JP3795000B2 - 建物の開閉体 - Google Patents

建物の開閉体 Download PDF

Info

Publication number
JP3795000B2
JP3795000B2 JP2002253045A JP2002253045A JP3795000B2 JP 3795000 B2 JP3795000 B2 JP 3795000B2 JP 2002253045 A JP2002253045 A JP 2002253045A JP 2002253045 A JP2002253045 A JP 2002253045A JP 3795000 B2 JP3795000 B2 JP 3795000B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
module
closing body
power generation
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002253045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004092121A (ja
Inventor
康弘 坂井
Original Assignee
株式会社ユーエスシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユーエスシー filed Critical 株式会社ユーエスシー
Priority to JP2002253045A priority Critical patent/JP3795000B2/ja
Publication of JP2004092121A publication Critical patent/JP2004092121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3795000B2 publication Critical patent/JP3795000B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Burglar Alarm Systems (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の窓や扉等の開閉体内、好ましくはサッシ内に目立たないように内蔵され、外部電源を用いることなく開閉体の不正な開閉状態を通信により外部へと知らしめることが可能な建物の開閉体に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
近年、窓ガラスを壊し、ロック装置を開けて空き巣に入るピッキングと呼ばれる犯罪が多発しており、これを防ぐため各種のセキュリティ装置が提案されている。
【0003】
このような窓やドア等に取り付けられる従来のセキュリティ装置は、一般的には、窓やドア等のロック部等に後付けされる方式のものが殆どであるため、外側から容易に発見されやすく、また、ガラスを壊す等して、その作動を故意に停止させることも可能である。
【0004】
さらに、従来のこの種のセキュリティ装置では、作動用電源の配線も後付けする必要であり、また、一家屋全部の窓やドアにこの従来のセキュリティ装置を取り付ける場合には、設備コスト及び工事コストが非常に高くなる他、全てのセキュリティ装置に、常時、電源を供給しておかなければならないため、ランニングコストも嵩む、という問題を有していた。
【0005】
またさらに、上記従来のセキュリティ装置にあっては、同種のものを数多く取り付けなければならないため、開閉箇所の特定を瞬時に判断することが難しく、また、単体で機能するため、他のセキュリティシステムと複合させることが困難である等、実用上、非常に多くの解決しなければならない問題を有していた。
【0006】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、外部から発見することが不可能であり、また、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵した窓や扉等の建物用の開閉体とすることで、当該開閉体を建物の所定の開口部に装着する、という従来の開閉体の取付作業と全く同じ簡単な取付作業だけで非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、発信器毎にIDを設定できるため、受信側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど不要とすることができる建物の開閉体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る建物の開閉体は、請求項1に記載したように、建物の窓や扉等の開閉体内に、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを内蔵させ、上記モジュールの発電部は、上記開閉体の開閉に伴う振動により自己発電可能に構成されていると共に、上記モジュールの送信部は、上記開閉体の開作動と閉作動の別を判別して、該開閉体の開閉状態を、該開閉体の外部に配設された受信器へと自動的に送信するように取り付けて構成したことを特徴とするものである。
【0008】
それ故、請求項1に記載の建物の開閉体にあっては、建物の窓や扉等の開閉体内に、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを内蔵させることで、外部からは全く発見することができないようにすることができる。
【0009】
また、モジュールを自己発電可能で、かつ、送信可能に構成することで、外部配線が不要となり、これによってもモジュールが外部から発見できないと共に、開閉体の振動により電力を得る自己発電方式であるため、バッテリーの交換等が不要でランニングコストがかからず、また、停電しても確実に作動させることができるので、保安性能も非常に高い。
【0010】
しかも、上記モジュールの送信部は、上記開閉体の開作動と閉作動の別を判別することができるので、セキュリティが必要なときに、開閉体の閉状態を確実に確認することができて安心であり、また、この開閉体の開閉状態は、該開閉体の外部に配設された受信器或は該受信器を経て警察や契約警備会社へと自動的に送信できるので、安全性を非常に高めることができる。
【0011】
尚、この発明に用いられる前記モジュールは、請求項2に記載したように、透磁性材質或いは透磁可能な開口が形成された開閉体内に内蔵することで、発電作動を高効率で行うことができるように構成するのが望ましい。
【0012】
また、この発明にあっては、前記モジュールは、具体的には、請求項3に記載したように、振動により発電を行う応力発生機構を備えた圧電素子と、該圧電素子による発電力を電源として所定の信号を外部へと発信する送信回路と、が一体化されたものが前記開閉体の内部に取り付けられて構成される。
【0013】
さらに、この発明にあっては、請求項4に記載したように、前記モジュールに、請求項1で記載した開閉判別手段として、開閉体の開閉を区別する機械的スイッチ或いはリードスイッチを用い、前記送信部は、上記スイッチからの開閉信号を判別して該信号を外部に配設された受信器へと発信するように構成されている。
【0014】
このように構成された前記モジュールは、請求項5に記載したように、前記開閉体のコーナー部に開設された少なくとも1箇所以上の開口部付近に配設することで、開閉体の振動によるモジュールの揺動振幅を大きく取ることができ、発電効率を容易に高めることが可能となると共に、通信を円滑に行うことができる。
【0015】
この通信をより円滑に行うことができるようにするため、この発明にあっては、請求項6に記載したように、前記モジュールが収納保持されるケースユニットを、信号を透過し易いガラス或はプラスチックで成型するのが望ましい。
【0016】
また、前記モジュールは、請求項7に記載したように、前記開閉体の枠部を構成するサッシ内部に配設するのが、目立たず、かつ、通信性能を確保する上で最良の実施形態である。
【0017】
尚、この発明にあっては、開閉体を閉じてセキュリティモードにセットされたことを容易に目視確認することができるように、請求項8に記載したように、モジュール或は受信器に、開閉体を閉じたときにLEDを発光させ、或は、警報を発する手段を付設して構成したことを特徴とするものである。
【0018】
一方、この発明に用いられる前記圧電発電装置は、請求項9に記載したように、板バネと、該板バネの一端部に揺動自在に固定されたケースユニットと、該ケースユニット内に配設された圧電素子と、該圧電素子に応力を付与する球体と、上記ケースユニット内に配設され上記圧電素子の歪変形により発電された電流を整流する整流回路と、を有して構成するのが望ましい。
【0019】
この場合、前記圧電発電装置の板バネには、請求項10に記載したように、該板バネの撓み変形を阻止し、或は、撓み変形を許容するストッパ或は吸着体が付設することで、誤作動を確実に防止することができるように構成するのが望ましい。
【0020】
さらに、この発明にあっては、製造を容易とし、かつ、取付或は交換をも容易とするために、前記板バネとモジュールが収納されたケースユニットとを、請求項11に記載したように、一体化して構成するのが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
図1乃至図3は、この発明の実施の第1形態例を示しており、該形態例では、この発明を建物の窓開口Wに装着されたアルミサッシ製の引戸1,2に適用した場合を示している。勿論、この発明の適用例は、本形態例における引戸1,2に限定されるものではなく、開き戸の扉、引戸の戸片、雨戸、観音開きの扉や窓、天窓等にも適用可能であり、また、これらの構成部材がアルミニューム以外の材質、例えば、木製やアルミニューム以外の金属材、石材、合成樹脂材であっても適用することができる。この場合、後記するモジュールMが揺動可能な内部空間が形成されていることと、モジュールMから発信される信号が当該モジュールMの設置場所から離れて設置された受信器31へと届くような手段、例えば、信号透過用の孔等を開設したり、当該部分をガラス板や合成樹脂で覆う等の処理を施す必要がある。
【0023】
本形態例に係る引戸1,2の基本的な形態は、アルミサッシ製で中空部を有する略ロ字形窓枠3,4に板ガラス5,6が嵌め込まれて構成されており、クレセント錠7でロック可能に構成されている。
【0024】
そして、上記引戸1,2が閉じられた状態で重合する上記窓枠3,4の室内側窓枠3Aの上部コーナー中空部3B内には、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールMが固定されて構成されている。尚、上記上部コーナー中空部3Bには、モジュール取付用の開口を開設することで、後付け可能に構成し、かつ、後記するモジュールMの通信性能を向上させるように構成することもできるが、アルミサッシは電波の伝播性能が高いので、上記開口を必ずしも開設する必要はなく、サッシ成形時に予めモジュールMを組み込んで構成してもよい。
【0025】
上記モジュールMは、図3に示すように、ユニットケース10内に板状のバネ11を介して揺動可能な大きさと形状に形成されており、該板バネ11の下端部は、ブラケット12を介してユニットケース10に支持されている。尚、同図中符号13は、ユニットケース10に開設されたユニット切欠部である。また、この形態例では、モジュールMの振幅範囲を効率的に得るため、略逆台形状に形成した場合を例にとり説明しているが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、窓枠の中空部内に完全に収納される大きさ・形状に構成することができる。この場合には、例えば、モジュールMを後記する形態例で説明するようにコイルスプリングで上下方向、好ましくは水平方向に揺動するように構成するのが望ましい。
【0026】
また、上記モジュールMは、図4に示すように、モジュールケース14内に収容された発電部15と送信回路部16とリードスイッチ17及びモジュールケース14の上部外側からユニット切欠部13の外方へと突設された金属ノブ18と、から構成されている。
【0027】
そして、上記引戸2の窓枠4であって、引戸1,2が閉まっているときに引戸1のモジュールMが配設された窓枠3Aと対面する部位には、磁石19,20が取り付けられており、この内、磁石19は、引戸1,2を開けたときにモジュールMの金属ノブ18を吸着してバネ11を撓ませ、引戸1をさらに移動させたときに、上記吸着状態を解除させてモジュールMをバネ11の弾性力により揺動させるために用いられ、また、磁石20は、引戸1を閉じたときにリードスイッチ17を励磁して、その信号を制御部23へと送信するために用いられる。
【0028】
次に、上記モジュールMの発電部15は、図5に示すように、圧電素子発電部21と整流回路22と、から構成されており、また、送信回路部16は、制御部23と発信部24とアンテナ25と、から構成されている。
【0029】
また、上記圧電発電部21は、図6に示すように、金属製の中空箱状の発電部ケース26と、該発電部ケース26内に対設された圧電素子27,27と、該圧電素子27,27に衝撃応力を付与する鉄球28と、から構成されており、上記圧電素子27,27は、クッション材29,29に保持されていると共に、上記鉄球28は、発電部ケース26内に形成された通路30に沿って直線的に往復動するように収容されている。尚、圧電素子27は、この形態例では、PZT系の2枚の板形の圧電セラミックス板を分極が互いに逆になるように接合して、直列に接続された発電構成として分極による打消しが防止されて発電性能が高められるように構成されている。
【0030】
圧電セラミックス板は、チタンジルコン酸亜鉛系の素材が好適であるが、これに限定されるものではなく、また、振動を長く持続してより効率的な発電を得るために、できるだけ硬くQ値が高いものを用いるのが望ましい。具体的には、Q値は1000以上、好ましくは、Q値が2000以上のものを用いるのが望ましい。また、クッション材29としては、合成樹脂材、ゴム材或はこれらをスポンジ状に形成した軟質材料を用いることができ、具体的には、発泡ポリエチレンが好適である。さらに、この発明では、鉄球28を、圧電素子27が破壊されていない程度に重量が重く発電効率が良好なタングステンや鉄などを用いることができ、また、圧電素子27の鉄球衝突面部をプロテクタでコーティングしてもよく、この場合には、加工性に優れたリン青銅やステンレス等の硬い金属或は合成樹脂などを用いることができる。
【0031】
また、この圧電素子27,27は、上記クッション材29,29の中央部分又は両端部に接着剤で部分的に接着されている。勿論、接着剤以外の固定手段で固着してもよい。
【0032】
整流回路22は、圧電素子発電部21で出力された交流電力を整流して脈流にする回路であり、所要数のダイオードで全波整流の回路が形成される。
【0033】
制御部23は、詳細は後記するが、前記モジュールMの作動状態が、窓が開いた状態なのか、開いた窓を閉めた状態であるかを判定し、この別を異なる周波数の電波で区別し送信するように制御する回路である。
【0034】
また、発信部24は、特に図示はしないが、通信制御手段と信号スイッチ手段と信号発生手段とを有して構成されている。この内、通信制御手段は通信に必要な動作を行う手段であり、電力が前記の方法で供給されることで動作を開始して信号スイッチ手段をON作動させると共に、発信のためのデータを信号発生手段へと送る。
【0035】
この発信のためのデータとしては、少なくとも、窓の開閉状態を知らせるためのリードスイッチ17等からのデータや、当該モジュールMが設置されたサッシに関するIDデータを含むものとする。
【0036】
また、上記信号発生手段は、上記通信制御手段から受け取った発信のためのデータを所定の無線信号に変換してアンテナ25から発信する。勿論、この形態例では、本モジュールMがバッテリーを備えて構成されている場合には、上記通信制御手段が発信のために必要なデータを全て信号発生手段へと送り終えた後、該通信制御手段が作動して、放電を停止させるように制御するのが望ましい。
【0037】
このように構成されてなる発電部15は、発電部ケース26に外力が作用し、板バネ11のバネ力によって該発電部ケース26が往復揺動することで、該発電部ケース26内の鉄球28は、上記通路30内を直線状に往復移動して圧電素子27,27に衝突し、この衝突応力を受けて圧電素子27,27が発電を行ない、発電された電流は整流回路22で整流されて発信回路部16を作動させ、該発信回路部16は、特定の周波数からなる電波(不正侵入告知信号)を、例えば、図7に示す集中セキュリティ管理装置の受信機31へと送信する。
【0038】
尚、この形態例では、圧電素子27,27が応力を受け発電すると略同時に受信器31が作動して信号を発信するように構成されているが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、より安定した電波信号を送信する場合には、日常的な窓の開閉作動により得られる振動により発電された電流を一定電圧までバッテリーに蓄電し、余剰の電流は放電するように構成してもよい。
【0039】
この場合には、特に図示はしないが、前記整流回路22で得られた脈流を直流として充電するコンデンサからなる充電手段と、この充電手段の充電量を圧電素子27,27の発電のタイミングに応じて間歇的に監視し判定する手段と、この判定手段により充電手段の充電量が発信可能なレベルに達すると充電手段の放電を開始させ、発信部24へと電力を供給する自己保持型電流スイッチ等で構成される放電スイッチを付設して構成するのが望ましい。
【0040】
また、この形態例における上記受信器31は、モジュールMが取り付けられた引戸1から離間した管理や気付き易い任意の場所に設置されている。具体的には、一戸建ての家屋の場合には、居間や台所、就寝室等に設置し、ビル等の建物の場合には管理室、或は、契約警備会社若しくは協力が得られるならば警察等に設置することができる。
【0041】
また、この受信器31は、1台で複数のモジュールMからの信号を受信できるように構成されており、アンテナ32と、受信部33と、制御部34と出力部35及び電源36と、から構成されている。
【0042】
受信部33では、各モジュールMからの信号を受信し、該信号を制御部34へと送り、該制御部34では、受信部33で受信した信号がいずれのモジュールMからの信号であるかを各モジュールMに付与されたID情報に基づきこれを判別回路(図示せず)で自動的に判別し、出力部35へと当該判別情報を送る。
【0043】
出力部35は、制御部34からの判別信号に基づき、例えば、家屋等に設置した警報装置や、ネットワークを介して契約警備会社、警察等の他、居住者のパソコンや携帯電話、緊急連絡先等へと自動的に侵入情報を送信するように構成されている。勿論、屋内に設置する場合には、当該受信器31にLED等を配置し、このLEDの点滅によって侵入箇所を迅速に視認することができるように構成するのが望ましい。さらに、この出力部35は、家人の出入りの際や日常的な窓の開閉の際にも、侵入信号を発信するため、わずらわしい場合もあることから、メインスイッチやリモートコントローラまたは携帯電話等でその作動の要否をON・OFF制御できるように構成するのが望ましい。
【0044】
次に、上記のように構成されてなるアルミサッシ製の引戸1,2の作動を図8乃至図15に基づいて説明する。図8(A)(B)は引戸1,2が閉じている状態を、図9(A)(B)は引戸1を少し開いてモジュールMの金属ノブ18と磁石19が吸着している状態を、図10(A)(B)は引戸1がさらに開いてバネ11が撓んだ状態を、図11(A)(B)は引戸1が図10の状態よりもさらに開いてモジュールMと磁石19が離れモジュールMがバネ11の弾性力によって揺動している状態を、図12(A)(B)は引戸1が開いた状態を、図13(A)(B)は引戸1が少し閉じて磁石19にモジュールMが吸着した状態を、図14(A)(B)は引戸1を図13の状態よりもさらに閉じてバネ11が撓んだ状態を、図15(A)(B)は引戸1が完全に閉じて磁石19とモジュールMが離間しモジュールMが揺動している状態を夫々示している。
【0045】
図8(A)(B)に示す状態では、引戸1,2が完全に閉じており、モジュールMの金属ノブ18は、磁石19に吸着されていないので、モジュールMは揺動しない停止状態を保持している。尚、このとき、モジュールMのリードスイッチ17は磁石20の作用により励磁されて「閉信号」を制御部23へと送信しているので、前記発信部24は受信器31に当該引戸1,2が「閉状態」となっていることを、例えば、一定時間毎に送信するように構成されている。
【0046】
この状態から、図9(A)(B)に示すように、引戸1が少し開くと、モジュールMの金属ノブ18と磁石19が吸着する。この状態でも上記モジュールMのリードスイッチ17は磁石20の励磁作用を受け、引戸1がまだ開かれていない状態と認識し、前記「閉信号」を受信器31へと送信し続ける。
【0047】
そして、図10(A)(B)に示すように、引戸1がさらに開かれてモジュールMの金属ノブ18が磁石19に吸着された状態を保持すると、モジュールMを立設保持するバネ11が徐々に撓む。このとき、モジュールMのリードスイッチ17への磁石20による励磁作用は解除されるので、制御部23は「開状態送信可能」の状態にセットされる。
【0048】
そして、図11(A)(B)に示すように、引戸1が図10の状態よりもさらに開いてモジュールMと磁石19が離れ、モジュールMがバネ19の弾性力によって揺動を開始すると、圧電発電部21において圧電発電が開始され、発電された電力が整流回路22で整流された後、制御部23へと送られ、該制御部23ではこの供給された電力により発信部24を作動させて、引戸1(引戸2)が開かれた旨を知らせる信号を送信回路部16から受信器31へと発信する。尚、この信号の送信は、少なくともモジュールMが揺動している間は継続される。
【0049】
図12(A)(B)は引戸1が開いてモジュールMの揺動状態が停止している状態を示しており、この状態から図13(A)(B)に示すように、引戸1を少し閉じると、金属ノブ18が磁石19に吸着される。この状態では、モジュールMのリードスイッチ17は磁石20からは離れているので、該リードスイッチ17からの信号は、「開信号」を送信し続けている。
【0050】
この状態から、引戸1をさらに閉じて図14(A)(B)に示す状態とすると、モジュールMは磁石19に吸着された状態を保持しつつバネ11が撓む。このとき、モジュールMのリードスイッチ17は磁石20の励磁作用を受ける位置まで移動しているので、該リードスイッチ17は起動して「閉信号」を受信器31へと発信する。
【0051】
この後、引戸1を完全に閉じると、図15(A)(B)に示すように、磁石19からモジュールMが離間し、バネ11の弾性力によりモジュールMが揺動し、例えば、リードスイッチ17の待機電力として蓄電され、或は、リードスイッチ17の「閉信号」発信電力を供給する。
【0052】
このように、この形態例では、外部電源に頼ることなく、引戸1の開閉作動毎に圧電素子発電部21が自己発電して必要な電力を直ちに供給することができるように構成されているので、外部からは発見不能であり、また、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵して構成しているので、当該引戸1,2を建物の窓開口部に装着する、という従来の引戸の取付作業と全く同じ簡単な取付作業だけで非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、モジュールM毎にIDを設定できるため、受信器31側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど不要とすることができる、という効果を得ることができる。
【0053】
図16と図17は、この発明の実施の第2形態例に係る引戸1,2を示しており、この形態例に係る引戸1,2は、第1形態例に係る板状のバネ11で保持するモジュールMに代えて、該モジュールMを窓枠3,4の水平部分に直線移動可能に配置すると共に、該モジュールMの両端部をコイルスプリング11A,11Aで架設保持し、さらに、モジュールMの外側から窓枠3の垂直部3A方向に延びるブラケット30の先端部に前記金属ノブ18を突設して第1形態例の金属ノブ18と同様の作用を呈するように構成した他は、他の構成・作用は第1形態例と同様であるので、図面には第1形態例と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0054】
即ち、この形態例では、引戸1,2が閉じている状態では、図16(A)(B)に示すように、金属ノブ18が磁石19に吸着されている状態を保持するように構成されていると共に、引戸1が開いた状態では、図17(A)(B)に示すように、磁石19がモジュールMのリードスイッチ17を励磁するように構成して、第1形態例の磁石20を廃止して構成されている。
【0055】
それ故、この形態例に係る引戸1,2にあっては、第1形態例の引戸1のように、コーナー部に三角形状のモジュール揺動空間を形成する必要がなくなるので、市販されている標準仕様の引戸にも適用することができて引戸の製造コストが嵩むのを防止することができ、また、後付も簡単に行うことも可能となる他、部品点数を低減できるので、第1形態例で得られる作用・効果に加え、引戸1又は2の組み立て作業及び製品コストを低減することができる、という作用・効果を得ることができる。
【0056】
尚、上記各形態例では、モジュールMを引戸1の上部コーナー部に配設した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、図18に示すように、モジュールMを引戸1の上下コーナー部に配置し、これらのモジュールMから同一の信号が発せられたときに窓が開いたことを確認するようにして誤作動を防止するように構成してもよく、また、引戸2に第1・第2形態例或は図18と同様にモジュールMを配設して構成し、さらには、引戸1,2のそれぞれに同様にモジュールMを配設して構成してもよい。
【0057】
また、この発明にあっては、窓がヒンジ開閉方式である場合には、窓枠の回転軌跡の途中に金属ノブ18を配設し、窓開口枠側に磁石19,20を配設して構成しても同様の作用・効果を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
この発明に係る建物の開閉体は、以上説明したように、窓やドア等に予め組み込むことができる内蔵型で構成したので、外部から発見しにくく、また、外部からは全く発見できず、また、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵した窓や扉等の建物用の開閉体とすることで、当該開閉体を建物の所定の開口部に装着する、という従来の開閉体の取付作業と全く同じ簡単な取付作業だけで非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、発信器毎にIDを設定できるため、受信側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど不要とすることができる等、幾多の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1形態例に係る建物の開閉体である引戸の取り付け状態を示す正面説明図である。
【図2】同引戸のモジュール配置部位を拡大して示す構成説明図である。
【図3】同モジュールが収納されたユニットケースの構成を示す断面図である。
【図4】同モジュールの内部構成を示す正面図である。
【図5】同モジュールの回路構成を示すブロック図である。
【図6】同モジュールの圧電発電部の構成例を示す断面図である。
【図7】本形態例に用いられる受信器の構成例を示すブロック図である。
【図8】(A)は引戸が閉じている状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図9】(A)は引戸を少し開いてモジュールの金属ノブと磁石が吸着している状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図10】(A)は引戸がさらに開いてバネが撓んだ状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図11】(A)は引戸が図10の状態よりもさらに開いてモジュールと磁石が離れモジュールがバネの弾性力によって揺動している状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図12】(A)は引戸が開きモジュールが停止した状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図13】(A)は引戸が少し閉じて磁石にモジュールが吸着した状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図14】(A)は引戸を図13の状態よりもさらに閉じてバネが撓んだ状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図15】(A)は引戸が完全に閉じて磁石とモジュールが離間し、該モジュールが揺動している状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図16】この発明の実施の第2形態例に係る建物の開閉体である引戸を示しており、(A)は引戸が完全に閉じて磁石とモジュールの金属ノブが吸着している状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図17】(A)は同引戸が開いてモジュールの金属ノブと磁石が離れモジュールが水平直線方向に振動している状態の平断面説明図を、(B)は同状態の要部正面説明図である。
【図18】前記モジュールを引戸の上下に配置した例を示す正面説明図である。
【符号の説明】
M モジュール
W 窓
1,2 引戸(建物の開閉体)
3,4窓枠
3A 室内側窓枠
3B 上部コーナー中空部
7 クレセント錠
10 ユニットケース
11 バネ
12 ブラケット
13 ユニット切欠部
14 モジュールケース
15 発電部
16 送信回路部
17 リードスイッチ
18 金属ノブ
19,20 磁石
21 圧電素子発電部
22 整流回路
23 制御部
24 発信部
25 アンテナ
27 圧電素子
28 鉄球
29 クッション材

Claims (6)

  1. 建物の窓や扉等の開閉体内に、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを内蔵させ、上記モジュールの発電部は、振動により発電を行う応力発生機構を備えた圧電素子を有する圧電発電装置と、該圧電素子による発電力を電源として所定の信号を外部へと発信する送信部とが一体化されて振動により自己発電可能に構成されていると共に、上記圧電発電装置は、板バネと、該板バネの一端部に揺動自在に固定されたケースユニットと、該ケースユニット内に配設された圧電素子と、該圧電素子に応力を付与する球体と、上記ケースユニット内に配設され上記圧電素子の歪変形により発電された電流を整流する整流回路と、から構成されていることを特徴とする建物の開閉体。
  2. 前記モジュールの送信部は、上記開閉体の開作動と閉作動の別を判別して、該開閉体の開閉状態を、該開閉体の外部に配設された受信器へと自動的に送信するように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物の開閉体。
  3. 前記モジュールは、前記開閉体のコーナー部に開設された少なくとも1箇所以上の開口部付近に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の建物の開閉体。
  4. 前記モジュールは、前記開閉体の枠部を構成するサッシ内部に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の建物の開閉体。
  5. 前記圧電発電装置の板バネには、該板バネの撓み変形を阻止し、或は、撓み変形を許容するストッパ或は吸着体が付設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の建物の開閉体。
  6. 前記板バネとモジュールが収納されたケースユニットとを一体化して構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の建物の開閉体。
JP2002253045A 2002-08-30 2002-08-30 建物の開閉体 Expired - Fee Related JP3795000B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002253045A JP3795000B2 (ja) 2002-08-30 2002-08-30 建物の開閉体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002253045A JP3795000B2 (ja) 2002-08-30 2002-08-30 建物の開閉体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004092121A JP2004092121A (ja) 2004-03-25
JP3795000B2 true JP3795000B2 (ja) 2006-07-12

Family

ID=32059161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002253045A Expired - Fee Related JP3795000B2 (ja) 2002-08-30 2002-08-30 建物の開閉体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3795000B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101080043B1 (ko) * 2009-09-10 2011-11-04 전주대학교 산학협력단 도어장착용 발전장치 및 비상구 표시장치
JP6130717B2 (ja) * 2013-04-23 2017-05-17 三菱電機エンジニアリング株式会社 扉開閉検出システム
KR101680434B1 (ko) 2014-07-04 2016-11-28 한양대학교 산학협력단 문 개폐 이용 압전 하베스팅 시스템
WO2018042902A1 (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 発電装置
JP2021102519A (ja) * 2019-12-26 2021-07-15 株式会社バカン 管理装置及び回収箱
CN113345185B (zh) * 2021-04-12 2022-08-30 中国地质大学(武汉) 一种基于LoRa散射通信方法的无源门窗报警装置
KR102501050B1 (ko) * 2021-10-18 2023-02-17 엠피아주식회사 도어개폐 감지 모니터링 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004092121A (ja) 2004-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1343127A1 (en) Security device and security system
JP6776250B2 (ja) スマートバリア警報装置
US20040066302A1 (en) Interactive motion sensitive sensor
JP2011512044A (ja) ワイヤレスエネルギー自給スイッチ
JP3795000B2 (ja) 建物の開閉体
JP3947802B2 (ja) 建物の開閉体
US20040187387A1 (en) Device for closing a building or enclosure and drive device and control device and control therefor
TW201610279A (zh) 智慧型非接觸式門鎖訊號轉換器
JP4151902B2 (ja) 建物の開閉体用ロック装置
US20210067747A1 (en) Smart Visual Lock System
JP4058487B2 (ja) 建物の開閉体用スイッチ装置
JP4162543B2 (ja) 硝子の破壊検出装置
JP2005115409A (ja) 開閉構造物の異常検知装置
KR101459372B1 (ko) 도어 개폐 장치
JP2005139627A (ja) 建物の開閉体用ロック装置
AU2020360874A1 (en) A security monitoring system
JP2007126950A (ja) 生体認証を用いた無線電子ロック装置
JP2005351021A (ja) 空掛け防止可能なクレセント錠装置
CN219626061U (zh) 一种基于物联网的宿舍智能门禁及系统
ITMI20000500A1 (it) Antifurto per edifici
JP2005275852A (ja) 建物の開閉体用スイッチ装置
JP4196938B2 (ja) 二重窓用外窓の閉め忘れ防止システム
JP2005133321A (ja) 扉制御装置
JP4325174B2 (ja) 施錠システム
WO2023227256A1 (en) Video doorbell device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees