JP3947802B2 - 建物の開閉体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、クレセント錠等のロック装置が取り付けられた建物の窓や扉等の開閉体に係り、外部電源を用いることなく開閉体の不正な開閉状態を通信により外部へと知らしめることが可能な建物の開閉体に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
近年、窓ガラスを壊し、ロック装置を開けて空き巣に入るピッキングと呼ばれる犯罪が多発しており、これを防ぐため各種のセキュリティ装置が提案されている。
【0003】
このような窓やドア等に取り付けられる従来のセキュリティ装置は、一般的には、窓やドア等のロック部等に後付けされる方式のものが殆どであるため、外側から容易に発見されやすく、また、ガラスを壊す等して、その作動を故意に停止させることも可能である。しかも、サッシの開閉を利用したタイプのものにあっては、通信性能を確保するために、サッシの一部に切り欠きを開設しなければならず、かかる作業が非常に煩雑であり、また、この切り欠きにより外部から発見し易い、という課題を有していた。
【0004】
さらに、従来のこの種のセキュリティ装置では、作動用電源の配線も後付けする必要であり、また、一家屋全部の窓やドアにこの従来のセキュリティ装置を取り付ける場合には、設備コスト及び工事コストが非常に高くなる他、全てのセキュリティ装置に、常時、電源を供給しておかなければならないため、ランニングコストも嵩む、という問題を有していた。
【0005】
またさらに、上記従来のセキュリティ装置にあっては、同種のものを数多く取り付けなければならないため、開閉箇所の特定を瞬時に判断することが難しく、また、単体で機能するため、他のセキュリティシステムと複合させることが困難である等、実用上、非常に多くの解決しなければならない問題を有していた。
【0006】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、外部から発見することが非常に難しく、また、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵したロック装置が一体的に取り付けられた窓や扉等の建物用の開閉体とすることで、従来の開閉体自体の構造を変更することなく、非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、発信器毎にIDを設定できるため、受信側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど掛からない建物の開閉体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る建物の開閉体は、請求項1に記載したように、建物の窓や扉等の開閉体を開閉自在にロック自在なロック装置を備え、該ロック装置は、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを有し、該モジュールの発電部は、上記ロック装置のロック用回転体の回転作動により連続して加振されて自己発電し、該発電された電力により上記送信部から開閉体の開状態情報が送信されるように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
このように構成することで、請求項1に記載の発明にあっては、クレセント錠等のロック装置の開閉回動操作によりモジュールが自己発電し、この電力でロック装置の開閉状態、即ち、開閉体の開閉状態を外部へと自動的に送信して住人や外部に知らしめることができ、しかも、上記モジュールはロック装置内に内蔵されているので、外部からは発見することが非常に難しく、また、外部配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、さらには、従来の開閉体自体の構造を変更することなく非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができる。
【0009】
また、請求項1に記載の発明にあっては、ロック装置の開閉操作時の振動により電力を得る自己発電方式であるため、バッテリーの交換等が不要でランニングコストがかからず、また、停電しても確実に作動させることができるので、保安性能も非常に高い。
【0010】
さらに、この発明にあっては、上記目的を達成する他の構成として、請求項2に記載したように、建物の窓や扉等の開閉体を開閉自在にロック自在なロック装置を備え、該ロック装置は、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを有し、該モジュールの発電部は、上記ロック装置のロック用回転体の回転作動により連続して加振されて自己発電可能に構成されていると共に、上記モジュールの送信部は、上記開閉体の開作動と閉作動の別を判別して、該開閉体の開閉状態を、該開閉体の外部に配設された受信器へと自動的に送信するように取り付けて構成したことを特徴とするものである。
【0011】
このように構成することで、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の発明の作用・効果に加え、上記モジュールの送信部は、上記ロック装置の開作動と閉作動の別を自動的に判別することができるので、セキュリティが必要なときに、開閉体の閉状態を確実に確認することができて安心であり、また、このロック装置、即ち、開閉体の開閉状態は、該開閉体の外部に配設された受信器或は該受信器を経て警察や契約警備会社へと自動的に送信できるので、安全性を大幅に高めることができる。
【0012】
この発明に用いられる前記ロック装置は、請求項3に記載したように、前記モジュールからの送信可能な開口を開設して構成するのが、送信性能を確保するためにも望ましい。
【0013】
また、この発明に用いられる前記モジュールは、請求項4に記載したように、その両端部をコイルスプリングにより張持され、振動により発電を行う応力発生機構を備えた圧電素子と、該圧電素子による発電力を電源として所定の信号を外部へと発信する送信回路とが一体化されて構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
このように構成することで、請求項4に記載の発明にあっては、一体化されたモジュールをロック装置内に簡単に組み込むことができるので、組付け作業性が向上し、組付けコストを低減することができる。
【0015】
また、この発明にあっては、請求項5に記載したように、前記ロック装置のモジュールに、開閉体の開閉を区別する機械的スイッチ或いはリードスイッチを配設して構成し、前記送信部は、上記スイッチからの開閉信号を判別して該信号を外部に配設された受信器へと発信するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
このように構成することで、請求項5に記載の発明にあっては、極めて簡単な構成によりロック装置の開閉状態の別を容易に判別することができる。
【0017】
さらに、この発明にあっては、請求項6に記載したように、前記モジュールを収納保持するケースユニットが、信号を透過し易いガラス或はプラスチックで成型されていることを特徴とするものである。
【0018】
このように構成することで、請求項6に記載された発明にあっては、モジュールを一体化して構成しても、通信を確実に行うことができる。
【0019】
また、この発明にあっては、請求項7に記載したように、前記モジュール或は受信器に、ロック装置が閉状態にセットされたときにLEDを発光させ、或は、警報を発する手段が付設して構成したことを特徴とするものである。
【0020】
このように構成することで、請求項7に記載の発明にあっては、ロック装置の開閉状態を目視確認し、或は、不正開錠(不正侵入)された場合に、警報により迅速に不正侵入状態を知ることができる。
【0021】
この発明に用いられる前記圧電発電装置は、具体的には、請求項8に記載したように、ケースユニットと、該ケースユニットの両端部を張持するコイルスプリングと、上記ケースユニット内に配設された圧電素子と、該圧電素子に応力を付与する球体と、上記ケースユニット内に配設され上記圧電素子の歪変形により発電された電流を整流する整流回路と、から構成されている。
【0022】
そして、上記コイルスプリングとモジュールが収納されたケースユニットは、請求項9に記載したように、一体化して構成されている。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】
図1乃至図3は、この発明の実施の第1形態例を示しており、該形態例では、この発明を建物の窓開口Wに装着されたアルミサッシ製の引戸1,2に取り付けられたクレセント錠7に適用した場合を示している。勿論、この発明の適用例は、本形態例のクレセント錠7を引戸1,2に適用した場合に限定されるものではなく、開き戸の扉、引戸の戸片、雨戸、観音開きの扉や窓、天窓等に取り付け可能なクレセント錠を含むその他のロック装置にも適用可能である。
【0025】
本形態例に係る引戸1,2の基本的な形態は、アルミサッシ製で中空部を有する略ロ字形窓枠3,4に板ガラス5,6が嵌め込まれて構成されており、クレセント錠7でロック可能に構成されている。
【0026】
このクレセント錠7の基本的な構成は、操作レバー部7Aと、この操作レバー部7に連設され、かつ軸7Cを回転中心として回転自在に保持された略半円状の係止部7Bと、から構成され、操作レバー部7Aを把持して係止部7Bを回転操作することで、該係止部7Bを他方の引戸2に取り付けられた係止片部(図示せず)に係合させ、或は、係合状態を解除する公知のクレセント錠と同様に構成されているが、この形態例では、上記軸7Cの先端部に磁石8を配設すると共に、該クレセント錠7が取り付けられるユニットケース10は、引戸1の窓枠3Aに形成された取付孔部に嵌合されて固着される。勿論、上記ユニットケース10は、既設の窓枠のクレセント錠7の取付部位に上記取付孔を後から開設して取り付けることも可能である。尚、上記磁石8は、上記クレセント錠7がロック状態にセットされているときには後記するモジュールMを吸着する位置に配設されている。
【0027】
そして、このユニットケース10内には、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールMが収納されて構成されている。
【0028】
上記モジュールMは、図3に示すように、ユニットケース10内の上下に張設されたコイルスプリング11を介して上下に振動可能に配設されており、該コイルスプリング11の上下端部は、ブラケット12を介してユニットケース10に支持されている。尚、同図中符号9は、ユニットケース10に開設された通信用切欠部である。
【0029】
また、上記モジュールMは、図4に示すように、モジュールケース14内に収容された発電部15と送信回路部16とリードスイッチ17と、から構成されている。
【0030】
モジュールMの発電部15は、図5に示すように、圧電素子発電部21と整流回路22と、から構成されており、また、送信回路部16は、制御部23と発信部24とアンテナ25と、から構成されている。
【0031】
上記圧電発電部21は、図6に示すように、金属製の中空箱状の発電部ケース26と、該発電部ケース26内に対設された圧電素子27,27と、該圧電素子27,27に衝撃応力を付与する鉄球28と、から構成されており、上記圧電素子27,27は、クッション材29,29に保持されていると共に、上記鉄球28は、発電部ケース26内に形成された通路30に沿って直線的に往復動するように収容されている。尚、圧電素子27は、この形態例では、PZT系の2枚の板形の圧電セラミックス板を分極が互いに逆になるように接合して、直列に接続された発電構成として分極による打消しが防止されて発電性能が高められるように構成されている。
【0032】
圧電セラミックス板は、チタンジルコン酸亜鉛系の素材が好適であるが、これに限定されるものではなく、また、振動を長く持続してより効率的な発電を得るために、できるだけ硬くQ値が高いものを用いるのが望ましい。具体的には、Q値は1000以上、好ましくは、Q値が2000以上のものを用いるのが望ましい。また、クッション材29としては、合成樹脂材、ゴム材或はこれらをスポンジ状に形成した軟質材料を用いることができ、具体的には、発泡ポリエチレンが好適である。さらに、この発明では、鉄球28を、圧電素子27が破壊されていない程度に重量が重く発電効率が良好なタングステンや鉄などを用いることができ、また、圧電素子27の鉄球衝突面部をプロテクタでコーティングしてもよく、この場合には、加工性に優れたリン青銅やステンレス等の硬い金属或は合成樹脂などを用いることができる。
【0033】
また、この圧電素子27,27は、上記クッション材29,29の中央部分又は両端部に接着剤で部分的に接着されている。勿論、接着剤以外の固定手段で固着してもよい。
【0034】
整流回路22は、圧電素子発電部21で出力された交流電力を整流して脈流にする回路であり、所要数のダイオードで全波整流の回路が形成される。
【0035】
制御部23は、クレセント錠7がロック状態かアンロック状態かを判定し、アンロック状態の場合には、これを受信器31へと送信するように制御する回路である。
【0036】
また、発信部24は、特に図示はしないが、通信制御手段と信号スイッチ手段と信号発生手段とを有して構成されている。この内、通信制御手段は通信に必要な動作を行う手段であり、電力が前記の方法で供給されることで動作を開始して信号スイッチ手段をON作動させると共に、発信のためのデータを信号発生手段へと送る。
【0037】
この発信のためのデータとしては、少なくとも、当該モジュールMが設置されたサッシまたはクレセント錠7に関するIDデータが含まれる。
【0038】
また、上記信号発生手段は、上記通信制御手段から受け取った発信のためのデータを所定の無線信号に変換してアンテナ25から発信する。勿論、この形態例では、本モジュールMがバッテリーを備えて構成されている場合には、上記通信制御手段が発信のために必要なデータを全て信号発生手段へと送り終えた後、該通信制御手段が作動して、放電を停止させるように制御するのが望ましい。
【0039】
このように構成されてなる発電部15は、発電部ケース26にクレセント錠7の回動操作に伴う外力が作用し、コイルスプリング11のバネ力によって該発電部ケース26が上下に往復振動することで、該発電部ケース26内の鉄球28は、上記通路30内を直線状に往復移動して圧電素子27,27に衝突し、この衝突応力を受けて圧電素子27,27が発電を行ない、発電された電流は整流回路22で整流されて発信回路部16を作動させ、該発信回路部16は、特定の周波数からなる電波(不正侵入告知信号)を、例えば図7に示す集中セキュリティ管理装置の受信機31へと送信する。
【0040】
尚、この形態例では、圧電素子27,27が応力を受け発電すると略同時に受信器31が作動して信号を発信するように構成されているが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、より安定した電波信号を送信する場合には、日常的なクレセント錠7の開閉作動により得られる振動により発電された電流を一定電圧までバッテリーに蓄電し、余剰の電流は放電するように構成してもよい。
【0041】
この場合には、特に図示はしないが、前記整流回路22で得られた脈流を直流として充電するコンデンサからなる充電手段と、この充電手段の充電量を圧電素子27,27の発電のタイミングに応じて間歇的に監視し判定する手段と、この判定手段により充電手段の充電量が発信可能なレベルに達すると充電手段の放電を開始させ、発信部24へと電力を供給する自己保持型電流スイッチ等で構成される放電スイッチを付設して構成するのが望ましい。
【0042】
また、この形態例における上記受信器31は、モジュールMが取り付けられた引戸1から離間した管理や気付き易い任意の場所に設置されている。具体的には、一戸建ての家屋の場合には、居間や台所、就寝室等に設置し、ビル等の建物の場合には管理室、或は、契約警備会社若しくは協力が得られるならば警察等に設置することができる。
【0043】
また、この受信器31は、1台で複数のモジュールMからの信号を受信できるように構成されており、アンテナ32と、受信部33と、制御部34と出力部35及び電源36と、から構成されている。
【0044】
受信部33では、各モジュールMからの信号を受信し、該信号を制御部34へと送り、該制御部34では、受信部33で受信した信号がいずれのモジュールMからの信号であるかを各モジュールMに付与されたID情報に基づきこれを判別回路(図示せず)で自動的に判別し、出力部35へと当該判別情報を送る。
【0045】
出力部35は、制御部34からの判別信号に基づき、例えば、家屋等に設置した受信器31を備えた警報装置や、ネットワークを介して契約警備会社、警察等の他、居住者のパソコンや携帯電話、緊急連絡先等へと自動的に侵入情報を送信するように構成されている。勿論、屋内に設置する場合には、当該受信器31にLED等を配置し、このLEDの点滅によって侵入箇所を迅速に視認することができるように構成するのが望ましい。さらに、この出力部35は、家人の出入りの際や日常的な窓(クレセント錠7)の開閉の際にも、侵入信号を発信するため、わずらわしい場合もあることから、メインスイッチやリモートコントローラまたは携帯電話等でその作動の要否をON・OFF制御できるように構成するのが望ましい。
【0046】
次に、上記のように構成されてなるアルミサッシ製の引戸1,2の作動を図8乃至図10に基づいて説明する。図8(A)(B)(C)は引戸1,2が閉じていてクレセント錠7がロックされている状態を、図9(A)(B)(C)はクレセント錠7をロック解除方向へと回動されてモジュールMが磁石8に吸着されて下降し、上方のコイルスプリング11が伸長し、かつ、下方のコイルスプリング11が収縮した状態を、図10(A)(B)(C)はクレセント錠7がさらにロック解除方向へと回動しモジュールMと磁石8との吸着状態が解除され、モジュールMが上下に往復振動している状態を夫々示している。
【0047】
即ち、図8(A)(B)(C)に示す状態では、引戸1,2が完全に閉じており、かつ、クレセント錠7がロック状態にセットされており、従って、モジュールMは磁石8に吸着されて振動しない停止状態を保持している。
【0048】
この状態から、図9(A)(B)(C)に示すように、クレセント錠7をロック解除方向に少し回動させると、この回動に伴い磁石8が下方向に回動するので、この磁石8に吸着されたモジュールMも上方コイルスプリング11の引張力に抗して下方へ引き下ろされる。
【0049】
次に、図10(A)(B)(C)に示すように、クレセント錠7をさらにロック解除方向へ回動させると、この回動に伴い磁石8がさらに下方向に回動してモジュールMと磁石8の吸着状態が解除されるので、モジュールMは上下のコイルスプリング11,11の弾性力により上下に往復振動し、モジュールMの発電部ケース26内の鉄球28が圧電素子27,27に衝突し、この衝突応力を受けて圧電素子27,27が発電を行ない、発電された電流は整流回路22で整流されて発信回路部16を作動させ、該発信回路部16は、特定の周波数からなる電波(不正侵入告知信号)を前記受信機31へと送信する。
【0050】
このように、この形態例では、外部電源に頼ることなく、クレセント錠7の開閉作動(ロック作動からロック解除作動)毎に圧電素子発電部21が自己発電して必要な電力を直ちに供給することができるように構成されているので、外部から発見しにくく、また、該クレセント錠7は、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵して構成されているので、当該引戸1,2を建物の窓開口部に装着する、という従来の引戸の取付作業或はクレセント錠7の取付作業と同様の簡単な作業で非常に高いセキュリティ性能を有する引戸1,2を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、モジュールM毎にIDを設定できるため、受信器31側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど不要とすることができる、という効果を得ることができる。
【0051】
図11乃至図16は、この発明の実施の第2形態例に係るクレセント錠7が取り付けられた引戸等の開閉体を示しており、この形態例に適用されるクレセント錠7では、第1形態例の構成からなる軸部7Cにアーム7Dを固着し、該アーム7Dに磁石8Aを固定すると共に、クレセント錠7をロック解除方向に回転操作したときに、上記アーム7Dも一緒に回動してモジュールMのユニットケース10に突設された係止ピン18と係合してモジュールMを下方へ押圧し、この後、上記アーム7Dがさらに回動して係合ピン18との係合状態が解除されると、モジュールMがコイルスプリング11,11の弾性力により上下方向に往復振動するように構成すると共に、モジュールM内に、図16に示すように、リードスイッチ17を配置し、クレセント錠7のロック状態或いはアンロック状態の別を自動的に判別できるように構成した他は、他の構成・作用は第1形態例と同様であるので、図面には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。尚、本形態例において、上記磁石8Aは、モジュールMに吸着して該モジュールMに振動を付与するために用いられるものではなく、該磁石8Aは、上記モジュールMに配設されたリードスイッチ17を励磁させるために用いられる。
【0052】
ここにおいて、図11(A)(B)は、クレセント錠7がロック状態にセットされている状態を示しており、図12(A)(B)はクレセント錠7がロック解除方向に回動操作されてアーム7DがモジュールMの係合ピン18に係合し、該モジュールMが下方へ押圧されている状態を、図13(A)(B)はクレセント錠7がさらにロック解除方向へ回動してアーム7Dと係合ピン18との係合状態が解除されモジュールMが上下に往復振動している状態を、図14(A)(B)はクレセント錠7をアンロック状態からロック状態へと回動操作し、アーム7DがモジュールMの係合ピン18と係合してモジュールMを上方向に押し上げている状態を、図15(A)(B)はクレセント錠7をさらにロック方向へと回動操作し、アーム7Dと係合ピン18との係合状態が解除されモジュールMが上下に往復振動している状態を、夫々示している。
【0053】
ここで、図11(A)(B)に示す状態では、クレセント錠7がロック状態にセットされており、従って、モジュールMのリードスイッチ17は磁石8Aに励磁されて、当該クレセント錠7が「ロック状態」にセットされていることを制御部23へと送信しているので、前記発信部24は受信器31に当該引戸が「閉状態」となっていることを、例えば、一定時間毎に送信するように構成されている。
【0054】
この状態から、図12(A)(B)に示すように、クレセント錠7をロック解除方向に回動させると、この回動に伴いアーム7Dが同方向へと回動してモジュールMの係合ピン18と係合し、該モジュールMを下方向へと押圧する。このとき、磁石8Aも上記アーム7Dとともに回動するので、この磁石8Aはリードスイッチ17の励磁範囲から外れる。制御部23は、この励磁の中断状態を検知し、当該クレセント錠7が「ロック解除状態」である旨の信号を前記受信器31へと送信する。
【0055】
即ち、この形態例に係る開閉体では、上記制御部23は、上記クレセント錠7の状態が、ロック状態なのか、アンロック状態であるかを判定するように構成されており、この別を受信器31へと送信するように制御するように構成されている。
【0056】
この送信のためのデータとしては、少なくとも、クレセント錠7の開閉状態(ロック状態又はアンロック状態)を知らせるためのリードスイッチ17等からのデータや、当該モジュールMが設置されたサッシに関するIDデータが含まれる。
【0057】
次に、図13(A)(B)に示すように、クレセント錠7をさらにロック解除方向へ回動させると、この回動に伴い磁石8Aがさらに下方向に回動してモジュールMの係合ピン18とアーム7Dとの係合状態が解除されるので、モジュールMは上下のコイルスプリング11,11の弾性力により上下に往復振動する。このときも、モジュールMのリードスイッチ17への磁石8Aによる励磁作用は解除されるので、制御部23は当該クレセント錠が「ロック解除状態」である旨の信号を受信器31へと送信し続ける。
【0058】
このようにモジュールMがコイルスプリング11,11の弾性力によって振動すると、圧電発電部21において圧電発電が開始され、発電された電力が整流回路22で整流された後、制御部23へと送られ、該制御部23ではこの供給された電力により発信部24を作動させて、窓(引戸)が開かれた旨を知らせる信号を送信回路部16から受信器31へと発信する。尚、この信号の送信は、少なくともモジュールMが振動している間は継続される。
【0059】
次に、図14(A)(B)に示すように、クレセント錠7をロック解除状態からロック方向へと回動させると、アーム7DがモジュールMの係合ピン18と係合して該モジュールMを上方へと押し上げる。
【0060】
この状態から、クレセント錠7をさらに回動させて図15(A)(B)に示すロック状態へと操作すると、モジュールMの係合ピン18とアーム7Dとの係合状態は解除され、該モジュールMはコイルスプリング11,11の弾性力によって上下に往復振動し、モジュールMによる発電作用が開始される。このとき、磁石8Aは、モジュールMのリードスイッチ17と対面する位置にセットされるため、上記発電された電力を利用して該リードスイッチ17は磁石8Aの励磁作用を受けて起動し、当該クレセント錠7が「ロック状態」にセットされた旨の信号を受信器31へと発信する。尚、上記作用により発電された余剰の電力は、例えば、リードスイッチ17の待機電力として蓄電されるように構成することができる。
【0061】
この形態例において、上記クレセント錠7の開閉情報は、上記したように、ロック状態にセットされているときにリードスイッチ17から発せられる信号を、例えば「1」と認識し、クレセント錠7がロック解除方向へと回動されてリードスイッチ17への磁石8Aによる励磁作用が中断されたときの信号を「0」と認識する場合には、制御部23は、「1」の次に「0」を受信し、さらに「1」の信号を受信したときに「再ロック状態」と認識するように構成することで、対応を容易に取ることができる。モジュールMが上下に往復振動している場合には、励磁時間が極めて短いため、このような励磁による信号はキャンセルし、一定時間励磁作用が継続したときに、開閉情報として用いるように構成するのが望ましい。
【0062】
尚、上記各形態例では、モジュールMを引戸に配設した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、窓がヒンジ開閉方式のものに適用されるクレセント錠を含む各種錠にも適宜設計変更して適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
この発明に係る建物の開閉体は、以上説明したように、外部から発見することが非常に難しく、また、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵したロック装置が一体的に取り付けられた窓や扉等の建物用の開閉体とすることで、従来の開閉体自体の構造を変更することなく、非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、発信器毎にIDを設定できるため、受信側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど不要とすることができる等、幾多の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1形態例に係る建物の開閉体であるクレセント錠が組み込まれた引戸の取り付け状態を示す正面説明図である。
【図2】同クレセント錠のモジュールが収納されたユニットケースの構成を示す構成説明図である。
【図3】同ユニットケース内構造を示す断面図である。
【図4】同モジュールの内部構成を示す断面図である。
【図5】同モジュールの回路構成を示すブロック図である。
【図6】同モジュールの圧電発電部の構成例を示す断面図である。
【図7】本形態例に用いられる受信器の構成例を示すブロック図である。
【図8】(A)はクレセント錠がロックされている状態の正面図を、(B)は同状態の断面図を、(C)は同状態の背面図である。
【図9】(A)はクレセント錠をロック解除方向へと回動させてモジュールが磁石に吸着されて下降し、上方のコイルスプリングが伸長し、かつ、下方のコイルスプリングが収縮した状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図を、(C)は同状態の背面図である。
【図10】(A)はクレセント錠がさらにロック解除方向へと回動しモジュールと磁石との吸着状態が解除され該モジュールが上下に往復振動している状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図を、(C)は同状態の背面図である。
【図11】この発明の実施の第2形態例に係る建物の開閉体に組み込まれたクレセント錠を示しており、(A)はクレセント錠がロック状態にセットされている状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図である。
【図12】(A)はクレセント錠がロック解除方向に回動操作されてアームがモジュールの係合ピンに係合し該モジュールが下方へ押圧されている状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図である。
【図13】(A)はクレセント錠がさらにロック解除方向へ回動してアームと係合ピンとの係合状態が解除されモジュールが上下に往復振動している状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図である。
【図14】(A)はクレセント錠をアンロック状態からロック状態へと回動操作してアームがモジュールの係合ピンと係合してモジュールを上方向に押し上げている状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図である。
【図15】(A)はクレセント錠をさらにロック方向へと回動操作してアームと係合ピンとの係合状態が解除されモジュールが上下に往復振動している状態を示す正面図を、(B)は同状態の断面図である。
【図16】同モジュールのリードスイッチの配置状態を示す説明図である。
【符号の説明】
M モジュール
W 窓
1,2 引戸(建物の開閉体)
3,4窓枠
3A 室内側窓枠
7 クレセント錠
7A 操作レバー部
7B 係止部
7C 軸
7D アーム
8,8A 磁石
10 ユニットケース
11 コイルスプリング
15 発電部
16 送信回路部
17 リードスイッチ
18 係止ピン
21 圧電素子発電部
22 整流回路
23 制御部
24 発信部
25 アンテナ
27 圧電素子
28 鉄球
29 クッション材
Claims (2)
- 建物の窓や扉等の開閉体を開閉自在にロック自在なロック装置を備え、該ロック装置は、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを有し、該モジュールの発電部は、上記ロック装置のロック用回転体の回転作動により連続して加振されて自己発電し、該発電された電力により上記送信部から開閉体の開閉状態情報が送信されるように構成されてなる建物の開閉体であって、前記モジュールは、その上下端部をコイルスプリングにより張持され、振動により発電を行う応力発生機構を備えた圧電素子と、該圧電素子による発電力を電源として所定の信号を外部へと発信する送信回路とが一体化されて構成されていると共に、前記ロック装置には、前記モジュールからの送信可能な開口が開設されていることを特徴とする建物の開閉体。
- 前記モジュールが収納保持されるケースユニットが、信号を透過し易いガラス或はプラスチックで成型されていることを特徴とする請求項1に記載の建物の開閉体。
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