JP3949194B2 - バックアップリング付きオイルシール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールリップに加わる内部からの圧力を受け止めるバックアップリングと、外部からの塵埃等の侵入を防止するためのダストリップとを備えた耐圧性のバックアップリング付きオイルシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
バックアップリング付きのオイルシールとは、例えば図3に示すように、オイルシール101のシール部102に形成されたシールリップ103と、補強環104のフランジ部105の内側側面105aとの間にバックアップリング107を配置したものである。シール部102は、補強環104の環状部106を覆うとともに、フランジ部105の内側側面105aから延びるシールリップ103を有し、ゴム様弾性材料(ゴムまたはゴムに類似した物性を有する材料。以下同様。)で補強環104に一体に成形される。オイルシール101全体は、シールリップ103を軸108の表面に摺接させて、機械等のハウジング109の取付穴に嵌め込まれて使用される。
【0003】
オイルシール101を取り付けるハウジング109の内側Aの内部圧力が高い場合、その圧力によりシールリップ103が軸108に強く押し付けられて、シールリップ103が異常に摩耗したり、変形したりすることがある。これに対し、バックアップリング107を設けると、シールリップ103にかかる圧力が、バックアップリング107により受け止められるので、そのような不具合が生じない。また、このような耐圧性のオイルシールは、金属製の補強環104のフランジ部105をハウジング109のシールストッパ109aに当てて、オイルシール101全体にかかる内側Aからの内部圧力を受けるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバックアップリング付き耐圧性オイルシールでは、ハウジング109の外側Bから異物が侵入して、バックアップリング107やシールリップ103と軸108との間に挟み込まれた場合には、内側A内のオイル等に対するシール性能が低下することがある。そこで、そのような異物の侵入を防止するためのダストリップが必要となるが、図3に示した構造では、補強環104のフランジ部105の内周側端面にダストリップを設けようとしても、バックアップリング107に阻まれて、シール部102と一体化することができない。このため、2色成形によりダストリップをシール部102とは別体に成形したり、バックアップリング107に予めダストリップを接着しておくことも考えられるが、いずれも生産性が低下するという問題がある。そこで、補強環104に穴を開けて、シール部102を成形する際にゴム材料をその穴から流出させてダストリップを成形することもできるが、このようにすると、内部の圧力を受けた時に、シール部102のゴム材料がその穴からはみ出して圧力が吹き抜け、シール部102を破損させ、シール性を低下させる恐れがある。また、図4に示すように、補強環110のフランジ部111の内側側面111aと外側側面111bとを円周方向に交互に凹凸に形成して、内側側面111aに溝112を設け、シール部113の成形時に、シール部113のゴム材料を溝112に通してダストリップ114を形成することもできるが、この場合も同様に、内部の圧力を受けた時に、シール部113のゴム材料が溝112からはみ出して、シール性を低下させる恐れがある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、ダストリップの成形が容易で、シール性の高いバックアップリング付きオイルシールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、補強環のフランジ部の外側側面にのみ内外径方向に連通する溝を設けて、シール部の成形時にこれらの溝にゴム様弾性材料を通してダストリップを一体に成形し、フランジ部の前記溝にゴム様弾性材料が充填されるとともに、フランジ部の前記溝以外の部分においてはフランジ部の金属が露出するようにしたものであり、バックダストリップを容易に製造できるとともに、内部の圧力が高くても、ダストリップを成形するための溝がフランジ部の外側側面に形成されているので、圧力の吹き抜けがなく、さらにフランジ部の外側側面がハウジングのシールストッパに確実に当たり内部圧力の影響を受けることがほとんど無く、シール性の低下をもたらすことがない。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明によるバックアップリング付きのオイルシールは、軸方向に延びる環状部とこの環状部から半径方向内側に延びるフランジ部とからなる補強環と、内周側にシールリップを有し、補強環の環状部を覆うように一体に成形されたゴム様弾性材料からなるシール部と、補強環のフランジ部の外側側面にのみ形成された内外径方向に連通する溝を通してシール部と一体に成形されたダストリップと、補強環のフランジ部の内側側面とシール部のシールリップとの間に配置されたバックアップリングとを備えたものであり、シール部の成形時に、ゴム様弾性材料をフランジ部の外側側面の溝を通してダストリップまで導くことにより、ダストリップを容易に形成することができる。また、内部の圧力が高くても、ダストリップを成形するための溝がフランジ部の外側側面に形成されているので、内部圧力の影響を受けることがほとんど無く、シール性の低下をもたらすことがない。
【0008】
【実施例】
図1は本発明の一実施例を示している。図1において、オイルシール1は、金属製の補強環2と、ゴム様弾性材料からなるシール部3と、樹脂材料からなるバックアップリング4とを備えている。補強環2は、軸方向に延びる環状部5と、この環状部5から半径方向内側に延びるフランジ部6とからなる。フランジ部6には、図2に示すように、その外側側面にのみ、半径方向の外周側端部から内周側端部へ連続して放射状に配列された複数の溝7が設けられている。シール部3は、補強環2の環状部5を覆う取付部8と、取付部8から中心方向斜めに延びるシールリップ9と、補強環2のフランジ部6の外側側面にのみ設けた溝7を通って取付部8と一体に連続するダストリップ10とからなる。バックアップリング4は、補強環2のフランジ部6の内側側面6aとシール部3のシールリップ9との間に配置されている。
【0009】
このようなオイルシールは、一般に圧縮成形等により製造され、シール部3の外形形状と同様な形状のキャビティを有する上下の金型内に補強環2および定量のゴム材料を配置して金型を閉じて加熱することにより、内部のゴム材料がキャビティ内を流動してキャビティすなわちシール部3の形状に形成される。その過程で、取付部8のゴム材料が補強環2のフランジ部6の外側側面に設けた溝7を通ってダストリップ10のためのキャビティ内に押し出されて、ダストリップ10が成形される。
【0010】
このようにして成形されたオイルシール1は、ハウジング11に取り付けられて使用された時に、内側Aの内部圧力が高く、その圧力がシール部3にかかっても、溝7は補強環2のフランジ部6の外側側面に設けられているため、圧力を受ける取付部8の端部からダストリップ10の付け根までの距離が長くなり、その部分のゴム材料の流動抵抗が増すので、圧力の吹き抜けを防止することができ、シール性を高めることができる。また、フランジ部6の溝7の部分にはゴム材料が充填されているが、溝7以外はフランジ部6の金属部分が露出しており、この部分がハウジング11のシールストッパ11aに接触しているので、高い耐圧性能を得ることができる。
【0011】
なおバックアップリング4は、オイルシール1を成形後に装着することもできるが、オイルシール1の成形時に、金型内にバックアップリングを配置して、オイルシール1と一体に成形した方がフィット性や生産性の上で好ましい。
【0012】
また溝7は本実施例のように必ずしも放射状に複数設ける必要はなく、クランク状に設ける等しても良く、溝の数も1本であっても良い。
【0013】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるバックアップリング付きオイルシールは、補強環のフランジ部の外側側面にのみ内外径方向に連通する溝を設けて、シール部の成形時にこれらの溝を通してゴム様弾性材料を導くようにしたので、ダストリップをシール部と一体に容易に成形することができ、また内部の圧力が高くなっても、溝はフランジ部の外側側面に形成されているので、内部圧力の影響を受けることがほとんど無く、生産性およびシール性の高いバックアップリング付きオイルシールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すバックアップリング付きオイルシールの部分断面図。
【図2】同バックアップリング付きオイルシールにおける補強環の斜視図。
【図3】従来のバックアップリング付きオイルシールの一例を示す部分断面図。
【図4】従来のバックアップリング付きオイルシールの別の例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 オイルシール
2 補強環
3 シール部
4 バックアップリング
5 補強環の環状部
6 補強環のフランジ部
7 補強環の溝
8 シール部の取付部
9 シール部のシールリップ
10 シール部のダストリップ
11 ハウジング
11a ハウジングのシールストッパ
Claims (1)
- 軸方向に延びる環状部とこの環状部から半径方向内側に延びるフランジ部とからなる金属製の補強環と、内周側にシールリップを有し、前記補強環の環状部を覆うように一体に成形されたゴム様弾性材料からなるシール部と、前記補強環のフランジ部の外側側面にのみ形成された内外径方向に連通する溝のみを通して前記シール部と一体に成形されたダストリップと、前記補強環のフランジ部の内側側面と前記シール部のシールリップとの間に配置されたバックアップリングとを備え、フランジ部の前記溝にゴム様弾性材料が充填されるとともに、フランジ部の外側側面の、前記溝以外の部分はフランジ部の金属が露出しているバックアップリング付きオイルシール。
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