JP3664168B2 - ヒートポンプ式給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプサイクルにより水を加熱するヒートポンプ式給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヒートポンプ式給湯装置は、出湯流量が閾値を超えた時に圧縮機を運転させる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、特許文献1に記載された従来のヒートポンプ式給湯装置である。図3において圧縮機1、放熱器である熱交換器2、減圧手段3、吸熱器4でヒートポンプサイクルを形成している。5は吸熱器に空気を供給する送風手段である。熱交換器2に給水管6、出湯管7を設け、出湯管7の末端にシャワーや蛇口等の給湯端末8が設けている。また出湯管7に流量スイッチ9を設け、この流量スイッチ9の信号で接点10が動作する。11は装置の主スイッチである。
【0004】
上記構成において、主スイッチ11が閉の時、給湯端末8より流量スイッチの閾値を超えて出水すると、流量スイッチ9が接点10に閉の信号を出して接点10が閉となり、圧縮機1、送風手段5に電圧が印加されて、圧縮機1、送風手段5が動作する。ヒートポンプサイクルを循環する冷媒は吸熱器4にて空気より吸熱し、熱交換器2にて給水管6より流入する水に放熱する。そして加熱された水が給湯端末8より出湯する。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−233254号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のヒートポンプ式給湯装置は、ヒートポンプサイクルの加熱能力すなわち熱交換器2の加熱能力可変範囲に制限があるため、特に給水温度の高い夏において水流量が低下すると、給湯端末より出湯する温度が高くなり過ぎ、希望する温度の出湯が得られない課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、蛇口等の給湯端末からの出湯流量を検知する流量検知手段と、湯を貯留する貯湯手段と、圧縮機と貯湯手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は前記流量検知手段の検知流量が閾値以下の時に前記圧縮機を動作させずに前記貯湯手段より出湯させている。
【0008】
これによって、熱交換器の最小加熱能力以下の能力でも給湯端末より出湯でき、特に給水温度の高い夏の小流量出湯においても、希望する温度で給湯端末より出湯することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルと湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器と接続され、湯を貯湯する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、給湯端末の負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記ヒートポンプサイクルの運転開始直後 は、少なくとも前記貯湯手段から出湯し、前記熱交換器の出口温度に応じて、前記熱交換器からの湯水を優先して出湯するように前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0010】
そして、給湯端末から出水して圧縮機が起動し、熱交換器が定常加熱能力となるまで、熱交換器からの冷水に貯湯手段からの湯を混合することができるため、給湯端末から希望の温度で出湯するまでの時間をガス瞬間給湯装置並みに短縮できる。また熱交換器からの出湯に貯湯手段からの出湯を加えて、給湯端末から大流量の出湯を行うこともできる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器と接続され、湯を貯湯する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、給湯端末の負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記負荷が前記熱交換器の最大加熱能力を超えた場合は、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合して出湯するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記ヒートポンプサイクルの運転開始直後は、少なくとも前記貯湯手段から出湯し、前記熱交換器の出口温度に応じて、前記熱交換器からの湯水を優先して出湯するように前記湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記流量検知手段からの検知流量により前記熱交換器の最大加熱能力を超えたと判断した場合は、前記熱交換器と貯湯手段からの湯水を混合して出湯するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記流量検知手段の検知流量が所定の閾値以下の場合は、前記圧縮機を動作させずに、少なくとも前記貯湯手段から湯水を出湯させるよう前記湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0015】
そして、熱交換器の水流量が閾値以下のときは圧縮機を起動させずに貯湯手段より出湯させるので、熱交換器の最小加熱能力以下の能力でも給湯端末より出湯でき、特に給水温度の高い夏の小流量出湯においても、希望する温度で給湯端末より出湯することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、気温を検知する検知手段を備え、制御手段は、前記気温検知手段の検知気温が高くなるほど、閾値が大きくなるように可変することを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に基づく積算流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯水を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記熱交換器への給水温度を検知する給水温度検知手段と、前記浴槽及び/又は給湯端末への出湯温度を設定する出湯温度設定手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量と前記給水温度検知手段の検知給水温度と出湯温度設定手段の設定出湯温度で算出される給湯負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記ヒートポンプサイクルの運転開始直後は、少なくとも貯湯手段から出湯し、熱交換器の出口温度に応じて、前記熱交換器からの湯水を優先して出湯するように湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯水を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記熱交換器への給水温度を検知する給水温度検知手段と、前記浴槽及び/又は給湯端末への出湯温度を設定する出湯温度設定手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量と前記給水温度検知手段の検知給水温度と出湯温度設定手段の設定出湯温度で算出される給湯負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、給湯負荷により給湯熱交換機の最大加熱能力を超えたと判断した場合は、熱交換器と貯湯手段からの湯水を混合して出湯するよう湯混合手段を制御することを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯水を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記熱交換器への給水温度を検知する給水温度検知手段と、前記浴槽及び/又は給湯端末への出湯温度を設定する出湯温度設定手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量と前記給水温度検知手段の検知給水温度と出湯温度設定手段の設定出湯温度で算出される給湯負荷に応じて 、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、給湯負荷が所定の閾値より大きい場合は、圧縮機を動作させ、熱交換器からの湯水と貯湯手段からの湯水を混合して出湯することを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、気温を検知する検知手段を備え、制御手段は、前記気温検知手段の検知気温が高くなるほど、閾値が大きくなるように可変することを特徴とする。
【0022】
そして、気温で変化する熱交換器の最小加熱能力に対応して閾値を可変するため、気温に関係なく給湯端末より希望温度で出湯できる。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至1のいずれか1項に記載の発明において、圧縮機は、複数の圧縮機から構成されることを特徴とする。
【0024】
そして、圧縮機の運転台数を可変することができるので、小流量から大流量まで幅広い流量にて給湯端末より希望温度で出湯できる。
【0025】
請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2いずれか1項に記載の発明において、ヒートポンプサイクルは、放熱器に流入する冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルとしている。
【0026】
そして、放熱器に流入する冷媒の圧力が臨界圧力以上に加圧されているので、熱交換器の給湯水流路の流水により冷媒が熱を奪われて温度低下しても凝縮することがなく、熱交換器全域で冷媒と水との温度差を大きくできる。これにより、熱交換器から効率よく高温出水できるとともに、貯湯手段の蓄熱密度を大きくして、貯湯手段を小型化でき、装置を小型化できる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0028】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例における構成模式図、図2は同ヒートポンプ式給湯装置の斜視図である。
【0029】
図1〜図2において、21は貯湯手段であり、湯を貯留する貯湯タンクとしている。22はヒートポンプ熱源となるヒートポンプサイクルであり、ヒートポンプサイクル22は、冷媒配管により圧縮機23、風呂放熱器24、第1減圧手段25、給湯放熱器26、第2減圧手段27、吸熱器28が環状閉回路に接続されて構成されている。
【0030】
このヒートポンプサイクル22は、例えば炭酸ガスを冷媒として使用し、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧以上となる超臨界ヒートポンプサイクルを使用している。その他に、オゾン破壊係数の低いHFC冷媒や、ノンフロンガス(例えばハイドロカーボン冷媒)を冷媒として用いることも可能である。
【0031】
そして圧縮機23は、内蔵する電動モーター(図示しない)によって駆動され、吸引した冷媒を超臨界圧力まで圧縮して吐出する。また、風呂放熱器24の風呂冷媒流路29と熱交換を行う風呂水流路30とで構成される風呂熱交換器31と、給湯放熱器26の給湯冷媒流路32と熱交換を行う給湯水流路33とで構成される給湯熱交換器34とを備えている。
【0032】
給湯水流路33の入口側には、水道を直結して水道水を直接供給する給湯給水管35が接続され、途中に設けられた逆止手段である逆止弁36の順方向に水道水が給湯給水管35を通って給湯水流路33に流れるようになっている。給湯水流路33の出口は水流路出口管A37と水流路出口管B38に分岐し、水流路出口管A37は風呂蛇口39やシャワー40、台所蛇口41等の給湯端末42から出湯される湯を供給する第1給湯管43に接続される。水流路出口管B38は途中に開閉手段である貯湯開閉弁44を有し、貯湯手段21の内部略天部の吐水部45に設けられた拡散手段であるノズル46に接続されて、給湯水流路33で加熱された湯を貯湯する貯湯管の役目を行う。
【0033】
給湯給水管35の逆止弁36上流からは非通電時は開である給水開閉弁47を有するタンク給水管48が分岐しており、貯湯手段21の底部に水道水を供給するように接続されている。タンク給水管48の給水開閉弁47下流側と給湯給水管35の間は水循環手段となる循環ポンプ49で接続され、循環ポンプ49が逆止弁36と並列になるように配置されている。そして貯湯手段21内部の底部から僅かに突出したタンク給水管48の先端近傍が吸水部50となり、この吸水部50から順にタンク給水管48、循環ポンプ49、給湯給水管35、給湯水流路33を経て水流路出口管B38の貯湯開閉弁44を通り、吐水部45に設けられたノズル46に至る貯湯加熱用の循環路51が形成されている。
【0034】
一方、貯湯手段21内部のタンク給水管48先端から少し上方には、上向流阻止手段であるバッフル板52が設けられているとともに、貯湯手段21天部には貯められている給湯用水を出湯する第2給湯管53が接続されて給湯端末42に繋がっている。
【0035】
54は浴槽であり、風呂熱交換器31の風呂水流路30の入口側とこの浴槽54とが、風呂循環手段である風呂ポンプ55を有する風呂戻り管56で接続され、風呂水流路30の出口側と浴槽54が風呂往き管57で接続されることで風呂循環路58を形成している。ここで風呂ポンプ55には直流モーターが使用されている。また、第1給湯管43と第2給湯管53は湯混合手段59において合流し第3給湯管60に流れ、さらに水道水を混合するための混合水管61と第3給湯管60とが水道水混合手段62において合流し、給湯端末42が接続される第4給湯管63に流れるように構成されているとともに、浴槽54に「湯張り」または「差し湯」と称する湯を給湯する動作を行うための風呂注湯路64が、第4給湯管63と風呂循環路58との間に接続されて設けられ、この風呂注湯路64には給湯する湯の量を調節するための流量可変手段となる注湯弁65を備えている。
【0036】
貯湯手段21は、断熱材21aで覆われており、その大きさは、使用者の給湯使用量の最大値である最大負荷を想定し、給湯熱交換器34での最大加熱能力と貯湯手段21での貯湯量を併用して最大給湯負荷に不足無く対応して給湯できるだけの貯湯量としたものである。
【0037】
ヒートポンプサイクル22においては、2つの並列な圧縮機23の出口と給湯放熱器26入口とを接続する給湯弁66が、圧縮機23出口と吸熱器28入口とを接続する除霜弁67が設けられて、それぞれのバイパス経路への流れを調節する働きをしている。
【0038】
71はCPU、メモリ、入出力インターフェース等を有するマイクロコンピュータ(図示せず)を用いて構成された制御手段である。給湯給水管35の最も上流には給水温度検知手段73が設けられ、給湯水流路33の入口側には給湯熱交換器34への給水温度を検出する入口温度検知手段74が、出口側には出口温度検知手段75が設けられている。また水道水混合手段62下流の第4給湯管63には給湯端末42への給湯温度を検出する出湯温度検知手段76が設けられている。第4給湯管63には別に給湯端末42への給湯流量が検出できる流量検知手段77も設けられている。貯湯手段21の壁面には、その天部に貯湯手段21内の湯温を検出する温度検知手段である貯湯温度検知手段78が設けられているとともに、さらに温度検知手段である3個のサーミスタが、残湯第1検知手段79、残湯第2検知手段80、残湯第3検知手段81として、図における上部から下部に向かって所定の間隔を置いて配置され、各位置の湯温を検出している。
【0039】
風呂戻り管56には浴槽54の湯温を測定するための風呂温度検知手段82と、浴槽54の水位を検知する水位検知手段83と、風呂ポンプ55の運転による流れが検出できる風呂流量検知手段84が設けられ、風呂水流路30の出口近傍の風呂往き管57には風呂出口温度検知手段85が備えられている。86は吸熱器28近傍に設けた気温を検出する気温検知手段、87は圧縮機23のシェル温度を検出するシェル温度検知手段である。
【0040】
88は制御手段71と電気的に接続されて給湯の目標温度を設定する温度設定手段で、使用者が任意に温度を設定する。湯張り設定手段89も制御手段71と電気的に接続され、浴槽54に自動で湯を張る運転を使用者が開始設定するために設けられたものである。また風呂追焚き設定手段90も制御手段71と電気的に接続され、使用者が風呂追焚きの開始設定するために設けられたものである。
【0041】
吸熱器28は炭酸ガス冷媒が流れるチューブにフィンを設けた構成のフィンチューブ型熱交換器と称される形状に形成されており、ヒートポンプサイクル上で蒸発器として作用し、大気熱と熱交換して吸熱するものである。吸熱器28は水平方向の断面をU字型とし、U字の開口面を正面に向けて配置している。またU字の開口面に送風手段91を対向配置している。この吸熱器28は幅方向を略Uの字状に曲げられて幅寸法が短縮するように形成されている。吸熱器28以外のヒートポンプサイクルを構成する他の要素と貯湯手段21と水が流れる部品である通水要素とで第1区画92を構成する。一方、送風手段91と吸熱器28で第2区画93を構成しており、第1区画92の上に第2区画93を段積みしている。第1区画92の主な通水要素としては、貯湯手段21、風呂熱交換器31、給湯熱交換器34、循環ポンプ49、風呂ポンプ55などがあり、これらが固定されている通水要素ベース94よりも一段上方に2台の圧縮機23を固定する圧縮機ベース95が配置されている。また、制御手段71が収納される制御基板96は圧縮機ベース95よりも上方に配置されている。
【0042】
以上の構成において、その動作、作用について説明する。図1、図2に示す実施例のヒートポンプ給湯機において、その運転動作は「給湯運転」、「湯張り運転」、「風呂追焚き運転」、「貯湯運転」、「除霜運転」といった少なくとも5つの運転モードがある。
【0043】
まず、使用者がお湯を蛇口等の給湯端末から出湯させて使用する「給湯運転」について説明する。図1に示す貯湯手段21に高温湯が貯留され、給水開閉弁47が開弁し貯湯開閉弁44と注湯弁65が閉弁した状態において、使用者が出湯温度設定手段88により給湯温度を42℃等の適温に設定し、台所蛇口41などの給湯端末42が開くと、給湯給水管35から水道水が水圧により流れ込み始め、第4給湯管63内の水も水圧で押されて給湯端末42から出る水流が生じる。給湯端末42での水流量が閾値を超えたことを流量検知手段77が検知すると、制御手段71により給湯弁66を開弁し2台の圧縮機23と送風手段91の運転を行う給湯運転が開始される。
【0044】
圧縮機23から吐出され給湯放熱器26へ流入する高温高圧の冷媒ガスは、給湯水流路33を流れる水を加熱する。加熱された水は第1給湯管43を経て給湯端末42から出湯する。一方、給湯放熱器26で冷却された冷媒は第2減圧手段27で減圧されて吸熱器28に流入し、送風手段91により供給される空気の熱や太陽熱など自然エネルギーを吸熱して蒸発ガス化し、圧縮機23に戻る。吸熱器28にて発生したドレーン水は第2区画93の底部に滴下し、ドレーン配管(図示せず)により装置外に排出される。
【0045】
ヒートポンプサイクル22が冷え切った状態の場合、圧縮機23が運転されてもサイクル全体の圧力および温度が定常状態に達して給湯熱交換器34の加熱能力が定常時の能力に達するのに時間がかかり、圧縮機23や給湯熱交換器34の熱容量もあるために、しばらくの間給湯水流路33からは加熱不足で給水温度に近い水が出てしまう。そうならないために、出湯温度設定手段88が使用者に設定されたことで給湯使用が近いと制御手段71が判定すると、圧縮機23を間欠的に運転したり、圧縮機23内の電動モーターが回転しない程度に微小電流を流して暖機運転をして待機しておくこともできる。
【0046】
それでもヒートポンプサイクル22が冷えている場合、制御手段71は給湯水流路33出口の出口温度検知手段75やシェル温度検知手段87の信号に基づいて判定し、湯混合手段59の初期状態として第1給湯管43と第2給湯管53を流れる流量が例えば同量で混合する位置に設定する。ここで、給水温度5℃、貯湯温度80℃として、給湯水流路33からの出口温度がまだ5℃とすると、出湯温度検知手段76部での温度はおよそ(80℃+5℃)/2で、42.5℃の出湯温度となる。このようにして給湯端末42から設定温度で出湯するまでの時間をガス瞬間給湯装置並みに短縮できる。運転開始からしばらくすると、冷媒系も十分に温度上昇して給湯水流路33の出口温度は上昇し、出口温度が設定温度に到達すると制御手段71は湯混合手段59を制御して第1給湯管43からの通水を優先し、可能な限り第2給湯管53からの通水を閉止状態にし、制御手段71が圧縮機23の回転数と運転台数、第2減圧手段27での減圧度を制御して出口温度検知手段75の出力する出湯温度が設定温度になるようにする。
【0047】
しかしながら風呂蛇口35等の一つが開けられて大量に出湯した場合や、二つ以上の給湯端末42から同時に出湯した場合のように給湯負荷が給湯熱交換器34での最大加熱能力を超え、圧縮機23を最大能力で運転しても設定温度に到達しないような場合は、制御手段71が圧縮機23を最大回転数で運転して給湯熱交換器34での最大加熱能力に設定するとともに、出湯温度検知手段76の検知温度が設定温度となるように、湯混合手段59および水道水混合手段62を制御して給湯熱交換器34からの湯、貯湯手段21からの湯および、混合水管61からの水道水の混合量を制御する。このようにして給湯熱交換器34の最大加熱能力以上の給湯負荷で出湯することが可能となる。なお上述した給湯負荷とは出湯温度設定手段88の設定出湯温度から給水温度検知手段73の検知給水温度を減じたものに流量検知手段77の検知流量を乗じたものである。
【0048】
ところで出湯が台所蛇口37などの小流量が主の場合、特に給水温度の高い夏においては、圧縮機23の運転台数を1台にして最低回転数で運転しても給湯負荷が給湯熱交換器34の最小加熱能力より小さくなる場合がある。このようなときには設定した出湯温度よりも高い温度で出湯されてしまう。これを防止するために給湯端末42からの出湯流量を流量検知手段77で検知し、検知流量が閾値以下のとき制御手段71は圧縮機23を起動させず、湯混合手段59を制御して給湯熱交換器34より出水する冷水に貯湯手段21の湯を混合して出湯させる。
【0049】
ここで気温が高くなるほど吸熱器28の吸熱能力が増大するため給湯熱交換器34の最小加熱能力は大きくなり、また給水温度も高くなるため出湯温度が高くなり過ぎる恐れがある。これを防止するため制御手段71は気温検知手段86の検知気温が高くなるほど、前述閾値が大きくなるよう可変している。つまり、閾値は流量が変化しても給水温度が一定幅に収まるように圧縮機を動作させるか否かをコントロールするものであり、圧縮機の能力や外部温度、配水管の径などの要因によって左右されるものである。
【0050】
このようにして給湯熱交換器34の最小加熱能力以下の能力でも給湯端末より出湯でき、特に給水温度の高い夏の小流量出湯においても、希望する温度で給湯端末より出湯することができる。
【0051】
このように、使用者が要求する給湯流量に対して、水道水を給湯熱交換器34で瞬間加熱して第1給湯管43から給湯するのとは別に、貯湯手段21に貯めた湯を第2給湯管53から出湯して足し合わせるので、ヒートポンプサイクルによる給湯熱交換器34での瞬間加熱量が不足していても、不足分を補って貯湯手段21から湯量を加えることができ、給湯熱交換器34での加熱能力を大幅に大能力化しなくても良い。また従来のヒートポンプ式給湯装置では水を60℃以上に加熱するが、本発明では42℃程度に加熱した水を直接出湯させるのでいわゆるCOPが従来よりも大きくなり省エネにも効果的である。
【0052】
一方、タンクを有しない構成においては、瞬間加熱のみで給湯できるように給湯熱交換器を大能力化して大熱量を熱交換できるようにすると、伝熱面積の確保のために水流路の流路長が長くなったりして流路抵抗が増大し、大流量の水を流通させにくくなる。また、貯湯手段21を有する本発明の構成でも、貯湯手段21を小容量化するために給湯熱交換器34をある程度大能力化すると、同様に流路抵抗の増大が生じやすい。そして、貯湯手段21と給湯水流路33との間は循環路51により接続されているので、給湯運転中の貯湯手段21と給湯水流路33にかかる水圧はほぼ等しくなり、貯湯手段21の耐水圧の点から給湯水流路33への給水圧を低く抑える必要があり、低い給水圧では流路抵抗により一層十分な流量が得られなくなる。
【0053】
しかしながら大流量の給湯が必要なときに、給湯水流路33につながる第1給湯管43と、貯湯手段21につながる第2給湯管53とから、それぞれからの湯を並列に同時出湯するので大流量の給湯が可能となり、大負荷や大流量への対応とヒートポンプ熱源やタンクの小型化との両立が同時出湯により実現できる。また、貯湯手段21に深夜貯湯して第2給湯管53からのみ出湯するわけではないので、一日の給湯量のすべてを賄うような大型のタンクは必要なく、ヒートポンプ熱源とタンク双方の小型化が図れて省スペース化できる。
【0054】
次に、使用者が設定することで浴槽に自動でお湯を張ったり少量の湯を差し湯する「湯張り運転」について説明する。使用者が湯張り設定手段89を操作して湯張り運転を開始許可すると、除霜弁67が閉弁した状態で制御手段71は給湯弁66を開き、流量検知手段77が浴槽54への湯張り流量が閾値以上であることを検知すると、2台の圧縮機23と送風手段91の運転を行うとともに、給水開閉弁47が開弁し貯湯開閉弁44が閉弁した状態で注湯弁65を開弁し湯張り運転が開始される。すると、給湯給水管35から分岐したタンク給水管48を流れる水の給水圧によって、貯湯手段21内に貯溜された高温の温湯が押し上げられ、第2給湯管53を通って湯混合手段59に達する。同時に、給湯給水管35から給湯水流路33を経て第1給湯管43に流通する温湯も湯混合手段59に流入し、ここで二方からの温湯が一定の割合で混合される。そして混合された温湯は第3給湯管60を通って水道水混合手段62に流入するとともに、水道水が混合水管61から水道水混合手段62に流入し、ここで水と温湯が一定の割合で混合され、水道水混合手段62の流出側から第4給湯管63を通り風呂注湯路64の注湯弁65を介して、風呂戻り管56と風呂往き管57を流通して浴槽54に供給される。風呂温度検知手段82と水位検知手段83の信号により浴槽54内に所定温度で所定量の湯が供給されたことを検出すると、制御手段71は湯張り運転を終了する。ここでは、流量検知手段77の信号に基づき積算流量を演算して湯張り量を決めてもよい。
【0055】
さらに、上記ヒートポンプ式給湯装置における「風呂追焚き運転」について説明する。風呂追焚き設定手段90により浴槽54の追焚きをする場合、制御手段71は注湯弁65を閉止した後、風呂ポンプ55を駆動させて浴槽の水を風呂循環路58に循環させるとともに、浴槽水の循環を風呂流量検知手段84で検出し、検出水流量が閾値以上であると給湯弁66と除霜弁67が閉じた状態で2台の圧縮機23と送風手段91の運転を行って風呂追焚き運転が開始される。風呂ポンプ55により浴槽水が風呂戻り管56から風呂熱交換器31に送水されると、風呂水流路30で風呂冷媒流路29と熱交換が行われ、浴槽水は加熱されて風呂往き管57を通り再び浴槽54に戻される。この間、風呂温度検知手段82によって風呂水温が検出され、風呂水温が目標温度に達するまで循環が続けられる。
【0056】
給湯運転中に風呂追焚き設定手段90の操作があった場合、あるいは風呂追焚き運転中に給湯端末42の使用があった場合、すなわち「給湯運転」と「風呂追焚き運転」の同時運転の要求があった場合、制御手段71は「風呂追焚き運転」と同様の動作を行う。このとき、給湯弁66と除霜弁67が閉じた状態であるのでヒートポンプサイクル22では、風呂放熱器24と給湯放熱器26との両方に冷媒が流れており、高圧側減圧手段である第1減圧手段25と低圧側減圧手段である第2減圧手段27の両方を制御手段71が調節することで、風呂熱交換器31と給湯熱交換器34の各通流冷媒の温度条件を個別に設定可能となるので、給湯と風呂追焚きの同時運転が可能となる。また、風呂ポンプ55には直流モーターを用いているので、風呂水流路31を流れる浴槽水の流量をきめ細かに効率よく調節することができる。したがって、制御手段71は冷媒側の条件だけでなく風呂熱交換器31を流通する浴槽水の条件を変化させることができ、給湯熱交換器34と風呂熱交換器31のそれぞれの熱交換条件をより一層きめ細かく設定できるので、給湯と風呂追焚きの同時運転が容易となる。また、直流モーターを用いてその回転数を変化させ水流量を可変するので高い消費電力効率で水流量を変化させることができ、効率がよくCOPの高い風呂追焚き運転が可能となる。よって、効率と利便性のよい小型省スペースのヒートポンプ給湯装置が実現できる。
【0057】
さらに、上記ヒートポンプ式給湯装置における「除霜運転」について説明する。吸熱器28が大気熱や太陽熱を吸熱する構成の場合、吸熱器周辺の空気温度が低温(例えば10℃未満)であると、吸熱器28に霜付きが発生する。霜付きが生じた場合に制御手段71は、ヒートポンプサイクル22の除霜弁67を開き、圧縮機23を所定の回転数で運転する。これにより高温高圧の冷媒が除霜弁67を通って吸熱器28に流れ、吸熱器28を加熱することで氷結していた霜が溶けて除霜が可能となる。
【0058】
この除霜運転においては、吸熱器28の温度を検出する吸熱器温度検知手段(図示しない)等を用いて、吸熱器28の温度が所定温度以下に低下したことを検出した場合や給湯運転が停止した直後の場合など、制御手段71に設定された種々の条件によって運転開始され、吸熱器28の温度が所定温度以上に上昇した場合や、所定時間経過した場合などに運転停止される。
【0059】
さらに、上記ヒートポンプ式給湯装置における貯湯手段21の湯沸かしを行う「貯湯運転」について説明する。給湯運転後は、貯湯手段21内は出湯により貯湯量(高温湯量)が減少している。また、貯湯手段21は断熱材21aで覆われているが、貯湯温度は放熱により徐々に低下する。これらの場合に制御手段71は、ヒートポンプサイクル22の除霜弁67が閉弁した状態で給湯弁66を開き、水系統回路の注湯弁65が閉じた状態で貯湯開閉弁44を開く。そして、圧縮機23を所定の回転数で運転するとともに第2減圧手段27を所定の減圧度に設定し、循環ポンプ49を駆動する。これにより高温高圧の冷媒が給湯弁66を通って給湯冷媒流路32に流れ、給湯水流路33を加熱し、循環ポンプ49により生じさせた水流で貯湯手段21からタンク給水管48、給湯給水管35の順に流れてきた水がここで加熱される。そして高温湯となった水は、水流路出口管B38の貯湯開閉弁44を通り、吐水部45に設けられたノズル46から貯湯手段21内の上層部に拡散されて戻る。そしてこのような動作を継続して行うことによって、貯湯手段21内の上層部から下層部へ順に温度が上昇する。
【0060】
この貯湯運転においては、出口温度検知手段75が給湯熱交換器34で加熱された高温湯の温度を検出し、制御手段71が高温湯の温度を決定した所定値(例えば二酸化炭素冷媒では加熱温度85℃に設定)になるように、この検出信号に基づき、圧縮機23の回転数と第2減圧手段27の減圧度を制御する。そしてタンク壁面下方の残湯第3検知手段81の検知温度が所定温度(例えば80℃)を超えれば、制御手段71は貯湯運転の終了が近いと判定して、圧縮機23の回転数(運転周波数で変更する)や循環ポンプ49の回転数を減少させる。その後、入口温度検知手段74が貯湯手段21から流入する水の温度を検出し、タンクからの流入温度が所定の加熱終了温度(例えば、60℃)より高温になると、その信号に基づき制御手段71は貯湯手段21全量が高温湯となったと判断し、貯湯運転を停止する。この貯湯運転の繰り返しで貯湯手段21内は所定温度の高温に維持される。この保温の所定温度を給湯の設定温度(例えば45℃)より充分に高くすることにより、蓄熱密度を上げることができ、貯湯手段21の大きさを小さくすることができる。
【0061】
そして、貯湯運転は通常給湯停止中に行われるが、給湯運転中であっても貯湯運転が必要で、かつ給湯運転に要する加熱能力を差し引いてもまだ給湯熱交換器34での加熱能力に余裕があるときは、給水開閉弁47を閉じることで「給湯運転」と「貯湯運転」の同時運転が可能となる。
【0062】
ここで風呂放熱器24、給湯放熱器26に流入する冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルとしていることにより、熱交換により冷媒が熱を奪われて温度低下しても凝縮することがなく、冷媒と水との温度差を大きくできる。これにより、貯湯手段21の水を高温に加熱し蓄熱密度を大きくして、貯湯手段21を小型化でき、装置をさらに小型化できる。
【0063】
(実施例2)
本実施例において実施例1と異なる点は、流量検知手段77の検知流量ではなく、給湯負荷が閾値を超える時に圧縮機23を動作させ、給湯負荷が閾値以下の時は圧縮機23を動作させずに、湯混合手段59を制御して貯湯手段21より出湯させる点である。なお給湯負荷とは実施例1で述べた給湯負荷と同じ意味であり、出湯温度設定手段88の設定出湯温度から給水温度検知手段73の検知給水温度を減じたものに流量検知手段77の検知流量を乗じたものである。また気温検知手段86の検知気温が高くなるほど、前述給湯負荷の閾値が大きくなるよう可変している。
【0064】
このようにして給湯負荷が給湯熱交換器34の最小加熱能力より小さくなることを防止し、実施例1に比べてさらに精度良く、希望する温度で給湯端末より出湯することができる。また給湯負荷が熱交換器の最小加熱能力を超える状態で圧縮機が動作するので、過大吐出圧力に起因する圧縮機の異常停止を防止できる。
【0065】
なお各実施例ではヒートポンプサイクル22を、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルとしたが、もちろん一般の臨界圧力以下のヒートポンプサイクルでもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のヒートポンプ式給湯装置によれば、熱交換器の最小加熱能力以下の能力でも給湯端末より出湯でき、特に給水温度の高い夏の小流量出湯においても、希望する温度で給湯端末より出湯することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるヒートポンプ式給湯装置の構成模式図
【図2】 同ヒートポンプ式給湯装置を示す斜視図
【図3】 従来のヒートポンプ式給湯装置を示す構成模式図
【符号の説明】
21 貯湯手段
22 ヒートポンプサイクル
23 圧縮機
26 給湯放熱器
32 給湯冷媒流路
33 給湯水流路
34 給湯熱交換器
42 給湯端末
59 湯混合手段
71 制御手段
73 給水温度検知手段
77 流量検知手段
86 気温検知手段
88 出湯温度設定手段

Claims (13)

  1. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器と接続され、湯を貯湯する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、給湯端末の負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記ヒートポンプサイクルの運転開始直後は、少なくとも前記貯湯手段から出湯し、前記熱交換器の出口温度に応じて、前記熱交換器からの湯水を優先して出湯するように前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  2. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器と接続され、湯を貯湯する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、給湯端末の負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記負荷が前記熱交換器の最大加熱能力を超えた場合は、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合して出湯するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  3. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記ヒートポンプサイクルの運転開始直後は、少なくとも前記貯湯手段から出湯し、前記熱交換器の出口温度に応じて、前記熱交換器からの湯水を優先して出湯するように前記湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  4. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記流量検知手段からの検知流量により前記熱交換器の最大加熱能力を超えたと判断した場合は、前記熱交換器と貯湯手段からの湯水を混合して出湯するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  5. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記流量検知手段の検知流量が所定の閾値以下の場合は、前記圧縮機を動作させずに、少なくとも前記貯湯手段から湯水を出湯させるよう前記湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  6. 気温を検知する検知手段を備え、制御手段は、前記気温検知手段の検知気温が高くなるほど、閾値が大きくなるように可変することを特徴とする請求項記載のヒートポンプ式給湯装置。
  7. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量に基づく積算流量に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するよう前記湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  8. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯水を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記熱交換器への給水温度を検知する給水温度検知手段と、前記浴槽及び/又は給湯端末への出湯温度を設定する出湯温度設定手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量と前記給水温度検知手段の検知給水温度と出湯温度設定手段の設定出湯温度で算出される給湯負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、前記ヒートポンプサイクルの運転開始直後は、少なくとも貯湯手段から出湯し、熱交換器の出口温度に応じて、前記熱交換器からの湯水を優先して出湯するように湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  9. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯水を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記熱交換器への給水温度を検知する給水温度検知手段と、前記浴槽及び/又は給湯端末への出湯温度を設定する出湯温度設定手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量と前記給水温度検知手段の検知給水温度と出湯温度設定手段の設定出湯温度で算出される給湯負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、給湯負荷により給湯熱交換機の最大加熱能力を超えたと判断した場合は、熱交換器と貯湯手段からの湯水を混合して出湯するよう湯混合手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  10. 圧縮機を含むヒートポンプサイクルと、前記ヒートポンプサイクルの冷媒と湯水との間で熱交換を行う熱交換器と、浴槽及び/または給湯端末への出湯流量を検知する流量検知手段と、前記熱交換器と接続され、湯水を貯留する貯湯手段と、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水を混合し前記給湯端末へ出湯する湯混合手段と、前記熱交換器への給水温度を検知する給水温度検知手段と、前記浴槽及び/又は給湯端末への出湯温度を設定する出湯温度設定手段と、前記圧縮機と前記湯混合手段とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量検知手段の検知流量と前記給水温度検知手段の検知給水温度と出湯温度設定手段の設定出湯温度で算出される給湯負荷に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、かつ、前記熱交換器と前記貯湯手段からの湯水の混合量を可変するようにし、給湯負荷が所定の閾値より大きい場合は、圧縮機を動作させ、熱交換器からの湯水と貯湯手段からの湯水を混合して出湯することを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  11. 気温を検知する検知手段を備え、制御手段は、前記気温検知手段の検知気温が高くなるほど、閾値が大きくなるように可変することを特徴とする請求項10記載のヒートポンプ式給湯装置。
  12. 圧縮機は、複数の圧縮機から構成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のヒートポンプ式給湯装置。
  13. ヒートポンプサイクルは、放熱器に流入する冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルである請求項1乃至12のいずれか1項に記載のヒートポンプ式給湯装置。
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