JP3946811B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3ピースに代表されるマルチピースソリッドゴルフボールで、外層コアを熱可塑性材料で構成することにより優れた量産性を有し、しかも飛び性能、打撃フィーリング、耐久性が良好なマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ソリッドコア部分を2層又は3層以上に層分けし、硬度、比重、各層の径(厚み)を変量して形成したマルチピースソリッドゴルフボールが提案されている。
【0003】
マルチピースソリッドゴルフボールとして代表的な3ピースゴルフボールには、コアを形成する内層及び外層を、架橋したポリブタジエンゴムで形成したボールがあるが、かかるボールの場合、内層コア作成後、これに外層コア組成物を被覆し、架橋する必要がある。このため、コア作成の工数が2ピースゴルフボールよりも増えることとなり、生産性が悪いという問題があった。
【0004】
3ピースゴルフボールにおける生産性の問題を解決すべく、外層コアを熱可塑性エラストマーで構成したゴルフボールが提案されている。熱可塑性エラストマーは、架橋工程を経る必要がないため、内層コア作成後、射出成形のみで外層コアを形成することができる。
【0005】
外層コアを熱可塑性エラストマーで構成した3ピースゴルフボールとしては、例えば、特開平4―244174号公報に、外層を構成する組成物の少なくとも10%がアミドのブロック共重合体を含む熱可塑性材料で製作されるゴルフボールが開示されている。ここで用いられているアミドのブロック共重合体は、ソフトセグメントがポリエーテルで、ハードセグメントがナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のナイロン系であるポリエーテルナイロン系エラストマーである。
【0006】
また、特開平6―142228号公報には、外層コアが、ポリエーテルエステル型熱可塑性エラストマー100〜50%とエチレンー(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー0〜50重量%とからなる混合物を主体とする材料で形成された3ピースゴルフボールが開示されている。ここで、ポリエーテルエステル系熱可塑性エラストマーとは、ソフトセグメントがポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルで、ハードセグメントがポリブチレンテレフタレート等のポリエステル部分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ポリエステル系エラストマーは吸湿性が高く、吸湿したペレットを射出成形すると加水分解して物性、寸法安定性が低下する。所期の物性を確保するためには、成形に用いる前にペレットを乾燥処理する必要があり、面倒である。
【0008】
また、ナイロン系、ポリエステル系いずれのエラストマーも、低温でゴム弾性が低下するため、冬場の打撃フィーリングすなわち打球感がハードになり、さらに低温での耐衝撃性の低下から耐久性が劣る傾向にある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産性のよいマルチピースソリッドゴルフボールであって、しかも成形加工前に乾燥処理等を行なわなくても所期の物性を確保することができ、冬場においても打球感、飛び性能を保持できるゴルフボールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、内層コアに1層又は2層以上の外層コアが被覆されてなる複数層構成のソリッドコアをカバーで被覆したマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記外層コアの最外層が、アラミド系エラストマーを含有する材料で構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記アラミド系エラストマーを含有する材料は、ポリマー成分の10〜100重量%がアラミド系エラストマーで、その他のポリマー成分がアイオノマーであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のマルチソリッドゴルフボールの実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である、内層コア1に1層の外層コア2が被覆されてなるソリッドコアをカバー3で被覆した3ピースゴルフボールを示している。
【0013】
内層コア1は、基材ゴム、不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化物、比重調整剤としての充填剤等を配合したゴム組成物を加熱、加圧、成形することにより形成される。基材ゴムとしては、従来からソリッドゴルフボールに用いられている天然ゴム及び/又は合成ゴムが用いられ、特にシスー1、4―構造を少なくとも90%以上、好ましくは95%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、EPDM等を配合してもよい。
【0014】
不飽和カルボン酸の金属塩は、共架橋剤として添加され、具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸等のような炭素数3〜8のα、β−不飽和カルボン酸の亜鉛、マグネシウム塩等の一価又は二価の金属塩が用いられ、これらのうち高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛が好ましく用いられる。不飽和カルボン酸金属塩の配合量は、基材ゴム100重量部に対して20〜60重量部が好ましく、特に20〜50重量部が好ましい。60重量部より多いと硬くなりすぎて、打撃フィーリングが悪くなり、20重量部より少ないと反発が悪くなり飛距離が低下するからである。また、不飽和カルボン酸金属塩の配合量は、内層コアの径、カバー材料等の種類によって所望の弾性率を付与するため調整されてもよい。
【0015】
有機過酸化物は、架橋剤又は硬化剤として添加され、具体的には、ジクミルパーオキサイド、1、1―ビス(t―ブチルパーオキシ)―3、5―トリメチルシクロヘキサン、2、5―ジメチルー2、5―ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジーt―ブチルパーオキサイド等が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100重量部に対して0.1〜3.0重量部が好ましく、特に0.3〜2.5重量部が好ましい。0.1重量部未満では軟らかくなりすぎて反発が悪くなり、飛距離が低下する。3.0重量部を超えると硬くなりすぎ、打撃フィーリングが悪くなるからである。
【0016】
比重調整剤のうち、比重低下のための充填剤(低比重用充填剤)は、ゴルフボ―ルのコアに通常配合されるものであればよく、例えば、無機塩、具体的には酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、これらのうち、特に酸化亜鉛が好ましい。比重増大のための充填剤(高比重充填剤)は、比重8〜20の金属粉、金属酸化物、金属窒化物等またはそれらの混合物が用いられ、具体的にはタングステン(比重19.3)、タングステンカーバイト(比重15.8)、モリブデン(比重10.2)、鉛(比重11.3)、酸化鉛(比重19.3)、ニッケル(比重8.9)及び銅(比重8.9)またはこれらの混合物が挙げられる。低比重充填剤と高比重金属粉末とを混合して用いてもよい。配合量は、それぞれ基材ゴム100重量部に対して5〜110重量部であることが好ましい。5重量部未満では重量調整が難しく、110重量部を超えるとゴムの重量比率が小さくなり反発が低くなりすぎるからである。
【0017】
このような構成を有する内層コアの径は、25〜37mmであることが好ましい。
外層コア2は、アラミド系エラストマーを含有する熱可塑性材料で構成される。
【0018】
ここで、アラミド系エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとからなるコポリマーエラストマーであり、ハードセグメントが全芳香族ポリアミドで形成されている。全芳香族ポリアミドとしては、ポリ(o―フェニレンフタルアミド)、ポリ(m―フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p―フェニレンテレフタルアミド)等が挙げられるが、これらのうち、最も剛直で且つ耐熱性に優れるポリ(p―フェニレンテレフタルアミド)が好ましい。また、ソフトセグメントは、一般にポリエーテル、ポリエステルで構成されるが、射出成形時等に加熱された場合に加水分解されにくいポリエーテルで構成されることが好ましい。ポリエーテルを構成するポリエーテルジオール成分としては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール等が挙げられる。
【0019】
このようなアラミド系エラストマーのうち、分子鎖中にソフトセグメントとしてポリテトラメチレンオキシド、ハードセグメントとしてポリ(p―フェニレンテレフタルアミド)を用いた、下記構造単位で示される熱可塑性エラストマーが好ましく用いられる。式中、nは10〜60であることが好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】
このようなアラミド系エラストマーにおいて、ショアーA硬度が65〜95、引張破断強さが25〜40であることが好ましい。
上記構成を有するアラミド系エラストマーは、ハードセグメントを構成する全芳香族ポリアミドがポリエステルやナイロンよりも剛直で、耐熱性、低温特性に優れることから、ゴム弾性領域が広く、打球感、反発性、耐久性に優れている。特に、冬場においても、ゴム弾性を発揮できることから、冬場でも夏場と同様の飛び性能、打球感を確保することができる。また、アラミド系エラストマーは低温衝撃性がポリエステル系エラストマーに比べ優れているので、低温での耐久性に優れる。尚、アラミド系エラストマーは、1種類又は2種類以上のアラミド系エラストマーを混合して用いてもよい。
【0022】
外層コア2は、上記アラミド系エラストマー単独で構成してもよいし、アラミド系エラストマーと他の熱可塑性樹脂と混合して用いてもよいが、アラミド系エラストマーの混合割合が少なすぎると、目的とする耐久性の向上、冬場における打球感、飛び性能を充分には確保できないので、アラミド系エラストマーの混合割合は、10重量%以上が好ましく、より好ましくは20重量%以上、特に40重量%以上が好ましい。
【0023】
他の熱可塑性樹脂としては、耐久性、反発性に優れるアイオノマーが好ましく用いられる。アイオノマーとしては、αオレフィンとα、β―不飽和カルボン酸の共重合体の金属イオン中和物が好ましく用いられる。具体的には、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーで、デュポン社の「サーリン」、エクソンケミカル社製の「アイオテック」、三井デュポンケミカル社の「ハイミラン」などが挙げられる。
【0024】
アイオノマーを含む場合、アイオノマーの混合割合が大きくなると、ゴム弾性が低下して剛性が高くなることから反発性が向上し、また耐久性も向上するので、5重量%以上混合することが好ましく、より好ましくは20重量%以上混合することである。一方、混合割合が多すぎても反発性の向上がほとんど認められない反面、耐衝撃性の低下による耐久性が悪化し、また剛性が高くなりすぎて打球感が悪化する。よって、アイオノマーの混合割合は、ポリマー成分の90重量%以下が好ましく、より好ましくは80重量%以下、特に60重量%以下が好ましい。
【0025】
外層コアの構成材料としては、アラミド系エラストマー、アイオノマー等の他のポリマー成分のほか、必要に応じて、重量調整剤、酸化防止剤などの充填剤を適宜含有してもよい。重量調整剤としては、内層コアで用いた低比重用充填剤、高比重用充填剤を用いることができる。
【0026】
以上の様な材料で構成される外層コアは、全体としてショアーD硬度60以下、JIS―A硬度70以上であることが好ましい。ショアーD硬度60を上回ると、剛直すぎて耐久性がよくても反発弾性が低くなり、ボール全体の反発係数の低下を招き、また打撃フィーリングも硬いものとなるからである。一方、JIS−A硬度が70未満では軟らかすぎて衝撃を受けた際の変形量が大きくなり、耐久性が劣るからである。
【0027】
このような材料で構成される外層コア2は、内層コア1の作成後、外層コア組成物を内層コア1に被覆した後プレス成形してもよいし、射出成形によって被覆及び成形を1段階で行なってもよい。外層コアは上記のように熱可塑性材料で構成されることから、射出成形又は押し出し成形で作成することができ、架橋ゴムよりも生産性の向上を達成できる。
【0028】
尚、図1は外層コアが1層からなる3ピースゴルフの場合であるが、外層コアが2層以上の場合には、最外層が上記アラミド系エラストマーを含む材料で構成されればよい。そして、ソリッドコア全体として、径35〜39mmとなるように構成すればよい。
【0029】
以上のようにして得られる多層構成のソリッドコアは、カバー3で被覆される。
カバー3は、厚み1〜3mmで、アイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマーを主材とし、必要により白色充填剤、比重調整剤、光沢付与剤等の無機充填材を含有した材料で構成される。カバー3の構成材料としては、反発性の観点から、アイオノマーを主成分とする材料が好ましい。カバー3に用いられるアイオノマー樹脂は、外層コアの構成材料に含まれ得るアイオノマーが好ましく用いられる。
【0030】
カバー3は、内層コア1及び外層コア2からなるソリッドコアを作成した後、ソリッドコアを被覆することにより形成するが、被覆方法としては、通常の射出成形による方法、予めカバーのハーフカップを成形し、これにコアを詰め込んで熱プレス成形する方法などが用いられる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
実施例1:
ポリブタジエンゴムに共架橋剤及び充填剤を配合してなるゴム組成物を架橋して、径28mmの内層コアを形成した。硬度はJIS―Cで58°であった。
【0032】
次に、ポリ(p―フェニレンテレフタルアミド)をハードセグメントとするアラミド系エラストマー(東ソー株式会社製のT8821J(商品名)で、ショアA硬度88、引張破断強度31)に、白色充填剤、比重調整剤、光沢付与剤を添加し、2軸押し出し機(スクリュー径43mm、L/D=35)を用いて、各ゾーン温度を200〜230℃で押し出し混合を行なうことにより調製したエラストマー組成物を、内層コアを被覆するように射出成形して、外層コアを形成した。外層コアの厚みは5.5mmであり、外層コア全体としての硬度は、JIS−Aで90°であった。
【0033】
さらに、亜鉛イオン中和エチレンーメタクリル酸共重合体アイオノマーとナトリウムイオン中和エチレンーメタクリル酸共重合体アイオノマーとの混合物を、外層コアを被覆するように射出成形して、厚み1.8mmのカバーを形成して、3ピースゴルフボールを作成した。
【0034】
実施例2〜5:
内層コアの径、外層コアの厚み、外層コアの構成エラストマー組成、外層コアの硬度を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、3ピースゴルフボールを作成した。
【0035】
なお、外層コア組成物に用いたアイオノマーは、デュポン社製のサーリン8511(亜鉛イオン中和エチレンーメタクリル酸共重合系アイオノマー樹脂)である。
【0036】
比較例1〜3:
外層コア組成を、表1に示すように、アイオノマー単独、ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン社製の「ハイトレル4047」)、ナイロン系エラストマー(ATOCHEM社製の「ペバックス4033」)に変更した以外は実施例2と同様にして、3ピースゴルフボールを作成した。
【0037】
参考例1:
外層コアを、ポリブタジエンゴムに共架橋剤及び充填材を配合してなるゴム組成物を加硫した架橋ゴム(JIS−C硬度75°)で形成した以外は、実施例1と同様にして、3ピースゴルフボールを作成した。
【0038】
参考例2:
JIS−C硬度が75°のポリブタジエン架橋ゴムで、径39mmのコアを作成し、このコアに実施例1で用いたアイオノマーで厚み1.8mmのカバーを形成して、2ピースゴルフボールを作成した。
【0039】
[評価]
実施例、比較例、及び参考例について、以下の方法で、耐久性、反発性、打球感について評価した。結果を表1に示す。
【0040】
▲1▼耐久性
エアーガンでボールを45m/secの速度で金属板に衝突させ、割れるまでの回数を測定し、参考例2のゴルフボールを100としたときの指数で示した。指数の値が大きい程、ボールの耐久性が優れている。
【0041】
▲2▼反発性
R&A(英国ゴルフ協会)で初速測定に使用するエアーガンと同機種のエアーガンでボールに198.4gの円筒状物を45m/secの速度で衝突させたときのボール速度を測定し、その結果から反発係数を算出して、参考例2のゴルフボールを100としたときの指数で示す。この値が大きい程、ボールの反発弾性が大きく、飛距離が大きくなることを示す。
【0042】
▲3▼打球感
トップアマチュア10人によるW#1クラブでの打球時の感触を平均したもので、この打球感を5段階評価で表した。点数が大きい程、打球感がソフトであり、衝撃が小さくて良好である。打球感は、常温(23℃)及び0℃で24時間放置した後のボールについて行なった。
【0043】
【表1】
【0044】
表1中の硬度の欄のカッコ内のA,D,Cは、それぞれスプリング型試験機の種類によりJIS―A、JIS−C、ショアDを示している。
表1からわかるように、耐久性については、外層コアがポリエステル系エラストマー又は架橋ゴムの3ピースボールが劣っていた(比較例2及び参考例2)のに対し、ポリアミド系エラストマーは2ピースゴルフボールと同等以上であった(実施例及び比較例3)。さらに、外層コアをアイオノマー含有材料で構成する程、耐久性は向上するが、アイオノマーの混合率が60重量%以上では耐久性は変化しなかった(実施例2〜5及び比較例1)。また、実施例2と比較例2、3から、アラミド系エラストマーで外層コアを構成したボールが他の熱可塑性エラストマーで外層コアを構成したボールよりも耐久性に優れることがわかる。
【0045】
反発性は、比較例2、3と実施例2との比較から、ナイロン系エラストマー又はポリエステル系エラストマーよりも、アラミド系エラストマーの方が優れていることがわかる。また、アイオノマーの混合割合が多くなるほど、剛直性が増大し、反発性が向上する傾向にある(実施例2〜5)が、アイオノマーの混合割合を60重量%以上としても反発性の向上はほとんど認められない(実施例4、5)。
【0046】
打球感は、プラスチック性が高いアイオノマーは硬いのに対し、エラストマーはいずれもゴム弾性を有することからソフトであった。しかし、0℃での打球感は、ゴム弾性領域が広いアラミド系エラストマーは常温と同程度の打球感を示したのに対し、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーいずれも常温のときよりも硬くなった(比較例2、3)。また、架橋ゴムの場合も、0℃ではゴム弾性が低下して、硬くなった(参考例)。
【0047】
さらに、実施例1と実施例2との比較から、外層コアをアラミドエラストマー単独で構成する場合、軟らかい外層コアの厚みは薄い方が、耐久性、反発性が良好であることがわかる。
【0048】
【発明の効果】
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、外層コアのエラストマー成分として、他のエラストマーよりもハードセグメントが剛直で、ゴム弾性領域が広いアラミド系エラストマーを用いているので、他のエラストマーよりも耐久性、反発性に優れ、また冬場でも常温と同程度の打球感を確保できる。
【0049】
また、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、外層コアが熱可塑性エラストマーで構成され、しかもペレットにおいても吸湿性が少ないので、乾燥処理等しなくても使用することができ、しかも架橋工程を経ずに1段階で外層コアを作成できるので生産性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である3ピースゴルフの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 内層コア
2 外層コア
3 カバー
Claims (3)
- 内層コアに1層又は2層以上の外層コアが被覆されてなる複数層構成のソリッドコアをカバーで被覆したマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、
上記外層コアの最外層が、アラミド系エラストマーを含有する材料で構成されていることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。 - アラミド系エラストマーを含有する材料は、ポリマー成分の10〜100重量%がアラミド系エラストマーで、ポリマー成分の90〜0重量%がアイオノマーである請求項1に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 前記アラミド系エラストマーがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)単位を骨格に有し、且つ、ショアーA硬度が65〜95である請求項1又は請求項2に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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