JP3945361B2 - ヒ−トポンプ給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のヒートポンプ給湯装置としては、特許文献1に記載されているような給湯装置が提案されていた。このヒートポンプ給湯装置は図4に示すように、閉回路に構成される冷媒流路1で圧縮機2、放熱器3、減圧手段4、吸熱器5が接続された冷媒循環回路7と、放熱器3の冷媒流路a8と熱交換を行う水流路9を備えた熱交換器24と、この水流路9に水道水を供給する給水管11と、前記水流路9とシャワーや蛇口等の給湯端末12とを接続する給湯回路13と、給湯回路13に設け給湯温度を検出する温度センサ14と、圧縮機2の回転数を制御するインバータ15を備え、圧縮機2を温度センサ14の検出温度と設定温度との差に応じてインバータ15の出力周波数を変換するようにしていた。
【0003】
すなわち従来の給湯装置では設定温度に対して給湯温度が低い場合は圧縮機2の回転数を上げ、給湯温度が高い場合は回転数を下げるように制御するようにしていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−223767号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような瞬間湯沸し型では給湯時における給湯負荷が一定ではない。特に流量は使用者が給湯目的によってさまざまに変化させるために給湯負荷は大きく変ってしまう。例えば家庭用の給湯の場合、シャワーや風呂への湯張りに給湯する場合は10〜20L/minの大流量となるが、台所で食器を洗う場合や洗面への給湯では3〜5L/minと少流となる。
【0006】
こうした流量や水温の変化により大きくかわる給湯負荷を、従来のヒートポンプ給湯装置のように単一の熱交換器や吸熱器に対して単一の圧縮機の回転数を変えるだけで給湯熱量を制御しようとした場合に、まずシャワー等の大流量の給湯負荷に対応するために大型の圧縮機に大型の熱交換器や吸熱器が必用になる。しかし、こうした大型の装置では温度や圧力の立ち上がりが遅く、さらに小さな給湯負荷に対して能力を低くしようとする場合に限界があり、こうした低負荷に対応しにくくなる不都合が生じてくる。
【0007】
このように、従来のヒートポンプ給湯装置では、大型の装置で単一の圧縮機の回転数を変えるだけの制御では能力変更幅に限界があり、例えば冬場のシャワーと風呂の湯張りの同時使用といった大能力から、夏場の食器洗いなどの微小能力までの幅広い給湯能力をカバーできなかった。そのためシャワー温度が低下したり、食器洗いで熱い湯がでたりするなどの不都合がでる可能性があった。
【0008】
こうした流量や水温の変化により大きくかわる給湯負荷を、従来のヒートポンプ給湯装置のように給湯温度と設定温度の差だけで圧縮機の回転数を変えて給湯熱量を制御しようとした場合に制御の応答性と安定性に不都合が生じてくる。
【0009】
例えば制御の安定性を良くするために給湯温度と設定温度との温度差と圧縮機の回転数の係数である制御ゲインを低くすると、温度差の変化量に対する回転数の変化量が少なくなるので給湯温度変化が緩やかになり、設定温度に達するのに時間がかかったり、オフセットにより流量や水温の違いによって給湯温度の安定値が設定温度にならず変化したりする。
【0010】
逆に制御ゲインを上げると給湯負荷の大きな大流量では、圧縮機の回転数の変化に対する給湯温度の変化が少ないので安定に制御できても、圧縮機の回転数の変化に対する給湯温度の変化が急峻になる小流量での給湯では、圧縮機の回転数の制御の変化が急峻になり給湯温度が安定しないばかりか、給湯温度と回転数の変化の位相のずれによりハンチングを起こして制御が発散する可能性もあった。
【0011】
さらに、従来のヒートポンプ給湯装置のように単一の圧縮機の回転数を変えるだけの制御では能力変更幅に限界があり、例えば冬場のシャワーと風呂の湯張りの同時使用といった大能力から、夏場の食器洗いなどの微小能力までの幅広い給湯能力をカバーできなかった。そのためシャワー温度が低下したり、食器洗いで熱い湯がでたりするなどの不都合がでる可能性があった。
【0012】
また、気温や水温や給湯負荷により冷媒循環回路の運転条件が変ると、運転効率も変化するが、従来のヒートポンプ給湯装置では給湯温度に応じて圧縮機の回転数を変えるだけなので、運転効率は成り行きとなり、加熱効率の悪い条件でもそのまま運転されていた。したがって条件によっては極端に効率が悪化し、能力が発揮できなくなるばかりでなく、ランニングコストも高いものなる可能性もあった。
【0013】
以上のように従来のヒートポンプ給湯装置では給湯負荷の大小に関わりなく一律に加熱制御を行うために幅広い給湯負荷への対応が困難であったり、制御の応答性と安定性を両立させることができなかったり、効率が悪化するなどの問題があった。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、広い能力幅を有し、制御性と効率のよい給湯ができるヒートポンプ給湯装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、本発明のヒートポンプ給湯装置は、熱交換器内の熱交換を行う冷媒流路と水流路と、水流路に水道水を供給する給水管と、水流路から給湯端末へと通水するように接続する給湯回路と、給水管と水流路と給湯回路とで構成される温水供給側経路の水に熱量を加えるように設けた蓄熱手段と、温水供給側経路の何れかの流水と蓄熱手段からの水とを混合する混合手段とを備え、混合手段においてどちらか一方を優先するよう制御するとともに、前記給湯端末から給湯開始後の所定時間は、前記温水供給側経路の流水と前記蓄熱手段からの流水とを混合するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
上記発明によれば、水道水を熱交換器で加熱するのとは別に蓄熱手段で加熱されるので、熱交換器での加熱量が不足していても不足分を補って加熱できる。また、熱交換器による出湯温度制御に蓄熱手段が直接影響しないので制御性が良い。そして、優先選択手段により温水供給側経路の熱交換器での加熱を優先して行えるように混合手段を制御するので、蓄熱手段の利用を最小限にとどめることで蓄熱量不足の発生を防止し、蓄熱サイズを小さくすることができる。また給湯開始直後に貯留タンクからの湯を利用することによって、熱交換器からの出湯遅れを補える。
【0017】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、圧縮機と熱交換器と減圧手段と吸熱器とを含む冷媒循環回路と、前記熱交換器の冷媒流路と熱交換を行う前記熱交換器内の水流路と、前記水流路に水道水を供給する給水管と、前記水流路から給湯端末へと通水するように接続する給湯回路と、前記給水管と水流路と給湯回路とで構成される温水供給側経路の水を加熱するように設けた蓄熱手段と、前記温水供給側経路の何れかの流水と前記蓄熱手段により加熱される水とを混合する混合手段と、前記混合手段において前記温水供給側経路の通水を優先するよう制御する優先選択手段とを備えるとともに、前記給湯端末から給湯開始後の所定時間は、前記温水供給側経路の流水と前記蓄熱手段からの流水とを混合するように構成したことを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、水道水を熱交換器で加熱するのとは別に蓄熱手段で加熱されるので、熱交換器での加熱量が不足していても不足分を補って加熱できる。また、熱交換器による出湯温度制御に蓄熱手段が直接影響しないので制御性が良い。そして、優先選択手段により温水供給側経路の熱交換器での加熱を優先して行えるように混合手段を制御するので、蓄熱手段の利用を最小限にとどめることで蓄熱量不足の発生を防止し、蓄熱サイズを小さくすることができる。また給湯開始直後に貯留タンクからの湯を利用することによって、熱交換器からの出湯遅れを補える。
【0019】
請求項2に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、熱交換器での所要加熱量を設定する負荷設定手段と、前記負荷設定手段の設定値に応じて前記熱交換器の加熱量を制御する加熱制御手段とを備え、前記加熱制御手段は負荷設定値が冷媒循環回路の加熱能力を超える場合に前記熱交換器の加熱量を最大に制御するとともに、優先選択手段は蓄熱手段により加熱される流水を混合して給湯するように混合手段を制御する請求項1記載のものである。
【0020】
この発明によれば、加熱制御手段により温水供給側経路温水供給側経路の熱交換器での加熱能力を最大まで引き出して利用するとともに、優先選択手段により熱交換器の加熱能力を超える分だけ蓄熱手段を利用するように混合手段を制御することが可能となるので、蓄熱手段の利用を最小限にして蓄熱量不足を防止し蓄熱サイズの小型化を図ることができる。
【0021】
請求項3に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、請求項1または2記載の蓄熱手段を、蓄熱温度を給湯温度より高温にしたものである。
【0022】
この発明によれば、蓄熱手段の湯温を給湯温度より高くすることにより、蓄熱密度を上げることで蓄熱サイズを小さくするもので、設置スペースや重量を少なくすることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、請求項1〜3のいずれか1項記載の蓄熱手段を、水を貯留する貯留タンクとしたものである。
【0024】
この発明によれば、給湯に使用する水を蓄熱手段として用いることにより、流通時は水を抜けば軽量にできる。また、蓄熱材として比熱が大きく、しかも安全である。
【0025】
請求項5に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、熱交換器の水流路と蓄熱手段とを環状に接続する循環水路と、外力により循環水路に循環水流を生じさせその流量を調節できる水流手段とを備え、水流手段を駆動して熱交換器の水流路に通水し冷媒循環回路を運転して蓄熱手段の蓄熱温度を所定温度に保つ請求項1〜4のいずれか1項記載のものである。
【0026】
この発明によれば、水流手段により強制的に水流を生じさせるので流量を多くして保温時の加熱量を大きくでき、蓄熱手段が冷えたときでも短時間で所定温度に戻すことができる。また、流量調節も可能なので保温加熱時の温度制御性が良く、循環水路の熱が熱交換器を暖めるので冷媒循環回路の立ち上がりも早い。さらに、循環水路の保温をヒートポンプにより行うので、ヒータなどに比べ効率が良く、また保温時に冷媒循環回路が駆動するので、冷媒循環回路自体の立上りも一層早くなる。
【0027】
請求項6に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、給湯回路の流量を検出する流量検知手段を設け、負荷設定手段は前記流量検知手段の検出値を基に所要加熱量を求める請求項2〜5のいずれか1項記載のものである。
【0028】
この発明によれば、給湯負荷は流量に比例するので、ここで推定する所要加熱量は、給湯負荷に相関がある。したがって流量変化によって給湯負荷が急変しても、給湯負荷の変化に応じて素早く対応する加熱制御が可能である。
【0029】
請求項7に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、給水管の給水温度を検出する水温検知手段を設け、負荷設定手段は前記水温検知手段の検出値を基に所要加熱量を求める請求項2〜6のいずれか1項記載のものである。
【0030】
この発明によれば、給湯負荷は給水温度と目標温度の差に反比例するので、給水温度が下がれば所要加熱量が増加し、給水温度が上がれば所要加熱量が減少する。したがってこの給水温度によって所要加熱量を推定して熱交換器の加熱制御をおこなえば、給水温度が変動しても、この変動に伴なう出湯温度変化が最小限に抑えられる。
【0031】
請求項8に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、給水管の給水温度を検出する水温検知手段と、給湯の目標温度を設定する温度設定手段と、給湯回路の流量を検出する流量検知手段とを設け、負荷設定手段は前記水温検知手段と温度設定手段と流量検知手段の値から所要加熱量を算定する請求項2〜5のいずれか1項記載のものである。
【0032】
この発明によれば、水温検知手段と温度設定手段と流量検知手段の値から所要加熱量を算定することにより、正確な給湯負荷が所要加熱量として設定できる。
【0033】
請求項9に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、水流路の出湯温度を検出する給湯温検知手段と、給湯の目標温度を設定する温度設定手段とを設け、負荷設定手段は前記出湯温度と目標温度との偏差から所要加熱量を算定する請求項2〜5のいずれか1項記載のものである。
【0034】
この発明によれば、算定する所要加熱量は、偏差の変化速度から給湯負荷を判定するもので、給湯における流量や給水温度で給湯負荷が変ると、出湯温度と目標温度との偏差の変化速度に違いが表れる。たとえば、同じ加熱量の場合に流量が多ければ出湯温度の上昇は緩やかになり、流量が少なければ速やかになる。この速度変化を捉えて、所要加熱量を設定するので、単に温度偏差だけで加熱量を制御する場合よりも安定に所要加熱量に制御する時間を短縮できる。
【0035】
請求項10に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、請求項2〜9のいずれか1項に記載の加熱制御手段は圧縮機の回転数を制御するものである。
【0036】
この発明によれば、予め回転数と熱交換器での加熱量の関係を定め、設定された所要加熱量になるように回転数を制御するもので、短時間で所要加熱量が得られる回転数に制御できる。
【0037】
請求項11に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、冷媒循環回路に複数の圧縮機を備え、加熱制御手段は、前記圧縮機の台数を制御する請求項2〜10のいずれか1項に記載のものである。
【0038】
この発明によれば、給湯負荷が大幅に変るような使い方をする場合に、1台の圧縮機では制御幅に限界があり、満足な給湯制御ができないが、この発明の複数の圧縮機の台数を制御する方法であれば給湯負荷に応じて台数を変えれば、大幅な給湯負荷の変化に対応できる。
【0039】
請求項12に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、請求項2〜11のいずれか1項に記載の加熱制御手段は減圧手段の冷媒流路抵抗を制御するものである。
【0040】
この発明によれば、予め減圧手段の冷媒流路抵抗と熱交換器での加熱量の関係を定め、設定された所要加熱量になるように冷媒流路抵抗を制御するもので、高温の出湯が必要であったり、外気温度が低いなどで加熱量が不足した場合など、冷媒流路抵抗を大きくすることで熱交換器の加熱量を所要加熱量が確保できる。
【0041】
請求項13に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、請求項2〜12のいずれか1項に記載の加熱制御手段は吸熱器の吸熱量を制御するものである。
【0042】
この発明によれば、たとえば大気熱から吸熱器に吸熱させるのを送風機の風量により吸熱量を制御するものとした場合に、予め送風機の風量と熱交換器での加熱量の関係を定め、設定された所要加熱量になるように送風機の風量を制御するもので、給湯負荷が極端に小さく熱交換器の所要加熱量が小さすぎて圧縮機の回転数制御などでは絞りきれない場合などに送風機の風量を減少させることにより熱交換器の加熱量を減少させて所要加熱量に制御することが可能である。
【0043】
請求項14に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、気温を検出する気温検知手段を設け、加熱制御手段は前記気温検知手段の検出値に応じて冷媒循環回路の運転条件を変更して熱交換器の加熱量を制御する請求項2〜13のいずれか1項に記載のものである。
【0044】
この発明によれば、気温変化による熱交換器の加熱量の誤差を補正する。冷媒循環回路は大気熱を利用して吸熱器から吸熱するため、熱交換器での加熱量は気温に大きく影響される。したがって例えば圧縮機の回転数を制御する場合に、同じ回転数でも気温により加熱量は変ってくる。その気温による影響を相殺するように熱交換器の加熱量を制御することにより、正確な給湯制御ができる。
【0045】
請求項15に記載の発明のヒートポンプ給湯装置は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の冷媒循環回路を、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界冷媒循環回路であり、前記臨界圧力以上に昇圧された冷媒により熱交換器の水流路の流水を加熱するものである。
【0046】
この発明によれば、熱交換器の冷媒流路を流れる冷媒は、圧縮機で臨界圧力以上に加圧されているので、熱交換器の水流路の流水により熱を奪われて温度低下しても凝縮することがない。したがって熱交換器全域で冷媒流路aと水流路とに温度差を形成しやすくなり、高温の湯が得られ、かつ熱交換効率を高くできる。
【0047】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例および各実施例において、同じ構成、同じ動作をする部分については同一符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0048】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1におけるヒートポンプ式給湯装置の構成図で、図2は本発明の実施例1におけるヒートポンプ給湯装置の制御を示すフローチャートである。図1において、冷媒配管21により圧縮機22、放熱器23、放熱器23と同様に放熱器として機能する熱交換器24、減圧手段25、吸熱器26が閉回路に接続されて冷媒循環回路27が構成されている。この冷媒循環回路27は、例えば炭酸ガスを冷媒として使用し、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧以上となる超臨界ヒートポンプサイクルを使用している。そして圧縮機22は、内蔵する電動モータ(図示しない)によって駆動され、吸引した冷媒を臨界圧力を超える圧力まで圧縮して吐出する。また、熱交換器24には冷媒流路28と熱交換を行う水流路29を備えている。この水流路29に水道を直結して水道水を直接供給する給水管30と、水流路29から出湯される湯をシャワー31や蛇口32等より成る給湯端末33の通水させるための給湯回路34が接続されている。そして35は給水管30と水流路29と給湯回路34の上流部の給湯回路a36とで構成され、冷媒循環回路27を流れる冷媒が直接加熱するのみの温水供給側経路である。37は給湯回路34の水を加熱し、給湯回路34の上流部の給湯回路a36に並列に接続した蓄熱手段である。この蓄熱手段37は、給湯回路34の流水を溜める貯留タンク38と、給湯回路a36と蓄熱手段37の流水を混合する混合手段39より構成されている。貯留タンク38は、下端に入口管40と、上端に出口管41と、下部に放熱器23を内蔵して、断熱材42で覆って構成している。この放熱器23は貯留タンク38内の蓄熱温度(以下貯留温度と呼ぶ)を所定温度に保つための保温手段を兼ねている。給湯回路34は、分岐部43より給湯回路a36と入口管40に分岐し、合流部44で給湯回路a36と出口管41の水が合流する。この合流部44に混合手段39が設けられている。
【0049】
なお、貯留タンク38の大きさは、使用者の給湯使用量の最大値である最大負荷を想定し、熱交換器24での最大加熱能力と貯留タンク38での蓄熱量を併用して最大負荷に不足無く対応できるだけの蓄熱量としたもので、例えば最大の負荷が給水温度5℃で給湯温度45℃とし、10L/minで30分間連続給湯するものとした場合に必要な総熱量は、
((45℃−5℃)×10L/min×30min÷860)
で約14kWhとなり、瞬時加熱量は約28kWとなる。
熱交換器24での最大加熱能力が20kWあるとすると、貯留タンクで必要な熱量は、
((28kW−20kW)×30min÷60)
で4kWhとなる。これを80℃の貯留タンク38で補う場合は、
(4kWh×860÷(80℃−5℃))
で約46Lとなり、これ以上の容量があれば最大負荷に対応可能となる。このように、給湯に使用する水を蓄熱手段として貯留タンク38に溜めて用いることにより、流通時は水を抜けば軽量にできる。また、蓄熱材として比熱が大きく、しかも安全なものとなるのである。
【0050】
45は制御手段であり、この制御手段45の中には熱交換器24での所要加熱量を設定する負荷設定手段46と、負荷設定手段46の設定値に応じて混合手段39を駆動し給湯回路a36からの流水と貯留タンク38からの流水との混合割合を優先的に設定し制御する優先選択手段47と、負荷設定手段46の設定値と優先選択手段47の設定割合に応じて熱交換器24の加熱量を制御する加熱制御手段48が設けられ、混合手段39での混合割合を制御し出湯温度を目標温度に近付ける。
【0051】
給水管30には、給湯回路34の流量を検出する流量検知手段49と、熱交換器24への給水温度を検出する水温検知手段50が設けられている。そして給湯回路34には出湯温度を検出する給湯温検知手段51が設けられている。また貯留タンク38の上部には貯留タンク38内の湯温を検出する貯留温度検知手段52が設けられている。53は気温を検出する気温検知手段である。54は給湯の目標温度を設定する温度設定手段で、使用者が任意に温度を設定する。
【0052】
負荷設定手段46は、給湯温検知手段51と温度設定手段54とのそれぞれが出力する出湯温度と目標温度との偏差から第1の所要加熱量を算定する第1算定部55と、水温検知手段50と温度設定手段54と流量検知手段49の各値から第2の所要加熱量を算定する第2算定部56と、第1の所要加熱量と第2の所要加熱量を加算する加算部57とを有し、加算された所要加熱量を出力する。
【0053】
加熱制御手段48は、圧縮機22の回転数を変更する周波数制御手段58を備え、負荷設定手段46および優先選択手段47により設定された所要加熱量に応じて圧縮機22の回転数を制御する。また、加熱制御手段48は、気温検知手段53の検出値に応じてヒートポンプサイクルの運転条件である圧縮機22の回転数を変更して熱交換器24での加熱量を制御する。熱交換器24での加熱量は、気温が定まれば圧縮機22の回転数に比例的に可変できる。そこで、加熱制御手段48は予め各気温毎の熱交換器24の加熱量と圧縮機22の回転数の関係を記憶しておき、気温に応じて負荷設定手段46および優先選択手段47により設定された所要加熱量と熱交換器24の加熱量が一致するように回転数を設定制御する。このことで、気温が変動しても精度よい給湯制御が可能になる。
【0054】
また、制御手段45は給湯停止時に、貯留温度検知手段52より貯留温度を検知し、貯留温度を所定温度(例えば80℃)に保つように圧縮機22を低速で回転制御して保温運転する。この保温の所定温度を給湯の目標温度(例えば45℃)より充分に高くすることにより、蓄熱密度を上げることができ、貯留タンク25の大きさを小さくすることができる。
【0055】
熱交換器24は、冷媒流路28の流れ方向と水流路29の流れ方向を対向流とし、各流路間を熱移動が容易になるように密着して構成している。この構成により冷媒流路28と水流路29の伝熱が均一化し、熱交換効率がよくなる。また、高温の出湯も可能になる。
【0056】
以上の構成において、その動作、作用について説明する。図1に示す実施例において、蛇口32が開かれると給水管30から水道水が流れ込み始める。これを流量検知手段49が検知し制御手段45に信号が送られ、圧縮機22の運転が開始される。このとき冷媒循環回路27が冷え切った状態の場合、圧縮機22が運転されてもサイクル全体の圧力および温度が定常状態に達していないために、水流路29からは給水温度に近い水が出てしまう。制御手段45は給湯開始後の所定時間(例えば3分間)は混合手段39の混合割合を例えば1:1として設定している。ここで、給水温度5℃、貯留温度80℃として、水流路29からの出口温度がまだ5℃とすると、混合手段39の出口温度は(80℃+5℃)/2で、42.5℃の出湯温度となる。給湯中の制御手段45では、負荷設定手段46において所要加熱量が算定され、この算定値に基づいて加熱制御手段48が圧縮機22の回転数を制御している。そして、圧縮機22から吐出され放熱器23および熱交換器24へ流入する高温高圧の冷媒ガスは、貯留タンク38の水を加熱しつつ、水流路29を流れる水を加熱する。そして、加熱された水は給湯回路a36、給湯回路34を経て給湯端末33から出湯する。一方、放熱器23と熱交換器24で冷却された冷媒は減圧手段25で減圧されて吸熱器26に流入し、ここで大気熱、太陽熱など自然エネルギーを吸熱して蒸発ガス化し、圧縮機22に戻る。そして、水流路29の出口温度は徐々に上昇するが、貯留タンク38内の貯留温度は入口管40から給水温度に近い冷水が流入されるため、貯留タンク38の出口温度は逆に徐々に低下する。したがって混合手段39の出口温度は、それぞれの流水が混合されて給湯の目標温度(例えば45℃)に近い温度を維持することができる。
【0057】
以上のように混合手段39の制御は、給湯開始直後に貯留タンク38からの湯を利用することによって、熱交換器24からの出湯遅れを補うように作用させる。なお、給湯開始時に熱交換器24の温度が冷めていない場合は、給湯温検知手段51から目標温度より高い値が出力される。この場合は混合割合を給湯回路a36側を多くして出湯温度が目標に近付くように調整する。
【0058】
給湯中の負荷設定手段46では、第2算定部56で算定する第2の所要加熱量を、給湯負荷から算定する。すなわち目標温度と給水温度との差に、流量検知手段49の検知する流量を乗じて給湯負荷を求め、これを第2の所要加熱量としている。これは、いわゆるフィードフォワードの制御量となるものである。優先選択手段47では負荷設定手段46で算出した給湯負荷を基に、混合手段39での混合割合を一方を優先するように制御する。
【0059】
例えば、優先選択手段47は温水供給側経路35を優先するように設定されており、給湯負荷が熱交換器24での最大加熱能力以下の場合は、給湯回路a36側の流量がほぼ100%になるように混合手段39を制御し、加熱制御手段48で出湯温度が給湯の目標温度となるよう制御するように指令する。具体的な温度制御方法は、負荷設定手段46の第1算定部55で第1の所要加熱量を、出湯温度と目標温度との偏差から公知のPID制御を用いて算定する。すなわち、出湯温度のフィードバック制御がおこなわれる。ここでの制御定数である比例ゲインや積分係数や微分係数は、制御の応答性と安定性を両立するための最適な値を予め設定しておく必要がある。
【0060】
なおフィードバック制御は、PI制御でもP制御でもファジーやニューロ制御でもよい。また、出湯温度と目標温度との偏差の変化速度から、第1の所要加熱量を判定してもよい。これは、給湯における流量や給水温度で給湯負荷が変ると、出湯温度と目標温度との偏差の変化速度に違いが表れる。たとえば、同じ加熱量の場合に流量が多ければ出湯温度の上昇は緩やかになり、流量が少なければ速やかになる。この速度変化と所要加熱量の相関を予め記憶させておき、出湯温度と目標温度との偏差の変化速度から所要加熱量を設定するもので、単に温度偏差だけで加熱量を制御する場合よりも安定に所要加熱量に制御する時間を短縮できる。さらに、第2算定部56で算定した前述の第2の所要加熱量も用いて、加算部26で第1の所要加熱量と第2の所要加熱量を加算して所要加熱量を求めている。この所要加熱量と熱交換器24の加熱量が一致するように加熱制御手段48は圧縮機22の回転数を設定制御する。
【0061】
このように、所要加熱量フィードバック制御を加味することによって、出湯温度を目標温度に正確に制御することができる。とくにPIDやPI制御のように積分要素を用いることにより、出湯温度をより目標温度にあわせることができる。また、比例制御要素を用いることで給湯開始直後などの出湯温度が低い場合に大能力で加熱制御するので応答性がよくなる。一方、フィードフォワード制御は、給湯の温度安定時における所要熱量であるので、熱量の過不足が少なく制御の安定性に優れている。また、給湯流量や給水温度が急変した場合には直ちに応答して加熱量を変更制御できるので、この点はフィードバック制御より応答性がよくしかも安定性がよい。そして、このフィードバック制御とフィードフォワード制御を加算して制御するので、それぞれの特徴が活かされ応答性がよくしかも安定性のよい制御が可能になる。
【0062】
一方、給湯負荷が熱交換器24での最大加熱能力を超える場合は、優先選択手段47が加熱制御手段48で制御する所要加熱量を熱交換器24での最大加熱能力に設定するとともに、負荷設定手段46で設定された所要加熱量と最大加熱能力との差を貯留タンク38からの熱量で補うように混合手段39を制御する。すなわち、優先選択手段47で出湯温度が給湯の目標温度となるよう混合手段39を制御するのである。この優先選択手段47による制御の特徴的な部分をフローチャートにして図2に示している。
【0063】
このように、混合手段39により温水供給側経路35に混合可能な蓄熱手段である貯留タンク38と、優先選択手段47とを設けたので、熱交換器での加熱量が不足していても不足分を補って加熱できる。また、加熱制御手段48による熱交換器24からの出湯温度制御に蓄熱手段が直接影響しないので制御性が良い。そして、優先選択手段47により温水供給側経路35での加熱を優先して行えるように混合手段39を制御し熱交換器24での加熱能力を十分に利用するので、貯留タンク38内の湯の利用を最小限にとどめることで蓄熱量不足の発生を防止し、蓄熱サイズを小さくすることができる。
【0064】
なお、優先選択手段47は算出した給湯負荷と熱交換器での最大加熱能力とを比較して判定したが、所要加熱量と最大加熱能力とを比較して判定しても良い。
【0065】
次に給湯停止中の動作について説明する。貯留タンク38は断熱材42で覆われているが、貯留温度は放熱により徐々に低下する。これを貯留温度検知手段52より検知し、貯留温度が下限温度(例えば75℃)より下がれば圧縮機22を低速で回転制御して、放熱器23により加熱して貯留タンク38内の温度を上昇させる。このとき、熱交換器24も加熱されるが、水流路29に流れがないので、熱交換器24が温まれば、それ以上熱を奪われなくなる。そして貯留温度が所定温度(例えば80℃)を超えたら圧縮機22の運転を停止する。このように貯留タンク38の温度を所定温度近くに保つように保温運転する。
【0066】
なお実施例1では放熱器23を貯留タンク38内部に設けたが、貯留タンク38の外周に放熱器を巻きつける等の外周に密着させて構成してもよい。また、貯留タンク38の保温を放熱器23ではなく、一般のヒータによって行っても良い。
【0067】
またここでは、加算部において第1の所要加熱量と第2の所要加熱量を加算して所要加熱量を求めているが、第1の所要加熱量をそのまま所要加熱量としてもよいし、逆に第2の所要加熱量をそのまま所要加熱量としてもよい。
【0068】
また、これらを加算せずに給湯時間経過や出湯温度に応じて切換えても良いし、第1の所要加熱量と第2の所要加熱量にそれぞれ係数を乗じて加算するようにしてもよい。
【0069】
さらに、第1の所要加熱量と第2の所要加熱量を単独で用いる場合と加算する場合を切換えてもよい。上記のように第1の所要加熱量と第2の所要加熱量の加算の組合わせや加算条件を変えることで給湯条件によっては、より制御の安定性や応答性が向上する場合がある。
【0070】
また、実施例1では第2算定部において第2の所要加熱量として演算する給湯負荷を、目標温度と給水温度との偏差に流量を乗じて求めていたが、概略の給湯負荷設定をするだけならば流量に所定の定数を乗じた推定値を用いてもよい。この場合、給湯負荷の計算精度は悪くなるが、水温検知手段と温度設定手段が不要になるので低コスト化できる。
【0071】
さらに、第2算定部における給湯負荷の演算を、給水温度と仮の目標温度の差に所定の定数を乗じた推定値を用いてもよい。この場合も、給湯負荷の計算精度は悪くなるが、流量検知手段と温度設定手段が不要になるので低コスト化できる。ただし、給湯開始を検知するための流量スイッチは必要になる。
【0072】
実施例1ではヒートポンプサイクルを、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルとしたが、もちろん一般の臨界圧力以下のヒートポンプサイクルでもよい。これは以下に述べる各実施例においても同様である。
【0073】
さらに、ここでは温水供給側経路35での加熱を優先して行う優先選択手段47を用いて説明したが、蓄熱手段37側を優先するものでも良く、この場合は温水供給側経路35での加熱を併用することで同様に蓄熱量不足を防止し蓄熱サイズの小型化が図れることに加えて、給湯停止中の深夜に蓄熱手段37に蓄熱する運転をすることで深夜電力を利用して電力の平準化が図れ、電気代が安くすむ。また、蓄熱量が所定値よりも少なくなると蓄熱運転を行うことで、蓄熱不足で給湯ができない、いわゆる湯切れの発生を防止することができる。
【0074】
また、蓄熱手段37は温水供給側経路35に複数設けても良い。
【0075】
(実施例2)
図3は本発明の実施例2におけるヒートポンプ給湯装置の構成図である。なお、実施例1の給湯装置と同一構造のものは同一符号を付与し、説明を省略する。
【0076】
図3において、実施例1の構成と異なるところは、給水管30から分岐する給水分岐間61を設けて水流路29と並列に配した蓄熱手段62を通るように構成し、また蓄熱手段62と熱交換器24の水流路29とを結ぶ循環路を形成するように循環水路63を設けた点にある。また、加熱制御手段48が圧縮機22を制御するだけでなく、減圧手段25の冷媒流路抵抗と、吸熱器26の吸熱量を制御するようにした点も異なる。そして、循環水路63には外力により循環水流を生じさせその流量を調節可能な水流手段である循環ポンプ64を設け、冷媒循環回路27を駆動して熱交換器24の水流路29の加熱を行い、この循環水路63および蓄熱手段62の循環水の温度を保って、蓄熱手段62を加熱保温するようにしている。また、給水分岐間61には開閉弁65が設けられている。ここで蓄熱手段62は、上下に入口管40と出口管41を配した貯留タンク66と、出口管41からの流水と水流路29からの流水を混合し給湯回路34に流出させる混合手段39とから成っている。循環水路63は、水流路29と混合手段39と貯留タンク66とをループ状に連通して構成している。
【0077】
以上の構成で、熱交換器24が冷え切った状態から給湯が開始されると、給水管30から冷水が水流路29と貯留タンク66に流入し、水流路29の出口から冷水と、貯留タンク66からの温水が混合手段39で混合され給湯回路34に出湯される。このとき給湯温検知手段51の検知温度によって混合手段39の開度を決定するので、給湯回路34に出湯される温度は目標温度に制御できる。そして、熱交換器24の加熱量が増加してきた場合は、給湯温検知手段51の検出温度によって貯留タンク66からの出湯割合が減少し、その後優先選択手段47が混合手段39を制御することによって、給湯負荷が熱交換器24での最大加熱能力以下の場合は貯留タンク66からの出湯を停止し、給湯負荷が熱交換器24での最大加熱能力を超える場合は負荷設定手段46で設定された所要加熱量と熱交換器24での最大加熱能力との差を補うように貯留タンク66から出湯するとともに、加熱制御手段48が熱交換器24で最大加熱能力となるよう制御する。
【0078】
加熱制御手段48による加熱量の制御は以下のように行う。減圧手段25は絞り弁(図示せず)と、この絞り弁を駆動するステッピングモータ(図示せず)によりなり、絞り弁の駆動によって冷媒流路抵抗を変更することができる。そして、加熱制御手段48は、予め減圧手段25の冷媒流路抵抗と熱交換器24での加熱量の関係を定め、負荷設定手段46で設定された所要加熱量になるように冷媒流路抵抗を制御するもので、高温の出湯が必要であったり、外気温度が低いなどで加熱量が不足した場合など、冷媒流路抵抗を大きくすることで熱交換器の加熱量を所要加熱量が確保するように作用する。
【0079】
なお、通常の給湯使用状態において、冷媒流路28と水流路29との温度差が小さくなるほどヒートポンプサイクルの効率が良くなるので、水温検知手段50の検知する給水温度に応じて、熱交換器24での所要加熱量を確保して、最も冷媒流路28と水流路29との温度差が小さくなるように減圧手段25の冷媒流路抵抗を制御すると、効率のよい運転が可能となる。
【0080】
吸熱器26の吸熱量は、ファン67のモータ68の回転数を変更して、吸熱器26への送風量を変更することにより制御する。加熱制御手段48は、予めファン67の風量と熱交換器24での加熱量の関係を定め、設定された所要加熱量になるようにファン67の風量を制御するもので、給湯負荷が極端に小さく熱交換器24の所要加熱量が小さすぎて圧縮機22の回転数制御などでは絞りきれない場合などにファン67の風量を減少させることにより熱交換器24の加熱量を減少させて所要加熱量に制御することが可能である。また、圧縮機22の最大回転数でも加熱量が不足する場合には、ファン67の風量を上げて熱交換器24の加熱量を増加させて所要加熱量に制御することも可能である。
【0081】
このようにして、ヒートポンプサイクルの効率も良く、熱交換器24で最大加熱能力を十分に発生することができるので、さらに蓄熱サイズの小型化を図ることができる。
【0082】
給湯が停止した場合は、貯留タンク66内は出湯により蓄熱量は下がっている。ここで、制御手段45は、まず混合手段39を混合状態に戻し、貯留温度検知手段52により貯留温度の低下(例えば75℃以下)を検知したら、冷媒循環回路27を駆動し、圧縮機22を所定の回転数で運転し、循環ポンプ64を駆動する。これにより高温高圧の冷媒が冷媒流路28に流れ、水流路29を加熱し、強制的に生じさせた水流で循環水路64を流れてきた水がここで加熱される。そして、貯留タンク66内の温度が上昇して、貯留温度検知手段52の検知温度が所定温度(例えば80℃)を超えれば冷媒循環回路27の運転を停止する。この運転停止の繰り返しで蓄熱手段62と循環水路63の循環水は保温される。
【0083】
以上の実施例2の構成によれば、循環ポンプ64により循環水路63で強制的に水流を生じさせるので流量を多くして保温時の加熱量を大きくでき、貯留タンク66が冷えたときでも短時間で所定温度に戻すことができる。また、流量調節も可能なので保温加熱時の温度制御性が良く、循環水路63の熱が熱交換器を暖めるので冷媒循環回路27の立ち上がりも早い。さらに、循環水路63の保温をヒートポンプにより行うので、ヒータなどに比べ効率が良く、また保温時に冷媒循環回路27が駆動するので、冷媒循環回路自体の立上りも一層早くなる。
【0084】
実施例2では保温手段Bとして、冷媒循環回路27を駆動して熱交換器24の水流路29の加熱により、循環水路63に自然対流を発生させ加熱保温するようにしたが、循環水路63を直接ヒータで加熱してもよいし、貯留タンク66を潜熱蓄熱材等の蓄熱材を満たした容器とし給水分岐間61と循環水路63とをそれぞれ通すような構成の蓄熱手段にしても良い。
【0085】
(実施例3)
図4は本発明の実施例3におけるヒートポンプ給湯装置の構成図である。なお、実施例1および2の給湯装置と同一構造のものは同一符号を付与し、説明を省略する。
【0086】
図4において、実施例1および2の構成と異なるところは、冷媒循環回路27に3台の圧縮機22a、22b、22cを並列に設け、加熱制御手段48がこの圧縮機22a、22b、22cの台数制御および回転数制御するようにした点である。実施例3では圧縮機22aを回転数制御して、微妙な加熱能力制御を行い、圧縮機22bおよび22cはオンオフ制御を行い、シャワーや風呂の湯張りなどの給湯負荷に大能力が要求される場合は、圧縮機を2台または3台で運転し、夏場での台所での食器洗いなど給湯負荷が極端に少ない場合には、圧縮機22a単独運転とすることで、大幅な給湯負荷の変化に対応できる。
【0087】
なお、圧縮機の台数は2台でもよいし、3台以上でも同様の効果が得られる。また、複数台の圧縮機を全て回転数制御して、台数切換えをスムーズに制御してもよい。さらに、圧縮機を直列に接続して、吐出圧力を制御してもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ヒートポンプサイクルの大きさを抑えても十分な給湯能力があり、制御性が良く、蓄熱手段の利用を最小限にとどめて蓄熱サイズを小さくすることができるヒートポンプ給湯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図2】 本発明の実施例1におけるヒートポンプ給湯装置の制御を示すフローチャート
【図3】 本発明の実施例2におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図4】 本発明の実施例3におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図5】 従来のヒートポンプ給湯装置の構成図
【符号の説明】
22、22a、22b、22c 圧縮機
24 熱交換器
25 減圧手段
26 吸熱器
27 冷媒循環回路
28 冷媒流路
29 水流路
30 給水管
33 給湯端末
34 給湯回路
35 温水供給側経路
37 62 蓄熱手段
38、66 貯留タンク
39 混合手段
46 負荷設定手段
48 加熱制御手段
49 流量検知手段
50 水温検知手段
51 給湯温検知手段
53 気温検知手段
54 温度設定手段
63 循環水路
64 循環ポンプ(水流手段)
66 流量調節手段

Claims (15)

  1. 圧縮機と熱交換器と減圧手段と吸熱器とを含む冷媒循環回路と、前記熱交換器の冷媒流路と熱交換を行う前記熱交換器内の水流路と、前記水流路に水道水を供給する給水管と、前記水流路から給湯端末へと通水するように接続する給湯回路と、前記給水管と水流路と給湯回路とで構成される温水供給側経路の水を加熱するように設けた蓄熱手段と、前記温水供給側経路の流水と前記蓄熱手段により加熱される水とを混合する混合手段とを備え、前記混合手段において前記温水供給側経路の流水と蓄熱手段からの流水のどちらか一方を優先するよう制御するとともに、前記給湯端末から給湯開始後の所定時間は、前記温水供給側経路の流水と前記蓄熱手段からの流水とを混合するように構成したことを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
  2. 熱交換器での所要加熱量を設定する負荷設定手段と、前記負荷設定手段の設定値に応じて前記熱交換器の加熱量を制御する加熱制御手段とを備え、混合手段において温水供給側経路の流水を優先するよう制御し、前記加熱制御手段は負荷設定値が冷媒循環回路の加熱能力を超える場合に前記熱交換器の加熱量を最大に制御するとともに、蓄熱手段により加熱される流水を混合して給湯するように混合手段を制御する請求項1記載のヒートポンプ給湯装置。
  3. 蓄熱手段は、蓄熱温度を給湯温度より高温にした請求項1または2記載のヒートポンプ給湯装置。
  4. 蓄熱手段は、水を貯留する貯留タンクとした請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  5. 熱交換器の水流路と蓄熱手段とを環状に接続する循環水路と、外力により循環水路に循環水流を生じさせその流量を調節できる水流手段とを備え、水流手段を駆動して熱交換器の水流路に通水し冷媒循環回路を運転して蓄熱手段の蓄熱温度を所定温度に保つ請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  6. 給湯回路の流量を検出する流量検知手段を設け、負荷設定手段は前記流量検知手段の検出値を基に所要加熱量を求める請求項2〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  7. 給水管の給水温度を検出する水温検知手段を設け、負荷設定手段は前記水温検知手段の検出値を基に所要加熱量を求める請求項2〜6のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  8. 給水管の給水温度を検出する水温検知手段と、給湯の目標温度を設定する温度設定手段と、給湯回路の流量を検出する流量検知手段とを設け、負荷設定手段は前記水温検知手段と温度設定手段と流量検知手段の値から所要加熱量を算定する請求項2〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  9. 水流路の出湯温度を検出する給湯温検知手段と、給湯の目標温度を設定する温度設定手段とを設け、負荷設定手段は前記出湯温度と目標温度との偏差から所要加熱量を算定する請求項2〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  10. 加熱制御手段は、圧縮機の回転数を制御する請求項2〜9のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  11. 冷媒循環回路に複数の圧縮機を備え、加熱制御手段は、前記圧縮機の台数を制御する請求項2〜10のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  12. 加熱制御手段は、減圧手段の冷媒流路抵抗を制御する請求項2〜11のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  13. 加熱制御手段は、吸熱器の吸熱量を制御する請求項2〜12のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  14. 気温を検出する気温検知手段を設け、加熱制御手段は前記気温検知手段の検出値に応じて冷媒循環回路の運転条件を変更して熱交換器の加熱量を制御する請求項2〜13のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  15. 冷媒循環回路は、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界冷媒循環回路であり、前記臨界圧力以上に昇圧された冷媒により熱交換器の水流路の流水を加熱する請求項1〜14のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
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