JPH11330805A - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子

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JPH11330805A
JPH11330805A JP12885298A JP12885298A JPH11330805A JP H11330805 A JPH11330805 A JP H11330805A JP 12885298 A JP12885298 A JP 12885298A JP 12885298 A JP12885298 A JP 12885298A JP H11330805 A JPH11330805 A JP H11330805A
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electrode
multilayer substrate
capacitor
dielectric
isolator
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Toshihiro Makino
敏弘 牧野
Takashi Kawanami
崇 川浪
Takashi Hasegawa
長谷川  隆
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯域外での減衰量を大きくして不要輻射の発生
を大幅に低減することができ、よって、小型化、低価格
化に貢献できる非可逆回路素子を提供する。 【解決手段】 誘電体多層基板4は、複数の誘電体セラ
ミックグリーンシート41〜46を積層して圧着し、こ
の積層体を一体焼成して形成されており、誘電体シート
41にはポート電極11,12,13、アース電極1
4,15,16、入力電極17及び第1コンデンサ電極
Cfaが形成され、誘電体シート42にはアース電極1
8,19及び第2コンデンサ電極Cfbが形成され、誘電
体シート43,44,45には中心電極L1,L2,L
3が形成され、誘電体シート46にはインダクタ電極L
fがパターン形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯等の
高周波帯域で使用される非可逆回路素子、例えばアイソ
レータ、サーキュレータに関し、特に移動通信機器に使
用する場合の小型化、低価格化に対応できる非可逆回路
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アイソレータ、サーキュレータ
等の非可逆回路素子は、信号の伝送方向には減衰量が極
めて小さく、逆方向には極めて大きい特性を有してお
り、例えば、携帯電話等の移動通信機器に採用されてい
る。この種の非可逆回路素子においては、その用途から
して部品の小型化、軽量化、低価格化が要求されてい
る。この小型化、低価格化の要求に対応するために、複
数の中心電極を多層基板に電極パターンで形成した構造
のものが提案されている。図17は、複数の中心電極が
形成された従来の誘電体多層基板の内部構造を示す分解
斜視図である。なお、以下の図において、各種電極(パ
ターン)形成部、導体部には点塗り潰しを施して示す。
【0003】この誘電体多層基板9は、アイソレータの
中心電極を埋設した構造のものであり、図17に示すよ
うに、複数の誘電体セラミックグリーンシート91〜9
5の表面に各種電極を印刷等によりパターン形成し、こ
れら各シートを積層して圧着し、この積層体を一体焼成
して形成されており、各シートに形成された各種電極は
スルーホール電極により接続されている。具体的には、
シート91にはポート電極9a1,9a2,9a3、3
つのアース電極9bが、シート92には2つのアース電
極9cが、シート93,94,95にはそれぞれ中心電
極Loが形成されている。各中心電極Loは互いに所定
の角度(通常、120度)をなすように積層され、その
ポート端となる一端部P1,P2,P3はそれぞれ対応
するポート電極9a1〜9a3に、他端部はいずれかの
アース電極9bにスルーホール電極を介して接続されて
いる。
【0004】アイソレータは、磁気閉回路を形成する磁
性体ヨーク内に、上記誘電体多層基板9、永久磁石、磁
性体、整合用容量及び終端抵抗を配設し、永久磁石によ
り磁性体に直流磁界を印加するように構成される。整合
用容量は上記ポート電極9a1〜9a3とアース間にそ
れぞれ接続され、終端抵抗は1つのポート電極9a3と
アース電極9b間に接続される。
【0005】図18は上記のように構成された従来のア
イソレータの等価回路図である。従来のアイソレータ
は、3つの中心電極Loの先端部にあたるポートP1,
P2,P3に整合回路としてそれぞれ整合用容量Coが
接続され、1つのポートP3に終端抵抗Rを接続して構
成されている。
【0006】通常、このようなアイソレータは、携帯電
話、自動車電話等の移動通信機器のアンテナ共用回路の
送受信回路部(主に送信回路部)に採用され、該回路部
を構成する実装基板に表面実装されて使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、このような
通信機器に組み込まれる増幅器には非直線性が存在して
おり、これが不要輻射(スプリアス、特に2倍波、3倍
波)の発生原因となっている。この不要輻射は、混信や
他の通信機器の電力増幅部の異常動作の要因となること
から、一定のレベル以下にすることが要求されている。
【0008】また、アイソレータはその伝送方向の特性
としてバンドパスフィルタの機能をも有しており、この
ため通過帯域より離れた周波数帯域では伝送方向でも減
衰量が大きいという特性を有している。しかし、アイソ
レータは元来帯域外の減衰を得るためのものではなく、
上記従来のアイソレータでは不要輻射の周波数帯域(特
に、基本波の2倍波、3倍波)で所望の減衰量を得るこ
とはできない。このため、この種の従来の通信機器にお
いては、別途フィルタ等を用いて不要輻射を減衰させる
方法が採用されている。
【0009】すなわち、上記従来のアイソレータを用い
た場合、上記のように不要輻射(スプリアス)防止用の
フィルタが必要であり、このフィルタの分だけ部品コス
トが上昇するとともに大型化するという問題があり、小
型化、低価格化に対する要請に対応できないという問題
があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、帯域外での減衰
量を大きくして不要輻射を大幅に低減することができ、
よって、小型化、低価格化に貢献できる非可逆回路素子
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、誘電体からなる多層基板に
形成された中心電極と、前記多層基板に配置された磁性
体と、前記中心電極のポートとアース間に接続された整
合用容量と、前記磁性体に直流磁界を印加する永久磁石
と、を備えた非可逆回路素子において、前記多層基板に
低域通過フィルタを構成するインダクタまたは容量が形
成されていることを特徴とするものである。
【0012】請求項2に係る発明は、磁性体からなる多
層基板に形成された中心電極と、前記中心電極のポート
とアース間に接続された整合用容量と、前記多層基板に
直流磁界を印加する永久磁石と、を備えた非可逆回路素
子において、前記多層基板に低域通過フィルタを構成す
るインダクタまたは容量が形成されていることを特徴と
するものである。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板
に前記整合用容量が形成されていることを特徴とするも
のである。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1、請求項
2または請求項3に記載の非可逆回路素子において、前
記多層基板に終端抵抗が形成されていることを特徴とす
るものである。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の非可逆回路素子に
おいて、前記多層基板に入出力端子が形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0016】請求項6に係る発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の非可逆
回路素子において、前記整合用容量が前記低域通過フィ
ルタの一部を構成していることを特徴とするものであ
る。
【0017】請求項7に係る発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記
載の非可逆回路素子において、前記インダクタが前記中
心電極のポートのうち少なくとも1つのポートと該ポー
トに対応する入出力端子に接続され、前記容量が前記入
出力端子とアース間に接続され、前記インダクタと前記
容量と前記整合用容量とでπ型低域通過フィルタが形成
されていることを特徴とするものである。
【0018】上記の構成によれば、中心電極が形成され
た誘電体多層基板または磁性体多層基板に低域通過フィ
ルタを構成するインダクタまたは容量が形成されてお
り、このインダクタまたは容量を用いて低域通過フィル
タを形成することができるので、本発明の非可逆回路素
子を用いれば、帯域外減衰量を大幅に低減するととも
に、小型化に貢献することができる。
【0019】すなわち、外形寸法を変えることなく、非
可逆回路素子に低域通過フィルタの回路素子の一部また
は全てを内蔵することができ、低域通過フィルタを外部
に形成した場合(別体の低域通過フィルタを用いた場
合、あるいは実装基板に電極パターン等で形成した場
合)に比べ、実装面積を小さくすることができる。つま
り、インダクタまたは容量のいずれか一方を形成した場
合1個分の部品点数を、また両方を形成した場合2個分
の部品点数を削減でき、かつ実装基板の実装面積を小さ
くすることができる。
【0020】また、前記多層基板に整合用容量や終端抵
抗を形成することにより、さらに非可逆回路素子を小型
化することができる。
【0021】また、前記多層基板に入出力端子を形成す
ることにより、入出力端子を保持・固定するための樹脂
ケース等の他の部材を削減することができ、さらに非可
逆回路素子を小型化することができる。
【0022】また、整合用回路としての整合用容量を低
域通過フィルタの一部として利用すれば、この整合用容
量と多層基板に形成したフィルタ用のインダクタ及びフ
ィルタ用の容量とでC−L−C接続のπ型低域通過フィ
ルタを構成することができる。この場合、外形寸法及び
製造コストを増加させることなく、低域通過フィルタを
構成する全てのインダクタ及び容量を非可逆回路素子に
内蔵することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
の図面に基づいて説明する。
【0024】[第1実施形態、図1〜図5]本発明の第
1実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図1及び
図2に示す。図1はアイソレータの全体構造を示す分解
斜視図、図2は図1に示す誘電体多層基板の分解斜視図
であり、図1に示す誘電体多層基板とは上下を逆にして
示してある。
【0025】本実施形態のアイソレータは、図1に示す
ように、磁性体金属からなる箱状の上ヨーク2の内面に
永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に同じく
磁性体金属からなる略コ字状の下ヨーク8を装着して磁
気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面8a上には樹脂
ケース7が配設され、該樹脂ケース7内には3つの中心
電極が埋設された誘電体多層基板4、磁性体(フェライ
ト)5、整合用容量である単板型コンデンサC1〜C
3、終端抵抗であるチップ抵抗Rが配設され、磁性体5
に永久磁石3により直流磁界が印加されるように構成さ
れている。
【0026】樹脂ケース7は、電気的絶縁部材からな
り、矩形枠状の側壁7aに底壁7bを一体形成した構造
のもので、入力、出力端子71、72及びアース端子7
3、73、金属導体片74がその一部を樹脂内に埋設し
て設けられ、底壁7bの略中央部には挿通孔7cが形成
されている。入力,出力端子71、72は、それぞれの
一端側が底壁7bの上面に露出するように、他端側は底
壁7bの下面及び側壁7aの外面に露出するように設け
られている。アース端子73、73は、それぞれの一端
側は底壁7bのコンデンサC1〜C3及び終端抵抗Rが
配置される凹部の内面に露出するように、他端側は底壁
7bの下面及び側壁7aの外面に露出するように設けら
れている。金属導体片74は入力、出力端子71,72
の略中間部に配置され、一端側は底壁7bの上面に露出
し、他端側が底壁7bの下面に露出して下ヨーク8の底
面8aに当接して、これによりアースに接続されてい
る。上記挿通孔7cの周縁に形成された凹部には整合用
の単板型コンデンサC1〜C3、終端用のチップ抵抗R
が配置され、挿通孔7c内には磁性体5が挿入配置さ
れ、磁性体5、コンデンサC1〜C3及びチップ抵抗R
の上部全体を覆うように誘電体多層基板4が配設されて
いる。
【0027】本実施形態の誘電体多層基板4は、図2に
示すように、厚さ数十μm程度の複数の誘電体セラミッ
クグリーンシート41〜46の表面に各種電極を印刷等
によりパターン形成し、これら各シートを積層して圧着
し、この積層体を一体焼成して形成されている。
【0028】誘電体シート41にはポート電極11,1
2,13、アース電極14,15,16、入力電極17
及び第1コンデンサ電極Cfaが形成され、誘電体シート
42にはアース電極18,19及び第2コンデンサ電極
Cfbが形成され、誘電体シート43,44,45には中
心電極L1,L2,L3が形成され、誘電体シート46
にはインダクタ電極Lfがパターン形成されている。各
中心電極L1,L2,L3は互いに所定の角度(通常、
120度)をなすように積層配置され、そのポート端P
1,P2,P3はそれぞれ対応するポ−ト電極11,1
2,13に、他端部はアース電極14,15,16にそ
れぞれスルーホール電極を介して接続されている。
【0029】誘電体シート41の第1コンデンサ電極C
faと誘電体シート42の第2コンデンサ電極Cfbは所望
の容量値を得るように所定の面積で対向するように形成
されている。そして、誘電体シ−ト41を挟んで対向す
る第1コンデンサ電極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbと
で後述する低域通過フィルタを構成する容量Cf1が形成
される。第1コンデンサ電極Cfaはアース電極16に連
続してパターン形成されている。
【0030】誘電体シート46のインダクタ電極Lfは
所望のインダクタンス値を持つように曲折するライン状
に形成されている。インダクタ電極Lfの一端側はスル
ーホール電極を介してポート電極11に接続され、他端
側はスルーホール電極を介して第2コンデンサ電極Cfb
に接続され、第2コンデンサ電極Cfbは入力電極17に
スルーホール電極を介して接続されている。
【0031】この誘電体多層基板4は、誘電体シート4
1の上面(電極形成面)を下方にして、かつ中心電極L
1,L2,L3の交差部分が磁性体5の上面に当接する
ように樹脂ケース7内に収納されている。入力電極17
は入力端子71に接続され、ポ−ト電極12は出力端子
72に接続され、アース電極14,15はア−ス端子7
3,73に接続され、アース電極16は下ヨーク8(ア
ース)に接続された金属導体片74に接続されている。
ポート電極11,12,13は整合用のコンデンサC1
〜C3の上面電極に接続され、コンデンサC1〜C3の
下面電極は底壁7b凹部面のアース端子73に接続さ
れ、終端用のチップ抵抗Rの一端側はポ−ト電極13
に、他端側はア−ス電極14及びア−ス端子73に接続
されている。
【0032】上記のように、インダクタ電極Lfで形成
されるインダクタLfはポ−ト電極11と入力電極17
(入力端子71)との間に接続され、第1コンデンサ電
極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbとで形成される容量C
f1は入力電極17(入力端子71)とアース電極16
(金属導体片74)との間に接続された構成となってい
る。すなわち、本実施形態のアイソレータは、図3に示
すように、中心導体L1,L2,L3の先端部にあたる
ポートP1〜P3に整合用容量C1〜C3が接続され、
1つのポートP3には終端抵抗Rが接続され、1つのポ
ートP1とこのポートP1に対応する入力端子71との
間にはインダクタLfが接続され、この入力端子71と
アースとの間に容量Cf1が接続された構成となり、1つ
の入力ポートに整合用容量C1と上記インダクタLfと
上記容量Cf1とのπ型の低域通過フィルタが構成された
ものとなっている。
【0033】次に、本実施形態のアイソレータの作用効
果について説明する。図4は上記のアイソレータの作用
(動作原理)を説明するための回路図である。図4に示
すように、ポートP1の整合用容量C1は、アイソレー
タ本来の整合用回路として機能する容量Coとπ型の低
域通過フィルタの一方の容量として機能する容量Cf2と
の並列容量とで表わされる。そして、この容量Cf2と上
記インダクタLfと上記容量Cf1とでポートP1にC
−L−C接続のπ型低域通過フィルタが接続された構成
が実現されている。つまり、本実施形態のアイソレータ
の整合用容量C1は、アイソレータの整合回路として機
能する容量Coに上記π型の低域通過フィルタLPFを
形成する容量Cf2を付加した値に設定される。例えば、
1.5GHz帯においては、容量Coは約5pF、容量
Cf1,Cf2は約2pFに設定され、900MHz帯にお
いては、容量Coは約10pF、容量Cf1,Cf2は約3
pFに設定され、インダクタLfは約6nHに設定され
ている。
【0034】容量Cf1,Cf2は、通常、アイソレータの
入出力インピーダンス(通常、50Ω)が変化しないよ
うに、同じ値になるように設定されるが、容量Cf1,C
f2を異なる値に設定することにより、アイソレータの入
出力インピーダンスを変更することも可能である。
【0035】インダクタLfは、誘電体多層基板4に形
成されたインダクタ電極Lfの電極パターンの幅、形状
等を変えることにより所望の値に設定され、容量Cf1
は、誘電体多層基板4に形成された第1コンデンサ電極
Cfa、第2コンデンサ電極Cfbの電極パターンの形状等
を変えることにより所望の値に設定される。
【0036】図5は、本実施形態のアイソレータと従来
のアイソレータの減衰量の周波数特性を示す図であり、
実線は本実施形態による特性を示し、破線は従来の特性
を示す。図5に示すように、本実施形態のアイソレータ
の構成においては、従来のものに比べ、高周波帯側での
減衰量が大幅に大きくなってことがわかる。
【0037】以上のように、本実施形態のアイソレータ
においては、誘電体多層基板4にはインダクタLf及び
容量Cf1が形成されており、1つの信号入出力部には、
インダクタLfと容量Cf1と整合用容量C1とでπ型の
低域通過フィルタLPFが形成されているので、図5に
示すように、帯域外における減衰量は従来のものに比べ
大幅に改善されたものとなる。
【0038】また、本実施形態の誘電体多層基板4は、
図17に示す従来の誘電体多層基板9に比べ、インダク
タ電極Lfを形成するための誘電体シート46を1枚付
加しただけの構造であり、寸法の増加を招くこともな
い。
【0039】すなわち、本実施形態のアイソレータに
は、低域通過フィルタLPFを構成するインダクタLf
及び容量Cf1,Cf2が内蔵されており、本実施形態のア
イソレータを用いれば、従来必要であった不要輻射防止
用の別体のフィルタを用いることなく、または実装基板
にフィルタ用の電極パターン等を形成することなく、不
要輻射を大幅に低減することができ、通信機器の小型
化、低価格化に貢献することができる。
【0040】[第2実施形態、図6]本発明の第2実施
形態に係る誘電体多層基板の構造を図6に示す。図中、
図2と同一符号は同一または相当部分を示す。本実施形
態の誘電体多層基板4はπ型低域通過フィルタのインダ
クタLfのみを内蔵するように構成したものである。こ
の誘電体多層基板4は、誘電体セラミックグリーンシー
ト41〜46を積層一体焼成して形成され、各誘電体シ
ート41〜46には第1実施形態のものと略同様の電極
パターンが形成されている。第1実施形態と異なる点
は、誘電体シート41に第1コンデンサ電極が形成され
ておらず、誘電体シート42には第2コンデンサ電極に
代えてインダクタ電極Lfを接続するための接続用電極
20が形成されている点である。誘電体シート41,4
2の他の電極、及び誘電体シート43〜46の電極は第
1実施形態のものと同一の電極パターンで形成されてい
る。また、アイソレータ全体の構成も第1実施形態のも
のと同様に構成される。
【0041】本実施形態のアイソレータは、中心導体L
1,L2,L3の先端部にあたるポートP1〜P3に整
合用容量C1〜C3が接続され、1つのポートP3には
終端抵抗Rが接続され、1つのポートP1とこのポート
P1に対応する入力電極17(入力端子71)との間に
はインダクタLfが接続された構成となる。すなわち、
本実施形態のアイソレータは、第1実施形態に示したも
のから容量Cf1を削除した構成となっており、入力端子
71とアース間に低域通過フィルタを構成する他の容量
を付加すれば、整合用容量C1と上記インダクタLfと
付加する容量とでπ型低域通過フィルタを構成すること
ができる。
【0042】以上のように、本実施形態のアイソレータ
においては、誘電体多層基板4にはインダクタLfが形
成されており、アイソレータの外部に1つの容量を付加
するだけで、1つの信号入出力部にπ型低域通過フィル
タLPFを構成することができる。すなわち、低域通過
フィルタの全てを外部に形成した場合に比べ、インダク
タ1個分のインダクタ部品またはインダクタ電極パター
ンを削減でき、実装基板の実装面積を小さくすることが
できる。
【0043】なお、第2実施形態では、低域通過フィル
タを構成するインダクタを内蔵した構造の誘電体多層基
板を用いたアイソレータで説明したが、これに限るもの
ではなく、誘電体多層基板に低域通過フィルタを構成す
る容量のみを形成するようにしてもよい。
【0044】[第3実施形態、図7、図8]本発明の第
3実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図7及び
図8に示す。図7はアイソレータの分解斜視図、図8は
誘電体多層基板の分解斜視図である。図中、図1、図2
と同一符号は同一または相当部分を示す。本実施形態の
アイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石3を配置
するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装着して磁
気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上に樹脂ケース
7が配設され、該樹脂ケース7内に誘電体多層基板4、
磁性体5を配設して構成されており、基本的構造は第1
実施形態と略同様であり、以下、異なる部分について説
明する。
【0045】本実施形態の誘電体多層基板4は、8枚の
誘電体シート41〜48を積層して一体化したものであ
り、誘電体シート44,45,46の上面には中心電極
L1,L2,L3が形成され、誘電体シート41,4
2,43の中央部には磁性体5を収納する孔21が形成
されており、これにより誘電体多層基板4の下面には磁
性体5が収納されている。
【0046】誘電体シート42にはコンデンサ電極Cfc
が形成されており、このコンデンサ電極Cfcと誘電体シ
ート41及び誘電体シート43に形成されたアース電極
22、23とで低域通過フィルタの構成要素である前述
した容量Cf1が形成されている。誘電体シート47には
インダクタ電極Lfが形成され、これにより前述の低域
通過フィルタを構成するインダクタLfが形成されてい
る。
【0047】さらに誘電体シート42には整合用コンデ
ンサ電極C1,C2,C3が形成されており、各整合用
コンデンサ電極C1〜C3と誘電体シート41及び誘電
体シート43に形成されたアース電極22,23とで整
合用容量C1,C2,C3が形成され、また誘電体シー
ト48の裏面には膜状の終端抵抗Rが形成されている。
【0048】各整合用コンデンサ電極C1,C2,C3
には各中心電極L1,L2,L3のポートP1,P2,
P3がそれぞれスルーホール電極を介して接続されてお
り、このうちポートP3はスルーホール電極及び整合用
コンデンサ電極C3を介して終端抵抗Rのホット側に接
続されている。
【0049】また各中心電極L1,L2,L3のアース
側はスルーホール電極を介して誘電体シート41,43
に形成されたアース電極22,23に接続されており、
中心導体L3のアース側はスルーホール電極及びアース
電極23を介して終端抵抗Rのアース側に接続されてい
る。誘電体シート41のアース電極22は樹脂ケース7
の底面7bに形成されたアース電極75に接続されてお
り、入力電極17、ポート電極(出力電極)12は入
力、出力端子71,72にそれぞれ接続されている。
【0050】本実施形態のアイソレータにおいては、誘
電体多層基板4に低域通過フィルタを構成するインダク
タLf及び容量Cf1が内蔵され、入力部にはインダクタ
Lfと容量Cf1と整合用容量C1とでπ型の低域通過フ
ィルタLPFが形成されているので、第1実施形態と同
様に不要輻射防止用の別体のフィルタ等を用いることな
く、周波数帯域外での減衰量を大きくして不要輻射を大
幅に低減することができ、通信機器の小型化、低価格化
に貢献することができる。
【0051】さらに、本実施形態の誘電体多層基板4に
は、整合用容量C1,C2,C3及び終端抵抗Rが内蔵
されており、単板型コンデンサ、チップ抵抗を用いた第
1実施形態の構造に比べて、部品点数を削減できるとと
もにアイソレータを小型化することができ、通信機器の
小型化、低価格化にさらに貢献することができる。
【0052】[第4実施形態、図9、図10]本発明の
第4実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図9及
び図10に示す。図9はアイソレータの分解斜視図、図
10は誘電体多層基板の分解斜視図である。図中、図
7、図8と同一符号は同一または相当部分を示す。本実
施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に永久磁石
3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨーク8を装
着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底面上に誘
電体多層基板4、磁性体5を配設して構成されている。
そして、本実施形態の誘電体多層基板4の下面の両端部
には一対の端子用凸部40が突出して形成されており、
端子用凸部40には入力、出力端子電極26,27及び
アース端子電極28,28が形成されている。
【0053】誘電体多層基板4は、誘電体シート41〜
48及び一対の誘電体シート40を積層して一体化した
ものであり、誘電体シート41〜48は第3実施形態で
説明したものと略同様の構成であり、以下、異なる部分
について説明する。
【0054】誘電体シート41の両端部には、上記端子
用凸部40に対応する一対の帯板状誘電体シート40が
積層されており、一方の誘電体シート40には入力端子
電極26及びアース端子電極28が、他方の誘電体シー
ト40には出力端子電極27及びアース端子電極28が
形成されている。入力端子26はコンデンサ電極Cfc
に、出力端子電極27は整合用コンデンサ電極C2に、
各アース端子電極28はアース電極22に、それぞれス
ルーホール電極を介して接続されている。
【0055】本実施形態のアイソレータにおいては、誘
電体多層基板4に低域通過フィルタを構成するインダク
タLf、容量Cf1、整合用容量C1,C2,C3、終端
抵抗R、入力、出力端子26,27及びアース端子28
が内蔵されており、第3実施形態で説明した効果に加
え、第3実施形態で用いた樹脂ケースを不要にできるの
で、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレータ
を小型化することができ、通信機器の小型化、低価格化
にさらに貢献することができる。
【0056】[第5実施形態、図11、図12]本発明
の第5実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図1
1及び図12に示す。図11はアイソレータの全体構造
を示す分解斜視図、図12は図11に示す磁性体多層基
板の分解斜視図である。
【0057】本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2
の内面に永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2
に下ヨーク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク
8内の底面上には樹脂ケース7が配設され、該樹脂ケー
ス7内には3つの中心電極が埋設された磁性体多層基板
6、整合用容量である単板型コンデンサC1〜C3、終
端抵抗であるチップ抵抗Rが配設され、磁性体多層基板
6に永久磁石3により直流磁界が印加されるように構成
されている。
【0058】本実施形態の磁性体多層基板6は、厚さ数
十μm程度の複数の磁性体セラミックグリーンシート6
1〜66の表面に各種電極を印刷等によりパターン形成
し、これら各シートを積層して圧着し、この積層体を一
体焼成して形成されている。
【0059】磁性体シート61にはポート電極11,1
2,13、アース電極14,15,16、入力電極17
及び第1コンデンサ電極Cfaが形成され、誘電体シート
62にはアース電極29及び第2コンデンサ電極Cfbが
形成され、誘電体シート63,64,65には中心電極
L1,L2,L3が形成され、誘電体シート66にはイ
ンダクタ電極Lfがパターン形成されている。各中心電
極L1,L2,L3は互いに所定の角度(通常、120
度)をなすように積層配置され、そのポート端P1,P
2,P3はそれぞれ対応するポ−ト電極11,12,1
3に、他端部はアース電極14,15,16,29にそ
れぞれスルーホール電極を介して接続されている。
【0060】磁性体シート61の第1コンデンサ電極C
faと誘電体シート62の第2コンデンサ電極Cfbは所望
の容量値を得るように所定の面積で対向するように形成
されている。そして、誘電体シ−ト61を挟んで対向す
る第1コンデンサ電極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbと
でπ型低域通過フィルタを構成する容量Cf1が形成され
る。第1コンデンサ電極Cfaはアース電極16に連続し
てパターン形成されている。
【0061】誘電体シート66のインダクタ電極Lfは
所望のインダクタンス値を持つように曲折するライン状
に形成されている。インダクタ電極Lfの一端側はスル
ーホール電極を介してポート電極11に接続され、他端
側はスルーホール電極を介して第2コンデンサ電極Cfb
に接続され、第2コンデンサ電極Cfbは入力電極17に
スルーホール電極を介して接続されている。
【0062】この磁性体多層基板6は、誘電体シート6
1の上面(電極形成面)を下方にして、樹脂ケース7内
に収納されている。入力電極17は入力端子71に接続
され、ポ−ト電極12は出力端子72に接続され、アー
ス電極14,15はア−ス端子73,73に接続され、
アース電極16は下ヨーク8(アース)に接続された金
属導体片74に接続されている。ポート電極11,1
2,13は整合用のコンデンサC1〜C3の上面電極に
接続され、コンデンサC1〜C3の下面電極は底壁7b
凹部面のアース端子73に接続され、終端用のチップ抵
抗Rの一端側はポ−ト電極13に、他端側はア−ス電極
14及びア−ス端子73に接続されている。
【0063】上記のように、インダクタ電極Lfで形成
されるインダクタLfはポ−ト電極11と入力電極17
(入力端子71)との間に接続され、第1コンデンサ電
極Cfaと第2コンデンサ電極Cfbとで形成される容量C
f1は入力電極17(入力端子71)とアース電極16
(金属導体片74)との間に接続された構成となってい
る。
【0064】すなわち、本実施形態のアイソレータに
は、第1実施形態で説明したものと同様に、入力部にπ
型の低域通過フィルタLPFを構成するインダクタLf
及び容量Cf1,Cf2が内蔵されており、本実施形態のア
イソレータを用いれば、従来必要であった不要輻射防止
用の別体のフィルタを用いることなく、または実装基板
にフィルタ用の電極パターン等を形成することなく、不
要輻射を大幅に低減することができ、通信機器の小型
化、低価格化に貢献することができる。
【0065】また、本実施形態のアイソレータでは、磁
性体材料で多層基板を形成しているので、第1実施形態
の誘電体多層基板と磁性体とを1つの部品(磁性体多層
基板)で構成でき、第1実施形態のものに比べ、さらに
部品点数を削減できるとともにアイソレータを小型化す
ることができる。つまり、本実施形態のアイソレータ
は、多層基板の材料として磁性体材料を用いたものであ
り、第1実施形態で示した磁性体5の機能を多層基板に
持たせた構成となっており、第1実施形態の磁性体5を
不要とすることができるので、通信機器の小型化、低価
格化にさらに貢献することができる。
【0066】[第6実施形態、図13、図14]本発明
の第6実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図1
3及び図14に示す。図13はアイソレータの分解斜視
図、図14は磁性体多層基板の分解斜視図である。図
中、図7、図8と同一符号は同一または相当部分を示
す。本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に
永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨー
ク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底
面上に樹脂ケース7が配設され、該樹脂ケース7内に磁
性体多層基板6を配設して構成されている。
【0067】本実施形態の磁性体多層基板6は、8枚の
磁性体シート61〜68を積層して一体化したものであ
り、磁性体シート64,65,66には中心電極L1,
L2,L3が形成され、磁性体シート62には低域通過
フィルタを構成するためのコンデンサ電極Cfcが形成さ
れ、磁性体シート67には低域通過フィルタを構成する
インダクタ電極Lfが形成されている。さらに磁性体シ
ート62には整合用容量を形成するための整合用コンデ
ンサ電極C1,C2,C3が形成されており、また磁性
体シート68の裏面には膜状の終端抵抗Rが形成されて
いる。磁性体シート61〜68に形成された各種電極の
接続は、第3実施形態で説明したものと同様であり、そ
の説明を省略する。
【0068】本実施形態のアイソレータにおいては、磁
性体多層基板6に低域通過フィルタを構成するインダク
タLf及び容量Cf1が内蔵され、入力部にはインダクタ
Lfと容量Cf1と整合用容量C1とでπ型の低域通過フ
ィルタLPFが形成されており、さらに磁性体多層基板
6には、整合用容量C1,C2,C3及び終端抵抗Rが
内蔵されているので、第3実施形態で説明したものと同
様の効果を得ることができる。
【0069】また、本実施形態のアイソレータでは、磁
性体材料で多層基板を形成しているので、第3実施形態
の磁性体を不要とすることができ、第3実施形態のもの
に比べ、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレ
ータを小型化することができ、通信機器の小型化、低価
格化にさらに貢献することができる。
【0070】[第7実施形態、図15、図16]本発明
の第7実施形態に係るアイソレータの構造、構成を図1
5及び図16に示す。図15はアイソレータの分解斜視
図、図16は磁性体多層基板の分解斜視図である。図
中、図9、図10と同一符号は同一または相当部分を示
す。本実施形態のアイソレータは、上ヨーク2の内面に
永久磁石3を配置するとともに、該上ヨーク2に下ヨー
ク8を装着して磁気閉回路を形成し、下ヨーク8内の底
面上に磁性体多層基板6を配設して構成されている。そ
して、本実施形態の磁性体多層基板6の下面の両端部に
は一対の端子用凸部60が突出して形成されており、端
子用凸部60には入力、出力端子電極26,27及びア
ース端子電極28,28が形成されている。
【0071】磁性体多層基板6は、磁性体シート61〜
68及び一対の磁性体シート60を積層して一体化した
ものであり、磁性体シート61の両端部には、上記端子
用凸部60に対応する一対の帯板状磁性体シート60が
積層されており、一方の磁性体シート60には入力端子
電極26及びアース端子電極28が,他方の磁性体シー
ト60には出力端子電極27及びアース端子電極28が
形成されている。入力端子26はコンデンサ電極Cfc
に、出力端子電極27は整合用コンデンサ電極C2に、
各アース端子電極28はアース電極22に、それぞれス
ルーホール電極を介して接続されている。
【0072】本実施形態のアイソレータにおいては、磁
性体多層基板6に低域通過フィルタを構成するインダク
タLf、容量Cf1、整合用容量C1,C2,C3、終端
抵抗R、入力、出力端子26,27及びアース端子28
が内蔵されており、第4実施形態で説明したものと同様
の効果を得ることができる。
【0073】また、本実施形態のアイソレータでは、磁
性体材料で多層基板を形成しているので、第4実施形態
の磁性体を不要とすることができ、第4実施形態のもの
に比べ、さらに部品点数を削減できるとともにアイソレ
ータを小型化することができ、通信機器の小型化、低価
格化にさらに貢献することができる。
【0074】なお、上記各実施形態では、π型低域通過
フィルタを構成する一方の容量Cf2を整合用容量C1の
一部を利用したもので説明したが、この容量Cf2を整合
用容量C1とは別に形成するようにしてもよい。
【0075】また、上記各実施形態では、信号入力側に
のみ低域通過フィルタを形成したもので説明したが、信
号入出力のいずれにも低域通過フィルタを形成した構成
としてもよい。
【0076】また、上記各実施形態では、アイソレータ
を例にとって説明したが、ポートP3に終端抵抗Rを接
続することなく、ポートP3を第3の入出力部として構
成したサーキュレータにも本発明を適用することができ
る。
【0077】また、上記各実施形態では、集中定数型の
非可逆回路素子を例にとって説明したが、分布定数型の
非可逆回路素子にも本発明を適用することができる。
【0078】要するに、本発明は、中心電極を埋設した
多層基板に低域通過フィルタを構成するインダクタや容
量を形成したことを特徴とするものであり、他の構成に
ついては特に限定するものではない。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る非可
逆回路素子によれば、中心電極が形成された誘電体多層
基板または磁性体多層基板に低域通過フィルタを構成す
るインダクタまたは容量が形成されており、このインダ
クタまたは容量を用いて低域通過フィルタを形成するこ
とができるので、本発明の非可逆回路素子を用いれば、
帯域外減衰量を大幅に低減するとともに、小型化に貢献
することができる。すなわち、外形寸法を変えることな
く、かつ製造コストを増加させることなく、非可逆回路
素子に低域通過フィルタの回路素子の一部または全てを
内蔵することができ、低域通過フィルタを外部に形成し
た場合に比べ、部品点数を削減することができかつ実装
面積を小さくすることができる。
【0080】また、多層基板に整合用容量や終端抵抗を
形成することにより、さらに非可逆回路素子を小型化す
ることができる。また、前記多層基板に入出力端子を形
成することにより、さらに非可逆回路素子を小型化する
ことができる。
【0081】したがって、本発明に係る非可逆回路素子
を用いれば、不要輻射防止用の別のフィルタを不要とす
ることができ、通信機器等の小型化、低価格化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアイソレータの分解斜視図
である。
【図2】第1実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視
図である。
【図3】第1実施形態に係るアイソレータの等価回路図
である。
【図4】第1実施形態に係るアイソレータの作用を説明
するための回路図である。
【図5】本発明と従来のアイソレータの周波数特性図で
ある。
【図6】第2実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視
図である。
【図7】第3実施形態に係るアイソレータの分解斜視図
である。
【図8】第3実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜視
図である。
【図9】第4実施形態に係るアイソレータの分解斜視図
である。
【図10】第4実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜
視図である。
【図11】第5実施形態に係るアイソレータの分解斜視
図である。
【図12】第5実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜
視図である。
【図13】第6実施形態に係るアイソレータの分解斜視
図である。
【図14】第6実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜
視図である。
【図15】第7実施形態に係るアイソレータの分解斜視
図である。
【図16】第7実施形態に係る誘電体多層基板の分解斜
視図である。
【図17】従来のアイソレータの多層基板の分解斜視図
である。
【図18】従来のアイソレータの等価回路図である。
【符号の説明】
2 上ヨーク 3 永久磁石 4 誘電体多層基板 40〜48 誘電体シート L1〜L3 中心電極 5 磁性体(フェライト) 6 磁性体多層基板 60〜68 磁性体シート 7 樹脂ケース 71、72 入出力端子 73 アース端子 8 下ヨーク C1〜C3 整合用容量(整合用コンデンサ電
極) R 終端抵抗 Lf インダクタ(インダクタ電極) Cfa、Cfb、Cfc コンデンサ電極 Cf1、Cf2 容量 P1〜P3 ポート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体からなる多層基板に形成された中
    心電極と、前記多層基板に配置された磁性体と、前記中
    心電極のポートとアース間に接続された整合用容量と、
    前記磁性体に直流磁界を印加する永久磁石と、を備えた
    非可逆回路素子において、 前記多層基板に低域通過フィルタを構成するインダクタ
    または容量が形成されていることを特徴とする非可逆回
    路素子。
  2. 【請求項2】 磁性体からなる多層基板に形成された中
    心電極と、前記中心電極のポートとアース間に接続され
    た整合用容量と、前記多層基板に直流磁界を印加する永
    久磁石と、を備えた非可逆回路素子において、 前記多層基板に低域通過フィルタを構成するインダクタ
    または容量が形成されていることを特徴とする非可逆回
    路素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の非可逆
    回路素子において、前記多層基板に前記整合用容量が形
    成されていることを特徴とする非可逆回路素子。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3に記
    載の非可逆回路素子において、前記多層基板に終端抵抗
    が形成されていることを特徴とする非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4に記載の非可逆回路素子において、前記多層基板
    に入出力端子が形成されていることを特徴とする非可逆
    回路素子。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4または請求項5に記載の非可逆回路素子において、前
    記整合用容量が前記低域通過フィルタの一部を構成して
    いることを特徴とする非可逆回路素子。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5または請求項6に記載の非可逆回路素子に
    おいて、前記インダクタが前記中心電極のポートのうち
    少なくとも1つのポートと該ポートに対応する入出力端
    子に接続され、前記容量が前記入出力端子とアース間に
    接続され、前記インダクタと前記容量と前記整合用容量
    とでπ型低域通過フィルタが形成されていることを特徴
    とする非可逆回路素子。
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