JP3947648B2 - 非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法および調製装置 - Google Patents

非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法および調製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱現像感光材料に用いるための非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法、および該方法を実施するための非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度および鮮明さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用および写真技術用途の光感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用を無くし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
熱現像により画像を形成する方法は、たとえば米国特許第3,152,904号明細書、同3,457,075号明細書、およびD.クロスタボーア(Klosterboer)著による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、J.スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第9章、第279頁、1989年)に記載されている。
【0004】
このような感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、および銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照を成し、画像の形成が可能となる。
【0005】
このようなシステムに使用される銀源は一般的に脂肪酸の銀塩であり、種々の製造法が知られている。例えば、特開昭49−93310号公報、特開昭49−94619号公報、および特開昭53−68702号公報のような水と水難溶性溶媒の共存液中にて有機銀塩を調製する方法、特開昭53−31611号公報、特開昭54−4117号公報、および特開昭54−46709号公報のような水溶液中にて有機銀塩を調製する方法、特開昭57−186745号公報、特開昭47−9432号公報および米国特許第3,700,458号明細書のような有機溶媒中で有機銀塩を調製する方法等がある。基本的には、脂肪酸を水中でその融点以上に加熱し溶融させ、激しく攪拌しながら水酸化ナトリウムもしくはアルカリ金属塩を加え、その後、アルカリセッケンを銀セッケンに換えるため、硝酸銀を加えることにより調製する。
【0006】
このようなアルカリセッケンは、水溶液中ではミセルを形成し、外見上は白濁液となっている。このようなミセル状態からの銀セッケンへの反応は、しばしば製造安定性の問題を引き起こす。このため、アルカリセッケンを均一液にするための方法として、溶媒を水とアルコールの混合液にする事が特開昭55−40607号公報に開示されている。
【0007】
また、アルカリセッケンは、その名の通りアルカリ性を呈する。従ってこの場合、銀セッケンは高pH下で作られることになる。ところが、硝酸銀をアルカリ液中に添加する事は、副生成物として酸化銀を生じさせるばかりでなく、製造上避けられぬ還元性の微量汚染物質が、高pHであるが故に高い還元性を有し、意図しない銀核を生じさせることになる。このような副生成物はかかる熱現像写真材料の性能、特に望まれぬカブリを生じる点ではなはだ不利である。上記観点から、副生成物の発生を抑えるために均一液を得ることを目的とした特開昭55−40607号公報記載の方法においても、カブリの問題は解決されていない。
【0008】
また、特開平9−127643号公報には、アルカリ金属塩溶液と硝酸銀溶液の同時計量添加による銀塩形成法が開示されており、ベヘン酸ナトリウムの水とイソプロピルアルコールの混合溶液と硝酸銀溶液との同時添加の記載がある。この方法は少なくとも高pH下での反応を中性域まで下げることができ、酸化銀形成量を下げ得る好ましい方法ではあるが、イソプロピルアルコールには弱い還元性があり、この点、カブリを完全に解決する手段には至らない。
【0009】
このように、脂肪酸銀塩の調製には注意が必要であり、脂肪酸銀塩形成時における可能な限りの還元性物質の排除、粒子サイズのコントロール、さらには粒子形状のコントロールが必要であるが、従来の方法ではそこまで至っていない。
【0010】
ところで、従来より脂肪酸銀塩を用いた熱現像材料は、これらの多くはトルエン、メチルエチルケトン、メタノールなどの有機溶剤を溶媒とする塗布液を塗布することにより感光層を形成している。有機溶剤を溶媒として用いることは、製造工程での安全性、人体への悪影響、さらには溶剤の回収その他のため、コスト上非常に不利であるばかりでなく、環境保護を目指した熱現像感光材料を世に提供する目的を考えた場合には、適当な製造方法ではないと言えよう。
【0011】
このため、水溶媒の塗布液を用いて感光層を形成する方法が考えられている。
例えば、特開昭49−52626号公報、特開昭53−116144号公報などにはゼラチンをバインダーとする例が記載されている。また、特開昭50−151138号公報にはポリビニルアルコールをバインダーとする例が記載されている。
【0012】
さらに、特開昭60−61747号公報には、ゼラチンとポリビニルアルコールを併用した例が記載されている。これ以外の例として、特開昭58−28737号公報には水溶性ポリビニルアセタールをバインダーとする感光層の例が記載されている。
【0013】
このように水溶性バインダーを用いると水溶媒の塗布液を用いて感光層を形成することが可能となり、環境上、コスト上のメリットは大きい。しかしながら、上記水溶性ポリマーのバインダーは脂肪酸銀塩との相性が悪く、塗布面質上実用に耐える塗布膜が得られなかったり、現像部の銀像色調が本来好ましいとされる黒色からかけ離れた茶色や黄色になったり、カブリが高かったり等の問題が生じるため、商品価値の著しく損なわれたものしか得られなかった。
【0014】
脂肪酸銀塩を含む水溶媒塗布液で実用に耐える塗布面質を得るためには、水溶媒中で脂肪酸銀塩を凝集なく微細に分散された状態にしておく必要がある。このため、脂肪酸銀塩を微粒子分散する方法の開発が必要である。通常は、例えばD.クルースタボア(Kloosterboer)による記載(イメージング・プロセシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版,スタージ(Sturge),V.ウォールワーズ(Walworth),A.シェップ(Shepp)編集、第279頁、1989年)の様に、疎水的である脂肪酸銀塩粒子分散物を形成した後にろ過分離し、固形物として取り出してから、分散剤を混合して再分散する方法が取られる。
【0015】
脂肪酸銀塩を微粒子分散化する方法は、分散助剤の存在下で公知の微細化手段(例えば、高速ミキサー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、バンバリーミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ストーンミル)を用い、機械的に分散することが知られているが、これらの方法では、凝集粒子の多い、結果として塗布面質の劣悪な塗布液しか得られないばかりでなく、もともと水難溶性塩として晶析した脂肪酸銀の一次粒子を無差別に粉砕してしまう確立が高いため、結晶へき開面で銀核を形成してカブリ増大の原因ともなってしまう。
【0016】
また、特公平7−119953号公報、特開平8−137044号公報、特開平8−238848号公報には脂肪酸銀塩を圧力処理して微細分散する方法が開示されているが、これらは有機溶剤を溶媒とする分散物に関するものであり、上記問題の解決とは性格を異にするものである。
【0017】
特開平9−127643号公報には、アルカリ金属塩溶液と硝酸銀溶液の同時計量添加により得られた脂肪酸銀塩粒子分散物を透析や限外ろ過を用いて直接脱塩する方法が開示されている。この方法は、少なくとも脂肪酸銀塩の晶析時に得られた一次粒子を損なわずにそのまま感光層に導入する点では好ましい方法ではあるが、高塩濃度雰囲気下での粒子の凝集や分散液を濃縮する上での高粘化の問題などが解決されておらず、この点、実用的な塗布液を得るための手段には至らない。
【0018】
また、微粒子かつ単分散な脂肪酸銀塩粒子を得るためには、アルカリ金属塩溶液と硝酸銀溶液を添加しながら激しく混合する必要がある。特に高温で溶解した脂肪酸のアルカリ金属塩溶液は、添加された瞬間に温度低下し析出するため、希釈速度や流動が緩慢であると大きな粗大粒子へと成長してしまう。しかしながら、気/液界面を有するタンクなどに添加する場合、撹拌速度を上げると空気の巻き込みが起こる。脂肪酸銀塩粒子は極めて疎水的であり、同伴された泡の表面に吸着して泡を安定化し破泡を妨げるばかりか、気泡上で隣接した粒子同士は凝集を起こす。この様に空気を巻き込んだ液はホイップクリーム状になり、限外ろ過などで副生成塩の脱塩を行う場合、ハンドリング性が著しく劣化するばかりでなく、凝集した粒子は目詰まりの原因ともなる。
【0019】
銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液が反応した後の液温が高いと物理熟成によって粒子が成長するので常温程度に維持することが好ましい。一方、長鎖脂肪酸アルカリ金属塩の安定溶液を得るためには50℃以上の高温にする必要があり、添加液が持ち込む熱量を相殺するための熱交換を迅速に行う必要がある。タンク等にジャケット槽を付設する方法では反応液量が増えるとともに熱交換できる表面積が小さくなるため、スケールアップ性に問題があった。
【0020】
以上から、塗布面質が良好かつ、ヘイズやカブリなど光学性能に優れた脂肪酸銀塩の水溶媒塗布液化のための安定した製造方法は見い出されていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決することを課題とした。すなわち本発明は、分散物にしたときに分散安定性および塗布適性に優れた非感光性脂肪酸銀塩粒子を提供し、該分散物を用いて製造した熱現像感光材料が保存後においてもカブリ防止能が高く、さらには、熱現像処理後の画像安定性、光透過性に優れるという特徴を有する非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法を提供することを解決すべき課題とした。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者はこれらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、銀イオン含有水溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを密閉混合手段中で混合して反応させることによって優れた非感光性脂肪酸銀塩粒子を調製することができることを見出し、本発明を提供するに至った。
ここで言う「密閉混合手段」とは、容器内が混合すべき液体で満たされ、実質的に空気相が存在しない、いわゆる気/液界面が存在しない状態で液体を撹拌混合する手段を指す。
すなわち本発明は、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液と、水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを反応させて脂肪酸銀粒子を調製する方法において、密閉混合手段中にて前記銀イオン含有溶液と前記脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを混合して反応させることを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法を提供する。
本発明の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法では、密閉混合手段中に、水、または水と有機溶剤との混合物をさらに添加することが好ましい。特に添加する水または混合物には分散剤が含まれていることが好ましい。また、反応後に得られる混合物の少なくとも一部を循環して前記密閉混合手段中に添加することも好ましい。さらに、反応に得られる混合物を冷却することも好ましい。
【0023】
また本発明は、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を密閉混合手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を密閉混合手段に供給する第2供給手段;水、または水と有機溶剤との混合物を密閉混合手段に供給する第3供給手段;および、前記第1供給手段、前記第2供給手段および前記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する密閉混合手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置も提供する。この調製装置は、密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい。
さらに本発明は、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を密閉混合手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を密閉混合手段に供給する第2供給手段;前記第1供給手段、前記第2供給手段および後記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する密閉混合手段;および、前記密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液の少なくとも一部を前記密閉混合手段に供給する第3供給手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置も提供する。この調製装置は、密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい。また、密閉混合手段は密閉容器内に回転翼を有する混合装置であることが好ましく、回転翼の最外周部における線速度は1〜50m/秒、混合液体1リットルに対する撹拌動力は0.1〜10kWであることが好ましい。
なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法を詳細に説明する。本発明の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法は、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液と、水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを反応させて脂肪酸銀塩粒子を調製するものであって、密閉混合手段中にて前記銀イオン含有溶液と前記脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを混合して反応させることを特徴とする。本発明の調製方法において、密閉混合手段は複数台平列してもよい。
図1に本発明に係る非感光性脂肪酸銀塩調製方法の模式図を示す。1は、密閉かつ液体で充満された混合装置、2は熱交換器である。図中Aは銀イオン含有溶液、Bは脂肪酸アルカリ金属塩溶液、Cは水、または水と有機溶剤との混合物、もしくは反応した後の非感光性脂肪酸銀塩粒子を含む混合液である。これらの液が混合装置内で合流し、脂肪酸銀塩液Dが調製され、次いで熱交換器2に送り込まれて冷却される。
【0025】
図2は本発明に係る非感光性脂肪酸銀塩調製方法の一実施形態である。図中、貯蔵タンク11ないし12には、それぞれ銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液を所定の温度に設定して貯蔵する。流量計13および14は、これらの溶液をポンプ15と16を介して密閉かつ液体で充満された混合装置18に添加する際の流量を計測するための流量計である。この実施形態においては、第3の成分として、調製された脂肪酸銀塩粒子分散物を混合装置18に再び供給するポンプ17を具備している。混合装置18内で反応終了した液は、熱交換器19へと導入して速やかに冷却され、生成液用タンク20に導かれる。
【0026】
図3は本発明に係る非感光性脂肪酸銀塩調製方法の別の一実施形態である。図中、貯蔵タンク21ないし22には、それぞれ銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液を所定の温度に設定して貯蔵する。流量計23、23’、24、24’は、これらの溶液をポンプ25、25’、26、26’を介して密閉かつ液体で充満された混合装置28、28’に添加する際の流量を計測するための流量計である。この実施形態においては、第3の成分として、調製された脂肪酸銀塩粒子分散物を混合装置28、28’に再び供給するポンプ27、27’を具備している。混合装置28、28’内で反応終了した液は、熱交換器29へと導入して速やかに冷却され、生成液用タンク30に導かれる。このように、密閉混合手段は1つであっても2つ以上を並列させてもよい。2つ以上を並列させる場合には、溶液は各密閉混合手段へ等分に供給すればよい。
添加する銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液は、それぞれ貯蔵タンク中で調製して所定の温度に設定してもよいし、別途調製した後に貯蔵タンクに供給して所定の温度に設定してもよい。
【0027】
本発明に用いる熱交換器の種類に限定はない。例えば、多管円筒型熱交換器、ヒートパイプ型熱交換器、二重管式熱交換器、コイル式熱交換器、カスケード式熱交換器、渦巻き板式熱交換器等を有効に使用できる。
銀イオン溶液の流量計としては、計測誤差が1%未満かつ時数が1秒未満の電磁流量計もしくは質量流量計を用いることができる。有機酸金属塩溶液の流量計としては、計測誤差が1%未満かつ時数が1秒未満の質量流量計を用いることができる。
ポンプとしては、上記流量計の計測値よりフィードバック制御が可能なポンプ(例として、ロータリーポンプ、サニタリーポンプ、ギアポンプ、モーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイアフラムポンプ)、もしくは定量誤差が1%未満で安定した吐出量が得られるポンプ(例として、ギアポンプ、モーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイアフラムポンプ)等が挙げられる。脈動率は5%未満のものが好ましい。
【0028】
本発明に用いる銀イオン含有溶液のpHは、好ましくはpH1〜6、さらに好ましくはpH1.5〜4である。さらに、pH調節のため、酸およびアルカリを加えることができる。酸およびアルカリの種類は特に制限されない。
【0029】
本発明に用いる銀イオン含有溶液の銀イオン濃度は、任意に決定されるが、モル濃度として、0.03〜6.5mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
【0030】
本発明の脂肪酸塩粒子を形成させるためには、銀イオン含有溶液、脂肪酸アルカリ金属塩溶液、あらかじめ反応場に準備しておく溶液の少なくとも一つに、脂肪酸アルカリ金属塩がひも状会合体やミセルではなく、実質的に透明溶液となり得る量の有機溶剤が含まれていなくてはならない。溶液は有機溶剤単独でも構わないが、水との混合溶液であることが好ましい。
【0031】
本発明に用いる有機溶剤としては、水溶性で上記性質を有しているものであればその種類は特に制限されないが、写真性能に支障をきたすものは好ましくなく、好ましくは水と混合できるアルコール、アセトン、さらに好ましくは炭素数4〜6の第3アルコールが好ましい。また、用いる脂肪酸は、銀塩とした場合に光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。脂肪酸は特に炭素数10〜30、好ましくは12〜26を有する長鎖脂肪カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の好ましい例としては、セロチン酸、リグノセリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、アラキジン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リノール酸、酪酸および樟脳酸、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0032】
本発明に用いる脂肪酸のアルカリ金属塩のアルカリ金属は、具体的にはNa、Kが好ましい。脂肪酸のアルカリ金属塩は、脂肪酸にNaOHもしくはKOHを添加することにより調製される。このとき、アルカリの量を脂肪酸の当量以下にして、未反応の脂肪酸を残存させることが好ましい。この場合の、残存脂肪酸量は全脂肪酸に対し3〜50mol%であり、好ましくは3〜30mol%である。また、アルカリを所望の量以上に添加した後に、硝酸、硫酸等の酸を添加し、余剰のアルカリ分を中和させることにより調製してもよい。
【0033】
さらに、本発明に用いる銀イオン含有溶液および脂肪酸アルカリ金属塩溶液、あるいは両液が添加される密閉混合装置の液には、分散剤として例えば特開昭62−65035号公報の一般式(1)で示されるような化合物、特開昭62−150240号公報に記載されるような水溶性基含有Nヘテロ環化合物、特開昭50−101019号公報に記載されるような無機過酸化物、特開昭51−78319号公報に記載されるようなイオウ化合物、特開昭57−643号公報に記載されるようなジスルフィド化合物、および過酸化水素等を添加することができる。
【0034】
本発明に用いる脂肪酸アルカリ金属塩溶液は、有機溶媒の量が水分の体積に対し、溶剤体積として3〜70%であることが好ましく、5〜50%であることがより好ましい。この際、反応温度で最適な溶媒体積が変化するため、トライアンドエラーで最適量を決定する事ができる。
【0035】
本発明に用いる脂肪酸のアルカリ金属塩の濃度は、質量比として5〜50質量%であり、好ましくは7〜45質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。
【0036】
本発明に用いる銀イオン含有溶液および脂肪酸アルカリ金属塩溶液を密閉混合手段に同時添加する事により、所望の脂肪酸銀塩を調製することができる。その際、総添加銀量の10〜100%がほぼ同モルの脂肪酸アルカリ金属塩溶液と同時に添加されていることが好ましく、30〜100%が同時添加されていることがさらに好ましく、50〜100%が同時添加される事が特に好ましい。いずれかを優先して添加する場合は、銀イオン含有溶液を先行させる方が好ましい。
【0037】
本発明に用いる銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液は、所望の粒子を得るために適当な温度にする事ができる。銀イオン含有溶液の温度としては液の安定性を確保する目的で5〜60℃が好ましく、より好ましくは5〜40℃である。脂肪酸アルカリ金属塩溶液はアルカリセッケンの結晶化、固化の現象を避けるに必要な温度範囲に保っておくために、50〜90℃が好ましく、60〜85℃がより好ましい。各溶液を貯蔵するタンクは、このような温度に保温する手段を有することが好ましい。
【0038】
本発明によって脂肪酸銀塩粒子を形成するには、様々なアプローチがある。脂肪酸銀塩粒子を得るためには、脂肪酸銀塩の反応場での溶解度を小さくする事が好ましい。本発明者の検討によれば、脂肪酸銀塩粒子は反応時間が長くなるにつれサイズが小さくなる傾向にあることが明らかになっている。目的とする粒子サイズを得るために反応時間をトライアンドエラーで決定することが必要がある。
【0039】
反応液を添加する装置に限定はない。特に本発明で用いる密閉混合装置は、例えばアンカー翼、パドル翼のようなバルク撹拌機、ディゾルバー、ホモジナイザー等の乳化分散機、スタティックミキサー、スルーザーミキサー等の静止型混合機、もしくはそれらの併用等のあらゆる方式が使用できる。
【0040】
液体を混合する際に、撹拌力が小さ過ぎると十分な混合が行われないし、逆に撹拌力が大きすぎると発熱やキャビテーションが起こってしまう。このため、撹拌力には好ましい範囲がある。回転翼を有する混合装置においては、回転翼の最外周部における線速度が好ましくは1〜50m/秒、より好ましくは1〜30m/秒であり、また液体単位体積あたりの消費撹拌動力が好ましくは0.1〜10KW/L、より好ましくは0.5〜5KW/Lである。また、キャビテーションを抑える手段として液体中の溶存空気を低下させたり、混合装置内の圧力を大気圧に対して0.1〜2kgf/cm2程度高める方法も採用できる。
【0041】
適当な力学的な強度を有していれば密閉混合装置の材質に特に制限はないが、銀イオン液および脂肪酸のアルカリ金属塩液ならびに使用有機溶剤に対してイナートな材質が好ましい。また、脂肪酸のアルカリ金属塩液は通常50℃以上の高温であるので、熱的に安定な材質を選定する必要もある。これらの条件を満足するものとして、ステンレス材料(SUS304,SUS316など)、チタンまたはチタン合金、ガラスライニング、セラミック、フッ素樹脂などで被覆した金属材料、グラスファイバーやケブラーなどのコンポジット樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイドなどのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0042】
銀イオン液(A液)および脂肪酸のアルカリ金属塩液(B液)の添加順序は、例えばAとBの2液を同じ密閉混合装置へ添加する方法、どちらかを密閉混合装置の上流手前に添加して密閉混合装置へは残りの1液を添加する方法、AとBの2液とも密閉混合装置の上流手前に添加する方法が採用できる。上記AとBの2液に加えて、水、または銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液で用いられる有機溶剤と水の混合液、または反応した後の非感光性脂肪酸銀塩粒子液の第3の液(C液)を同じ密閉混合装置へ添加する方法、前記AとBとCの3液のうち2液を任意の順序で密閉混合装置の上流手前に添加して密閉混合装置へは残りの1液を添加する方法、前記AとBとCの3液とも密閉混合装置の上流手前に添加する方法も採用できる。さらに密閉混合装置を複数台直列に配置してそれぞれに1液ないし2液(例えば、第1の密閉混合装置にA液を添加し、その後の第2の密閉混合装置にB液を添加する方法、第1の密閉混合装置と、その後の第2の密閉混合装置の両方にA液とB液を添加する方法、第1の密閉混合装置にA液を添加し、その後の第2の密閉混合装置にA液とB液を添加する方法)を添加する方法などあらゆる方式が採用できる。
【0043】
また、銀イオン液および脂肪酸のアルカリ金属塩液の添加時間も任意に選択する事ができる。例えば、添加速度一定で添加する方法、任意の時間関数による加速あるいは減速モードで添加することもできる。
【0044】
銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液が反応した後の液温を速やかに低下させるためには混合装置へ供給する銀イオン液、水もしくは水と有機溶剤との混合液や反応した後の脂肪酸銀塩粒子液をあらかじめ冷却しておく方法以外に混合装置そのものを冷やす方法や混合装置からタンクの間に熱交換器を付設する方法が採用できる。銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液が反応した後の液温は、好ましくは5〜70℃、より好ましくは10〜50℃、特に好ましくは20〜45℃である。また、冷却速度は、反応液が出会ってから0.05秒から10秒、好ましくは0.05秒から5秒、さらに好ましくは0.05〜1秒の間に目的の温度に到達することが好ましい。
【0045】
調製された脂肪酸銀塩粒子は、冷却された後に生成液用タンクに導かれる。生成液用タンクは、反応液を均一にするためにも撹拌混合されていることが好ましい。ここでの撹拌混合手段としても、例えばアンカー翼、パドル翼のようなバルク撹拌機、ディゾルバー、ホモジナイザー等の乳化分散機、スタティックミキサー、スルーザーミキサー等の静止型混合機、もしくはそれらの併用等のあらゆる方式を使用することができる。
【0046】
本発明により調製される脂肪酸銀塩粒子の球相当径は、0.1〜0.8μmである事が好ましく、0.1〜0.6μmである事がさらに好ましい。また、粒子の長辺/短辺が1〜4である事が好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、1〜2である事が特に好ましい。また、粒子のアスペクト比(主平面の粒子サイズ(円相当直径)/粒子の厚さ)は、2〜30であることが好ましく、2〜15である事がさらに好ましい。また、粒子の厚さが0.01〜0.20μmである事が好ましく、0.01〜0.15μmであることがさらに好ましい。以上の要件を満たした粒子を全粒子の投影面積の30〜100%含む事が好ましく、50〜100%含む事がさらに好ましく、70〜100%含む事が特に好ましい。
【0047】
脂肪酸銀塩の粒子サイズ分布は、できるだけ単分散であることが好ましい。 粒子直径の標準偏差を粒子直径で割った値の100倍を変動係数とすると、脂肪酸銀塩粒子の粒子サイズの変動係数は20%以下が好ましく、より好ましくは18%以下、さらに好ましくは15%以下である。測定方法としては、例えば、液中に分散した脂肪酸銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積荷重平均直径)を得ることができる(いわゆる動的光散乱法)。
【0048】
本発明に用いる銀イオン含有溶液および脂肪酸アルカリ金属塩溶液、あるいは反応液には水可溶な分散剤を添加する事ができる。したがって、脂肪酸銀塩形成時の反応液ならびに別に用意された分散剤溶液、脂肪酸銀塩形成後の液に添加することができる。分散剤としては、形成した脂肪酸銀塩を分散可能なものであればその種類は特に制限されない。具体的な例は、後述の脂肪酸銀塩の分散剤の記載に準じる。
【0049】
本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩は、粒子サイズが小さくて、凝集のない微粒子を得るために、分散剤を使用した固体微粒子分散物とする方法が用いられる。この固体微粒子分散物を作成する際、粒子形成された粒子が破壊されず、凝集だけが無くなる事が好ましい。この様子は、水洗前の粒子のTEM写真と分散後の粒子のTEM写真を比較する事で判断できる。本発明の方法により調製した粒子は、水洗前の平均粒子サイズと、分散後の平均粒子サイズを比較して、投影面積が30%以上変化していない事が好ましく、20%以上変化していない事がさらに好ましく、10%以上変化していない事が特に好ましい。分散法は脂肪酸銀塩の水分散物を高圧・高速流に変換した後、圧力降下させる方法を用いることが好ましい。
【0050】
さらに、分散時に感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明は、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の脂肪酸銀塩1molに対し0.1mol%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わないものである。
【0051】
本発明において、上記のような分散法を実施するのに用いられる分散装置およびその技術については、例えば「分散系レオロジーと分散化技術」(梶内俊夫、薄井洋基著、1991、信山社出版(株)、p357〜403)、「化学工学の進歩・第24集」(社団法人化学工学会東海支部編、1990、槙書店、p184〜185)、等に詳しいが、本発明での分散法は、少なくとも脂肪酸銀塩を含む水分散液を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入した後、配管内に設けられた細いスリットを通過させ、この後に分散液に急激な圧力低下を生じさせることにより微細な分散を行う方法である。
【0052】
本発明が関連する高圧ホモジナイザーについては、一般には(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で通過する際に生じる「せん断力」、(b)分散質が高圧下から常圧に解放される際に生じる「キャビテーション力」等の分散力によって微細な粒子への分散が行われると考えられている。この種の分散装置としては、古くはゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置では、高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で高速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には100〜600kg/cm2、流速は数m〜30m/秒の範囲であり、分散効率を上げるために高速流部を鋸刃状にして衝突回数を増やすなどの工夫を施したものも考案されている。これに対し、近年さらに高圧での分散が可能となる装置が開発されて来ており、その代表例としてマイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション社)、ナノマイザー(特殊機化工業(株))などが挙げられる。
【0053】
本発明の調製方法により調製された脂肪酸銀塩粒子は、流速、圧力降下時の差圧と処理回数の調節によって、所望の粒子サイズに分散することができるが、写真特性と粒子サイズの点から、流速が200m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が900〜3000kg/cm2の範囲が好ましく、さらに流速が300m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg/cm2の範囲であることがより好ましい。分散処理回数は必要に応じて選択できる。通常は1〜10回の範囲が選ばれるが、生産性の観点で1〜3回程度が選ばれる。高圧下でこのような水分散液を高温にする事は、分散性・写真性の観点で好ましくなく、90℃を越えるような高温では粒子サイズが大きくなりやすくなるとともに、カブリが高くなる傾向がある。従って、本発明では、前記の高圧、高速流に変換する前の工程もしくは、圧力降下させた後の工程、あるいはこれら両工程に冷却装置を含み、このような水分散の温度が冷却工程により5℃〜90℃の範囲に保たれていることが好ましく、さらに好ましくは5℃〜80℃の範囲、特に5℃〜65℃の範囲に保たれていることが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2の範囲の高圧の分散時には、前記の冷却工程を設置することが有効である。冷却装置は、その所要熱交換量に応じて、2重管や3重管にスタチックミキサーを使用したもの、多管式熱交換器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することができる。また、熱交換の効率を上げる為に、使用圧力を考慮して、管の太さ、肉厚や材質などの好適なものを選べばよい。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20℃の井水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また、必要に応じて−30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を使用することができる。
【0054】
分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重合体、などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン性ポリマー、特開昭52−92716号公報、WO88/04794号明細書などに記載のアニオン性界面活性剤、特開平9−179243号公報に記載の化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマー、或いはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることができる。
分散剤の濃度は、脂肪酸銀塩に対して、1〜30質量%、特に3〜20質量%の範囲が好ましい。
調製された分散物は、保存時の微粒子の沈降を抑える目的で撹拌しながら保存したり、親水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用しゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤を添加することもできる。
【0055】
本発明の方法により調製した脂肪酸銀塩粒子の分散物は、少なくとも脂肪酸銀塩と水からなる。脂肪酸銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、効率的な塗膜の形成を考えた場合に、安定な塗布を行うためのレオロジー特性、ならびに乾燥水分量より決まる生産スピードより決定する必要がある。脂肪酸銀塩の全体に占める割合は、10〜50質量%であることが好ましく、特に10〜30質量%であることが好ましい。
Ca、Mg、Ce、Al、Zn、Baから選ばれる金属イオンの添加は、ハロゲン化物でない水溶性塩の形で添加することが好ましい。具体的には、硝酸塩や硫酸塩の形で添加することが好ましい。
本発明のCa、Mg、Ce、Al、Zn、Baから選ばれる金属イオンの添加時期は、本発明の脂肪酸銀塩調製法の液中、もしくは反応液中への事前添加、脂肪酸銀塩形成中、形成直後、塗布液調製前後など塗布直前であればいずれの時期でもよい。添加量としては、脂肪酸銀塩1mol当たり10-3〜10-1molが好ましく、特に5×10-3〜5×10-2molが好ましい。
【0056】
本発明の調製方法を実施するための装置は特に制限されるものでないが、好ましい装置として、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を密閉混合手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を密閉混合手段に供給する第2供給手段;水、または水と有機溶剤との混合物を密閉混合手段に供給する第3供給手段;および、前記第1供給手段、前記第2供給手段および前記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する密閉混合手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置を例示することができる。この装置は、密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい(図4)。
【0057】
また、本発明の調製方法を実施するための別の好ましい装置として、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を密閉混合手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を密閉混合手段に供給する第2供給手段;前記第1供給手段、前記第2供給手段および後記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する密閉混合手段;および、前記密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液の少なくとも一部を前記密閉混合手段に供給する第3供給手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置を挙げることもできる。この装置は、密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい(図2)。
【0058】
図2の装置では、第3供給手段から密閉混合手段に供給される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液の量を適宜調節することによって所望の濃度を有する非感光性脂肪酸銀塩粒子の分散液をタンク20に調製することが可能である。すなわち、タンク20内の非感光性脂肪酸銀塩粒子の分散液は、第3供給手段を利用した循環を繰り返すことによって濃度が高くなるため、循環条件を適宜選択することによって所望の濃度を有する分散液を得ることができる。また、循環条件だけでなく、調製した分散液を取り出す条件も調節することによって濃度調節することも可能である。これらの条件を適宜選択することによって、連続運転をさせながら効率よく所望の分散液を得ることができる。
【0059】
生成した脂肪酸銀分散液を受けるタンク(図2の20、図4の40)には、内容物の均一化のために撹拌機などの混合手段、ジャケット槽などの熱交換手段ならびに液温度測定手段、液量管理のためのレベルセンサー、その他必要に応じてpH、電導度、粘度などの液物性を測定する手段を具備することもできる。
【0060】
本発明の調製方法で調製された非感光性の脂肪酸銀塩を用いることのできる熱現像画像記録材料についてさらに説明する。
熱現像画像記録材料は、好ましくは還元可能な銀塩として上記脂肪酸銀塩と銀イオンのための還元剤をバインダーのマトリックス中に分散した画像記録層を有している。感光性にするには、触媒活性量の光触媒(好ましくは、感光性ハロゲン化銀)をさらに用いる。また、必要により銀の色調を制御する色調剤を用いる。
有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2である。
【0061】
銀イオンのための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であればよい。このような還元剤は、特開平11−65021号公報の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号公報の7頁34行〜18頁12行に記載されている。
本発明において還元剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、0.1〜3.0g/m2であることがより好ましく、画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50モル%含まれることが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像記録層に含有させることが好ましい。
【0062】
本発明に用いることのできる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができる。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。
【0063】
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号明細書に記載されている方法を用いることができる。
感光性ハロゲン化銀の添加量は、熱現像画像記録材料1m2あたりの塗布銀量で示して、0.03〜0.6g/m2であることが好ましく、0.05〜0.4g/m2であることがさらに好ましく、0.1〜0.4g/m2であることが最も好ましい。
【0064】
有機銀塩を含有する層のバインダーはいかなるポリマーであってもよく、好適なバインダーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは、水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
熱現像画像記録材料の画像形成層の全バインダー量は0.2〜30g/m2であることが好ましく、1〜15g/m2であることがより好ましい。
【0065】
熱現像画像記録材料に適用できるその他の素材や構成については、特開平10−62899号公報、特開平10−268465号公報、特開平11−52509号公報、特開平11−352625号公報、特開平11−352626号公報、特開平11−352627号公報、特開平11−349591号公報、特開2000−7683号公報、特開2000−72711号公報、欧州特許公開第0803764A1号公報、欧州特許公開第0962812A1号公報等を参考にすることができる。
【0066】
【実施例】
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
本実施例に用いた化合物の構造式は以下のとおりである。
【0067】
【化1】
Figure 0003947648
【0068】
《PET支持体の作成》
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロロエタン=6/4(質量比)25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化し130℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになる未延伸フィルムを作成した。
これを、周速の異なるロ−ルを用い110℃で3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−を用い130℃で4.5倍に横延伸を実施した。この後、240℃で20秒間熱固定後、同じ温度で横方向に4%緩和した。続いてテンタ−の噛み込み部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い厚み175μmのロ−ルを得た。
【0069】
《表面コロナ処理》
コロナ処理機(ピラー社製ソリッドステート6KVAモデル)を用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375KV・A・分/mの処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6KHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0070】
《下塗り支持体の作成》
(下塗り塗布液Aの調製)
ポリエステル共重合体水分散物(30%、高松油脂社製ペスレジンA−515GB)200mlにポリスチレン微粒子(平均粒径0.2μm)1g、界面活性剤A(1質量%)20mlを添加し、これに蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗布液Aとした。
(下塗り塗布液Bの調製)
蒸留水680mlにスチレン−ブタジエン共重合体水分散物(スチレン/ブタジエン/イタコン酸=47/50/3(質量比)、濃度30質量%)200ml、ポリスチレン微粒子(平均粒径2.5μm)0.1gを添加し、さらに蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗布液Bとした。
(下塗り塗布液Cの調製)
イナートゼラチン10gを蒸留水500mlに溶解し、そこに特開昭61−20033号公報記載の酸化スズ−酸化アンチモン複合物微粒子の水分散物(40質量%)40gを添加して、これに蒸留水を加えて1000mlにして下塗り塗布液Cとした。
(下塗り支持体の作成)
上記コロナ放電処理を施した支持体上に、下塗り塗布液Aをバーコーターでウエット塗布量が5ml/m2になる様に塗布して180℃で5分間乾燥した。乾燥後の膜厚は約0.3μmであった。次いでこの裏面(バック面)にコロナ放電処理を施した後、下塗り塗布液Bをバーコーターでウエット塗布量が5ml/m2、乾燥膜厚が約0.3μmになる様に塗布して180℃で5分間乾燥し、さらにこの上に下塗り塗布液Cをバーコーターでウエット塗布量が3ml/m2、乾燥膜厚が約0.03μmになる様に塗布して180℃で5分間乾燥して下塗り済み支持体を作成した。
【0071】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Aの調製》
ベヘン酸(ヘンケル社製、製品名Edenor C22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後に60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlを用意し、10℃に保温した。6,350mlの蒸留水と300mlのtert−ブタノールを入れた反応容器を30℃に保温し、撹拌しながら先の硝酸銀水溶液の全量を60分かけて一定流量で添加し、7分経過後、ベヘン酸ナトリウム溶液の全量を62分かけて一定流量で添加した(最後の9分間はベヘン酸ナトリウム溶液単独が添加した)。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0072】
得られた脂肪酸銀のウエットケーキ(固形分40%)560gに下記組成で蒸留水424gおよびポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA−205)22gを添加し、ホモディスパー(特殊機化工業社製、T.K.ホモディスパー2M−5型)を用いて、5000rpmで15分間処理をし、粗分散液を調製した。得られた粒子は平均粒径5.36μmであった。
得られた粗分散液を、マイクロフルイダイザー(M110S−EH型、みづほ工業社製G10Zインタラクションチャンバー使用)を用いて、1600Kg/cm2の圧力で1回分散処理し脂肪酸銀塩分散物Aを得た。このときの分散直前入口温度ならびに分散直後出口温度をそれぞれ5℃、30℃になるように温度コントロールした。
【0073】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Bの調製》
図4に示すような小型晶析設備を使って分散物Bを調製した。タンク32の中でベヘン酸(ヘンケル社製、製品名Edenor C22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら、5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後、60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。また、タンク31の中に硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlを用意し、10℃に保温した。密閉混合機(みづほ工業(株)製パイプラインミキサーLR−I型)38を10,000rpm(翼先端の線速度4.2m/秒、撹拌動力5.5kW/L)で撹拌しながら、先の硝酸銀水溶液を29ml/分の一定流量で添加し、5秒経過後、次いでベヘン酸ナトリウム溶液を98ml/分の一定流量で添加し、熱交換器39を介してタンク40にストックした。ただし、熱交換器への冷却水の供給は停止し、タンク40のジャケットへ10℃の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平均温度は35℃であった。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
その後は、脂肪酸銀塩粒子分散物Aと同様に分散して脂肪酸銀塩粒子分散物Bを得た。
【0074】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Cの調製》
図4に示すような小型晶析設備を使って分散物Cを調製した。タンク32の中でベヘン酸(ヘンケル社製、製品名Edenor C22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら、5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後、60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。また、タンク31の中に硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlとタンク41の中に純水6,000mlを用意し、10℃に保温した。密閉混合機(みづほ工業(株)製パイプラインミキサーLR−I型)38を10,000rpmで撹拌しながら、先の硝酸銀水溶液を29ml/分、純水を98ml/分の一定流量で添加し、5秒経過後、次いでベヘン酸ナトリウム溶液を98ml/分の一定流量で添加し、熱交換器39を介してタンク40にストックした。ただし、熱交換器への冷却水の供給は停止し、タンク40のジャケットへは10℃の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平均温度は30℃であった。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
その後は、脂肪酸銀塩粒子分散物Aと同様に分散して脂肪酸銀塩粒子分散物Cを得た。
【0075】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Dの調製》
上記分散物Cと同様に調製した。ただし、タンク41には4vol%のtert−ブタノール水溶液6,000mlを用意して、98ml/分の一定流量で添加した。
【0076】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Eの調製》
上記分散物Cと同様に調製した。ただし、タンク41には1質量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ(株)製PVA−205)6,000mlを用意して、98ml/分の一定流量で添加した。
【0077】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Fの調製》
図2に示すような小型晶析設備を使って分散物Fを調製した。タンク12の中でベヘン酸(ヘンケル社製、製品名Edenor C22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら、5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後に60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。また、タンク11の中に硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlを用意し、10℃に保温した。さらに、タンク20の中には6,000mlの純水を計り込み、ポンプ17経由で1,000ml/分の流速で循環した。密閉混合機(みづほ工業(株)製パイプラインミキサーLR−I型)18を10,000rpmで撹拌しながら、先の硝酸銀水溶液を29ml/分の一定流量で添加し、5秒経過後、ベヘン酸ナトリウム溶液を98ml/分の一定流量で添加し、熱交換器19を介してタンク20にストックした。ここで、熱交換器およびタンク20のジャケットへは10℃の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平均温度は30℃であった。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
その後は、脂肪酸銀塩粒子分散物Aと同様に分散して脂肪酸銀塩粒子分散物Fを得た。
【0078】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Gの調製》
上記分散物Bと同様に調製した。ただし、熱交換器39に5℃の冷却水を通水したところ、タンク40内の平均温度は30℃であった。
【0079】
《脂肪酸銀塩粒子分散物Hの調製》
上記分散物Fと同様に調製した。ただし、熱交換器19に5℃の冷却水を通水したところ、タンク20内の平均温度は25℃であった。
【0080】
脂肪酸銀塩粒子分散物A〜Hの調製条件を表1にまとめて示す。また、得られた脂肪酸銀塩粒子分散物A〜Hの脂肪酸銀塩粒子の平均粒子径、その変動係数、B型粘度計で測定した粘度、ろ過圧上昇(直径1.5cmのポール社製エポセルフィルターECを用いて、50cc/分にて2Kgろ過した際の最終圧力と初期圧力の差)を調べた結果を表2に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0003947648
【0082】
《還元剤の25%分散物の調製》
1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン80gとクラレ(株)製変性ポバールMP203の20%水溶液64gに水176gを添加混合しスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて5時間分散し還元剤分散物を得た。こうして得た分散物に含まれる還元剤粒子は平均粒径0.72μmであった。
【0083】
《メルカプト化合物の20%分散物の調製》
3-メルカプト-4-フェニル-5-ヘプチル-1、2、4-トリアゾール64gとクラレ(株)製変性ポバールMP203の20%水溶液32gに水224gを添加混合しスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて10時間分散しメルカプト分散物を得た。こうして得た分散物に含まれるメルカプト化合物粒子は平均粒径0.67μmであった。
【0084】
《有機ポリハロゲン化合物の30%分散物の調製》
トリブロモメチルフェニルスルホン48gと3-トリブロモメチルスルホニル-4-フェニル-5-トリデシル-1,2,4-トリアゾール48gとクラレ(株)製変性ポバールMP203の20%水溶液48gに水224gを添加混合しスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて5時間分散し有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうして得た分散物に含まれるポリハロゲン化合物粒子の平均粒径は0.74μmであった。
【0085】
《フタラジン化合物のメタノール溶液の調製》
6-イソプロピルフタラジン26gをメタノール100mlに溶解して使用した。
【0086】
《顔料の20%分散物の調製》
C.I. Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズを800g用意して、スラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス社製)にて25時間分散し顔料分散物を得た。こうして得た分散物に含まれる顔料粒子の平均粒径は0.21μmであった。
【0087】
《ハロゲン化銀粒子1の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液6.7mlを加え、さらに1N硝酸を8.2ml、フタル化ゼラチン21.8gを添加した液をチタンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、35℃に液温を保ち、硝酸銀37.04gに蒸留水を加え159mlに希釈した溶液a1と臭化カリウム32.6gを蒸留水にて容量200mlに希釈した溶液b1を準備し、コントロールダブルジェット法でpAgを8.1に維持しながら、溶液a1の全量を一定流量で1分間かけて添加した(溶液b1は、コントロールドダブルジェット法にて添加)。その後3.5%の過酸化水素水溶液を30ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの3質量%水溶液を336ml添加した。その後、再び溶液a1を蒸留水で希釈して317.5mlにした溶液a2と、溶液b1に対して最終的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム酸二カリウムを溶解し液量を溶液b1の2倍の400mlまで蒸留水希釈した溶液b2を用いて、コントロールドダブルジェット法にて、pAgを8.1に維持しながら、一定流量で溶液a2を10分間かけて全量添加した(溶液b2は、コントロールドダブルジェット法で添加)。その後2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾールの0.5%メタノール溶液を50ml添加し、さらに硝酸銀でpAgを7.5に上げてから、1N硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止めて沈降/脱塩/水洗工程を行い、脱イオンゼラチン3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加して、pH6.0、pAg8.2に調整してハロゲン化銀塩粒子分散物を作成した。
【0088】
できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.031μm、球相当径の変動係数11%の純臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。該粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて85%と求められた。
該乳剤を攪拌しながら50℃に昇温し、N,N'-ジヒドロキシ-N'',N''-ジエチルメラミンの0.5質量%メタノール溶液を5mlとフェノキシエタノールの3.5質量%メタノール溶液5mlを加え、1分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを銀1モルに対して3×10-5モル加えた。さらに2分後、分光増感色素1の固体分散物(ゼラチン水溶液)を銀1モルあたり、5×10-3モル加え、さらに2分後テルル化合物を銀1モルあたり5×10-5モル加えて50分間熟成した。熟成終了間際に、2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾールを銀1モルあたり1×10-3モル添加して温度を下げ、化学増感を終了しハロゲン化銀粒子1を作成した。
【0089】
《ハロゲン化銀粒子2の調製》
水700mlにフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解して温度35℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gおよび硝酸アンモニウム0.9gを含む水溶液159mlと臭化カリウムおよび沃化カリウムを92:8のモル比で含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で10分間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.4gおよび硝酸アンモニウム2gを含む水溶液476ml、および1リットル中に1×10-5モルの六塩化イリジウム酸二カリウムと1モルの臭化カリウムを含む水溶液を、pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で30分間かけて添加した後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン1gを添加し、さらにpHを下げて凝集沈降させ脱塩処理をした。その後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg8.2に調整し、沃臭化銀粒子(沃素含量コア8モル%、平均2モル%、平均サイズ0.05μm、投影面積変動係数8%、{100}面比率88%の立方体粒子)の調製を終えた。
こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム85μモルと2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィンセレニドを1.1×10-5モル、1.5×10-5モルのテルル化合物、塩化金酸3.5×10-8モル、チオシアン酸2.7×10-4モルを添加し、120分間熟成した後40℃に急冷したのち、1×10-4モルの分光増感色素1と5×10-4モルの2-メルカプト-5-メチルベンゾイミダゾールを添加し30℃に急冷してハロゲン化銀乳剤2を得た。
【0090】
《乳剤層塗布液の調製》
[乳剤層塗布液No.1]
上記で得た脂肪酸銀塩粒子分散物103g、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−205)の20質量%水溶液5gを混合し40℃に保った中へ、上記25%還元剤分散物23.2g 、顔料C.I. Pigment Blue 60の5%水分散物を4.8g、有機ポリハロゲン化物30%分散物10.7g、メルカプト化合物20%分散物3.1gを添加した。その後、40℃に保温したUF精製SBRラテックス40質量%を106g添加して十分間攪拌した後、フタラジン化合物のメタノール溶液を6mlを添加して脂肪酸銀含有液を得た。また、ハロゲン化銀粒子1を5gとハロゲン化銀粒子2を5g事前によく混合し、塗布直前にスタチックミキサーで脂肪酸銀含有液と合流混合し、そのままコーティングダイへ塗布銀量1.4g/m2となるよう送液した。
【0091】
該乳剤層塗布液の粘度を粘度計(東京計器社製B型粘度計)で測定したところ、40℃で85mPa・sであった。レオメトリックスファーイースト(株)製RFSフルードスペクトロメーターを用いて25℃で測定した塗布液の粘度は、剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]において、それぞれ1500、220、70、40、20mPa・sであった。
【0092】
なお、UF精製したSBRラテックスは、SBRラテックス(-St(68)-Bu(29)-AA(3)-の重合比)を蒸留水で10倍に希釈し、UF精製用モジュールFS03−FC−FUY03A1(ダイセン・メンブレン・システム(株))を用いて電気伝導度が1.5mS/cmになるまで希釈精製することにより得た。この時、ラテックス濃度は40%であった。こうして調製したラテックス液の物性は、濃度45%において平均粒径0.1μm、電気伝導度4.2mS/cm、pH8.2であった。
【0093】
《乳剤面中間層塗布液の調製》
[中間層塗布液]
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−205)の10質量%水溶液772g、メチルメタクリレート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比59/9/26/5/1)ラテックス27.5%液226gにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を2ml、ベンジルアルコール4g、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート1gとベンゾイシチアゾリノン10mgを加えて中間層塗布液とし、5ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
この中間層塗布液の粘度は、B型粘度計40℃で21mPa・sであった。
【0094】
《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》
[保護層第1層塗布液No.1]
イナートゼラチン80gを水に溶解し、フタル酸の10%メタノール溶液を138ml、1Nの硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5ml、フェノキシエタノール1gを加え、総量1000gになるように水を加えて塗布液とし、10ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
この保護層塗布液の粘度は、B型粘度計40℃で17mPa・sであった。
【0095】
《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》
[保護層第2層塗布液]
イナートゼラチン100gを水に溶解し、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N-プロピルアラニンカリウム塩の5%溶液を20ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液を16ml、ポリメチルメタ クリレート微粒子(平均粒径4.0μm)25g、1N硫酸を44ml、ベンゾイシチアゾリノン10mgに総量1555gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布直前にスタチックミキサーで合流混合し、そのまま10ml/m2になるようコーティングダイへ送液した。
この保護層塗布液の粘度は、B型粘度計40℃で9mPa・sであった。
【0096】
《バック面塗布液の調製》
[塩基プレカーサーの固体分散液の調製]
塩基プレカーサー化合物64g、および界面活性剤(花王(株)製、デモール)10gを蒸留水246mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アミメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの、塩基プレカーサー固体分散液を得た。
[染料固体分散液の調製]
シアニン染料化合物9.6gおよびp−アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アミメックス(株)製)を用いてビーズ分散して、平均粒子径0.2μmの染料固体分散液を得た。
【0097】
[ハレーション防止層塗布液の調製]
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プレカーサーの固体分散液70g、上記染料の固体分散液56g、ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子サイズ6.5μm)1.5g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、青着色染料化合物の1%水溶液0.2g、水を844ml混合してハレーション防止層塗布液を調製した。
【0098】
[保護層塗布液の調製]
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、N,N'-エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド) 2.4g、t-オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、C8F17SO3Kを32mg、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4-SO3Naを64mg、純水を950ml混合して保護層塗布液とした。
【0099】
《熱現像感光材料A〜Hの作製》
上記下塗りを施した支持体にハレーション防止層塗布液を固体染料の固形分塗布量が0.04g/m2、保護層塗布液をゼラチン塗布量が1g/m2となるように同時重層塗布、乾燥しハレーション防止バック層を作成した後、この面と反対の面に下から乳剤層、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドホッパー塗布方式を用いて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。
【0100】
塗布速度は100m/分で行い、コーティングダイ先端と支持体との間隔を0.18mmに、減圧室の圧力を大気圧に対して392Pa低く設定した。引き続くチリングゾーンでは、乾球温度が18℃、湿球温度が12℃の風を平均風速7m/秒で30秒間吹き当てて、塗布液を冷却した後、つるまき浮上方式の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、湿球温度が18℃の乾燥風を、スリット孔からの吹き出し風速20m/秒で、200秒間吹き当てて乾燥させた。
【0101】
《写真性能の評価》
647nmのKrレーザー感光計(最大出力500mW)で法線に対して8度の傾斜で感光材料A〜Hを露光した後、120℃で15秒間処理(熱現像)し、得られた画像を濃度計にて測定した。測定の結果は、Dmin、感度(Dminより1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)で評価した。感度とDminについては、感光材料Aの特性を100としたときの相対値で示した。感度が高く、Dminが低いほど、感光材料の描画力が高いといえる。
【0102】
《強制保存性の評価》
感光材料A〜Hを30.5cm×25.4cmに裁断し4角を0.5cm切り落として、25℃/50%RHの条件下で1日放置した。この後、感光材料それぞれ10枚ずつを防湿材料でできた袋の中に封入し、50℃のオブーンと4℃の冷蔵庫内で5日間放置した。写真性の評価と同様に露光から熱現像までの処理を施し、未露光部分の濃度、Dminをカブリ値として扱った。以下の式にしたがってカブリ増加率を算出した。カブリ増加率が低いほど経時保存性が良好であることを示す。
カブリ増加率=[{高温保存試料のカブリ)―(低温保存試料のカブリ)}/{低温保存試料の最高濃度}―(低温保存試料のカブリ)]]×100
これらの評価結果を以下の表にまとめて示す。
【0103】
【表2】
Figure 0003947648
【0104】
《従来技術との比較》
オープンタンクに反応液を添加して撹拌混合する従来技術による分散物Aと比較して、クローズドタンクに反応液を添加して撹拌混合を行う本発明の分散物B〜Hにおいては、平均粒子径が全般的に小さくなっている。いかなる理論にも拘泥するものではないが、これは液中への泡の巻き込みが無く低温仕込も可能となるためであると考えられる。また、本発明によれば、反応液が添加される雰囲気が厳密に制御されており、より均一な粒子形成が行えるために写真的活性が上がり、感度が高いなどの優れた効果も得られた。これにより、脂肪酸銀塗布量を減らすことが可能となり、省銀処方設計が可能となる。
【0105】
《第3成分の影響》
分散物C〜Fでは、硝酸銀、ベヘン酸ナトリウム溶液以外の第3成分を変化させた。第3成分を低温で添加することにより、平均粒子径を小さくできる他、ろ過圧上昇やカブリ増加率をさらに改善することができる。
【0106】
《熱交換器の影響》
分散物GとHでは、反応液混合直後の温度をさらに下げるべく熱交換器に5℃の冷水を供給した。これにより平均粒子径は一段と小さくなり、ろ過圧上昇やカブリ増加率が改善された。
【0107】
【発明の効果】
本発明の方法により調製した非感光性脂肪酸銀塩粒子の分散物は、分散安定性および塗布適性に優れている。該分散物を用いて製造した熱現像感光材料は、保存後においてもカブリ防止能が高く、さらには、熱現像処理後の画像安定性、光透過性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法を示す模式図である。
【図2】 本発明による非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製を行うために用いられる装置の一構成例を示す模式図である。
【図3】 本発明による非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製を行うために用いられる装置の別の一構成例を示す模式図である。
【図4】 本発明による非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製を行うために用いられる装置のさらに別の一構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 密閉型混合機
2 熱交換器
A 添加成分1
B 添加成分2
C 添加成分3
D 生成液(熱交換前)
E 生成液(熱交換後)
11,21,31 添加成分1用タンク
12,22,32 添加成分2用タンク
13,23,23’,33 添加成分1用流量計
14,24,24’,34 添加成分2用流量計
15,25,25’,35 添加成分1用ポンプ
16,26,26’,36 添加成分2用ポンプ
17,27,27’ 生成液循環用ポンプ
18,28,28’,38 密閉型混合機
19,29,39 熱交換器
20,30,40 生成液用タンク
37 添加成分3用ポンプ
41 添加成分3用タンク
42 添加成分2用流量計

Claims (12)

  1. 水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液と、水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを反応させて脂肪酸銀粒子を調製する方法において、
    容器内が混合すべき液体で満たされ実質的に空気相が存在しない状態で液体を攪拌混合する手段中にて前記銀イオン含有溶液と前記脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを混合して反応させることを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法。
  2. 記手段中に、水、または水と有機溶剤との混合物をさらに添加することを特徴とする請求項1に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法。
  3. 前記水、または水と有機溶剤との混合物が分散剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法。
  4. 前記反応後に得られる混合物の少なくとも一部を循環して前記手段中に添加することを特徴とする請求項1に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法。
  5. 前記反応後に得られる混合物を冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製方法。
  6. 水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を、容器内が混合すべき液体で満たされ実質的に空気相が存在しない状態で液体を攪拌混合する手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を前記手段に供給する第2供給手段;水、または水と有機溶剤との混合物を前記手段に供給する第3供給手段;および、前記第1供給手段、前記第2供給手段および前記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する前記手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
  7. 記手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
  8. 水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を容器内が混合すべき液体で満たされ実質的に空気相が存在しない状態で液体を攪拌混合する手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を前記手段に供給する第2供給手段;前記第1供給手段、前記第2供給手段および後記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する前記手段;および、前記手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液の少なくとも一部を前記手段に供給する第3供給手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
  9. 記手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
  10. 記手段が密閉容器内に回転翼を有する混合装置であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
  11. 前記回転翼の最外周部における線速度が1〜50m/秒であることを特徴とする請求項10に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
  12. 前記回転翼を有する混合装置における混合液体1リットルに対する撹拌動力が0.1〜10kWであることを特徴とする請求項10に記載の非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置。
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