JP3951444B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯等の高周波帯域で使用される非可逆回路素子、例えばアイソレータ、サーキュレータに関し、特に移動通信機器に使用する場合の小型化、低価格化に対応できる非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アイソレータ、サーキュレータ等の非可逆回路素子は、信号の伝送方向には減衰量が極めて小さく、逆方向には極めて大きい特性を有しており、例えば、携帯電話等の移動通信機器に採用されている。この種の非可逆回路素子においては、その用途からして部品の小型化、軽量化、低価格化が要求されている。この小型化、低価格化の要求に対応するために、複数の中心電極を多層基板に電極パターンで形成した構造のものが提案されている。図17は、複数の中心電極が形成された従来の誘電体多層基板の内部構造を示す分解斜視図である。なお、以下の図において、各種電極(パターン)形成部、導体部には点塗り潰しを施して示す。
【0003】
この誘電体多層基板9は、アイソレータの中心電極を埋設した構造のものであり、図17に示すように、複数の誘電体セラミックグリーンシート91〜95の表面に各種電極を印刷等によりパターン形成し、これら各シートを積層して圧着し、この積層体を一体焼成して形成されており、各シートに形成された各種電極はスルーホール電極により接続されている。具体的には、シート91にはポート電極9a1,9a2,9a3、3つのアース電極9bが、シート92には2つのアース電極9cが、シート93,94,95にはそれぞれ中心電極Loが形成されている。各中心電極Loは互いに所定の角度(通常、120度)をなすように積層され、そのポート端となる一端部P1,P2,P3はそれぞれ対応するポート電極9a1〜9a3に、他端部はいずれかのアース電極9bにスルーホール電極を介して接続されている。
【0004】
アイソレータは、磁気閉回路を形成する磁性体ヨーク内に、上記誘電体多層基板9、永久磁石、磁性体、整合用容量及び終端抵抗を配設し、永久磁石により磁性体に直流磁界を印加するように構成される。整合用容量は上記ポート電極9a1〜9a3とアース間にそれぞれ接続され、終端抵抗は1つのポート電極9a3とアース電極9b間に接続される。
【0005】
図18は上記のように構成された従来のアイソレータの等価回路図である。従来のアイソレータは、3つの中心電極Loの先端部にあたるポートP1,P2,P3に整合回路としてそれぞれ整合用容量Coが接続され、1つのポートP3に終端抵抗Rを接続して構成されている。
【0006】
通常、このようなアイソレータは、携帯電話、自動車電話等の移動通信機器のアンテナ共用回路の送受信回路部(主に送信回路部)に採用され、該回路部を構成する実装基板に表面実装されて使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、このような通信機器に組み込まれる増幅器には非直線性が存在しており、これが不要輻射(スプリアス、特に2倍波、3倍波)の発生原因となっている。この不要輻射は、混信や他の通信機器の電力増幅部の異常動作の要因となることから、一定のレベル以下にすることが要求されている。
【0008】
また、アイソレータはその伝送方向の特性としてバンドパスフィルタの機能をも有しており、このため通過帯域より離れた周波数帯域では伝送方向でも減衰量が大きいという特性を有している。しかし、アイソレータは元来帯域外の減衰を得るためのものではなく、上記従来のアイソレータでは不要輻射の周波数帯域(特に、基本波の2倍波、3倍波)で所望の減衰量を得ることはできない。このため、この種の従来の通信機器においては、別途フィルタ等を用いて不要輻射を減衰させる方法が採用されている。
【0009】
すなわち、上記従来のアイソレータを用いた場合、上記のように不要輻射(スプリアス)防止用のフィルタが必要であり、このフィルタの分だけ部品コストが上昇するとともに大型化するという問題があり、小型化、低価格化に対する要請に対応できないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、帯域外での減衰量を大きくして不要輻射を大幅に低減することができ、よって、小型化、低価格化に貢献できる非可逆回路素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、誘電体からなる多層基板に形成された複数の中心電極と、前記多層基板に配置された磁性体と、前記各中心電極のポートとアース間に接続された整合用容量と、前記磁性体に直流磁界を印加する永久磁石と、を備えた非可逆回路素子において、前記多層基板にπ型低域通過フィルタを構成するインダクタ及び容量が形成され、前記インダクタが前記中心電極のポートのうち少なくとも1つのポートと該ポートに対応する入出力端子に接続され、前記容量が前記入出力端子とアース間に接続され、前記入出力端子に対応する整合用容量が整合用回路として機能する容量に前記π型低域通過フィルタの一方の容量として機能する容量を付加した値に設定され、該整合用容量と前記インダクタと前記容量とでπ型低域通過フィルタが形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、磁性体からなる多層基板に形成された複数の中心電極と、前記各中心電極のポートとアース間に接続された整合用容量と、前記多層基板に直流磁界を印加する永久磁石と、を備えた非可逆回路素子において、前記多層基板にπ型低域通過フィルタを構成するインダクタ及び容量が形成され、前記インダクタが前記中心電極のポートのうち少なくとも1つのポートと該ポートに対応する入出力端子に接続され、前記容量が前記入出力端子とアース間に接続され、前記入出力端子に対応する整合用容量が整合用回路として機能する容量に前記π型低域通過フィルタの一方の容量として機能する容量を付加した値に設定され、該整合用容量と前記インダクタと前記容量とでπ型低域通過フィルタが形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板に前記整合用容量が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1、請求項2または請求項3に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板に終端抵抗が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板に入出力端子が形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
上記の構成によれば、中心電極が形成された誘電体多層基板または磁性体多層基板に低域通過フィルタを構成するインダクタ及び容量が形成されており、このインダクタ及び容量を用いて低域通過フィルタを形成することができるので、本発明の非可逆回路素子を用いれば、帯域外減衰量を大幅に低減するとともに、小型化に貢献することができる。
【0019】
すなわち、外形寸法を変えることなく、非可逆回路素子に低域通過フィルタの回路素子の全てを内蔵することができ、低域通過フィルタを外部に形成した場合(別体の低域通過フィルタを用いた場合、あるいは実装基板に電極パターン等で形成した場合)に比べ、実装面積を小さくすることができる。つまり、2個分の部品点数を削減でき、かつ実装基板の実装面積を小さくすることができる。
【0020】
また、前記多層基板に整合用容量や終端抵抗を形成することにより、さらに非可逆回路素子を小型化することができる。
【0021】
また、前記多層基板に入出力端子を形成することにより、入出力端子を保持・固定するための樹脂ケース等の他の部材を削減することができ、さらに非可逆回路素子を小型化することができる。
【0022】
また、整合用回路としての整合用容量を低域通過フィルタの一部として利用すれば、この整合用容量と多層基板に形成したフィルタ用のインダクタ及びフィルタ用の容量とでC−L−C接続のπ型低域通過フィルタを構成することができる。この場合、外形寸法及び製造コストを増加させることなく、低域通過フィルタを構成する全てのインダクタ及び容量を非可逆回路素子に内蔵することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態、図1〜図5]
本発明の第1実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図1及び図2に示す。図1はアイソレータの全体構造を示す分解斜視図、図2は図1に示す誘電体多層基板の分解斜視図であり、図1に示す誘電体多層基板とは上下を逆にして示してある。
【0025】
本実施形態のアイソレータは、図1に示すように、磁性体金属からなる箱状の上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に同じく磁性体金属からなる略コ字状の下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面8a上には樹脂ケース7が配設され、該樹脂ケース7内には3つの中心電極が埋設された誘電体多層基板4、磁性体(フェライト)5、整合用容量である単板型コンデンサC1〜C3、終端抵抗であるチップ抵抗Rが配設され、磁性体5に永久磁石3により直流磁界が印加されるように構成されている。
【0026】
樹脂ケース7は、電気的絶縁部材からなり、矩形枠状の側壁7aに底壁7bを一体形成した構造のもので、入力、出力端子71、72及びアース端子73、73、金属導体片74がその一部を樹脂内に埋設して設けられ、底壁7bの略中央部には挿通孔7cが形成されている。入力,出力端子71、72は、それぞれの一端側が底壁7bの上面に露出するように、他端側は底壁7bの下面及び側壁7aの外面に露出するように設けられている。アース端子73、73は、それぞれの一端側は底壁7bのコンデンサC1〜C3及び終端抵抗Rが配置される凹部の内面に露出するように、他端側は底壁7bの下面及び側壁7aの外面に露出するように設けられている。金属導体片74は入力、出力端子71,72の略中間部に配置され、一端側は底壁7bの上面に露出し、他端側が底壁7bの下面に露出して下ヨーク8の底面8aに当接して、これによりアースに接続されている。上記挿通孔7cの周縁に形成された凹部には整合用の単板型コンデンサC1〜C3、終端用のチップ抵抗Rが配置され、挿通孔7c内には磁性体5が挿入配置され、磁性体5、コンデンサC1〜C3及びチップ抵抗Rの上部全体を覆うように誘電体多層基板4が配設されている。
【0027】
本実施形態の誘電体多層基板4は、図2に示すように、厚さ数十μm程度の複数の誘電体セラミックグリーンシート41〜46の表面に各種電極を印刷等によりパターン形成し、これら各シートを積層して圧着し、この積層体を一体焼成して形成されている。
【0028】
誘電体シート41にはポート電極11,12,13、アース電極14,15,16、入力電極17及び第1コンデンサ電極Cfaが形成され、誘電体シート42にはアース電極18,19及び第2コンデンサ電極Cfbが形成され、誘電体シート43,44,45には中心電極L1,L2,L3が形成され、誘電体シート46にはインダクタ電極Lfがパターン形成されている。各中心電極L1,L2,L3は互いに所定の角度(通常、120度)をなすように積層配置され、そのポート端P1,P2,P3はそれぞれ対応するポ−ト電極11,12,13に、他端部はアース電極14,15,16にそれぞれスルーホール電極を介して接続されている。
【0029】
誘電体シート41の第1コンデンサ電極Cfaと誘電体シート42の第2コンデンサ電極Cfbは所望の容量値を得るように所定の面積で対向するように形成されている。そして、誘電体シ−ト41を挟んで対向する第1コンデンサ電極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbとで後述する低域通過フィルタを構成する容量Cf1が形成される。第1コンデンサ電極Cfaはアース電極16に連続してパターン形成されている。
【0030】
誘電体シート46のインダクタ電極Lfは所望のインダクタンス値を持つように曲折するライン状に形成されている。インダクタ電極Lfの一端側はスルーホール電極を介してポート電極11に接続され、他端側はスルーホール電極を介して第2コンデンサ電極Cfbに接続され、第2コンデンサ電極Cfbは入力電極17にスルーホール電極を介して接続されている。
【0031】
この誘電体多層基板4は、誘電体シート41の上面(電極形成面)を下方にして、かつ中心電極L1,L2,L3の交差部分が磁性体5の上面に当接するように樹脂ケース7内に収納されている。入力電極17は入力端子71に接続され、ポ−ト電極12は出力端子72に接続され、アース電極14,15はア−ス端子73,73に接続され、アース電極16は下ヨーク8(アース)に接続された金属導体片74に接続されている。ポート電極11,12,13は整合用のコンデンサC1〜C3の上面電極に接続され、コンデンサC1〜C3の下面電極は底壁7b凹部面のアース端子73に接続され、終端用のチップ抵抗Rの一端側はポ−ト電極13に、他端側はア−ス電極14及びア−ス端子73に接続されている。
【0032】
上記のように、インダクタ電極Lfで形成されるインダクタLfはポ−ト電極11と入力電極17(入力端子71)との間に接続され、第1コンデンサ電極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbとで形成される容量Cf1は入力電極17(入力端子71)とアース電極16(金属導体片74)との間に接続された構成となっている。すなわち、本実施形態のアイソレータは、図3に示すように、中心導体L1,L2,L3の先端部にあたるポートP1〜P3に整合用容量C1〜C3が接続され、1つのポートP3には終端抵抗Rが接続され、1つのポートP1とこのポートP1に対応する入力端子71との間にはインダクタLfが接続され、この入力端子71とアースとの間に容量Cf1が接続された構成となり、1つの入力ポートに整合用容量C1と上記インダクタLfと上記容量Cf1とのπ型の低域通過フィルタが構成されたものとなっている。
【0033】
次に、本実施形態のアイソレータの作用効果について説明する。図4は上記のアイソレータの作用(動作原理)を説明するための回路図である。
図4に示すように、ポートP1の整合用容量C1は、アイソレータ本来の整合用回路として機能する容量Coとπ型の低域通過フィルタの一方の容量として機能する容量Cf2との並列容量とで表わされる。そして、この容量Cf2と上記インダクタLfと上記容量Cf1とでポートP1にC−L−C接続のπ型低域通過フィルタが接続された構成が実現されている。つまり、本実施形態のアイソレータの整合用容量C1は、アイソレータの整合回路として機能する容量Coに上記π型の低域通過フィルタLPFを形成する容量Cf2を付加した値に設定される。例えば、1.5GHz帯においては、容量Coは約5pF、容量Cf1,Cf2は約2pFに設定され、900MHz帯においては、容量Coは約10pF、容量Cf1,Cf2は約3pFに設定され、インダクタLfは約6nHに設定されている。
【0034】
容量Cf1,Cf2は、通常、アイソレータの入出力インピーダンス(通常、50Ω)が変化しないように、同じ値になるように設定されるが、容量Cf1,Cf2を異なる値に設定することにより、アイソレータの入出力インピーダンスを変更することも可能である。
【0035】
インダクタLfは、誘電体多層基板4に形成されたインダクタ電極Lfの電極パターンの幅、形状等を変えることにより所望の値に設定され、容量Cf1は、誘電体多層基板4に形成された第1コンデンサ電極Cfa、第2コンデンサ電極Cfbの電極パターンの形状等を変えることにより所望の値に設定される。
【0036】
図5は、本実施形態のアイソレータと従来のアイソレータの減衰量の周波数特性を示す図であり、実線は本実施形態による特性を示し、破線は従来の特性を示す。図5に示すように、本実施形態のアイソレータの構成においては、従来のものに比べ、高周波帯側での減衰量が大幅に大きくなってことがわかる。
【0037】
以上のように、本実施形態のアイソレータにおいては、誘電体多層基板4にはインダクタLf及び容量Cf1が形成されており、1つの信号入出力部には、インダクタLfと容量Cf1と整合用容量C1とでπ型の低域通過フィルタLPFが形成されているので、図5に示すように、帯域外における減衰量は従来のものに比べ大幅に改善されたものとなる。
【0038】
また、本実施形態の誘電体多層基板4は、図17に示す従来の誘電体多層基板9に比べ、インダクタ電極Lfを形成するための誘電体シート46を1枚付加しただけの構造であり、寸法の増加を招くこともない。
【0039】
すなわち、本実施形態のアイソレータには、低域通過フィルタLPFを構成するインダクタLf及び容量Cf1,Cf2が内蔵されており、本実施形態のアイソレータを用いれば、従来必要であった不要輻射防止用の別体のフィルタを用いることなく、または実装基板にフィルタ用の電極パターン等を形成することなく、不要輻射を大幅に低減することができ、通信機器の小型化、低価格化に貢献することができる。
【0040】
[第2実施形態、図6]
本発明の第2実施形態に係る誘電体多層基板の構造を図6に示す。図中、図2と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態の誘電体多層基板4はπ型低域通過フィルタのインダクタLfのみを内蔵するように構成したものである。この誘電体多層基板4は、誘電体セラミックグリーンシート41〜46を積層一体焼成して形成され、各誘電体シート41〜46には第1実施形態のものと略同様の電極パターンが形成されている。第1実施形態と異なる点は、誘電体シート41に第1コンデンサ電極が形成されておらず、誘電体シート42には第2コンデンサ電極に代えてインダクタ電極Lfを接続するための接続用電極20が形成されている点である。誘電体シート41,42の他の電極、及び誘電体シート43〜46の電極は第1実施形態のものと同一の電極パターンで形成されている。また、アイソレータ全体の構成も第1実施形態のものと同様に構成される。
【0041】
本実施形態のアイソレータは、中心導体L1,L2,L3の先端部にあたるポートP1〜P3に整合用容量C1〜C3が接続され、1つのポートP3には終端抵抗Rが接続され、1つのポートP1とこのポートP1に対応する入力電極17(入力端子71)との間にはインダクタLfが接続された構成となる。すなわち、本実施形態のアイソレータは、第1実施形態に示したものから容量Cf1を削除した構成となっており、入力端子71とアース間に低域通過フィルタを構成する他の容量を付加すれば、整合用容量C1と上記インダクタLfと付加する容量とでπ型低域通過フィルタを構成することができる。
【0042】
以上のように、本実施形態のアイソレータにおいては、誘電体多層基板4にはインダクタLfが形成されており、アイソレータの外部に1つの容量を付加するだけで、1つの信号入出力部にπ型低域通過フィルタLPFを構成することができる。すなわち、低域通過フィルタの全てを外部に形成した場合に比べ、インダクタ1個分のインダクタ部品またはインダクタ電極パターンを削減でき、実装基板の実装面積を小さくすることができる。
【0043】
なお、第2実施形態では、低域通過フィルタを構成するインダクタを内蔵した構造の誘電体多層基板を用いたアイソレータで説明したが、これに限るものではなく、誘電体多層基板に低域通過フィルタを構成する容量のみを形成するようにしてもよい。
【0044】
[第3実施形態、図7、図8]
本発明の第3実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図7及び図8に示す。図7はアイソレータの分解斜視図、図8は誘電体多層基板の分解斜視図である。図中、図1、図2と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上に樹脂ケース7が配設され、該樹脂ケース7内に誘電体多層基板4、磁性体5を配設して構成されており、基本的構造は第1実施形態と略同様であり、以下、異なる部分について説明する。
【0045】
本実施形態の誘電体多層基板4は、8枚の誘電体シート41〜48を積層して一体化したものであり、誘電体シート44,45,46の上面には中心電極L1,L2,L3が形成され、誘電体シート41,42,43の中央部には磁性体5を収納する孔21が形成されており、これにより誘電体多層基板4の下面には磁性体5が収納されている。
【0046】
誘電体シート42にはコンデンサ電極Cfcが形成されており、このコンデンサ電極Cfcと誘電体シート41及び誘電体シート43に形成されたアース電極22、23とで低域通過フィルタの構成要素である前述した容量Cf1が形成されている。誘電体シート47にはインダクタ電極Lfが形成され、これにより前述の低域通過フィルタを構成するインダクタLfが形成されている。
【0047】
さらに誘電体シート42には整合用コンデンサ電極C1,C2,C3が形成されており、各整合用コンデンサ電極C1〜C3と誘電体シート41及び誘電体シート43に形成されたアース電極22,23とで整合用容量C1,C2,C3が形成され、また誘電体シート48の裏面には膜状の終端抵抗Rが形成されている。
【0048】
各整合用コンデンサ電極C1,C2,C3には各中心電極L1,L2,L3のポートP1,P2,P3がそれぞれスルーホール電極を介して接続されており、このうちポートP3はスルーホール電極及び整合用コンデンサ電極C3を介して終端抵抗Rのホット側に接続されている。
【0049】
また各中心電極L1,L2,L3のアース側はスルーホール電極を介して誘電体シート41,43に形成されたアース電極22,23に接続されており、中心導体L3のアース側はスルーホール電極及びアース電極23を介して終端抵抗Rのアース側に接続されている。誘電体シート41のアース電極22は樹脂ケース7の底面7bに形成されたアース電極75に接続されており、入力電極17、ポート電極(出力電極)12は入力、出力端子71,72にそれぞれ接続されている。
【0050】
本実施形態のアイソレータにおいては、誘電体多層基板4に低域通過フィルタを構成するインダクタLf及び容量Cf1が内蔵され、入力部にはインダクタLfと容量Cf1と整合用容量C1とでπ型の低域通過フィルタLPFが形成されているので、第1実施形態と同様に不要輻射防止用の別体のフィルタ等を用いることなく、周波数帯域外での減衰量を大きくして不要輻射を大幅に低減することができ、通信機器の小型化、低価格化に貢献することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の誘電体多層基板4には、整合用容量C1,C2,C3及び終端抵抗Rが内蔵されており、単板型コンデンサ、チップ抵抗を用いた第1実施形態の構造に比べて、部品点数を削減できるとともにアイソレータを小型化することができ、通信機器の小型化、低価格化にさらに貢献することができる。
【0052】
[第4実施形態、図9、図10]
本発明の第4実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図9及び図10に示す。図9はアイソレータの分解斜視図、図10は誘電体多層基板の分解斜視図である。図中、図7、図8と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上に誘電体多層基板4、磁性体5を配設して構成されている。そして、本実施形態の誘電体多層基板4の下面の両端部には一対の端子用凸部40が突出して形成されており、端子用凸部40には入力、出力端子電極26,27及びアース端子電極28,28が形成されている。
【0053】
誘電体多層基板4は、誘電体シート41〜48及び一対の誘電体シート40を積層して一体化したものであり、誘電体シート41〜48は第3実施形態で説明したものと略同様の構成であり、以下、異なる部分について説明する。
【0054】
誘電体シート41の両端部には、上記端子用凸部40に対応する一対の帯板状誘電体シート40が積層されており、一方の誘電体シート40には入力端子電極26及びアース端子電極28が、他方の誘電体シート40には出力端子電極27及びアース端子電極28が形成されている。入力端子26はコンデンサ電極Cfcに、出力端子電極27は整合用コンデンサ電極C2に、各アース端子電極28はアース電極22に、それぞれスルーホール電極を介して接続されている。
【0055】
本実施形態のアイソレータにおいては、誘電体多層基板4に低域通過フィルタを構成するインダクタLf、容量Cf1、整合用容量C1,C2,C3、終端抵抗R、入力、出力端子26,27及びアース端子28が内蔵されており、第3実施形態で説明した効果に加え、第3実施形態で用いた樹脂ケースを不要にできるので、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレータを小型化することができ、通信機器の小型化、低価格化にさらに貢献することができる。
【0056】
[第5実施形態、図11、図12]
本発明の第5実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図11及び図12に示す。図11はアイソレータの全体構造を示す分解斜視図、図12は図11に示す磁性体多層基板の分解斜視図である。
【0057】
本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上には樹脂ケース7が配設され、該樹脂ケース7内には3つの中心電極が埋設された磁性体多層基板6、整合用容量である単板型コンデンサC1〜C3、終端抵抗であるチップ抵抗Rが配設され、磁性体多層基板6に永久磁石3により直流磁界が印加されるように構成されている。
【0058】
本実施形態の磁性体多層基板6は、厚さ数十μm程度の複数の磁性体セラミックグリーンシート61〜66の表面に各種電極を印刷等によりパターン形成し、これら各シートを積層して圧着し、この積層体を一体焼成して形成されている。
【0059】
磁性体シート61にはポート電極11,12,13、アース電極14,15,16、入力電極17及び第1コンデンサ電極Cfaが形成され、磁性体シート62にはアース電極29及び第2コンデンサ電極Cfbが形成され、磁性体シート63,64,65には中心電極L1,L2,L3が形成され、磁性体シート66にはインダクタ電極Lfがパターン形成されている。各中心電極L1,L2,L3は互いに所定の角度(通常、120度)をなすように積層配置され、そのポート端P1,P2,P3はそれぞれ対応するポ−ト電極11,12,13に、他端部はアース電極14,15,16,29にそれぞれスルーホール電極を介して接続されている。
【0060】
磁性体シート61の第1コンデンサ電極Cfaと磁性体シート62の第2コンデンサ電極Cfbは所望の容量値を得るように所定の面積で対向するように形成されている。そして、磁性体シ−ト61を挟んで対向する第1コンデンサ電極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbとでπ型低域通過フィルタを構成する容量Cf1が形成される。第1コンデンサ電極Cfaはアース電極16に連続してパターン形成されている。
【0061】
磁性体シート66のインダクタ電極Lfは所望のインダクタンス値を持つように曲折するライン状に形成されている。インダクタ電極Lfの一端側はスルーホール電極を介してポート電極11に接続され、他端側はスルーホール電極を介して第2コンデンサ電極Cfbに接続され、第2コンデンサ電極Cfbは入力電極17にスルーホール電極を介して接続されている。
【0062】
この磁性体多層基板6は、磁性体シート61の上面(電極形成面)を下方にして、樹脂ケース7内に収納されている。入力電極17は入力端子71に接続され、ポ−ト電極12は出力端子72に接続され、アース電極14,15はア−ス端子73,73に接続され、アース電極16は下ヨーク8(アース)に接続された金属導体片74に接続されている。ポート電極11,12,13は整合用のコンデンサC1〜C3の上面電極に接続され、コンデンサC1〜C3の下面電極は底壁7b凹部面のアース端子73に接続され、終端用のチップ抵抗Rの一端側はポ−ト電極13に、他端側はア−ス電極14及びア−ス端子73に接続されている。
【0063】
上記のように、インダクタ電極Lfで形成されるインダクタLfはポ−ト電極11と入力電極17(入力端子71)との間に接続され、第1コンデンサ電極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbとで形成される容量Cf1は入力電極17(入力端子71)とアース電極16(金属導体片74)との間に接続された構成となっている。
【0064】
すなわち、本実施形態のアイソレータには、第1実施形態で説明したものと同様に、入力部にπ型の低域通過フィルタLPFを構成するインダクタLf及び容量Cf1,Cf2が内蔵されており、本実施形態のアイソレータを用いれば、従来必要であった不要輻射防止用の別体のフィルタを用いることなく、または実装基板にフィルタ用の電極パターン等を形成することなく、不要輻射を大幅に低減することができ、通信機器の小型化、低価格化に貢献することができる。
【0065】
また、本実施形態のアイソレータでは、磁性体材料で多層基板を形成しているので、第1実施形態の誘電体多層基板と磁性体とを1つの部品(磁性体多層基板)で構成でき、第1実施形態のものに比べ、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレータを小型化することができる。つまり、本実施形態のアイソレータは、多層基板の材料として磁性体材料を用いたものであり、第1実施形態で示した磁性体5の機能を多層基板に持たせた構成となっており、第1実施形態の磁性体5を不要とすることができるので、通信機器の小型化、低価格化にさらに貢献することができる。
【0066】
[第6実施形態、図13、図14]
本発明の第6実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図13及び図14に示す。図13はアイソレータの分解斜視図、図14は磁性体多層基板の分解斜視図である。図中、図7、図8と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上に樹脂ケース7が配設され、該樹脂ケース7内に磁性体多層基板6を配設して構成されている。
【0067】
本実施形態の磁性体多層基板6は、8枚の磁性体シート61〜68を積層して一体化したものであり、磁性体シート64,65,66には中心電極L1,L2,L3が形成され、磁性体シート62には低域通過フィルタを構成するためのコンデンサ電極Cfcが形成され、磁性体シート67には低域通過フィルタを構成するインダクタ電極Lfが形成されている。さらに磁性体シート62には整合用容量を形成するための整合用コンデンサ電極C1,C2,C3が形成されており、また磁性体シート68の裏面には膜状の終端抵抗Rが形成されている。磁性体シート61〜68に形成された各種電極の接続は、第3実施形態で説明したものと同様であり、その説明を省略する。
【0068】
本実施形態のアイソレータにおいては、磁性体多層基板6に低域通過フィルタを構成するインダクタLf及び容量Cf1が内蔵され、入力部にはインダクタLfと容量Cf1と整合用容量C1とでπ型の低域通過フィルタLPFが形成されており、さらに磁性体多層基板6には、整合用容量C1,C2,C3及び終端抵抗Rが内蔵されているので、第3実施形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、本実施形態のアイソレータでは、磁性体材料で多層基板を形成しているので、第3実施形態の磁性体を不要とすることができ、第3実施形態のものに比べ、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレータを小型化することができ、通信機器の小型化、低価格化にさらに貢献することができる。
【0070】
[第7実施形態、図15、図16]
本発明の第7実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図15及び図16に示す。図15はアイソレータの分解斜視図、図16は磁性体多層基板の分解斜視図である。図中、図9、図10と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上に磁性体多層基板6を配設して構成されている。そして、本実施形態の磁性体多層基板6の下面の両端部には一対の端子用凸部60が突出して形成されており、端子用凸部60には入力、出力端子電極26,27及びアース端子電極28,28が形成されている。
【0071】
磁性体多層基板6は、磁性体シート61〜68及び一対の磁性体シート60を積層して一体化したものであり、磁性体シート61の両端部には、上記端子用凸部60に対応する一対の帯板状磁性体シート60が積層されており、一方の磁性体シート60には入力端子電極26及びアース端子電極28が,他方の磁性体シート60には出力端子電極27及びアース端子電極28が形成されている。入力端子26はコンデンサ電極Cfcに、出力端子電極27は整合用コンデンサ電極C2に、各アース端子電極28はアース電極22に、それぞれスルーホール電極を介して接続されている。
【0072】
本実施形態のアイソレータにおいては、磁性体多層基板6に低域通過フィルタを構成するインダクタLf、容量Cf1、整合用容量C1,C2,C3、終端抵抗R、入力、出力端子26,27及びアース端子28が内蔵されており、第4実施形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0073】
また、本実施形態のアイソレータでは、磁性体材料で多層基板を形成しているので、第4実施形態の磁性体を不要とすることができ、第4実施形態のものに比べ、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレータを小型化することができ、通信機器の小型化、低価格化にさらに貢献することができる。
【0074】
なお、上記各実施形態では、π型低域通過フィルタを構成する一方の容量Cf2を整合用容量C1の一部を利用したもので説明したが、この容量Cf2を整合用容量C1とは別に形成するようにしてもよい。
【0075】
また、上記各実施形態では、信号入力側にのみ低域通過フィルタを形成したもので説明したが、信号入出力のいずれにも低域通過フィルタを形成した構成としてもよい。
【0076】
また、上記各実施形態では、アイソレータを例にとって説明したが、ポートP3に終端抵抗Rを接続することなく、ポートP3を第3の入出力部として構成したサーキュレータにも本発明を適用することができる。
【0077】
また、上記各実施形態では、集中定数型の非可逆回路素子を例にとって説明したが、分布定数型の非可逆回路素子にも本発明を適用することができる。
【0078】
要するに、本発明は、中心電極を埋設した多層基板に低域通過フィルタを構成するインダクタや容量を形成したことを特徴とするものであり、他の構成については特に限定するものではない。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る非可逆回路素子によれば、中心電極が形成された誘電体多層基板または磁性体多層基板に低域通過フィルタを構成するインダクタ及び容量が形成されており、このインダクタ及び容量と整合用容量とを用いてπ型低域通過フィルタを形成することができるので、本発明の非可逆回路素子を用いれば、帯域外減衰量を大幅に低減するとともに、小型化に貢献することができる。すなわち、外形寸法を変えることなく、かつ製造コストを増加させることなく、非可逆回路素子にπ型低域通過フィルタの回路素子の全てを内蔵することができ、低域通過フィルタを外部に形成した場合に比べ、部品点数を削減することができかつ実装面積を小さくすることができる。
【0080】
また、多層基板に整合用容量や終端抵抗を形成することにより、さらに非可逆回路素子を小型化することができる。また、前記多層基板に入出力端子を形成することにより、さらに非可逆回路素子を小型化することができる。
【0081】
したがって、本発明に係る非可逆回路素子を用いれば、不要輻射防止用の別のフィルタを不要とすることができ、通信機器等の小型化、低価格化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るアイソレータの等価回路図である。
【図4】第1実施形態に係るアイソレータの作用を説明するための回路図である。
【図5】本発明と従来のアイソレータの周波数特性図である。
【図6】第2実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図7】第3実施形態に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図8】第3実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図9】第4実施形態に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図10】第4実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図11】第5実施形態に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図12】第5実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図13】第6実施形態に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図14】第6実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図15】第7実施形態に係るアイソレータの分解斜視図である。
【図16】第7実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視図である。
【図17】従来のアイソレータの多層基板の分解斜視図である。
【図18】従来のアイソレータの等価回路図である。
【符号の説明】
2 上ヨーク
3 永久磁石
4 誘電体多層基板
40〜48 誘電体シート
L1〜L3 中心電極
5 磁性体(フェライト)
6 磁性体多層基板
60〜68 磁性体シート
7 樹脂ケース
71、72 入出力端子
73 アース端子
8 下ヨーク
C1〜C3 整合用容量(整合用コンデンサ電極)
R 終端抵抗
Lf インダクタ(インダクタ電極)
Cfa、Cfb、Cfc コンデンサ電極
Cf1、Cf2 容量
P1〜P3 ポート
Claims (5)
- 誘電体からなる多層基板に形成された複数の中心電極と、前記多層基板に配置された磁性体と、前記各中心電極のポートとアース間に接続された整合用容量と、前記磁性体に直流磁界を印加する永久磁石と、を備えた非可逆回路素子において、
前記多層基板にπ型低域通過フィルタを構成するインダクタ及び容量が形成され、前記インダクタが前記中心電極のポートのうち少なくとも1つのポートと該ポートに対応する入出力端子に接続され、前記容量が前記入出力端子とアース間に接続され、前記入出力端子に対応する整合用容量が整合用回路として機能する容量に前記π型低域通過フィルタの一方の容量として機能する容量を付加した値に設定され、該整合用容量と前記インダクタと前記容量とでπ型低域通過フィルタが形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。 - 磁性体からなる多層基板に形成された複数の中心電極と、前記各中心電極のポートとアース間に接続された整合用容量と、前記多層基板に直流磁界を印加する永久磁石と、を備えた非可逆回路素子において、
前記多層基板にπ型低域通過フィルタを構成するインダクタ及び容量が形成され、前記インダクタが前記中心電極のポートのうち少なくとも1つのポートと該ポートに対応する入出力端子に接続され、前記容量が前記入出力端子とアース間に接続され、前記入出力端子に対応する整合用容量が整合用回路として機能する容量に前記π型低域通過フィルタの一方の容量として機能する容量を付加した値に設定され、該整合用容量と前記インダクタと前記容量とでπ型低域通過フィルタが形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。 - 請求項1または請求項2に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板に前記整合用容量が形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。
- 請求項1、請求項2または請求項3に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板に終端抵抗が形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。
- 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板に入出力端子が形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。
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