以下、図面を参照しながら本発明によるマンモグラフィ装置の実施例を、第1〜第4実施例によって説明する。第1実施例では、単一のモダリティとしてディジタルマンモグラフィを用い、撮影から画像の出力までを一括して行うシステム(本実施例では基本システムと称する)について説明する。第2実施例では、基本システムにネットワーク機能を適用したシステム(モダリティシステムと称する)について説明する。第3実施例では、基本システムにPACSを適用したシステム(PACSシステムと称する)について説明する。第4実施例では、その他のシステムバリエーションについて説明する。
(第1実施例)図2は、基本システム1の外観を示す斜視図である。基本システム1では、単一のモダリティとしてディジタルマンモグラフィを用い、撮影から画像の出力までを一括して行う。
Cアーム5はX線発生装置2と圧迫板3とX線検出装置4とが一体となって構成されており、矢印1aの方向、すなわち左右に回動可能である。また、圧迫板3は矢印1bの方向すなわち上下方向に移動可能である。
図1は、基本システム1の概略構成を示すブロック図である。基本システム1は、X線発生装置2、X線検出装置4、入力装置6、RISI/F(インタフェース)部8、出力装置10、システム・ディスク12、メモリ14、中央制御装置16、バーコードリーダ18によって構成され、既存のマンモグラフィと同じく1つの撮影装置のみでシステムは成っている。また、画像の撮影から出力までをシステム内で全て一括して行うため、基本システム自体は1つのモダリティとみなすことができる。
まず、X線発生装置2について説明する。X線発生装置2は中央制御装置16によって制御される。図3は、X線発生装置2の内部構成を概略的に示すブロック図である。X線発生装置2は、X線管20、高圧発生部22、X線コントローラ24、AEC30、フィルタ切り替え部26、圧迫圧力制御部28、フォトセンサ32、制御パネル34を有し、主な機能として、a.個々の検査に最も適した撮影条件を設定する機能と、b.X線曝射に関係づけて乳房圧迫を制御する機能とを有する。これら2つの機能a、bについてそれぞれ説明する。
個々の検査に最も適した撮影条件を設定する機能aについて、ここでいう撮影条件の設定とは、X線の線質を規定するフィルタの種別、kVp(X線管電圧)、mA(X線管電流)を適切に設定することである。撮影条件は、まず、患者ごとで異なる固有の情報、すなわち、患者の年齢、乳房の硬さ、乳房の厚さ、乳房の大きさによってタイプを分け、タイプ毎の撮影条件を与える撮影条件決定表に基づいて決める。表1に撮影条件決定表の一例を示す。表1にはタイプAとタイプBについての撮影条件が記されており、他のタイプについては省略されている。
患者の年齢については、後述する入力装置6によって入力された検査依頼情報から得る。乳房の硬さについては、まず、X線検出装置4の検出器42の位置を基準とし圧迫板3を移動させて圧迫板3が乳房に触れた位置xと、所定量の圧迫後の圧迫板3の移動距離dとを計測する。なお、検出器42については後述する。xは圧迫しない時の乳房の厚さに等しい。ここで、圧迫距離dと圧迫しない時の乳房の厚さxとの比をA値と定義する(A値=d/x)。そして、図4に示す特性によって乳房の硬さを決定する。すなわち、乳房の硬さを与える既知の特性曲線にA値を与えて硬さを求める。このとき、乳房の硬さは、“柔らかい”,“中”,“硬い”の3つの程度に大まかに分けられる。乳房の大きさについては、図5(a),(b)に示す機構により光学的に計測して求める。図5(a)は、光学式検出器38と反射板40により乳房の大きさを計測する様子を横から見た図であり、図5(b)は、この様子を上から見た図である。
光学式検出器38から発せられる光線39のうち、反射板40で反射した光線を検出器38が検出することにより、反射された光量が計測される。そして図5(c)に示す特性から乳房の大きさが求められる。すなわち、既知の特性曲線に測定された光量を与えるて乳房の大きさが求められる。乳房の大きさについては、このように光学的に求める方法のみによらず、次のようにして求めてもよい。すなわち、操作パネル34から照射野サイズを入力し、照射野サイズをもって乳房の大きさとしてもよい。そうすれば、乳房の大きさを簡略的に求めることができる。図6は、操作パネル34を示す図であり、照射野サイズとして、“12″×10″”,“10″×8″”を選択することができるようになっている。なお、照射野サイズは、これらの値に限定されない。
乳房の厚さについては、圧迫中の圧迫板3の位置と検出器42の位置とから圧迫厚を算出し、これを乳房の厚さとする。
ところで、撮影条件の各パラメータの決定に関しては、理論的および経験的に得られた所定のルールが得られている。すなわち、X線の線質を規定するフィルタの種別については、通常の乳房にはMo(モリブデン)フィルタを使用し、乳腺領域の多い乳房にはRh(ロジーム)フィルタを使用するのが好ましい。なお、フィルタ切り替え部26により後述するAEC30の制御によりフィルタは切り替えられるようになっている。kVp(X線管電圧)については、通常の乳房には30kVp以下の低い管電圧を与え、低線量のエネルギー領域のX線によりコントラストのよい画像を撮影することができる。また、乳腺領域の多い乳房には、30kVpより大きい管電圧を与え、高い線量のエネルギー領域のX線による撮影が診断に適している。mA(X線管電流)については、大きさが大きい乳房に3対してmAsを得るため、通電時間のみならず管電流を大電流とすることが好ましい。表1はこのようなルールに基づいて形成されている。そして、撮影条件決定表に従って設定された撮影条件は、厚さ・大きさ・硬さデータ36としてAEC30に入力される。
ここで、AEC30について説明する。AEC(Automatic Exposure Control)30は、適切な線量でX線を曝射するための制御量を得るものであり、得られた制御量をX線コントローラ24、フィルタ切り替え部26、圧迫圧力制御部28に与えて曝射をコントロールする。このとき、所望の制御量を得るための2つの手法がある。その1つは、検出器42から特定の画素のデータを曝射中に一定時間おきに破壊的に読み出し、それらのデータ(AECデータ)の中で光学的濃度の最も低い画素に対して適切な線量を与えるためのX線の曝射量を得る手法である。得られた曝射量によって曝射時間がコントロールされる。この手法は、検出器が平面検出器である場合に適用される。図7に検出器42において特定の画素を読み出すデータ収集ポイント44を示す。もう1つは、図8に示すように、検出器42のデータ収集ポイント44の下部に、増感紙とフォトダイオードから成るAEC用検出器46を設け、これにより検出器データの破壊的読み出しを行わずにAECデータを収集する処方である。AEC用検出器46の出力のうち光学的濃度の最も低い画素に対して適切な線量を与えるためのX線の曝射量を得る。この曝射量によって曝射時間がコントロールされる。
次に、X線曝射に関係づけて乳房圧迫を制御する機能bについて説明する。セッティングから撮影終了まで均等圧力で乳房を圧迫すると患者に負担をかける虞がある。このため、乳房の圧迫を少しでも緩和するのため圧迫を適宜制御する。すなわち、撮影前にはやや緩めに圧迫しておき、撮影直前にプラス圧迫し、適正な圧迫値にして撮影し終了後直ちに解放する。このようにすれば患者の苦痛を和らげることが可能となる。
まず、乳房を圧迫する機構について説明する。図9は圧迫板3により乳房を圧迫する機構部分を横から見た断面図である。圧迫部48は圧迫板3と圧迫板支持部49と圧力センサ50とが一体となって構成されている。圧迫部48は上下方向に自在に移動可能であり、圧力センサ50の上面に加圧することにより駆動される。圧迫部48の駆動の方法としては図10に示すように油51に加圧して駆動するものが考えられ、圧迫板3で乳房を押さえつけるときは乳房を挟んだ状態で下部油圧を解放して上部油圧を加圧し、圧力センサ50で圧力を制御しながら押さえつける。乳房を圧迫から解放するときは、上部油圧を解放し下部油圧を加圧して押さえ板を上昇させる。図11は、このような乳房圧迫機構の概略構成を示すブロック図である。制御部52は圧力センサ50からの信号と予め設定された設定値56とに基づいて可動部54を制御して圧迫板3を駆動する。ここで、乳房圧迫機構は図11のような機構のみによらない。例えば圧迫板3自体が圧力を制御する機能を有するものであってよい。
次に、患者に負担をかけないように圧迫のタイミングを適宜制御するための2つの手法について説明する。これらの手法により圧迫圧力制御部28は、AEC30の指示により前述した乳房圧迫機構を制御する。図12は1つ目の手法を説明するための図であり、X線曝射に関係づけて乳房を圧迫する過程を示す図である。ここで図12(a)はX線発生信号のタイミング図、図12(b)はx−ray(X線)の曝射タイミング図、図12(c)は圧迫板3を圧迫する圧力のタイミング図である。なお、図12(c)にて示される圧力は、X線曝射時に必要な圧力を100%としたときの百分率(%)で表されている。
まず、撮影を担当するX線技師が図示しない操作卓等により制御部50に圧迫指示を与え、X線曝射時に実際に必要となる圧力で乳房を圧迫する。その時の圧力値は圧力センサ50で読み取られ、制御部52の図示しないメモリに適正圧力値として記憶される(セッティング期間)。次に、制御部52の制御により記憶した圧力値の80%まで低くして待機する(待機期間)。そして、X線発生信号(a)をトリガにして圧力を100%、すなわち適正圧力値まで加圧したのちx−ray(b)を発生させ撮影を行う(X線発生中)。撮影終了後は直ちに圧迫を完全解放するものとする。なお、待機期間の圧迫率(ここでは80%)は適宜変更できるものとする。
図13は、2つ目の手法を説明するための図である。図13(a)はX線発生信号のタイミング図、図13(b)はx−ray(X線)の曝射タイミング図、図12(c)は圧迫板3を圧迫する圧力のタイミング図である。なお、図13(c)にて示される圧力は圧力値で表されている。まず、セッティング時に、X線技師が図示しない操作卓等により制御部50に圧迫指示を与え、適当に(やや緩めに)乳房を圧迫し待機する(セッティング及び待機期間)。そして、X線発生信号(a)をトリガにして、予め設定された設定圧力値まで加圧したのち、x−ray(b)を発生させ、撮影を行う(X線発生中)。撮影終了後は、直ちに圧迫を完全解放するものとする。なお、設定圧力値は適宜変更できるものとする。次に、X線検出装置4について説明する。X線検出装置4は中央制御装置16によって制御される。図14はX線検出装置4の内部構成を概略的に示すブロック図である。X線検出装置4は、読み出し時間設定装置60、タイミング発生装置62、駆動装置64、検出器42、読み出し装置68、A/D変換部70、読み出し範囲設定装置72を有し、X線検出のデバイス制御とデータ読み出しの機能を有する。本実施例ではX線検出のデバイス(検出器42)をTFT平面検出器とする。図15はTFT平面検出器(以下、単に検出器42と称する)の構成を示す回路図である。アレイ73は2次元格子状態に配列された複数のセルによって構成されている。1つのセルは、駆動装置64からのゲート線76と読み出し装置68からのデータ線78とに接続されるFET(a−Si:H)80と、FET80に接続されるセンサ(a−Si:H)82と、コンデンサ(図示しない)とから成る。センサ82は光子フォトンを検出するフォトダイオードである。また、アレイ73上には増感紙(図示しない)が載せられており、アレイ73に曝射されたX線を光に変換する。なお、増感紙のかわりにX線を光に変換するためのシンチレーション機能を有する物質が塗布されたものを用いてもよい。
駆動装置64は、読み出し範囲設定装置72にて設定された読み出し範囲と、読み出し時間設定装置60にて設定された読み出し時間に応じたタイミングパルスに基づき、信号を検出するためのコントロールパルスを作成して検出器42を駆動する。
ここで、X線検出装置4におけるX線検出のデバイス制御とデータ読み出しについて説明する。まず、検出器42はアレイ73の各々のセルのコンデンサが蓄積している電荷を放電する初期設定を行う。次に、X線発生装置2によってX線が被検体に曝射される。被検体を透過したX線は検出器42に載せれれた増感紙に到達する。増感紙に到達したX線はここで光に変換される。アレイ73上の各セルに1つづつ位置するフォトダイオード(センサ82)は増感紙で変換された光(光子フォトン)を検出して電気信号に変換する。得られた電気信号は電荷としてコンデンサに一旦蓄えられる。
X線の曝射が終了した時、すなわちX線コントローラ24の高圧発生信号がONからOFFに変わった時、をトリガとして上述した駆動装置64内で生成したコントロールパルスがアレイ73に供給され、アレイ73のTFT素子(FET80)がON状態となる。そして、読み出し装置68はコンデンサに蓄えられた電荷をアナログ信号としてデータ線78を介して読み出す。ここで、読み出し装置68はオペアンプによる積分、パラレル読み出し等の制御を行うものとする。このようにして読み出されたアナログ信号は、A/D変換部70によりA/D変換され、各画素ごとに14ビット(16ビット等でもよい) のディジタル信号に変換される。本実施例では、この所定ビット幅のディジタル信号を画素値と定義する。複数の画素値のマトリックスによって構成される画像データはメモリ14に転送される。
読み出し装置68は、タイミング発生装置62によって発生される駆動タイミングによって画像読み出しの時間を変更できる。なお、駆動タイミングは読み出し時間設定装置60によって変更する。また、乳房の大きさ、バイオプシー時の小照射野での画像の読み出しの際、効率的な画像読み出しを意図して読み出し範囲を限定することができる。なお、バイオプシーについては後述する。
読み出し範囲の限定は、読み出し範囲設定装置72によりコントロールパルスを送るコントロール線、すなわちゲート線76を限定し、かつ、読み出す信号線、すなわちデータ線78を限定することによって行う。
撮影の後処理として、上記画像収集が終わったあとに、X線を曝射していない時(X線コントローラ24の高圧発生信号がOFFの時)、再度同じ時間だけアレイ73のコンデンサにて暗時信号を蓄積しておく。FET80をONするコントロールパルスを検出器24に送り、画像のデータ収集を行ってメモリ14に暗時の結果を記憶しておく。最後に収集したX線画像データから暗時画像データを差分し、これを収集画像としてメモリ14に記憶する。
ところで、本実施例では、X線検出のデバイスとしてTFT平面検出器を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、スクリーン−フィルムシステムを適用し、撮影したフィルムをディジタイザによりディジタイズすれば、TFT平面検出器と同様に検出データを得ることができる。なお、この場合は、検出データに基づいたリアルタイムの撮影制御は不可能となる。また、X線検出のデバイスとして、イメージング・プレートを用いてもよい。なお、この場合も同様に撮影制御は不可能となる。また、X線検出のデバイスとしてスロット・スキャン方式を適用してもよい、この場合は、撮影中に撮影時間をセットできないので、最初にプレ曝射を行って、撮影時間を含む撮影条件を設定しておくことが好ましい。また、X線検出のデバイスとして2次元CCDを用いてもよい。この場合は、検出器データに基づいたリアルタイムの撮影制御が可能であり、画像データ(検出データ)として、TFT平面検出器と同じ形式のデータを得てメモリに格納することができる。
次に、入力装置6について説明する。入力装置6は5つの機能を有する。すなわち、a.患者情報,検査情報を入力する機能、b.出力画面の制御を入力する機能、c.読影医IDを入力する機能、d.読影,検査モードを選択する機能、e.出力手段を選択する機能を有する。これらの機能a〜eについて、入力装置6について説明する。図16は、操作パネル90の画面遷移を表す図である。操作パネルは、タッチスクリーンによって構成されている。
まず、機能aについて説明する。機能aは患者情報,検査情報を入力するものである。これら情報の入力において、システムがRISに接続されている場合と、RISに接続されていない場合について説明する。RISは外部のシステムから情報を得るためのシステムであり詳しくは後述する。
まず、RISからの情報入力がない場合は、検査依頼情報から患者情報、検査情報を入力する。この場合、検査依頼情報は紙面であるので図示しないキーボード等から操作者が入力する。患者情報は、患者名,患者ID等であり、検査情報は検査ID,部位,方向等である。表2に検査依頼情報の一例を示す。表2では、患者ID−880841、患者名−○山△子についての検査依頼情報が記されている。
次に、RISからの情報入力がある場合について説明する。RISから情報入力が可能である場合は、電子化された検査依頼情報がRISからRISI/F部8を介して送付されメモリ14に格納される。そして、個々の検査はメモリ14に到着した順序で登録される。
以上のようにして登録された個々の検査は操作パネルに表示されるが、操作パネル90がタッチパネルで構成されている場合は、対象の検査をタッチセンサを介して選択することができる。図17は操作パネルに表示された検査(患者)リストパネルを示す図であり、選択した検査、すなわち選択した患者名の表示行を反転表示している様子が示されている。
次に、出力画面の制御を入力する機能bについて説明する。まず、操作パネル90をタッチパネルによって構成した場合について説明する。図18は、出力画面制御のための入力を行う操作パネルを示す図である。ここで、同図(a)は画像選択パネルを示す図であり、同図(b)は、詳細表示ROIの選択パネルを示す図である。図18(a)の画像選択パネルでは、操作パネル90の上に、画像を抽象化(ディフォルメ)したシェーマ92が2種類表示され、その画像の部位や方向等を示す文字(例えば“CC像”、“ML像”)が表示される。それらシェーマ92のいずれか一方に指等で触れると、図示しないが指で触れた方のシェーマ92が反転表示され、画像を選択することができる。また、図18(b)の詳細表示ROIの選択パネルでは、シェーマ92に格子がかけられて表示される。画像の詳細を観察したい場合は、表示されている格子のうち詳細を観察したい部分に触れるとCRTに画像の詳細が表示される。
ここで、シェーマ92は、実際の画像における被写体(乳房)の皮膚のエッジをソーベル(sobel )オペレータ演算子を用いて検出してエッジ(乳房輪郭)のみを描かせたものとしてもよい。
次に、操作パネル90をタッチパネル以外の手段によって構成する場合について説明する。図19は、画像選択用パネルの斜視図である。画像選択用パネル94はメカニカル・スイッチ95によって構成され、これを押下することにより画像を選択する。図20は、詳細表示ROIの選択用パネルの斜視図である。詳細表示ROIの選択用パネル96は、画像選択用パネル94と同様にメカニカル・スイッチ95によって構成され、これを押下することにより詳細を観察したい部分を選択する。なお、メカニカル・スイッチ95の各々の位置は、表示されている画像の照射野の位置に対応する。
次に、読影医IDを入力する機能cについて説明する。操作パネル90をタッチパネルによって構成した場合は、図21に示すように、読影医師ID入力パネルが表示される。読影を行う医師はID入力パネル98によりIDを入力する。次に、検査、読影のモードを選択する機能dについて説明する。図16の(a)〜(c)に示すように、各パネルの表示にてモードを選択する。モードの選択後は、それぞれの場面における機能が実行できる。
次に、出力手段を選択する機能eについて説明する。図16の(d)に示すように、画像をフィルムに出力する(“4.1 CRT出力”)、画像をフィルムに出力する(“4.2 フィルム出力”)、画像をフィルムとCRTに出力する(“4.3フィルム&CRT出力”)、といった出力の形態を選択することができる。
以上説明した機能a〜eによれば、読影医の好みに応じた画面、読影スタイルに対応できる。
次に、外部システム・接続インターフェースを用いることにより、本システム(基本システム)が他のシステムからデータを得る場合について詳細に説明する。ここでは、特にRIS(Radiology Information System)からRISI/F部8を介してデータを得る場合について説明する。
まず、他のシステムからのデータ転送機能とルーチンについては、前述したように、電子化された検査依頼情報が外部のRISから送付され、かつ、本システムが情報として処理可能なデータ形式に変換された後メモリ14に格納される。また、メモリ14に到着した順序で検査リストに個々の検査が登録される。タッチパネルに表示されている場合は、図17に示すように、対象の検査(患者)をタッチセンサを介して選択することができる。
次に、RISデータのデータ構造例としては、検査依頼情報の構成は前掲した表2と同様のものである。さらに、検査の結果である読影レポートの構成を表3に示す。
次に、出力装置10について説明する。図22は出力装置10の内部構成を示すブロック図である。出力装置10は、処理の終わった画像データと、文字データおよび画面(記号)データからなる文字記号データ(以下、インフォメーションと称する)とをメモリ14から入力してCRT100の画面又はフィルム102に出力するものであり、画像縮小・拡大処理部104、画面作成部106、フレームメモリ108、オーバーレイメモリ110、表示管理部112、D/A変換部114、バーコード生成部116、レーザー書き込み装置118を有する。
フレームメモリ108、オーバーレイメモリ110、表示管理部112、D/A変換部114はCRT100の画面に画像とインフォメーションとを出力するための専用の装置であり、バーコード生成部116、レーザー書き込み装置118は、フィルム102に画像とインフォメーションとを出力するための専用の装置である。
CRT100の画面に、画像とインフォメーションとを出力する場合、すなわち、前述した入力装置6の操作パネル90によって“CRT出力”を選択し、表示管理部112に指示を与えて出力する場合、画像拡大・縮小処理部104は、メモリ14から送られた画像データに対し所定の大きさに縮小あるいは拡大する等の画像処理を行って画面作成部106に送る。画面作成部106は、処理が施された画像データを所定の位置に配置して画面を作成し、フレームメモリ108に書き込む。また、文字記号データはオーバーレイメモリ110に書き込まれる。そして、表示管理部112は中央制御装置16によって指示された所定番号のオーバーレイをフレームメモリ108に重ねてD/A変換部114に送る。D/A変換部114では、ディジタル信号であるフレームメモリ108の内容をアナログ信号に変換し(D/A変換)、CRT100の画面に出力する。
フィルム102に、画像とインフォメーションとを出力する場合、すなわち、前述した入力装置6の操作パネル90によって“フィルム出力”を選択し、レーザー書き込み装置118に指示を与えて出力する場合、画像縮小・拡大処理部104は、メモリ14から送られた画像データに対し所定の大きさに縮小あるいは拡大する等の画像処理を行って画面作成部106に送る。また、バーコード生成部116はメモリ14から送られた所定の情報に基づいてバーコードを生成して画面作成部106に送る。バーコード生成のための所定の情報とは、検査依頼情報に記録された検査IDや画像番号等の検査に固有の情報である。画面作成部106は、送られた画像データを所定の位置に配置し、画像データと文字記号データ(2値化されたもの)とバーコードとを重ねて出力データを作成してレーザー書き込み装置118に送る。レーザー書き込み装置118は、中央処理装置16の指示により出力データをフィルムに出力する。図23は、出力されたフィルム102の一例を示す図である。フィルム102に、所定の位置にバーコード120が記載されている。
次に、システム・ディスク12について説明する。システム・ディスク12には以下に示す機能を実現するための制御プログラムが記憶されている。ただし、以下の機能は、高速化を目的としてハードウエア化を行ってもよい。
a.乳腺領域を認識してコントラストを強調する手段b. 濃度範囲の調整手段c.ROI位置決定手段、シャトル対応手段d.画像処理手段e.異常陰影検出手段適用可能判別手段f.異常陰影検出手段、検出結果格納手段g.出力画面作成手段h.異常検出結果出力手段i.アームの傾きから撮影方向を認識する手段j.圧迫タイミング調整手段k.バイオプシー穿刺状況確認手段l.バイオプシー視野認識および一部データ記憶手段m. 撮影場面,検出器( モート゛) による撮影条件の自動設定手段n.曝射が終わったことをトリガとして画像を読み出す手段o.RISからの患者情報の入出力手段、識別子出力手段p.画像を任意の大きさに拡大縮小する手段q.CRT,フィルムの出力選択手段r.異常の悪性,良性を判別し結果を出力する手段s.ROIマニュアル入力手段t.全体制御プログラムまず、システムが立ち上がると、最初に中央制御装置(CPU)16は、全体制御プログラム(後述する)を起動し、使用のそれぞれの場面(後述する)に応じて、入力装置などからのイヴェントなどを契機に各機能を実行する。
次に、a〜tの各機能についてそれぞれ説明する。
a.乳腺領域を認識してコントラストを強調する手段画像の画素のヒストグラムを取ると、通常のブレスト(乳房)のヒストグラムは図24に示すような形であり、乳腺領域が密なブレスト(デンスブレスト)のヒストグラムは図25に示すようになっている。ここで、図25において画素値の高い領域Aのコントラストが高くないと診断すべき解剖学的構造が見えない。そこで、領域Aの解剖学的位置を認識するために、まず、図26に示すようなn画素×n画素の微小領域(以降、ROIと称する)122を画像データ124の全体に設定し、そのなかで明るいROI(画素値の高いROI)を選択する。次に、選択したROI122の画素の代表値(例えば、メディアン値、中央値)を表示、出力の最高の輝度(明るさ)とするように、画素値を輝度に変換するためのルックアップテーブルを変更してコントラストを強調する。図27は画素値とグレイスケール(輝度)の関係を表す図である。コントラスト強調後の画素値とグレイスケール(輝度)の対応関係を表す直線128の傾きが、ルックアップテーブル変更前の直線、すなわち検出器から出力された時点での対応関係を表す直線126に比して大となるようにルックアップテーブルを変更してコントラストを強調する。ここで、コントラストの強調はルックアップテーブルを変更する場合のみによらず直線128の傾きが直線126の傾きより大となるように、画像データの画素値を変更することにより行ってもよい。
コントラストの強調においては、直線128の傾きが大きくなりすぎるとノイズまで強調されてしてしまうことがある。このため、ノイズの強調度合いを制限して行うことが好ましい。
b.濃度範囲の調整(画像濃度を揃える)手段図28は、左右の乳房の画像を表示あるいは出力するまでの流れを概略的に示す図である。撮影済みの画像は、最初はICメモリや磁気ディスク等から構成される画像メモリバンク129に存在する。特定患者の、特定方向から撮影された画像を表示する指示が出されると、その左右の乳房の画像は、まず濃度同一化処理ユニット130に送られ合成画像132が作成される。合成画像132は、左右の乳房を1枚の画像として表示あるいは出力するために、左右の乳房の画像2枚を並べたものであり、左右の画像の平均的な画像濃度が揃っている画像を指す。作成された合成画像132は、フレームメモリ108、オーバーレイメモリ110、レーザー書き込み装置118に送られた後、CRT100に表示され、あるいはフィルム102に出力される。なお、合成画像132の出力されるときの、出力装置10の動作は、前述した場合と同じであるので省略する。
ここで、濃度同一化処理ユニットについて詳細に説明する。図29は濃度同一化処理ユニット130の処理の具体例を示す図であり、左右の乳房の画像のROI133内の平均濃度を同一にする処理の例を示している。なお、本実施例では、右画像の平均濃度が左画像の平均濃度に揃うように処理を行う場合について説明するが、これは左右どちらの画像の平均濃度に揃えてもよいし、左右どちらの画像の平均濃度とも異なる第3の平均濃度に揃えても良い。
まず、平均値算出部134は、左画像、右画像の画素値の平均値m1、m2をそれぞれ計算し、次に除算部135によりm1とm2の比を求める。そして、画像演算部136は求められた比の値に基づいて、ROI133内の平均濃度が左画像の平均濃度と同一になるように右画像の平均濃度を計算し、左右の画像濃度が同一な合成画像132が作成される。
なお、ROI133は通常は予め設定されているものとするが、ROI133のような定型ROIのみならず、操作者によって与えられた特殊ROI(フリーROI)も受け付けて処理が行えるようにすることが望ましい。またROI133は、CADが病変候補として指摘した部分を中心とした領域に設定することが可能となっている。
濃度同一化処理の他の例としては、上述したように画素の平均値を揃える例の他に、ROI内の中央値、最頻値、ヒストグラムを揃える例も知られている。
また、画素の平均値を揃えると共に、画素の標準偏差も揃える処理としてもよい。
c.ROI位置決定手段、シャトル対応手段例えば画像処理として拡大表示を行うためのROIの位置を自動で設定し移動させることができる。
図30は拡大表示のためのROIと、ROI中心の位置移動の軌跡を示す図である。ROI133は画像の4A画素×5A画素(Aは自然数)からなる。ここで、X−Y座標を設定し、抽出した被写体(乳房)の輪郭138をX方向において乳房の内側に向かって3A移動させた輪郭線137と、直線X=4000−2A、直線Y=3A、直線Y=5000−3Aとで囲まれた第1の閉曲線139を作る。
次にROI133の中心を第1の閉曲線139の上を移動させながら、ROI133内部の画像データに拡大処理を行い、出力装置10のCRT100に表示する。ROI133が第1の閉曲線139を1周し終えたら位置移動をいったん停止する。
次に、乳房輪郭138をさらに3A×2だけX方向の内部に移動させた輪郭線と、直線X=4000−2A×2、直線Y=3A×2、直線Y=5000−3A×2とで囲まれた第2の閉曲線140を作る。第1の閉曲線139の場合と同様に、ROI133の中心を第2の閉曲線140の上を1周移動させながら、ROI133内部の画像データに拡大処理を行い、出力装置10のCRT100に出力する。なお、図30には、第2の閉曲線140は図示されていない。
以上の処理を、輪郭線の最左点のX座標値が4000−2A×N(Nは自然数)より小さくなるまで繰り返し行う。また、閉曲線NからN+1への移動は直線的に行われる。図31にROI中心の位置移動が連続して行われるときの軌跡を示す。
なお、最初に抽出する輪郭線137は、図32(a)、(b)に例を挙げて示すように、乳房輪郭138を多角形で近似することにより求めても良い。また、表示するROI133の大きさ(Aの値の決定)は拡大率によって決定する。この拡大率は検査前に検査者が事前に設定しておく。このように設定されたROI133により拡大表示を行う場合の例を図33に示す。
以上、画像処理のためのROI位置決定に関する説明は、画像処理として拡大表示を行う場合について行ったが、他の画像処理、例えばコントラスト強調等を行う場合についても拡大表示の場合と同様である。図34にコントラスト強調を行った場合を一例として示す。種々の画像処理を行う手段については後述する。また、乳房輪郭138の抽出方法、輪郭線137の設定方法は、自動抽出等の公知の手法を用いてよい。また、検査者がシャトルを用いて設定することもできる。
マンモグラム画像に表れた乳房の形状に合わせてROIを自動的に移動させて観察を行うことができる。図35に種々のマンモグラム画像に応じたROI位置移動の軌跡を示す。
d.画像処理手段画像処理手段により次に示す3種類の画像処理を行うことができる。
1.アンシャープマスキングなど適当な周波数領域を強調して陰影などを見易くする画像処理を行う。アンシャープマスキングについては、次の論文を参照することができる。Leh-Nien D.loo,"Investigation of basic imagingpropertiesindigital radiography 4.Effect of unsharp masking on detectability of sample patterns",Med.Phys.12 (2),pp.209-214.
2.コントラスト強調手段において説明したような、ルックアップテーブルを変更してコントラストを強調する画像処理を行う。
3.2.に関連する処理であって、全ての画像処理を行う前の過程で、濃度範囲を一定の範囲に変換する画像処理を行う。図36に示すように、画素範囲がA(over exposure) またはB(under exposure)である場合、Cの画素範囲(適正exposure)に変換する。
e.異常陰影検出手段が適用可能であるか否かを判別する手段腫瘤陰影検出方法では、左右の乳房の画素値の差分を求めることにより異常陰影を検出している。ところが、左右の乳房の大きさ、形状が極端に異なる場合はこの方法が適用できない。したがって、本実施例では次に示す2つの処理を行い、腫瘤陰影検出方法の適用の可否を判断する。なお、適用不可と判断した場合は、異常陰影検出手段を適用せずにその旨を出力装置10にてコメント出力する。
1.乳房の左右の面積をチェックする。
図37に示すように、画像を領域Aと領域Bの二つの領域で分割し、領域Bの面積を乳房面積とする。領域の分割については、図24に示される乳房画像のヒストグラムにおいて、p点(画素値p)を分割のためのスレッシホルド(閥値)として用いれば良い。
左右乳房について求めた面積を比較し、その差が全体の面積の例えば10%以下であれば腫瘤陰影検出手段を適用可能であると判定する。
2.乳房輪郭の角度をチェックする。
図38に示すように乳房輪郭に円を重ね合わせ(フィッティング)、画像に含まれる弧の中点142と円の中心を結ぶ直線と画像の水平ラインとが作る角度を輪郭角度144とする。左右乳房について求めたの輪郭角度を比較し、その角度差が全体の角度の例えば10%以下であれば腫瘤陰影検出手段を適用するとする。
なお、輪郭の検出等については、ソーベルオペレータ等を用いたあと2値化して抽出する手法などが知られている。
f.異常陰影検出手段、検出結果格納手段異常陰影等を検出する手段としては、前述したCAD(コンピュータ支援診断)により、微小石灰化陰影、腫瘤陰影を検出する。これら異常陰影を検出する手段をマンモグラム画像に順次適用し、検出結果を異常検出結果表に記述し、システム・ディスク12に例えばデータファイルとして格納する。また、検出結果を逐次出力する場合はメモリ14に格納して出力する。表4に異常検出結果表を示す。
g.出力画面作成手段<マンモグラム画像の画面への配置方法管理手段>出力画面作成手段は、機能1として、医師の好みによって画像の画面への配置方法を決めることができる。また、機能2として、画像からの異常検出結果に応じて配置方法を決めることができる。
図39は撮影方向の種類を示した図である。例えば同図(a)は、右乳房についてX線を上下方向、特に“上から下”へ(被検体の頭部から脚部の方向へ)X線を曝射して撮影する場合を示している。なお、撮影時には、X線を曝射する方向に対し垂直に乳房を圧迫して挟む。
図39には、撮影方向として右乳房について(a)〜(f)の6種類のパターンが示されているが、本実施例においては、撮影方向は上下方向と左右方向の2種類とし、撮影方向別のマンモグラム画像の種類は2種類とする。すなわち、上下方向については、“上から下”方向と“下から上”方向とを区別しない、また、左右方向については“内から外”方向と“外から内”方向とを区別しない。また、斜方向についてはこれを考慮しない(撮影を行わない)。
このような撮影方向別のマンモグラム画像の種類に応じて画面への配置方法を設定する。なお、本実施例では、CRTを2台備えそれぞれのCRTに異なった画像を表示可能である。また、各CRTでは、2画像を1画面に同時に表示する。
図40は画像の画面への配置方法の種別を示す図であり、同図(a)は配置位置の種類を示す図であり、同図(b)は配置方向の種類を示す図である。
同図(a)に示すように、画面への配置位置としては、画面を縦に分割した場合の左側の配置位置L、右側の配置位置Rがあり、画面を横に分割した場合の上側の配置位置U、下側の配置位置Dがある。
同図(b)に示すように、画面への配置方向としては、(1) 〜(4) の4種類がある。医師は、画像の種類(ケース1,2,3で表す)毎に、異常検出結果に応じた好みの配置方法をテーブルとしてメモリ14あるいはシステム・ディスク12に保持する。表5は3人の医師A、B、Cが保持するテーブルの内容を示している。
図41は、医師Aが保持する表5のテーブルに基づいて、画像の種類毎(ケース毎)に画像を左側と右側の2台のCRTの画面に配置する様子を示した図である。
図42は、医師Bが保持する表5のテーブルに基づいて、画像の種類毎(ケース毎)に画像を左側と右側の2台のCRTの画面に配置する様子を示した図である。
図43は、医師Cが保持する表5のテーブルに基づいて、画像の種類毎(ケース毎)に画像を左側と右側の2台のCRTの画面に配置する様子を示した図である。医師Cについては、異常検出結果に関わらず常に一定の配置方法で出力する。
次に、決定された配置方法に従って、画面に出力するまでの動作について説明する。
1) 医師は読影前に医師識別情報(医師ID番号)を入力する。
2)中央制御装置16は入力された医師ID番号がテーブルに登録されていればその登録内容に従って、表示すべき画像の配置方法を指示する。ここで、仮に医師ID番号がテーブルに登録されていない場合は、デフォルトの配置方法(予め設定された配置方法、例えば医師Aと同様の配置方法)に従う。
3)表示する画像マトリクスサイズと、表示装置の表示領域マトリクスサイズが一致していればそのまま指定された配置位置、配置方向で表示する。仮に、画像マトリクスサイズと、表示領域マトリクスサイズとが一致していない場合は、表示領域マトリクスサイズに画像マトリクスサイズを合わせるべく、画像データに加工して両端を切断した後表示する。
画像データの加工については、例えば画像データサイズが(4000×5000)であり、表示領域のマトリクスサイズが(4000×5000)であるとする。
ここで、配置位置“L”および“R”で表示する場合、表示のために要する領域のマトリクスサイズは(2000×5000)となるので、図44(a)に示すように、ハッチングで示した領域を削除する。
また、配置位置“U”および“D”で表示する場合、表示のために要する領域のマトリクスサイズは、(4000×2500)となるので、図44(b)に示すように、ハッチングで示した領域を削除する。
以上説明したように、出力画面作成手段によれば、画像の画面への配置方法を医師の好み応じて、あるいは異常検出結果に応じて種々決定することができ、決定した配置方向に応じて必要であれば画像データを加工するなどして出力画面を作成することができる。
なお、撮影方向および画像枚数は、前掲した表5の内容に限定されるものではなく、斜方向の画像を“左斜上から右斜下”、“右斜上から左斜下”など複数枚数撮影してもよい。また、表示装置の数は2台に限定されない。例えば1台であってもよいし、3台以上用いて種々の配置方向により表示するようにしてもよい。
h.異常検出結果出力手段異常検出結果出力手段は、機能1として、異常陰影検出手段にて検出した異常の位置を画像の外部から示すことができる。また、機能2として、検出した異常の数を示すことができる。また、機能3として、複数の異常に識別子を付け、各々を区別して明示することができる。
異常検出結果出力手段は、異常陰影検出結果を参照したいが、画像読影の邪魔はされたくないという観察者(読影医師)からの相反する要求を共に満たすものである。
図45は異常陰影検出結果を画像の外部から示すようにした画面の模式図である。図45(a)によると、画面145には検出された異常(陰影)148が示されたマンモグラム画像146と、マンモグラム画像146の外部に位置する2つのマーカー147と、検出した異常(陰影)の数149とが表示されている。図45(a)〜(c)では、マーカー147は矢印として表示されている。なお、マーカーは矢印に限定されない。マーカー147は、それぞれのマーカーの矢印の延長線上の交点が、検出した異常148の位置と等しくなるように、マンモグラム画像146の外部に位置決めされる。
検出された異常の数が複数であり、その数が比較的多いとき、前述と同様に複数のマーカーにより異常を示すと表示が煩わしくなってしまう。
そこで、図45(b)に示すように、画像の外部から1つの異常位置を示しつつ、他の異常が存在することを検出した異常(陰影)の数149を画面隅に表示する。これにより、マーカーが示す異常の他にも、検出された異常が存在することが分かる。
また、図45(c)に示すように、検出した異常位置の付近に番号などの識別子152を表示してもよい。
また、図45(d)に示すように、複数の異常の位置をマンモグラム画像の外部から複数のマーカーを用いて一度に示したい場合は、マーカーの形あるいは色を変えて表示してもよい。
なお、図45(e)に示すように、異常(陰影)の位置を画像の外部から示すマーカーのそれぞれの位置は、検出した異常の画像内座標(x,y)からX軸、Y軸にそれぞれ延ばした垂線の交点(x,0)と(y,0)とで求めることができる。
<CAD結果の比較>主な機能としては、前述したCAD(コンピュータ支援診断)による過去画像の診断結果と今回画像の診断結果とを比較し、過去画像と今回画像に差がある場合に表示する。
1)中央制御装置16は、今回画像に対しCAD処理(異常検出)を行ってCAD処理結果を得る。
2)中央制御装置16は、患者識別情報(患者ID)から過去画像を検索する。
3)中央制御装置16は、過去画像のCAD処理結果(CAD処理結果が存在しない場合はCAD処理を実行して結果を得る)と、今回画像のCAD処理結果とを比較する。
4)中央制御装置16は、両者の結果に差が有ればその旨出力する。
5)医師は比較読影コマンドを入力する。
6)中央制御装置16は、以下に示す表6のテーブルに従って表示装置10に今回画像と過去画像を出力する。表6には、医師Aのケース1についてのテーブルのみが示され、医師Aの他のケースのテーブル、および他の医師のテーブルについては省略されている。
図46は表6のテーブルに基づいて今回画像と前回画像(過去画像)を2台のCRTの画面にそれぞれ配置した様子を示す図である。
なお、両者の結果に差が有れば、医師の比較読影コマンド入力を待たずに今回画像と過去画像を表示するようにしても良い。
X線検出装置4により得られた画像は一時メモリ14に蓄えられ出力装置10より出力される。読影者はその出力に基づいて診断を行う。
このとき、読影の補助的役割として、本システムにおいては、異常陰影の検出が行われ、この結果をもとに画像処理を自動的に行い、異常な陰影がより鮮明に表示されるようにする。画像処理としては、拡大、コントラスト調整、周波数処理などを行う。どの画像処理を行うかは読影者が予め設定する。異常陰影を行った場合、自動的に設定された画像処理を行い表示する。
表示の方法としては、まず、画像処理後の表示用画面と標準表示用画面とを設定する。このとき、画面数にあわせて複数(例えば2台)のCRTを用い、1台のCRTに画像処理後の表示用画面を設定し、他の1台に標準表示用画面を設定する。また、CRTは1台のみの構成とし、画面を分割するなどして、複数の画面を実現してもよい。
また、標準用画面の表示は画像情報量と画面表示可能情報量とが同じ場合、そのまま表示するが、画像情報量が画面表示可能情報量より多い場合は画像情報を圧縮して表示する。圧縮する手段としては、平均化、間引きなどがある。
次に、画像処理を行った画像は画像処理用画面に表示するが、このとき、検出された異常の位置が画面の中心となるように表示する。
画像処理として拡大を行う場合は、画像情報をそのまま表示(画像情報量が画像表示情報量より多い場合)してもよいし、画素間の情報を補間することによって表示してもよい。
画像処理としてコントラストの調整を行う場合は、拡大表示すると表示される画像の画素値の範囲は標準画像に比べ小さくなり、最大と最小の信号の差は小さくなるので、この信号差に合わせてコントラストを調整する。図47は、コントラスト調整を説明するための図であって、同図(a)は標準画像の入出力特性を示す図であり、同図(b)はコントラスト調整後の画像の入出力特性を示す図であり、同図(c)は標準画像の表示例を示す図であり、同図(d)はコントラスト調整後の画像の表示例を示す図である。
異常な陰影は石灰化、腫瘍の形など種々の要因によってマンモグラム画像上に表れる。異常陰影検出手段により検出した異常な陰影は、このような種々の要因に応じて画像処理を行ったのち、表示に供する。
前述した画像処理手段において、周波数処理については、種々要因に応じて画像の周波数特性を変える。例えば、石灰化により異常な陰影として画像上に表れた場合、このような陰影は比較的コントラストを有しているが、微少な陰影であるので周波数の高域を強調することにより、輪郭をさらに明瞭にする。また、腫瘍が異常な陰影として画像上に表れた場合、このような陰影は画像上の微妙な濃淡の違いにより判断(読影)するので、周波数の低域を強調した方が画像が見易くなる。このように、画像の周波数特性を変えることにより、異常陰影をより明確に表示に供することができる。
なお、画像処理用画面に表示されている画像の範囲(例えばROI)を、標準画面上のどこにあたるかを標準画像上にも表示するようにする。
図48(a)に示すように、異常陰影が数点ある場合は、その数に合わせて画面を区分して表示する。区分された画面それぞれに画像処理を行うので、各画面により画像処理の度合いは変わってくる。このとき、表示されているのが標準画面のどこにあたるのかを分かり易くするため、図48(b)に示すように、番号などを付けてもよい。もし、異常陰影の数が多く表示しきれない場合は、全て表示されていないことが分るように、音やメッセージなどで読影者に知らせる。自動的に行われる画像処理については、画像処理の内容を読影者が予め設定可能としているので、前述した画像処理以外の他の画像処理を行うことも可能である。
以上のように構成することにより、速やかな操作で読影を行うことができ、優れた病変検出能を実現できる。
i.アームの傾きから撮影方向を認識する手段<撮影方向の自動認識>図49は、CアームとCアーム支持部を横から見た図である。同図にはCアーム5に設けられるX線発生装置2、圧迫板3、X線検出装置4等は省略されている。Cアーム5はCアーム支持部154に回動可能な状態で取り付けられている。
撮影方向の自動認識によれば、前掲した表3の、例えば“検査の情報”といった付随情報のうちの一部の情報を自動的に求めて入力を簡略化することができる。ここでは、Cアーム5の傾きから撮影方法を自動認識する。すなわち、図49に示すようにCアーム5の傾き角度θを定義し、Cアーム5の傾き角度θを求め、付随情報の撮影方法の項目への記入内容を決定しメモリ14に書き込み記憶する。
図50は、このように撮影方向を自動認識する処理を概略的に示す図である。まず、S1において、回転角度を自動的に認識する機構を用いてCアーム5の回転角度を認識する。
図51は回転角度を自動的に認識する機構の概略を示す斜視図である。回転角度を自動的に認識する方法としては、まず、Cアーム5の回転軸156に第1の歯車158を取り付け、第1の歯車158に第2の歯車160を噛ませる。第2の歯車160の回転軸には、可変抵抗器(図示しない)を回転軸と同様に回転可能となるように取り付け、角度認識部162により回転角度を抵抗値に変換することにより電気的に角度を認識することができる。この場合、連続的に回転角度を認識できる。その他、回転角度を電気的信号に変換するものについても同様に扱うことができる。
次に、S2により、S1で求まったCアーム5の回転角度から撮影方向を判断する。
なお、ここではS3により撮影方向の判断条件として境界角度の設定を技師の入力により設定することができる。例えば、境界角度をθとするとき、図52に示すように、角度θが“θ=0゜”のときは撮影方向を“CC”と判断し、角度θが“−70゜<θ<0゜”あるいは“0゜<θ<70゜”を満たすときは撮影方向を“MLO”と判断し、角度θが“−90゜<θ<−70゜”あるいは“70゜<θ<90゜”を満たすとき撮影方向を“MO”と判断する。なお、角度θの範囲及び“CC”、“MLO”といった方向表記文字の種類は一例として挙げるものであり、これに限定されるものではない。
次に、S4により判断した結果を付随情報の“撮影方法”の項目に書き込む。ここで、特別の撮影を行う際には、S5により付随情報を手入力することが可能であり、訂正を行うことも可能となっている。
回転角度の自動認識の他の例としては、図53に示すように、回転軸156上に第1の電極164を設け、Cアーム支持部154側に円盤の上面を数カ所に分割した第2の電極(分割電極)166を配置し、第1の電極164と第2の電極166の位置関係によりスイッチング作用を起こし、角度認識及び撮影方向の判断を機械的に行う。撮影方向の判断条件は第2の電極の分割角度により与え、スイッチングに応じて撮影方向の情報を、付随情報に書き込む。
その他、回転角度によりスイッチングを行う種々の機構も含まれる。
なお、特別の撮影を行う際には、S5により付随情報の手入力/訂正を行うことができる。
左の乳房か右の乳房かの判別、すなわち、付随情報のうち“撮影部位”の項目については、Cアーム5が具備する“右ボタン”あるいは“左ボタン”(いずれも図示しない)を押すことにより、自動的に書き込まれる。
j.圧迫タイミング調整手段X線曝射に関連付けて圧迫のタイミングを調整する手段については、X線発生装置2の説明の中で述べたので、ここでは省略する。
k.バイオプシー検査状況確認手段<バイオプシー穿刺状況を超低線量にX線撮影により確認する>図54は、バイオプシー検査に用いる加圧パッドを示す図である。バイオプシー検査は、加圧パッド168で乳房を挟み、加圧パッド168の加圧面に設けられた窓170から乳房の疾患部172に細い針(ニードル)を穿刺してサンプル(標本)を収集する。
サンプル収集までのバイオプシー検査の詳細を説明する。
まず、乳房を加圧パッド168で挟む。このとき、疾患部172が窓170の中に位置するように挟む。
次に、撮影角度を“0°”として撮影を行い、疾患部172が窓170の中にあることを確認する。
次に、図55、図56に示すように、Cアームの姿勢(撮影角度)を“+15°”、“−15°”として撮影を行うことにより3次元情報を得る。
次に、得られた3次元情報から疾患部の3次元位置を算出し、算出した位置に二重構造の針174を窓170から挿入する。
図57は、乳房の疾患部に針を挿入する様子を示した図である。
次に、撮影角度を“+15°”、“−15°”として撮影を行い、針が疾患部の中央にあることを確認してサンプルを収集する。
サンプル収集後に再び撮影を行い、疾患部のサンプルを収集したことを確認する。
疾患部に針を挿入する際、針が曲がってしまうことがある。針が真っ直ぐ挿入されているか否かが確認できれば、曲がった針が挿入されたままサンプル収集時の撮影が行われてしまうことを防げるので、患者に無駄な被爆を与えることが避けられる。
そのため、サンプル収集時の撮影を行う前に、針の挿入過程で低線量のX線による撮影を行い、針が正しい姿勢で挿入されているか否かを確認する。この場合、撮影角度が“+15°”と“−15°”の撮影を行う。
撮影時のX線の線量は、針の形状が確認できる程度で良いので通常X線透視で行われている線量より少ない線量とする。この低線量での撮影で針の直進が確認された後にサンプル収集時の撮影を行う。バイオプシー穿刺状況確認手段によれば、針が疾患部に真っ直ぐ穿刺されたか否かを低線量X線撮影により把握することができるので、患者に無駄な侵襲を与えることなく適切にバイオプシー検査が行える。
l.バイオプシー視野認識および一部データ記憶手段図58は、検出器上に設定したプロファイル取得ラインを示す図である。検出器42の面上において、176はバイオプシー照射野、178はプロファイル取得ライン(a〜d)である。
検出器において、a〜dの各プロファイル取得ライン178におけるプロファイルデータを全データより先に収集し、図59に示すように、プロファイル取得ライン“a”とプロファイル取得ライン“c”のプロファイルデータを取得する。そして、プロファイルデータの1次微分等により画像データの存在する位置を例えばA点として検出し、図58における斜線の領域(バイオプシー照射野176)のデータのみを読み出すように読み出し範囲を決定する。
なお、読み出し範囲に基づくデータ読み出しの詳細についてはX線検出装置2の説明中で述べたので、ここでは省略する。
m.撮影場面、検出器(モード)による撮影条件の自動設定手段撮影条件の自動設定は、原則として、前述したような種々の条件の計測結果に基づき、前掲した表1を用いて行う。
図16(c)の操作パネル90に示したように、本システムは検査毎に種々のシステム使用場面(撮影場面)が選択できる。
この場合、通常検査と、(1) 集団検査、(2) バイオプシー、(3) 切除標本検査、(4) 透視では撮影条件が異なり、それぞれの場合毎に表1の撮影条件決定表を有することにより撮影条件の設定に対応する。
n.曝射が終わったことをトリガとして画像を読み出す手段X線検出装置2の説明の中で述べたので、ここでは省略する。
o.RISを含めた患者情報の出力手段、識別子(バーコード含む)を出力する手段RISの情報(例えば検査依頼情報など)を表示させて見ることができる。図16の操作パネル90により検査依頼情報を選択(検査依頼情報出力の項目は図示していない)すると、現在選択されている検査に関する依頼事項(表2に示した患者の情報、検査の情報など)が出力装置10のCRT100の画面に表示される。
p.画像を任意の大きさに拡大縮小する手段画像の画素データにフィルタをかけることで拡大・縮小等を行う。1/nのフィルタは、n×nを想定するとn×nマトリックスの画素値の平均値、最大値をとる場合に適用し、または、n×nのマトリックスのあらかじめ決めた特定マトリックス要素を取得する場合に適用する。
q.CRT、フィルムの出力選択手段システムの初期動作において、図16(d)の操作パネル90により“CRT”あるいは“フィルム”等の出力方法を選択することができる。
r.異常が悪性であるか良性であるかを判別し結果を出力する手段異常陰影に対して良性か悪性かを判断するための手段としては、腫瘤陰影については米国特許第5,133,020号を参照できることを前述した。
ここで、医師による画像読影時に図60に示すような画面により、陰影の解析(異常の解析)を医師が指示すると、既に検出した腫瘤陰影があればその陰影に対しコンピュータの解析結果として悪性か良性かが導かれ出力される。一方、画像の上で医師が直接、マウス等の指示手段により指摘をした陰影に対してもその部分の解析を行ったかを出力する。
本システムは、入力手段の一つ(指示手段)としてマウスを有する。マウスは、出力装置10のオーバーレイメモリ110の1面を用いて表示され、マウスボタンのクリックした位置が画面の座標位置として画像との対応が図られる。
s.ROIマニュアル入力装置は、シェーマが出力されるタッチパネルによる手段であり、図18(b)に示したのでここでは省略する。
t.全体制御プログラム本システムを起動すると、図16(a)に示すような画面が操作パネル90に表示される。
操作者は、操作パネルに触れることにより、“読影”、“検査”、“検査後読影”、“その他”といった処理を選択することができる。
システム・ディスク12には、前述したような機能a〜tを有する制御プログラムに加え、以下のデータが記憶されている。各データの具体項目について説明する。
(1) 画像と付随情報画像は最大マトリックスサイズ“6000×4800”(2バイト)のデータである。図61は画像データの座標系を示す図である。通常の撮影では、このうちの“4800×3600”のマットリックスサイズの領域が使用される。
画面の座標系は図62に示すように、CRT画面(例えばマトリックスサイズが“2500×2000”)の場合とフィルム(例えばマトリックスサイズが“8500×7000”)の場合について区別して考慮される。
(2) 検査歴表7に示すように、過去画像を検索して読み出すための情報として検査歴を保持する。
(3) 検査依頼情報表2に示したように、RISなどから得られた検査依頼情報を保持するとともに、紙面の依頼情報を手入力して作成した検査依頼情報も保持する。
(4) 画像を並べるための表表5に示したように、医師により画像をどう並べるかを決定するための表を保持する。
(5) 異常検出結果表表4に示したように、異常陰影検出手段によって検出された結果を表として保持する。
(6) 基準画像データ出荷時に検出器42に規定時間だけX線を照射して、基準となる画像データを収集して保持しておく。
保守時にこの基準データと試し撮りした画像データの差分を取って検出器42の劣化などを検出する。次に、メモリについて説明する。メモリ14は、半導体メモリであって、画像データやシステム・ディスク12のプログラムやデータを一時的に記憶する等の作業に供するためのメモリである。メモリ14へのデータの書き込み、読み出しは中央制御装置16によって制御される。
中央制御装置16は、システムの全ての動作機能を制御する。以上のように構成された基本システムの動作を、“通常検査”、“集団検診”、“ニードル・バイオプシー検査”、“メスによる切除・バイオプシー検査”、“フォローアップ検査”、“検出器劣化、保守対応作業”の順に説明する。
まず、外来患者の検査と読影を基本とする通常検査における動作について説明する。通常の病院でもっとも一般的にマンモグラフィを使用する場面は、異常を感じて病院を訪れた外来患者に対する検査および診断である。
検査と読影作業の際のシステムの動作について以下に説明する。
前述したように、システムが起動されると、図16(a)に示すように、操作パネル90に第1のパネルを表示する。
第1のパネルにより、“読影”、“検査”、“その他”のうちのいずれかの処理を選択する。
“読影”が選択されると、読影医IDの入力を行い、読影医によりID入力がなされた後、図16(b)に示すように操作パネル90に第2のパネルを出力する。読影医のIDはメモリ14に記憶され、以降、装置(システム)をダウンさせるまで読影医の好みによる出力がなされる。
ここで、例えば読影医をYとしID9876を入力したとする。
“検査”が選択されると図16(c)に示すように操作パネル90に第3のパネルを表示する。
“その他”が選択されると図16(d)に示すように操作パネル90に第4のパネルを表示する。このパネルで出力の条件設定を行う。
ここで、第1のパネルから“検査”を選択し、第2のパネルから“通常の読影”(フォローアップ読影、集団検診も同様の検査となる)を行う場合について記述する。
(1)患者の検査情報の入力例えばある患者Xについての検査依頼が、RISよりシステムのメモリ14に検査依頼情報として転送されていると、患者Xを含む患者の一覧が前述した図17の操作パネル90に検査リストとして出力されるので、検査技師は患者Xの部分に触れる(タッチする)ことにより患者Xを選択する。
(2)ポジションニング患者Xについてポジショニング(位置決め)を行う。撮影装置のセットについては左右のどちらの乳房を撮影するのかをアームのボタンで指示するだけでよい(撮影部位の指定)。アームの傾きによって撮影手段(撮影方法)も決定される。RISの検査に関する情報と、撮影部位、撮影方法などの情報は画像付随情報に記憶される。
(3)乳房圧迫乳房の圧迫はフットスイッチ(図示しない)によって圧力をかけていくものである。規定圧力(10N)になると圧迫を中止する。
(4)撮影条件設定フットスイッチによって乳房を圧迫した状態で、撮影条件を撮影条件決定表に基づいて決定する。撮影条件表には、例えば“年齢:50歳,硬さ:柔らかい,大きさ:小,厚さ:3cm”を患者Xの情報として与える。撮影条件決定表により、例えば“フィルタ:Mo,kvp:28kvp,mA:10mA”という撮影条件が得られる。
(5)X線曝射上記の撮影条件でX線を制御し、技師の判断でX線曝射が行われる。曝射時間はAEC30によって管理され、適切なmAs値で撮影が行われる。なお、技師の設定により適切な圧力を曝射の間のみ患者の乳房に対して印加する。例えば、技師があと1Nの負荷を加えると判断しその値を入力した場合には曝射時間のみ合計11Nの圧力が乳房に与えられ、曝射終了と同時に圧力は解放される。ACRの基準以上の圧力が事前に設定してあり、それ以上の過大圧力は与えられない安全機構になっている。
(6)画像と付随情報を対応させて記憶検出器42から得られた画像データは一旦メモリ14に記憶される。このデータに基づいて画像付随情報を作成し、画像データに関連づけてメモリ14に記憶する。表8に画像付随情報の一例を示す。
ここで、フィルムを用いて読影する場合について説明する。
フィルムによる読影は、CRT100を補助的に使用する場合と、フィルムのみで読影を行う場合とがある。CRT100を補助的に使用する場合は、フィルムの出力は単に濃度の補正がなされているだけのものである。これらの出力は、1セットの検査が行われたあと順次行われる。システム内部では次のような動作となる。
(1)画像読み出しメモリ14上の画像データを1枚ずつ読み出す。
(2)濃度補正画像に対して濃度補正処理機能を起動して適正露光に補正する。露光補正した画像データをメモリ14に記憶する。
(3)CAD処理CAD処理はCRT100を補助的に使用する場合は行われない。
まず、画像濃度補正後の画像データに対して異常陰影検出手段を適用する。図63に示すように微小石灰化陰影180が座標(1000,1500)の位置に検出され、腫瘤陰影182が座標(2000,3000)の位置に検出された場合を仮定する。検出結果を前述した異常検出結果表(表4)に記述しメモリ14に記憶する。
(4)画像処理画像処理はCRT100を補助的に使用する場合は行われない。
前述したCAD処理において作成した異常検出結果表により画像の座標(1000,1500)と座標(2000,2000)を中心とする“1000×1000”のROIデータを取り出す。異常の位置がROIに含まれる場合は先に取り出したデータをROIデータとする。また、これらのROIデータに対して画像処理機能により処理を加えメモリ14に再び格納しておく。微小石灰化陰影180に対してはアンシャープマスキング処理、腫瘤陰影に対してはルックアップテーブル変更といった陰影に応じた画像処理を行う。
(5)画面作成前述したCAD処理において作成した異常検出結果表により画像の座標(1000,1500)を画面の座標に変換した位置、すなわち、微小石灰化陰影の位置を指すマークを画像の外枠内にセットし、画像の座標(2000,3000)を画面の座標に変換した位置に、すなわち、腫瘤陰影の位置を指すマークを画像の外枠内にセットする。また、図64に示すように、画像の横にROIデータを1画素のサイズを2倍に拡大した画像を並べる。これらの画面データをレーザー書き込み装置118に送る。
CRT100を補助的に使用する場合は、読影医Yについて例えば既に示した表6により画像の並べ方を決定し、画像のみを並べた画面を作成し、そのデータをレーザー書き込み装置118に送る。
(6)フィルム印刷前述した画像処理により得られた画面データをレーザー書き込み装置118に送り、指示を与えてフィルムに印刷する。次に、CRTを用いて(支援)診断を行う場合の動作について説明する。
(1)検査情報入力操作パネル90に検査の終了した患者のリストが表示される。ここで、患者Xの検査を選択する。
(2)画像読み出しメモリ14上の画像データを1枚ずつ読み出す。
(3)濃度補正画像に対して濃度補正処理機能を起動して適正露光に補正する。露光補正した画像データをメモリ14に記憶する。
(4)CAD処理画像濃度補正後の画像データに対して異常陰影検出手段を適用する。図63に示すように微小石灰化陰影180が座標(1000,1500)の位置に検出され、腫瘤陰影182が座標(2000,3000)の位置に検出された場合を仮定する。検出結果を前述した異常検出結果表(表4)に記述しメモリ14に記憶する。
(5)画像処理画像処理はCRT100を補助的に使用する場合は行われない。
前述したCAD処理において作成した異常検出結果表(表4)により画像の座標(1000,1500)と座標(2000,2000)を中心とする“1000×1000”のROIデータを取り出す。異常の位置がROIに含まれる場合は先に取り出したデータをROIデータとする。また、これらのROIデータに対して画像処理機能により処理を加えメモリ14に再び格納しておく。微小石灰化陰影180に対してはアンシャープマスキング処理、腫瘤陰影に対してはルックアップテーブル変更といった陰影に応じた画像処理を行う。
(6)画面作成と表示読影医Yの指示により、操作パネルに初期画面を表示する。初期画面上で注目画像の選択を行い、表示異常陰影検出結果、異常陰影の注視を表示する。
図65は操作パネルに表示された初期画面を示す図である。
検査の画像は、検査終了まで全て読影医Yの好みの配置方法で表示される。また、表示において縮小が必要な画像は縮小されて表示される。
初期画面は画像を抽象化(ディフォルメ)したスイッチを有しており、スイッチにより注目画像を選択する。また、異常陰影検出結果を表示するために用いるスイッチ、異常陰影を注視(拡大、強調)するために用いるスイッチを有している。
注目画像は、初期画面の操作パネル上で選択された画像のみを表示する。
図66に示すように、異常陰影検出結果は、表示されている画像に重ねて表示する。異常陰影指示マークはオーバーレイメモリ上で微小石灰化陰影のマークを座標(1000,1500)の位置に、腫瘤陰影のマークを座標(2000,3000)に作成し、表示管理部112によって画像の上に重ねて表示する。
異常陰影の注視は、表示されている画像に関して、優先度に基づいて(5)の画像処理で作成したROIデータを、縮小等を行わないで表示する。
図67は操作パネルでのROIの表示とCRTの表示を示す図であり、同図(a)はCRTの表示、同図(b)は操作パネル90の表示を示す。
操作パネル90に、CRTに表示されているROIが画像の上でどの位置を表しているのかを抽象化(ディフォルメ)して表示する。
次に、集団検診における動作について説明する。
集団検診時の検査の内容は前述した通常検査の検査フローと同じである。また、フィルムのみの診断であれば、通常検査のフィルムによる読影と同じである。集団検診の場面は、検査およびフィルム出力をまとめて行い、読影も後にまとめて行う。
全ての検査結果(画像データなど)が全てハードディスクに格納されているとする。このようなケースの読影作業におけるシステムの動作フローを以下に説明する。
(1)検査情報入力パネルに検査の終了した患者のリストが表示される。ここで、患者Xの検査を選択する。
(2)画像読み出しメモリ14上の患者Xの画像データを1枚ずつ読み出す。画像に対して濃度補正処理機能を起動して適正露光に補正する。露光補正した画像データをメモリ14に記憶する。補正後の画像データに対して異常陰影検出手段を適用する。図63に示したように微小石灰化陰影180が座標(1000,1500)の位置に検出され、腫瘤陰影182が座標(2000,3000)の位置に検出された場合を仮定する。検出結果を前述した異常検出結果表(表4)に記述しメモリ14に記憶する。
(3)画像処理ROI設定シャトルによって設定するROI位置決定手段により“1000×1000”のROIを設定し、リアルタイムでROIデータを得る。
(4)画像処理ROIデータに対して画像処理機能により処理を行いメモリ14に再格納しておく。微小石灰化陰影180に対してはアンシャープマスキング処理、腫瘤陰影182に対してはルックアップテーブル変更といった陰影に応じた画像処理を行う。
(5)画面作成読影医Yの指示により、操作パネル90に初期画面を表示する。初期画面上で注目画像の選択を行い、表示異常陰影検出結果、異常陰影の注視、シャトルによる注視位置を表示する。
図65に示したように、操作パネル90に初期画面が表示される。検査の画像は、検査終了まで、全て読影医Yの好みの配置方法で表示される。また、表示において縮小が必要な画像は縮小されて表示される。
初期画面は画像を抽象化(ディフォルメ)したスイッチを有しており、スイッチにより注目画像を選択する。また、異常陰影検出結果を表示するために用いるスイッチ、異常陰影を注視(拡大、強調)するために用いるスイッチを有している。
注目画像は、初期画面の操作パネル上で選択された画像のみを表示する。
図66に示したように、異常陰影検出結果は、表示されている画像に重ねて表示する。異常陰影指示マークはオーバーレイメモリ上で微小石灰化陰影のマークを座標(1000,1500)の位置に、腫瘤陰影のマークを座標(2000,3000)に作成し、画像表示マネージャによって画像の上に重ねて表示する。異常陰影の注視は、表示されている画像に関して、前掲した表9の優先度に基づいて作成したROIデータを、縮小等を行わないで表示する。
シャトルによる注視位置の表示は、シャトルにより指示されている作成したROIデータを縮小等せずに表示する。
図67は操作パネルでのROIの表示とCRTの表示を示す図であり、同図(a)はCRTの表示、同図(b)は操作パネル90の表示を示す。
操作パネル90に、CRTに表示されているROIが画像の上でどの位置を表しているのかを抽象化(ディフォルメ)して表示する。
次に、ニードル・バイオプシー検査における動作を説明する。
マンモグラム読影の結果、異常陰影が発見された場面において、医師の判断で必要があれば、陰影が悪性なのか良性かを判定するための生検(バイオプシー)を行う。本検査は、病巣部に針(ニードル)を挿入し、異常細胞を取り出すことが目的である。
このようなケースの検査、読影作業における動作を以下に説明する。
この場合、図16(c)に示すように、操作パネル90の第3のパネルにおいて、“バイオプシー”を選択する。なお、図16(c)には、“バイオプシー(透視)”も選択できるようになっているが、この場合は、X線撮影を行わず、X線透視を行うのであり、その他の動作は本検査と同様である。
(1)X線曝射バイオプシーの条件でX線を曝射する。
バイオプシー用小視野を判断し、画像をメモリ14に書き込む。
角度を変えてX線を曝射して、同様にメモリ14に記憶する。
(2)画像読み出し2枚の画像をメモリ14から取り出す。
(3)バイオプシー検査用画面作成図68に示すように、2枚の画像を並べた画面を作成し、CRT100に表示する。
(4)陰影指示マウスにより2枚の画像について陰影を指示し、指示した位置をメモリ14に記憶する。
(5)陰影位置より穿刺距離を算出バイオプシー穿刺位置算出手段によって距離を算出する。
(6)穿刺距離の出力CRT画面、または、パネルに穿刺距離が表示される。バイオプシーの穿刺状況を確認するために、超低線量のX線で確認撮影を行う。穿刺距離計算の時と同じく曝射して画像をメモリ14に記憶する。また、穿刺距離計算の時の陰影指示位置をオーバーレイメモリ110にて示して画像に重ねて表示する。次に、メスによる切除・バイオプシー検査における動作を説明する。
前述した生検(バイオプシー検査)において、メスにより病巣部を切除すれば、最も確実に病巣部の状態を観察できる。しかし、患者への侵襲は非常に大きいという反面がある。
このような検査を行う場合は、マンモグラフィは主に確認作業のために用いる。読影作業におけるシステムの動作を以下に説明する。
操作パネル90の第3のパネルにて“バイオプシー”を選択する。
(1)切除標本のセッティング切除標本をセットする。
(2)X線曝射切除標本の撮影条件でX線を曝射する。
(3)画像記憶画像をメモリ14に記憶する。
(4)画像読み出し、濃度補正メモリ14から画像を読み出し、前述したような画像濃度の補正を行う。
(5)CRT表示図69に示すように、切除標本300の画像をCRT100に表示する。次に、フォローアップのための読影における動作を説明する。
検査を定期的に進めている場合、過去の検査データを比較に用いることが行われる。そのような読影作業におけるシステムの動作を以下に説明する。
操作パネル90の第2のパネルにて“フォローアップ読影”を選択する。
(1)検査情報入力パネルに検査の終了した患者のリストが表示される。患者Xを選択する。
(2)データ・ベースまたはPACSから過去の検査のデータを入手する。
患者Xの過去の検査を検査歴より選び出し、データ・ベースで検索してメモリ14に画像を転送する。また、未読影の画像はすでにメモリ14に記憶されているとする。
(3)画面作成CRT100を補助的に使用する場合は、読影医Yについて表5により画像の並べ方を決定し、図70に示すよう未読影画像と過去画像を並べた画面を作成し、そのデータをレーザー書き込み装置110に送る。また、通常読影の時と同じように未読影画像に対して、異常陰影検出手段による検出が行われてもよい。過去の画像に対して異常が検出されない場合でかつ未読影画像に異常が検出された場合のみ、図71に示すように、その結果を出力してもよい。
(5)CRT出力または、フィルム出力(3)画面作成により作成した画面をCRT100または、フィルム102に出力する。
次に、検出器劣化に対応する保守作業を行う場合の動作について説明する。
マンモグラムの品質を常に高いレベルで一定に保つためには、装置の保守点検をしばしば行うことが必要である。撮像の性能を左右する検出器42について簡単に高精度の保守ができる作業のシステムの動作を次の2つの場合について説明する。検出器42の保守には、システム起動時に毎回行う自動保守と、適当な間隔でユーザ(撮影技師)が行う保守とがある。
システム起動時に毎回行う自動保守では、まず、検出器42上の画像データをリセットし、暗時画像データ収集する。暗時画像データは、一定時間、X線を曝射せずにおき、得られたデータとする。再リセットの後、一定時間X線を曝射してX線曝射データを収集する。収集したX線曝射データと暗時データとの画素値の差分を求め、差分が一定値以上ある画素については、これをキズと判断する。キズが検出されると、キズが単独のものである場合は、近接する画素のデータをそのまま画素の値として補正する。キズが一定値以上になるとこれは劣化が大きいと判断し、CRT100または操作パネル90に警告マーク等を表示する。適当な間隔でユーザ(撮影技師)が行う保守では、まず、図16(d)示すように第4のパネルにて“保守”を選択する。次に、テスト条件下において、X線をテスト曝射し、得られたデータをメモリ14に記憶する。システム・ディスク12に予め基準画像を格納しておき、X線テスト曝射で得られたデータと、基準画像との差分を求める。差分が一定値以上ある画素の場合、これをキズと判断する。補正は単独のキズなどの場合に行われ、近接する画素のデータをそのまま画素の値とする。キズが一定値以上になるとこれは劣化が大きいと判断し、CRT100または操作パネル90に警告マーク等を表示する。次に、PACSを用いた場合について説明する。
患者情報あるいは検査情報といった情報を外部システムから得る場合は、例えば、RISからのRISデータはゲート・ウェイを介してPACSシステムに転送する。
汎用ワークステーションを用いてマンモグラム画像を読影する場合は、汎用ワークステーションが1つのアプリケーションとしてマンモグラム読影機能を有する。
(実施例2)次に、第2実施例を説明する。第2実施例では、基本システムにネットワーク機能を適用したシステム(モダリティシステムと称する)について説明する。
図72はモダリティシステムの装置構成を示すブロック図である。モダリティシステムは、マンモグラフィ撮影装置210と、デイジタイザ220と、イメージャ230と、データベース240と、マンモグラム読影ワークステーション250とが、ローカルエリアネットワーク(以下、LANと略称する)200を介して互いに接続された構成となっている。LAN200は各々の装置間で入出力するデータやコマンドを高速に転送する機能を有している。
モダリティシステムが第1実施例の基本システムと異なる点は、画像撮影系と画像出力系をネットワークを介して分散させた点にある。したがって、基本システムにおける出力装置10は本システムには設けられていない。なお、CRT260は、単に撮影画像を確認するためのものであり、撮影した画像の読影はマンモグラム読影ワークステーション250によって行う。また、撮影した画像のフィルム出力はイメージャ230によって行う。
図73は、マンモグラフィ撮影装置210の内部構成を示すブロック図である。マンモグラフィ撮影装置210は、X線発生装置211、X線検出装置212、入力装置213、RIS(I/F)部214、メモリ215、ROM216、光ディスク217、LANI/F部218、制御装置219によって構成され、画像確認用CRT260が接続されている。
X線発生装置211、X線検出装置212は第1実施例のものと同一である。また、マンモグラフィ撮影装置210はX線検出装置211により得られた画像データ等を保持する光ディスク213を備えている。これにより、画像データをLAN200を介さずにオフラインで転送することが可能となっている。
RISからのデータは、RISI/F部8により本システムに入力される。
なお、撮影確認用CRT211は撮影直後に画像を確認するものであり、また画像濃度の補正を行う。
図74は、デイジタイザ220の内部構成を示すブロック図である。デイジタイザ220は、フィルム送り・レーザー照射制御部221、データ読取り部222、入力装置223、メモリ224、ROM225、LANI/F部226、制御装置227によって構成されている。
フィルム送り・レーザー照射制御部221とデータ読取り部222により、過去画像等のディジタル化されていないアナログフィルムのデータをディジタル化する。ディジタル化されたデータは、データ読取り部222からメモリ224、LANI/F部226を介してLAN200に転送される。
入力装置223は、入力するフィルム識別のための識別情報を入力する機能を有している。
図75は、イメージャ230の内部構成を示すブロック図である。イメージャ230は、フィルム送り・レーザー照射・フィルム現像制御部231、データ書込み部232、入力装置233、メモリ234、ROM235、LANI/F部236、制御装置237によって構成されている。
イメージャ230は、LAN200から画像データを入力してフィルムに出力する。画像データはLAN200からLANI/F部236、メモリ234を介してデータ書込み部232に送る。データ書込み部232は画像データをフィルム送り・レーザー照射・フィルム現像制御部231に送りフィルムへの書込みを制御する。
フィルム送り・レーザー照射・フィルム現像制御部231は画像データをレーザーによるフィルムへ書込み、フィルムの現像、フィルムの排出までを行う。フィルムには、非常に高精細の描出ができる。フィルムへ書込みを行うレーザーのビーム径は任意に変更され、フィルムの大きさに合わせて画面データは書き込まれる。
図76は、データベース240の内部構成を示すブロック図である。データベース240は、光ディスク242、ハードディスク243、メモリ241、ROM244、LANI/F部245、制御装置246によって構成されている。
データベース240は、過去画像や他の検査の画像をハードディスク243あるいは光ディスクチェンジャの光ディスク242に記憶する。記憶された画像は、ROM244により患者名(患者ID)などをキーとしてハードディスク243あるいは光ディスクチェンジャの光ディスク242から検索できる。検索された画像は、メモリ241、LANI/F部245を介してLAN200に転送され、LAN200は、さらにこれを外部の装置に転送する。
図77は、マンモグラム読影ワークステーション250の内部構成を示すブロック図である。マンモグラム読影ワークステーション250は、LANI/F部251、システムディスク252、入力装置253、メモリ254、CRT255、制御装置256によって構成されている。
マンモグラム読影ワークステーション250は、第1実施例で述べた操作パネル90と同等の機能を有しており、タッチスクリーンにより操作者からの指示を入力する機能と、読影のためのマンモグラム画像を出力する機能を有する。
また、システムディスク252は第1実施例で述べたシステムディスク12と同一のものであり、種々の制御プログラムを備え、制御プログラムによる画像処理等の種々の機能を実行する。
以上説明したように第2実施例によれば、基本システムにネットワークの機能が付加されているので、画像撮影系や画像出力系を別体として構成でき、システム内の負荷を分散することができる。また、新たに別の機器を付加したり、ある機器をより性能の高い機器に置き換えることも容易である。
(実施例3)次に、第3実施例を説明する。
第3実施例では、基本システムにPACSを適用したシステム(PACSシステムと称する)について説明する。
図78はPACSシステムの装置構成を示すブロック図である。PACSシステムは、マンモグラフィ撮影装置280、ゲートウェイ281、ゲートウェイ282、ディジタイザ283、イメージャ284、データベース285、ワークステーション286によって構成されている。
マンモグラフィ撮影装置280、ディジタイザ283、イメージャ284、データベース285は、前述したモダリティシステムと同等な装置である。一方、ワークステーション286は、前述したモダリティシステムの読影用ワークステーション250とは異なり、マンモグラム画像を扱うための専用の装置ではない。
CRT287は画像確認のための装置であり、マンモグラム画像の読影は、ワークステーション286によって行う。
PACSシステムが前述したモダリティシステムとは異なり、ゲートウェイ281を介して、他のモダリティ288と接続可能となっている。また、検査依頼情報といったRIS289からの情報は、一旦、ゲートウェイ282を介してからPACSシステムに入力する。
(実施例4)次に、第4実施例を説明する。第4実施例ではその他のシステムバリエーションについて説明する。
図79は、異常検出(診断支援)システムの概略構成を示すブロック図である。異常検出システムはアナログのフィルムをディジタイザ260によってディジタル化し、ワークステーション262により異常陰影の検出を行う。
検出された異常陰影はCRT268あるいはイメージャ264に出力される。以上のように構成すれば、システムが簡潔なものとなる。
検出した異常位置を示さず、単に警告音を発する最も簡単なシステムも考えられる。
図80は、撮影システムの概略構成を示すブロック図である。撮影システムは、マンモグラフィ撮影装置270、イメージャ272、CRT274によって構成されている。撮影システムは、撮影した画像の濃度補正を行って出力する機能のみを有し、従来のスクリーン・フィルムシステムと取扱いは同じである。
本発明は、上述した実施例に限定されず種々変形して実施可能である。例えば、画像の並べ方としては、“CC”または、“ML”方向で撮影した画像のどちらか一方の画像に異常が検出された場合は、例えば“CC”画像にて検出された場合は、同じ部位の“ML”画像を横に並べて表示したり、例えば、“ML”画像にて検出された場合は、同じ部位の“CC”画像を横に並べて表示してもよい。
また、CADによる異常陰影の検出結果の表示においては、“CC”画像、“ML”画像を表示する場合においても、異常が検出された場合その旨を出力するようにしても良い。また、原画像(マンモグラム画像)の隣に異常陰影を指摘する旨の画像を作成し、原画像に重畳して表示するようにしてもよい。その場合、重畳する画像の大きさは原画像と同じとするか、それ以下の大きさとする。また、原画像や処理画像の隣に異常陰影を指摘する旨の文字情報を出力するようにしてもよい。
1…基本システム、2…X線発生装置、3…圧迫板、4…X線検出装置、5…Cアーム、6…入力装置、8…RISI/F部、10…出力装置、12…システム・ディスク、14…メモリ、16…中央処理装置、18…バーコードリーダ、20…X線管、22…高圧発生部、24…X線コントローラ、26…フィルタ切り替え部、28…圧迫圧力制御部、30…AEC、32…フォトセンサ、34…制御パネル、36…厚さデータ、38…光学式検出器、39…光線、40…反射板、42…平面検出器、44…データ収集ポイント、48…圧迫部、49…圧迫板支持部、50…圧力センサ、52…制御部、54…可動部、56…設定値、60…読み出し時間設定装置、62…タイミング発生装置、64…駆動装置、68…読み出し装置、70…A/D変換部、72…読み出し範囲設定装置、73…アレイ、76…ゲート線、78…データ線、80…FET、82…センサ、90…操作パネル、92…シェーマ、94…画像選択用パネル、95…メカニカル・スイッチ、96…詳細表示ROIの選択パネル、98…ID入力装置、100…CRT、102…フィルム、104…画像縮小・拡大処理部、106…画面作成部、108…フレームメモリ、110…オーバーレイメモリ、112…表示管理部、114…D/A変換部、116…バーコード生成部、118…レーザー書き込み装置、120…バーコード、122…ROI、124…画像データ、126…変換前の直線、128…変更後の直線、129…画像メモリバンク、130…濃度同一化ユニット、132…合成画像、133…ROI、134…平均値算出部、135…除算部、136…画像演算部、137…輪郭部、138…乳房輪郭、139…第1の閉曲線、140…第2の閉曲線、145…画面、146…マンモグラム画像、147…マーカー、148…異常(陰影)、149…検出された異常の数、150…他のマーカー、152…識別子、154…Cアーム支持部、S1…Cアームの角度認識処理、S2…撮影方向の判断処理、S3…判断条件の入力処理、S4…付随情報書き込み処理、S5…手入力/訂正処理、156…回転軸、158…第1の歯車、160…第2の歯車、164…第1の電極、166…第2の電極、168…加圧パッド、170…窓、172…疾患部、174…針、176…バイオプシー照射野、178…プロファイル取得ライン、180…微小石灰化陰影、300…切除標本。