JP3946298B2 - セラミックス−金属傾斜機能材およびその製造方法 - Google Patents

セラミックス−金属傾斜機能材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス組成と金属組成とから一体的に構成されるセラミックス−金属傾斜機能材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、半導体回路では、半導体特性の安定化のために、前記半導体回路をセラミックス基板に搭載し、該半導体回路に発生する熱を外部に効率よく排出する工夫が施されている。
【0003】
その際、半導体回路から発生する熱が比較的大きい場合には、セラミックス基板のみでは十分に対応することができず、前記セラミックス基板に銅やアルミニウムのヒートシンクをろう付けや半田付けすることが行われている。さらに、MPUや大容量電力IGBT等では、放熱フィンを設けて熱を強制的に放出する工夫が施されている。
【0004】
ここで、セラミックス基板は、半導体回路の特性を高く維持するために、高熱伝導性が必要とされるとともに、絶縁性、遮光性および低誘電性等が要求されている。一方、ヒートシンクにも高熱伝導性が要求されており、通常、セラミックス基板および前記ヒートシンクは、ともに150W/mK以上の熱伝導性を有し、さらに熱膨張係数も半導体チップの熱膨張係数に近似するように設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セラミックス基板とヒートシンクを結合するためのろう材や半田材は、熱膨張係数がセラミックス基板やヒートシンクの2倍以上であるとともに、熱伝導率が20W/mK〜70W/mK以下であって、前記セラミックス基板および前記ヒートシンクの1/2〜1/7という低い値となっている。このため、ろう材や半田材が設けられた接合部は、熱伝導率が低く、他の部分に比べて熱膨張係数が大きくなり、この接合部に相当に大きな応力が発生して接合信頼性が低下するという問題が指摘されている。
【0006】
しかも、接合部に熱が溜まり易く、ヒートシンクの機能を有効に発揮させることができないというおそれもある。これにより、回路の動作性能が温度上昇に伴って劣化し、例えば、スイッチング速度の遅延、電流および電圧倍率の低下等のトランジスタ機能の劣化が発生するとともに、熱暴走による回路の破壊の他、熱による接合部の剥離や実装チップの剥離等が惹起されるという問題がある。
【0007】
本発明は、この種の問題を解決するものであり、金属とセラミックスとを接合部を設けることなく一体化するとともに、接合信頼性が高く、しかも高熱伝導性を有するセラミックス−金属傾斜機能材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明に係るセラミックス−金属傾斜機能材およびその製造方法では、先ず、少なくともアルミニウムおよびタングステンを含み、かつリチウム、マグネシウム、シリコン、マンガン、クロム、鉄、ニッケル、コバルトの中の少なくとも一種が添加された第1粉末の上に、少なくとも、アルミニウムと、窒化物の標準生成自由エネルギ温度図である第1のエリンガムダイアグラムに示される窒化アルミニウム生成エネルギラインに比して生成エネルギラインい窒化物および/または炭化物の標準生成自由エネルギ温度図である第2のエリンガムダイアグラムに示される炭化アルミニウムの生成エネルギラインに比して生成エネルギラインが高い炭化物と、当該金属から窒化物を生成する際の生成エネルギラインが前記窒化アルミニウムの生成エネルギラインに比してい金属および/または当該酸化物から窒化物を生成する際の生成エネルギラインが前記窒化アルミニウムの生成エネルギラインに比して低い酸化物と、炭素とを含有する第2粉末が積層され、同時成形処理により成形体が得られた後、この成形体には、熱焼成時あるいは熱焼結時に窒化が並行して行われる。
【0009】
その際、焼結の緻密化過程における温度域を同一化し、添加する元素をセラミックス側および金属側の双方に拡散させることにより、前記金属側から前記セラミックス側あるいは前記セラミックス側から前記金属側に向かって組成および物性が円滑に変化することになる。
【0010】
このため、製造過程および使用過程で生じる応力を極小化することができ、信頼性の向上が図られるとともに、ろう付けや半田付け等の接合層がなく、熱伝導率が急激に変化する部位が存在しない。従って、セラミックス基板表面の回路で発生する熱は、効率よく金属組成層側に向かって伝達され、回路の熱的安定性および信頼性が有効に向上することになる。
【0011】
金属側組成:
熱伝導性に優れることから、金属アルミニウムが用いられる。金属アルミニウムの融点は、660℃程度であり、この温度以下では窒化が行われず、絶縁性および高熱伝導性を有する窒化アルミニウム層の形成が不可能となる。このため、金属アルミニウムの融点を、窒化領域乃至窒化アルミニウムの焼結温度域まで高める必要があり、この目的を達成するために所定の添加剤が使用される。
【0012】
具体的には、添加剤として、タングステン(W)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)およびコバルト(Co)等が該当する。さらに、補助的に、少量の銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)およびリチウム(Li)等を加えてもよい。
【0013】
そこで、金属アルミニウムにタングステンを添加した場合、この金属アルミニウムの融点以上で固相と液相の共存領域が生じ始め、WAl2 、WAl5 およびWAl4 の金属間化合物が、それぞれ1160℃、1320℃および1420℃以上乃至はその近傍で生じる。
【0014】
タングステンの添加量が30atomic%に設定された際には、融点が1700℃以上となって、例えば、セラミックス側に窒化アルミニウムを選択した場合にも、同時焼結し得る温度となる。しかしながら、金属アルミニウムは、高温蒸発し易いために安定した生産が難しい。従って、この種の問題を解決するために、他の添加剤が必要となる。例えば、リチウム、マグネシウム、シリコン、マンガン、クロム、鉄、ニッケルおよびコバルト等を添加することにより、金属アルミニウムの高温蒸発を緩和し、あるいは防止する。なお、これらの添加剤は、金属アルミニウムとタングステンの反応を効率よく行うためにも必要とされる。
【0015】
セラミックス側組成:
金属側がセラミックスの焼結温度域まで温度を上げても溶融しないため、窒化アルミニウム原料粉末に通常の焼結用添加剤である酸化イットリウム、酸化カルシウム、または炭酸バリウム等を添加して焼結することが考えられる。しかしながら、この場合には、緻密化過程の温度域が異なるため、焼結体に割れや変形等が顕著に現れてしまう。すなわち、金属側は、前記の温度、例えば、1160℃や1320℃で収縮するのに対し、セラミックス側は、緻密化や収縮開始が1450℃以上であるために前記セラミックス側の収縮が殆ど起こらず、発生する界面の応力によってセラミックス組成層が破壊するからである。
【0016】
このため、金属側とセラミックス側の収縮時の温度域や反応温度域を同一化する必要がある。従って、セラミックス側では、始めからセラミックスとして添加するのではなく、雰囲気や添加剤を利用してセラミックス化させることにより、反応温度域や収縮温度域を同一化させ、焼結中に発生する応力を極小化させる工夫が採用される。
【0017】
この場合、従来から行われている窒化アルミニウム製造法における窒化温度は、金属アルミニウムの直接窒化で1400℃〜1700℃であり、酸化アルミニウム(Al2 3 )の還元窒化で1450℃〜1750℃であり、いずれも高温となって実質的に同時焼成しながら窒化することは難しい。例えば、金属アルミニウムの窒化は、自己燃焼反応的であり、反応温度さえ制御できないおそれがある。
【0018】
そこで、物質の生成エネルギに着目し、先ず、生成物である窒化アルミニウムより生成エネルギの安定度が低い窒化物を少なくとも一種と、前記窒化アルミニウムより生成エネルギの安定度が高い金属を少なくとも一種とを含有させる。これにより、窒化の反応温度開始点を低くするとともに、自己燃焼的に急激にではなく、ある程度制御しながら窒化を遂行することが可能になる。具体的には、エリンム ダイヤグラム(Ellingham diagram )の標準生成エネルギと温度との関係において、窒化アルミニウムラインより高いエネルギの物質が窒化物として加えられる一方、低いエネルギの物質が金属として添加される。
【0019】
具体的には、窒化物として、Mo、Li、Mn、Si、Mg、La、Ta(タンタル)、V、B、Cr、Fe、Co、NiおよびBa(バリウム)等が該当し、金属としては、Ti、Zr、Hf(ハフニウム)およびTh(トリウム)等が該当する。この他、上記の窒化物に代わる略全ての炭化物が該当し、上記金属の代わりにZrおよびTi等の他、ランタノイド元素酸化物が該当する。
【0020】
製造されるセラミックスとしての要求特性は、絶縁性の他、低誘電性および〜200MPa程度の曲げ強度等が挙げられる。ここで、添加乃至セラミックス化した窒化物および炭化物は、殆どが導電性を有するため、その値を、例えば、100MΩとすると、導電性のあるセラミックスの総量は40%以下に設定する必要がある。これ以上のセラミックスが存在すると、抵抗が小さくなって電気が流れてしまい、回路構成が達成できないからである。
【0021】
また、低誘電性の観点からは、SiCの他、Fe、CoおよびNi等の遷移金属が誘電性を有するため、誘電定数を1MHzで〜10以下にするために、その総量を20%以下に設定する必要がある。
【0022】
一方、鉄属元素等の窒化物や炭化物は、その熱力学的安定度が低いため、セラミックス側への添加を1%以下、あるいは無添加とすべきである。但し、金属アルミニウムの窒化の観点からは、FeやNiの元素が窒素のキャリアとしての挙動を示し、粒子内部まで確実に窒化を行うことができる。従って、鉄属元素の添加は窒化には必要であるが、最終的には不要となるものであり、最小量で最大効率が引き出せるように、溶液形態、例えば、硝酸ニッケルやコバルトエトキシド等の形態で数十ppm〜数百ppmの添加が望ましい。
【0023】
さらに、セラミックス化する側への添加元素および添加物としては、マグネシウム、リチウム、タングステン、ニオブ(Nb)、マンガン、クロム、タンタル、珪素の窒化物、炭化物、ハフニウム、ジルコニウム、またはランタノイド元素の炭化物から選択される少なくとも一種と、セリウム(Ce)を含むランタノイド元素、ジルコニウム、チタニウムまたはタリウム(Tl)から選択される少なくとも一種とを含む。
【0024】
なお、金属側とセラミックス側を一体成形する際、それぞれの成形密度にばらつきがある。例えば、金属側として金属アルミニウムが添加されていると、一般的な粉末の成形圧力が80MPa〜250MPaにおいて、アルミニウム分の剛性や強度が小さく、成形中に組成変形してしまう。このため、窒化アルミニウムを全て金属アルミニウムを窒化して得るのではなく、使用する金属やセラミックス粒子の粒度やその分布により予め窒化アルミニウムを添加し、反応時に緻密化させていく手法が採用される。
【0025】
【発明の実施の形態】
金属側として、平均粒径が3μmの金属アルミニウム粉と、平均粒径が1μmの金属タングステン粉と、平均粒径が0.6μmの金属コバルト粉とを、それぞれ26.5wt%、73wt%および0.5wt%ずつ混合した後、アルコールを粉末100に対して10wt%になるように添加し、第1混合粉末Aが得られた。
【0026】
セラミックス化する側として、平均粒径が3μmの金属アルミニウム粉と、エリンハム ダイヤグラムで窒化アルミニウムラインより上方に存在するものとして、平均粒径が0.6μmの炭化タングステン粉と、平均粒径が1.2μmの窒化モリブデン(Mo2 N)粉と、同様に窒化アルミニウムラインより下方に存在する金属として、平均粒径が2.4μmの金属ジルコニウム粉と、その他として、カーボンブラック、平均粒径が1.2μmの窒化アルミニウム粉および平均粒径が0.1μmの金属ニッケル粉とを、それぞれ60wt%、3.0wt%、2.0wt%、3.0wt%、1.9wt%、30wt%および0.1wt%ずつ混合した後、アルコールを粉末100に対して15wt%になるように添加し、第2混合粉末Bが得られた。
【0027】
次いで、焼結後の金属側の厚さが4mmで寸法が50×50mmになるように、第1混合粉末Aが計量された後、加圧成形用金型内にこの第1混合粉末Aが充填されて、パンチの重みのみによって該第1混合粉末Aが平滑化された。さらに、第2混合粉末Bが、焼結後の全体厚さが6mmになるように計量され、平滑化された第1混合粉末A上に積層された。
【0028】
そこで、成形圧力が120MPaに設定され、第1および第2混合粉末A、Bが金型内静水圧加圧成形法により成形処理されて成形体が得られた。その際、成形のために過剰となったアルコールが金型の隙間から排出され、成形体内に残存するアルコールが極小化され、実質的に、このアルコール残量が5wt%となった。
【0029】
その後、酸化を防止するために成形体が40℃で2時間乾燥処理され、次に、この成形体が雰囲気炉内に移されて窒素雰囲気化で昇温されて焼結された。この焼結時に反りが発生することを阻止するため、成形体の上に15g程度のh−BNの板を載せて焼成処理を施した。焼結パターンは、図1Aおよび図1Bに示す条件で行われた。さらに、金属側の緻密化および結晶構造の変化に伴う変化点乃至はその近傍で、定温保持が行われた。また、窒化を連続的かつ効果的に行うため、窒素圧の制御も行った。
【0030】
これにより、図2に示すように、焼結体(セラミックス−金属傾斜機能材)10が得られた。この焼結体10は、セラミックス組成層12と、金属組成層14と、このセラミックス組成層12と前記金属組成層14との境界部位に設けられる複合組成層16とから一体的に構成された。
【0031】
セラミックス組成層12の表面は殆ど窒化物であり、金属組成層14の表面は完全に金属状態であった。さらに、複合組成層16は、セラミックスと金属の界面が識別不能であり、所望の傾斜機能材が得られた。この焼結体10では、セラミックス組成と金属組成との収縮量や収縮温度等の違いによる割れやクラック等の欠陥は全く現れなかった。セラミックス組成層12の表面の絶縁耐圧が1GV以上であり、反対側の金属組成層14側の抵抗は殆ど測定不能な値であった。熱伝導率については、全体として、170W/mK以上の値であった。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るセラミックス−金属傾斜機能材およびその製造方法では、金属側およびセラミックス側の収縮やそれぞれの成分を制御することにより、セラミックス組成と金属組成との境界部位が存在することがない。これにより、組成および物性が傾斜的に変化する複合組成層を介在したセラミックス組成層と金属組成層とが一体化された傾斜機能材が確実に得られる。従って、熱伝導性や接合信頼性が向上するとともに、簡単な工程で所望の特性を有したセラミックス−金属機能材が製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、本発明に係る製造法における焼結の温度パターンの説明図であり、図1Bは、焼結の圧力パターンの説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る焼結体の一部斜視説明図である。
【符号の説明】
10…焼結体 12…セラミックス組成層
14…金属組成層 16…複合組成層

Claims (6)

  1. 一方の面側に設けられ、所望の絶縁性および熱伝導性を有するとともに、少なくとも窒化アルミニウムおよび炭化物を含むセラミックス組成層と、
    他方の面側に設けられ、所望の熱伝導性および電気伝導性を有するとともに、少なくともアルミニウムおよびタングステンを含む金属組成層と、
    前記セラミックス組成層と前記金属組成層との境界部位に設けられ、その組成および物性が傾斜的に変化する複合組成層と、
    を一体的に備え、
    前記金属組成層は、少なくともアルミニウムおよびタングステンを含み、かつリチウム、マグネシウム、シリコン、マンガン、クロム、鉄、ニッケル、コバルトの中の少なくとも一種が添加された第1粉末が焼結して形成され、
    前記セラミックス組成層は、少なくとも、アルミニウムと、窒化物の標準生成自由エネルギ温度図である第1のエリンガムダイアグラムに示される窒化アルミニウム生成エネルギラインに比して生成エネルギラインい窒化物および/または炭化物の標準生成自由エネルギ温度図である第2のエリンガムダイアグラムに示される炭化アルミニウムの生成エネルギラインに比して生成エネルギラインが高い炭化物と、当該金属から窒化物を生成する際の生成エネルギラインが前記窒化アルミニウムの生成エネルギラインに比して低い金属および/または当該酸化物から窒化物を生成する際の生成エネルギラインが前記窒化アルミニウムの生成エネルギラインに比して低い酸化物と、炭素とを含有する第2粉末が焼結して形成されたものであることを特徴とするセラミックス−金属傾斜機能材。
  2. 請求項1記載のセラミックス−金属傾斜機能材において、前記第2粉末は、前記窒化物または前記炭化物としてのMo、Li、Mn、Si、Mg、La、Ta、V、B、Cr、Fe、Co、Ni、Baの各窒化物、Li、Mn、Si、Mg、La、Ta、V、B、Cr、Fe、Co、Ni、Baの各炭化物の中の少なくともいずれか一種と、前記金属または前記酸化物としてのTi、Zr、Hf、Th、Zr酸化物、Ti酸化物、ランタノイド元素酸化物の中の少なくともいずれか一種とを含有することを特徴とするセラミックス−金属傾斜機能材。
  3. 請求項1または2記載のセラミックス−金属傾斜機能材において、当該セラミックス−金属傾斜機能材は、150W/mK以上の熱伝導率を示すことを特徴とするセラミックス−金属傾斜機能材。
  4. 少なくともアルミニウムおよびタングステンを含み、かつリチウム、マグネシウム、シリコン、マンガン、クロム、鉄、ニッケル、コバルトの中の少なくとも一種が添加された第1粉末を成形型に充填する工程と、
    アルミニウムと、窒化物の標準生成自由エネルギ温度図である第1のエリンガムダイアグラムに示される窒化アルミニウム生成エネルギラインに比して生成エネルギラインい窒化物および/または炭化物の標準生成自由エネルギ温度図である第2のエリンガムダイアグラムに示される炭化アルミニウムの生成エネルギラインに比して生成エネルギラインが高い炭化物と、当該金属から窒化物を生成する際の生成エネルギラインが前記窒化アルミニウムの生成エネルギラインに比してい金属および/または当該酸化物から窒化物を生成する際の生成エネルギラインが前記窒化アルミニウムの生成エネルギラインに比して低い酸化物と、炭素とを含有する第2粉末を、前記第1粉末に積層して前記成形型に充填する工程と、
    前記積層された第1および第2粉末を、加圧手段を介して加圧成形することにより、成形体を成形する工程と、
    前記成形体を窒素雰囲気中で焼成することにより、前記第1粉末中の少なくとも前記アルミニウムおよび前記タングステンの金属化合物を形成して金属組成層を設ける一方、前記第2粉末中で前記炭素を源として炭化物を形成するとともに前記アルミニウムを窒化することで、セラミックスと金属とが一体化した傾斜機能材を得る工程と、
    を有することを特徴とするセラミックス−金属傾斜機能材の製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法において、前記第2粉末として、前記窒化物または前記炭化物としてのMo、Li、Mn、Si、Mg、La、Ta、V、B、Cr、Fe、Co、Ni、Baの各窒化物、Li、Mn、Si、Mg、La、Ta、V、B、Cr、Fe、Co、Ni、Baの各炭化物の中の少なくともいずれか一種と、前記金属または前記酸化物としてのTi、Zr、Hf、Th、Zr酸化物、Ti酸化物、ランタノイド元素酸化物の中の少なくともいずれか一種とを含有するものを使用して前記セラミックス組成層を設けることを特徴とするセラミックス−金属傾斜機能材の製造方法。
  6. 請求項4または5記載の製造方法において、前記第1粉末として、モリブデン、バナジウム、クロム、ニッケル、鉄またはコバルトから選択される少なくとも一種をさらに含有するものを使用して前記金属組成層を設けることを特徴とするセラミックス−金属傾斜機能材の製造方法。
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