JP3949307B2 - アルミニウム放熱部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パソコン等の電気・電子機器に使用される放熱板、ヒートパイプ、熱拡散板、半導体の放熱板等のアルミニウム放熱部材およびその製造方法に関する。
【0002】
なお、この発明における放熱部材とは、単純なプレート状のものだけでなく、ヒートパイプやヒートシンクに加工したもの、熱拡散板と称されているもの等、放熱あるいは排熱を目的としたものを包括するものであり、形状や呼称に限定されない。
【0003】
【従来の技術】
パソコン等の電気・電子機器では、CPU、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ等の数多くの発熱デバイスが組込まれており、長時間にわたって正常な動作を維持するために、発生した熱を排出してこれらのデバイスを冷却する必要がある。このため、これらの機器には上述のような各種放熱部材が用いられている。
【0004】
放熱部材の材料としては、熱伝導性が良好であり且つ軽量で加工性の良いアルミニウムが用いられることが多く、従来より純アルミニウムやJIS 5052が用いられている。
【0005】
しかし、JIS 5052合金は、純アルミニウムに比べると熱伝導性が30%以上低いという欠点がある。一方、熱伝導性の良い純アルミニウムは著しく強度が低い上に、切削性に劣り切削加工後のバリ取りが不可欠であり、仕上がり表面の外観も悪いという欠点がある。従って、純アルミニウムやJIS 5052はいずれも放熱部材の材料として満足できるものではなかった。
【0006】
一方、高強度のアルミニウム材料としてAl−Mg−Si合金が知られており、特開平2−200750号や特開平1−162754号に導電性部材として用いられるAl−Mg−Si合金が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2−200750号に記載のAl−Mg−Si合金は押出材であり、圧延材に比べると幅広で板厚精度の良い薄板の製造が困難である。そのため、各種形状の放熱部材を製作するために、薄板を折曲げ加工や絞り加工する放熱部材材料には適さない。
【0008】
一方、特開平1−162754号に記載のAl−Mg−Si合金は、圧延材であり熱伝導性にも優れているが、薄板に圧延した後に連続焼鈍炉で溶体化−焼入れ処理する必要があり、製造工程が複雑であるという問題点がある。
【0009】
この発明は、このような技術背景に鑑み、優れた熱伝導性と強度と加工性を兼ね備えたアルミニウム合金板を少ない工程で製造し、ひいては放熱性と強度とを兼ね備えるアルミニウム放熱部材およびその製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のアルミニウム放熱部材は、前記目的を達成するために、Al−Mg−Si系合金鋳塊を均質化処理し、熱間粗圧延および熱間仕上げ圧延した後に冷間圧延した合金板を所要形状に加工して製造された放熱部材であって、前記Al−Mg−Si系合金は、Si:0.2〜0.8wt%、Mg:0.3〜0.9wt%、Fe:0.35wt%以下およびCu:0.20wt%以下を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記合金板の熱間粗圧延の任意のパス工程において、パス前の材料温度を350〜440℃とするとともに、上がり板厚を10mm以下とし、前記冷間圧延の圧下率を30%以上とすることが好ましく、あるいはさらに前記合金板の製造工程において、冷間圧延後に180℃以下で最終焼鈍を行うことが好ましい。
【0012】
また、前記アルミニウム放熱部材の製造方法は、Si:0.2〜0.8wt%、Mg:0.3〜0.9wt%、Fe:0.35wt%以下およびCu:0.20wt%以下を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金鋳塊を均質化処理した後、熱間粗圧延の任意のパス工程において、パス前の材料温度を350〜440℃とするとともに上がり板厚を10mm以下に圧延し、次いで熱間仕上げ圧延し、さらに30%以上の圧下率で冷間圧延して合金板を製造し、前記合金板を所要形状に加工することを特徴とする。
【0013】
この発明のアルミニウム放熱部材の材料となるAl−Mg−Si合金組成について、各元素の添加意義および含有量の限定理由は次のとおりである。
【0014】
MgおよびSiは強度の発現に必要な元素である。Mg含有量が0.3wt%未満、あるいはSi含有量が0.2wt%未満では十分な強度を得ることができない。一方、Mg含有量が0.9wt%、Si含有量が0.8wt%を超えると、熱間圧延での圧延負荷が高くなって生産性が低下するとともに、耳割れが大きくなって途中工程でトリミングが必要となる。Mg含有量の好ましい下限値は0.35wt%、上限値は0.55wt%である。また、Si含有量の好ましい下限値は0.32wt%、上限値は0.60wt%である。
【0015】
FeおよびCuは、多量に含有すると耐食性が低下して合金板としての実用性に欠けるため、含有量をFe:0.35wt%以下、Cu:0.20wt%以下に規制する必要がある。好ましいFe含有量は0.25wt%以下、好ましいCu含有量は0.10wt%以下である。
【0016】
前記範囲の合金組成により、純アルミニウムと同等の優れた熱伝導性を有する。また、切削、折曲げ、絞り、穴明け等の成形加工性、あるいは溶接、摩擦攪拌接合、超音波接合等の接合加工性に優れる。
【0017】
また、放熱部材の材料となる合金板の製造工程において、均質化処理後に所定の条件で圧延することによりMg2 Siを微細かつ均一に析出させ、溶体化処理および焼入れしたと同等の効果を得ることができる。
【0018】
均質化処理条件は特に限定されず、常法に従って500℃以上で2時間以上行うことが好ましい。
【0019】
熱間粗圧延では、任意のパス工程において所定の温度条件で圧延する間の温度降下により焼入れと同等の効果を得る。従って、パス前の材料温度は,溶体化処理に準じてMgおよびSiが固溶された状態を保持しうる温度が必要であり、350〜440℃とする。350℃未満ではこの時点でMg2 Siが粗大析出物となり、その後の焼入れ効果が得られない。また、温度が低いためにその後のパスの圧延性が著しく悪くなるとともに、パス上がり温度が低くなり過ぎて表面品質が低下する。一方、440℃を超えるとパス上がりで材料温度が十分低下せず焼入れの効果が不足する。パス前温度の好ましい下限値は380℃であり、好ましい上限値は420℃である。また、焼入れ効果を得るために、パス間の冷却速度は50℃/min 以上が好ましく、パス上がり温度は250〜340℃が好ましい。なお、パス上がり温度を上記温度範囲内とするためには、熱間粗圧延上がりで、直ちに高圧シャワー水冷等の強制冷却を行っても良い。また、パス圧延速度は、50m/min 以上が好ましい。さらに、このパス間に焼入れと同等の冷却効果を得るために、上がり板厚が10mm以下となるようにする必要がある。10mmを超えると水冷工程を加えても上述した焼入れに十分な温度にまで冷却することが困難なためである。好ましい板厚は8mm以下である。
【0020】
なお、熱間粗圧延は通常10パス以上を行うが、焼入れ効果を得るための上記条件でのパスはどの段階で行っても良い。しかし、パス上がり板厚が10mm以下とすることを要件としているため、最終パスに行うことが多くなる。次いで、最終パスの前のパスが多くなる。但し、最終パス以外で行う場合、その後のパスの圧延条件は、材料温度250〜340℃で行う必要がある。250℃未満では圧延の負荷が大きくなって圧延がしにくくなるとともに、温度が低くなるとAlと水分が反応して表面が腐食する等変質するためである。
【0021】
熱間粗圧延後に行う熱間仕上げ圧延は、前段の粗圧延により溶体化−焼入れ処理がなされているため、仕上がり温度や圧延速度などの条件は特に限定されない。常法に従い最終製品の板厚に応じて圧延を行う。
【0022】
冷間圧延では、加工硬化により所定の強度を得るために圧下率30%以上とする必要がある。圧下率を30%以上とすることにより、JIS 5052合金に匹敵する200N/mm2 以上の強度を得ることができる。好ましい圧下率は50%以上である。
【0023】
さらに、要すれば冷間圧延した合金板を180℃以下で最終焼鈍する。低温での熱処理を行うことにより、時効硬化させてさらに強度を向上させるとともに、伸びも向上させて加工性を向上させることができる。また機械的諸性質を安定させる効果もある。特に好ましい焼鈍温度は130〜150℃である。
【0024】
上述の方法で製造したアルミニウム圧延板は、適宜所要寸法に切断して平板状の放熱部材として使用するほか、切削、折曲げ、絞り、穴明けあるいはロールボンド等により種々の形状に成形加工、あるいは溶接、摩擦攪拌接合、超音波接合等により接合加工して放熱部材を製作する。加工方法は限定されない。また、放熱部材の形状も、平板、フィンを有するヒートシンク、冷媒を封入したヒートパイプ等を例示でき、特に限定されない。
【0025】
この発明のアルミニウム放熱部材の材料となるAl−Mg−Si系合金板は、その合金組成により熱伝導性および加工性が良く、さらにその製造過程において、所定の条件で熱間粗圧延を行うことにより、溶体化処理および焼入れしたと同等の効果が得られ、かつ高い圧下率での冷間加工によってさらに高い強度が得られる。そのため、この合金板を加工して所要形状に製造された放熱部材は、放熱性と強度ととを兼ね備える。
【0026】
【発明の実施の形態】
〔Al−Mg−Si合金板の性質〕
後掲の表1に示す各組成の合金連鋳スラブについて、面削後580℃×10時間の均質化処理し、熱間粗圧延および熱間仕上げ圧延した後冷間圧延して合金板を製作した。熱間粗圧延は、最終パスの圧延条件を規定するものとし、最終パス前、即ち最終パス開始時の材料温度を表1に示す温度に設定し、圧延速度80m/min で行い、熱間粗圧延の最終パス上がりの板厚を表1に示す厚さとした。そして、熱間粗圧延を行った材料は、さらに熱間仕上げ圧延を行ってコイルに巻き取った。次に、巻き取った材料を表1に示す圧下率で冷間圧延した。冷間圧延後、発明例No.2についてはさらに表1に示す条件で最終焼鈍を行った。また、比較例3、4,5,6では、通常の処理により、それぞれ5052−H32材,5052−H34材、1100−H32材、1100−H34材を製造した。
【0027】
得られた各合金板について、常法により、引張強さ、耐力、伸びおよび熱伝導度を測定した。これらの結果を表1に併せて示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1の結果より、この発明の条件で熱間粗圧延および冷間圧延することにより、純アルミニウムに匹敵する高い熱伝導性と、JIS5052合金に匹敵する高い強度とを兼ね備えたアルミニウム合金板を得られることを確認できた。また、最終焼鈍を加えることにより強度を向上させることができた。
【0030】
〔合金板の加工性〕
上述の合金板No.2.4.6の3種を供試体として加工性を評価した。加工試験項目は、次の方法により切削、曲げ、穴明け、絞りの4項目とした。
【0031】
(切削)
板厚1.8mmの各合金板の表面に、幅0.5mm×深さ0.5mmの溝を切削により形成した。そして、切削部のむしれの状態により相対的に評価した。
【0032】
(曲げ)
板厚0.6mmの各合金板につき、90°曲げ試験を実施した。曲げRを種々変更し、曲げ部のクラックを相対的に評価した。
【0033】
(穴明け)
板厚0.6mmの各合金板につき、直径8mmのパンチを用い、パンチングプレスにて穴明けを実施した。穴明け後のカエリの程度を相対的に評価した。
【0034】
(絞り)
板厚0.6mmの各合金板において、直径33mm、肩R4mmのポンチを用い、深絞り試験を実施した。各合金のブランク径を変え、限界絞り比(L.D.R)で相対的に評価した。
【0035】
これらの評価結果を表2に示す。また、表1の引張強さおよび耐力の測定結果に基づき、強度を相対的に評価した。
【0036】
【表2】
【0037】
〔放熱性能〕
上述の合金板No.2(本発明)、No.4(5052)の2種を供試体として、下記の方法により、放熱部材としての放熱性および熱拡散性を評価した。
【0038】
(実験例1)
図1に示すように、板厚0.6mmおよび1.0mmで幅200mm×長さ100mmのプレート(11)を供試体とし、プレート(11)の裏面中央に半導体を想定した10mm×10mmのヒーター(12)を密着させるとともに、表面の中央および四隅にシース熱電対(Pc、P1,P2,P3、P4)を貼り付けた。そして、30℃の恒温室内でヒーター(12)を加熱した時の各位置の表面温度(TPc、TP1,TP2,TP3,TP4)を測定した。
【0039】
表3に、各プレートにおける中央温度(TPc)の時間経過を示すとともに、図2に板厚0.6mmのプレート、図3に板厚1.0mmのプレートにおける中央温度(TPc)の時間経過を示す。また、表面温度が一定した定常状態において、中央温度(TPc)と四隅の温度(TPc、TP1,TP2,TP3,TP4)の平均値との差ΔTを表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
表3および図2,3の結果より、No.2(本発明)のプレートは、ヒーターの反対面において、No.4(5052)よりも1.0mmプレートで10℃以上の温度差があり、放熱性に優れていることがわかる。また、周囲との温度差が、No.2(本発明)はNo.4(5052)よりも約7℃小さいことから熱拡散性にも優れていることがわかる。
【0042】
(実験例2)
ここでは、狭いスペースに多くの発熱デバイスが配置されるために、高度の排熱性を要求されるノートパソコンにおいて、キーボードのベース基板およびCPU取付板として放熱部材を組み込んだ場合について、本発明の放熱部材と従来の放熱部材とを比較した。
【0043】
実験では、図4に示すようなノートパソコンを模した装置(20)を使用した。この実験装置(20)では、多数のキーキャップ(K1〜K9)を備えるキーボード(21)の裏にベース基板(24)が取付けられているとともに、CPU取付板(25)の裏面にヒートスプレッダー(26)を介して疑似CPU(27)が取付けられている。そして、前記ベース基板(24)とCPU取付板(25)との間に0.5mmの隙間を設けて、これらが筺体(28)内に重ねて装填されている。また、前記筺体(28)の一隅にはファン(29)を取付けて排熱を促している、なお。図4ではノートパソコンのディスプレイ部を省略して本体部のみを示している。
【0044】
前記実験装置(20)において、前記ベース基板(24)およびCPU取付板(25)の材料として、表1のNo.2(本発明のAl−Mg−Si合金)およびNo.4(5052)の材料で形成した板厚0.6mmの2種類の平板を用意した。また、疑似CPU(27)は発熱量12Wのものを使用し、ファンは最大風量1.4CFMのものを使用し、ヒートスプレッダー(26)として、JIS 1100からなり31mm角で厚さ1mmのものを使用した。
【0045】
これらの部材を表4に示す組合せて、I、IIの2種類の実験装置(20)を作製した。
【0046】
【表4】
【0047】
そして、各実験装置キーボードI、IIについて、ファン(29)をONまたはOFFの2つ条件下で、疑似CPU(27)に電源投入30分後にキーキャップ(K1〜K9)、ベース基板(24)、CPU取付板(25)、およびヒートスプレッダー(26)の温度を測定した。キーキャップ(K1〜K9)の温度測定位置はキャップ上面とし、ベース基板(24)の測定位置(B1〜B9)は、前記各キーキャップ(K1〜K9)の真裏の対応位置とした。ベース基板(24)における温度測定位置(B1〜B9)を図5に示すとともに、これらの測定位置に対応するキーを表5に示す。また、図5に示すように、CPU取付板(25)の温度測定位置(T1〜T5)は上面の中央および四隅とし、ヒートスプレッダー(26)の温度測定位置をT6とした。
【0048】
表5に温度測定結果を示す。
【0049】
【表5】
【0050】
表5の結果より、ベース基板およびCPU取付板として本発明の放熱部材を使用したキーボードIは、放熱性に優れ、キーキャップにおける均温性にも優れていることを確認できた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のアルミニウム放熱部材の材料であるAl−Mg−Si系合金は、その組成を、Si:0.2〜0.8wt%、Mg:0.3〜0.9wt%、Fe:0.35wt%以下およびCu:0.20wt%以下を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるため、熱伝導性および加工性に優れている。そして、このAl−Mg−Si系合金鋳塊を均質化処理し、熱間粗圧延および熱間仕上げ圧延した後に冷間圧延する合金板の製造方法であって、前記熱間粗圧延の任意のパス工程において、パス前の材料温度を350〜440℃とするとともに、上がり板厚を10mm以下とし、前記冷間圧延の圧下率を30%以上とするから、熱間粗圧延の間に溶体化処理−焼入れしたと同等の効果が得られ、かつ高い圧下率での冷間加工によって高い強度が得られる。従って、圧延以外の別工程で熱処理することなしに、高い熱伝導性と強度と加工性とを兼ね備えた合金板を少ない工程で製造することができ、かつこのような合金板を容易に所要形状に加工することができ、優れた放熱性と強度とを兼ね備えるアルミニウム放熱部材を低コストで製造することができる。
【0052】
また、前記合金板の製造工程において、冷間加工後に180℃以下で最終焼鈍することにより、さらに合金板の強度を向上させるとともに、伸びも向上させて加工性を向上させ、かつ機械的諸性質を安定させることができ、これらの点でより一層優れたアルミニウム放熱部材となし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】放熱部材の放熱性能試験に用いるプレートの斜視図である。
【図2】板厚0.6mmのプレートの放熱性能を示すグラフである。
【図3】板厚1.0mmのプレートの放熱性能を示すグラフである。
【図4】ノートパソコンを模した実験装置の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
11…プレート(放熱部材)
20…実験装置(ノートパソコン)
21…ベース基板(放熱部材)
24…CPU取付板(放熱部材)
Claims (16)
- Si:0.2〜0.8wt%、Mg:0.3〜0.9wt%、Fe:0.35wt%以下およびCu:0.20wt%以下を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるAl−Mg−Si系合金鋳塊を均質化処理した後、溶体化処理および焼入れ処理を行うことなく、熱間粗圧延の任意のパス工程において、パス前の材料温度を350〜440℃、パス上がりの材料温度を250〜340℃とするとともに、上がり板厚を10mm以下に圧延し、前記任意のパス後の冷却速度を50℃/min以上とし、次いで熱間仕上げ圧延し、さらに30%以上の圧下率で冷間圧延して合金板を製造し、
前記合金板を所要形状に加工することを特徴とするアルミニウム放熱部材の製造方法。 - 前記パス前の材料温度を350〜440℃とする熱間粗圧延の任意のパスが、最終パスであることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記パス前の材料温度を350〜440℃とする熱間粗圧延の任意のパスが、最終パス以外のパスであることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記冷間圧延後で加工前に、前記合金板を180℃以下で最終焼鈍する工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記最終焼鈍温度が130〜150℃であることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記Mg含有量が0.35〜0.55 wt %であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記Si含有量が0.32〜0.60 wt %であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記Fe含有量が0.25 wt %以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記Cu含有量が0.10 wt %以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記パス前温度が380〜420℃であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記パス前の材料温度を350〜440℃とする熱間粗圧延の任意のパス圧延速度が50m/ min 以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記上がり板厚が8mm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記任意のパス後に行うパスを、材料温度250〜340℃で行うことを特徴とする請求項1または3に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記冷間圧延の圧下率が50%以上であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 前記熱間粗圧延の間に、圧延以外の別工程で熱処理しないことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一に記載のアルミニウム放熱部材の製造方法。
- 請求項1乃至15のいずれか一に記載の製造方法により製造されたアルミニウム放熱部材。
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