JP3947996B2 - セルロース系繊維製品の染色方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロース系繊維という同一素材でありながら編織に用いる紡績糸を先染に依らず、編織された繊維製品の後染によって同一色相から三色相以上の多色相染色を可能とするセルロース系繊維製品の多色相染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
付加価値の高い繊維製品を得ることを目的として、繊維製品に多色相柄表現を施す生産システムの検討は従来から行われている。
現在でも、同一素材を用いて多色相柄を表現する生産方式は、紡績糸を目的の色相に染色した後、複数の染色された糸を組み合せて交編織する、所謂「先染」の方法が主流となっている。この方法は主としてセルロース系繊維製品に応用されているが、デザイン、配色の決定から繊維製品が完成するまでに多くの時間を要すること、染色済の紡績糸である原材料の長期在庫リスクが増大する等の欠点があり、その改善が古くから求められていた。この問題を解消するために、異種素材を組み合わせて交編織された繊維製品を、素材の染色性の差を利用して順次あるいは同浴で異種染料を添加して染色する、所謂「後染」の方法が提案されている。
【0003】
具体的には、コットンとポリエステル繊維、レーヨンとアクリル繊維、コットンとポリエステル繊維とナイロン繊維等の異素材の組み合わせでなされている。しかしセルロース系繊維製品では、その素材の特徴である自然で柔軟な風合等は、合成繊維等の異種素材との組み合せでは、その素材の有する特色が実現できない欠点がある。このような観点から、セルロース系繊維のみの組み合せで、「ビューラインとその展開」(福岡淳一著「繊維加工」増刊捺染手帳24、VOL.38,1986,32頁〜37頁,(株)繊維研究社発行)には、カチオン化綿とカチオン化未処理綿、又はそれらの糸を用いた編織製品を後染で異染化、霜降り、杢調効果の発現が可能であることを開示している。
【0004】
しかしながら、これらは同一のセルロース系素材でありながらアニオン染料に対する染色性の差を強調するところが特徴であり、三色相以上を繊維製品に表現するのは不可能であり、三色相以上の多色相表現を可能とするには、後染で優れた染色堅牢度が得られる、染色機構の異なる新たなセルロース系繊維との組み合せが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セルロース系繊維という同一素材であって、しかも異染色性素材を組合せて用いることにより、先染めに依らず後染によって、これまで困難であった繊維製品への三色相以上の多色相表現を可能にする染色方法を提供し、衣料分野の発展に大きく貢献することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
同一のセルロース系素材でありながら単一色相から三色相以上の多色表現を可能とするには、カチオン化改質セルロースの他にこれとは染色機構を異にし、染色堅牢度の優れた第三の新たなセルロース系繊維の開発が必要である。
【0007】
このような観点から、出願人はナフトール染料の下漬け剤に着目し、ある特定の下漬け剤を溶解助剤の存在下、熱アルカリに溶解して紡糸直前のビスコースに混合し紡糸することによって、ナフトール染料の顕色剤のみで染色できる改質再生セルロース繊維が得られることを発明し、特願2001−187436号として出願した。更に、この改質再生セルロース繊維が第三のセルロース素材として上記した本発明の目的達成のために有効に使用できることを見出して本発明を完成した。
【0008】
即ち、第一の発明は、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維とカチオン化改質セルロース繊維と通常のセルロース繊維の、三種の異なる繊維から成る繊維製品をナフトール染料の顕色剤で染色した後、酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料で染色するセルロース系繊維製品の染色方法であり、第二の発明は、上記三種の異なる繊維からなる繊維製品をナフトール染料の顕色剤を用いて染色した後、直接染料又はセルロース繊維との親和性の高い反応性染料で染色するセルロース系繊維製品の染色方法であり、第三の発明は三種の異なる繊維からなる繊維製品をナフトール染料の顕色剤で染色した後、酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料で染色し、次いで直接染料又はセルロース繊維との親和性の高い反応性染料で染色するセルロース系繊維製品の染色方法であり、第四の発明は、(ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維+カチオン化改質セルロース繊維):通常のセルロース繊維=(3+3):94〜〔(3〜77)+(77〜3)〕:20の混合割合(重量%)の範囲にある混紡糸からなる繊維製品を、第一の発明の染色方法を用いて染色するセルロース系繊維製品の染色方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明でいうナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維とは、出願人が特願2001−187436号で出願した改質再生セルロース繊維であり、ナフトール染料の下漬け剤であって、セルロース繊維に対して中程度から高い程度の親和性を有する下漬け剤をロート油あるいはエチルアルコール等の溶解助剤の存在下、水酸化ナトリウム等の熱アルカリ溶液で該下漬け剤を溶解させ紡糸直前にビスコース法あるいは銅アンモニア法によるセルロース溶解原液に混合、紡糸することによって得られる。また、これ以外の方法で得られたナフトール染料の下漬け剤を含有させた改質再生セルロース繊維を用いてもよく、例えば、溶剤紡糸再生セルロース繊維等を挙げることができる。この場合には、セルロースを溶解する溶媒に該下漬け剤を溶解あるいは微分散させて用いれば、該下漬け剤を含有する溶剤紡糸再生セルロース繊維を製造することができる。
【0010】
この改質再生セルロース繊維を製造するに際して用いられるナフトール染料の下漬け剤の種類を変えた改質再生セルロース繊維を紡績した数種の紡績糸又は数種の紡績糸を混紡した紡績糸も用いることができる。二種以上の下漬け剤が異なる紡績糸を用いてナフトール染料の顕色剤で染色すれば、これらの紡績糸だけでも二色相以上の色相が得られる。
【0011】
本発明でいうカチオン化改質セルロース繊維とは、公知の方法で製造したカチオン化改質セルロース繊維を用いればよく、カチオン化改質コットン、カチオン化改質再生セルロース繊維、カチオン化改質溶剤紡糸再生セルロース繊維等を好適に使用することができる。
【0012】
本発明でいう通常のセルロース繊維とは、コットン、再生セルロース繊維、溶剤紡糸再生セルロース繊維を含み、コットンを用いる場合は常法による精練・漂白したものを用いることにより、一連の染色工程が簡略化できるので特に好ましい。
【0013】
本発明では、繊維製品の染色は、ナフトール染料の下漬け剤を含有した改質再生セルロース繊維を最初に染色するのが必須である。これは下漬け剤が顕色剤とカップリング反応により分子量が大きくなり改質再生セルロース繊維に固定されるので、カチオン化改質セルロース繊維や通常のセルロース繊維より先に染色するのが好ましいためであり、又、染色に先立ち行う繊維製品の糊抜きあるいは精練等の前処理はアルカリ浴中への下漬け剤の溶出を防止するためpH3〜5の弱酸性下で行うのが好ましい。
【0014】
使用するナフトール染料の顕色剤は予めジアゾ化されて安定剤等が配合されたソルトを用いても、芳香族アミンそのままであるベースを用いてもよく、適宜選択できる。又、これらの染色液に湿潤剤である界面活性剤等を添加し使用することもできる。
【0015】
染色温度と染色時間は、下漬け剤と顕色剤のカップリング反応が室温下でも容易に進行するので、温度20〜40℃で用いる顕色剤の最適pHに調整して10〜30分間染色すれば、カチオン化改質セルロース繊維や通常のセルロース繊維を汚染することなくナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維のみを染色することができる。通常のセルロース繊維に未処理のコットンを使用する場合には、顕色剤による染色終了後に、通常のセルロース繊維の精練・漂白を行うこともできる。又、ナフトール染料の下漬け剤が異なる改質再生セルロース繊維を組み合せて顕色剤で染色すれば、二色相以上の被染物を得ることができる効果がある。
【0016】
本発明で用いられるセルロース繊維との親和性の低い反応性染料とは、セルロース繊維への吸着の低い反応性染料であり、モノクロロトリアジン系の反応基を有する染料やトリクロロトリアジン系の反応基を有する染料等であり、例えば、商品名の染料冠称がプロシオンP、カヤシオンP、シバクロン、ドリマレンあるいはリアクトンの反応性染料等が挙げられ、これらから適宜選択することができる。又、本発明で用いるセルロース繊維と親和性の高い反応性染料とは、セルロース繊維への吸着の高い反応性染料であり、ジクロロトリアジン系の反応基を有する染料やジクロロキノキサリン系の反応基を有する染料等であり、例えば、商品名の染料冠称がミカシオン、プロシオンM、カヤシオンEあるいはレバフィックスEの反応性染料等が挙げられ、これらから適宜選択することができる。
【0017】
第一の発明では、ナフトール染料の下漬け剤を含有した改質再生セルロース繊維を染色した後、通常のセルロース繊維を染色せずにカチオン化改質セルロース繊維のみを染色するために、酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料を用いる。これらの染料は目的とする色相に応じて適宜選択して使用すればよいが、例えば、酸性染料はナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維と通常のセルロース繊維に対する親和性が低いので、カチオン化改質セルロース繊維のみを選択的に染色できる特徴を持ち、又、セルロース繊維と親和性の低い反応性染料は苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)等の強塩基性触媒のみを染色助剤として使用することにより、カチオン化改質セルロース繊維のみを選択的に染色できる。染色条件としては、酸性染料を用いるか、反応性染料と強塩基性触媒のみを染色助剤として用いて、温度50〜100℃で20〜60分間染色すればよい。又、カチオン化改質セルロース繊維の残っている染着座席を封鎖するために正電荷の封鎖剤を適宜用いることができる。第一の発明では通常のセルロース繊維は染色されないので白色相としての効果を発揮する。
【0018】
第二の発明ではナフトール染料の下漬け剤を含有した改質再生セルロース繊維を染色した後、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維,カチオン化改質セルロース繊維及び通常のセルロース繊維の三種の素材を同時に染色する方法で、直接染料又はセルロース繊維との親和性の高い反応性染料を用いて常法により染色する。例えば、セルロース繊維と親和性の高い反応性染料を用いる場合には、芒硝(硫酸ナトリウム)や食塩(塩化ナトリウム)等の中性塩とソーダ灰(炭酸ナトリウム)等の塩基性触媒を染色助剤として用いて温度50〜100℃で20〜60分間染色すればよく、直接染料を用いる場合には、中性塩を染色助剤として用いて温度80〜100℃で40〜60分間染色すればよい。又、要求される染色堅牢度に応じて、フィックス剤を使用することができる。
【0019】
第三の発明ではナフトール染料の下漬け剤を含有した改質再生セルロース繊維を染色した後、他のセルロース繊維を染色せずにカチオン化改質セルロース繊維のみを染色するために、第一の発明により酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料を使用する。更に、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維、カチオン化改質セルロース繊維及びセルロース繊維の三種の素材を同時に染色するために直接染料又はセルロース繊維との親和性の高い反応性染料を使用する第二の発明の方法により染色する方法である。
【0020】
第二、第三の発明で二回染色されたセルロース繊維の色相は夫々の色相が重なったものとなり、使用する染料により適宜目的の色相を得ることができる。例えば、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の場合は顕色剤により暗褐色に染色された後、直接染料で淡黄色に染色されると濃茶色となり、同様にカチオン化改質セルロース繊維の場合は反応性染料により濃青色に染色された後、直接染料で淡黄色に染色されると濃緑色となる。又、ナフトール染料の下漬け剤の種類が異なる改質再生セルロース繊維を複数用いることにより、更に得られる色相の数が増し、使用する染料の組み合せにより適宜目的の色相の繊維製品を得ることができる。
【0021】
染色が終了した被染物はソーピング、仕上げ油剤処理等の工程に移るが、これらの工程は特に限定されるものではなく一般的に用いられている方法で行うことができる。
【0022】
第4の発明では、ナフトール染料の下漬け剤を含有した改質再生セルロース繊維,カチオン化改質セルロース繊維及び通常のセルロース繊維の三種のセルロース系素材夫々の紡績糸を交編織した繊維製品、又は三種のセルロース系素材を混紡した紡績糸を用いて交編織した繊維製品を使用する。三種のセルロース系素材を用いた紡績糸を交編織した繊維製品では、夫々のセルロース系繊維の割合は求められる異色効果に応じて任意に定めればよい。三種のセルロース系繊維を混紡して得た紡績糸を用いて霜降り糸を製造するためには、夫々の繊維素材の割合(重量%)を、(ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維+カチオン化改質セルロース繊維):通常のセルロース繊維で表すとき(ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維+カチオン化改質セルロース繊維):通常のセルロース繊維=(3+3):94〜〔(3〜77)+(77〜3)〕:20の範囲内にしないと霜降り効果は発現しないので好ましくない。又、霜降り効果は、染色された二種のセルロース系素材と未染色で白色相の通常のセルロース繊維との色相と量のバランスにより発現されることが好ましく、白色相の存在が重要で、第一の発明の染色方法が採用される。
【0023】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により具体的に説明するが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。なお、本実施例中のナフトール染料の下漬け剤の含有量、染色濃度は以下の方法に基づいて測定した。
【0024】
・ナフトール染料の下漬け剤の含有量の測定方法
ナフトール染料の下漬け剤を含有している改質再生セルロース繊維の試料1gを正確に秤量し、0.1N−水酸化ナトリウム100mlを加えてゆるく攪拌しながら50℃で1時間処理し、下漬け剤を抽出し試験液とした。分光光度計〔型式:DU640、ベックマン(株)製〕を用いて、この試験液の最大吸収波長における吸光度を測定して、予め作成しておいた検量線より下漬け剤の濃度を求め、次式により改質再生セルロース繊維中のナフトール染料の下漬け剤の含有量を求めた。
【数1】
【0025】
・染料濃度の測定方法
染色した試料を分光光度計〔型式:SICOMUC−20、(株)住化分析センター製〕を用いて測定し、最大吸収波長における染色濃度値(K/S値)をクベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)の式より求めた。
【数2】
但し、Kは吸収係数、Sは散乱係数、Rは最大吸収波長における反射率を表す。
【0026】
・霜降り効果の判定方法
染色した試料を5名の検査員による官能検査により、霜降り効果を次の基準で判定した。
5名全員良好:◎、3〜4名良好:○、1〜2名良好:△、5名全員不良:×
【0027】
〔実施例1〕
各試験糸と試料を下記(1)〜(8)の方法で得た。
(1)出願人が特願2001−187436号で開示した同様の方法で、コールキイ−ピッカーズギル社〔Chorlcy&Pickersgil Ltd〕から発刊されているカラー・インデックス〔COLOUR INDEX(SECOND EDITION 1956)VOLUME 3 AZOIC SECTION〕に記載されているColour Index Azoic Coupling Component(以下、C.I.A.C.C.と略記する。)であるナフトール染料の下漬け剤C.I.A.C.C.10〔商品名:Kako Grounder E、昭和化工(株)製〕350gにエタノール280g、ロート油175gと純水350gを加えて泥状化した後、この泥状化物を48%水酸化ナトリウム水溶液350gに純水995gを加えて60℃に加熱した熱水酸化ナトリウムを加えて攪拌溶解した。次いで、C.I.A.C.C.10の濃度が7.0%になるように、更におよそ2500gの純水を加えて、濃度7.0%のC.I.A.C.C.10の溶解原液5000gを調製した。
【0028】
調製した濃度7.0%のナフトール染料の下漬け剤溶解原液をポリノジックビスコースのセルロース分に対してナフトール染料の下漬け剤が1.5%になるようにポリノジックビスコースに添加・混合した後、直ちに孔径0.07mmφ、孔数500ホールの多孔ノズルを用いて、紡糸速度30m/分で温度35℃の硫酸22.0g/l、硫酸ナトリウム65.0g/l、硫酸亜鉛0.5g/lを溶解させた紡糸浴中に紡糸し、次いで、温度25℃の硫酸2.0g/l、硫酸亜鉛0.05g/lを溶解させた浴中で2倍に延伸し、38mmに切断した後、温度60℃の炭酸ナトリウム1.0g/l、硫酸ナトリウム2.0g/lを溶解させた浴中で緩和処理した。その後、再度、温度65℃の硫酸5.0g/lを溶解した浴中で処理した後、水洗、油剤処理して、約1.40dtexの改質再生セルロース繊維を、糸切れなく約1000g製造した。
得られた改質再生セルロース繊維に含まれるナフトール染料の下漬け剤の含有量は測定の結果1.4%であった。
【0029】
得られたナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維を使用し、クイックスピンシステム〔型式:QSS−R20、SDL International LTD製〕を用いて19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸A−1とする。
【0030】
(2)米国産コットンを35%過酸化水素水溶液5g/l、過酸化水素の安定剤〔商品名:IPキレートD−40、一方社油脂工業(株)製〕2g/l、48%水酸化ナトリウム水溶液4g/l、精練用浸透剤〔商品名:エスピトールBSconc、サン化学(株)製〕0.5g/lを含む処理液で浴比1:15、温度95℃で40分間精練・漂白した後、水洗し酢酸〔商品名:試薬無水酢酸、関東化学(株)製〕1g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度50℃で15分間中和した後水洗した後、カチオン化剤〔商品名:カチオノンUK、一方社油脂工業(株)製〕70g/l、反応触媒〔商品名:試薬水酸化ナトリウム、関東化学(株)製〕10g/l、湿潤浸透剤〔商品名:クリーンN−15、一方社油脂工業(株)製〕2g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度60℃で60分間反応させた後、十分に水洗し、酢酸〔商品名:試薬無水酢酸、関東化学(株)製〕1g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度50℃で15分間中和した後水洗し、次いで、柔軟平滑仕上剤〔商品名:ゾンテスTA−460−15、松本油脂製薬(株)製〕8g/l、紡績油剤〔商品名:テロンLE、松本油脂製薬(株)製〕2g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度50℃で20分間処理した後、遠心脱水し、80℃の温風で乾燥して精練・漂白したカチオン化改質コットンを約1000g製造した。
得られた精練・漂白したカチオン化改質コットンを使用して、(1)と同様にクイックスピンシステムを用いて19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸B−1とする。
【0031】
(3)1.4dtex、38mm長の再生セルロース繊維〔商品名:ジュンロン、富士紡績(株)製〕を使用して、試験糸B−1を製造するのに使用した同一の湿潤浸透剤2g/l、ソーダ灰2g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度80℃で20分間精練した後十分に水洗し、同一のカチオン化剤40g/l、反応触媒5g/l、湿潤浸透剤2g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度60℃で60分間反応させた後、十分に水洗し、酢酸1g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度50℃で15分間中和した後水洗し、次いで、同一の柔軟平滑仕上剤8g/l、紡績油剤2g/lを含む処理浴で、浴比1:15、温度50℃で20分間処理した後、遠心脱水し、80℃の温風で乾燥して、カチオン化改質再生セルロース繊維を約1000g製造した。
得られたカチオン化改質再生セルロース繊維を使用して、(1)と同様にクイックスピンシステムを用いて19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸B−2とする。
【0032】
(4)1.7dtex、38mm長の溶剤紡糸再生セルロース繊維〔商品名:テンセル、レンチング社製〕を使用して上記(3)の試験糸B−2と同一の条件で処理して、カチオン化改質溶剤紡糸セルロース繊維を約1000g製造した。
得られたカチオン化改質溶剤紡糸再生セルロース繊維を使用し、(1)と同様にクイックスピンシステムを用いて19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸B−3とする。
【0033】
(5)米国産コットンを上記(2)と同様の条件で精練・漂白した後、水洗し、中和した後水洗し、次いで、柔軟処理した後、遠心脱水し、温風乾燥して精練・漂白したコットンを約1000g製造した。
得られた精練・漂白したコットンを使用して、(1)と同様にクイックスピンシステムを用いて19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸C−1とする。
【0034】
(6)試験糸A−1、試験糸B−1、試験糸C−1を使用して靴下編み機を用いて夫々がおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mの3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.1とする。
【0035】
(7)試験糸A−1、試験糸B−2、試験糸C−1を同様に靴下編み機を用いて、上記の(6)と同様に靴下編地を編成し、これを試料No.2とする。
【0036】
(8)試験糸A−1、試験糸B−3、試験糸C−1を同様に靴下編み機を用いて、上記の(6)と同様に靴下編地を編成し、これを試料No.3とする。
【0037】
得られた試料No.1〜試料No.3を湿潤浸透剤〔商品名:クリーンN−15、一方社油脂工業(株)製〕1g/l、酢酸〔商品名:試薬無水酢酸、関東化学(株)製〕0.5g/lを含む処理液浴で、浴比1:20、温度60℃で15分間精練処理した後水洗した。次いで、顕色剤であるカラーインデックス記載のColour Index Azoic Diazo Component(以下、C.I.A.D.C.と略記する。)22〔商品名:Kako Blue VR Salt、昭和加工(株)製〕1.0%owf、ノニオン性界面活性剤〔商品名:クリーンN−15、一方社油脂工業(株)製〕2.0g/lを含む染色液中で、浴比1:20、温度40℃の条件で5分間処理した後、染色液を0.4%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調製して、30分間ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分は濃い濃度の紺色に染色された。次いで、セルロース繊維と親和性の低い反応性染料〔Kayacion Red P−4BN、日本化薬(株)製〕1.0%owfを含む染色液中で、浴比1:20、温度70℃で20分間処理した後、塩基性反応触媒〔商品名:エスポロンA−609、一方社油脂工業(株)製〕4g/lを含む固着処理液中で、浴比1:20、温度70℃で20分間処理し、カチオン化改質セルロース繊維を染色した。その結果試験糸B−1〜B−3を用いた部分は濃い濃度の赤色に染色された。次いで、界面活性剤〔商品名:ビスノールRK、一方社油脂工業(株)製〕3.0g/lを含む処理液中で、浴比1:20、温度80℃で15分間ソーピングした後、水洗し、次いで、120℃の温風で乾燥して、染色した試料No.1´〜No.3´を得た。
【0038】
得られた試料No.1´中の試験糸A−1、試験糸B−1、試験糸C−1に対応する試料をA−1−1、試験糸B−1−1、試験糸C−1−1とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表1に示した。
同様に得られた試料No.2´中の試験糸A−1、試験糸B−2、試験糸C−1に対応する試料をA−1−2、試験糸B−2−1、試験糸C−1−2とし、夫々の色相観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表1に示した。
同様に得られた試料No.3´中の試験糸A−1、試験糸B−3、試験糸C−1に対応する試料をA−1−3、試験糸B−3−1、試験糸C−1−3とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
この結果より、ナフトール染料の下浸剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−1−1〜A−1−3は顕色剤濃度1.0%owfの条件で染色濃度値(K/S値)が22.7〜23.8のいずれも均一の濃紺色に染色され、セルロース繊維と親和性の低い反応性染料による汚染は認められなかった。カチオン化改質セルロース繊維の被染物である試験糸B−1−1、試験糸B−2−1、試験糸B−3−1はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料濃度1.0%owfの条件でK/S値が18.5〜19.2でいずれも均一の濃赤褐色に染色され、ナフトール染料の顕色剤による汚染は認められなかった。精練・漂白されたコットンの通常糸の被染物である試験糸C−1−1〜C−1−3はK/S値が0.2で僅かに汚染が認められるもののオフ白色の白残しされた被染物であった。三種の素材からなる染色された靴下編地は濃色に染色された部分とオフ白に白残しされた部分からなり、いずれも外観上問題のない高い品位を有し、濃紺色、濃赤褐色とオフ白の明確な三色相からなる繊維製品が得られた。
【0041】
〔実施例2〕
試験糸C−2〜C−4及び試料No.4〜No.6を下記(1)〜(6)の方法により得た。
(1)米国産コットンを通常の方法で紡績し、19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸C−2とする。
(2)1.4dtex、38mm長の再生セルロース繊維〔商品名:ジュンロン、富士紡績(株)製〕を通常の方法で紡績し、19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸C−3とする。
(3)1.7dtex、38mm長の溶剤紡糸再生セルロース繊維〔商品名:テンセル、レンチング社製〕を通常の方法で紡績し、19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸C−4とする。
(4)実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−1及び上記(1)に記載の試験糸C−2を使用して靴下編み機を用いて夫々がおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mの3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.4とする。
(5)実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−1及び上記(2)に記載の試験糸C−3を使用して同様に靴下編み機を用いて、上記(4)と同様にして靴下編地を編成し、これを試料No.5とする。
(6)実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−1及び上記(3)記載の試験糸C−4を使用して同様に靴下編み機を用いて、上記(4)と同様にして靴下編地を編成し、これを試料No.6とする。
【0042】
得られた試料No.4を実施例1と同様の条件で精練処理した後水洗し、次いで、顕色剤C.I.A.D.C.22を用いて同様に試験糸A−1を染色し水洗した。この結果試験糸A−1を用いた部分が濃紺色に染色された。次いで、実施例1(2)記載と同一の薬剤を用いて35%過酸化水素水溶液4g/l、過酸化水素の安定剤1g/l、48%水酸化ナトリウム水溶液2g/l、精練用浸透剤0.5g/lを含む処理液で浴比1:15、温度90℃で30分間一浴精練・漂白した後水洗した。次いで、実施例1と同一の染料と条件によりセルロース繊維と親和性の低い反応性染料と塩基性反応触媒を用いて試験糸B−1を染色した後水洗した。この結果、試験糸B−1を用いた部分が濃赤色に染色された。次いでソーピングし、水洗し、遠心脱水した後、温風乾燥して染色した試料No.4´を得た。
【0043】
得られた試料No.5とNo.6を実施例1と同様に精練処理した後水洗し、次いで、実施例1と同一の顕色剤を用いて試験糸A−1を染色した後水洗した。この結果試験糸A−1を用いた部分が濃紺色に染色された。次いで、実施例1と同様の条件によりセルロース繊維と親和性の低い反応性染料と塩基性反応触媒を用いて試験糸B−1を染色した後水洗した。この結果試験糸B−1を用いた部分が濃赤色に染色された。次いでソーピングし、水洗し、遠心脱水した後、温風乾燥して染色した試料No.5´とNo.6´を得た。
【0044】
得られた試料No.4´中の試験糸A−1、試験糸B−1、試験糸C−2に対応する試料を試験糸A−1−4、試験糸B−1−2、試験糸C−2−1とし、夫々の色相と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表2に示した。
同様に得られた試料No.5´中の試験糸A−1、試験糸B−1、試験糸C−3に対応する試料を試験糸A−1−5、試験糸B−1−3、試験糸C−3−1とし、夫々の色相と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表2に示した。
同様に得られた試料No.6´中の試験糸A−1、試験糸B−1、試験糸C−4対応する試料を試験糸A−1−6、試験糸B−1−4、試験糸C−4−1とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】
この結果より、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−1−4〜A−1−6は顕色剤濃度1.0%owfの条件でK/S値が21.1〜24.5のいずれも均一の濃紺に染色され、セルロース繊維と親和性の低い反応性染料の汚染は認められなかった。カチオン化改質セルロース繊維の被染物である試験糸B−1−2〜B−1−4はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料濃度1.0%owfの条件でK/S値が15.3〜19.8でいずれも均一の濃赤色に染色され、ナフトール染料の顕色剤による汚染は認められなかった。米国産コットンの被染物である試験糸C−2−1、再生セルロース繊維の試験糸C−3−1、溶剤紡糸再生セルロース繊維の試験糸C−4−1はK/S値が0.2〜0.3で僅かに汚染が認められるもののオフ白色に白残しされた。被染物である試験糸A−1−4と実施例1の被染物である試験糸A−1−1はK/S値で2.0の差が生じたが外観上は僅かの濃度差であり、品位にも差はなかった。又、被染物である試験糸B−1−2と実施例1の被染物である試験糸B−1−1はK/S値で3.3の差が生じたが外観上は僅かの濃度差であり、品位にも差はなかった。三種の素材からなる染色された靴下編地は、顕色剤による染色後に精練・漂白工程を加えても、外観上の濃度差が僅かであった。濃色に染色された各部分とオフ白に白残しされた部分はいずれも外観上問題のない高い品位を有し、濃紺色、濃赤色とオフ白の三色相からなる繊維製品が得られた。
【0047】
〔実施例3〕
試験糸A−2及び試料No.7を下記(1)〜(2)の方法により得た。
(1)実施例1と同様に濃度7.0%のナフトール染料の下漬剤溶解原液をポリノジックビスコースのセルロース分に対してナフトール染料の下漬剤3.0%になるようにポリノジックビスコースに添加・混合して、同様の方法にて約1.40dtexの改質再生セルロース繊維を、糸切れなく約1000g製造した。
得られた改質再生セルロース繊維に含まれるナフトール染料の下漬け剤の含有量は測定の結果2.9%であった。
得られたナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維を使用し、実施例1に記載のクイックスピンシステムを用いて19.68texの紡績糸を製造し、これを試験糸A−2とする。
【0048】
(2)試験糸A−2と実施例1に記載の試験糸B−2及び実施例2に記載の試験糸C−3を靴下編み機にて夫々をおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mの3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.7とする。
得られた試料No.7を実施例1と同様の条件にて精練処理した後水洗し、次いで、顕色剤C.I.A.D.C.20〔商品名:Kako Blue BB Salt、昭和加工(株)製〕2.0%owf、ノニオン性界面活性剤2.0g/lを含む染色液中で、浴比1:20、温度40℃の条件で5分間処理した後、染色液を0.4%水酸化ナトリウム水溶液で染色浴のpHを7.0に調整して、30分間試験糸A−2を染色した後水洗した。その結果試験糸A−2を用いた部分が極めて濃い濃度の青色に染色された。次いで、酸性染料〔商品名:Sandolan Red MFTNS、クラリアントジャパン(株)製〕1.0%owfを含む染色液中で浴比1:20、温度80℃で30分間試験糸B−2を染色した後水洗した。その結果試験糸B−2を用いた部分が濃い濃度の赤色に染色された。次いで、実施例1と同様に界面活性剤を含む処理液中で、ソーピングした後、水洗し、遠心脱水後、温風乾燥して、染色した試料No.7´を得た。
得られた試料No.7´の試験糸A−2、試験糸B−2、試験糸C−3に対応する試料を試験糸A−2−1、試験糸B−2−2、試験糸C−3−2とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表3に示した。
【0049】
【表3】
【0050】
この結果より、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−2−1は顕色剤濃度2.0%owfの条件でK/S値が34.9で均一の極濃青色に染色され、酸性染料による汚染は認められなかった。カチオン化改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸B−2−2も酸性染料濃度1.0%owfの条件でK/S値が18.3の均一の濃赤色に染色され、ナフトール染料の顕色剤による汚染は認められなかった。再生セルロース繊維の試験糸C−3−2は僅かに汚染が認められるもののK/S値が0.2のオフ白に白残しされていた。三種の素材からなる染色された靴下編地は極濃青色、濃赤色とオフ白の三色相からなり外観上問題のない高い品位を有する繊維製品が得られた。
【0051】
〔実施例4〕
実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−2及び実施例2に記載の試験糸C−4を使用して靴下編み機を用いて夫々をおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mで3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.8とする。
【0052】
得られた試料No.8を実施例1と同様の条件で、精練処理した後水洗し、次いで、顕色剤C.I.A.D.C.44〔商品名:Kako Yellow GC Salt、昭和加工(株)製〕1.2%owf、C.I.A.D.C.200.3%owf、ノニオン性界面活性剤2.0g/lを含む染色液中で、浴比1:20、温度40℃の条件で5分間処理した後、染色液を0.4%水酸化ナトリウム水溶液で染色浴のpHを7.0に調製して、同様に30分間試験糸A−1を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の暗褐色に染色された。次いで、直接染料〔商品名:Kayarus Supra Scarlet BNL、日本化薬(株)製〕1.0%owf、芒硝10g/lを含む染色液で浴比1:20、温度90℃で40分間試験糸A−1、試験糸B−2と試験糸C−4を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の赤褐色に染色され、試験糸B−2を用いた部分が中程度の濃度の黄赤色に、試験糸C−4を用いた部分が黄赤色に染色された。次いで、フィックス剤〔商品名:Kayafix M、日本化薬(株)製〕1.0g/lを含む処理液中で浴比1:20、温度60℃で15分間処理した後、水洗し、遠心脱水後、温風乾燥して、染色した靴下編地試料No.8´を得た。
【0053】
得られた試料No.8´の試験糸A−1、試験糸B−2、試験糸C−4に対応する試料を試験糸A−1−7、試験糸B−2−3、試験糸C−4−2とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表4に示した。
【0054】
【表4】
【0055】
この結果より、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−1−7は顕色剤濃度1.5%owfの条件で濃い濃度の暗褐色に染色された後、直接染料濃度1.0%owfの条件で黄赤色に染色されたため2つの色相が重なり、K/S値が25.1の均一の濃赤褐色に染色された。カチオン化改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸B−2−3は直接染料濃度1.0%owfの条件でK/S値が15.4の中程度の濃度で黄赤色に均一に染色された。溶剤紡糸セルロース通常糸の被染物である試験糸C−4−2は直接染料濃度1.0%owfの条件でK/S値が6.3の均一に黄赤色に染色された。
【0056】
三種の素材からなる染色された靴下編地は同一素材のセルロース繊維でありながら2回の染色方法を組み合せることにより、従来得られなかった三色相の被染物、即ち濃赤褐色と中黄赤色と黄赤色の濃度差の明白な繊維製品を得ることができた。そして、それらは外観上問題のない高い品位を有していた。
【0057】
〔実施例5〕
実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−3及び実施例2に記載の試験糸C−3を使用して靴下編み機を用いて夫々をおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mで3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.9とする。
【0058】
得られた試料No.9を実施例1と同様の条件で、精練処理した後水洗し、次いで、実施例4と同一の顕色剤1.5%owf、ノニオン性界面活性剤2.0g/lを含む染色液中で、浴比1:20、温度40℃の条件で5分間処理した後、染色液を0.4%水酸化ナトリウム水溶液で染色浴のpHを7.0に調製して、同様に30分間試験糸A−1を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の暗褐色に染色された。次いで、浴比1:20で染色液の温度を50℃に昇温させた後、セルロース繊維と親和性の高い反応性染料〔商品名:Kayacion Red E−SN7B、日本化薬(株)製〕1.5%owfを添加し、温度70℃に昇温させた後芒硝50g/lを添加し、15分間経過した後ソーダ灰20g/lを添加し40分間試験糸A−1、試験糸B−3と試験糸C−3を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の赤褐色に染色され、試験糸B−3を用いた部分が濃い濃度の赤色に、試験糸C−3を用いた部分が中程度の濃度の赤色に染色された。次いで、実施例1記載の界面活性剤1g/lを含む処理液で浴比1:20、温度80℃で15分間ソーピングし、水洗し、遠心脱水し、温風乾燥して染色した試料No.9´を得た。
【0059】
得られた試料No.9´の試験糸A−1、試験糸B−3、試験糸C−3に対応する試料を試験糸A−1−8、試験糸B−3−2、試験糸C−3−3とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表5に示した。
【0060】
【表5】
【0061】
この結果から、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−1−8は顕色剤濃度1.5%owfの条件で濃い濃度の暗褐色に染色された後、セルロース繊維と親和性の高い反応性染料濃度1.5%owfの条件で中程度の濃度の赤色に染色されたため2つの色相が重なり、K/S値が25.8の均一な濃赤褐色に染色された。カチオン改質溶剤紡糸再生セルロース繊維の被染物である試験糸B−3−2はセルロース繊維と親和性の高い反応性染料濃度1.5%owfの条件でK/S値が20.4の高い濃度の赤色に染色された。通常の再生セルロース繊維の被染物である試験糸C−3−3はセルロース繊維と親和性の高い反応性染料濃度1.5%owfの条件でK/S値が15.3の均一な中程度の濃度の赤色に染色された。
【0062】
三種の素材からなる染色された靴下編地は同一素材のセルロース繊維でありながら2回の染色方法を組み合せることにより、従来得られなかった三色相調の被染物、即ち濃赤褐色と濃赤色と中程度の濃度の赤色の濃度差の明白な繊維製品を得ることができた。得られた繊維製品はいずれも外観上問題のない高い品位を有し、三色の異なる三色相調の繊維製品が得られた。
【0063】
〔実施例6〕
実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−2及び実施例2に記載の試験糸C−4を使用して靴下編み機を用いて夫々をおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mで3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.10とする。
【0064】
得られた試料No.10を実施例1と同様の条件で、精練処理した後水洗し、次いで、実施例4と同一の顕色剤1.5%owf、ノニオン性界面活性剤2.0g/lを含む染色液中で、浴比1:20、温度40℃の条件で5分間処理した後、染色液を0.4%水酸化ナトリウム水溶液で染色浴のpHを7.0に調製して、同様に30分間試験糸A−1を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の暗褐色に染色された。次いで、セルロース繊維と親和性の低い反応性染料〔商品名:Kayacion Blue P−3R、日本化薬(株)製〕1.0%owfを含む染色液中で浴比1:20、温度70℃で20分間試験糸B−2を染色した後、塩基性触媒4g/lを含む固着処理液中で浴比1:20、温度70℃で20分間処理した後水洗した。次いで、正電荷の封鎖剤〔商品名:5MA−51、一方社油脂工業(株)製〕2g/lを含む処理液で浴比1:20、温度80℃で20分間試験糸B−2の染色座席の封鎖処理をした後水洗した。その結果試験糸B−2を用いた部分が濃い濃度の青色に染色された。次いで、直接染料〔商品名:Kayarus Supra Yellow RL、日本化薬(株)製〕0.2%owf、芒硝5g/lを含む染色液中で浴比1:20、温度90℃で30分間試験糸A−1、試験糸B−2と試験糸C−4を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の茶色に染色され、試験糸B−2を用いた部分は濃い濃度の緑色に、試験糸C−4を用いた部分は淡い濃度の黄色に染色された。次いで、実施例4と同一のフィックス剤1.0g/lを含む処理液中で浴比1:20、温度60℃で15分間処理した後、水洗し、遠心脱水後、温風乾燥して、染色した靴下編地試料No.10´を得た。
【0065】
得られた試料No.10´の試験糸A−1、試験糸B−2、試験糸C−4に対応する試料を試験糸A−1−9、試験糸B−2−4、試験糸C−4−3とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表6に示した。
【0066】
【表6】
【0067】
この結果から、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−1−9は顕色剤濃度1.5%owf条件で濃い濃度の暗褐色に染色された後、直接染料濃度0.2%owfの条件で淡黄色に染色されたため2つの色相が重なりK/S値が23.8の均一の濃茶色に染色された。カチオン化改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸B−2−4はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料濃度1.0%owfの条件で中程度の濃度の青色に染色された後、直接染料濃度0.2%owfの条件で淡黄色に染色されたため2つの色相が重なりK/S値が12.5で均一の濃緑色に染色された。同様に、通常の溶剤紡糸再生セルロースの被染物である試験糸C−4−3は直接染料濃度0.2%owfの条件でK/S値が4.3で均一に淡黄色に染色された。三種の素材からなる染色された靴下編地は同一素材のセルロース繊維でありながら3回の染色方法を組み合せることにより、従来では得られなかった三色相の繊維製品を得ることができた。得られた繊維製品は外観上問題のない高い品位を有することが認められた。
【0068】
〔実施例7〕
実施例1に記載の試験糸A−1と試験糸B−3及び実施例2に記載の試験糸C−3を使用して靴下編み機を用いて夫々をおよそ3cm間隔で交互に給糸し長さ約1mで3種の比率がおよそ等しい靴下編地を編成し、これを試料No.11とする。
【0069】
得られた試料No.11を実施例1と同様の条件で精練処理した後水洗し、次いで、実施例4と同一の顕色剤を含む染色液中で試験糸A−1を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分は濃い濃度の暗褐色に染色された。次いで、実施例6と同一のセルロース繊維と親和性の低い反応性染料を含む染色液中で試験糸B−3を染色した後水洗し、次いで、正電荷の封鎖剤処理液で試験糸B−3の染色座席の封鎖処理をした後水洗した。その結果試験糸B−3を用いた部分は濃い濃度の青色に染色された。次いで、浴比1:20で染色液の温度を50℃に昇温させた後、セルロース繊維と親和性の高い反応性染料〔商品名:Kayacion Yellow E−CM、日本化薬(株)製〕0.5%owfを添加し、温度70℃に昇温させた後芒硝20g/lを添加し、15分間経過した後ソーダ灰10g/lを添加し40分間試験糸A−1、試験糸B−3と試験糸C−3を染色した後水洗した。その結果試験糸A−1を用いた部分が濃い濃度の茶褐色に染色され、試験糸B−3を用いた部分は濃い濃度の青緑色に、試験糸C−3を用いた部分は淡い濃度の黄色に染色された。次いで、実施例1記載の界面活性剤1g/lを含む処理液で浴比1:20、温度80℃で15分間ソーピングし、水洗し、遠心脱水し、温風乾燥して染色した試料No.11´を得た。
【0070】
得られた試料No.11´の試験糸A−1、試験糸B−3、試験糸C−3に対応する試料を試験糸A−1−10、試験糸B−3−3、試験糸C−3−4とし、夫々の色相の観察と染色濃度値(K/S値)を測定した結果を表7に示した。
【0071】
【表7】
【0072】
この結果より、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維の被染物である試験糸A−1−10は顕色剤濃度1.5%owfの条件で濃い濃度の暗褐色に染色された後、セルロース繊維と親和性の高い反応性染料濃度0.5%owfの条件で淡黄色に染色されたため2つの色相が重なり、K/S値が24.8の均一な濃茶褐色に染色された。カチオン化改質溶剤紡糸再生セルロース繊維の被染物である試験糸B−3−3はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料濃度1.0%owfの条件で中程度の濃度の青色に染色された後、再度、セルロース繊維と親和性の高い反応性染料濃度0.5%owfの条件で淡黄色に染色されたため2つの色相が重なり、K/S値15.4の均一な濃青緑色に染色された。再生セルロース繊維の被染物である試験糸C−3−4はセルロース繊維と親和性の高い反応性染料濃度0.5%owfの条件でK/S値が6.3の均一な淡黄色に染色された。
【0073】
三種の素材からなる染色された靴下編地は同一素材のセルロース繊維でありながら3回の染色方法を組み合せることにより、従来では得られなかった三色相の繊維製品を得ることができた。得られた繊維製品はいずれも外観上問題のない高い品位を有する繊維製品であることが認められた。
【0074】
〔実施例8〕
実施例1の(1)に記載の試験糸A−1の原料であるナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維(A)と実施例1の(2)に記載の試験糸B−1の原料である精練・漂白したカチオン化改質コットン(B)と実施例1の(5)に記載の試験糸C−1の原料である精練・漂白した通常のコットン(C)の3種類の繊維を使用して表8の通りの混合比で混綿した後、実施例1に記載のクイックスピンシステムを用いて試験糸No.5〜No.13を製造し、これらを使用して靴下編み機を用いて長さ約1mの靴下編地を編成し、夫々を試料No.12〜No.20とする。
【0075】
【表8】
【0076】
得られた試料No.12〜No.20を実施例1と同様に精練した後水洗し、次いで常法によりジアゾ化した顕色剤C.I.A.D.C.13 0.5%owf、浸透剤0.5%owfの染色液中で浴比1:20、温度30℃で5分間処理した後、染色液に酢酸ナトリウムを加えてpH5.6に調製し、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維を20分間染色した後水洗した。その結果ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維は濃い濃度の赤色に染色された。次いで、実施例6と同一のセルロース繊維と親和性の低い反応性染料1.5%owfを含む染色液中で浴比1:20、温度70℃で20分間染色した後水洗し、次いで、実施例1に記載の塩基性反応触媒を含む固着処理液中で処理した。その結果精練・漂白したカチオン化改質コットンは濃い濃度の青色に染色された。次いで、実施例1に記載の界面活性剤を含む処理液中でソーピングし、水洗し、遠心脱水し、次いで、温風乾燥して、染色した試料No.12´〜No.20´を得た。
得られた試料No.12’〜No.20’の色相の観察と三色相の霜降り効果の判定結果を表9に示す。
【0077】
【表9】
【0078】
表8から明らかなように、試料No.12´〜No.20´中のナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維(A)の被染物は顕色剤濃度3.0%owfの条件で濃赤色に染色され、精練・漂白したカチオン化改質コットン(B)の被染物はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料濃度1.5%owfの条件で濃青色に染色された。染色された試料の量が2%で染色されないオフ白の精練・漂白した通常のコットン(C)が98%である試料No.12´は染色された試料の量は少ないために三色相の霜降り効果がハッキリと認められず、又、染色された試料の量が90%で染色されないオフ白の試料の量が10%である試料No.20´はオフ白の染色されていない試料の量が少ないために、同様に三色相の霜降り効果がハッキリと認められなかった。染色された試料の量が20%〜50%で染色されない試料の量が50%〜80%である試料No.15´、試料No.16´、試料No.17´は三色相の霜降り効果がハッキリ認められた。又、染色された試料が全体の6%で、且つ、その中で濃紺色と赤色の比率がほぼ等しく、オフ白の白残しの試料が94%である試料No.14´は三色相の霜降り効果が認められ、染色された試料が全体の80%で、且つ、その中で濃紺色と赤色の比率が19:1で、オフ白の白残しの試料が94%である試料No.18´も三色相の霜降り効果が認められた。又、染色された試料が全体の6%で、且つ、その中で濃紺色と赤色の比率が5:1でオフ白の白残しの試料が94%である試料No.13´は三色相の霜降り効果がハッキリと認められず、染色された試料が全体の80%で、且つ、その中で濃紺色と赤色の比率が79:1で、オフ白の白残し試料が20%である試料No.19´も三色相の霜降り効果がハッキリ認められないことから、染色された試料の色相と量及びオフ白の量とのバランスにより霜降り効果が発現されることが明らかとなった。
【0079】
【発明の効果】
本発明は、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維とカチオン化改質セルロース繊維と通常のセルロース繊維からなる繊維製品をナフトール染料の顕色剤で染色した後、酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料を使用しカチオン化改質セルロース繊維のみ染色する方法、該繊維製品のナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維を染色した後にナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維とカチオン化改質セルロース繊維と通常のセルロース繊維の三種の素材を同時に染色する方法、ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維を染色した後にカチオン化改質セルロース繊維を染色し、次いでナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維とカチオン化改質セルロース繊維と通常のセルロース繊維の三種の素材を同時に染色する方法により多色相に染色する繊維製品を製造する方法である。三種のセルロース繊維を交編織することと、使用する染料と染色方法を適宜選ぶことにより、同一のセルロース繊維でありながら、後染めによる先染め調の染色を可能とし、該繊維からなる未染色の繊維製品を準備しておけば、希望の色相の繊維製品が後染により要望により早期に染色し製造でき、又、混紡糸を用いた場合好ましい霜降り調が発現できる効果がある。
Claims (4)
- ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維と、カチオン化改質セルロース繊維と、通常のセルロース繊維から編織された繊維製品を、ナフトール染料の顕色剤で染色した後、酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料で染色することを特徴とするセルロース系繊維製品の染色方法。
- ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維と、カチオン化改質セルロース繊維と、通常のセルロース繊維から編織された繊維製品を、ナフトール染料の顕色剤で染色した後、直接染料又はセルロース繊維との親和性の高い反応性染料で染色することを特徴とするセルロース系繊維製品の染色方法。
- ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維と、カチオン化改質セルロース繊維と、通常のセルロース繊維から編織された繊維製品を、ナフトール染料の顕色剤で染色した後、酸性染料又はセルロース繊維と親和性の低い反応性染料で染色し、次いで直接染料又はセルロース繊維との親和性の高い反応性染料で染色することを特徴とするセルロース系繊維製品の染色方法。
- 該ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維と、カチオン化改質セルロース繊維と、通常のセルロース繊維から編織された繊維製品が、(ナフトール染料の下漬け剤を含有する改質再生セルロース繊維+カチオン化改質セルロース繊維):通常のセルロース繊維=(3+3):94〜〔(3〜77)+(77〜3)〕:20 の混合割合(重量%)の範囲にある混紡糸で編織された繊維製品である請求項1に記載のセルロース系繊維製品の染色方法。
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