JP3948813B2 - シート自動貼り合せ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はシート自動貼り合せ装置、さらに詳細には台形状シートを所定の貼り合せ代で自動的に重ね合わせる装置に関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】
ゴルフクラブシャフト、釣竿などのようにテーパを有するシャフトを製造する場合に、補強繊維が引き揃えられたエポキシ樹脂のプリプレグシートをシャフト状に捲回し、硬化させて製造する方法が知られている。このような製造方法の場合に、シャフトの強度、捩り剛性などを調整するために台形状のプリプレグシートを重ね合わせてシャフト状に捲回し、硬化せしめる場合が一般的である。
【0003】
上述のようにシートを重ね合わせるときに、台形状に裁断されたシートを貼り合せ代を一定にするゲージを使用して手で貼り合せ、圧着プレスで仮止めして剥がれを防止するのが一般的であった。このように手作業で貼り合せを行うのは手間がかかるばかりでなく貼り合せ代が一定とならないおそれがあり、前記プリプレグをシャフト状にして硬化せしめたとき段差などを生じるおそれがあった。
【0004】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、前述のシートを所定の貼り合せ代で自動的に貼り合せる装置を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明によるシート自動貼り合せ装置は、相互に貼り合される台形状のシートを搬送するための複数の並列に並べられたコンベアーと、前記シートが並列に収納されたストッカーと、前記複数のシートを複数の前記コンベアーに移送する移送装置部と、前記コンベアーで搬送されたシートを持ち上げて他のコンベアーで搬送されたシート上に前記コンベアー上で重ね合わせ、かつ前記シートのコンベアー間の移動距離を変化可能な貼り合せ装置部とを備えているとともに、前記コンベアーは進行方向に垂直な方向に傾斜していることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、コンベアー上に移送された台形状のシートはコンベアーが傾斜しているため、その一辺をコンベアー端部に支持案内されて搬送されることになり、コンベアーで搬送される複数のシートは進行方向に垂直な方向に所定角度傾斜して搬送され、かつそのまま重ね合わされることになるため、一定の貼り合せ代で自動的に貼り合せることができる。
【0007】
【実施例】
図1、図2は本発明によるシート自動貼り合せ装置の一実施例の斜視図および概略平面図である。シート自動貼り合せ装置は破線に示すように傾斜しているが、理解しやすいように図1および図2は傾斜していない状態を示している。この図より明らかなように本発明によるシート自動貼り合せ装置は、二つのコンベアー1を有している。この場合二枚のシートを相互に貼り合せるようになっている。
【0008】
コンベアー1の一方の端部付近の側部にストッカー2が設けられており、貼り合せるべきシートSが隔壁21によって分けられて、並列に収納されている。このストッカー2の対応する位置でコンベアー1を上部をまたぐように移送装置部3の架台31が設けられており、この架台31に複数の吸盤32がそれぞれのコンベアー1の長手方向に所定間隔で2列設けられている。この吸盤32はガイド軸33により前記コンベアー1の上部よりコンベアー1の巾方向にストッカー2の上部まで移動可能になっているとともに、昇降シリンダ34により上下方向にも移動可能になっている。
【0009】
コンベアー1の他端部には、貼り合せ装置4がコンベアー1の上部にまたぐように設けられている。この貼り合せ装置部4は所定間隔でコンベアー1の長手方向に設けられた一列の吸盤41群を有しており、これらの吸盤41はガイド軸42にガイドされて巾方向に一方のコンベアー1上から他方のコンベアー1上に移動可能になっているとともに、前記昇降シリンダー43によって上下方向にも移動可能になっている(シート持ち上げ移送手段)。
【0010】
さらに、それぞれの傾斜したコンベアー1の下方の側部には位置決めガイド板44が立設されており、この位置決めガイド板44にシートSの一辺が当接してガイドされるようになっている。一方、それぞれのコンベアーの他方の側部には同様に幅寄せガイド板45が立設されており、この幅寄せガイド板45は巾方向に移動可能になっており、シートSを所定位置にセットする補助的な作用を営む。
【0011】
また前記コンベアー1を横切って巾方向に開閉自在のストッパー46が設けられており、前記コンベアー1で搬送されたシートSの端部が接触したときに前記シートSを停止させて所定位置に保持しておく作用を営むようになっている。
【0012】
この実施例においては、スポット溶接機5が重ね合わされる方のコンベアー1の下端側部の上部に所定間隔で複数設けられており、重ね合わされたシートSをスポット溶着して仮止めし貼り合せるようになっている。
【0013】
【作用】
図3および図4は本発明の作用を説明する概略平面図であるが、これらの図より明らかなように、移送装置部3の吸盤32は昇降シリンダ34によって上昇された状態で、ガイド軸33にそって横方向に移動し、ストッカー2の上部で停止する。次いで昇降シリンダ34により吸盤32を下降させてシートSを前記吸盤32により吸着させた後、昇降シリンダ34を上昇させて、ガイド軸33にそってコンベアー1方向に移動させる。シートSがコンベアー1上に来たときに移動を停止し、昇降シリンダ34を下降させてコンベアー1上にシートSを載置し、吸盤32の吸引を解除してコンベアー1上にシートSをセットする(図3(a)参照)。
【0014】
コンベアー1は前記二枚のシートSを貼り合せ装置部4方向に搬送し、前記シートSの端部がストッパー46に当接したときに停止させる。この搬送時にシートSは、コンベアー1が傾斜しているため、図3の(b)に示すように台形状の一辺がコンベアー1の端部に当接してコンベアー1と平行になる。
【0015】
このように貼り合せ装置部4の下部にセットされた二枚のシートSは前記シートSの一辺が確実にコンベアー1と平行になるように、位置決めガイド板44方向に幅寄せガイド板45によって押して所定位置にシートSをセットした後、上昇していた吸盤41を昇降シリンダ43により下降させて、一方のシートSを吸着して昇降シリンダ43により持ち上げる(図3(c)参照)。次いで、吸盤41を他方のコンベアー1上にガイド軸42に沿って移動させて停止させる。次に前記昇降シリンダ43により吸盤41を下降させてシートSを他方のシートSに重ね合わせる。このとき前記吸盤41の移動距離によって、貼り合せ代Pの巾Lを調整することができる(図4(d))。
【0016】
このようにシートSを相互に貼り合せた後、スポット溶接機5によって複数箇所溶着して、相互に剥離しないようにする(図4(e)参照)。この後、前記ストッパー46を解除してコンベアー1で貼り合せたシートを搬送してストッカー(図示せず)に貯蔵する。
【0017】
上記実施例によるシート自動貼り合せ装置によれば、前述の貼り合せ装置部の吸盤(シート持ち上げ移送手段)の移動距離を調整するだけで、貼り合せ代Pの巾Lを調整可能である。またこの実施例においては二つのコンベアー1は平行であるが、一方のコンベアー1の角度を変化させることによって、貼り合せ代が順次増加ないし減少するような貼り合せ方も可能になる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるシート自動貼り合せ装置は、コンベアー上に移送された台形状のシートはコンベアーが傾斜しているため、その一辺をコンベアー端部に支持案内されて搬送されることになり、コンベアーで搬送される複数のシートは所定方向に所定角度傾斜して搬送され、かつそのまま重ね合わされることになるため、一定の貼り合せ代で自動的に貼り合せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシート貼り合せ装置の一実施例の斜視図。
【図2】前記実施例の概略平面図。
【図3】本発明の作用を説明するための平面図。
【図4】本発明の作用を説明するための平面図。
【図5】貼り合されたシートの状態を示す平面図。
【符号の説明】
1 コンベアー
2 ストッカー
3 移送装置部
32 吸盤
33 ガイド軸
34 昇降シリンダ
4 貼り合せ装置部
41 吸盤
42 ガイド軸
43 昇降シリンダ
46 ストッパー
Claims (4)
- 相互に貼り合される台形状のシートを搬送するための複数の並列に並べられたコンベアーと、前記シートが並列に収納されたストッカーと、前記複数のシートを複数の前記コンベアーに移送する移送装置部と、前記コンベアーで搬送されたシートを持ち上げて他のコンベアーで搬送されたシート上に前記コンベアー上で重ね合わせ、かつ前記シートのコンベアー間の移動距離を変化可能な貼り合せ装置部とを備えているとともに、前記コンベアーは進行方向に垂直な方向に傾斜していることを特徴とするシート自動貼り合せ装置。
- 前記移送装置部はストッカーとコンベアー間を移動可能で、かつ長手方向に並べられた複数列の吸盤を有しており、この吸盤によりシートを吸着移送するようになっていることを特徴とする請求項1記載のシート自動貼り合せ装置。
- 前記貼り合せ装置部はコンベアー間を移動可能な吸盤を有しており、この吸盤によりシートを吸着移送するようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート自動貼り合せ装置。
- 前記複数のコンベアーの進行方向の角度を変化可能にしたことを特徴とする請求項1から3記載のいずれかのシート自動貼り合せ装置。
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- 1998-02-24 JP JP05881798A patent/JP3948813B2/ja not_active Expired - Fee Related
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