JP4073713B2 - 物体の積み重ね装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば積層されたダンボールシートなどの物体を、パレット上に載置し、その物体上にさらにベニヤ板などの保護部材を載置して積み重ねる物体の積み重ね装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、ダンボールシート工場から出荷するにあたり、パレット上に、積層されたダンボールシートを載置し、そのダンボールシートの上にベニヤ板を載置し、これらの3者を、ベルトで縛って、後述の図2の荷姿の梱包状態とする。出荷先のたとえば飲料水メーカなどでは、ダンボールシートを使用するために、作業者はベルトを取外し、パレットとベニヤ板との間に介在されているダンボールシートを取出し、その後、パレット上にベニヤ板を載置し、このようにしてパレットとベニヤ板とが上下に積み重ねられた複数の組合せ体を、上下に組み合せて、ダンボールシート工場に戻す。
【0003】
パレット上にベニヤ板が重ねられた複数の組合せ体が上下に積み重ねられて回収されてきたダンボールシート工場では、作業者が、パレットとベニヤ板とを分離してそれぞれ保管する。こうして保管されたパレットとベニヤ板とを用いて、ダンボールシートを再び梱包する作業を行う。
【0004】
このような先行技術では、ダンボールシート工場では、回収されてきたパレット上にベニヤ板が載置された複数の組合せ体が、上下に積み重ねられており、したがって作業者がパレットとベニヤ板とを分離して保管しなければならない。このようなパレットとベニヤ板との分離保管作業に手間がかかり、作業能率が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上下に積み重ねられた複数の各組合せ体のパレットとベニヤ板などの保護部材とを分離してパレット上に物体を載置し、その物体上に保護部材を載置し、これによって梱包などを容易にすることができる物体の積み重ね装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)パレットとこのパレット上に乗載された保護部材とから成る複数の各組合せ体を、順次的に供給する第1供給手段であって、この第1供給手段は、
(a1)パレット保持手段であって、
検出手段に向う組合せ体の取出し方向26に相互に間隔をあけて配置され、かつ前記取出し方向に垂直で水平に延びる複数のフォーク部材と、
フォーク部材を、パレットの支持孔に挿入/離脱するように駆動するフォーク部材駆動手段とを有するパレット保持手段と、
(a2)フォーク部材よりも下方に配置され、積み重ねられた組合せ体に応じ、最下段の組合せ体を受けて、昇降駆動するリフタと、
(a3)リフタの下降位置にもたらされた最下段の組合せ体を、前記取出し方向に搬送する第1搬送手段と、
(a4)制御手段であって、
リフタによって支持された下から2段目の組合せ体が載置されたパレットの支持孔に、パレット保持手段のフォーク部材駆動手段によってフォーク部材を挿入して保持し、
次に、リフタによって最下段の組合せ体を下降して、第1搬送手段によって搬送して取出す制御手段とを含む第1供給手段と、
(b)第1供給手段から供給される組合せ体の保護部材を検出する検出手段と、
(c)物体を供給する第2供給手段と、
(d)検出手段の出力に応答し、保護部材が検出されたとき、パレット上から保護部材を取除き、次に、第2供給手段からの物体を移動してパレット上に載置し、その後、前記取除いた保護部材を移動して物体上に載置する物体移動手段とを含むことを特徴とする物体の積み重ね装置である。
【0007】
本発明に従えば、第1供給手段3からは、組合せ体2を1つずつ順次的に供給し、検出手段6によって保護部材5が検出されたとき、物体移動手段は、その保護部材を先ず取除き、次に第2供給手段8からの物体をパレット4上に載置し、その後、前記取除いた保護部材を、物体上に載置する。したがって、組合せ体のパレットから保護部材を作業者が分離して取除く作業が不要となり、作業能率が向上する。
【0008】
組合せ体は、パレットと、このパレット上に載置された保護部材とから成り、保護部材は、たとえばベニヤ板などから成ってもよく、この支持部材は板状であって、たとえば天板と呼ぶことができる。検出手段は、パレット上の保護部材を検出し、その保護部材の有無を検出し、さらに保護部材が単一枚であるか複数枚であるかなどを検出することができてもよい。このような検出手段は、たとえば組合せ体の上方の予め定める固定位置から、組合せ体の上面までの距離を、検出する構成を有してもよく、そのほかの構成を有してもよい。
【0009】
物体は、たとえばダンボールシートが積層された構成を有してもよく、またはそのようなダンボールシートが組立てられて形成されたケースであってもよく、そのほかの種類の物体であってもよい。
【0011】
また、パレットと保護部材とから成る複数の各組合せ体がリフタ上で上下に積み重ねられた状態で先ず、パレット保持手段のフォーク部材が、下から2段目のパレットの挿入孔に挿入され、次にリフタが下降することによって、下から2段目およびそれよりも上に積み重ねられた組合せ体が、上下の位置を保持されたままで、最下段の組合せ体が下降されて、第1搬送手段に搬送可能な状態とされ、その最下段の組合せ体が第1搬送手段27によって前記取出し方向に、検出手段に向けて搬送される。
【0012】
また本発明は、第1搬送手段から搬送される組合せ体を、予め定める搬送方向13に搬送する第2搬送手段をさらに含み、
前記検出手段は、第2搬送手段の搬送経路の途中に配置され、
第2搬送手段の搬送経路の前記検出手段よりも下流側に、物体移動手段による保護部材のパレットからの取除き、物体のパレット上への載置、および保護部材の物体上への載置を行う作業領域が配置されることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、第1供給手段に備えられている第1搬送手段からのパレットと保護部材とから成る組合せ体が、第2搬送手段によって搬送され、この第2搬送手段の搬送経路の途中に配置された検出手段によって、パレット上に保護部材が乗載されているかどうかを少なくとも検出する。保護部材がパレット上に乗載されていれば、作業領域69で、物体移動手段の働きによって先ず、保護部材がパレットから取除かれ、次に、そのパレット上へ物体が載置され、その後、保護部材が物体上に載置される。
【0014】
また本発明は、物体移動手段は、鉛直軸線まわりに旋回可能であり、複数のアームが関節によって連結されるロボットであり、
ロボットのアームの先端部の手首には、
物体をその物体の両側部で把持する一対の把持部材と、
把持部材を相互の近接方向およびその逆方向に近接/離反駆動する把持部材駆動手段と、
下方に臨む吸着部を有し、保護部材の上面を真空吸着する真空吸着部材と、真空吸着部材に接続される負圧源とを含む作業手段が装着されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、組合せ体のパレット上に物体を乗載した後、保護部材を乗載する物体作業手段は、たとえば複数軸(たとえば6軸)などの作業用ロボットによって実現され、このアームの先端部の手首に、物体を両側部で把持する一対の把持部材を把持部材駆動手段によって相互に近接/離反駆動して把持部材を把持することができるように構成される。手首にはさらに、保護部材の上面を真空吸着する吸着パッドなどの真空吸着部材が設けられ、負圧源で保護部材を真空吸着することができる。こうしてロボットの手首の動作によって、保護部材の移動と物体の移動とを行うことができ、作業性が良好である。
【0016】
また本発明は、第2供給手段は、物体を搬送する第3搬送手段を有し、
ロボットは、第2搬送手段の搬送経路の一側方で、前記作業領域付近に配置され、
第2搬送手段の前記搬送方向に沿ってロボットに関して上流および下流のいずれか一方に、保護部材を仮置きする仮置き領域が設定され、
いずれか他方に、パレットに載置すべき物体を搬送する第3搬送手段が配置されることを特徴とする。
【0017】
ロボットは、第2搬送手段11の搬送経路の一側方に配置され、その搬送方向のロボットに関する両側に、仮置き領域71と、物体を搬送する第3搬送手段67が配置される。したがってロボットの手首は、鉛直の旋回軸線73まわりに、前記作業領域69と前記仮置き領域と第3搬送手段とにわたって、たとえば180度旋回可能であればよく、これによって作業空間が抑制され、作業能率が高まる。
【0018】
また本発明は、パレットおよび保護部材の平面形状は、長方形であり、
パレットおよび保護部材の各長辺を、第1搬送手段の取出し方向および第2搬送手段の搬送方向13に揃えられ、
物体の平面形状も、パレットおよび保護部材の平面形状に相似である長方形であり、
第3搬送手段は、物体の短辺を、第2搬送手段の搬送方向に沿って平行にして、搬送することを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、パレット、保護部材および物体の平面形状がいずれも相似である長方形であって、その長辺が第1搬送手段の取出し方向および第2搬送手段の搬送方向に揃えられて、組合せ体が作業領域69に搬送され、物体は第3搬送手段67によってその物体の短辺が第2搬送手段の搬送方向に沿って平行に搬送されるので、ロボットの把持部材による物体の第3搬送手段から作業領域69にあるパレット上へのたとえば90度の旋回によって移動、載置が可能になり、作業能率が高まる。
また本発明は、(a)パレットとこのパレット上に乗載された保護部材とから成る複数の各組合せ体を、順次的に供給する第1供給手段と、
(b)第1供給手段から供給される組合せ体の保護部材を検出する検出手段と、
(c)物体を供給する第2供給手段と、
(d)検出手段の出力に応答し、保護部材が検出されたとき、パレット上から保護部材を取除き、次に、第2供給手段からの物体を移動してパレット上に載置し、その後、前記取除いた保護部材を移動して物体上に載置する物体移動手段であって、この物体移動手段は、鉛直軸線まわりに旋回可能であり、複数のアームが関節によって連結されるロボットであり、
ロボットのアームの先端部の手首には、
物体をその物体の両側部で把持する一対の把持部材と、
把持部材を相互の近接方向およびその逆方向に近接/離反駆動する把持部材駆動手段と、
下方に臨む吸着部を有し、保護部材の上面を真空吸着する真空吸着部材と、
真空吸着部材に接続される負圧源とを含む作業手段が装着される物体移動手段とを含むことを特徴とする物体の積み重ね装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の物体の積み重ね装置1の平面図である。この積み重ね装置1は基本的に、組合せ体2(後述の図2および図3参照)を順次的に1つずつ供給する第1供給手段3と、組合せ体2のパレット4上に保護部材であるベニヤ板5が乗載されているかどうかを検出する検出手段6と、積層されたダンボールシートなどである物体7を供給する第2供給手段8と、組合せ体のパレット4上からベニヤ板5を取除き、物体7をパレット4上に載置し、その取除いたベニヤ板5を物体7上に載置する物体移動手段であるロボット9とを含む。第1供給手段3からの組合せ体2は、第2搬送手段11の搬送経路12を搬送方向13に搬送される。検出手段6は、搬送経路12の途中に配置される。
【0021】
図2は、物体の積み重ね装置1によって、パレット4上に物体7が載置され、さらにその物体7の上に物体7を保護するためのベニヤ板5が載置され、ベルト15a,15bによってこれらの3者4,7,5が縛られて梱包され、ダンボール工場から出荷される出荷姿勢を示す斜視図である。ベルト15a,15bは斜線を施して示されている。
【0022】
パレット4は、上下の平板16,17間に3つのスペーサ18,19,20が介在されて2つの支持孔21,22が形成されて構成される。このパレット4は、木製または樹脂製である。パレット4、ベニヤ板5および物体7はいずれも、その平面形状が相似である長方形であり、第2搬送手段11の搬送方向13に、これらの長辺が揃えられ、この搬送方向13に、パレット4の支持孔21,22が前後に隣接する。
【0023】
ダンボール工場から図2の荷姿で物体7が梱包されて出荷され、この出荷先の工場では、ベルト15a,15bが取外されて物体7が使用される。図2の荷姿から物体7が取外された後、パレット4上にはベニヤ板5が載置された状態とされる。こうしてパレット4とベニヤ板5とから成る複数の組合せ体2は、上下に積み重ねられて、出荷先の工場から、ダンボール工場に運搬されて戻される。
【0024】
図3は、パレット4上にベニヤ板5が載置された複数の組合せ体2が上下に積み重ねられてダンボールシート工場に戻されてきた荷姿の状態を示す側面図である。ベニヤ板5には、図3において斜線を施して示されている。このような図3に示される荷姿において、上下に積み重ねられた複数の組合せ体2のうち、最下段には参照符2aを付し、下から2段目の組合せ体には参照符2bを付して示す。第1供給手段3では、図3に示される積み重ねられた複数の組合せ体2のうち、最下段の組合せ体2aを、順次的に取出して、第2搬送手段11に搬送する。
【0025】
図4は、第1供給手段3の構成を簡略化して示す断面図である。第1供給手段3は基本的に、パレット保持手段24と、リフタ25と、最下段の組合せ体2aを取出し方向26に取出して搬送する第1搬送手段27と、リフタ25および第1搬送手段27の動作を制御する制御手段28(後述の図8参照)とを含む。
【0026】
パレット保持手段24は、複数(たとえば一対)のフォーク部材31,32と、これらのフォーク部材31,32を駆動するフォーク部材駆動手段33とを含む。フォーク部材31,32は、取出し方向(図4の紙面に垂直方向)26に相互に間隔をあけて配置され、その取出し方向26に垂直で水平に延びる。これらのフォーク部材31,32は、パレット4の支持孔21,22にそれぞれ挿入/離脱可能である。フォーク部材駆動手段33は、たとえば電動モータによって実現されてもよい。
【0027】
リフタ25は、水平な受け部35をリンク機構36によって支持して上下動をすることができる。このリンク機構36は、伸縮駆動する油圧シリンダ37によって駆動される。
【0028】
図4(1)では、リフタ25の受け部35は、パレット切出し位置にあり、パレット保持手段24のフォーク部材31,32は退避位置にある。図4(2)は、リフタ25の受け部35が下降した状態であって、このときパレット保持手段24のフォーク部材31,32は伸長し、組合せ体2bの支持孔21,22に挿入して積み重ねられた1または複数の組合せ体2を保持した状態を示す。この図4(1)におけるリフタ25の受け部35がパレット切出し位置にある状態で、下から2段目の組合せ体2bのパレット4bの支持孔21,22とフォーク部材31,32とは、上下の同一高さ位置にある。フォーク部材31,32は、取出し方向26に垂直な図4の左右方向に延びる。
【0029】
第1搬送手段27は、取出し方向26に沿って水平に延びる搬送部を有する1対の搬送コンベア41,42を有し、これらの搬送コンベア41,42の搬送部に、リフタ25の受け部35上の最下段の組合せ体2aが、リフタ25の受け部35の下降によって支持される。第1搬送手段27は、たとえばローラコンベアまたはチェーンコンベアによって実現されてもよい。図4(2)において、リフタ25の受け部35に乗載された最下段の組合せ体2aは、その受け部35がさらに下降されて下限値44にもたらされたとき、最下段の組合せ体2aのベニヤ板5aが乗載されたパレット4aの下面を、搬送コンベア41,42の搬送部が支持する。こうして搬送コンベア41,42の駆動によって、最下部の組合せ体2aが、取出し方向26に取出されて第2搬送手段11の搬送方向13に搬送されることができるようになる。図4(2)では、下から2段目の組合せ体2bおよびその最下段2b上に積み重ねられたそのほかの組合せ体2は、パレット保持手段24によって保持されている。
【0030】
図5は、検出手段6を示す断面図である。第1供給手段3から単一の組合せ体2が供給され、このパレット4上に単一枚のベニヤ板5が載置されているかどうかを、検出手段6によって検出することができる。検出手段6は、組合せ体2の最上面との間の距離L1を検出する働きをし、これによってベニヤ板5の有無を検出することができ、さらにそのベニヤ板5が単一枚であって正常であるか、またはベニヤ板5が存在せず、もしくは複数枚載置されている異常状態であるかを検出することができる。検出手段6は固定位置にスタンド45によって支持されており、第2搬送手段11の搬送経路12の上方から、その搬送経路12に臨む。
【0031】
図6は物体7を把持した状態を示すロボット9の側面図であり、図7は組合せ体2のベニヤ板5を真空吸着する状態を示すロボット9の側面図である。このロボット9は、6軸多関節産業用ロボットである。本発明の実施の他の形態では、ロボット9は4軸多関節産業用ロボットであってもよい。基台49には、第1軸J1の下部アーム50が、鉛直である旋回軸線73まわりに旋回可能に取付けられるとともに、水平な第2軸J2まわりに角変位可能である。下部アーム50の上端部には、上部アーム51が第2軸J2に平行な第3軸J3まわりに角変位可能に設けられる。この上部アーム51は、第3軸J3に垂直な第4軸J4まわりに角変位可能である。上部アーム51の先端部には、手首52が取付けられる。この手首52は、第4軸J4に垂直な第5軸J5まわりに角変位可能であり、この第5軸J5に垂直な手首軸線J6まわりに、たとえば180度角変位可能に設けられる。
【0032】
手首52に取付けられる作業手段54は、物体7をその物体7の両側部(図6の左右、前述の図1の左右)で把持する1対の把持部材55,56と、これらの把持部材55,56を相互の近接方向およびその逆方向に近接/離反駆動する把持部材駆動手段57とを含む。把持部材駆動手段57は、たとえば電動モータによって実現されてもよい。さらにこの作業手段54は、把持部材55,56よりもさらに外側方に配置された1対の真空吸着部材58,59を含む。これらの真空吸着部材58,59は、下方に臨む吸着部を有し、ベニヤ板5の最上面を真空吸着することができる。これらの真空吸着部材58,59は、可撓管などの管を介して真空ポンプなどの負圧源61に接続される。下部アーム50および上部アーム51をそれぞれ補強するために平行四辺形リンクを構成する補助アーム62,63が設けられる。
【0033】
再び図1を参照して、第2供給手段8は、物体7を搬送方向65に搬送して供給位置に供給する第3搬送手段67を含む。第3搬送手段67は、物体7の短辺を、搬送方向65に沿って平行にして搬送する。この搬送方向65は、第2搬送手段11の搬送方向13と平行である。第1供給手段3の取出し方向26は、第2搬送手段11の搬送方向13とともに、水平な一直線上にある。
【0034】
ロボット9は、第2搬送手段11の搬送経路12の一側方(図1の上方)で、作業領域69付近に配置される。この第2搬送手段11の搬送方向13に沿ってロボット9に関して上流側に、ベニヤ板5を仮置き領域71が設定される。ロボット9に関して搬送方向13の下流側には、第2供給手段8、したがって第3搬送手段67が配置される。こうしてロボット9に関して第2搬送手段11の搬送方向13の両側に、仮置き領域71と第2供給手段8とが配置されるので、ロボット9の作業手段54は、鉛直に旋回する第1軸J1のまわりに作業領域69に関してθ1,θ2だけ往復角変位可能であり、この実施の形態ではθ1=θ2=90度である。
【0035】
図8は、図1〜図7に示される実施の形態における電気的構成を示す簡略化したブロック図である。マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路28には、ベニヤ板5を検出する検出手段6からの出力が与えられる。この処理回路28は、パレット保持手段24、リフタ25、第1搬送手段27、第2搬送手段11および第3搬送手段67を制御するとともに、さらにロボット9を制御する。
【0036】
図9は、図8に示される処理回路28の動作を説明するためのフローチャートである。図9のステップs1からステップs2に移り、図4(1)に示されるように第1供給手段3におけるパレット保持手段24のフォーク部材31,32は退避位置にあり、複数の積み重ねられた組合せ体2がリフタ25の受け部35に載置された状態で、受け部35がパレット切出し位置に配置される。
【0037】
ステップs3では、図4(2)に示されるようにパレット保持手段24のフォーク部材31,32がフォーク部材駆動手段33によって伸長され、上下に積み重ねられた複数の組合せ体2のうち、下から2段目の組合せ体2bのパレット4の支持孔21,22にそれぞれ挿入される。ステップs4では、このフォーク部材31,32は支持孔21,22にそれぞれ挿入された状態のままで、リフタ25の受け部35は、シリンダ37によって下降され、図4(2)の状態となる。こうして最下段の組合せ体2aが下降される。リフタ25の受け部35が、さらに下降されて下限位置44にもたらされると、最下段の組合せ体2aのパレット4aの下面は、第1搬送手段27の搬送コンベア41,42によって受けられて支持される。これによって搬送コンベア41,42は、乗載された組合せ体2aを、取出し方向26に単一の組合せ体2aだけ、ステップs5で取出すことができるようになる。
【0038】
次にステップs6では、第2搬送手段11に、第1供給手段3からの組合せ体2aが引続き搬送方向13に搬送される。この組合せ体2が第2搬送手段11の搬送経路12を搬送される途中で、ステップs7では、検出手段6によって、パレット4上にベニヤ板5が載置されているかどうかが判断される。単一枚のベニヤ板5がパレット4上に載置されていることが検出されると、第2搬送手段11は、さらにその組合せ体2の搬送をステップs8で継続する。
【0039】
検出手段6によってパレット4上のベニヤ板5が存在せず、または複数枚のベニヤ板が存在するとき、第2搬送手段11の搬送が、ステップs15で停止される。そこで作業者は、パレット上に単一枚のベニヤ板5が載置された状態とし、これによってその後のステップs8と同様な動作が継続されることになる。
【0040】
ステップs7において組合せ体2のパレット4上に単一枚のベニヤ板5が載置されていることが判断されると、次のステップs8では、第2搬送手段11による正常な姿勢の組合せ体2がさらに前述のように継続して搬送される。ステップs9では、組合せ体2が作業領域69に到達されて、ここで停止される。ロボット9は、組合せ体2のパレット4上に載置されているベニヤ板5を、前述の図7に示されるように真空吸着部材58,59によって真空吸着し、先ず、旋回の第1軸J1まわりに図1の角度θ1だけ図1の反時計方向に角変位し、その吸着して把持したベニヤ板5を仮置き領域71に仮置きして保管する。
【0041】
次にステップs10では、第2供給手段8において第3搬送手段67は物体7を搬送方向65に搬送し、供給位置66にもたらす。
【0042】
次にロボット9は、旋回の第1軸J1まわりに図1の角度(θ1+θ2)だけ、時計方向に旋回軸J1まわりに角変位し、このロボット9の把持部材55,56によって供給位置66にある物体7を把持し、図6の状態とする。この供給位置66の物体7を、図6に示されるようにロボット9の作業手段54による把持部材55,56で把持し、図1における角度θ2だけ反時計方向に旋回の第1軸J1まわりに旋回し、ステップs11において作業領域69でパレット4上に物体7を載置する。
【0043】
ステップs12では、作業領域69でパレット4上に物体7を載置した後、ロボット9は、角度θ1だけ図1の反時計方向に角変位し、真空吸着部材58,59によって、仮置き領域71に仮置きしてあるベニヤ板5を真空吸着し、再び図1の時計方向に角度θ1だけ角変位し、物体7上にベニヤ板5を載置する。
【0044】
こうして作業領域69では、ロボット9によって、パレット4上に物体7を載置し、さらにその物体7上にベニヤ板5を載置した状態とする。その後、第2搬送手段11によって搬送方向13に図1の左方に搬送する。最後に、図2に示されるベルト15a,15bによる梱包が行われて、出荷姿勢とされる。
【0045】
本発明は、積層されたダンボールシートだけでなくそのほかの種類の物体に関連して広範囲に実施することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、上下に積み重ねられた複数の各組合せ体を構成するパレットと保護部材とを分離し、パレット上に物体を載置し、その後、物体上に保護部材を載置する作業を自動的に行うことができ、作業者が先行技術のようにパレットとベニヤ板とを分離して保管する作業が不要となり、作業能率が高まる。こうしてパレット上に物体が載置され、その物体上に保護部材が載置された状態で、これらのパレット、物体および保護部材がベルトによって縛られて梱包され、たとえば出荷するための荷姿とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の物体の積み重ね装置1の平面図である。
【図2】物体の積み重ね装置1によって、パレット4上に物体7が載置され、さらにその物体7の上にベニヤ板5が載置され、ベルト15,16によってこれらの3者4,7,5が縛られて梱包され、ダンボール工場から出荷される出荷姿勢を示す斜視図である。
【図3】パレット4上にベニヤ板5が載置された組合せ体2が複数、上下に積み重ねられてダンボールシート工場に戻されてきた荷姿の状態を示す側面図である。
【図4】第1供給手段3の構成を簡略化して示す断面図である。
【図5】検出手段6を示す断面図である。
【図6】物体7を把持した状態を示すロボット9の側面図である。
【図7】組合せ体2のベニヤ板5を真空吸着する状態を示すロボット9の側面図である。
【図8】図1〜図7に示される実施の形態における電気的構成を示す簡略化したブロック図である。
【図9】図8に示される処理回路28の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 物体の積み重ね装置
2 組合せ体
3 第1供給手段
4 パレット
5 ベニヤ板
6 検出手段
7 物体
8 第2供給手段
9 ロボット
11 第2搬送手段
12 搬送経路
13,65 搬送方向
15 ベルト
21,22 支持孔
24 パレット保持手段
25 リフタ
26 取出し方向
27 第1搬送手段
28 制御手段
31,32 フォーク部材
33 フォーク部材駆動手段
52 手首
54 作業手段
55,56 把持部材
57 把持部材駆動手段
58,59 真空吸着部材
61 負圧源
66 供給位置
67 第3搬送手段
69 作業領域
71 仮置き領域

Claims (6)

  1. (a)パレットとこのパレット上に乗載された保護部材とから成る複数の各組合せ体を、順次的に供給する第1供給手段であって、この第1供給手段は、
    (a1)パレット保持手段であって、
    検出手段に向う組合せ体の取出し方向26に相互に間隔をあけて配置され、かつ前記取出し方向に垂直で水平に延びる複数のフォーク部材と、
    フォーク部材を、パレットの支持孔に挿入/離脱するように駆動するフォーク部材駆動手段とを有するパレット保持手段と、
    (a2)フォーク部材よりも下方に配置され、積み重ねられた組合せ体に応じ、最下段の組合せ体を受けて、昇降駆動するリフタと、
    (a3)リフタの下降位置にもたらされた最下段の組合せ体を、前記取出し方向に搬送する第1搬送手段と、
    (a4)制御手段であって、
    リフタによって支持された下から2段目の組合せ体が載置されたパレットの支持孔に、パレット保持手段のフォーク部材駆動手段によってフォーク部材を挿入して保持し、
    次に、リフタによって最下段の組合せ体を下降して、第1搬送手段によって搬送して取出す制御手段とを含む第1供給手段と、
    (b)第1供給手段から供給される組合せ体の保護部材を検出する検出手段と、
    (c)物体を供給する第2供給手段と、
    (d)検出手段の出力に応答し、保護部材が検出されたとき、パレット上から保護部材を取除き、次に、第2供給手段からの物体を移動してパレット上に載置し、その後、前記取除いた保護部材を移動して物体上に載置する物体移動手段とを含むことを特徴とする物体の積み重ね装置。
  2. 第1搬送手段から搬送される組合せ体を、予め定める搬送方向13に搬送する第2搬送手段をさらに含み、
    前記検出手段は、第2搬送手段の搬送経路の途中に配置され、
    第2搬送手段の搬送経路の前記検出手段よりも下流側に、物体移動手段による保護部材のパレットからの取除き、物体のパレット上への載置、および保護部材の物体上への載置を行う作業領域が配置されることを特徴とする請求項1記載の物体の積み重ね装置。
  3. 物体移動手段は、鉛直軸線まわりに旋回可能であり、複数のアームが関節によって連結されるロボットであり、
    ロボットのアームの先端部の手首には、
    物体をその物体の両側部で把持する一対の把持部材と、
    把持部材を相互の近接方向およびその逆方向に近接/離反駆動する把持部材駆動手段と、
    下方に臨む吸着部を有し、保護部材の上面を真空吸着する真空吸着部材と、
    真空吸着部材に接続される負圧源とを含む作業手段が装着されることを特徴とする請求項1または2に記載の物体の積み重ね装置。
  4. 第2供給手段は、物体を搬送する第3搬送手段を有し、
    ロボットは、第2搬送手段の搬送経路の一側方で、前記作業領域付近に配置され、
    第2搬送手段の前記搬送方向に沿ってロボットに関して上流および下流のいずれか一方に、保護部材を仮置きする仮置き領域が設定され、
    いずれか他方に、パレットに載置すべき物体を搬送する第3搬送手段が配置されることを特徴とする請求項記載の物体の積み重ね装置。
  5. パレットおよび保護部材の平面形状は、長方形であり、
    パレットおよび保護部材の各長辺を、第1搬送手段の取出し方向および第2搬送手段の搬送方向13に揃えられ、
    物体の平面形状も、パレットおよび保護部材の平面形状に相似である長方形であり、
    第3搬送手段は、物体の短辺を、第2搬送手段の搬送方向に沿って平行にして、搬送することを特徴とする請求項記載の物体の積み重ね装置。
  6. (a)パレットとこのパレット上に乗載された保護部材とから成る複数の各組合せ体を、順次的に供給する第1供給手段と、
    (b)第1供給手段から供給される組合せ体の保護部材を検出する検出手段と、
    (c)物体を供給する第2供給手段と、
    (d)検出手段の出力に応答し、保護部材が検出されたとき、パレット上から保護部材を取除き、次に、第2供給手段からの物体を移動してパレット上に載置し、その後、前記取除いた保護部材を移動して物体上に載置する物体移動手段であって、この物体移動手段は、鉛直軸線まわりに旋回可能であり、複数のアームが関節によって連結されるロボットであり、
    ロボットのアームの先端部の手首には、
    物体をその物体の両側部で把持する一対の把持部材と、
    把持部材を相互の近接方向およびその逆方向に近接/離反駆動する把持部材駆動手段と、
    下方に臨む吸着部を有し、保護部材の上面を真空吸着する真空吸着部材と、
    真空吸着部材に接続される負圧源とを含む作業手段が装着される物体移動手段とを含むことを特徴とする物体の積み重ね装置。
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