JP3950489B2 - 16β−メチルステロイドの新製造法及び新規な中間体 - Google Patents

16β−メチルステロイドの新製造法及び新規な中間体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、16β−メチルステロイドの新製造法及び新規な中間体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、本発明の主題は、次式(I)
【化12】
Figure 0003950489
の化合物を製造するにあたり、次式(II)
【化13】
Figure 0003950489
〔ここで、A及びBは次式
【化14】
Figure 0003950489
(ここで、Kはオキソ基又は次式
【化15】
Figure 0003950489
のオキソ基の保護基を表わし、nは2又は3に等しく、R1 はエーテル又はエステル残基を表わす)
の残基を表わす〕
の化合物を脱水剤によって処理して次式(III)
【化16】
Figure 0003950489
(ここで、環A及びBは既に示した意味を有する)
の化合物を得、この化合物のKがオキソ基を表わすときは、オキソ基の適当なブロッキング剤を作用させてKが前記のオキソ基とは異なる意味を有する式(III) の相当する化合物を得、次いで式(III) の化合物に有機金属メチル化剤を作用させ、中間体アミンを加水分解した後、次式(IV)
【化17】
Figure 0003950489
のメチルケトンを得、式(IV)の化合物を塩基性媒体中でエポキシ化剤により処理して次式(V)
【化18】
Figure 0003950489
の化合物を得、式(V)の化合物の20−ケト官能基を保護して次式(VI)
【化19】
Figure 0003950489
〔ここで、K' は次式
【化20】
Figure 0003950489
(nは上で定義した通りである)
のKと同一か又は異なったケトン官能基の保護基を表わす〕
の化合物を得、式(VI)の化合物を有機金属メチル化剤により処理して次式(VII)
【化21】
Figure 0003950489
の16−メチル誘導体を得、式(VII) の化合物の3及び20位のケトン官能基を脱ブロックして所期の式(I)の化合物を得ることを特徴とする、式(I)の化合物の製造法にある。
【0003】
【発明の具体的な説明】
前記の式(I)において、R1 がエーテルの残基を表わすときは、それは、この形で3位をブロッキングするために当業者に知られているどんな残基であってよく、特にそれは1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、3〜8個の炭素原子を含有するアルコキシアルコキシアルキル基、6〜10個の炭素原子を含有するアリール基又は7〜12個の炭素原子を含有するアラルキル基であってよい。
1 がアルキル基を表わすときは、それは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル又はヘキシル基である。
1 がアルコキシアルコキシアルキル基を表わすときは、それは、例えば、メトキシエトキシメチル基である。
1 がアラルキル基を表わすときは、それは例えばベンジル又はフェネチル基である。
Rがアリール基を表わすときは、それは、例えばフェニル基又は特に1個以上のアルキル基により置換されたフェニル基である。
【0004】
1 がエーテル残基を表わすときは、それはシリル化された基、例えばトリメチルシリル基若しくはt−ブチルジメチルシリル基のようなトリアルキルシリル基、トリフェニルシリル基のようなトリアリールシリル基又はジフェニルt−ブチルシリル基のようなジアリールアルキルシリル基であってもよい。
【0005】
1 がエステル残基を表わすときは、それは3位をこの形でブロックするために当業者に知られているどんな残基であってもよく、特に−COR1 残基(R1 は前記のようなアルキル、アリール又はアラルキル基である)であってよい。
【0006】
3位のケトン官能基の保護は、当業者に知られた方法により行われる。しかして、特に、酸性媒体中で、例えば、触媒量の濃塩酸若しくは臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸の存在下に、又はルイス酸、例えば塩化亜鉛、四塩化チタン若しくは三塩化硼素(好ましくはエーテラートとして)の存在下に式HO−(CH2n −OH、HS−(CH2n −SH又はHO−(CH2n −SHのジオール、ジチオール又は混成チオールを使用することができる。また、酸、例えば前記のような酸の存在下にメチルエチルジオキソランを使用することもできる。
【0007】
また、エノラートを中間で生成する塩基、例えばアルカリ水素化物、アルコラート又は水酸化物の存在下にハロゲン化アルキル、アルコキシアルコキシアルキル又はアリールを使用することもできる。
また、前記のようなアルカリ性媒体中でハロゲン化トリアルキルシリル、トリアリールシリル又はジアリールアルキルシリルも使用することができる。
さらに、塩基の存在下に実施される好適な酸塩化物も挙げられる。この場合の塩基は、含窒素塩基、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、又は無機塩基、特にアルカリ水素化物、アルコラート若しくは水酸化物であってよい。
【0008】
脱水剤は、特に、好ましくはピリジンのような第三アミンの存在下に使用されるオキシ塩化燐である。また、ルイス酸、例えば塩化第二鉄、三弗化硼素及びその錯体(例えばエーテラート)、四塩化チタン、塩化アルミニウム又は塩化錫、或いは無機酸、例えば硫酸、p−トルエンスルホン酸又はクロロスルホン酸のようなスルホン酸、或いは塩化メタンスルホニルのような誘導体も使用することができる。
【0009】
メチルケトンを生成させる有機金属メチル化剤は、例えば、マグネシウム化合物、リチウム化合物、カドミウム化合物又はCH3 Cu、(CH32 CuMg又は(CH32 CuLiのような誘導体である。ハロゲン化メチルマグネシウムのようなマグネシウム化合物又はメチルリチウムのようなリチウム化合物が特に好ましい。
操作は溶媒中で行われる。溶媒は、好ましくは、エチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンのようなエーテルであってよいが、トルエン又はキシレンのような芳香族溶媒であってもよい。また、操作はエーテル−芳香族溶媒混合物中で行うこともできる。
【0010】
中間で形成されるイミンの加水分解は、水性の酸、例えば酢酸、ぎ酸又は塩酸のような無機酸を使用して行われる。
【0011】
エポキシ化剤は、m−クロル過安息香酸、過フタル酸、過タングステン酸のような過酸或いは単独で又はヘキサクロルアセトン若しくはヘキサフルオルアセトンの存在下に使用される過酸化水素であってよい。
また、エポキシ化剤は、触媒量のバナジウムアセチルアセトナト又はモリブデンのようなその他の金属の存在下に使用されるt−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシドであってよい。過酸化水素が特に好ましい。
操作は、例えば苛性ソーダ液のような塩基の存在下に弱塩基性媒体中か或いは酢酸ナトリウム、燐酸ジナトリウム若しくは重炭酸ナトリウム又は燐酸トリナトリウム−燐酸混合物により干渉された媒体中で行われる。
操作は、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチルのような溶媒又はこれらの溶媒の混合物中で、適当ならば水の存在下に行われる。
【0012】
20−ケト官能基の保護は、当業者に知られた方法によりケタール、混成ケタール又はジチオケタールの形で行われる。しかして、酸性媒体中で、例えば、触媒量の濃塩酸若しくは臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸の存在下に、又はルイス酸、例えば塩化亜鉛、四塩化チタン若しくは三塩化硼素(好ましくはエーテラートとして)の存在下に式HO−(CH2n −OH、HS−(CH2n −SH又はHO−(CH2n −SHのジオール、ジチオール又は混成チオールを使用することができる。
【0013】
式(IV)のエポキシドと反応させる有機金属メチル化剤は、前記したものの一つであり、また好ましいエポキシ化剤も前記したようなものである。
【0014】
3及び20位のケトン官能基の遊離化は、保護基の種類に適した手段により行われる。ケタールの場合には水又は水−アルカノール混合物の存在下での酸性試薬が使用される。それは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、ぎ酸、しゅう酸のような無機又は有機酸又はこれらの酸の混合物、或いはまた例えばスルホン樹脂のような酸性樹脂である。チオケタール又は混成ケタールの場合には、脱保護は、塩基、例えば重炭酸アルカリの存在下で沃素を作用させて、或いは酸化剤、特に過酸化水素の存在下に触媒量の沃素を作用させて、或いは沃化メチル、グリオキシル酸又は水銀、カドミウム、銅若しくは銀のような金属の塩を作用させて行われる。操作は、一般に、低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノールのような溶媒で、ハロゲン化溶媒、例えば塩化メチレンを混合して、水の存在下に行うことができる。混成ケタールの場合には、脱保護は、例えば、約100℃で酢酸/酢酸カリウム緩衝剤の存在下での塩化第二水銀のような第二水銀塩、これと同じ条件でのラネーニッケル、又は熱い塩酸−酢酸混合物によっても行われる。
【0015】
1 がエーテル又はエステル残基を表わす場合には、特に、ケタールについて上で説明した条件下での酸処理も使用される。
【0016】
本発明の特定の主題は、環A及びBが次式
【化22】
Figure 0003950489
(ここで、nは上で定義した通りであり、好ましくは2に等しい)
の残基を表わす式(II)の化合物を開始時に使用することをことを特徴とする前記の製造法にある。
【0017】
また、本発明の主題は、20−ケト官能基が3位と同じケタール、特にエチレンジオキシ基により保護されることを特徴とする前記の製造法にある。
【0018】
さらに、本発明の主題は、新規な工業用化合物としての、特に本発明の製造法の実施に有用な中間体化合物としての式(III) の化合物(ここで、Kはオキソ基を除いた前記の意味を有する)並びに前記の式(IV)、(V)、(VI)及び(VII) の化合物(ただし、3,3−エチレンジオキシ−5,9(11),16−プレグナトリエン−20−オン及び3,3;20,20−ビス(エチレンジオキシ)−17α−ヒドロキシ−16β−メチル−5,9(11)−プレグナジエンを除く)にある。
【0019】
本発明の製造法の開始時に使用される式(II)の化合物は、既知であるか又はヨーロッパ特許第263569号に記載の3−ケト化合物から当業者に知られた方法により製造することができる。参考資料としては、フランス特許第1,079,781号、東ドイツ特許第281,394号又は国際出願WO88/03534号が挙げられる。
【0020】
式(I)の化合物は、例えば、ヨーロッパ特許第54810号に記載のように、ベタメタゾン合成の重要な中間体である。
【0021】
【実施例】
下記の実施例は本発明を例示するものであって、これを何ら制限するものではない。
【0022】
例1:16β−メチル−17α−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3,20−ジオン
【0023】
工程A:17−シアノアンドロスタ−5,9(11),16(17)−トリエン−3−オンの環状3−(1,2−エタンジイル)アセタール
30gの17α−ヒドロキシ−17β−シアノアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−3−オンの環状3−(1,2−エタンジイル)アセタールと240ccの無水ピリジンを不活性ガス雰囲気下に混合し、次いで30ccのオキシ塩化燐を添加する。反応媒体を油浴で40℃の2時間、次いで45℃で18時間撹拌し続ける。混合物を450gの氷、240cc22度ボーメ塩酸及び100ccの水の混合物中に注ぎ入れる。周囲温度で撹拌し、次いで結晶を分離し、水洗し、乾燥する。粗生成物をイソプロピルエーテル−イソプロパノール混合物(2−1)中に懸濁させ、次いで結晶を分離し、乾燥する。24.27gの所期化合物を得た。Mp=205〜208℃。
IRスペクトル(CHCl3
吸収帯:2217cm-1(CN);1660、1630及び1593cm-1(C=C)
NMRスペクトル(CDCl3 +C55 N、300MHz、ppm)
0.91(s):18−CH3 ;1.23(s):19−CH3 ;3.96:ケタール;5.44(m)−5.45(m):H6 及びH11;6.65:H16
【0024】
工程B:プレグナ−5,9(11),16(17)−トリエン−3,20−ジオンの環状3−(1,2−エタンジイル)アセタール
工程Aで得た9gの化合物と27ccのトルエンを不活性ガス雰囲気下に混合し、次いで27ccの3M塩化メチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液を導入する。反応媒体を60/65℃に3時間30分もたらし、次いで氷−メタノール浴を使用して冷却し、36ccのテトラヒドロフランを添加し、次いでこれを氷−メタノール浴により冷却した81ccの氷、27ccの水及び135ccの酢酸の混合物中に窒素雰囲気下に最高10℃で注ぎ入れる。温度を約20℃に上昇させ、45℃の水浴によりゆっくりと加熱しながら減圧下に濃縮を行い、次いで反応媒体を20容の水−氷混合物中に注ぎ入れる。温度を撹拌しながら上昇させ、次いで結晶を分離し、水洗し、乾燥する。9.03gの生成物を得た。これを45ccのメタノール、5ccの水及び0.5ccのトリエチルアミンの混合物中でペースト状にする。1時間30分加熱還流し、次いで周囲温度に冷却した後、結晶を分離し、10%の水を含むメタノールにより洗浄し、乾燥する。7.12gの所期化合物を得た。Mp=217〜219℃。
IRスペクトル(CHCl3
吸収帯:1664、1590及び1361cm-1:不飽和、メチルケトン
NMRスペクトル(CDCl3 +C55 N、300MHz、ppm)
0.87(s):18−CH3 ;1.22(s):19−CH3 ;2.26(s):メチル−ケトン;3.94(m):ケタール;5.44−5.45(m):11及び5位の−CH=;6.71(t):16位の−CH=
【0025】
工程C:16α,17α−エポキシプレグナ−5,9(11)−ジエン−3,20−ジオンの環状3−(1,2−エタンジイル)アセタール
工程Bで得た7gの化合物、70ccのテトラヒドロフラン及び35ccのメタノールを不活性ガス雰囲気下に混合する。7ccの濃苛性ソーダ液及び7ccの過酸化水素200容を導入する。反応媒体を40/45℃に17時間加熱し、次いで周囲温度に冷却し、70ccの水と70gの氷との混合物中に注ぎ入れる。混合物を60/65℃に浴により温度を上げながら撹拌し続け、分離を行い、次いで酸化力の低下のときに水洗し、乾燥する。7.08gの所期化合物を得た。これはそのまま次の工程に使用する。
IRスペクトル(CHCl3
吸収帯:1704(C=O)、901−855cm-1(エポキシド)
NMRスペクトル(CDCl3 +C55 N、300MHz、ppm)
1.00(s):18−CH3 ;1.20(s):19−CH3 ;2.04(s):メチル−ケトン;3.74(s):16位の−CH=;3.94(m):ケタール;5.40(m)−5.51(t):11及び5位の−CH=
【0026】
工程D:16α,17α−エポキシプレグナ−5,9(11)−ジエン−3,20−ジオンの環状3,20−ビス(1,2−エタンジイル)アセタール
工程Cで得た4gの化合物、40ccの塩化メチレン、40ccのエチレングリコール、20ccのオルトぎ酸エチル及び0.3gのp−トルエンスルホン酸二水和物を不活性ガス雰囲気下に混合する。7時間後に、周囲温度で1ミリバールの減圧下に濃縮を行い、次いで反応媒体を30分間撹拌し続ける。次いで、これを300ccの10%重炭酸ナトリウム水溶液中に注ぎ入れ、次いで脱ガスする。分離した後に、生成した結晶を水洗し、次いで乾燥する。生成物をシリカでクロマトグラフィーし、0.05%のトリエチルアミンを含むトルエン−酢酸エチル混合物(8−2)により溶離する。得られた生成物をシクロヘキサンで溶解し、分離し、減圧下に乾燥する。3.28gの所期化合物を得た。Mp=176〜177℃。
IRスペクトル(CHCl3
C=Oの不存在、ケタールの存在
NMRスペクトル(CDCl3 +C55 N、300MHz、ppm)
0.94(s):18−CH3 ;1.20(s):19−CH3 ;1.42(s):CH3 −;3.41(s):16位のH;3.85〜4.05:ケタール;5.41及び5.48:6位のH及び11位のH
【0027】
工程E:16β−メチル−17α−ヒドロキシプレグナ−5,9(11)−ジエン−3,20−ジオンの環状3,20−ビス(1,2−エタンジイル)アセタール
24ccの3M臭化メチルマグネシウムのエーテル溶液を不活性ガス雰囲気下に氷冷する。溶媒を減圧下に60/65℃の浴により加温しながら蒸発させる。次いで、21ccのテトラヒドロフラン及び工程Dで得た3gの化合物を導入し、次いで浴の温度を70℃にしながら16時間撹拌する。4ccの前記のマグネシウム化合物のエーテル溶液及び10ccのテトラヒドロフランを添加し、7時間撹拌する。さらに10ccのテトラヒドロフランを添加し、全体を16時間還流し続け、次いで40℃に冷却し、16gの燐酸水素ナトリウム二水塩と900ccの水との0℃に保持した混合物中に注ぎ入れる。温度を上昇させ、次いで分離を行い、生成物を水洗し、乾燥する。生成物を0.05%のトリエチルアミンを含む15容の塩化メチレン−酢酸エチル混合物(9−1)中でペースト状にし、次いでシリカでクロマトグラフィーし、同じ混合物により溶離し、2.42gの所期化合物を得た。Mp=180〜181℃。
IRスペクトル(CHCl3
吸収帯:3580cm-1:OH;1670−1644cm-1:C=C
NMRスペクトル(CDCl3 +C55 N、300MHz、ppm)
0.87(s):18−CH3 ;1.19(d):CH3 −CH−;1.20(s):19−CH3 ;1.39(s):CH3 −C−:3.85〜4.05:ケタール;5.45及び5.48:6位のH及び11位のH
【0028】
工程F:16β−メチル−17α−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3,20−ジオン
工程Eで得た2gの化合物、15ccのアセトン及び5ccの水を不活性ガス雰囲気下に混合する。4滴の濃硫酸を導入し、混合物を60℃の浴で4時間30分加熱する。次いで、20ccの水を添加し、次いで反応媒体を冷却し、結晶を分離し、水洗し、次いで乾燥する。1.55gの所期化合物を得た。Mp=173℃。
IRスペクトル(CHCl3
吸収帯:3610cm-1:−OH;1709−1353cm-1:CO−CH3 ;1663−1616cm-1:3Δ4ケト
NMRスペクトル(CDCl3 、300MHz、ppm)
0.87(s):18−CH3 ;1.19(d,J=7):CH3 −CH−;1.34(s):19−CH3 ;2.27(s):CH3 −CH3 :3.01(s):1H易動性;5.52(m):11位のH;5.75(m):4位のH

Claims (8)

  1. 次式(I)
    Figure 0003950489
    の化合物を製造するにあたり、次式(II)
    Figure 0003950489
    〔ここで、A及びBは次式
    Figure 0003950489
    (ここで、Kはオキソ基又は次式
    Figure 0003950489
    のオキソ基の保護基を表わし、nは2又は3に等しく、R1はエーテル又はエステル残基を表わす)
    の残基を表わす〕
    の化合物を脱水剤によって処理して次式(III)
    Figure 0003950489
    (ここで、環A及びBは既に示した意味を有する)
    の化合物を得、この化合物のKがオキソ基を表わすときは、オキソ基の適当なブロッキング剤を作用させてKが前記のオキソ基とは異なる意味を有する式(III) の相当する化合物を得、次いで式(III) の化合物に有機金属メチル化剤を作用させ、中間体アミンを加水分解した後、次式(IV)
    Figure 0003950489
    のメチルケトンを得、式(IV)の化合物を塩基性媒体中でエポキシ化剤により処理して次式(V)
    Figure 0003950489
    の化合物を得、式(V)の化合物の20−ケト官能基を保護して次式(VI)
    Figure 0003950489
    〔ここで、K' は次式
    Figure 0003950489
    (nは上で定義した通りである)
    のKと同一か又は異なったケトン官能基の保護基を表わす〕
    の化合物を得、式(VI)の化合物を有機金属メチル化剤により処理して次式(VII)
    Figure 0003950489
    の16−メチル誘導体を得、式(VII) の化合物の3及び20位のケトン官能基を脱ブロックして所期の式(I)の化合物を得ることを特徴とする、式(I)の化合物の製造法。
  2. 環A及びBが次式
    Figure 0003950489
    (ここで、nは上で定義した通りである)
    の残基を表わす式(II)の化合物を開始時に使用することを特徴とする請求項1に記載の製造法。
  3. 20−ケト官能基が3位と同じケタールにより保護されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 新規な工業用化合物としての、請求項1に記載の式(III) の化合物(ここで、Kはオキソ基を除いた請求項1に記載の意味を有する)。
  5. 新規な工業用化合物としての、請求項1に記載の式(IV) の化合物(ここで、Kはオキソ基を除いた請求項1に記載の意味を有する)(ただし、3,3−エチレンジオキシ−5,9(11),16−プレグナトリエン−20−オンを除く)。
  6. 新規な工業用化合物としての、請求項1に記載の式(V) の化合物(ここで、Kはオキソ基を除いた請求項1に記載の意味を有する)。
  7. 新規な工業用化合物としての、請求項1に記載の式(VI) の化合物(ここで、Kはオキソ基を除いた請求項1に記載の意味を有する)。
  8. 新規な工業用化合物としての、請求項1に記載の式(VII) の化合物(ここで、Kはオキソ基を除いた請求項1に記載の意味を有する)(ただし、3,3;20,20−ビス(エチレンジオキシ)−17α−ヒドロキシ−16β−メチル−5,9(11)−プレグナジエンを除く)
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