JP3859802B2 - バックアップリング付きオイルシール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールリップに加わる内部からの圧力を受け止めるバックアップリングと、外部からの塵埃等の侵入を防止するためのダストリップとを備えた耐圧性のバックアップリング付きオイルシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のこの種のオイルシールの一例を示している。オイルシール1は、断面L字形の金属製の補強環2に、ゴム様弾性材料からなるシール部3とダストリップ4とを一体に成形し、補強環2とシール部3のシールリップ5との間に樹脂製のバックアップリング6を設けたものである。オイルシール1を取り付けるハウジング7の内側Aの内部圧力が高い場合、その圧力によりシールリップ5が軸8に強く押し付けられて、シールリップ5が異常に摩耗したり、変形したりすることがある。これに対し、バックアップリング6を設けると、シールリップ5にかかる圧力がバックアップリング6により受け止められるので、そのような不具合が生じない。また、金属製の補強環2のフランジ部2aをハウジング7のシールストッパ7aに当てて、オイルシール1全体にかかる内側Aからの内部圧力を受け止めるようになっている。そしてダストリップ4により、外側Bからの塵埃等の侵入を防止するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなオイルシール1は、シール部3とダストリップ4とが補強環2によって隔てられているため、両者を一体に成形するためには特別な工夫が必要である。図3に示したオイルシール1では、製造時に金型内において補強環2のフランジ部2aの内側に放射状に複数個設けた溝9を通じて、シール部3のゴム様弾性材料をダストリップ部まで流動させ、ダストリップ4をシール部3と一体に成形していた。しかしながら、このような方法は生産性に優れているものの、図4に示すように、溝9が補強環2のフランジ部2aにそれぞれ中心部に向かうように放射状に形成されているため、ゴム様弾性材料Rが流動時に溝9を通過した後円周方向に分流して融合部において流れがぶつかるため融合不良が発生したり、融合部に亀裂が入ってダストリップのシール性を低下させることがあった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、シール性能の良好なバックアップリング付きオイルシールを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、バックアップリングと補強環との接触部に、シール部からダストリップに向かうとともに、ダストリップの中心部に対して傾斜する溝を設け、この溝を通してダストリップをシール部と一体に成形したものである。溝がこのようにダストリップの中心部に対して傾斜しているので、シール部のゴム様弾性材料がこの溝を通ってダストリップ部に向かうときの流れが一方向になり融合部でスムーズに合流して、融合不良や亀裂の発生がなくなり、ダストリップのシール性能の高いオイルシールを得ることができる。
【0006】
また、このような溝は、補強環とバックアップリングのいずれに設けることもできるが、樹脂製のバックアップリングに設ける方が、溝形成や型製作が容易になり、製造コストを低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態を示している。オイルシール11は、断面L字形の金属製の補強環12に、ゴム様弾性材料からなるシール部13とダストリップ14とを一体に成形し、補強環12とシール部13のシールリップ15との間に樹脂製のバックアップリング16を設けたものである。補強環12は、軸方向に延びる環状部12aと、この環状部12aから半径方向内側に延びるフランジ部12bとからなり、フランジ部12bがハウジング17のシールストッパ17aに当接している。シール部13は、外周側に補強環12の環状部12aを覆ってハウジング17に取り付けられる取付部13aを有し、内周側に軸18に圧接するシールリップ15を有する。ダストリップ14は、補強環12のフランジ部12bの内周側端部に、バックアップリング16の補強環12に当接する部分に設けられた複数の溝19を通じてシール部13と一体に成形されている。溝19は、図2に示すように、バックアップリング16のシール部13側からダストリップ14側に向けて、円形のダストリップ14の接線方向に向くように設けられている。
【0008】
このオイルシール11を圧縮成形により成形する場合、金型内に補強環12およびバックアップリング16を設置し、ブロック状のゴム様弾性材料Rをシール部13のキャビティ内に設置し、金型を閉じて圧縮し加熱することにより、ゴム様弾性材料Rがキャビティ内を流動して、シール部13から溝19を通ってダストリップ14の部分に流れ、ダストリップ14とシール部13が一体に成形される。ゴム様弾性材料Rがシール部13からダストリップ14の部分まで流動するとき、溝19がダストリップ14の接線方向に向いているため、ゴム様弾性材料Rが一方向にスムーズに流れ、ダストリップ14の融合部で良好に合流して、融合不良や亀裂が発生することがない。
【0009】
本実施の形態では、溝19は、シール部13からダストリップ14に向かうとともに、円形のダストリップ14の接線方向に向いているが、これに限定されるものではなく、ダストリップ14の中心部に対して傾斜している、すなわち中心部に向かっていなければよい。但し、溝19を複数個設ける場合、各溝は、ダストリップ14の円周方向に見て同一方向に傾斜していることが必要である。また溝19は、バックアップリング16でなく、鋳鉄製の補強環12に設けてもよいが、バックアップリング16は樹脂製なので、鋳鉄製よりも溝の形成が容易であり、溝を成形する際の金型の製作も容易になる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、上記実施の形態から明らかなように、バックアップリングと補強環との接触部に、シール部からダストリップに向かうとともに、ダストリップの中心部に対して傾斜する溝を設け、この溝を通してダストリップとシール部を一体に成形したので、ダストリップの融合が確実になり、融合不良や亀裂の発生がなくなり、ダストリップのシール性能の高いオイルシールが得られる。また、溝を樹脂製のバックアップリングに設けることにより、溝形成や型製作が容易になり、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すオイルシールの部分断面図。
【図2】本発明の実施の形態におけるシール部のゴム様弾性材料がバックアップリングの溝を通ってダストリップに流れる状態を示す模式図。
【図3】従来例を示すオイルシールの部分断面図。
【図4】従来例におけるシール部のゴム様弾性材料が補強環の溝を通ってダストリップに流れる状態を示す模式図。
【符号の説明】
11 オイルシール
12 補強環
12a 環状部
12b フランジ部
13 シール部
13a 取付部
14 ダストリップ
15 シールリップ
16 バックアップリング
17 ハウジング
17a シールストッパ
18 軸
19 溝
Claims (2)
- 軸方向に延びる環状部とこの環状部から半径方向内側に延びるフランジ部とからなる補強環と、内周側にシールリップを有し、前記補強環に一体に成形されたゴム様弾性材料からなるシール部と、前記補強環のフランジ部の内周側端部に前記シール部と一体に成形されたダストリップと、前記補強環のフランジ部内周側端部とシール部との間に設けられたバックアップリングとを備えたオイルシールにおいて、前記バックアップリングと補強環との接触部に、前記シール部からダストリップに向かうとともにダストリップの中心部に対して傾斜する溝を設け、この溝を通してダストリップをシール部と一体に成形したバックアップリング付きオイルシール。
- 溝をバックアップリングに形成した請求項1に記載のバックアップリング付きオイルシール。
Priority Applications (1)
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JP08085497A JP3859802B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | バックアップリング付きオイルシール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08085497A JP3859802B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | バックアップリング付きオイルシール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10274339A JPH10274339A (ja) | 1998-10-13 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08085497A Expired - Fee Related JP3859802B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | バックアップリング付きオイルシール |
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1997
- 1997-03-31 JP JP08085497A patent/JP3859802B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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