JP3951518B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3951518B2
JP3951518B2 JP27524799A JP27524799A JP3951518B2 JP 3951518 B2 JP3951518 B2 JP 3951518B2 JP 27524799 A JP27524799 A JP 27524799A JP 27524799 A JP27524799 A JP 27524799A JP 3951518 B2 JP3951518 B2 JP 3951518B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording head
nonwoven fabric
printing
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27524799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001096756A (ja
JP2001096756A5 (ja
Inventor
敦 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP27524799A priority Critical patent/JP3951518B2/ja
Publication of JP2001096756A publication Critical patent/JP2001096756A/ja
Publication of JP2001096756A5 publication Critical patent/JP2001096756A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3951518B2 publication Critical patent/JP3951518B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字データに基づいてノズル開口からインク滴を吐出することで記録媒体に対して画像を記録するインクジェット式記録ヘッドを備えた記録装置に関し、特に記録ヘッドのノズル形成面を封止して負圧により記録ヘッドからインクを吸引排出させるキャッピング手段内に配置されたインク吸収材の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
【0003】
そしてキャリッジ上に、ブラックインクおよびイエロー、シアン、マゼンタの各カラーインクが吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】
前記した記録装置に搭載された記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0005】
このために、この種のインクジェット式記録装置には、非印刷時(休止時)に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング部材が備えられている。このキャッピング手段は、印刷の休止時に前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能し、記録ヘッドのノズル開口の乾燥による目詰まりを抑制させることで、印字の再開時においての印字動作の信頼性が確保できるようになされている。
【0006】
また、このキャップピング手段はノズル形成面を封止し、負圧発生手段としての吸引ポンプからの負圧を受けて、ノズル開口からインクを吸引排出させることで、ノズル開口のインク固化による目詰まりや、インク流路内への気泡混入によるインク吐出不良を解消するクリーニング手段としての機能をも備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、キャッピング手段は印刷の休止中において、ノズル開口におけるインクの乾燥を防止する蓋体として機能し、ノズル開口からの水分蒸発を抑制させることで、記録装置の休止期間が比較的短期の場合においては、印字再開時におけるクリーニング操作の実行を省略させるような制御シーケンスを採るようにしている。
【0008】
このような、水分蒸発の抑制作用を果たすために従来のキャッピング手段においては、キャッピング手段の内底部に多孔質発泡体によるインク吸収材が配置されており、このインク吸収材によるインクの保持作用によって、ノズル形成面を封止状態としたキャッピング手段内の内部空間を湿潤状態に維持させるようになされている。
【0009】
このような多孔質発泡体によるインク吸収材においては、発泡作用により多孔質体を構成している関係で、空隙率が比較的小さく、インクを含浸した状態でのインクの保持量の向上には限度がある。
【0010】
特に、昨今の記録装置においては印字品質を向上させるためにインクの染料濃度を上昇させたり、またインク素材として顔料を用いる趨勢にある。このようなインクは僅かな水分の蒸発によってもその粘度が大幅に上昇し、流動性のない状態となって、早期にノズル開口の目詰まりを発生させるという問題を有している。
【0011】
一方、前記したキャッピング手段内に配置された多孔質発泡体によるインク吸収材においては、多孔質発泡体の内部形状は平面で構成される部位が多いことから、特にクリーニング動作を実行した場合において、記録ヘッドから吸引排出されたインクをキャッピング手段内において泡立てやすいことが確認されている。
【0012】
このようなインクの泡立ちは、クリーニング操作によるインクの吸引排出直後において、記録ヘッドのノズル開口に浸入してノズル開口からの正常なインクの吐出作用を妨げる結果を招き、印字不良を発生させるという問題に発展する。
【0013】
本発明は、前記した技術的な課題に着目してなされたものであり、より多量のインクを長期にわたって保持できると共に、クリーニング操作時における前記したインクの泡立ちを抑制させることで、印字の信頼性を確保することが可能なインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置は、印字データに基づいてノズル開口からインク滴を吐出することで記録媒体に対して画像を記録するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止して、負圧発生手段と連通するキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記キャッピング手段の内底部には、前記負圧発生手段と接続する第1の開口と、大気開放口と連通する第2の開口とが形成され、さらに、前記内底部にはシート状に形成された不織布によるインク吸収材が配置されている構成とされる。
【0015】
この場合、前記不織布としては、好ましくは断面形状がほぼ円形状になされた繊維を重合させてシート状に形成される。またこの場合、異なった繊維径を有する各繊維を用いてシート状に重合させることが望ましい。そして、不織布を構成する繊維としては、好ましくはレーヨンまたはポリエステル、もしくは前記した両者の繊維を混合した状態で用いられる。
【0016】
前記した構成によるインク吸収材によると、不織布を用いることにより空隙率を大きく確保することができる特質を生かし、多量のインクを長時間にわたって保持させることが可能となる。
【0017】
これにより、記録装置の比較的長期の休止状態においても、不織布によって保持されるインク溶媒、特に水分による湿潤状態によって、記録ヘッドのノズル開口の乾燥を効果的に抑制することが可能となる。したがって、クリーニング操作の実施頻度を低減させることができ、ユーザに対してクリーニング操作による待ち時間を強いるという問題も低減させることができる。
【0018】
また、不織布を構成する繊維として、その断面形状がほぼ円形のものを用いることにより、キャッピング手段内におけるインクの泡の発生度合いを低減させることが可能となる。
【0019】
これは、記録ヘッドから吐き出されるインクが不織布に当たる場合において、不織布を構成する繊維の断面形状がほぼ円形であるが故に、各繊維にインクが当たる際の衝撃が小さく抑えられものと考えられる。したがって、クリーニング操作において発生するインクの泡に起因する記録ヘッドの印字障害の発生度合いを減少させることに寄与できる。
【0020】
一方、不織布を構成する繊維に異なった径の繊維を用いることで、不織布の通気度が高められることが確認されており、通気度の高い不織布を採用することで、クリーニング操作時におけるキャッピング手段からのインクの排出に障害を与えることなく、インクの排出動作を良好にすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用された記録装置本体の全体構成を斜視図によって示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0022】
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、後述するインクジェット式記録ヘッドが搭載され、またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブラックインクカートリッジ7、およびカラー用インクカートリッジ8が着脱可能に装填されている。
【0023】
図中符号9は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、前記記録ヘッドが直上に移動した時に、上方に進出して記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるように構成されている。そしてキャッピング手段9の下方には、キャッピング手段9の内部空間に負圧を与えるための負圧発生手段としての吸引ポンプ10が配置されている。
【0024】
前記キャッピング手段9は、記録装置の休止期間中において、記録ヘッドのノズル形成面を封止してノズル開口からのインク溶媒の蒸発を抑止させる蓋体として作用すると共に、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ10からの負圧を記録ヘッドに作用させて、インクを吸引するクリーニング機能も兼ね備えている。
【0025】
そして、図1に示すようにキャッピング手段9の印字領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材11が配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段9側に往復移動する際に、記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0026】
図2および図3は、ホームポジションに移動した記録ヘッドのノズル形成面を、キャッピング手段によって封止する過程を模式的に示したものである。図2はキャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面を封止する直前の状態を一部断面図で示しており、また図3はキャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態を同様に一部断面図で示している。
【0027】
図2および図3に示すように、キャリッジ1の下底部には記録ヘッド13が配置されており、この記録ヘッド13はキャリッジ1の移動に伴って、印字領域からホームポジションの領域を往復移動できるようになされている。
【0028】
一方、ホームポジションに配置されたキャッピング手段9は、上面が開放された方形状のキャップホルダ9aと、キャップホルダ9a内に収納され、上側縁がキャップホルダ9aよりも若干突出した状態に配置された可撓性物質よりなる同じく方形状のキャップ部材9bと、キャップ部材9bの内底部に配置された後述するシート状のインク吸収材9cと、前記キャップホルダ9aを下底面において支持するスライダ9dと、前記スライダ9dをほぼ水平姿勢に保ったまま、シャーシを基準として上下動できる回動アーム9eより構成されている。
【0029】
一方、前記キャップ部材9bを貫通するようにしてキャップホルダ9aの下底部に吸引口9fが形成され、またキャップ部材9bの内底部に第1の開口9iが形成されている。この吸引口9fにはチューブ21が接続されて負圧発生手段としての吸引ポンプ10に連結されており、吸引ポンプ10の排出側は廃液タンク22に導かれるように構成されている。
【0030】
また、同じくキャップ部材9bを貫通するようにしてキャップホルダ9aの下底部には大気解放口9gが形成され、またキャップ部材9bの内底部に第2の開口9jが形成されており、この大気解放口9gにはゴム等の弾性体により形成されたバルブ部材22が接離できるように配置されていて、前記大気解放口9gとバルブ部材22とにより大気開放バルブを構成している。
【0031】
前記バルブ部材22はホルダ23に嵌め込まれており、図3に示すようにキャリッジ1が図中右方向に移動した時、圧縮バネ24の付勢力により大気解放口9gに対して圧着し、大気解放口9gを閉塞することができるように構成されている。なお、前記大気解放口9gとバルブ部材22とにより構成される大気導入バルブは、必要に応じてキャップ部材9bに接続されるチューブを介して、そのチューブの他端部に配置するように構成してもよい。
【0032】
また、キャッピング手段9を構成するスライダ9dには、キャリッジ1のホームポジション側への移動により、キャリッジの一部に当接するフラッグ片9hが直立状態で取付けられている。そして、図3に示すようにキャリッジ1の一部がフラッグ片9hに当接することにより、回動アーム9eを介してスライダ9dが記録ヘッド13側に立上がり、キャップ部材9bによって記録ヘッド7のノズル形成面が封止されるように構成されている。
【0033】
以上の構成において、図2に示す状態からキャリッジ1がなおもホームポジション側へ移動することにより、キャップ部材9bによって記録ヘッド7のノズル形成面が封止される。この時、図3に示すように大気解放口9gはバルブ部材22によって閉塞される。この状態で吸引ポンプ10を作動させることにより、キャップ部材9bの内部空間は負圧に吸引され、したがって記録ヘッド13より、増粘したインクがキャップ部材9b内に排出される。
【0034】
そして、キャリッジ1の印字領域側への若干の移動により、大気解放口9gからバルブ部材22が引き離される。すなわち大気開放バルブが開弁され、この状態で再び吸引ポンプ10を駆動させることにより、キャップ部材9b内のインクはチューブ20を介して廃液タンク21に廃棄される。
【0035】
また、記録装置の印字休止時においては、図3に示すようにキャップ部材9bによって記録ヘッド7のノズル形成面を封止すると共に、大気解放口9gもバルブ部材22によって閉塞された状態を維持する。これによりキャップ部材9bの内部空間は、インク吸収材9cに含浸した状態のインク、特にインク溶媒における水分によって湿潤状態とされ、記録ヘッド13のノズル開口からのインク溶媒の揮散を抑制するようになされる。
【0036】
前記インク吸収材9cは、図2および図3に模式的に示したように、シート状に形成され、ほぼ方形状に形成されたキャップ部材9bの内底部に配置されている。そして、このインク吸収材9cは断面形状がほぼ円形状に形成された繊維を重合させた不織布により構成されている。この不織布を構成する繊維としては、好ましくはレーヨンまたはポリエステルが用いられ、レーヨンおよびポリエステルを混在させて用いてもよい。
【0037】
このような構成による不織布を用いた場合には、後述するように空隙率を増大させることが可能であり、したがって、インクの保持効果を増大させることができる。これにより、前述したとおり記録ヘッド13のノズル開口の乾燥を効果的に抑制させることができる。
【0038】
前記繊維は、好ましくは直径が10〜20μmの比較的細い繊維に、好ましくは直径が20〜150μmの比較的太い繊維を混在させることにより、より通気度を向上させることができる。これにより、クリーニング操作時におけるキャッピング手段からのインクの排出作用に障害を与えることなく、キャッピング手段からのインクの排出動作を円滑にすることができる。
【0039】
図4は、インク吸収材9cを構成する不織布についての、最適な組み合わせについて考察したものである。すなわち、図4に示すように試料A〜Fは、繊維径が20μmのレーヨンと、繊維径が20〜150μmのポリエステルを、その配合比(重量比)が35:65とした場合において、それぞれ目付け量(10-6m)、および不織布の厚さ(mm)を調整した場合における空隙率(%)と、通気度(cc/cm2/s)との関係を示したものである。なお、試料A〜Fについては、浸透性を付与するための「スパンボンド」をポリエステル繊維に積層させたものを使用している。
【0040】
また、試料GおよびHは、ポリエステル繊維のみを用いた場合を示しており、試料Gは繊維径が20μmのものを用いた場合、また試料Hは繊維径が20μmのポリエステル繊維と、繊維径が150μmのポリエステル繊維を、9:1の配合比(重量比)とした場合において、同一の目付け量、および同一の厚さとした場合における空隙率と、通気度との関係を示したものである。なお、試料GおよびHについては、前記した「スパンボンド」は用いられていない。
【0041】
図4に示した各試料の比較結果から理解できるように、目付け量と通気度には相関関係があり、試料A,B,Cに示すように目付け量を少なくすると、通気度が上昇する。また太い繊維を混在させることにより、通気度を大幅に上昇させることが可能である。
【0042】
例えば、同一の繊維径(レーヨン=20μm,ポリエステル=20μm)を用いた試料Cにおける通気度に対して、細い繊維径(レーヨン=20μm)と太い繊維径(ポリエステル=150μm)とを用いた試料Dとの比較においては、同一の目付け量(50g/m2)、および同一の厚さ(1mm)に仕上げた状態であっても、1.5倍以上の通気度の差が発生する。
【0043】
また、前記と同様な繊維径の組み合わせにおいて、共に若干厚さを落した状態に仕上げた場合(厚さ0.6mm)の試料EとFとの比較においては、通気度に3倍近くの差が発生する。
【0044】
さらに、同一材料の繊維(ポリエステル)を用い、細い繊維径(20μm)のみを用いた試料Gと、異なった繊維径(20μmと150μmの繊維径のものを重量比で9:1としたもの)を用いた試料Hとの間では、目付け量および仕上げ厚さが同一であっても、通気度に1.3倍近くの差が発生することが判明した。
【0045】
以上の結果から、繊維を重合させて得られる不織布は空隙率を大きくとることが可能であり、また異なった繊維径を用いることで、通気度を大幅に上げることができることが明らかである。
【0046】
因みに、繊維径40μmのポリエステル(100%)を用い、目付け量80±10%(g/m2)で、厚さ3mmの不織布を作成したところ、空隙率90(%)、通気度600〜1000(cc/cm2/s)の特性を得ることができた。
【0047】
この不織布を用い、図2および図3に示した形態のキャッピング手段の下底部に装着して、吸引ポンプを駆動して空吸引を実行した直後のインクの残り量を測定したところ、520mgの残留量を記録した。
【0048】
一方、多孔質発泡体により厚さ1.8mmに形成された現状において広く用いられているインク吸収材を、図2および図3に示した形態のキャッピング手段に装着し、同様の条件で空吸引を実行した直後のインクの残り量を測定したところ、160mgの残留量を記録した。
【0049】
前記した比較は、両者の仕上げ厚さに差があるものの、厚さの比率を考慮して比較しても、前記した不織布によるインク吸収材の方が、多孔質発泡体による吸収材に比較してインクの残留量が2倍近い値を示すという結果が得られた。
【0050】
このように、インクの保持能力に優れた不織布をキャッピング手段の内底部に配置したことにより、キャッピング手段によるノズル開口の封止状態におけるノズル開口からのインク溶媒の揮散を長時間にわたって効果的に抑制することができる。これにより、記録装置の比較的長期の休止期間においても、ノズル開口の乾燥を抑制することが可能であり、したがって装置の休止時間に応じたクリーニング操作の実施時期を延ばすことが可能となる。
【0051】
換言すれば、クリーニング操作の実施頻度を低減させることが可能であり、これによるインクの浪費を回避することができ、インクカートリッジの寿命を延ばし、ランニングコストを低減させることに寄与できる。
【0052】
一方、前記したように断面がほぼ円形状を呈する繊維による不織布においては、記録ヘッドより吐出するインク滴が衝突した場合において、この表面が円弧状であるためにキャッピング手段内におけるインクの泡の発生度合いが少ないことも同様に実験の結果判明している。
【0053】
したがって、記録ヘッドのノズル開口よりインクの泡を吸引し、印字不良を発生させる度合いも低減させることができ、前記したクリーニング操作後における記録障害の発生度合いを減少させることが可能となる。
【0054】
さらに、不織布を構成する繊維に異なった径の繊維を用いることで、不織布の通気度が高められ、通気度の高い不織布を採用することで、クリーニング操作時におけるキャッピング手段からのインクの排出に障害を与えることなく、インクの排出動作を円滑にすることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、キャッピング手段の内底部に、シート状に形成された不織布によるインク吸収材を配置した構成とされているので、記録装置の比較的長期の休止状態においても、ノズル開口の乾燥を抑制することが可能であり、したがってクリーニング操作の実施頻度を低減させることができる。
【0056】
加えて、不織布を構成する繊維として、その断面形状がほぼ円形のものを用いた場合には、キャッピング手段内におけるインクの泡の発生度合いを低減させることが可能であり、クリーニング操作後における記録障害の発生度合いを減少させることに寄与できる。
【0057】
さらに、不織布を構成する繊維に異なった径の繊維を用いた場合には、不織布の通気度を効果的に高めることができ、これにより、クリーニング操作時におけるキャッピング手段からのインクの排出動作を円滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の本体部分を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置におけるキャッピング手段とインク排出経路の構成を示した模式図である。
【図3】同じくキャッピング手段により記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態を示す模式図である。
【図4】異なった繊維材料と繊維径等の組み合わせにより構成された不織布の試料における実測値を示した特性図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジモータ
3 タイミングベルト
4 ガイド部材
5 プラテン
6 記録用紙(記録媒体)
7 ブラックインクカートリッジ
8 カラーインクカートリッジ
9 キャッピング手段
9a キャップホルダ
9b キャップ部材
9c インク吸収材
9d スライダ
9e 回動アーム
9f 吸引口
9g 大気解放口
9h フラッグ片
10 吸引ポンプ(負圧発生手段)
11 ワイピング部材
20 チューブ
21 廃液タンク
22 バルブ部材
23 ホルダ
24 圧縮バネ

Claims (1)

  1. 印字データに基づいてノズル開口からインク滴を吐出することで記録媒体に対して画像を記録するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止して、その下底部に形成された排出口に接続された負圧発生手段からの負圧を受けるキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記キャッピング手段の内底部には、シート状に形成された不織布によるインク吸収材を配置し、前記不織布は断面形状がほぼ円形状でかつ繊維径が異なった繊維を重合させてシート状に形成してなるインクジェット式記録装置。
JP27524799A 1999-09-28 1999-09-28 インクジェット式記録装置 Expired - Fee Related JP3951518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27524799A JP3951518B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 インクジェット式記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27524799A JP3951518B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 インクジェット式記録装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001096756A JP2001096756A (ja) 2001-04-10
JP2001096756A5 JP2001096756A5 (ja) 2004-07-08
JP3951518B2 true JP3951518B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=17552756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27524799A Expired - Fee Related JP3951518B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 インクジェット式記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3951518B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001096756A (ja) 2001-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001191557A (ja) インクジェット式記録装置
JP3291903B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4590672B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3384448B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3543315B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3951518B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3707274B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3843651B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3543699B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4614600B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3978956B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3603637B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2001018419A (ja) インクジェット式記録装置
JP4725681B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3622880B2 (ja) インクカートリッジ
JP3903652B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4448861B2 (ja) インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法
JP2001001554A (ja) インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法
JP2003251828A (ja) インクジェット式記録装置
JP2002103650A (ja) インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法
JP4123468B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2001018420A (ja) インクジェット式記録装置
JP3521421B2 (ja) インクジェット式記録装置に適用されるインク流路内の気泡排出方法および気泡排出装置
JP3543316B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2012016919A (ja) 液体回収装置、液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees