JP3946351B2 - 可とうエントランスジョイント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シールドトンネルのセグメントと立坑壁の接続に用いる可とうエントランスジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド工法によるトンネルには、立坑との接続部や、地層の変わり目等において、例えば、不等沈下や地震等により、複雑な応力が加わることがある。
このような応力を低減するため、従来では、例えば、応力を吸収する可とうセグメントを適宜位置に用いて、トンネルの安全性を確保していた。
しかしながら、可とうセグメントは、コストが高く、施工にも多くの時間を要していた。
そこで、このような問題を解決する工法として、例えば、SPSS工法(Super Packing Safety System)が開発されている。
SPSS工法は、シールドマシンの発進部にパッキンを設置し、このパッキン内に水圧等をかけてセグメント外周をシールすることで、従来のエントランスパッキンと同様に止水を行う工法である。このSPSS工法では、パッキンが、可とうセグメントと同様、可とう性を有し、前記応力を吸収するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記SPSS工法では、例えば、地震等により立坑とトンネルの間に相対変位が発生すると、パッキンの内圧が水(或いは他の液体)で維持されているため、パッキンはその相対変位に追従する。ところが、パッキンが変位に追従すると、パッキンのセグメントに対する接触面積或いは圧力が変化するため、止水性能が低下する可能性があった。
また、SPSS工法では、ゴムの応力緩和があるため、パッキン内の圧力管理が必要であった。
【0004】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、止水性能を低下させることなく立坑とトンネルとの間に発生する相対変位を吸収することが可能であるとともに、コストの削減及び工期の短縮が可能な可とうエントランスジョイントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、シールドトンネルのセグメントと立坑壁の接続に用いる可とうエントランスジョイントであって、
少なくとも前記セグメントの外周径以上の内周径を有する略円筒状の可とう部材と、
シールドマシンの掘削により前記立坑壁に形成された開口部と前記セグメントの間の止水を行う止水手段と、
からなり、
前記可とう部材は、一端を前記立坑壁に、他端を前記セグメントの周縁部に、それぞれ接合されている構成とした。
【0006】
この請求項1記載の発明によれば、セグメントの周縁部が略円筒状の可とう部材を介して立坑壁に接続されるため、例えば、地震等により、シールドトンネルと立坑の間に相対変位が生じたとしても、可とう部材がその相対変位に追従して変形し、相対変位を吸収する。また、当該可とうエントランスジョイントには、可とう部材とは別に止水手段が設けられているため、可とう部材が前記相対変位に追従した状態においても、止水性能を低下させることなく止水手段を維持することができる。
また、従来の可とうセグメントやSPSS工法の場合と比較して、構成が簡素化されるため、コストの削減が可能となる。
【0007】
ここで、可とう部材は、例えば、ゴム等の弾性体により形成することが可能である。
【0010】
そして、請求項1記載の発明は、さらに、前記可とう部材には、該可とう部材の膨張を防ぐ略円筒状の押さえリングが外嵌されている構成とした。
【0011】
従って、請求項1記載の発明によれば、可とう部材が、外嵌されている略円筒状の押さえリングによって、その膨張を防止するため、可とう部材の応力に対する強度を向上させることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の可とうエントランスジョイントにおいて、前記セグメント外周側の所定位置には、前記立坑への土砂及び水の侵入を防ぐ土砂シールが設けられ、該土砂シールと前記止水手段を構成するエントランスパッキンとにより挟まれる前記セグメント外周側の空間には、所定の充填材料が充填されている構成とした。
【0015】
この請求項2記載の発明によれば、土砂シールとエントランスパッキンとにより挟まれるセグメント外周側の空間には、所定の充填材料が充填されているため、地山、地下水及び裏込材等が、立坑内或いはセグメント内周側へ侵入するのを防止することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の可とうエントランスジョイントにおいて、前記充填材料が、発泡ウレタンからなる構成とした。
【0017】
この請求項3記載の発明によれば、充填材料が発泡ウレタンからなるため、その独立気泡によってセグメントに加わる応力が吸収される。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の可とうエントランスジョイントにおいて、前記充填材料が、高吸水性樹脂材からなる構成とした。
【0019】
この請求項4記載の発明によれば、充填材料が高吸水性樹脂材からなるため、充填材料がそのベアリング効果によって変位に追従し、セグメントに加わる応力を吸収することが可能となる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の可とうエントランスジョイントにおいて、前記可とう部材と前記止水手段が一体に構成されている。
【0023】
この請求項5記載の発明によれば、可とう部材と止水手段が一体に構成されているため、当該エントランスジョイントの立坑壁への取り付けが容易となり、工期の短縮が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図19の図面を参照しながら説明する。
【0025】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。図2は、土砂シールを示す縦断面図である。
【0026】
この実施の形態の可とうエントランスジョイント10は、シールドトンネルのセグメント40と立坑壁30A(発進立坑、到達立坑、中間立坑、方向変換立坑など)の接続に用いられ、図1に示すように、可とう部材として例示する可とうゴム装置1と、止水手段として例示するエントランスパッキン2と、により構成されている。
この実施の形態において、可とうゴム装置1とエントランスパッキン2は、一体に構成されている。
【0027】
可とうゴム装置1は、例えば、ゴム等の弾性体により、略円筒状に形成されている。そして、セグメント40の外周径以上の内周径を有している。
また、可とうゴム装置1は、図1に示すように、その側壁の縦断面が波形(蛇腹状)に形成され、トンネルの断面方向だけでなく長さ方向に対しても、可とう性を有する構造となっている。
この可とうゴム装置1は、一端が、立坑壁30Aの取付部31にエントランスパッキン2とともに取り付けられ、他端が、リング状の接合部材3を介してセグメント40の周縁部40aに連結されている。
【0028】
そして、可とうゴム装置1には、可とうゴム装置1の膨張を防止する略円筒状の押さえリング6が外嵌されている。
この押さえリング6は、図1に示すように、可とうゴム装置1の突出部1a,1a毎に複数設ける。
【0029】
エントランスパッキン2は、その外周側が、立坑壁30Aの取付部31に取り付けられている。
このエントランスパッキン2は、その内周側の延出部2aがシールドマシン50(図4)のスキンプレート50a(図4)或いはセグメント40の外周面に当接して、立坑30内への水等の侵入を防ぐようになっている。
【0030】
また、セグメント40の外周側の所定位置には、立坑30への土砂及び水の侵入を防ぐ土砂シール20が設けられ、該土砂シール20とエントランスパッキン2とにより挟まれる空間8Aには、土砂シール20とともに地山、地下水及び裏込材等の侵入を防止するため、充填材料8が充填されている。
充填材料8には、例えば、発泡ウレタンや、高吸収性樹脂材などが用いられている。発泡ウレタンの場合には、止水性能を向上させるだけでなく、その独立気泡によってセグメント40に加わる応力を吸収し、一方、高吸収性樹脂材の場合には、そのベアリング効果によって変位に追従することが可能となる。
土砂シール20は、図2に示すように、ワイヤーブラシ21、押し上げプレート22、押し上げボルト23等により構成され、セグメント41の内周側から押し上げボルト23をねじ込むことにより、押し上げプレート22が回動し、該回動によりワイヤーブラシ21の一端がセグメント41の外周側に押し出されて、地山及び裏込材の流入を防止するようになっている。
この土砂シール20は、充填材料8を注入する際には、エントランスパッキン2とともに充填材料8の止め枠として機能する。
【0031】
次に、この実施の形態の可とうエントランスジョイント10を用いた、シールドマシン50の発進部におけるシールドトンネルの施工手順について、図3〜図5を参照しながら説明する。
【0032】
図3〜図5は、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、図3は可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態、図4はシールドマシンを発進口に投入した状態、図5は充填材料を注入した状態を示している。
【0033】
先ず、組立が完了した可とうエントランスジョイント10を立坑壁30Aの取付部31に取り付ける。
可とうゴム装置1は、ここでは、仮組セグメント51(図4)の組立及び解体に支障をきたさない位置に仮止めしておく。
また、取付部31と近接する位置に、充填材料8を空間8Aに注入するための充填材注入孔7,7を設置しておく。
【0034】
そして、立坑30内に発進架台52を設置し、この発進架台52上にシールドマシン50を組み立てる。シールドマシン50の組立、反力受け等の仮設備の設置、仮組セグメント51の組立が完了したら、図4に示すように、シールドマシン50を発進口(開口部30B)に投入する。
そして、図5に示すように、シールドマシン50の掘進とともに、仮組セグメント51に続いて、順次、本組セグメント40を組み立てていく。また、所定位置(例えば、立坑30側から2番目のセグメントリング)で、通常のセグメント40の代わりに、土砂シール付きセグメント41を組み立てる。
土砂シール付きセグメント41の組み立てが完了したら、充填材注入孔7,7より充填材料8を注入し、シールドマシン50のテールが通過したところで、セグメント40の内周側より押し上げボルト23をねじ込んで、土砂シール付きセグメント41に収容したワイヤーブラシ21をセグメント40の外周側に押し出す。
【0035】
その後、仮組セグメント51及び発進架台52等の仮設備を解体撤去し、図1に示すように、仮止め状態の可とうゴム装置1と、本組セグメント40とを、リング状の接合部材3を介して連結する。
【0036】
この実施の形態の可とうエントランスジョイント10によれば、セグメント40の周縁部40aが略円筒状の可とうゴム装置1を介して立坑壁30Aに接続されるため、例えば、地震等により、シールドトンネルと立坑30の間に相対変位が生じたとしても、可とうゴム装置1がその相対変位に追従して変形し、相対変位を吸収する。従って、セグメント40に加わる応力が低減されることとなる。また、従来の可とうセグメントやSPSS工法の場合と比較して、構成が簡素化されるため、コストの削減が可能となる。
【0037】
また、可とうゴム装置1の側壁の縦断面が波形に形成されているため、可とうエントランスジョイント10は、トンネルの長さ方向に生じる相対変位に対しても、変位に追従してセグメント40に加わる応力を低減することができる。
また、可とうゴム装置1とエントランスパッキン2が一体に構成されているため、当該可とうエントランスジョイント10の立坑壁30Aへの取り付けが容易となり、工期の短縮が可能となる。
【0038】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
この第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
この実施の形態では、可とうエントランスジョイント10が、立坑壁30Aの凹室部底面の取付部32に取り付けられている。
このため、充填材料8の注入、土砂シール20の設置が不要となっている。
【0040】
この実施の形態の可とうエントランスジョイント10を用いた、シールドマシン50の発進部におけるシールドトンネルの施工手順について、図7〜図9を参照しながら説明する。
【0041】
図7〜図9は、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、図7は可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態、図8はシールドマシンを発進口に投入した状態、図9は本組セグメントを組み立てた状態を示している。
【0042】
先ず、組立が完了した可とうエントランスジョイント10を立坑壁30Aの取付部32に取り付ける。
可とうゴム装置1は、ここでは、仮組セグメント51(図8)の組立及び解体に支障をきたさない位置に仮止めしておく。
【0043】
そして、立坑30内に発進架台52を設置し、この発進架台52上にシールドマシン50を組み立てる。シールドマシン50の組立、反力受け等の仮設備の設置、仮組セグメント51の組立が完了したら、図8に示すように、シールドマシン50を発進口(開口部50B)に投入する。
そして、図9に示すように、シールドマシン50の掘進とともに、仮組セグメント51に続いて、順次、本組セグメント40を組み立てていく。
【0044】
その後、仮組セグメント51及び発進架台52等の仮設備を解体撤去し、図6に示すように、仮止め状態の可とうゴム装置1と、本組セグメント40とを、リング状の接合部材3を介して連結する。
【0045】
このように、可とうエントランスジョイント10を、立坑壁30Aの凹室部底面の取付部32に取り付けることにより、充填材注入孔7,7、土砂シール20を省略することが可能である。
【0046】
[第3の実施の形態]
図10は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
この第3の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
この実施の形態の可とうエントランスジョイント10Aは、図10に示すように、可とう部材としての可とうゴム装置1と、止水手段としてのエントランスパッキン2が一体ではなく、分離された構成となっている。
【0048】
この実施の形態の可とうエントランスジョイント10Aを用いた、シールドマシン50の発進部におけるシールドトンネルの施工手順について、図11〜図13を参照しながら説明する。
【0049】
図11〜図13は、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、図11は可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態、図12はシールドマシンを発進口に投入した状態、図13は本組セグメントを組み立てた状態を示している。
【0050】
先ず、エントランスパッキン2を、図11に示すように、立坑壁30Aの取付部31に取り付ける。
また、取付部31と近接する位置に、充填材料8を空間8Aに注入するための充填材注入孔7,7を設置しておく。
【0051】
そして、立坑30内に発進架台52を設置し、この発進架台52上にシールドマシン50を組み立てる。シールドマシン50の組立、反力受け等の仮設備の設置、仮組セグメント51の組立が完了したら、図12に示すように、シールドマシン50を発進口(開口部50B)に投入する。
そして、図13に示すように、シールドマシン50の掘進とともに、仮組セグメント51に続いて、順次、本組セグメント40を組み立てていく。また、所定位置(例えば、立坑30側から2番目のセグメントリング)で、通常のセグメント40の代わりに、土砂シール付きセグメント41を組み立てる。
土砂シール付きセグメント41の組み立てが完了したら、充填材注入孔7,7より充填材料8を注入し、シールドマシン50のテールが通過したところで、セグメント41の内周側より押し上げボルト23をねじ込んで、土砂シール付きセグメント41に収容したワイヤーブラシ21をセグメント41の外周側に押し出す。
【0052】
その後、仮組セグメント51及び発進架台52等の仮設備を解体撤去し、図10に示すように、可とうゴム装置1の一端を、立坑壁30Aの取付部31に取り付け、他端を、リング状の接合部材3を介してセグメント40の周縁部40aに連結する。
【0053】
このように、可とうゴム装置1とエントランスパッキン2を分離して、可とうエントランスジョイント10Aを構成することも可能である。
【0054】
[第4の実施の形態]
図14は、本発明を適用した第4の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
この第4の実施の形態において、第2の実施の形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
この実施の形態の可とうエントランスジョイント10Bは、図14に示すように、止水手段がエントランスパッキン2ではなく、流体圧式の止水装置(例えば、エマージェンシーシール)4により構成されている。
この実施の形態では、可とうエントランスジョイント10Bが、シールドマシン50の到達部である立坑30の取付部33に取り付けられている。
【0056】
図15は、止水装置を示す縦断面図である。
【0057】
止水装置4は、図15に示すように、エアー(又は水など)を注入する注入孔4a,4a(図14)、該注入孔4a,4aからのエアー等の注入により膨出する補助ゴム膜4b、該補助ゴム膜4bの膨出により可動して地山及び裏込材の流入をシールするリップシール4c等により構成されている。
この止水装置4は、注入孔4a,4aからエアー等を注入することにより、補助ゴム膜4bがセグメント40又はシールドマシン50のスキンプレート50a方向に膨出し、それに伴いリップシール4cが回動して、地山及び裏込材の流入をシールするようになっている。
【0058】
次に、この実施の形態の可とうエントランスジョイント10Bを用いた、シールドマシン50の到達部におけるシールドトンネルの施工手順について、図16及び図17を参照しながら説明する。
【0059】
図16及び図17は、シールドマシンの到達部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、図16は可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態、図17は止水装置を作動させた状態を示している。
【0060】
先ず、シールドマシン50が到達する前に、組立が完了した可とうエントランスジョイント10Bを立坑壁30Aの取付部33に取り付ける。
可とうゴム装置1は、ここでは、仮設備の解体に支障をきたさない位置に仮止めしておく。
また、取付部33と近接する位置に、エアー(又は水等)を補助ゴム膜4bに注入するための注入孔4a,4aを設置しておく。
【0061】
シールドマシン50が接近し、図17に示すように、立坑30内のセグメント40をシールドマシン50のテールが通過したところで、エアー(又は水等)を注入孔4a,4aより注入して、リップシール4cをセグメント40の外周方向に張り出し、止水装置4を作動させる。
【0062】
その後、シールドマシン50及び発進架台52等の仮設備を解体撤去し、図14に示すように、仮止め状態の可とうゴム装置1と、本組セグメント40とを、リング状の接合部材3を介して連結する。
【0063】
次に、シールドマシン50のスキンプレート50aをシールドトンネルの壁部として用いる場合の施工手順について、図18及び図19を参照しながら説明する。
【0064】
図18及び図19は、シールドマシンのスキンプレートをシールドトンネルの壁部として用いる場合の施工手順を説明する図で、図18は止水装置を作動させた状態、図19は可とうゴム装置とスキンプレートを連結した状態を示している。
【0065】
先ず、スキンプレート50aをシールドトンネルに残さない場合と同様に、シールドマシン50が到達する前に、可とうエントランスジョイント10Bの取り付け、可とうゴム装置1の仮止め、注入孔4a,4aの設置等を完了させておく。
シールドマシン50が接近し、図18に示すように、シールドマシン50が所定位置を通過したところで、エアー(又は水等)を注入孔4a,4aより注入して、リップシール4cをセグメント40の外周方向に張り出し、止水装置4を作動させる。
【0066】
その後、シールドマシン50及び発進架台52等の仮設備を解体撤去し、図19に示すように、仮止め状態の可とうゴム装置1と、シールドマシン50が残したスキンプレート50aとを、リング状の接合部材3を介して連結する。
【0067】
このように、止水手段を、エントランスパッキン2ではなく、流体圧式の止水装置4により構成することで、シールドマシン50の到達部においても、当該可とうエントランスジョイント10Bを適用することが可能である。
【0068】
なお、各実施の形態で示した可とうエントランスジョイントは、発進立坑、到達立坑に限られるものではなく、例えば、中間立坑、方向変換立坑などの立坑についても適用が可能である。
また、可とう部材として、可とうゴム装置1を例示したが、その材質はゴム材に限られるものではない。
また、止水手段として、エントランスパッキン2、流体圧式の止水装置4を例示したが、シールドマシン50の掘削により立坑壁30Aに形成された開口部30Bとセグメント40の間の止水を行うことが可能であれば、その形式等は問わない。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、セグメントの周縁部が略円筒状の可とう部材を介して立坑壁に接続されるため、例えば、地震等により、シールドトンネルと立坑の間に相対変位が生じたとしても、可とう部材がその相対変位に追従して変形し、相対変位を吸収する。また、当該可とうエントランスジョイントには、可とう部材とは別に止水手段が設けられているため、可とう部材が前記相対変位に追従した状態においても、止水性能を低下させることなく止水手段を維持することができる。
また、従来の可とうセグメントやSPSS工法の場合と比較して、構成が簡素化されるため、コストの削減が可能となる。
また、SPSS工法で必要であった圧力管理が不要となる。
【0071】
さらに、請求項1記載の発明によれば、可とう部材が、外嵌されている略円筒状の押さえリングによって、その膨張を防止するため、可とう部材の応力に対する強度を向上させることができる。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、土砂シールとエントランスパッキンとにより挟まれるセグメント外周側の空間には、充填材料が充填されているため、地山、地下水及び裏込材等が、立坑内或いはセグメント内周側へ侵入するのを防止することができる。
【0074】
請求項3記載の発明によれば、充填材料が発泡ウレタンからなるため、その独立気泡によってセグメントに加わる応力が吸収される。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、充填材料が高吸水性樹脂材からなるため、充填材料がそのベアリング効果によって変位に追従し、セグメントに加わる応力を吸収することが可能となる。
【0077】
請求項5記載の発明によれば、可とう部材と止水手段が一体に構成されているため、当該可とうエントランスジョイントの立坑壁への取り付けが容易となり、工期の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
【図2】土砂シールを示す縦断面図である。
【図3】図1の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態を示している。
【図4】図1の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、シールドマシンを発進口に投入した状態を示している。
【図5】図1の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、充填材料を注入した状態を示している。
【図6】本発明を適用した第2の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
【図7】図6の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態を示している。
【図8】図6の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、シールドマシンを発進口に投入した状態を示している。
【図9】図6の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、本組セグメントを組み立てた状態を示している。
【図10】本発明を適用した第3の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
【図11】図10の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態を示している。
【図12】図10の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、シールドマシンを発進口に投入した状態を示している。
【図13】図10の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの発進部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、本組セグメントを組み立てた状態を示している。
【図14】本発明を適用した第4の実施の形態に係る可とうエントランスジョイントを示す縦断面図である。
【図15】図14の可とうエントランスジョイントを構成する止水装置を示す縦断面図である。
【図16】図14の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの到達部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、可とうエントランスジョイントを立坑壁に取り付けた状態を示している。
【図17】図14の可とうエントランスジョイントを用いた、シールドマシンの到達部におけるシールドトンネルの施工手順を説明する図で、止水装置を作動させた状態を示している。
【図18】図14の可とうエントランスジョイントを用いて、シールドマシンのスキンプレートをシールドトンネルの壁部として用いる場合の施工手順を説明する図で、止水装置を作動させた状態を示している。
【図19】図14の可とうエントランスジョイントを用いて、シールドマシンのスキンプレートをシールドトンネルの壁部として用いる場合の施工手順を説明する図で、可とうゴム装置とスキンプレートを連結した状態を示している。
【符号の説明】
1 可とうゴム装置(可とう部材)
2 エントランスパッキン(止水手段)
3 接合部材
4 止水装置(止水手段)
6 押さえリング
7 充填材注入孔
8 充填材料
10、10A、10B 可とうエントランスジョイント
20 土砂シール
30 立坑
30A 立坑壁
30B 開口部
31、32、33 取付部
40 セグメント
50 シールドマシン
50a スキンプレート
51 仮組セグメント
Claims (5)
- シールドトンネルのセグメントと立坑壁の接続に用いる可とうエントランスジョイントであって、
少なくとも前記セグメントの外周径以上の内周径を有する略円筒状の可とう部材と、シールドマシンの掘削により前記立坑壁に形成された開口部と前記セグメントの間の止水を行う止水手段と、からなり、
前記可とう部材は、一端を前記立坑壁に、他端を前記セグメントの周縁部に、それぞれ接合されていて、
前記可とう部材には、該可とう部材の膨張を防ぐ略円筒状の押さえリングが外嵌されていることを特徴とする可とうエントランスジョイント。 - 前記セグメント外周側の所定位置には、前記立坑への土砂及び水の侵入を防ぐ土砂シールが設けられ、
該土砂シールと前記止水手段を構成するエントランスパッキンとにより挟まれる前記セグメント外周側の空間には、所定の充填材料が充填されていることを特徴とする請求項1記載の可とうエントランスジョイント。 - 前記充填材料は、発泡ウレタンからなることを特徴とする請求項2記載の可とうエントランスジョイント。
- 前記充填材料は、高吸水性樹脂材からなることを特徴とする請求項2記載の可とうエントランスジョイント。
- 前記可とう部材と前記止水手段が一体に構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の可とうエントランスジョイント。
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