に切り換わると吸込口13と吹出口14とが連通されてヒータHの通電により暖房モードとなる。ダンパDが破線位置に切り換わると吸込口13と排気口15とが連通されて換気モードとなる。また、ダンパDが中間位置である鎖線位置に切り換わるとヒータHの通電により乾燥モードとなり、衣類の乾燥が行えるようになっている。さらに、ヒータHを非通電状態にすると涼風モードとして風を吹出口14から吹き出すようになっている。
【0023】
また、換気ケース12内には遠心ファンFが設けられており、この遠心ファンFによって吸込口13から空気を吸気し、この吸気した空気を吹出口14から吹き出させたり、排気口15から排気したりするようになっている。M1は遠心ファンFを回転させるモータであり、このモータMは換気ケース12の天板12Aに固定されている。
【0024】
暖房ユニット20は、図4に示すように、吸込口13および吹出口14に隣接するとともに天井から下方に突出する暖房ケース21を有し、この暖房ケース21の底面には輻射開口22が形成され、この輻射開口22には格子状に形成されたガード金具23が取り付けられている。
【0025】
暖房ケース21内には、図5に示すように、カーボンランプ24と反射板25と送風ファン26等とが設けられている。カーボンランプ24は輻射開口22の右側(図5において)に配置され、反射板25はカーボンランプ24から発生する熱線を輻射開口22から換気ユニット11側へ斜め下方に向けて輻射させるようになっている。そして、カーボンランプ24と反射板25とで輻射手段が構成される。
【0026】
送風ファン26は、輻射開口22の左側の上方に配置されており、暖房ケース21の天板21Aに垂下された保持板29に取り付けられたモータM2の駆動軸Maに装着されている。この保持板29には案内風路板28が取り付けられており、この案内風路板28が送風ファン26の周囲を囲んでいる。この案内風路板28には吹出口27が形成されており、送風ファン26が回転すると吹出口27から輻射開口22に向けて吹き出すようになっている。そして、送風ファン26と案内風路板28とで送風手段が構成される。
【0027】
吹出口27から吹き出す空気は、図5に示すように、輻射開口22の左側から右側へ斜め下方に且つ輻射開口22に向けて吹き出すようになっている。
【0028】
次に、上記のように構成される浴室用換気装置10の作用について説明する。
【0029】
先ず、図示しない操作部の操作スイッチの操作により暖房モードを設定すると、ダンパDが図4に示す実線位置に切り換わって換気ユニット11の吸込口13と吹出口14とが連通され、ヒータHが通電される。そして、モータM1が駆動されて遠心ファンFが回転していく。この遠心ファンFの回転によって吸込口13から浴室内の空気が吸気され、この吸気した空気がヒータHによって暖められて温風となって吹出口14から浴室内へ吹き出ていく。
【0030】
一方、カーボンランプ24が通電されるとともにモータM2が駆動されて送風ファン26が回転していく。カーボンランプ24は通電により熱線を放射し、この熱線が反射板25により図5の破線で示す方向へ輻射する。この輻射により、浴室内の温度が十分に上がっていなくても入浴者の体を暖めて寒さを感じさせないことになる。
【0031】
また、カーボンランプ24の熱線により輻射開口22のガード金具23やその周辺の温度が上昇していくが、送風ファン26の回転により案内風路板28の吹出口27から図5の実線で示す矢印方向に空気が吹き出していくので、輻射開口22のガード金具23が冷却される。また、吹出口27から吹き出す空気は図5に示すように輻射開口22から吹き出されることにより、その空気が浴室の壁30に当たり、その壁30が冷却される。このため、浴室用換気装置10を壁30際に配置することができ、中央部の天井がドーム状になっているユニットバスにも浴室用換気装置10を取り付けることができる。
【0032】
[第2実施形態]
図6および図7は第2実施形態の浴室用換気装置40を示したものであり、この浴室用換気装置40では、反射板25の向きが変えられるようにしたものである。
【0033】
図8に示すように、反射板25の両側板部25Aにカーボンランプ24の軸線上に軸25J,25Kを設け、この軸25J,25Kを暖房ケース21の両側壁部21B,21Bに軸支させて軸25J,25K回りに反射板25を回動可能にし、一方の軸25Kを側壁部21Bを貫通させ、この軸25Kに操作ダイヤルJを取り付け、この操作ダイヤルJを回動操作することにより、反射板25をカーボンランプ24の軸線回りに回動させて反射板25の向きが変えられるようにしたものである。カーボンランプ24はブラケットBを介して暖房ケース21の両側壁部21B,21Bに固定されている。
【0034】
この反射板25の向きを変えることにより、浴室用換気装置40の取付位置に拘わらず、浴室の洗い場や浴槽に向けて所定量の熱線を輻射することができ、入浴者に当たる熱線の輻射量を一定に保つことができる。
【0035】
[第3実施形態]
図9は第3実施形態の浴室用換気装置50を示したものであり、この第3実施形態の浴室用換気装置50では、第2実施形態の送風ファン26や案内風路板28A,28Bを省略したものである。この浴室用換気装置50では、反射板25の向きが換えられるので、第2実施形態の浴室用換気装置40と同様な効果を得ることができる。
【0036】
[第4実施形態]
図10は第4実施形態の浴室用換気装置60を示したものであり、この第4実施形態の浴室用換気装置60では、案内風路板28に吹出口の向きが変えられるノズルNを設けるとともに、反射板25の向きをモータで変え、反射板25の向きに連動してノズルNの向きを変えるようにしたものである。
【0037】
ノズルNは、図11および図12に示すように、先端に吹出口Naを有し後部に断面が円弧状の凹部62を形成した連結部63を有している。他方、案内風路28の先端部の断面が円弧状の連結部28aが形成され、この連結部28aがノズルNの連結部63の凹部62に回動自在に嵌入されており、ノズルNが凹部62の曲率中心を中心にして回動するようになっている。
【0038】
また、ノズルNの側方にはモータ64が設けられており、このモータ64によってノズルNが回動するようになっている。このモータ64は暖房ケース21の側壁部21Bに固定されている。
【0039】
反射板25は、図13に示すように、側板25Aにモータ66の駆動軸66aを取り付けてモータ66によって回動するようになっている。モータ66は暖房ケース21の側壁部21Bに固定されている。
【0040】
図14は第4実施形態の換気装置の制御系の構成を示したブロック図である。図14において、70は操作部71の操作スイッチ(図示せず)の操作に基づいてモータ66を制御して反射板25を所望位置へ回動させるとともに、反射板25の向きに応じてモータ64を制御する制御装置である。この制御装置70は、反射板25による輻射方向の中心線25eとノズルNの方向を示す中心線Neとが輻射開口22上で交差するようにモータ64を制御するようになっている。
【0041】
この第4実施形態によれば、反射板25によって照射される輻射量の多いガード金具23の部分に向けてノズルNから空気を吹き付けることができるので、効率よくガード金具23を冷却することができ、浴室用換気装置60を壁際に取り付けてもより安全なものにすることができる。
【0042】
[第5実施形態]
図15は第5実施形態の浴室用換気装置80を示したものである。この浴室用換気装置80では、浴室81に2つの人感センサS1,S2を配置し、人感センサS1で洗い場81Aに入浴者がいるか否かを検知し、人感センサS2で浴槽81Bに入浴者がいるか否かを検知し、各人感センサS1,S2の検知状態に応じて反射板25の向きを変えるようにしたものである。
【0043】
この第5実施形態の浴室用換気装置80は、第4実施形態の浴室換気装置60と同一構成なのでその説明は省略する。
【0044】
図16は第5実施形態の浴室用換気装置80の制御系の構成を示したブロック図である。図16において、85は各人感センサS1,S2の検知状態に応じてモータ66を制御して反射板25を入浴者がいる方向に向けて回動させるとともに、その反射板25の向きに応じてモータ64を制御する制御装置である。また、この制御装置85は、第4実施形態と同様に反射板25による輻射方向の中心線25eとノズルNの方向を示す中心線Neとが輻射開口22上で交差するようにモータ64を制御するようになっている。
【0045】
この第5実施形態の浴室用換気装置80の反射板25を入浴者のいる方向に向けて回動させるので、入浴者は洗い場81Aや浴槽81Bのどちらにいても常に所定量の輻射熱を受けることができ、寒さを感じないで済むことになる。
【0046】
この第2実施形態では、2つの人感センサS1,S2で入浴者を検知しているが、3つ以上の人感センサを用いて入浴者のいる位置を細かく検出して反射板25の向きを制御してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、浴室の壁際でも浴室用換気装置を取り付けることができる。
【0048】
請求項2の発明によれば、浴室の壁際でも浴室用換気装置を取り付けることができるとともに、浴室用換気装置の取付位置に拘わりなく、所定の方向に所定量の熱線を輻射することができる。
【0050】
請求項3および請求項4の発明によれば、輻射によって温度上昇が生じ易い輻射暖房ユニットの部分に風を吹き付けることにより、その部分を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る浴室用換気装置の示した斜視図である。
【図2】図1に示す浴室用換気装置の底面図である。
【図3】図1に示す浴室用換気装置の側面図である。
【図4】図1に示す浴室用換気装置の換気ユニットの断面図である。
【図5】図1に示す浴室用換気装置の暖房ユニットの断面図である。
【図6】第2実施形態の暖房ユニットの構成を示した断面図である。
【図7】第2実施形態の浴室用換気装置を示した側面図である。
【図8】反射板の回動構造を示した説明図である。
【図9】第3実施形態の暖房ユニットの構成を示した断面図である。
【図10】第4実施形態の暖房ユニットの構成を示した断面図である。
【図11】ノズルを示した斜視図である。
【図12】ノズルの回動構造を示した断面図である。
【図13】第4実施形態の反射板の回動構造を示した説明図である。
【図14】第4実施形態の制御系の構成を示したブロック図である。
【図15】第5実施形態の浴室用換気装置を浴室に設置した状態を示した説明図である。
【図16】第5実施形態の制御系の構成を示したブロック図である。
【図17】従来の浴室用換気装置を示した説明図である。
【符号の説明】
10 浴室用換気装置
11 換気ユニット
20 暖房ユニット
21 暖房ケース
22 輻射開口
24 カーボンランプ
25 反射板
26 送風ファン
28 案内風路板
Claims (4)
- 換気ユニットと、室内に臨む換気ユニットの吸気開口および吹出開口に隣接した位置に設けられた輻射暖房ユニットとを備え、この輻射暖房ユニットのケースの底面に輻射開口を設けた浴室用換気装置であって、
前記換気ユニット側へ斜め下方に向けて、前記輻射開口から熱線を輻射させる輻射手段と、
前記輻射開口に対して輻射手段と反対方向からその輻射開口に向けて空気を送り出す送風手段とを前記ケース内に設け、
前記輻射開口には格子状のガード金具が取り付けられ、
前記送風手段は、送風ファンと、該送風ファンの周囲を囲むとともに吹出口を形成した案内風路部材とを備え、前記送風ファンの回転により前記吹出口から前記ガード金具が取り付けられた前記輻射開口に向けて空気を吹き出すことを特徴とする浴室換気装置。 - 前記輻射手段は、熱線を発生するヒータと、このヒータの後方に配置されるとともに前記熱線を反射する反射板とを有し、この反射板の向きを可変にしたことを特徴とする請求項1に記載の浴室用換気装置。
- 前記送風手段の吹出口の向きを可変にしたことを特徴とする請求項1に記載の浴室用換気装置。
- 前記反射板の向きと前記送風手段の吹出口の向きとを連動させたことを特徴とする請求項3に記載の浴室用換気装置。
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